私的良スレ書庫
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元スレ寂海王「君を必ず宮守女子に連れて帰るッッッ」 豊音「えっ?」
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恒子「なんとォォォォォォーーーーッ!?」
完全に、油断していた。
塞も、絹恵も、おそらくは和ですら意識を外していた。
いやーーきっと本人もだろう。
おそらく未だにマトモに意識は働いていない。
ただ、制空権に触れた者の気配を感じ、飛び上がったまで。
塞(馬鹿なッ……ここでそんなッ……!)
白目を向き、口からは泡を吹いている。
全身の骨が軋んでおり、血にも濡れているというのに、音も無く素早く飛び掛かってきた。
執念を顔に貼り付け、塞に恐怖すら植えつけたのはーー
恒子「ここでまさかの薄墨選手だァァァァーーーーーーッッ!!!!」
タイトルに惹かれてホイホイやってきたら凄い組み合わせだった、お腹痛いww
一部麻雀やるより格闘技のほうが強いんじゃないかなって人もいるんですが……
一部麻雀やるより格闘技のほうが強いんじゃないかなって人もいるんですが……
塞「うッ……」
塞「おぉぉぉおあァァァァーーーーーーッッ!!!!」 サイッ
塞の行動は、ほとんど反射に近かった。
危機を察知し咄嗟の防塞。
過信していたわけでも、頼り切っていたわけでもない。
それでも、窮地で咄嗟に頼ったものは、麻雀でも決め技にした防塞だった。
胡桃「やった、間に合った!」
エイスリン「サエ、NICE!!」
白望「いや……」
寂海王「不味いな……」
胡桃「へ?」
その“眼”によって、薄墨初美はバランスを崩す。
塞は無防備なジャンプ蹴りを降ってしまった以上、対空を貰うわけにはいかない。
仮に防御に切り替えて被ダメージを減らせたとしても、愛宕絹恵を仕留める好機を逃す結果に終わってしまう。
故に、行動に防塞を選んだことは、決して失策ではなかった。
防塞で不発にさせれば、仮に軸を外しまくった打撃を受けても墜落は避けられる。
塞の不運はたった一つ。
薄墨初美が繰り出したのが、塞いで崩せば撃墜を回避できる今まで通りの『対空蹴り』でなくーー
恒子「な、なんとォォォォォォーーーーッ!?」
恒子「薄墨選手、“しがみつい”たァァァァーーーーーーッッ!!!!」
ーーズラしても密着をされる、『空中投げ』だったことだ。
塞「なッ……!」
もう一点挙げるとすればーー薄墨初美の意識がなかったことも、塞の不幸だと言えるだろう。
格闘技における塞の防塞は、フェイントやメンチといった視覚的要素を主に使って相手の動きを封殺する技である。
無意識化の攻撃には、どうしても効果が薄れる。
エイスリン「ソンナ……」
胡桃「これが麻雀なら見つめるだけめ無条件完封なのにッッ」
寂海王「いや……」
胡桃「え?」
寂海王「そうではない」
エイスリン「What?」
寂海王「塞くんの防塞は、麻雀においても無条件封殺能力ではないよ」
胡桃「???」
寂海王「確かに、防塞をした瞬間、相手の“オカルト”は消し飛ぶ」
寂海王「だがしかし、それだけだ。相手の攻撃を無条件で不発にさせるわけではない」
寂海王「オカルトを消し飛ばすだけで、他には何も影響がない」
エイスリン「???」
胡桃「どーいうこと?」
寂海王「麻雀で言うなら、防塞は『普通の麻雀を強いる』能力だ……」
寂海王「間違っても、『どんな相手も必ず屈服させる能力』ではない」
寂海王「例えば豊音クンの先負を塞いでも、追いかけられた者が一発で振り込むのを防げるだけだ」
寂海王「間違っても豊音クンに掴ませたりする技ではないし、また一発以外のツモやロンは防げない」
寂海王「危険牌をバスバス切ったら当然当たりもするだろう」
寂海王「……塞がねばならない強力なオカルトほど、希少な現象にオカルトが関わりすぎているため塞げば完封出来ていたのだがね」
白望「それこそ、薄墨初美も麻雀でなら……」
寂海王「ああ」
