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    元スレ総合P「過労死しそうにない」

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    751 :

    >>748

    「……いや、俺はずっとこのサイズだったと思うけどな」

     ぽかんとしたあと、顎に手を当ててわざとらしく考えてからの言葉。

    「生まれてからずっとこのサイズだぞ?」
    「プロデューサーさんのご両親ってウルトラマンかなにかですか?」
    「あぁ、光には内緒な?」

     なんて軽口を叩きながら、すっかりとさっきの違和感が消えている事に気づいて。
    なんだったんだろう? って思いながら、でも大して気にも留めずお話を続けていました。

     気にも、留めずに。期を、止め損なって。

    752 :

    つまりPはタロウだったのか…

    753 :

    ウルトラマンゼロかもしれん

    754 :


    ―――

     私(池袋晶葉)はアイドルであると同時に科学者である。
    などと言う口火の切り方をするとまるで光の好きな特撮物の様な雰囲気を感じてしまうのは
    まぁ致し方ないことかもしれない。

    「やっぱりおかしいよ……」

     致し方ない。そう、致し方ない事だろう。
    科学者であり、自他共に認める天才である私の所に同じアイドルがこうして
    自分では解決できない事態に直面した場合に私の所へ相談に来るのも。

    「まるで私が私じゃなくなっちゃいそうで……」

     それに対しキチンとした答えを返すことができずしょうもない事を
    脳内で考え現実逃避紛いの事をしてしまうのも。

    「……確かに、先に言ったジャメヴュでは説明ができないな。頻度といい、内容といい」

     嘆息。それは何に対する嘆きなのか、その答えもわからない。
    わからないが、しかし目の前に座り顔を暗くする年上のアイドルに対し
    できるかぎり真摯に向かおうと口を開く。

    755 = 1 :


    「ジャメヴュというのは前回も説明した様に、状況や雰囲気等に対して漠然と覚える感覚だ。
     だが、凛が感じるそれはもっと明確に特定の人物や場所に対して覚えるのだろう?」
    「うん、漠然とおかしいと感じるだけじゃなくてさ。なんていうのかな……、
     『違う』って思うんだ。忘れたっていうかさ、別の記憶があって、重なってるような……」

     俯きがちに喋る彼女。――渋谷凛は普段の冷静で落ち着いた雰囲気を
    一体全体どこに落っことして来たのかというくらいに不安げでそわついている。
    小さく、呟く様な言葉をぽつりぽつりと口にする彼女の言葉を
    注意深く聞き取りながら原因を探ろうと思うものの、
    はやり私の知識をいくら検索しても理由は判然としない。

    「記憶が重なる? ……どういう事だ?」
    「……ねぇ晶葉。私がどこでどうスカウトされたか知ってる?」

     質問に質問で返されてしまった。
    これは答えたくない、という訳ではなく前振りという事だろうか?

    「伝聞ではあるが、まぁ事務所に来て早々の騒動も込みで一応聞いている」
    「うん、騒動の……というか私の第一声については記憶から消して貰うとして」

     少しでも場を和らげ様かと思ってちょっと余計な事を言ったら睨まれてしまった。
    うむ、まだそれくらいの元気があるようでなによりだ。うん。

    756 = 1 :


    「で、晶葉の知ってる経緯を話してみて?」

     ため息をついてから改めてそう言われ、
    私はふむとわざとらしく思案顔を作ってから先輩方に聞いた話を口にする。

    「私の知っている範囲だと、助手……プロデューサーと天海春香の両名が
     君の実家である花屋に来店し、談笑の後スカウトされたと言った所だな」

     本人のエピソードを目の前でするというのも中々奇妙な気分で。
    簡潔に纏めてさっさと終わらせ内容の如何を問おうかと向き直ってみると。

    「……どうした? なにか間違いでも?」

     眉間に皺を寄せて下唇を噛んだ笑顔を常とするアイドルにあるまじき顔をした凛の姿。
                                              ・ ・
    「ううん、間違ってない。確かにそれで正しいって思う自分が居る……けど」
    「けど?」
    「……それとは別の記憶も、あるんだ。道端を歩いてて、突然声をかけられて……これはなんなの?」

     別の記憶。本人が経験したスカウトは間違いなく私が口頭でたったいま言った物の筈だ。
    ではもう1つの記憶と言うソレはなんなのか。もう1つの、記憶?

