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元スレ八幡「なんだ、かわ……川越?」沙希「川崎なんだけど、ぶつよ?」
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八幡(そして舞台は予備校へ)
八幡(今日のカリキュラムを終え、自習室で川崎と落ち合う)
八幡「で、一応アレをやった犯人に目星を付けとこうと思うんだが」
沙希「うん」
八幡「どんなやつかってのは四つに分類される。まず『俺に恨みを持つやつ』。これは正直不特定多数だ。文化祭とかでの悪評もあるしな」
沙希「文化祭…………」////
八幡(あ、やべ、地雷踏んだ!?)
八幡「つ、次は『川崎に恨みを持つやつ』。どうだ、心当たりはあるか?」
沙希「あんまり他人と関わってないからあたしにはないね。知らぬ間に持たれてる可能性までは否定できないけど」
八幡「まあ逆恨みってこともあるしな。そして『川崎のことを好きなやつ』。これはこの前のやつも当てはまるし、好きだけど言い出せなかったのに俺みたいなのと付き合い出したのに怒って行動に出たパターンもあるな。この場合『俺に恨みを持つやつ』にも該当するが」
沙希「それだとしたら実に陰険なやつだね。言い寄られても付き合う気なんかまったく起きやしない」
八幡「んで最後、『俺のことを好きなやつ』。まあこれは考えなくていいだろ。いるわけないし」
沙希「……本当にそう思ってる?」
八幡「そりゃそうだろ、こんな目をしたやつに誰が惚れるんだよ」
沙希「あんたの内面に惚れたかもしれないじゃない」
八幡「その俺の内面知ってるやつがほとんどいねえよ。知ってて俺のことを好きっていうならこんな俺が嫌うようなことはしないだろ」
沙希「……そうだね」
八幡「そんなわけで有力候補は『俺に恨みを持つやつ』か『川崎のことを好きなやつ』、あるいはその両方だな」
沙希「じゃあこの前フったあいつが……?」
八幡「それも有力候補なんだが……あの写真、貼る時は人目につかないように行動していたはずだ。そんなコソコソしなきゃいけない状況で他のクラスの教室に入るのって結構リスキーじゃないか?」
八幡(今日のカリキュラムを終え、自習室で川崎と落ち合う)
八幡「で、一応アレをやった犯人に目星を付けとこうと思うんだが」
沙希「うん」
八幡「どんなやつかってのは四つに分類される。まず『俺に恨みを持つやつ』。これは正直不特定多数だ。文化祭とかでの悪評もあるしな」
沙希「文化祭…………」////
八幡(あ、やべ、地雷踏んだ!?)
八幡「つ、次は『川崎に恨みを持つやつ』。どうだ、心当たりはあるか?」
沙希「あんまり他人と関わってないからあたしにはないね。知らぬ間に持たれてる可能性までは否定できないけど」
八幡「まあ逆恨みってこともあるしな。そして『川崎のことを好きなやつ』。これはこの前のやつも当てはまるし、好きだけど言い出せなかったのに俺みたいなのと付き合い出したのに怒って行動に出たパターンもあるな。この場合『俺に恨みを持つやつ』にも該当するが」
沙希「それだとしたら実に陰険なやつだね。言い寄られても付き合う気なんかまったく起きやしない」
八幡「んで最後、『俺のことを好きなやつ』。まあこれは考えなくていいだろ。いるわけないし」
沙希「……本当にそう思ってる?」
八幡「そりゃそうだろ、こんな目をしたやつに誰が惚れるんだよ」
沙希「あんたの内面に惚れたかもしれないじゃない」
八幡「その俺の内面知ってるやつがほとんどいねえよ。知ってて俺のことを好きっていうならこんな俺が嫌うようなことはしないだろ」
沙希「……そうだね」
八幡「そんなわけで有力候補は『俺に恨みを持つやつ』か『川崎のことを好きなやつ』、あるいはその両方だな」
沙希「じゃあこの前フったあいつが……?」
八幡「それも有力候補なんだが……あの写真、貼る時は人目につかないように行動していたはずだ。そんなコソコソしなきゃいけない状況で他のクラスの教室に入るのって結構リスキーじゃないか?」
沙希「じゃあ、犯人はうちのクラス?」
八幡「可能性は高いだろうな。撮ったやつと貼ったやつが別々で共犯というのもありえるが」
沙希「ねえ、あんたもしかして当たりが付いてるんじゃないの?」
八幡「…………何でそう思う?」
沙希「さあ? ただ何となくそうかなって感じただけ」
八幡「お前マジでエスパーかよ……読心術でも習得したの?」ハァ
沙希「ふふ、たぶんあんた専用だけどね」
八幡「!!」ドキッ
八幡(なんだよクソ、俺の事を理解してますってか? 勘違いしちゃうよ?)ドキドキ
沙希「で、誰なの?」
八幡「あ、ああ…………相模、だろうな」
沙希「ふうん」
八幡「驚かないんだな」
沙希「むしろ動機の面で言ったら最有力候補じゃないの」
八幡「そりゃそうだ。朝それとなく教室にいたやつを観察していたんだが……あいつだけ反応が違ってた」
沙希「へえ、どんなふうに?」
八幡「まず俺が特に気にせず席に着いたら拍子抜けした表情になった」
沙希「でもそれぐらいなら……」
八幡「そして次第に焦り始めた。このまま先生達に見つかってさらに騒ぎが大きくなることを恐れたんだろう」
沙希「……」
八幡「お前が写真を剥がした時にはほっとしてたよ」
沙希「……」
八幡「んで、俺達が平然と会話してんのを睨み付けていたな」
沙希「いやそれもうほぼ確定じゃない、さっきまでの考察や前振りはなんだったのさ」
八幡「一応すべての可能性をだな」
沙希「馬鹿らしい……で、どうすんの? 本人に何か言うの?」
八幡「それなんだよな……あいつには俺を恨むだけの理由はあるし」
沙希「でもあんたは泥を被っただけなんでしょ? だったら」