寂海王「塞がれたら普通に『ただの字牌二鳴き』になるし、そこからオカルトのない普通のツモで役満成立する可能性が薄いから塞ぐだけで完封できたかもしれないな」
寂さんの見事な麻雀解説ッッッッ
寂さんは麻雀も海王級だったのかッッッッwww
寂さんは麻雀も海王級だったのかッッッッwww
寂海王「ま、勿論そうして防がれても、薄墨初美にはホンイツが残されてはいるのだがね」
白望「でも、塞には驕りがない……」
寂海王「ああ」
寂海王「オカルトを塞いでも、彼女は決して慢心しないし油断もしない」
寂海王「二鳴きの後の残り少ない相手の手配をキッチリ読み、ホンイツに走った際の不要牌を隙あらば狙い撃つーー」
寂海王「彼女の強さはまさにそれだ」
寂海王「オカルト封じに満足せず、常に考え、観察し、『普通の土俵』でも上回りに行く真面目さが、あの強さを支えている」
エイスリン「Oh……Sasuga」
寂海王「格闘技はオカルトの割合が麻雀よりも遥かに低い」
寂海王「だからこそ、観察眼と気配りを活かし、常に相手に警戒させる行動を示唆し動きを鈍らせる技を会得させたのだ……」
寂海王「大物手に見せかけて相手を下ろすという形で麻雀でも活きるから」
白望「でも、気を失った薄墨初美に、その力は使えない……」
胡桃「塞ッ……!!」
巴「そんな……」
霞「まさかはっちゃんの奥義すら塞ぐなんて……」
春「折角教えたのに……」 ポリポリ
霞「エアカットターミネーター……」
霞「スナイパー空手の技術を教わり会得した、はっちゃんのスペシャルフェイバリットホールド……」
巴「それを防ぐ人が、女子高生にいるなんて……」
霞「まぁ……それでも、おやつ抜きはやめておいてあげましょうか」
霞「なにせーーーーーー」
塞「ッ!?」
恒子「おーーーーっとォ!? この技はァ????!?」
霞「エアカットターミネーターが不発になった時点で、不完全ながら他の技に切り替えることができたんですもの」
春「エアスピンドライバー……」
巴「いけっ、はっちゃん!!」
ズガーーーーーーーーーーーンッッッ!!!
絹恵「…………………………ッッ!!」
和「……」
ワァァァァァァァァァァーーーーーーッッ!!!!
恒子「す、すごい音と衝撃ィィィーーーーーッ!!」
恒子「土煙が立ち込めるゥゥゥーーーー!!」
恒子「薄墨選手は臼沢選手をKOしたのかァァァァーーーーーーッ!?」
「エアスピンドライバー」って聞いてスクリューパイルドライバーを連想したんだがイメージ的にあってるかねぇ
塞「…………ッ!!」
塞「ぷはッ!」 ケホッ
塞(い、今のはやばかったッ!)
塞(運が良かった…)
塞(確証もない、ただの反射に近かったッ!)
塞(たまたま……たまたま『意識を失っても機敏に複雑高度な技を繰り出せる』なんてオカルトを塞げたから助かったッ!)
塞(けれども代償は大きい……)
塞(この試合で使える防塞全て使ったてしまったッ!)
塞「ここままは不味いッ!」
恒子「おーーーーっと、姫松高校愛宕絹恵選手、砂煙に突っ込んだァァァァーーーーーーッッ!!!!」
塞(そりゃそうなるッ!)
塞(アホなアナウンサーにバラされるまでもない!)
塞(姫松にしたら、ピンチが一転チャンスになった!)
塞(姫松にしたら“どっちでもいい”んだッ!)
塞(砂煙の中生き残っているのが私でも薄墨でも、煙に紛れてぶちのめすだけッ!)
塞(向こうがどこからどう仕掛けてくるのか私は分からないのに、向こうは落下地点を狙うだけでいいんだッッ)
塞(奇襲て安全に二人仕留められるチャンスなら、仕掛けないわけがないッ!)
塞(どうする!?)
塞(この場を速やかに離れたて、土煙が去るのを待ち五分にする!?)
塞(いや駄目ッッ)
塞(防塞ゲージも吐き切った今、仕切り直せばこちらのジリ貧ッ!)
塞(塞いで何とか相手の頭から着地させたとはいえ、奇襲の投げのダメージもあるッ)
塞(じゃあカウンター!?)
塞(いや厳しいッッッ)
塞(相手の反応速度を考えると、ただの視界の悪さだけじゃ攻められないッ!)
塞(バランスを崩さない蹴りで攻めてくるのは間違いない)
塞(策もなく制空権に攻め込んだら蹴り殺されるッッ!!)