    「……凛、今一度検査をさせて欲しい。今度は脳波だけじゃなく、別の視点から」

     背筋がざわつく。私の灰色脳細胞がもしかしてと1つの可能性を導き出す。
    まさかと思う、そんな筈はと。

    「なにかわかったの?」

     そんなにも深刻な顔をしていたのだろうか。
    凛はここまでで一番不安そうな顔で私の顔を覗き込む。

    「それを確認するために検査をするんだ」

     肩を竦め軽く笑って対応する。
    億が一、否、兆が一の可能性が脳裏をじりじりと焦がすものの、
    それを気取られてはいけない。もしこの仮説が正しければ、大変な事になる。
    ……私が同内容の相談を受けているのは凛一人ではないのだから。

    「……わかった」
    「ちなみに」
    「なに?」
    「……凛。君のもう1つの記憶に私はいるか? 私が誰だかわからない瞬間はあるか?」

     私の質問に対する彼女の答えは、是だった。

    757 = 1 :

    (以前のシリアスパートみたいに間に色々挟んだ方がいいのかしら)

    758 :

    挟まれたら忘れるかもしれないけど挟むならしのさんください

    759 = 1 :

    >>758
    (しのさんのどこになにを挟むんですかねぇ……)

    760 :

    >>759
    そりゃナニでしょう

    761 :

    >>759
    ナニしかないっしょ→

    762 = 1 :

    >>760-761
    つまりしのさんに千早(72)を挟む? ……いじめじゃないか!

    763 :

    B72はあと数人いるし…(全員千早より年下)

    764 :


    ―――
    ――

     私(池袋晶葉)はアイドルであると同時に科学者である。
    日々新たな研究に手を出し最新鋭の機械を操り、
    新たな発明を作り上げる。

     この部屋に敷き詰められた電気で動き
    微かに駆動音を鳴らす多くの機械は私の手によって生み出された物で。
    当然私が向かい合う目の前の機械も同様だ。

     私にとって自らの発明品は時間と手間と試行錯誤、金銭に時には血と汗も混じった
    いわば我が子も同然の存在であり、その機能性に一ミリの疑いも持っては居ない。

    「……なんてことだ」

     けれど、自他共に認める天才である私が始めて思う。
    私よ、凡愚であれ。目の前の機械が映し出している結果が偽りであれ。
    そう、願わずには居られなかった。

    「……最悪だ」

     多くの計器が表す数字。針が示す色、グラフ。
    全てが最悪の結果を映し出す。

     科学者たるもの、結果を厳粛に受け止め対応しなければならない。
    わかっている。わかってはいるんだ。あぁ、そんな目で私を見るな。
    いいじゃないか、こんな事になっているなど誰が想像できるか。

     眼鏡越しに仰ぎ見た天井は、計器の光で輪郭がぼんやりとして、
    いまにも落ちてきそうに思えた。

    765 :

    俺モバPだから難しい文読めない…

    766 :

    まるで武内Pが悪人みたいな展開はやめロッテ!

    767 :

    アニメ世界では逆のことが起こってるだろうから大丈夫

    768 = 1 :


    ―――

    「プロデューサーさん! 凛ちゃんが!」

     俺が違和感にはっきり気付いたのは、かなり遅かった。
    「うわ、星井美希だ!」と、未央が直前まで話をしていた筈の美希に向かって言った時も、
    なんだそりゃ。とは思ったもののまたなにかの冗談かなにかだと思っていた。

     本格的に異常に気がついたのは、
    凛が顔を顰めて不安そうにしていた時。
    そして呼応するかの様に複数人のアイドルが
    ともすれば記憶障害とも思えるような発言をするようになってからだった。

    「どうした!? なにがあったんだ!?」
    「急に高熱をだして倒れて、今レッスン室で、凄い、それに杏ちゃんも!」

     曰く、別の人間が『プロデューサー』である気がする。
    曰く、先輩アイドルや小鳥が他人に思える。
    曰く、自分はデビューして間もない気がする、エトセトラエトセトラ。

     個人差はあれど、概ねして発言の内容は上記の様なものだ。
    他にはスカウトの記憶が二つある、ここがどこだかわからない。
    などといったケースもあり、本格的に原因を探らないといけないと思った矢先。

    「なんだって!?」
    「いま清良さんが診てくれて、大事はないって事らしいですけど。お仕事は……って」
    「……わかった、キャンセルしておく。すぐに顔を見に行く」
    「はい」