八幡「どういう理由があろうと俺が相模に罵声を浴びせたのは事実なんだ」
沙希「……あんたも大概お人好しだね」
八幡「そんなことねえよ」
八幡「可能性は高いだろうな。撮ったやつと貼ったやつが別々で共犯というのもありえるが」
沙希「ねえ、あんたもしかして当たりが付いてるんじゃないの?」
八幡「…………何でそう思う?」
沙希「さあ? ただ何となくそうかなって感じただけ」
八幡「お前マジでエスパーかよ……読心術でも習得したの?」ハァ
沙希「ふふ、たぶんあんた専用だけどね」
八幡「!!」ドキッ
八幡(なんだよクソ、俺の事を理解してますってか? 勘違いしちゃうよ?)ドキドキ
沙希「で、誰なの?」
八幡「あ、ああ…………相模、だろうな」
沙希「ふうん」
八幡「驚かないんだな」
沙希「むしろ動機の面で言ったら最有力候補じゃないの」
八幡「そりゃそうだ。朝それとなく教室にいたやつを観察していたんだが……あいつだけ反応が違ってた」
沙希「へえ、どんなふうに?」
八幡「まず俺が特に気にせず席に着いたら拍子抜けした表情になった」
沙希「でもそれぐらいなら……」
八幡「そして次第に焦り始めた。このまま先生達に見つかってさらに騒ぎが大きくなることを恐れたんだろう」
沙希「……」
八幡「お前が写真を剥がした時にはほっとしてたよ」
沙希「……」
八幡「んで、俺達が平然と会話してんのを睨み付けていたな」
沙希「いやそれもうほぼ確定じゃない、さっきまでの考察や前振りはなんだったのさ」
八幡「一応すべての可能性をだな」
沙希「馬鹿らしい……で、どうすんの? 本人に何か言うの?」
八幡「それなんだよな……あいつには俺を恨むだけの理由はあるし」
沙希「でもあんたは泥を被っただけなんでしょ? だったら」
八幡「どういう理由があろうと俺が相模に罵声を浴びせたのは事実なんだ」
沙希「……あんたも大概お人好しだね」
八幡「そんなことねえよ」
沙希「まああんたがそういうならいいけどね」
八幡「でだ、俺は別に何もしないでいいと思ってる」
沙希「……どうして?」
八幡「相模は弱者には強く出るが、強者には手を出さない。お前は外見が少し不良っぽいし、文化祭でもちょっとした立場を手に入れてるからな。お前に直接手を出すことはないだろう」
沙希「いろいろ言いたいけどまあ一応納得しとくよ。でもそれならあんたには出してくるんじゃないの?」
八幡「そこまで大っぴらに派手なことはしない。事が大きくなって一番困るのは相模本人だからな」
沙希「そうなの?」
八幡「被害者は被害者でいるから同情を集められるんだ。復讐なんかをしてそれがバレれば無条件に皆味方ってわけにはいかないさ…………まあ俺だったらどんな被害者になっても同情は集められないが。ソースは」
沙希「もうあんたの自虐ネタはお腹いっぱいだからやめて。でもちょっとした嫌がらせとかは続くんじゃないの?」
八幡「そのくらいだったら俺の人生においては大したことねえよ。それに…………」
沙希「それに?」
八幡「えっと、その……」
沙希「はっきりしないね、なに?」
八幡「お、お前がいてくれるからな」
沙希「えっ」
八幡「お前は俺の味方でいてくれるんだろ、だったら大抵のことなんか気になんねえよ」
沙希「な、なに恥ずかしいこと言ってんの!」
八幡「わ、わかってるよ! でもそれだけは伝えておきたいって思ってだな」
沙希「言うな! それ以上言わなくていい! もうわかったから!」
八幡「お、おう」
沙希「…………」
八幡「…………」
沙希「……そ、そろそろ帰ろうか」
八幡「そうだな、まあしばらくは様子見ってことで。んじゃ送ってくぜ」
沙希「……いいの? あんたにとっては遠回りになるけど」
八幡「俺がそうしたいんだよ。頼むから送らせてくれ」
沙希「じゃあ……お願いするよ」
八幡「でだ、俺は別に何もしないでいいと思ってる」
沙希「……どうして?」
八幡「相模は弱者には強く出るが、強者には手を出さない。お前は外見が少し不良っぽいし、文化祭でもちょっとした立場を手に入れてるからな。お前に直接手を出すことはないだろう」
沙希「いろいろ言いたいけどまあ一応納得しとくよ。でもそれならあんたには出してくるんじゃないの?」
八幡「そこまで大っぴらに派手なことはしない。事が大きくなって一番困るのは相模本人だからな」
沙希「そうなの?」
八幡「被害者は被害者でいるから同情を集められるんだ。復讐なんかをしてそれがバレれば無条件に皆味方ってわけにはいかないさ…………まあ俺だったらどんな被害者になっても同情は集められないが。ソースは」
沙希「もうあんたの自虐ネタはお腹いっぱいだからやめて。でもちょっとした嫌がらせとかは続くんじゃないの?」
八幡「そのくらいだったら俺の人生においては大したことねえよ。それに…………」
沙希「それに?」
八幡「えっと、その……」
沙希「はっきりしないね、なに?」
八幡「お、お前がいてくれるからな」
沙希「えっ」
八幡「お前は俺の味方でいてくれるんだろ、だったら大抵のことなんか気になんねえよ」
沙希「な、なに恥ずかしいこと言ってんの!」
八幡「わ、わかってるよ! でもそれだけは伝えておきたいって思ってだな」
沙希「言うな! それ以上言わなくていい! もうわかったから!」
八幡「お、おう」
沙希「…………」
八幡「…………」
沙希「……そ、そろそろ帰ろうか」
八幡「そうだな、まあしばらくは様子見ってことで。んじゃ送ってくぜ」
沙希「……いいの? あんたにとっては遠回りになるけど」
八幡「俺がそうしたいんだよ。頼むから送らせてくれ」
沙希「じゃあ……お願いするよ」
八幡(そんなわけで比企谷タクシーは今日も川崎を乗せて走る)キコキコ
