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元スレ総合P「過労死しそうにない」
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アイドルが飼ってるペット達の集会とか
議題:自分の主自慢・誰の主がPに相応しいのかとか
議題:自分の主自慢・誰の主がPに相応しいのかとか
多分
絵理だよな?そっちはチカァだ
あと笑美って名前を見るとどうしても中の人の方を想像してしまう
まあ人数が人数だし名前被りも仕方ないよね
他にもいっぱいありそうだが
絵理だよな?そっちはチカァだ
あと笑美って名前を見るとどうしても中の人の方を想像してしまう
まあ人数が人数だし名前被りも仕方ないよね
他にもいっぱいありそうだが
読みが同じだけど字が違う人は結構居るな
岡崎先輩と桃子先輩が他のアイドルに演技を教える話とかみたい
岡崎先輩と桃子先輩が他のアイドルに演技を教える話とかみたい
かまへんかまへん
リクエストまだ受け付けてるなら同級生ネタがまた見たいっす
リクエストまだ受け付けてるなら同級生ネタがまた見たいっす
過労死しそうな>>1と過労死しそうになくなったPの邂逅
フレちゃんとしおみーとぷっぷかさんとみゃおみゃーのいる空間に色んな子を投げ込みたい
やっと2スレ目読み終わったー!28のおっさんやから疲れる長さや…
3スレ目頑張って読んできます
ついでに2スレ目のPが女体化して一回だけとはいえライブに出たの読んで思ったけど貴女様シリーズと似てるな…
まぁあちらはPが病気でたまに女体化してしまい貴女様状態でアイドルたちとデートしたりする話だけどさ
3スレ目頑張って読んできます
ついでに2スレ目のPが女体化して一回だけとはいえライブに出たの読んで思ったけど貴女様シリーズと似てるな…
まぁあちらはPが病気でたまに女体化してしまい貴女様状態でアイドルたちとデートしたりする話だけどさ
アイドルの移動手段話とか
マイカー、マイバイク、マイ自転車、マイトナカイ、マイロボット、サイキックテレポート
マイカー、マイバイク、マイ自転車、マイトナカイ、マイロボット、サイキックテレポート
>>263
くっさ…
くっさ…
3スレ目からここまで読みおわったよー!
とりあえずネタとしては動物番組にたくさん出てて動物に詳しそうな響に仁奈が色々教えてもらい着ぐるみを作りそれを貴音や響が着て完成度を確認したあと三人が着ぐるみを着て仲良くしてるのをみた大人組が微笑ましくて癒されてるとか
とりあえずネタとしては動物番組にたくさん出てて動物に詳しそうな響に仁奈が色々教えてもらい着ぐるみを作りそれを貴音や響が着て完成度を確認したあと三人が着ぐるみを着て仲良くしてるのをみた大人組が微笑ましくて癒されてるとか
【怒ったら】
神谷奈緒「誰が一番怖い?」
琴葉「どうでしょう? 普段怒らない人かなとは思いますけど」
奈緒「やっぱプロデューサーかなぁ、あの人マジで怒らないしな」
杏「……え?」
奈緒「あ、そっちはもう別区域で」
杏「なんだそりゃ」
琴葉「怒るって言っても叱るとか、そういう窘めるのとは別方向で怒った時ですよね?」
