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元スレ響「貴音!?」たかね「めんような!」
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小鳥「……で、あれ? そのたかねちゃんはどこにいるんですか?」
響「!?」
P「!?」
響「…… い、いない! 自分たちが話し込んでるスキに出てったな!?」
P「まずい! もうぼちぼちみんな事務所に来てる時間だ、先に見つけないと!」
小鳥「……どうして隠さなきゃいけないんです? 事務所の仲間なんですし、別に問題は――」
響「仲間だからこそだよピヨ子ぉ!! 亜美や真美がたかね見つけでもした日にはどうなるか!」
P「みんな仕事どころじゃない騒ぎになることは確実です! 音無さんも手伝ってください!」
たかね「…… ちょっとだけ、おへやをみてまわるだけのつもりだったのが……」
たかね「かってのわからないないばしょで、うかつにうごいてはなりませんね……」
たかね「ひびきと、ぷろ…… あのかたと、それからことりじょうのいるおへやに、はやくもどらねば……」
響「やっぱりもうビルの外に出てるんじゃないか!?」
P「可能性はあるな…… 響、音無さんも、手分けして探しましょう!」
小鳥「は、はいっ!」
たかね「はて、どうしたものでしょうか…… む?」
たかね「あちらのほうから、あしおとがきこえますね。きっと、ひびきがきたのでしょう」
春香「ふふふふーん♪ ふふふ ふふふっふーん♪」
たかね「ひびき、さがしましたよ、はぐれてはこま」ヒョコ
春香「ふふふ ふんふん♪ ふーんふふふー」
たかね「なっ!?」
春香「んッ!?」
春香「…… え、貴音さ…… えっ、あれ、なんか…… ちっちゃい?」
たかね「……ぬかりました!」ダッ
春香「あっ、ちょ、ちょっと貴音…… さん、待っ、あっわっ、きゃあああああっ!?」
ドンガラガッシャーン
千早「!? 着いて早々に…… いったいなんの音?」
千早「こっちの方だった気がするのだけれど…… って、ちょっと!」
春香「っ、あいったたたぁ……」
千早「どうしたの春香、大丈夫!? 怪我はしていない!?」
春香「あっ、ち、千早ちゃん! あのね、幼女が、古風で! 銀髪の、ていうか貴音さんが、ちっちゃくなって!」
千早「どうしたの春香、大丈夫!? 頭を打っていない!?」
春香「ほ、ほんとなんだってば!」
雪歩「あずささーん、お茶、入りましたよぉ」
あずさ「は~い。ありがとう、雪歩ちゃん」
雪歩「きょうは寒いですから、ほうじ茶にしてみました」
あずさ「素敵、温まりそう。そうだ、頂きもののお饅頭、持ってくるわね」
雪歩「あっ、いいですねぇ。じゃあわたし、これ注いでおきますから」
あずさ「お待たせ~。はい、これ、どうぞ」
雪歩「わぁ、ありがとうございます」
たかね「きょうしゅくです」
雪歩「!?」
あずさ「じゃあ、わたしも…… うん、美味しい!」
雪歩(えっ…… えっ!? いつの間に…… この子、誰!?)
たかね「ふむ、まこほ、よひあひでふ」
雪歩(あ、あずささん、全く動じてないけど…… 知り合い、なのかなぁ?)
あずさ「またこのほうじ茶が、お饅頭とすごく合うわ~…… うふふ、しあわせ」
雪歩(…… 銀髪で、きれいな目の色…… 四条さんがちっちゃいころって、こんな感じだったのかな……)
たかね「あのう、もし」
雪歩「……は、はいぃ!?」
たかね「わたくしも、おちゃをしょもうします」
雪歩「あ…… は、はいぃ、すみません、すぐに!」パタパタ
あずさ「お饅頭もまだいっぱいあるわよ~、もうひとつ食べる?」
たかね「なんと! ぜひに!」
たかね「たんのうしました…… では、わたくしはこれで」
雪歩「あ、ああ、それじゃあ……」
あずさ「あら、そうなの? じゃあ、またね~」フリフリ
雪歩(…… 行っちゃった……)
あずさ「ところで雪歩ちゃん、今の子、雪歩ちゃんの知り合いかしら?」
雪歩「え、えええっ!? わ、わたし、あずささんの知り合いだとばっかり!」
あずさ「あら~…… どうしましょう、お饅頭、みんなの分に足りなくなっちゃったかも……」
雪歩「あずささん、今気にするべきは絶対そこじゃありませんよね!?」
亜美「ねえー、まーみー、ヒーマーだーよー」
真美「真美だってヒマだよ亜美ぃー……なーんか面白いことないのー」
亜美「ないから真美に聞いてるんじゃーん……」
真美「んー、そーだよねー…… モンハンでもやるー?」
亜美「そだねいー…… とりあえず、ひと狩りいっとこっかぁ」
たかね(……! あれがひびきのいっていた、あみとまみにそういありません!)