八幡(もう暗くなっているので安全運転で。そう、暗いからな、だからいつもよりゆっくりめに走った。安全を意識するならそもそも二人乗りするなというツッコミはナシだ)キコキコ
八幡(ずっと小町専用だったこの場所にすっかり川崎は馴染んでしまった)キコキコ
八幡(自転車だけじゃない、俺自身との距離も小町しかいなかった近さに川崎はいるんじゃないかと思う)キコキコ
八幡(今みたいに会話がなくともちっとも気まずくない、穏やかな空気を持てるような存在)キコキコ
八幡(俺は……川崎とどうなるんだろうか? どうなりたいんだろうか?)キコキコ
八幡(答えの出ない問題をぐるぐる頭の中で考えているうちに川崎家に着いた)キキッ
八幡「着きましたぜお客さん」
沙希「どうも、お代は明日の昼にね」
八幡「おう」
八幡(川崎が荷台から降り、俺の横に立つ。ここで俺は周りに誰もいないか確認する)キョロキョロ
沙希「?」
八幡「また、明日な、沙希」
沙希「っ! ま、また明日ね、八幡」
八幡(俺達はお互い少し顔を赤くしながらも、はっきり見つめ合って挨拶をする)
八幡(何かわけのわからない感情が込み上げてくるのを誤魔化すように俺は帰宅すべくペダルを漕ぎ出す)
八幡(少し離れてから後ろを振り向くと、こちらを見送っていた川崎が胸の辺りまで手をあげて軽く振ってきた)
八幡(薄暗いせいで表情はまったく見えないが、それはあちらも同じだろう)
八幡(ついニヤケてしまったのを見られなかったことに安堵しながら手を振り返し、俺は交差点を曲がる)
八幡(また明日、か)
八幡(もう暗くなっているので安全運転で。そう、暗いからな、だからいつもよりゆっくりめに走った。安全を意識するならそもそも二人乗りするなというツッコミはナシだ)キコキコ
八幡(ずっと小町専用だったこの場所にすっかり川崎は馴染んでしまった)キコキコ
八幡(自転車だけじゃない、俺自身との距離も小町しかいなかった近さに川崎はいるんじゃないかと思う)キコキコ
八幡(今みたいに会話がなくともちっとも気まずくない、穏やかな空気を持てるような存在)キコキコ
八幡(俺は……川崎とどうなるんだろうか? どうなりたいんだろうか?)キコキコ
八幡(答えの出ない問題をぐるぐる頭の中で考えているうちに川崎家に着いた)キキッ
八幡「着きましたぜお客さん」
沙希「どうも、お代は明日の昼にね」
八幡「おう」
八幡(川崎が荷台から降り、俺の横に立つ。ここで俺は周りに誰もいないか確認する)キョロキョロ
沙希「?」
八幡「また、明日な、沙希」
沙希「っ! ま、また明日ね、八幡」
八幡(俺達はお互い少し顔を赤くしながらも、はっきり見つめ合って挨拶をする)
八幡(何かわけのわからない感情が込み上げてくるのを誤魔化すように俺は帰宅すべくペダルを漕ぎ出す)
八幡(少し離れてから後ろを振り向くと、こちらを見送っていた川崎が胸の辺りまで手をあげて軽く振ってきた)
八幡(薄暗いせいで表情はまったく見えないが、それはあちらも同じだろう)
八幡(ついニヤケてしまったのを見られなかったことに安堵しながら手を振り返し、俺は交差点を曲がる)
八幡(また明日、か)
沙希(比企谷は何もしなくていいって言ってた)
沙希(あの写真の時におおごとになりそうなときは不安そうな顔をしていたってなら確かに派手なことはできないんだろうけど)
沙希(それでも比企谷が何かされる可能性はあるわけで)
沙希(いや、比企谷自身が構わないって言ってる時点であたしは何もするべきじゃない。比企谷がそうしたくてすることなら止めはしないってあたしは言ったし)
沙希(でもそれとは別にあたしはあたしで言いたいことがあったんだよね)
沙希(だから比企谷は関係なく、あたし自身がしたいことをする)
沙希「ねえ、ちょっといいかな?」
南「な、なに?」
沙希(トイレから出てきたタイミングで話し掛けると、相模はビクッと身体を震わせる)
沙希(なにこの反応。悪いことした時の弟達みたい。もう少し隠す努力しなよ……)
沙希「あの時の写真てさ、あれ一枚なの?」
南「な、なんのこと? 写真て何の話か全然わかんないよ!」
沙希(助けを求めるように周りを見ながら慌てたように言う。いや、あの教室にいたあんたが『写真』と言われてわからないわけないでしょ、犯人じゃなかったとしても)
沙希「落ち着きなって。あたしは別に怒ったり責めたりしてるわけじゃないんだ」
沙希(苦笑しながらそう言うと怯えの色が薄まる)
沙希「あれ以外にも撮ったのがあったら欲しいなって思っただけ」
南「あ、あの、あたしじゃなくて……」
沙希「そういうのいいから。たぶんスマホで撮ったんだよね? データくれると嬉しいんだけど」
沙希(あたしがそういって自分のスマホを取り出すと、観念したように相模もスマホを取り出した)
沙希(震える手で操作し、あたしの方に昨日貼り出されたのと同じ写真のデータが転送される)
沙希「ん、ありがと。撮ったのこれ一枚だけ?」
南「…………うん」
沙希「そ。こそこそしなくても撮りたきゃ言えば撮らせてあげるから。もちろん言いたいことも全部ちゃんと聞くよ。あたしもあいつも」
沙希(相模はハッとしたように顔を上げる)
沙希「んじゃね」
沙希(あの写真の時におおごとになりそうなときは不安そうな顔をしていたってなら確かに派手なことはできないんだろうけど)
沙希(それでも比企谷が何かされる可能性はあるわけで)
沙希(いや、比企谷自身が構わないって言ってる時点であたしは何もするべきじゃない。比企谷がそうしたくてすることなら止めはしないってあたしは言ったし)
沙希(でもそれとは別にあたしはあたしで言いたいことがあったんだよね)
沙希(だから比企谷は関係なく、あたし自身がしたいことをする)
沙希「ねえ、ちょっといいかな?」