奈緒「そうそう。杏・乃々のやる気無い組とか、環とか麗奈達みたいな悪戯組相手とは別にで」
琴葉「でもやっぱり事務室のお三方が本当に怒ってるのって見たことないですよね」
杏「ね。基本そういうのは先輩の大人組が担当してる節あるし」
奈緒「プロデューサーはフォローに回ることが多いもんな」
美希「……いまはそうでも昔はそうでもなかったの」
杏「おっ」
奈緒「昔を知る人が現れた! ……で、具体的には?」
美希「昔はよく怒られたの。人も少なかったし、ハニーも仕事先とか契約先とか、電話口でよく怒ってたの」
琴葉「想像つきませんね」
美希「そういうの表にださないようにしてたけど。美希、よくソファで寝てて気付かれてないことあったから」
杏「あー、今の杏にちょっと近いかもね」
奈緒「杏はあるのか? そういう、こっそり見てしまった的なの」
杏「少しね。口調が荒い位だけど」
美希「でも、美希的には一番怖いのはハニーじゃないって思うな」
琴葉「というと? 律子さんとかですか?」
美希「ううん、怒ったとき一番怖いのは――
あずさ「あ、美希ちゃん居た」
美希「っ!?」
あずさ「“さっき“の事の続き、お話しましょう?」
美希「あ、あぅ……はい、なの」
あずさ「ごめんなさい。ちょっと美希ちゃん借りるわね?」
奈緒「うっす! ど、どうぞ!」
杏(あー、笑顔が怖い人ってパターンか……)
【温泉 その1】
比奈「う~……あ~……」
あずさ「あらあら、比奈ちゃん顔が顔が」
比奈「いいじゃないッスかぁ~……こんな所でくらい~……あ~」
このみ「いやぁ、しかし大きい温泉よね。これが貸切どころか事務所の物って言うんだから頭が下がるわ」
比奈「あ~……」
このみ「聞いて」
比奈「真冬の温泉は生き返るッス~」
あずさ「日本酒持って来ちゃった」
このみ「あっ、いいわね。頂きましょ」
比奈「逆上せますよ?」
あずさ「ちょっとだけ、……ね?」
比奈「んもー……」
このみ「……空も綺麗ねー」
比奈「孤島ッスからね」
あずさ「空気も澄んでて……んっ、美味しい」
このみ「……はぁ」
比奈「おや? なんで急に落ち込んで?」
このみ「なんかねぇ、ずるいと思わない?」
あずさ「?」
比奈「え? ……あー、あずささんめちゃくちゃ色っぽいッスよね」
あずさ「え? そ、そうかしら?」
このみ「……はぁ~、そりゃこういう仕事沢山くるわ」
比奈「同姓から見ても魅力的ですからね、そりゃあもう」
あずさ「ちょ、ちょっと……もう!」
このみ「いいなー、私ももう少し……少し? ……結構……かなり」
比奈「ままま、さ、飲んで」
このみ「んぐんぐ……あー! 胸が欲しい!」
比奈「心の叫びッスねー」
あずさ「は、恥ずかしいから!」
温泉キター!
下の毛がジャングルな神谷奈緒が見たいです(小声)
下の毛がジャングルな神谷奈緒が見たいです(小声)
待望の温泉ネタが来たか
そういえばモバのクンカーしきにゃんとグリのクンカー可憐の競演はここでは済んでいたっけ?
そういえばモバのクンカーしきにゃんとグリのクンカー可憐の競演はここでは済んでいたっけ?
>>271
師匠は既にあずささんに怒られたことあって懲りてそう
師匠は既にあずささんに怒られたことあって懲りてそう
師匠がそんな簡単に懲りるはずないだろ!