     完全に遅きに失した。悔やんでも悔やみきれない。
    兆候はあった、なのにと。
    しかし、事態は矢継ぎ早に進んでいく。後悔の念を募らせる間も与えてはくれない。

    「……メールか? ……晶葉」

     震える携帯電話。スマートフォンが主流になった今も使い続けている
    二つ折りの携帯は静かにバイブレーションで所属アイドルの池袋晶葉からの着信を知らせる。

    『大事な話がある。地下室に来たれり 池袋晶葉』

     メールである以上差出人が誰であるかなど記名せずとも一目瞭然なのだが、
    律儀にも本文に自身の名を書いて送られた簡潔な文章。
    俺は仕事と体調不良のアイドル達と、このメールとを天秤にかけて。
    即座に事務所地下に存在する晶葉の研究所に向かった。

     計ったかのようなタイミングで晶葉からの着信で鳴る携帯。
    きっと晶葉はその自慢の頭脳でこの状況を解明し、それを知らせようとしているのだろう。
    『個性判別循環呼応機構機事件』の時も『3兆円騒動』の時もそうだった。

     そしてその内容は、いつだって俺の想像を遙かに超えて最悪なんだ。

    769 = 766 :

    熱い武内Pの風評被害

    770 :

    何が始まってるんです?

    771 :

    大丈夫大丈夫魔王エンジェルの麗華は千早以下だし

    772 :


    ―――

    「遅い。遅すぎるぞ助手よ。まったく、余りにも遅いから弁明を三度も読み返してしまったよ。
    この非常事態にどこで道草を食っていたんだ? いや、言わなくてもいい。
    哲学書を私が読むことが意外なんだろう? そうだろうともそうだろうともさ、
    しかし私は思うのだ。よく科学者はリアリストだのなんだのと表現され揶揄され比喩されるが、
    実のところとてもロマンチストだと思うのだ。でなければ海へ潜ろうと思い、
    空を飛びたいと思い、宇宙へ行きたいと思い、実現させようとなど思うまい。
     ん、なに? 本題に入れと? まったく君はせっかちだな、現代人の象徴とも言える。
    時間に常に急かされ追われている一介の社会人の体現だ。
    そう焦る事はない、実のところ哲学というのもこの際僅かながらではあるが
    今回の事態に関係してない訳じゃない。環境学、認識論と言った面ではね。
    無論少々君に対して嫌味交じりの枕詞として言った言葉であることにも間違いはないのだが……。
     さて、では君の望み通り本題に本題に入るであれば先んじて君に問わなくてはならないことがある。
    「平行世界」と言う単語は聞いたことがあるだろう? あるいは「パラレルワールド」でもいい。
    ……よろしい。そうだろう、流石にこの単語を聞いたことのない人間は
    情報過多な現代社会に置いて居ないだろう。むしろ避けて通ろうとしても知らずに居れない単語だ。
    どこかの書店にふらりと足を運んで適当に十冊の本をピックアップしてみれば、
    ほぼ確実にその中に含まれているだろう言葉だと言っても過言ではない。
    勿論手に取った本が全て料理のレシピ本だった場合はその限りではないが、
    兎角それ位世間的に深く浸透した言葉であるという事が伝わればいい。
     では、「六軸移動論」と「一元世界論」「多元世界論」についてはどの程度知識があるかな助手君。
    む? なんだその顔は。いけない、いけないなぁ。この池袋晶葉の助手ならもう少し勤勉であるべきだよ。
    仕方ない、ならばそこの説明から入るとしよう。

    773 :

    ASメンバーもかつて同じような現象に悩まされた可能性が微レ存

    774 = 1 :