南「な、なに?」
沙希(トイレから出てきたタイミングで話し掛けると、相模はビクッと身体を震わせる)
沙希(なにこの反応。悪いことした時の弟達みたい。もう少し隠す努力しなよ……)
沙希「あの時の写真てさ、あれ一枚なの?」
南「な、なんのこと? 写真て何の話か全然わかんないよ!」
沙希(助けを求めるように周りを見ながら慌てたように言う。いや、あの教室にいたあんたが『写真』と言われてわからないわけないでしょ、犯人じゃなかったとしても)
沙希「落ち着きなって。あたしは別に怒ったり責めたりしてるわけじゃないんだ」
沙希(苦笑しながらそう言うと怯えの色が薄まる)
沙希「あれ以外にも撮ったのがあったら欲しいなって思っただけ」
南「あ、あの、あたしじゃなくて……」
沙希「そういうのいいから。たぶんスマホで撮ったんだよね? データくれると嬉しいんだけど」
沙希(あたしがそういって自分のスマホを取り出すと、観念したように相模もスマホを取り出した)
沙希(震える手で操作し、あたしの方に昨日貼り出されたのと同じ写真のデータが転送される)
沙希「ん、ありがと。撮ったのこれ一枚だけ?」
南「…………うん」
沙希「そ。こそこそしなくても撮りたきゃ言えば撮らせてあげるから。もちろん言いたいことも全部ちゃんと聞くよ。あたしもあいつも」
沙希(相模はハッとしたように顔を上げる)
沙希「んじゃね」
八幡(チャイムが鳴り、昼休みが始まった)
八幡(もうどこでも同じなのだが、ちょっと人にはあまり聞かれたくない話もあるのでいつものベストプレイスで食べることにする)
八幡(包みを持った川崎と一緒に教室を出るが、それに声をかけるやつはいない)
八幡(一年の頃、似たような状況でクラスメートにはやし立てられて気まずくなって別れたカップルがいたが、俺達にそんな仲の良いクラスメートはいない。またしてもぼっちが勝利してしまった、敗北を知りたい)
八幡(まあ敗北なんて腐るほど溜め込んでるんですがね。そもそも川崎と一緒の時点でぼっちじゃねーしな)
沙希「はい、タクシー代」
八幡「おう、んじゃいただきます」
沙希「で、今日はなんでここ? 恥ずかしくなった?」
八幡「別にお前とメシ食うのに恥ずかしいことなんかねえよ…………お前さ、相模に何か言っただろ」
沙希「なんでそう思うの?」
八幡「俺はトラウマと黒歴史にまみれたぼっちだからな、人の視線には敏感なんだよ。あいつの俺を見る目に朝はなかったはずの怯えが入ってたぞ、仕返しされるんじゃないかみたいな」
沙希「別に大したことは言ってないよ。やっぱりデータでも欲しいなって思ってそれを貰っただけ。ほらこれ」スッ
八幡「っ! ま、待ち受けにしてんじゃねーよ! 今すぐ変えろ!」
沙希「ふふ、その顔が見たかったよ。ま、あたしも家族に見られたらあれだし変えとくから」
八幡「おのれ……でもやっぱり相模だったか」
沙希「声をかけた時の態度で丸分かりだったね。どんだけ小心者なんだか」
八幡「そう言ってやるな、こういうことに慣れてないんだろ。だったら普段はそんな悪いやつじゃないってことだ」
沙希「ま、あたしはこれが手に入ればどうでもいいけどね。撮ったのはこれ一枚だけだって」
八幡「そうか。これで悪いことはできないと思ってくれりゃいいんだがな……ごちそうさまだ、今日も美味かったぜ」
八幡(もうどこでも同じなのだが、ちょっと人にはあまり聞かれたくない話もあるのでいつものベストプレイスで食べることにする)
八幡(包みを持った川崎と一緒に教室を出るが、それに声をかけるやつはいない)
八幡(一年の頃、似たような状況でクラスメートにはやし立てられて気まずくなって別れたカップルがいたが、俺達にそんな仲の良いクラスメートはいない。またしてもぼっちが勝利してしまった、敗北を知りたい)
八幡(まあ敗北なんて腐るほど溜め込んでるんですがね。そもそも川崎と一緒の時点でぼっちじゃねーしな)
沙希「はい、タクシー代」
八幡「おう、んじゃいただきます」
沙希「で、今日はなんでここ? 恥ずかしくなった?」
八幡「別にお前とメシ食うのに恥ずかしいことなんかねえよ…………お前さ、相模に何か言っただろ」
沙希「なんでそう思うの?」
八幡「俺はトラウマと黒歴史にまみれたぼっちだからな、人の視線には敏感なんだよ。あいつの俺を見る目に朝はなかったはずの怯えが入ってたぞ、仕返しされるんじゃないかみたいな」
沙希「別に大したことは言ってないよ。やっぱりデータでも欲しいなって思ってそれを貰っただけ。ほらこれ」スッ
八幡「っ! ま、待ち受けにしてんじゃねーよ! 今すぐ変えろ!」
沙希「ふふ、その顔が見たかったよ。ま、あたしも家族に見られたらあれだし変えとくから」
八幡「おのれ……でもやっぱり相模だったか」
沙希「声をかけた時の態度で丸分かりだったね。どんだけ小心者なんだか」
八幡「そう言ってやるな、こういうことに慣れてないんだろ。だったら普段はそんな悪いやつじゃないってことだ」
沙希「ま、あたしはこれが手に入ればどうでもいいけどね。撮ったのはこれ一枚だけだって」
八幡「そうか。これで悪いことはできないと思ってくれりゃいいんだがな……ごちそうさまだ、今日も美味かったぜ」
一旦ここまで
読み返すと作中では一週間も経ってないのに詰め込みすぎかなと思った
もう少しゆっくりいこう
読み返すと作中では一週間も経ってないのに詰め込みすぎかなと思った
もう少しゆっくりいこう
1乙
読み返してもサキサキが可愛んだね
展開早くてもええんやで
その分、イチャコラが長くかけるんだぜ
読み返してもサキサキが可愛んだね
展開早くてもええんやで
その分、イチャコラが長くかけるんだぜ
前スレ投下分は早くていいんじゃない?
