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    元スレ咲「クク…是非に及ばず…」

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    451 = 374 :

    透華「呆気ないですわね…諦めたのかしら」

    「どうかな。点差に縛られてちゃ衣の支配に嵌まるばかりだ。もしかしたら清澄の大将には違うものが見えてるのかもな」

    透華「…それは、あなたの言う『流れ』というやつですの?」

    「どーだかね」

    智紀「…不自然な和了りであることは否めない」

    「確かにね…」

    (もし…もし、清澄の子が衣と同等…或いは衣以上に異常な打ち手だとしたら…?)

    「…まさかね」ボソリ

    452 = 374 :

    「――カン」

    「!」

    「……ツモ――嶺上開花」フワッ

    ゆみ(その手でポンして、あまつさえ加槓だと――!?一体何を考えている!?)

    華菜(あたしの最後の親番がそんなゴミ手で――!!)

    (――…月は出ている。力も充盈している。点差も十分。…なのに)

    「……」

    (なぜだ…?――月に翳りを感じる…)

    453 = 374 :

    (…宮永さん…!)


    (……?原村さん?)ピリッ

    (――大丈夫だよ)

    「カン」

    ゆみ(またか…!)

    「もいっこカン」

    華菜(連槓…!)

    (まさか――)

    454 = 374 :

    「…切りましたよ」

    ゆみ「え?あ、ああ」

    華菜(…来たしぃぃぃい!カンドラで一気に化けたし!)キュ

    華菜「…よしっ!リーチ!」

    「……!」

    (気息奄々としていたはずの風越から感じる――澎湃たる気運!)

    (そうか…!清澄のカンで…)トン

    「ロン」

    「…え」

    455 = 374 :

    「110府1翻、3600です」

    華菜(そ…そんにゃ…)

    ゆみ(高目を狙える手にも関わらず安手で徒に場を進める…清澄、何を考えている…?)

    華菜(なんなんだよ――!)


    「――ポン」

    ゆみ(点差があるのにポン…やはり安手で連荘狙いか?)

    華菜(――…こい。こい…)キュ

    華菜(来た!国士無双聴牌!天江から直撃取ればまだわからないし!)

    (また風越から強大な気配…対して清澄は些些たるもの…しかも聴牌すらしてないとみえる)

    (くっ…なんだこの感覚は…?)

    456 = 374 :


    「風越池田選手が国士無双を聴牌!もし天江選手がオリるようなことがあれば北が出るかもしれませんね…」

    藤田「どうかな。それよりも清澄のポン…あれがなかったら天江がツモってもう南三局は終わっていた」

    藤田(衣…感覚に頼るな――そいつはお前の感覚を超越する存在だ…!)

    457 = 374 :


    「……」カッ

    (張ったか…しかし安い――)

    「カン」

    (まさか…!?)

    「もいっこカン――」

     ゾワッ

    ゆみ(――まさか)

    華菜(これで…)

    (嶺上…――?)

    458 = 374 :


    「――もいっこ」

    「「「!?」」」

    「カン!」

    「……!」

    (なんだこれは…!?一巡前には聴牌すらしてなかった奴の手が――!)

    「ツモ――嶺上開花・断幺・対々・三暗刻・三槓子」

    459 = 374 :

    (…こんな――)

    「――ありえない?」

    「!」

    「そんな顔してるよ」

    「…ありえない。ありえないっ!どうして…!」

    「……」フゥ…キッ

    「『有り得ない』?――有り得ないことなど有りはしない」

    「――!」

    460 = 374 :

    「貴様の支配は凄絶の一言に尽きる。正味、侮っていたよ。吹けば飛ぶような有象無象だとばかり思っていた」

    「……っ!」

    (――衣も…衣の方こそ…)

    「だが…貴様の支配は壁牌に及ぶばかり…我はその支配の及ばぬ領域――王の領域、王牌を従える」

    「……」

    「――未だ信じられないか。ならば括目せよ、そして瞠目せよ!魔王の麻雀、篤と御覧じろ――!!」

    461 = 374 :

    (……)


    藤田『お前のは打ってるって言わないんだよ。――打たされてるんだ…――』


    (そんな…莫迦な…)

    (事が、あってたまるか…っ!)