    「六軸移動とは、つまり言い換えれば六次元間での移動だ。
    我々人類は一般的に三次元上の存在であると言われている。
    高さ・幅・奥行き。この三つからなるのが三次元。――という訳ではなく、
    三つの次元的概念が重なって居るのが三次元――という訳でもないが。
    まぁその辺は割愛しよう。とにかく我々の存在は三次元である、
    その構成は高さ・幅・奥行きであるということだけ理解してくれ。
     そして、そこに時間を加えて四次元。可能性を重ねて五次元。
    さらにエーテルを足して六次元。ん? エーテルとはなにか、か。
    そうだな勿論それはRPGにおけるマジックポイント回復アイテムではなく、
    有機化合物R-O-R´でもなく、天体を構成する第五元素でもない。
    所謂エーテル体。言い換えれば精神体、魂とでも呼ぶべきものかな。
     私は当初、今回の原因をそこにあると見た。
    他所からの六軸的干渉。つまり魂への干渉だ。
    現実に存在する人間の肉体は繰り返すが三次元上にある、
    が、だからと言って人間を構成する、人間のフィールドが三次元であって
    それが全てと言う訳ではない。認識できず、感知できないだけで
    時間・可能性・エーテル。そして未発見のそれ以上の次元軸に対しても干渉、存在している。
     そこに対して他所からのアクセスがあった場合どうなると思う?
    ……そこで即答はいけない。考えて見せろ助手、その答えの正誤は問題ではない。
    いやはやまったく、わかったわかった。いいだろう簡単に言ってしまうと、
    コンピューターのハッキングと同様だ。データを食い荒らされ、操作をされれば
    箱こそ変わりないが中身のデータに問題が生じる。
    意図的にしろあるいは偶発的にしろ、なんらかの原因で事務所所属のアイドルに
    六軸的干渉があれば今回のような形で影響がでてもおかしくはない。
     と、思っていた。現に今回の被害者……という表現を用いてはてさて正しいのかどうかは置いといて、
    数名のアイドルを検査した結果確かに彼女達のエーテル体に異変があった。
    だから私は中々気付かなかったのだ、それが間違いであることに。

    775 = 1 :


    「さて、ここでようやく次の説明に入ろう、『一元世界論』と『多元世界論』だ。
    これは今回の事件にとても大きく関わってくる。というより、もはやそのものといってもいい。
    まず『多元世界論』だが、これは簡単だ。名称こそ知られずとも、
    概要は誰でも説明すればわかる。君は先ほど『パラレルワールド』『平行世界』という単語を聞いて
    どういったものを浮かべた? 恐らく僅かに違う可能性、違う選択をした
    この世界に似通った別の世界。「もしも」「あぁしてれば」「こうだったなら」、
    鼠算の様に増え続ける数多あるフローチャートの如く並ぶ似通った世界。
    そういうものを脳裏に描いただろう? そう、それが実在するのが『多元世界論』だ。
    同じ過去から派生する現在。同じ現在から派生する未来。
    どこかに私が科学者でない世界がある、という考え方だな。
    過去に向かうことはできるが未来に行くことはできない、
    仮にできてもそれは一つの可能性であって確定ではない。
     対して『一元世界論』というのは世界は過去から未来に続くたった一つ、
    唯一無二の筒の様なものだという考え方が『一元世界論』だ。
    常に上書きされ、選ばれなかった選択。起きなかった可能性は完全に掻き消える。
    いわばVHSのようなものだ。仮に過去に戻り別の選択をした場合、全て上書きされ
    元のデータは完全に消え、閲覧することは不可能になる。そして未来に行くことも可能だな。
     さて、大事なのはここからだ。
    この『一元世界論』にも『平行世界』と言うものは存在する。
    例えばゲームの様な、魔法があり剣で戦い竜が空を舞いケンタウロスが地を駆ける世界。
    これは『多元世界論』での『平行世界』では存在し得ないだろう?
    どのようにこの世界で選択を変えても、行動を変えても、その様な世界になど分岐しようがない。
    けれどそういった世界は存在する。一般的には『異世界』などと呼ばれることの方が多いだろうが、
    これも間違いなく『平行世界』なんだ。

    776 :

    なんでこんな久方ぶりのシリアスなんだと思ったら原因は武内Pかよ……

    777 = 1 :