塞(くッ……!)
>防塞ゲージも吐き切った
防塞って格ゲーのパワーゲージみたいなのを使う技だったのかw
防塞って格ゲーのパワーゲージみたいなのを使う技だったのかw
塞「ぬわーーーーーっ!!」
絹恵「!?」
絹恵(悲鳴!?)
絹恵(薄墨にやられたか、それとも演技か……)
絹恵(後者なら罠がありそうやけど、今は自分を信じてGOやッッ)
絹恵(技術じゃ相手が上回っとる)
絹恵(ここで終わらせなアカンッ!)
絹恵(見ていてやお姉ちゃん!)
絹恵(お姉ちゃんのため、頑張るからっ……!!)
ドガッ!
絹恵(砂煙が揺らめいたッ!)
絹恵(まだ二人やり合うとる……?)
絹恵(いや関係ない!)
絹恵(そう思わせて様子を見させるブラフの可能性の方が高いッッ)
絹恵(これが罠で奇襲を受けても撃ち落とせるよう制空権を展開)
絹恵(隙のない飛び膝で突っ込んで、ガードされたら追撃、おらんかったら不意打ちに合わせて蹴りを入れるッッ)
絹恵(それが無理でもパンチングで五分までは戻したるッ!!)
絹恵(何があっても自分を信じて、このまま蹴り抜ーーーーーー)
洋榎「ッ!!」
洋榎「やるやんけェ!!」
絹恵「!?!?!?!?!?」
絹恵「お、お姉ちゃん!?」
絹恵(なんッ……で!?)
絹恵(何でお姉ちゃんが砂煙の中におるんやッッッ!!)
絹恵「!?!?!?!?!?」
絹恵の脳味噌が、処理能力の限界を超える。
顔芸のような驚愕の表情を浮かべ、容量不足で悲鳴を上げる思考回路が、とにかく蹴りを中止せよと命令を下す。
恒子「な、なんとォォォォォォーーーーッ!?」
恒子「いつの間にか愛宕選手の姉の方がァァァァーーーーーーッッ!!!!」
無理やりな体勢で蹴りの軌道を姉から外す。
何とか蹴りの軌道はずらせたが、そのために無理な体勢になったこともあり、突っ込むことは止められない。
せめて傷つけないようにと、胴体部に突っ込むように倒れ込む。
もしかしたら抱きとめられる形になるかもしれない。
もしかしたら胸が緩衝材となり姉の負担を減らしてくれるかもしれない。
あわよくば、もといもしかしたら、ラッキースケべのように、イヤーンな箇所に触れてしまうかもしれないが、これはもう仕方がない。
怪我を負わせるのを避けるので精一杯なのだから、怪我に繋がらないラッキースケべの回避が出来なくても仕方がない。仕方がない。
絹恵「お姉ちゃーーーーーーーー」
姉に倒れ込む。
姉の胸へと手を伸ばした手が、2つの山と表記するにはあまりに小振りな山の片方へと伸び、その先端にーー
ーーーー触れなかった。
絹恵「えっ……!?」
絹恵の手が、洋榎の身体を貫通した。
いやーー手応えのなさから言うなら、『すり抜けた』と言うべきか。
洋榎の身体は煙のように揺らめいて、絹恵体が貫通すると同時に消えた。
絹恵「えっ?」
両膝から倒れ込み、両手をつく。
今の絹恵を支配するのは疑問だけだった。
混乱しすぎた頭は、思考をどこか遠い世界へと持っていく。
キーパーとしての集中力は霧散して、制空権が解除された。
絹恵「えっ?」
もう、今の絹恵はSSGKと呼べるような猛者ではない。
ただの混乱した普通の姉に恋するどこにでもいる女子高生だ。
視界に映る相手ならともかく、死角からくる攻撃には対処できない。
晴れ行く砂煙の向こう、背後をつき臼沢塞が迫っていても気が付けないし、対処なんて出来なかった。
胡桃「……」 ポカーン
胡桃「なにあれ?」
寂海王「そうか、君は初めて見るか」
寂海王「……温存しておきたかった、塞クンの切り札だよ」
胡桃「???」
寂海王「塞クンの気配りで鍛えた類まれな観察眼で見極めた身体データに、事前に調べた相手のデータをブレンドする」
寂海王「そうして相手の『弱点』を知る」
エイスリン「ソノクライナラ、ミンナ、スル」
寂海王「そう」
寂海王「そしてその弱点をつくトレーニングをするわけだが……」