    (…いいだろう、確かめてやる…所詮は誰かと楽しく麻雀を打ってきた奴の戯言…)

    462 = 374 :

    (――麻雀という遊戯は勝者がひとりで、他はすべて敗者)

    (こうして戯れていようと、相手は楽しくないはずなのだ…)

    (独り法師の衣と違って…麻雀がなくとも彼奴等には誰かが傍にいるんだ。だから…麻雀だけしかない衣より強いなど、あってはならないんだ…あっては…)


    透華『私はあなたの従姉妹の透華と申します』

    透華『友達が出来ないのであれば、集めるまで!』

    『よーちびっころ。肩車してやろーか?』

    智紀『…よろしく。今度、色々データを取らせてほしい』

    『ボクは一。キミは…――』


    (ならない…はずなのに…どうして、こうも胸がくるしいんだ…?どうしてこうも震える…?)

    (――…確かめる。此が只の錯覚か否か…この双眸で確と!)

    463 = 374 :

    華菜(…まだだし。まだまだ!まだまだまだまだ諦めない!華菜ちゃんは図々しいんだし!神様、今こそ華菜ちゃんに天運を!)

    ゆみ(…結局はこうなってしまったか。だが、それでも…足掻いてみせる!これが私の答えなのだから――!)


    「――ポン」

    ゆみ(しまった…!)

    華菜(まただし…また、今度は天江衣の…!)

    「……」スッ

    「――ツモ!」ダンッ



    「四度目の海底――!追い縋る清澄の親番を一蹴!そして――ついにオーラス!!」

    464 = 374 :

    ゆみ(…切り替えろ。ラス親、役満直撃でまくることが出来るが…まずは何より和了ること!)

    ゆみ(和了り続ける限り――負けることはない!)

    華菜(この状況からうちが勝つには…とにかくひたすら聴牌し続ける!そんで頃合を見計らって役満でも直ればまくることも可能!そしたら華菜ちゃん奇跡の大逆転!)

    華菜(――諦めないぞ。だって…諦めたら、起こり得る奇跡も起きないから!)

    (もう…いい。もう斃れろ…どうせ衣が勝つんだ。だから――)

    「……」

    465 = 374 :


     チャッ タン チャッ タン チャッ…

    華菜(…ん~~~~~……)

    華菜(はァ…今来んなよ…――四暗刻単騎ツモ…!)

    華菜(…飽くまで勝ちにいく。寂しい思い出作りだなんて御免だね――出直してきな!)タンッ

    (…風越、和了らんとはあにはからんや…)

    466 = 374 :

    (しかし――これで!)カッ

    「――……っ!」トクン

    (五萬じゃない…!?)

    「……」ズズズ

    (清澄…掴まされた――!)

    467 = 374 :

    (如何にせん…12000…程か?その程度であれば多少の色がついたとしても子細なし…今までこの感覚通りに打って負けたことはない…しかし…)

    (くっ…前々局の情景が思考にこびりつく…)

    (初めて出会った、感覚通りに打って負けるかもしれない相手――!)

    「……」

    「――何をそんなに迷っている」

    「!」

    468 = 374 :

    (迷っている…?衣が?)

    「好きに打てばいいだけの話。それで勝つかもしれないし、負けるかもしれない。得てして麻雀とはそういうものだろう?」

    「……」

    (――…そう、だった…のか…?フジタの言葉、胸を刺す痛み…何もかも)

    (衣が思い違っていただけの、それだけのこと…?)