ガタッ
たかね(はっ!? ふ、ふかく!)
真美「ん?」
亜美「お?」
たかね「……」ダラダラ
真美「んんん!?」
亜美「……ねえ、亜美にはあの子お姫ちんに見えるんだけど、真美的にはDo-dai?」
真美「ちょっと縮んでるよーな気もするけど、キホン的にはお姫ちんだね、まちがいない」
たかね(い…… いけません、これは)
亜美「どーしよっか?」
真美「そんなの聞くまでもないっしょ?」
亜美「だよねー……? んっふっふー」
真美「いっくぞぉ亜美ぃ! ミニお姫ちんをつかまえろー!」ダッ
亜美「がってんだ真美ぃ! おっひめちーん!!」バッ
たかね「ひいっ!?」
たかね(なんというちゅうちょのなさ! つかまるとなにをされるかわかったものでは!!)ダッ
亜美「あっお姫ちん逃げたっ!! こらー、まてぇーい!」
真美「超絶レアモンスだよ亜美! のがすなー!」
たかね("ひとかり"とはこういうことですか!? なんとおそろしい!!)
亜美「エモノはなかなかすばしっこいよ真美っ!」
真美「だてに面妖やってないね!? 亜美右、真美左!」
亜美「おっけぇーい!」
たかね(むれでれんけいのとれたかりをするなど、きゃつら、ほんとうにひとでしょうか!?)
< マーテェー!
ドタバタ
< ヒィィッ!
ダダダダ
< ソッチイッタヨー!
バタバタ
律子「…… またあの子達ね。がっつりお灸すえてやんなきゃ、わかんない、ってことね?」
律子「いいわ。今日という今日は、お望みどおりにしてやろうじゃないの」
たかね「はぁ、はぁ……、はぁ……」
真美「よーし、ミニお姫ちんだいぶスピード落ちてきてる!」
亜美「あと一息ってトコだねっ真美、んっふっふー」
真美「つかまえたらどうしちゃおっか!? んっふっふー!」
たかね(ああ…… まえが、もう、みえなく……)
バターン!!
律子「くぉぉぉらぁああ! 亜美、真美、さっきからドタバタ何やってるの!?」
真美「げぇっ! 鬼軍曹!」
亜美「こんないいトコでそりゃないっしょー!?」
たかね(ま…… また、あらてが!?)
真美「それよりまずいぞ亜美隊員、センリャク的撤退を――」
律子「逃がすわけないでしょーが!」ガシィ
真美「ぎゃーっ!?」
たかね(こ、これは、ねがってもないこうき!)スタタタ
亜美「ああ真美隊員! くっ、キミの犠牲は決して無駄には」
律子「わたしは おまえも つかまえた」ガシッ
亜美「ひええーっ!?」
律子(……ん? あれ…… 今、三人いたような気が……?)