    「『多元世界』が根本を同じくする僅かな差異の集合体なら、
    『一元世界』は根本が異なる世界の流れの個体なんだ。
    さぁさぁお立会い。では君はその一元世界、本来根本が全く異なる
    その多くの『異世界』の中に、とても似た世界があったらどうなると思う?
     まったく別の可能性のレベルではない違いがありつつも、
    しかし数多くの共通点もあったらどうなると思う?
    ……具体的には、『一元的並行世界』に同一人物が存在していたら?
    同姓同名どころの話じゃない。姿かたちも、遺伝子レベルで同じ人間が
    偶然にも奇跡が如く『一元的並行世界』に存在していたら。
    ――そう、それが渋谷凛であり本田未央であり島村卯月であり
    双葉杏であり諸星きらりであり高垣楓であり前川みくであり
    赤木みりあでありアナスタシアであり緒方智絵里であり
    城ヶ崎莉嘉であり城ヶ崎美嘉であり新田美波であり
    三村かな子であり佐久間まゆであり川島瑞樹であり
    十時愛梨であり小日向美穂であり日野茜であり
    輿水幸子であり安部菜々であり白坂小梅であり
    小早川紗枝であり佐々木千枝であり上条春菜であり
    堀裕子であり及川雫であり片桐早苗であり大和亜季であり
    高森藍子であり千川ちひろである訳だ。
     ありえない。あぁその通りだ、ありえない。
    天文学的数字を天文学的数字で乗した数字分の一と言ってもまだ足りない。
    が、しかしそれでもそうとしか考えられず、そうであれば説明がつくんだ。
    結論を言おう、この世界とこの世界に近い『異世界』は統合されようとしている。
    それは世界の並ぶ高次元の世界による超自然的現象なのか、
    あるいは神とも呼べる何者かの自由意志なのかは定かではない。
    けれど、我々が居る世界とその世界はいま1つになろうとしている。
    彼女達の異変、つまり複数の記憶が混在している状況はその前兆に過ぎないんだ。
    向こうの世界とこちらの世界が彼女達を中心に合併しようとしていて、
    今彼女達の中にこちらの記憶と向こうの記憶が同時に流れている。
    それが今回の騒動の原因であり、そしていまだ仮定なのだ。

    778 = 1 :


    「いわばいまの状態は二つの円を重ねたベン図の様な物だ。
    その重なりあう共通部分に渋谷凛達が居ると思えば概ね正しい。
    このまま順調に行けば……そうだな世界が情報の流れるパイプ、
    筒と表現される事を加味して少し言葉遊び風に言うなら恙無くだな。
     恙無く進めば世界の筒が一つ無くなる。
    勿論私達の世界も向こうの彼女達の世界も消えてなくなるだろう、
    二つの世界がくっ付いても筒の中を流れる情報量の制約は二倍にはならない。
    二つのコップに入った赤い液体と青い液体を同容量のコップに同時に流し込むように、
    私達の世界から50、向こうの世界から50。情報が排他され、
    あたかも最初からそうであったかのように全く別の紫色の液体が流れる筒ができあがるという寸法だ。
    その際、恐らくは現時点で未だ影響にない君の様な、こちらにしか存在しない存在、
    向こうにしか存在しない存在がかき消される事になるのだろう。
     あぁ、わかっている。その通りだ、原因がわかっても対処法がわからなければ意味がない。
    どうすればいいかなど私だってこの答えが見えたと同時に考えたさ。
     ……が、どうすればいいのかはわかっても具体案をイマイチだせない私をどうか許してくれ。
    この対処法は極めて簡単で、そして同時に難題だ。
    例えば、もっともわかりやすいのは殺すことだ。
    今回こちらの世界とむこうの世界の接点でありきっかけとなり、影響を受けている人間を皆殺しにすれば
    恐らく世界の統合は収まるだろう。あるいは核爆弾でも落とすか。
    ……そんな怖い顔をしないでくれ、これは極端な一例であって
    無論実現不可能であることはわかっている。だが、これ位事は単純で、そして不可能であるが故に
    君の求める『どうすればいいか』という質問に具体案を出せないと言っているんだ。

    779 :

    武内Pの出現により、間違いなくいくつかのSSは良かれ悪しかれ影響受けたよね

    780 = 1 :