    (…勝つかもしれない…負けるかもしれない……それだけの――)

    469 = 374 :

    「…我は――」

    「ううん、私は…今日この時、この四人で卓を囲めて…麻雀を打てて…すごく愉しいよ」

    「!」

    「衣と麻雀を打って…たのしい…?」

    「ウム…うん!だから――いっしょに愉しもうよ!」

    「――っ」ドクン

    470 = 374 :

    (奇異な奴…衣と打ってたのしい、か…)

    (…感覚の傀儡と成り下がり『打たされる』のではなく!感覚を選択肢の一つとして『打つ』!)

    (衣は衣の意思でこれを選ぶ!もし清澄の手牌が気配通りのものならば衣の勝ちだ!そうでなければ…今回は負ける、それだけのこと!)パシィ!

    「…和了るか?」

    「ううん。それで和了っても私の負け。だから――」

    471 = 374 :



    「――カン」ボッ


    472 = 374 :

    透華「跳満は当然和了らないにしても大明槓って…――大明槓!?」


    智美「責任払いかっ!」ガタッ


    「珍しいルールですよね」

    藤田「そうだな…私は苦手だ」


    美穂子(ここで和了ったところで点数は変わらない…とすれば)

    473 = 374 :

    「もいっこカン」

    華菜(また連槓…!?)

    ゆみ(ここまでくると天晴れだな…)フッ

    (…衣は今までの自分の打ち方を信じ、選んだ)

    (でも――これでこの自分が敗忸するようなことがあるのなら…――)

    「――」ズアッ

    474 = 374 :

    未春「また嶺上開花…」


    モモ「でもこれならまだ12000のままっすね」


    「ということは――」


    「宮永さん……!」

    475 = 374 :

    「――もいっこ、カン」

    (衣は――生まれ変われるかもしれない――)

     ひらっ…

    「ツモ――清一色…――」

    華菜「……」

    「――対々、三暗刻、三槓子、赤一…――」

    ゆみ「……」

    「――嶺上開花…」

    「……!」

    「――32000です!」カッ



    「かっ…数え役満――ッ!!」

    「県予選決勝二度目の数え役満!しかもまた嶺上開花!!」

    「これにて県予選団体戦は完全決着!」

    「試合の最終結果は――清澄高校の逆転勝利です――!!」

    476 = 374 :

    「……」ジワッ

    ゆみ「……」フッ

    華菜「……うん」

    「……?」

    華菜「あたしも…愉しかったし!」

    「お前が…お前も、か…?」

    華菜「なに?おかしい?――何事も、そうやって前向きに愉しんでいくんだよ!」

    「……」

    477 = 374 :

    ゆみ「確かに――負け惜しみにしか聞こえないかもしれないが、私も愉しめたよ」

    ゆみ「まだまだ此処で牌を触っていたい。…可能ならば何時何時までも、この続きを打ち続けていたい気分だ…」

    「…衣は散々ひどいことを言って…いじわるなこともいっぱいしたのに…また、衣と打ってくれるのか…?」

    華菜「当たり前だし!今度こそは叩きのめしてやるんだから、嫌って言っても付き合わせるし!」

    ゆみ「そうだな」フッ

    478 = 374 :

    「…清澄の、名前を教えてくれるか?」

    「私は咲――宮永咲!」

    「咲…」スン

    「愉しかった…!」ニコッ

    「うん!」

    「咲も、また打とう!」

    「もちろウッ…!」ブルルッ

    ゆみ(もちろう…?)

    華菜(もちろう…?)

    (餅郎…?)