きっと師匠にしかわからない隠しルートがあってそこから様子見してるんだよ
きっと師匠にしかわからない隠しルートがあってそこから様子見してるんだよ
【こんなこともありました】
小梅「……と、いうわけ……です」
P「なるほど……この部屋にねぇ?」
小梅「ちょっと……性質の、悪い……悪霊、だから」
楓「悪い霊が悪霊なら善良な霊は善霊……なんて」
小梅「……」
P「……小梅続けて」
小梅「……はい。えっと……心の狭い霊みたい……で、みんなに悪さするかもって……あの子が」
楓「心の狭い霊……狭霊?」
P「……小梅」
小梅「えっと……だから除霊をしないと……」
P「だからこの部屋をしばらく空けて欲しいと?」
小梅「……はい」
楓「ここにワインが! これがホントのボ除霊!」
P「……」
(懐から笛を出す音)
小梅(笛に耳がついてる……)
P「すぅ……」
楓「えいっ!」
(笛が飛んでいく音)
P「なにをする」
楓「ホイッスルをポイッする」
P「……」
(笛を出す音)
小梅(二つ目……)
(笛が鳴る音)
ウサちゃんロボ「うさうさ?」
P「つまみ出せ」
楓「お酒を飲むからつまみだぁぁ……ふがんぐっ!」
(ウサちゃんロボが楓を押し出す音)
P「……はぁ、まぁとにかくわかった。どれくらいかかりそうだ?」
小梅「た、多分……今日明日には……」
P「わかっ――?」
(ウサちゃんロボが再びやってくる音)
(ウサちゃんロボが見えない何かを掴んででていく音)
小梅「……ぇー」
P「なんだったんだ?」
小梅「……あ、悪霊……つまみだしちゃった……」
P「えー」
こうしてウサちゃんロボに見えないモノ対策係ができましたが、
彼らが頑張って毎日働いているとアイドルが不安になるので直ぐ解体されました。
【温泉 その2】
友紀「よっし一番!」
莉緒「にーばん!」
(二人が走る音)
舞「はいストッープ!」
(舞の両腕が二人の首を捉える音)
友紀「うげっ!?」
莉緒「うわぁっ!」
(倒れる音)
舞「湯船に入るなら身体と頭洗ってかけ湯してから入りなさい!」
律子(口頭で言えばよかったんじゃ……?)
友紀「うぐぐ……すみません」
莉緒「うにー……」
―――
舞「ねぇ」
友紀「はい?」
舞「ちょっといい? あ、動かないでそのまま」
友紀「あ、はい」
舞「ほら、この辺とか洗えてないわよ?」
友紀「え、あ……すみません」
舞「……いや、さっきはやりすぎたけど。そこまで怯えないでよ」
律子(いきなりダブルラリアットされたら怯えますって……)わしゃわしゃ
友紀「あははー……」
舞「ふぅ……、ほら頭貸して」
(舞が友紀の髪を丁寧に洗う)
舞「折角長くて細い良い髪してるんだから、キチンと手入れはしないとだめよ?」
友紀「はーい」
莉緒「あはは」
友紀「……誰かに頭洗って貰うなんて久しぶりだなぁ……」
舞「ふふっ、たまには悪くないでしょ?」
律子(お母さんしてるなぁ……流石ね)
莉緒「ユッキいつもより子供みたい」
舞「あ、次は莉緒ちゃんだからね」
莉緒「え、私も!?」
舞「うなじの所とこめかみが全然洗えてないじゃない」
莉緒「うそー」
友紀「お母さん!」
舞「こんな大きな子供産んだ覚えはないわね」
乙&感謝です。
なんか解散風(嘲笑)とやらが某所限定で吹いているそうですが。
この世界では「投票率上昇」のポスターモデルやら、宣伝マスコットキャラクターやらに引っ張りダコであろうアイドルの皆さん。
後、巨大な集票基盤を持つPに出馬要請する政党も結構いそう。
過去に出馬要請的な話はなかったですか?Pさん
つかこの世界だったらマジで政治部の記者に張り付かれそう。
なんか解散風(嘲笑)とやらが某所限定で吹いているそうですが。
この世界では「投票率上昇」のポスターモデルやら、宣伝マスコットキャラクターやらに引っ張りダコであろうアイドルの皆さん。
後、巨大な集票基盤を持つPに出馬要請する政党も結構いそう。
過去に出馬要請的な話はなかったですか?Pさん
つかこの世界だったらマジで政治部の記者に張り付かれそう。
【対象】
春香「おはようございまーす」
まゆ「おはようございます。……表のアレみました?」
春香「あの記者さん達?」
まゆ「はい、なんかずっと張ってるみたいですよぉ」
翼「だれ目的なんだろうね~。アイドルが通っても挨拶しても撮影はしないんだよ?」
春香「へぇー……不思議だねぇ」
春香(あれ? でも、前にもこんなことなかったっけ……?)