    「とにかく、私が言える現時点でのこの現象に対する抵抗方法は端的に一つ。
    『パラダイムシフト』だ。『歴史的転換』を起こす他ない、この世界と向こうの世界を
    決定的に別の物にして『一元世界上に現れたイレギュラー世界』というステートを捨て去るんだ。
    ……さて、ここまでで何か質問は?
     おや、気付いていたのか。なるほど『私』はいい助手を持っている。
    その通りだ、私は君の知っている池袋晶葉じゃない。
    いや、更に正鵠を得ようとするならば君の知っている池袋晶葉であることに間違いはないが、
    しかし同時に君の知らない池袋晶葉でもある。と言ったところか、まるでトートロジーだな。
    さっきの説明を引き合いに出して言わせてもらうと、第三のコップに注がれた液体は未だ少量で、
    どちらのコップからもまだ溢れたりはしていない。
    ただ、同時ではあるがどちらかが色濃く出るタイミングがある。
    それが今、君にとっての向こうの世界が色濃く出ている状態なんだ。
     今まで君に説明していた内容はこのコンピューターに『こちらの私』が文章として
    まとめてあったのをそのまま君に伝えただけだ。
    ――しかし、驚いた。この設備、発明品。皆々素晴らしい、
    よほどこの世界の私はアイドルという物からいい体験、いい経験をしたらしい。
    ……あるいは、君のおかげか。……っと、話が逸れたな。
    なんにせよ、どちらにせよ。『私』にとってもこのまま事態が進行するのは最悪だ。
    そろそろ時間もない。影響が遅れてきたようだが、しかし私もまた共通項に存在する人間であったようだしな、
    他のアイドルがそうであるように私もいつ倒れるかわからない。
    一つの身体に世界二つ分の情報が流れればそりゃオーバーヒートもする。
    恐らく、早い段階で兆候が見えていた子達は既に熱を出して倒れているのではないかな?
    ……はやりか、うん。だろうと思ったよ。
     さて、伝えるべき事は伝えた。この後君が取る行動のサポートをしてやれないのは残念だが。
    『私』からも頼むこの事態の収束を、可能な限り行ってくれ。
    少なくともこっちの『私』は君ならばやりおおせると信頼している様だ。
    全く羨ましい、『私』の世界に君が居ないのが残念だ。
    まぁいいさ、言っても仕様のないことだ。
    繰り返すぞ、今回のコレは神の地均しだ。偶然できたこの重なりを均そうとする神の足を、吹き飛ばしてやれ」

    781 = 1 :

    今日はここまで目が疲れた

    782 :

    最近の>>1の頑張りが

    「燈滅せんとして光を増す」※

    の諺を体で表してるようにしか見えない



    ※蝋燭は消える瞬間に一番の輝きを放つとか言うアレ

    783 :

    年末辺りにサボりすぎたからね、ちかたないね
    できるだけ最初の頃の毎日更新を取り戻そうと頑張ってます
    ただ量が少ないのが申し訳なくて、仕事が忙しいんですよ

    784 :

    要はリーディングシュタイナー発動中か

    785 :

    >>1はいったい何と戦っているんだ…
    武内P誕生の功罪は諸々の界隈で感じていますが…まあ、うん

    786 :

    キャラ詳しいわけじゃないけど面白いな
    出典別で特別仲の良い子らとかどんな感じだろう、やっぱ趣味とかで固まるのかな
    Pinky4みたいに代表格の絡みはたまに見かけるけど

    787 :

    ネタかぶってもうたやんけ
    気にせず書くけど

    788 = 1 :


    ―――

    「……考えろ考えろ考えろ」

     晶葉の研究所からでてきた俺は一人会議室に篭って
    脳を過去に無いほどに回転させ思考の海に沈む。
    『歴史的転換』を起こせと晶葉は言った。
    どうやって、どんな風に。俺にできることは?
    どう動けば決定的に世界を違える事になるのかがわからない。
    俺には向こうの世界を観測する手段がないのだから。

    「……いや、まて」

     そうだ、俺自身が向こうの世界を観測することはできないが。
    過去の発言を思い出してみろ、なにかヒントがあるはず。
    ……まず、向こうの世界に俺は居ない。
    少なくとも凛達の周囲には居ない、プロデューサーとして活動していない。
    そして未央の美希に対する発言、あれが向こうの未央の発言だとするなら。
    未央は美希を見たことがなかった? ……つまりマスターズプロダクションも存在しない、のか?
    だが、美希自体は知っている。ということは765プロのまま存在するのか?
    じゃあ876は? 961プロはどうなってる? 凛達が所属してるプロダクションは一体どこだ?

    「くそ、情報が足りない……」

    789 :

    花粉酷くないすか?
    鼻も目もやられて肉体稼働率が著しく下がってる希ガス

    790 :

    鼻水なら市販の薬だとアスゲン鼻炎錠か鼻炎薬Aクニヒロが効果覿面

    791 :

    アレグラなら花粉症も含むアレルギー全般に効くよ、市販だとちと高いから病院で処方箋もらうのおすすめ

    792 = 1 :

    ありが豚
    早速買ってきたわ

    793 :

    アレグラは花粉症に効く薬の中では眠くならないのも良い

    794 :