    479 = 374 :

    「…催していたのを失念していた。すまんが、我はこれで失礼する…ありがとうございましたっ、それじゃ!」ぺっこりん タタタッ

    華菜「…なんだかなぁ」

    ゆみ「締まらんな」フフ

    「…あ、これ…咲の眼帯…――」

    480 = 374 :


    美穂子「…華菜……」キョロキョロ

    華菜「……」コソコソ

    美穂子「あ、華――」

    久保「池田ァァァァァァァァァァァァァ―――――――アアアアッ!!!!!」

    華菜「」ビックビク

    481 = 374 :

    美穂子「こ、コーチ…!」ギョッ

    久保「……」ツカツカ

    華菜「……っ」

    久保「……」バッ

    久保「…なんつー顔してんだ、ばか」

    華菜「……」グスッ

    久保「みっともなく顔隠してんじゃねえよ。堂々とできねえほど恥ずかしい打ち方したってんなら、うちの部から出てけ」

    華菜「…いや!まだ…まだがんばるし!」ギュッ

    久保「…そォか。よし、お前ら。ホテルは連泊にしておいた。学校と親御さんの許可も取ってある。ホテルに戻って寝るも早々に帰るも自由だ。ゆっくり休め」

    美穂子「コーチ…ありがとうございますっ!」

    久保「……」ヒラヒラ

    482 = 374 :

    モモ「先輩…」

    ゆみ「…モモか」

    モモ「お疲れさまっす」

    ゆみ「……」

    モモ「……」

    ゆみ「――此処まで来れただけで十分…そう思っていたはずなのに…」

    モモ「……」

    ゆみ「悔しいというよりも、口惜しいんだ。私はあの場で、終わらない祭りを愉しみたかった…そして、行きたかった…みんなで、全国に」

    モモ「……先輩」

    483 = 374 :

    ゆみ「なんというか…何処かに消え去りたい気分だよ」

    モモ「いいっすよ、消えても」

    ゆみ「……モモ?」

    モモ「そうしたら今度は私が先輩を見つける番っす!大声で世界中を探し回って――必ず見つけてみせるっす!」

    ゆみ「…そうなったら、どうにかしてその口を塞がないといけないな」


    智美「聞いたか今の?キス宣言だぞ」コソコソ

    睦月「うむ…」カァ

    484 = 374 :

    智美「ワハハ、相変わらず大胆だなーユミちんは」

    佳織「…でも、そんな加治木先輩が好きなんでしょ?」

    智美「んー?」

    佳織「だから加治木先輩のノリにも付き合ってあげてた。でしょ?」クスッ

    智美「んー…佳織にはお見通しかぁ。ま、好きったってモモほどディープなもんでもないけどな」

    佳織「え?でぃーぷ?」

    智美「…佳織にはまだ早かったかー」ワハハ

    睦月「う、うむ。我々はなんだかお邪魔虫みたいです、退散!」ササッ

    485 = 374 :

    「――宮永さんっ!」

    「あっ…!」

    優希「さすがだじょ咲ちゃん!」

    まこ「大金星じゃな!」

    「…おかえり、咲。頑張ったわね」

    486 = 374 :

    「みんな…う!」ブルルッ

    「ごめんなさいっ」ダッ

    「あっ」

    優希「…咲ちゃん、おトイレか」

    (耐える宮永さん…素敵です)ウットリ

    487 = 374 :

     ―――
     ――
     ―

    透華「ともき!衣を見かけませんでした?」

    智紀「見てない…」

    透華「…ちょくちょくこうしていなくなる子ですけど…今回ばかりは心配ですわね」

    「…だね。でも、きっと大丈夫だよ――」

    488 = 374 :

    「……」プラプラ

    「まーたこんなところにいたのかよ」

    「!」

    「透華が心配してたぞ」

    「なんで?」

    「そりゃお前…清澄に負けてへこんでたりしないかってことだろ」

    「…そうか。でも今は――むしろその反対…すごく晴れやかな気分なんだ」トッ

    489 = 374 :

    「衣はあの時…勝つことよりも、確認することを選んだから」

    「……」

    (――衣は独りぼっちなのかどうか…――)

    「とーかの言った通りだった」クスッ

    「衣にも友達ができるかもっ」

    「…オラッ」ガバッ

    「ひゃっ」

    490 = 374 :