「きたぞ!」
(ざわつく外)
まゆ「あら?」
翼「おっ、目当ての人が帰ってきたのかなっ? ってあれは」
「今回の総選挙で出馬依頼が各党からあったと聞きましたが!」
「出るとしたらどこからですか!?」
「以前総理と会食を行ったと報じられてましたがその時に―――」
P「あぁもう邪魔だなあんたら! 選挙なんてしてる暇があるか!」
春香(やっぱり……)
―――
まゆ「という事がありまして」
舞「へー……んふっ」
まゆ「?」
舞「Pが政治家とか……絶対無理なのに、んふふふ」
まゆ「そうですか? 仕事はできるし知識もあるし、できそうですけど」
舞「無理よ無理。政治家って隠して騙してズルしてって奴等でしょ?
若い政治家は頭の固い年寄りに気を遣わなくちゃいけないし、絶対向かないわよ」
まゆ「た、確かにそうかもしれませんけど! そういう形だってPさんなら――
舞「無理よ。結構短気なところもあるし、どうせやるならトコトン喧嘩するタイプだもの。
すぐ追い出されるわよ」
まゆ「そんなこと!」
P「お? 珍しい二人だな、何の話だ?」
まゆ「あ、その……」
舞「あなた、自分が政治家になってやっていけると思う?」
P「無理無理。絶対向かないって俺あぁ言うの嫌いだし、喧嘩売って直ぐ干されそう」
舞「そうよね。私もそう思うわ」 ちら
まゆ「……」
舞「……」にへら
まゆ「」イラッ
以前のスレで島内全員追いかけっこやったじゃないですか
後半の方実は「これは流石にやり過ぎだろ」と思ってカットした部分投下していい?
ただの能力物になってるけど
後半の方実は「これは流石にやり過ぎだろ」と思ってカットした部分投下していい?
ただの能力物になってるけど
>>286
こずえやあやめやよしのんは十分人外にいたと思うんですがそれは……
こずえやあやめやよしのんは十分人外にいたと思うんですがそれは……
モバグリのアイドルから三淑女以外にやよいスキーが増える話をしよう(提案)
【カットされた追いかけっこ】
有香は一心不乱に走っていた。
自分を追う鬼を撒くため、あわよくば待ち伏せし撃退するため。
鬱蒼と生い茂る人の手が余り入っていない森の中を、
極力気配を消し、足跡を残さないように、全力で。
『一時間経過、現時点で78名が捕まったぞー
まだ3分の1以下だ。……なので、鬼側”本気”で捕まえるように
逃げる側も”本気”で逃げろよー』
あと僅か、僅か数十メートルで森を抜けようかというタイミング。
島中に響いた“それ“が耳朶を叩いた直後、戦慄する。
はるか後方にいた筈の『鬼』。木場真奈美の気配が後頭部を焦がす。
「っ!?」
長い間磨いた感覚、経験。
そんな技術的な素晴らしい研鑽の結果ではなく、生存本能。
生物として、動物として生まれて落ちた全ての物が持つソレが、
咄嗟に彼女を地に伏せさせた。
転ぶように、転がるように、額を地面にぶつけ一張羅が破ける事も厭わず、
たった一点の為に命を賭け、全力でホームに飛び込む高校球児の様に。
瞬間。轟音が頭上を通り抜けた。
速度300kmを突破した新幹線が通り過ぎたのかと錯覚する、轟音と突風。
地に伏せたまま、微かに耳鳴りの残る頭を前方に向ければ。
「……き、木が……!」
目前。自分の前方にあった樹齢三桁にも及ぼうかという太く逞しい、
生命力に溢れた木々が『それ』が通り抜けたであろう場所だけぽっかりと抉り取られていた。
「……よかった、避けてくれると信じていたよ」
その光景に息を呑んでいると、悠然とした声が聞こえる。
自分を追いかける、自分が必死で逃げていた『鬼』の物である事に気づくのは一瞬で、
けれどそれと目の前の光景がどうにもつなげられなかった。
「ま、真奈美さん……!」
「どうした、有香君? 随分いい格好だが、逃げなくていいのかい?」
肩を竦め、首を傾げながら余裕綽々。
というに相応しいニヒルな笑みを浮かべてみせる。
「……っ!」
まるで年下に対する年上の対応。
言い換えれば、弱者に対する強者の対応。
それが、有香の呆然とする心のどこかを強く引っかいた。
彼女の、プライドを傷つけた。
「限定解除されたのは、真奈美さんだけではありませんよ……!」
冷静に考えれば明らかな挑発。
それは有香もわかっていた、わかっていたけれど。
この道を進んでそれなりに長い彼女は引けなかった。
まして、これだけの兵に出会って、戦わずに引くなど選択肢に無かった。
「来たまえ――
満足気に笑う真奈美がその台詞を言うが早いか、
有香は目を瞑り、トントンと二度地面を確かめるように踏む。
「っつ!」
その次の瞬間には、真奈美の眼前。
拳を振りかぶり今にも振るおうとしていた。
(武術における伝統的歩法……活歩という奴か!)