あと細くてアレだけど相模の一人称は「うち」な
あと細くてアレだけど相模の一人称は「うち」な
沙希「はい、お粗末さまでした。今日はどうする?」
八幡「? なにがだ?」
沙希「これ」ポンポン
八幡(川崎さん、平然と太ももを叩いるように見えますけど赤い顔が隠し切れてないですよ可愛いお持ち帰りしたい)
八幡「あー、えっと、今日はそんなに眠くないし、遠慮しとくよ」
沙希「別に眠くなくてもいいじゃない。横になるだけでも、さ」
八幡「いや、その、心地良過ぎるからさ、お前の膝枕でしか寝れなくなったら困るし……」
沙希「…………ダメ?」
八幡「……!!」
八幡(あーもう、なにその上目遣い、誘ってんの!? あ、誘ってるか)
八幡「えっと、じゃあちょっとだけお邪魔しようかな……」
沙希「ん、いらっしゃい」
八幡「? なにがだ?」
沙希「これ」ポンポン
八幡(川崎さん、平然と太ももを叩いるように見えますけど赤い顔が隠し切れてないですよ可愛いお持ち帰りしたい)
八幡「あー、えっと、今日はそんなに眠くないし、遠慮しとくよ」
沙希「別に眠くなくてもいいじゃない。横になるだけでも、さ」
八幡「いや、その、心地良過ぎるからさ、お前の膝枕でしか寝れなくなったら困るし……」
沙希「…………ダメ?」
八幡「……!!」
八幡(あーもう、なにその上目遣い、誘ってんの!? あ、誘ってるか)
八幡「えっと、じゃあちょっとだけお邪魔しようかな……」
沙希「ん、いらっしゃい」
とりあえずこれだけ
前スレ投下分がリメイクや修正しつつようやく終わりました
ここからは投下ペースがだいぶ落ちると思います。それでも1日一回は投下するつもりですが、よろしくお願いします
あと最近川崎さんスレが増えてきてますね……いいことだ! でも少なかったというかなかったから乗っ取ってまで書き始めた俺の立場は……(笑)
もっとサキサキSSが増えますように
>>171
そうだった!前スレでも間違えたと思ってたのに投下時にはすっかり忘れてた……すまん許してくれ、何でもするから!
前スレ投下分がリメイクや修正しつつようやく終わりました
ここからは投下ペースがだいぶ落ちると思います。それでも1日一回は投下するつもりですが、よろしくお願いします
あと最近川崎さんスレが増えてきてますね……いいことだ! でも少なかったというかなかったから乗っ取ってまで書き始めた俺の立場は……(笑)
もっとサキサキSSが増えますように
>>171
そうだった!前スレでも間違えたと思ってたのに投下時にはすっかり忘れてた……すまん許してくれ、何でもするから!
八幡(俺は仰向けになり、川崎の太ももに頭を乗せる)
八幡(二回目ともなれば慣れたものだ…………ってそんなわけあるか!)
八幡(後頭部に感じる柔らかさと密着状態で嫌でも鼻をくすぐる川崎の匂い)
八幡(正直心臓が爆発しそうだ)
八幡(でも…………なぜか同時に安心するような、ほっとするような安らいだ気分にもなった)
八幡(相反するはずの二つの感情がせめぎ合ってよくわからなくなる)
沙希「そういえばさ、今度の」ナデナデ
八幡「おい待て。なんでナチュラルに俺の頭撫でてんの?」
沙希「あれ、嫌だった?」
八幡「いや、そういうわけじゃない。むしろ心地良いんだが……それやられると眠くなるから」
沙希「でも膝枕してると何となく撫でたくならない?」
八幡「してやったことなんかねえからわかんねーよ」
沙希「じゃあ今度あたしにしてみてよ。あたしもたまにはしてもらう方に回りたいし」
八幡「…………機会があればな」
八幡(二回目ともなれば慣れたものだ…………ってそんなわけあるか!)
八幡(後頭部に感じる柔らかさと密着状態で嫌でも鼻をくすぐる川崎の匂い)
八幡(正直心臓が爆発しそうだ)
八幡(でも…………なぜか同時に安心するような、ほっとするような安らいだ気分にもなった)
八幡(相反するはずの二つの感情がせめぎ合ってよくわからなくなる)
沙希「そういえばさ、今度の」ナデナデ
八幡「おい待て。なんでナチュラルに俺の頭撫でてんの?」
沙希「あれ、嫌だった?」
八幡「いや、そういうわけじゃない。むしろ心地良いんだが……それやられると眠くなるから」
沙希「でも膝枕してると何となく撫でたくならない?」
八幡「してやったことなんかねえからわかんねーよ」
沙希「じゃあ今度あたしにしてみてよ。あたしもたまにはしてもらう方に回りたいし」
八幡「…………機会があればな」
沙希「そん時はよろしく。それで今度の」ナデナデ
八幡「だから撫でるなって」パシ
沙希「ん……」
八幡「あ……」
八幡(止めさせようと腕を伸ばし、川崎の手首を掴んだつもりが、手そのものを握ってしまった)
八幡(いわゆる手を繋いだ状態だ)
沙希「……あのさ」
八幡「す、すまん、すぐに……」
沙希「ちゃんとその手、捕まえてないとまたすぐにあんたの頭撫でるよ」
八幡「…………なら仕方ないな。しばらくこのままにさせてもらうぜ」ギュ
沙希「ん」ギュ
八幡(なんでこう、女子の手ってこんなにスベスベで柔らかいんですかね)
八幡(いや、そんなにたくさんの女子の手を知ってるわけじゃないけどさ)
八幡「だから撫でるなって」パシ
沙希「ん……」
八幡「あ……」
八幡(止めさせようと腕を伸ばし、川崎の手首を掴んだつもりが、手そのものを握ってしまった)
八幡(いわゆる手を繋いだ状態だ)
沙希「……あのさ」
八幡「す、すまん、すぐに……」
沙希「ちゃんとその手、捕まえてないとまたすぐにあんたの頭撫でるよ」
八幡「…………なら仕方ないな。しばらくこのままにさせてもらうぜ」ギュ