寂海王「彼女のソレは質が違う」
寂海王「都合の良い想像をしながら、ただ弱点を打ち続けるだけのイメージトレーニングなどではない」
寂海王「本物と寸部違わぬ仮想敵を相手にした、弱点をつけず殴り飛ばされることすらありえる真のイメージトレーニングッ!」
寂海王「言うならば、リアルシャドーッッッ!!」
寂海王「あまりにリアルなイメージは、肉体にすら影響を与えるッッッ」
胡桃「………………ッッ!」
エイスリン「ンナ、アホナ……」
白望「ありえる……」
白望「思い込みで、人は火傷も出来る……」
胡桃「確かに、実際にそういう実験記録があるってよく漫画にもあるけど……」
寂海王「事実、目の前で起きている」
寂海王「真にリアルシャドーを極めれば、対戦相手を第三者に見せることも可能」
寂海王「塞クンは、それをやってのけたのだ」
リアルシャドーwww
塞は刃牙並みの才能があったのかッッッッwww
塞は刃牙並みの才能があったのかッッッッwww
恒子「きッ……決まったァァァァーーーーーーッッ!!!!」
恒子「なにがなにやらわからないがッ」
恒子「しかし臼沢選手渾身の奇襲に愛宕選手ダーーーーーウン」
本部「先ほどの姉は……」
刃牙「ああ……リアルシャドーだね」
恒子「???」
恒子「とにかくリアル車道が決まりしたッ!」
恒子「その必殺の威力はまさにハイブリッドカーーーーッッッ!!」
健夜「意味わかんないよ!?」
本部「何にせよこれで……」
刃牙「ああ」
加藤「残った二人のタイマン、か……」
これ、こーこちゃん実際にこの場面で言いそうだよなーと思うぐらいキャラの再現度高い
巴「!」
春「宮守の娘……」
霞「ええ」
霞「もう機敏な動きもできないみたいね……」
春「清澄が俄然有利……」 ポリポリ
霞「無理もないわ……」
霞「はっちゃんのエアスピンドライバーは本来なら一撃必殺」
巴「圧倒的タフネスが売りの鹿児島のライフセーバーですら一撃KOされるくらいですからね」
春「完璧には決まってなくても、肉体にダメージはある……」
霞「さあ、ここからどうするのか……」
霞「見せてもらうわ」
塞(まったく、ちょっとムカつく話だわ)
塞(結局最後までマイペースだった原村和が一番体力残してるわけだ……)
ザッ
加藤「動いたッッッ」
健夜「あの身体では、臼沢選手はそう簡単に動けない……」
健夜「罠がある可能性を考慮しても、こうなったらマイペースに待つよりも動くべきとの判断でしょう」
塞(元より効く気がしないとはいえ、防塞ゲージを吐ききったのは精神的にちょっと辛い)
塞(加えてこのコンディションッ)
塞(真っ向からは攻められないッ!)
塞(だけど、このコンディションだからこそ翻弄するような立ち回りも厳しい……)
塞「……」 スッ
塞(なら、覚悟を決めるッ!)
塞(私が一番得意とする戦法に殉じるッッッ!!)
塞(相手の攻撃をいなし、塞ぎ、必殺の一撃を叩き込むッッッ!!!!!)
塞「……」 ユラァ
塞(シミュレーションは出来ているッ!)
塞(運良く原村の個人サイトを見つけられたのが大きかったッッ)
塞(バレていないつもりかもしれないが、私にはもはや丸裸だッッッ!!)
ざわっ・・・
恒子「な、なんとォォォォォォーーーーッ!?」
恒子「今度は突如として、謎の少女が現れたァァァァーーーーーーッッ!!!!」
健夜「清澄高校の大将の娘だよ!?」
恒子「さすが小鍛冶プロ、詳しいですね」
健夜「むしろ何ですぐ忘れるの!?」
塞(ブログにあった『SM』はまず間違いなく『サキ・ミヤナガ』ッ!)
塞(惚気を見るのは辛かったけど、おかげで二人の関係性は完璧に抑えてあるッ)
塞(なーにがまさにソフトSM風の厳しい出会いに始まった今ではラブラブですだ!)
塞(面白くもない惚気ブログを延々読まされた逆恨み、ここで晴らすッッッ!!)