亜美「ねえちょっと律っちゃんってば大ニュースなんだよー!」
真美「そうそう、そのへんにちっこいお姫ちんがいるの!」
律子「……はぁ? 何バカなこと言ってるの、そんなので誤魔化されないわよ」
亜美「あーん、ホントなのにー!」
真美「お願い律っちゃーん、ちょーっと時間くれたらすぐ捕まえてくるからー!」
律子「その前にちょっとあんたたちの時間もらうわよ」
真美「へっ……?」
亜美「り、律っちゃ…… いや律子さま、これからなにが始まるのかなぁ、なんて……」
律子「そうね、胸に手を当ててよーく考えてみるといいわ」
\\ ぎぃやーーーーっ!? //
たかね「なんとか、いわれていたとおり、あみとまみにはつかまらずにすみましたが……」
たかね「…… にげているうち、どこがどこやら、ますますわからなく……」グス
やよい「げんきにはじめればオールおっけー! ……って、あれ?」
たかね「っ!?」
やよい「こんにちは! ……ねえあなた、ひょっとして、迷子になっちゃったのかな?」
たかね「あ、あの、その、あやしいものでは……」
やよい「えらいなあ、むずかしいことば、知ってるんだね。お母さんとはぐれちゃったの?」
たかね「おかあさん…… とはちがうのですが、はぐれた、というか、その」
やよい「ここ、誰でも外から入れちゃうもんね…… よーし、わたしが一緒に家族の人さがしてあげる!」
たかね「いえ、そ、そんなことは、べつに、わたくしひとりでも」
やよい「遠慮しなくて大丈夫だよー。ひとりよりふたりの方が探しやすいし、ほら、おいで」
たかね(な、なんと、こがらなのにやたらとちからづよい……!?)ズルズル
やよい(何かお話してあげたら、気もまぎれるかなぁ…… そうだ!)
やよい「ね、あなたのお名前はなんていうのかな?」
たかね「わたくし、たかねともうします」
やよい「ええっ!?」
たかね「ど、どうかしましたか」
やよい(言われてみると…… はわっ、この子、貴音さんにそっくり!!)
たかね「あのう……」
やよい「ううん、ごめんね、ちょっとわたしの知ってるお姉さんと同じ名前で驚いちゃったの」
たかね「そうでしたか……」
やよい(髪の色とか、それにしゃべり方とかも…… 貴音さんがちっちゃくなっちゃったみたい!)
やよい(お母さんかお父さんがいるの事務所の外だろうから、まずはビルの外に出なくちゃ)
たかね(…… よくわかりませんが、どうも、さいしょのおへやからはなれているような……!)
やよい「あれ…… どうしたの?」
たかね「あ、あの、そとへでるほうにすすんではおりませんか?」
やよい「うん、そうだよ、お母さん…… お父さんかな? この中にはたぶん、いないからね」
たかね「いえ、それではわたくし、こまるのです、だってひびきが」
やよい「ひびき? ……響さん? えっ、あなた、響さんのこと」
伊織「あら、やよい?」
やよい「あっ、おはよう伊織ちゃん!」
伊織「おはよう。ねえ、こんなタイミングでなんでわざわざ外…… に……」
たかね「……」
伊織「……え?」
やよい「あのね伊織ちゃん、これは」
伊織(そろそろ朝のミーティングも近いのに、わざわざ事務所から出てくるやよい)
伊織(しかも一人じゃなくて、銀髪紅眼なんて他じゃまず見ないルックスの幼女のおまけつき)
伊織(……はっはーん、読めたわ。これいわゆるドッキリね、間違いない)
やよい「この子、家族とはぐれて、事務所の中にうっかり入っちゃったみたいなの」
伊織(やよいと、それからこの貴音そっくりの子役。アイツの考えそうなことよね)
やよい「だからいったん外に出て、保護者のひと、探してあげようと思って」
伊織(ここはまあ、テレビ的にはノってあげないといけないんでしょうね…… まったく、世話の焼ける)
伊織「ふーん、そうだったの…… それにしてもどっかで見たような子ね、なんだか貴音みたい」
たかね(ま、またわたくしのながしられている……! ここはなんなのですか、ひがんですか!?)