沙希「ん」ギュ
八幡(なんでこう、女子の手ってこんなにスベスベで柔らかいんですかね)
八幡(いや、そんなにたくさんの女子の手を知ってるわけじゃないけどさ)
八幡「で、何だ? 何か言いかけてたが」
沙希「ああ、あんた今度の日曜日はヒマ?」
八幡「日曜つーと明後日か。いや、朝のテレビ見る以外はこれといって用はないが」
沙希「そう……実は日曜日は両親とも家を空けなきゃいけなくてさ、妹達の面倒をあたしと大志が見るわけなんだけど」
八幡「へえ」
沙希「午前中は大志が近場のショーに連れて行くって言ってたけど、午後は約束があるらしくてあたしが見るの」
八幡「ふーん」
沙希「良ければ、その、一緒にどうかなって」
八幡「え、俺がか?」
沙希「う、うん。二人ともあんたとまた遊びたいって言ってたし……午前中は外出だから午後はウチでのんびり、って考えてるけど……どう?」
八幡「ああ、別に構わねえよ」
沙希「ほ、本当に!?」
八幡「……そこまで驚くことか?」
沙希「いや、あんたって休日にわざわざ出掛けたりしないんだろうなって……正直断られると思ってた」
八幡「休日が片方潰れるくらいは大したことねえよ。俺もけーちゃん達と遊ぶの嫌じゃねえしな」
沙希「そ、そう」
八幡「で、午後は川崎んちに行くとして、午前中はどうすんだ?」
沙希「えっ!?」
八幡「あん?」
沙希「ああ、あんた今度の日曜日はヒマ?」
八幡「日曜つーと明後日か。いや、朝のテレビ見る以外はこれといって用はないが」
沙希「そう……実は日曜日は両親とも家を空けなきゃいけなくてさ、妹達の面倒をあたしと大志が見るわけなんだけど」
八幡「へえ」
沙希「午前中は大志が近場のショーに連れて行くって言ってたけど、午後は約束があるらしくてあたしが見るの」
八幡「ふーん」
沙希「良ければ、その、一緒にどうかなって」
八幡「え、俺がか?」
沙希「う、うん。二人ともあんたとまた遊びたいって言ってたし……午前中は外出だから午後はウチでのんびり、って考えてるけど……どう?」
八幡「ああ、別に構わねえよ」
沙希「ほ、本当に!?」
八幡「……そこまで驚くことか?」
沙希「いや、あんたって休日にわざわざ出掛けたりしないんだろうなって……正直断られると思ってた」
八幡「休日が片方潰れるくらいは大したことねえよ。俺もけーちゃん達と遊ぶの嫌じゃねえしな」
沙希「そ、そう」
八幡「で、午後は川崎んちに行くとして、午前中はどうすんだ?」
沙希「えっ!?」
八幡「あん?」
沙希「ご、午前中って……」
八幡「? 弟妹の世話は午後からなんだろ? それまで俺達はどうするんだって話なんだが……どっか出掛けるのか?」
沙希「え、えっとね」
沙希(うそ!? 午後からウチに来てくれればって思ってたのに、比企谷は午前中からあたしといてくれるつもりなんだ!)
沙希(ど、どうしよ! 何も考えて……そうだ、この前新聞屋さんから貰ったチケット!)
沙希「じ、実は映画のチケットを貰ったんだけど……せっかくだからそれを見に行かない?」
八幡「おう、いいぞ。何の映画だ?」
沙希「駅前の映画館ならどれでも見れるタイプのやつなの。だから行ってみてその時間で見れそうなのでどうかな?」
八幡「当日までのお楽しみってやつか。俺は何でも楽しめるから構わないぜ」
八幡(時間と待ち合わせ場所の約束をしたところで昼休み終了の予鈴が鳴った)
八幡(俺は身体を起こし、繋いでいた手を放す)
八幡(その際に川崎がちょっと寂しそうな表情をしたのは気のせいだろうか?)
八幡(後頭部と手のひらに残る心地良い感触と、少しだけのモヤモヤと寂しさを抱えながら俺は教室に戻った)
八幡「? 弟妹の世話は午後からなんだろ? それまで俺達はどうするんだって話なんだが……どっか出掛けるのか?」
沙希「え、えっとね」
沙希(うそ!? 午後からウチに来てくれればって思ってたのに、比企谷は午前中からあたしといてくれるつもりなんだ!)
沙希(ど、どうしよ! 何も考えて……そうだ、この前新聞屋さんから貰ったチケット!)
沙希「じ、実は映画のチケットを貰ったんだけど……せっかくだからそれを見に行かない?」
八幡「おう、いいぞ。何の映画だ?」
沙希「駅前の映画館ならどれでも見れるタイプのやつなの。だから行ってみてその時間で見れそうなのでどうかな?」
八幡「当日までのお楽しみってやつか。俺は何でも楽しめるから構わないぜ」
八幡(時間と待ち合わせ場所の約束をしたところで昼休み終了の予鈴が鳴った)
八幡(俺は身体を起こし、繋いでいた手を放す)
八幡(その際に川崎がちょっと寂しそうな表情をしたのは気のせいだろうか?)
八幡(後頭部と手のひらに残る心地良い感触と、少しだけのモヤモヤと寂しさを抱えながら俺は教室に戻った)
とりあえずここまで
最近けーちゃんを間に挟んだハチサキが流行ってるからあまりけーちゃんを登場させると他の作品と内容が被ってしまう。気を付けんとな
そして小さい方の弟がないがしろにされがちになるよね、原作で出番がないから仕方ないが
続きはまた明日
でも映画デートはもうちょい先。さっさと間のイベント消化させて日曜朝まで進めたい
最近けーちゃんを間に挟んだハチサキが流行ってるからあまりけーちゃんを登場させると他の作品と内容が被ってしまう。気を付けんとな
そして小さい方の弟がないがしろにされがちになるよね、原作で出番がないから仕方ないが
続きはまた明日
でも映画デートはもうちょい先。さっさと間のイベント消化させて日曜朝まで進めたい
乙です!