咄嗟に屈み打ち上げ気味の拳を避けるも、
間髪入れずに中腰の体制に叩き込まれる左膝。
(これは……回避できないっ!)
右腕を畳む様にしわき腹を守る。
その上から叩きつけられる鞭の様にしなる左足に、
体制の崩れた真奈美はたまらずそのまま吹き飛び、先刻の攻撃の被害を避けた大木に衝突する。
ぱらぱらと。衝撃で木々から葉が落ち、宙を舞う。
ぶつかったまま動かない真奈美を睨みながら、
荒く有香は息を吐く。
上手く動けた、一撃を入れられた。
けれど安堵よりも、驚きの方が勝っている。
「……はははは」
攻めるべきか、動かないことをいいことにまた逃げるか。
悩みは一瞬。しかし答えを出す前に笑い声が。
「悩んではいけない。攻めるなら攻め続けなければ、その迷いは致命的だ」
大木に手をつき、もう片腕で前髪をかき上げ不適に振り向く真奈美の顔に
ダメージは見受けられなかった。
「しかし驚いた。『入りを』と『技へ』が完璧だった、あの活歩には不意を突かれたよ。
あれは私にはできない芸当だ。素晴らしい」
拳に力をいれ、腰を落とし。今にも飛び掛ろうとする有香に対して、
真奈美は今にも両の手で拍手でも打ちかねない様子で「けれど」と続ける。
「あのような縮地法には及ばないが……」
どんと、地面が爆ぜ。その余裕のある姿が有香の視界から消える。
「荒い瞬動術なら私にもできる」
そして言葉の続きが聞こえたのは、有香の背後から。
―――中野有香 OUT
―――
「はぁっ……! はぁっ……!」
島の中でも比較的舗装された道。
地面や砂浜よりも走りやすく、体力的にもやや楽。
そう思っていたのも束の間。律子は早くもピンチに追い詰められていた。
「……」
タッタッタと、息切れもせず歩調も乱れずピッタリと後方を
約十メートル程の距離を維持して黙々と追いかけてくる忍。
浜口あやめによって。
「さ、さすがに速い……」
ぼそりと愚痴らずにはおられず、
しかしその一言の所為でまた酸素を余計に消費する。
額には汗が雫になって流れ、体力の差を思い知らされる。
アイドルとして身体を動かし鍛えても、その道の専門家には適わないという事実が浮き彫りになる。
「……?」
しかし同時に律子の頭に疑問が沸く。
このゲームは捕まえれば、更に言えば触れれば鬼の勝ちになる。
わざわざ体力が尽きるのを待つ理由があるだろうか? と。
全力であやめが捕まえようとすれば一瞬で決着がつくだろうに、
なぜ自分自身の体力も無駄に消耗するような追いかけ方をするのだろうかと。
(……どうせ開放されてるんだし、一つ試してみましょうか)
意識的に走るテンポを落とす。
後方の足音もそれに呼応するかのようにテンポを遅らせ距離を保つ。
(やっぱり……もしかして)
律子は不自然にならないように走りながら眼鏡を指先で下ろし、
眼鏡の上から裸眼で後方のあやめを見つめる。
『照合…………0%』
ほんの数秒。そのいつの間にか鮮明に見えなくなった代わりに
見えるようになった世界を見つめ、理解する。
(これは分身体……つまり、本体の所に誘導されてる)
繰り返すがあやめは忍である。
分身程度はお手の物、ならば分身に追わせ本体は離れた所で悠々と待つ。
一気に攻めてこないのは分身体で触れても『タッチ』した事にならないからだ。
(そうとわかれば……!)