やよい「す、すごい、伊織ちゃんなんでわかったの? この子のお名前も、たかねちゃんっていうんだって!」
伊織「へえ、ホント? それは意外ねえー」
伊織(裏表のないやよいにしてはなかなかの演技だわ。きっと結構前から動いてたのね、この企画)
やよい「うん、貴音さんにそっくりだよね。ねえ、伊織ちゃんもたかねちゃんの家族探すの手伝ってくれる?」
伊織(……これも一緒に行かないとドッキリとして成り立たない、と)
伊織「仕方ないわね、つきあってあげてもいいわよ。感謝しなさいよ、えーっと……、貴音」
たかね「は、はあ、その、ありがとうございます……」
伊織(しっかしよくこんな子見つけてきたわね。ウィッグやカラコンはともかく、立ち居振る舞いが妙に似てるわ)
やよい「えーと、外に来たのはいいけど…… そうだ、たかねちゃんはどっちの方から来たの?」
たかね「わたくしは…… その、あちらのほうから……」
伊織「……あのねえ、そういうお約束はいいから。なんでそこで真上を指さすわけ?」
やよい「あはは、そっちはお空だよー」
たかね「…… そ、そうでした、きょうは、こちらのほうから……」
< キキイッ
真「……よーし、いい感じに温まってきたー! あっ、伊織、やよい、おはよっ!」
やよい「真さん! おはようございまーすっ!」ガルーン
伊織「真、あんた…… この寒空に自転車通勤なの……?」
真「だってせっかくのこの晴れ具合だよ? 冷えた朝の空気がまた気持ちいいんだ!」
伊織「理解に苦しむわ」
真「いいじゃないか、トレーニングにもなるしさ。ところでふたりともなんで中…… に……」
たかね「……」モジモジ
真「……」
やよい「あっ、じつは、事務所でたまたま迷子になっちゃってた子がいたんです」
伊織(ああ真、教えといてあげるけど、これ間違いなくドッキリだから……)ボソボソ
たかね「お、おはようございま……」
真「なんなのさこの子ー! うっわあああ、かーわいいぃー!!」
やよい「へっ?」
伊織「ちょ、ちょっと、まこ」
たかね「あ、あの、……ひゃあっ!?」
真「すごいすごい! 髪の毛ふわっふわで銀色で、お人形みたいでかわいいなあ、連れて帰りたーい!」
たかね「ひ、ひい、あの、たかいです、おろし、ふりまわさ、ないで、ちょっ、めが、ああ」
やよい「真さん、真さん!? 落ち着いて、あのっ、下ろしてあげてくださーい!」
伊織(……やよいの反応からしてもこの真は素ね。やれやれ、さぞドッキリ映えするでしょうよ)
真「ねえこの子どこの子なの? やよいの知り合い? うちの事務所も子役アイドル始めるとか?」
やよい「どっちも違うと思います、その子、さっきも言いましたけど、たぶん迷子で」
真「そうなのかぁ、残念…… この子貴音そっくりだし、貴音の妹ってことにしてデビューとかどうかなぁ!」
たかね「ちが…… たか、ねは…… わたくしで…… ああ…… せかいが……」
伊織「真、そろそろマジで止めてあげなさい、お姫さまがグロッキーよ」
真「えっ? あ、ごめんごめん」
真「安心してよ、いざとなったらボクが責任もって抱っこでもおんぶでもして連れてって……」
たかね「……」プルプル
伊織「……大丈夫? お仕事とはいえ災難だったわね、同情するわ」サスサス
やよい「落ち着くまでちょっとじっとしてようね、たかねちゃん」サスサス
真「…… んーと、なんとなくボクが悪いみたいな空気感じるんだけど、気のせいかな?」
伊織「なんとなくで終わってるんなら、悪いのは空気じゃなくてあんたの頭よ」
真「んなっ、そんな言い方ないだろ!? ちっちゃい子といえば高い高いって常識じゃないか!」
伊織「程度があるでしょうが! それにどっちかっていえばそれは男の子向けの遊びでしょ!?」
真「だれが男の子っぽいだって!?」
伊織「まだ言ってないわよ!!」
やよい「ちょ、ちょっとふたりとも落ち着いてっ、ね、けんかは……」
たかね(こ、これいじょうここにいては、いのちにかかわります……)ヨロヨロ
真「……まあ、確かにボクも、ちょっとはしゃぎすぎてたところはあったよ」
伊織「わたしももう少し言葉を選ぶべきだったわね。反省してる」
やよい「えへへ、そうそう、ちゃんと仲直りすればだいじょーぶですっ」
伊織「……さて、そろそろネタバレしていいころじゃないの、やよい?」
やよい「えっ?」
真「そういえばさっき伊織が言ってたドッキリって、いったい何のこと?」
伊織「真もほんとに純粋ねー、あのミニ貴音のことに決まってるでしょ」
真「ええっ!?」
やよい「あのたかねちゃん、どっきりだったんですかー!?」
伊織「えっ」
伊織「待ちなさいよ、やよいは仕掛け人のほうでしょう?」
やよい「しかけにん……? なんのこと、伊織ちゃん?」
真「えええっ、じゃあさっきのお姫さま、あれメイクとかそういうのなの!?」ガーン
やよい「そ、そうだったんですかー!? 全然気づきませんでした!」ガーン
伊織「ちょっと待って、お願い、二人でいちいちパニックを倍にするの、やめて」
伊織「らちがあかないわ、当人に確かめたら済むことでしょ…… ……あら?」
やよい「……た、たかねちゃんは?」
真「いなくなっちゃった!? あの子実在すらしてないの!? お化けとかなの!?」
伊織「そんなわけないでしょうが! いいからすぐ探しに行くわよ!」
やよい「う、うん!」
真「どっ、どうしよう伊織、ボクさっきあの子のこと思いっきり触っちゃったよ!」
伊織「そんなことわたしが知るかぁ!!」
たかね(ああ…… まだ、ふらふらします、どこかで、やすみたい……)
たかね(…… おおきないすがあります、ふかふかで、ここちよさそう……)
美希「ふにゃ…… あふぅ……」
たかね(すでに、せんきゃくがいますが…… ねていますし、あいているところで、すこし……)
たかね「……」ソローリ
美希「……んにゃ?」パチ
たかね(な、なんと!? あしおとはたてていないのに!)