    「オレたちは友達じゃないっていうのかよー」ウリウリ

    「…だって、お前たちはとーかの集めた『友達』じゃないか…」

    智紀「きっかけは関係ない…」ヌッ

    「!」

    「始まりはどうあれ、今はボクたちは家族で友達だってボクは思ってるけど…だめかな?」

    「! だ、だめなんかじゃないっ!」

    透華「…よかったですわね、衣……」

    491 = 374 :

    (思い違いだった…衣は初めから独りぼっちなんかじゃなかったんだ…)

    (清澄の嶺上使い――咲がそれを教えてくれた…咲が衣をありもしない『特別』の檻から解き放ってくれたんだ…)

    (今なら…とーか達と、本当の友達に、家族になれる気がする…もう、壁はない――)


    「天に地に希望が溢れてるみたいだっ!」ニパッ


    492 = 374 :

    透華「…ところで、その…なんですの?その眼帯は。もしかして目が悪くなりまして?」

    「あーそれオレも気になってたわ」

    「なんか見覚えある気がするんだけど…」

    智紀「似合ってる」グッ

    「んー?これ?これはね…あたらしい宝物っ!」

    493 = 374 :



    アナ「決まった――!!これでインターハイ西東京代表は三年連続――白糸台高校!!」

    アナ「二軍でも県代表クラスと言われている白糸台ですが、一軍である『チーム虎姫』は別格!」

    アナ「そしてそれを率いるのは高校生一万人の頂点!インターハイといえば彼女のこと!」

    アナ「現インターハイチャンピオン――宮永照!!」

    494 = 374 :


    記者「宮永選手、まずは予選突破おめでとうございます!」

    「ありがとうございます。これは当然の結果として、これからの本戦に向けて気を引き締めていきたいと思います」ニッコリ

    記者「さすが、王者の風格ですね!――それで、気になる情報を入手したのですが…」

    「なんでしょう?」

    495 = 374 :

    記者「長野県の県予選も無事終わり、代表校が決まったとのこと」

    「……」ピクッ

    記者「その代表校のことなんですが…」

    「今年も龍門渕ですか?天江衣選手は注目に値する選手ですよね」ニッコリ

    記者「いえ、それが今年は名門風越や龍門渕を破り、清澄高校が上がってきたとのこと」

    「……」

    記者「その清澄の大将が、なんでも『宮永咲』という選手だとか!ずばり、宮永選手との関係は!?」

    「……すみませんが、知らない名前ですね。ご期待に沿えず…」

    496 = 374 :

    記者「またまた!宮永選手に似た面差しとも聞いてます、妹とかなのでは!?」

    「…私に妹はいない」ザワッ

    記者「ぁ、そ、そう…ですか…」サー

    「…ですので。すみません」

    記者「い、いえっ!こちらこそ申し訳ありませんでした!そ、それでは他に注目しているところなどあれば!」

    「やはり臨海と――」

    497 = 374 :


    「……」スタスタ

    「――『私に妹はいない』、か」

    「菫…聞いていたの?」

    「まあな。それより、どうして嘘を吐いたんだ?」

    「……」

    「宮永咲…彼女はお前の妹だろう?何度か白糸台まで来ていたのだから私には嘘は通じないぞ」

    498 = 374 :

    「…咲を見ていると思い出すから」

    「思い出す…?」

    「…昔の私を」

    (…なんだ?複雑な事情でもあるのか?)

    「咲を見てると死にたくなる…しかもあの子、私の捨てたノートを勝手に拾って未だに持ってるし、というかなぜか私の下に持ってくるし……いない、私にあんな妹はいない」

    「は?」

    499 = 374 :

    「本当は過去をすべて精算してやり直したいのに…あのツモも既にルーティンと化してさえいなければ…あんな黒歴史の遺物…天照大神とかも昔を思い出すから本当はやめてほしい……」ブツブツ

    「て、照?大丈夫かおい?」

    「――というわけで、私に妹はいない」

    「お、おう」

    「あ、もしかしてあのノートの」

    「ッ」バッ

    「のわっ、こら何するやめ――」

     カン!


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