ぐっ、と足に力を入れ前に向かっていた自分の身体にブレーキをかけて
そのまま反転。突然の行動に反応しきれていないで、こちらにまだ向かってきている
あやめに向き直り、全力で接近し。
「私の間違いだったらごめんね!」
身体を捻り、渾身の肘鉄をその頬に叩き込む。
すると、一瞬肘に柔らかい肉が触れた感触があった後、
するっと。空を切り、自分を追っていたあやめの姿が掻き消える。
残ったのは一枚の紙型。
「分身と言うより古いタイプの式神……? まぁ、いいわ今のうちに離れなくちゃ!」
そうして道に残ったのは律子一人。
激しい行動で乱れた呼吸と心臓を整えきる間もなく、反対の方向に向かって走り出す。
(大通りはまずいかしら? ……でも土地勘もないここで変に入り組んだところ入ってもそれこそ……)
一方的に逃げ惑っていたときには見落としていた、
いくつかのルート。そのどれに向かえば生存率が上がるか考えて……。
(やめましょ、こんなの時間の無駄)
考えを早々に諦めて、再び眼鏡を下ろし裸眼で周囲を見渡す。
『……5%・27%・48%』
目から取り入れる情報は考えるのではなく感覚的な物として
律子の脳に叩きつけられる。
「あのルートが一番高いわね」
下げた眼鏡をかけなおし、決めた道へ走っていく。
「……まさかあそこに逃げるとは思いませんでしたな」
その直後。律子が危険と判断した道から人影が走ってくる。
黒を基調とした衣装に身を包んだ、あやめの分身体。
それらが複数人、顔を合わし頷いて律子が入っていった道を追いかけていく。
『15%・36%』
『12%・21%・7%』
『9%・14%』
入り組んだ道。捨てられた木箱。
朽ちた井戸。廃材、塗炭、煉瓦の山。
目を頼りに少しでも可能性が高いほうへ逃げていくものの、
やがてその目に映る数字はドンドンと小さく変わっていく。
(数も個人のスペックも劣る私が無事逃げ切るにはどうすれば……)
耳に自分以外の足音は聞こえず
目に自分以外の人影は見えず。
普通に逃げているだけなら自分が追われている、
追い詰められているとは露にも思わないであろう状況。
しかし律子の目は確かに現状が危険であると知らしている。
それがまた、焦燥感を煽る。
そして、……その時はやってくる。
『0%』
足を止めて、縋るように振り返り今来た道を見る。
『0%』
前も後ろも、見えるのは同じ数字。
ゆっくりと目を閉じて、空を仰ぐ。
レンズを通さずに仰ぎ見た空は滲んでいて、雲の形もはっきりとわからなかった。
――ただ、数字が浮かんでいないことだけは確かだった。
「……まさかこれほど粘られるとは正直思ってなかったです」
いつからそこにいたのか、あるいは最初から居たのか。
目の前一メートルの位置から声をかけられても律子は驚きはしなかった。
「……ふぅ。私の能力がもう少し攻撃的だったらよかったんだけどね」
などと自嘲気味に空に向かって笑い。
律子は目の前にいるあやめの方へ手を伸ばした。
――― 秋月律子 OUT
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