なんでもするならこれからもイチャラブ書いてください!
なんでもするならこれからもイチャラブ書いてください!
八幡(さて放課後だ。我が奉仕部は今日も元気に活動中)
八幡(なんで強制的に入らされた部活に俺は律儀に毎日参加してるんですかね?)
八幡(もういいよね? 学生時代にこれだけ働いたんだから大学卒業したあとは専業主夫になっても誰も文句は言わないよね?)
八幡(とりあえず少しでも労働時間を減らすために自販機に寄っていこう。実に姑息な手段だ)
八幡(どうでもいいけど『姑息』ってネガティブなイメージあるよな。意味は『一時しのぎ』とかそういったものなのに。だから俺の使い方は合ってるわけだ)
八幡(正しい日本語を使える俺マジ国語学年三位。もっとも今から開けるドアの向こうには学年一位がいらっしゃるわけですが)
八幡「うぃーっす」ガラガラ
結衣「あ、ヒッキー遅かったね。どしたの?」
八幡「ちょっとソウルドリンクが飲みたくなってな、買ってきた」
いろは「うげー、それ甘過ぎません? 絶対身体壊しますよ」
雪乃「いいのよ一色さん。彼は苦い人生を送ってきたしこれからも送り続けるのだから、あれくらいしないと苦さに押し潰されてしまうの」
八幡「なんでマッ缶一本でそこまで言われんだよ……てかまた来たのか一色、こんなとこにいないで生徒会長とサッカー部のマネージャーをちゃんとしてこい」
八幡(なんで強制的に入らされた部活に俺は律儀に毎日参加してるんですかね?)
八幡(もういいよね? 学生時代にこれだけ働いたんだから大学卒業したあとは専業主夫になっても誰も文句は言わないよね?)
八幡(とりあえず少しでも労働時間を減らすために自販機に寄っていこう。実に姑息な手段だ)
八幡(どうでもいいけど『姑息』ってネガティブなイメージあるよな。意味は『一時しのぎ』とかそういったものなのに。だから俺の使い方は合ってるわけだ)
八幡(正しい日本語を使える俺マジ国語学年三位。もっとも今から開けるドアの向こうには学年一位がいらっしゃるわけですが)
八幡「うぃーっす」ガラガラ
結衣「あ、ヒッキー遅かったね。どしたの?」
八幡「ちょっとソウルドリンクが飲みたくなってな、買ってきた」
いろは「うげー、それ甘過ぎません? 絶対身体壊しますよ」
雪乃「いいのよ一色さん。彼は苦い人生を送ってきたしこれからも送り続けるのだから、あれくらいしないと苦さに押し潰されてしまうの」
八幡「なんでマッ缶一本でそこまで言われんだよ……てかまた来たのか一色、こんなとこにいないで生徒会長とサッカー部のマネージャーをちゃんとしてこい」
結衣(苦い人生をこれからも送るのは否定しないんだ……)
いろは「生徒会はもう片付きましたし、サッカー部はあと三十分くらいしたら行きますよ。それまではここで休憩中です」
雪乃「一色さん、ここは休憩所というわけではないのだけれど」
いろは「わかってますよー、でも疲れたときに雪ノ下先輩が淹れてくれた紅茶がすごく美味しくてー、ついつい足が向いちゃうんですよね」
雪乃「そ、そう。まあ自分のするべきことをちゃんとしていて私達が忙しくないのなら別に来てもらっても構わないわ」
八幡(ちょろい)
いろは(ちょろいですね)
結衣「あ、そういえばさヒッキー、今日は何にもなかった?」
八幡「あ、何がだ? 質問が漠然としすぎなんだが」
結衣「その……昨日の朝みたいな……」
八幡「ああ、それなら大丈夫だ。あの様子だともう何もしてこないだろ」
結衣「えっ、誰がやったかわかったの!?」
八幡「まあな」
いろは「生徒会はもう片付きましたし、サッカー部はあと三十分くらいしたら行きますよ。それまではここで休憩中です」
雪乃「一色さん、ここは休憩所というわけではないのだけれど」
いろは「わかってますよー、でも疲れたときに雪ノ下先輩が淹れてくれた紅茶がすごく美味しくてー、ついつい足が向いちゃうんですよね」
雪乃「そ、そう。まあ自分のするべきことをちゃんとしていて私達が忙しくないのなら別に来てもらっても構わないわ」
八幡(ちょろい)
いろは(ちょろいですね)
結衣「あ、そういえばさヒッキー、今日は何にもなかった?」
八幡「あ、何がだ? 質問が漠然としすぎなんだが」
結衣「その……昨日の朝みたいな……」
八幡「ああ、それなら大丈夫だ。あの様子だともう何もしてこないだろ」
結衣「えっ、誰がやったかわかったの!?」
八幡「まあな」
いろは「あのー、何の話ですか?」
結衣「あ、えっと……」チラ
八幡(何だ……ああそうか、一色にはどこまで話していいものか悩んでんのか)
八幡「まあ隠すようなものでもない。一色は俺と川崎ってやつが付き合ってんのは知ってるよな?」
いろは「は、はい……」
結衣(フリってのは知らないんだね)
雪乃(比企谷君のことだからそれを口実に頼み事を断るくらいはやってそうね)
八幡「まあクラスのやつも大半は知らないんだが、一緒にいるとこを写真に撮られて黒板に貼り出されたんだ」
いろは「うわーかわいそう……川崎先輩が」
八幡「おい、俺はいいのか? まあそんなことがあったんだが、やった本人に川崎が話をしてな。もう下手なことはできないと思う」
結衣「だ、誰だったの?」
八幡「それは知らない方がいい。今後何かあったときに偏見の目で見てしまうぞ」
結衣「? どういうこと?」
雪乃「つまり比企谷君が今後嫌がらせとかをされた時、またその人物が犯人だと最初から疑ってしまうということよ。潔白であったとしてもね」
八幡「まあそんなとこだ」
雪乃「それにもう解決したのなら知る必要もないでしょう。ところで川崎さんが話をしたということだけど、マズい手段には出ていないでしょうね?」