美希「あー…… たかね、なにしてるのぉ?」フラリ
たかね(なんたること……! ここでもまた、なまえをしられているとは!)ゾーッ
美希「ほーらぁ、そんなとこ立ってないで、こっちおいでよ、貴音ぇ」ガシィ
たかね「な…… なにをするのです、はなしなさい、はなすのです」
美希「んー……? あれぇ、貴音、なんだかちっちゃくなってない?」
たかね「や、やめなさい、わたくしは……!」ジタバタ
美希「……まー、そんなこと、どーでもいいのー、あふ」ボスン
たかね「ふみゃっ!?」ポスッ
美希「…… すぴー…… むにゃむにゃ……」ギュー
たかね(これは…… どうしましょう、かんぜんに、とらえられてしまいました……)
美希「…… えへへぇ…… おにぎりなのー……」
たかね「おにぎり!? どこです、どこなのですか」キョロキョロ
美希「んー…… ええ、こんなにいいのぉ? ミキ、しあわせぇ……」
たかね「お、おにぎり、おにぎりはどこにあるのです!?」ジタバタ
千早「おはよう、萩原さん。ねえ、プロデューサーがどこにいるか知らない?」
雪歩「あっ、おはよう千早ちゃん。わたし、今日はまだ会ってないけど…… なにか用事があるの?」
千早「実は、春香がちょっと調子を悪くしてるみたいで……」
雪歩「えっ、そうなの? 大変!」
春香「ち、違うよ雪歩! 千早ちゃんが勝手に言ってるだけで!」
千早「さっきから、四条さんそっくりの小さい女の子を見たって言って聞かないの」
雪歩「えっ」
千早「萩原さんもおかしいと思うでしょう? でも春香は――」
雪歩「そ、その子なら、さっきわたしとあずささんのところにも来たよ!?」
千早「えっ」
春香「ほらぁー!! だから本当だって言ったでしょ千早ちゃん!」
あずさ「あらあら…… じゃああの子、やっぱり誰かの知り合いだったのかしらね?」
亜美「その話ちょーっと待ったぁぁ!!」
雪歩「ひぅっ!?」ビクゥ
あずさ「あら亜美ちゃん、おはよう」
春香「あれっ、亜美、それに真美も…… なんで涙目なの?」
真美「そのへんは置いといてさ、その前! お姫ちんそっくりのちっちゃい子って言ったよね!?」
春香「う、うん」
亜美「ほら律っちゃん!! ミニお姫ちんの目撃じょーほー、亜美たち以外にもあったよ!?」
律子「え、えええ…… だってそんな、本当、なの……?」
真美「はるるんにゆきぴょん、それにあずさお姉ちゃんまで見たって言ってるんだよー!」
千早「偶然にしては、確かにできすぎている気も……」
バタバタ
伊織「ねえ! ちょっと聞きたいんだけど、貴音そっくりの子がここに来なかった!?」
やよい「えっと、小学生くらいの身長で、髪が長くて銀色で、あっ、名前もたかねちゃんっていうんですっ!」
真「で、でもそれはどっきりの演出で、ほんとはメイクで、ひょっとしたら幽霊かもしれなくて!」
千早「…… また新しい目撃談? どうなっているの……」
雪歩「ゆ、幽霊っ!?」
亜美「ちょっとまこちん、言ってるイミがぜんぜんわかんないんだけど」
律子「どっきり? ……そんな企画あるなんて話、聞いてないわよ?」
あずさ「ええと…… 律子さんが知らないってことは、冗談ではないんですよね」
真美「でもこれだけの人数が見てるんだよ、ゼッタイなんかいるっしょ!」
春香「と、とりあえずさ、みんなで手分けして探してみよう!」
P「どうだ響、見つかったか!?」
響「ど、どこにもいないぞ…… どうしようプロデューサー、ねえ、どうしよう……!」
小鳥「とりあえず一度事務所に戻ってみましょう! 帰ってきてないとも限らないですよ!」
伊織「ひとりだけいないと思ったら、この騒ぎの中ですら例によって寝てたのね、美希……」
律子「……で、プロデューサー殿。これについて説明をお願いできますか」