    多次元世界論やらパラダイムシフトやらの単語を見ると問題児を思い出すわ。
    未だにこういうのでワクワクするのはまだ若いってことかね(粉ミカン)

    795 :

    >>788

     背中に時限爆弾を背負ってる気分だ。
    しかもそれは世界巻き込むレベルの爆弾で、
    いつその瞬間が来るかもわからない。
    ただただ焦燥感だけがチリチリと肌を焦がす。

     ガタン。と音がした。
    発生源に目を向けると会議室の入り口、
    鍵をかける事も忘れた扉の隙間から不安そうな目が見つめていた。
    ――落ちつけ、落ち着け。俺がみんなを不安がらせてどうする。

    「……どうした?」
    「いま、大丈夫ですか?」

     扉を開いて入ってきたのは二人。
    安斎都と今井加奈。おずおずと部屋に入ってくる。

    「えっと……現状を打開する方法を探ってみようかと
     色々皆さんから聞き込みをしてみまして……特に様子のおかしかった方達から。
     それで重要そうな事とかをとりあえず――」
    「私が要約して箇条書きにまとめてメモして置きました!」

     こんなことしかできないですけど、と。
    差し出されたメモ帳には細かい丁寧な字がびっしりと書き込まれている。

     ・346プロダクション。 →ほぼ全員の口から 事務所を認識できない時などに発言
     ・プロデューサー
      ・別人を見てる可能性 大柄? 無口?
     ・先輩方を他人と認識してる可能性大
      ・765プロ 876プロ 961プロの単語が出てくる場合も有り
     ・315プロ 東郷寺プロなどは確認できず → 同様に玲音さん、舞さんも確認できず
     ・日付はキチンと認識してる
     ・異常が見られたアイドル同士はお互いをキチンと認識してる模様

    「……これは。なるほど、ははっ。こんなことなんてとんでもない!
     二人とも助かった! おかげで見えてきた!」
    「ひゃぁ!?」
    「きゃあ!?」

     一通り目を通して思わず二人を抱きしめた。
    立場がなければ頬にキスしてやってもいいくらいだ。
    これだけわかれば、これさえわかれば十分だ。

    「二人に頼みがある。いま無事なアイドル、全員を集めてくれ。
     これから緊急ミーティングだ」

    796 :

    キスしちゃえばいいじゃん誰も咎めやしないよ(ハナホジー
    さあこっからどう収拾をつけるのか楽しみ楽しみ

    797 :

    デレアニのジュピターって315仕様じゃなかったっけ……?

    798 = 1 :


    「は、はい!」

     どたどたとでていく二人。

    「……さて、みんなが集まるまでの間に」

     胸ポケットから取り出したるは携帯電話。
    前述の通りさして説明する必要のない極普通の携帯だが、
    中身は違う。俺がこの業界で培ってきた数多くの人脈への直通電話だ。

    「……頼む、みんな誰一人欠ける事無くでてくれよ」

     握って少し意気込む。
    向こうの世界のプロデューサーには決して真似できない、
    いや向こうだろうがこっちだろうが俺にしか、俺にしか集められない人が居る。

    「顔の広さだったらサラリーマン金太郎にだって負けやしねぇ!」

    799 = 1 :

    >>797
    まーじでー


    ……知るかー!

    800 = 1 :


    ―――

    『もしもーし、菊池真! ただいまニューヨークの地に降り立ちましたよー!』
    『四条貴音です。ただいまモスクワに着きました、アナスタシア嬢の先導の元目的地に向かっております』
    『秋月涼です! いまブラジリアに……ちょっとあずささん、勝手に……えっと、とりあえず着きました!』
    『真美だよ~ん、今北京にとうちゃーく! 今から真美達のソウルを響かせて……え? ソウルは不味い? なんで?』

     次々と報告が上がってくるここは東京、
    我らがマスターズプロダクション所有の劇場ドームの裏だ。

    「曲セット合わせ早く! 照明と音響の演出もあわせてチェック!」
    「モニターチェック! 大丈夫? 繋がってる? タイムラグ考えろよ!」

     数多くの人の怒号がまるで雑踏の様に。

    「プロデューサーさん! 伊織達がニューデリーについたそうですよ!」
    「あとブエノスアイレス組とウィーン組も到着連絡きました!」
    「カイロの雪歩さんチームも到着です。パリは……あと15分位だそうです!!!」
    「わかった。……そろそろだな、お前らも準備に入れ! あと愛うるせぇ!」


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