八幡「ああ、聞いた限りではほぼ最善だと思う。あとは俺からのリアクションがなければもう必要なく関わろうとは考えないはずだ」
雪乃「そう、ならいいわ」
いろは「あの……ちょっといいですか?」
八幡「あ? 何だ?」
いろは「先輩に彼女が出来たって結構な事件だと思うんですが……何で雪ノ下先輩や由比ヶ浜先輩はそんないつも通りなんですか?」
結衣「あ、えっと……」チラ
八幡(何だ……ああそうか、一色にはどこまで話していいものか悩んでんのか)
八幡「まあ隠すようなものでもない。一色は俺と川崎ってやつが付き合ってんのは知ってるよな?」
いろは「は、はい……」
結衣(フリってのは知らないんだね)
雪乃(比企谷君のことだからそれを口実に頼み事を断るくらいはやってそうね)
八幡「まあクラスのやつも大半は知らないんだが、一緒にいるとこを写真に撮られて黒板に貼り出されたんだ」
いろは「うわーかわいそう……川崎先輩が」
八幡「おい、俺はいいのか? まあそんなことがあったんだが、やった本人に川崎が話をしてな。もう下手なことはできないと思う」
結衣「だ、誰だったの?」
八幡「それは知らない方がいい。今後何かあったときに偏見の目で見てしまうぞ」
結衣「? どういうこと?」
雪乃「つまり比企谷君が今後嫌がらせとかをされた時、またその人物が犯人だと最初から疑ってしまうということよ。潔白であったとしてもね」
八幡「まあそんなとこだ」
雪乃「それにもう解決したのなら知る必要もないでしょう。ところで川崎さんが話をしたということだけど、マズい手段には出ていないでしょうね?」
八幡「ああ、聞いた限りではほぼ最善だと思う。あとは俺からのリアクションがなければもう必要なく関わろうとは考えないはずだ」
雪乃「そう、ならいいわ」
いろは「あの……ちょっといいですか?」
八幡「あ? 何だ?」
いろは「先輩に彼女が出来たって結構な事件だと思うんですが……何で雪ノ下先輩や由比ヶ浜先輩はそんないつも通りなんですか?」
一旦ここまで
なんで休日出勤なんだよ……5月って三日しか休みがなかったぞ。GWなんてどこ吹く風や
サキサキ可愛いまた明日ーノシ
なんで休日出勤なんだよ……5月って三日しか休みがなかったぞ。GWなんてどこ吹く風や
サキサキ可愛いまた明日ーノシ
雪乃「質問の意味がよくわからないのだけれど……比企谷君が誰と付き合おうと私達には関係ないじゃない」
結衣「そ、そうだよ、別にヒッキーがどうしようとどうでもいいし」
いろは「そんなもんですかね?」
いろは(絶対おかしい……この二人は先輩に好意を持ってるはずなのに)
いろは(もし違ったとしてももう少し色々言うはず……これは何かある。ちょっと突っ込んでみよう)
いろは「じゃあ先輩に質問させてもらっていいですか? なんだかんだ言っても先駆者を参考にするのは基本ですから」
八幡「は? 何の参考にするんだよ?」
いろは「そりゃ男心を知るために決まってるじゃないですか。あ、あくまでも参考なので世間一般論でなく先輩自身の意見でお願いします」
雪乃(これは……)
結衣(ヒッキーのことを知るチャンス!)
結衣「そ、そうだよ、別にヒッキーがどうしようとどうでもいいし」
いろは「そんなもんですかね?」
いろは(絶対おかしい……この二人は先輩に好意を持ってるはずなのに)
いろは(もし違ったとしてももう少し色々言うはず……これは何かある。ちょっと突っ込んでみよう)
いろは「じゃあ先輩に質問させてもらっていいですか? なんだかんだ言っても先駆者を参考にするのは基本ですから」
八幡「は? 何の参考にするんだよ?」
いろは「そりゃ男心を知るために決まってるじゃないですか。あ、あくまでも参考なので世間一般論でなく先輩自身の意見でお願いします」
雪乃(これは……)
結衣(ヒッキーのことを知るチャンス!)
八幡「やだよ面倒くせえ」
いろは「いいじゃないですかわたしを助けると思って。あ、なら奉仕部への依頼ってことにします」
雪乃「そう言われては断れないわね。比企谷君、答えてあげなさい」
八幡「ったく……わかったよ、俺個人の意見でいいんだな? あと答えたくないことは言わんぞ」
いろは「はい。あ、これだけは先に聞いておきたいんですけど、どっちから告白してきたんですか?」
八幡「それは川崎の方からだ」
いろは「先輩のことを好きになったきっかけとか聞いてます?」
八幡「……奉仕部関係やその他で何度か接触があってな。だんだん気になり出したらしい」
いろは「先輩は告白をお受けしたんですよね? それまで相手の事はどう思っていたんですか?」
八幡「悪くないやつだとは思ってたよ」
いろは「相手のどこが好きですか?」
八幡「…………ノーコメント」
いろは「いいじゃないですかわたしを助けると思って。あ、なら奉仕部への依頼ってことにします」
雪乃「そう言われては断れないわね。比企谷君、答えてあげなさい」
八幡「ったく……わかったよ、俺個人の意見でいいんだな? あと答えたくないことは言わんぞ」
いろは「はい。あ、これだけは先に聞いておきたいんですけど、どっちから告白してきたんですか?」
八幡「それは川崎の方からだ」
いろは「先輩のことを好きになったきっかけとか聞いてます?」
八幡「……奉仕部関係やその他で何度か接触があってな。だんだん気になり出したらしい」
いろは「先輩は告白をお受けしたんですよね? それまで相手の事はどう思っていたんですか?」
八幡「悪くないやつだとは思ってたよ」
いろは「相手のどこが好きですか?」
八幡「…………ノーコメント」
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