P「…… だそうだぞ、響」
響「う、うがーっ!? よりによってそこで自分に振るのか!?」
美希「ふにゃ…… くぅ……」ギュー
たかね「すー…… らぁめん…… ひびき、らぁめんが……」
小鳥「●REC」
響「……ってわけで、きのう朝起きたら、貴音がこんなことになっててさ」
響(ダメだ、自分で言っててうさんくさいにもほどがあるぞこれ!)
響「その、自分もまだ信じられないところがあるし、みんなもそうだと思うんだけど……」
一同「……」
響(ああ…… そりゃそうだ、絶句しちゃうのも当たり前さー……)
響「記憶もなくなっちゃってるけど、でもこの子、貴音なんだよ! お願い、信じて」
春香「うん、いやまあ、そういうこともあるんじゃないかなぁ」
響「は、はぁ!?」
雪歩「あの悠然とした態度は四条さんそのものって感じでしたし……」
あずさ「お饅頭もほんとに美味しそうに食べてたもの。貴音ちゃんなら納得だわ」
律子「……というかそもそも、その見た目で貴音じゃないって言われる方が意外よね」
亜美「うんうん、それにミョーにカンがいいし」
真美「亜美と真美のタンデムアタックから逃げ切るくらいだもんねぃ」
やよい「や、やっぱりたかねちゃんが貴音さんだったんですねー!」
伊織「ドッキリじゃなかったけどドッキリどころじゃない感じね、これ」
真「よかったぁぁー! お化けでもメイクでもなくて貴音だったなら安心だよ!」
響「自分が言うのもなんだけどみんな適応するの早すぎじゃないか!?」
響「そ、それに、どうしてこんなことになったか、原因もぜんぜんわかんないし……」
千早「それは多分我那覇さんの言うとおりなのだけれど、それ以前に……」
美希「…… 貴音ならそういうことがあってもしょうがないかな、ってフンイキがあるの」
一同「確かに」
響「……そ、そうかなあ」
たかね「むにゃ…… ひびきぃ…… そのおにぎりは、あげませんよ…… わたくしの、ものです……」
P「まあ結果論だけど、これだけ大々的にバレたのはかえってよかったのかもしれない」
響「うーん、そうといえばそう、なのかも」
P「しかし、結局のところ問題は解決してないわけで…… どうしたもんだろうな」
小鳥「……じゃあ、響ちゃんの手が空かない間、たかねちゃんを事務所で預かってあげたらいいんじゃないですか?」
響「え?」
小鳥「ここなら毎日、少なくともわたしはいるわけですし、お金もかかりませんよ」
P「いや…… でも音無さん、それだと音無さんの負担が増えちゃいませんか」
小鳥「まったく増えないって言ったら嘘になりますけど、そのくらいの余裕はありますから」
あずさ「そうだわ~、レッスンやお仕事の合間で、わたし、遊び相手くらいはしてあげられますよ」
律子「…… 私も常に外回りってわけでもありませんから、手伝うことは可能ですし」
春香「それに、わたしたちだって学校終わったあとならお世話できちゃいますねっ!」
亜美「それなら亜美たちの方が学校早く終わるから、お姫ちんと長く遊べちゃうってスンポーだよ!」
真美「そうそう、中学生の特権ってやつだね? んっふっふー」
やよい「たかねちゃん、うちの弟とも歳が近いですし、わたしも役に立てると思いますー!」
響「そ、そんな! ピヨ子にもみんなにも悪いよ!」
美希「んー、それくらいいいんじゃないの?」
P「いいんじゃないの、って、美希お前なぁ」
雪歩「でも実際、響ちゃんの負担を考えてもそれが一番じゃないですか?」
真「そうだよ、いくら響でも、通学とお仕事とたかねの世話を全部一人でってのは無理があるよ」
千早「それに我那覇さんの場合、ほかの家族のみんなもいるわけでしょう?」
伊織「頼れるところは素直に頼っときなさいよ。みんな進んで言ってるの、わかってるでしょ?」
響「う、うん、それは確かにそうだけど……」
高木「ではそれで決まりだね」
P「うおっ!? 社長! いらしてたんですか!」
高木「事情はどうあれ、事務所のメンバーの苦境に違いない。できることはしようじゃないか」
P「それはもちろんですけど、社長にまでわざわざお手伝いいただかなくても」
高木「私だって音無君と同じく、日中はだいたいここにいるからね。話し相手にくらいはなれよう」
P「……じゃあ、とりあえず、だ。明日から響は通学前にたかねをここに連れてきて、音無さんか社長が迎える」
響「うん、わかったぞ」
小鳥「ええ、大丈夫です」
高木「うむ」
P「そして、響のレッスンなり仕事なりが終わったら、こっちに寄って連れて帰る、ってことで」
響「それが今のところ、たかねのためにも一番いいよね」
P「そうだな。で、たかねが事務所にいる間、余裕があるメンバーは相手してあげる。みんな、それでいいな?」
一同「はーい!」
たかね「…… ん、んん……」
伊織「ああ、お姫様の目が覚めたみたいよ」
律子「この状況で今までずっと寝てられるあたり、貴音らしいっていうか、大物ね……」
たかね「……ひびき? ひびき、どこですか……?」
響「あー、はいはい、ここにいるぞ。それより勝手に動き回っちゃダメじゃないか、たかね」
たかね「あの…… その、ちょっとだけ、たんけんしてみようと……」
春香「あはは、かわいい、目が覚めたらまず響ちゃん探すんだ。鳥のひなみたい」
あずさ「一日しか経ってないのに、ずいぶん響ちゃんになついてるわね、たかねちゃん」
やよい「動物にもあんなに好かれる響さんだから、当然なのかなーって気もします」
美希「それに響と貴音の付き合い、かなり長いし。たぶんあんなカンジで当たり前なの」
千早「とりあえず、ここは我那覇さんに任せておきましょう。急に私たちが出張ったら混乱させてしまうわ」
響「ってことで、たかね。明日から、日中はここで自分のこと待っててね」
たかね「…… なんだかわたくしひとりのために、おおごとになってしまったきがいたします」
響「自分も、まさかこんなことになるとは思わなかったさー」
たかね「もうしわけありません、ひびきにも、みなにも、めいわくを……」
響「なんでたかねが謝るの?」
たかね「えっ?」
響「原因はわかんないけど、たかねにもどうしようもないことなんだしさ」
たかね「…… それは、そうなのですが……」
響「誰かが大変だったら助け合うの、普通のことだもん。たかねも含めて、みんな事務所の仲間なんだから」
たかね「ひびき…… …… ありがとう、ございます」
響「ん、いいってば。 ……っていうか、むしろ、たかねが大変な目に遭うのは今からだぞ?」
たかね「はい? ……それは、どういう?」
響「うん、自分が説明しなくてもすぐわかると思うから、がんばって」
たかね「…… あの、ひびき、わたくし、わるいよかんがいたしま――」
亜美「ひびきーん! もうお話終わったー!?」
真美「ひびきんばっかりずるいよー、真美たちもミニお姫ちんと遊びたいよー!」
たかね「ひい!?」
響「あー、ごめんごめん、今説明すんだとこ」
雪歩「四条さんの…… あの四条さんの、幼女時代の姿がぁ……!」
真「雪歩、ねえ雪歩? ……ああダメだこれ、聞こえてないや」
小鳥「メモリもバッテリーも十二分にあるわ、さあ撮るわよぉ……!」
響「みんなたかねのこと、"歓迎"したくて待ち構えてたんだ。 ……大丈夫、命までは取られないぞ」
たかね「!? め…… めんようなああぁぁ!?」
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