ユラァ……
塞(とにかくベタ惚れ、性格はやや引っ込み思案も時折大胆な行動に出る)
塞(最初真逆だったように、勝負には感情やら余分なものを持ち込むタイプッ)
塞(更に殴り合いがそれほど好きじゃないときたら……ッ) ゲボァッ
白望「喀血……」
エイスリン「ソンナ……」
胡桃「塞ッ!」
寂海王「いや……あれは……」
寂海王「あの喀血は意図的に吐き出したもの……」
胡桃「えっ?」
寂海王「望む相手とシャドーをし、ダメージを受けたわけじゃァないッッッ!!」
胡桃「じゃ、じゃあ一体……」
寂海王「あれを」 スッ
和(何をしているのかわかりませんが……)
和(私は私のできることをやるだけです)
和(相手が誰で何をしようと関係ない)
和(ただ効率よく、私にできる最高の突きをお見舞いするだけ……) キュッ
塞(やっぱり吐血を意に介さずとどめを刺す気か……)
塞(アンタはそれでよくっても……)
塞(拳を振るうことにトラウマがある娘は……)
塞(“アンタのハニー”はどうかしら!?) カッ
和(私だけのマッhーーーー)
咲『やめて和ちゃん!』
咲『もう勝負は付いてるよッ』 バッ
和「ッ!?!?!?」
和「咲さ……!?」
久「むぅ……あれは理二写道」
まこ「知っちょるんか部長!?」
理二写道(りあるしゃどう)ーー
その起源は中国元代に遡ると言われる。
当時貧困からくる反乱が多かったことは広く知られているが、その主戦法が殺人拳法であったことはあまり知られていない。
貧しい者が手に入れられる程度の武器では太刀打ちできないことを学習し、下準備が可能という自らの長所を活かすべく多くの者が反乱のために武を磨いた。
その期間の食べていく銭を稼ぐため、最も優れた資質を持つ者以外は皆労働に従事したことが、唯一人で己を鍛えた末に至る理二写道の始まりとされる。
ただ型を極めるだけの拳法では実践だの応用力に欠けるとして、次第に当時の訓練法は対人戦を想定してのものが主流となった。
その中において、単なる都合の良い動きをする傀儡ではなく、きちんと理に沿って現実的な動きを取る相手を想像できた者だけが、仮想敵を『創造』出来たのである。
戦う相手や地形及び人体の可動域など、あらゆる理(ことわり)を理解して初めて到れるその境地は、理を持った二人目の戦士ーーつまりは模擬戦の相手を映し出す事を可能にするのだ。
かの宮本武蔵が巌流島の決闘の際、佐々木小次郎が痺れを切らし勝機を生む絶妙なタイミングを図るためにこの理二写道を行ったことはあまりにも有名。
なお、余談ではあるが、この時初めて日本で理二写道を行った宮本武蔵が、中国から伝わった『りあるしゃどう』という言葉に対し、『理がある仮想敵を写す道』として『理有写道』と文字を当てたが、正式な表記は『理二写道』である。
しかし宮本武蔵への敬意を示す剣術家の中には、意図して理有写道という表記を使用する者も少なくない。
(民明書房刊 『武闘家の心理学』より)
優希「で、でも、それがなんなのか分からないけど、のどちゃんには通用しないじぇっ!」
まこ「ほ、ほうじゃ!」
まこ「あやつは究極のマイペースにして現実主義者」
まこ「そんなオカルトは通用せんわ!」
久「いえ……むしろ逆よ」
まこ「え?」
久「和だからこそ、不味いのよ」
まこ「ど、どういうことじゃ!?」
久「和の真骨頂は、対戦に必要な最低限の情報以外を遮断し、惑わされずに的確な判断をすることにある……」
久「それこそ、相手が消えても無効化できる」
優希「それなら今回も……」
久「でも和の力も完璧じゃない」
久「あくまでブレずに己を貫くための力で、宮守の娘みたいにオカルトすべてを塞ぐことが本領じゃないわ」
久「だから咲の嶺上開花や優希の東場パワーアップを防ぐことまではできない」
久「優希との試合の場合は、優希のパワーアップを意に介さずに己の最高率を目指した打ち回しをして、結果的に優希より早く上がれることもあっただけ……」
久「対非現実的事象に対する万能選手なんかじゃないわ……」
まこ「な、なるほどのう……」
まこ「言われてみれば、オカルトを食らっても動じないというだけで、オカルトを喰らい偶然扱いしとることも多いわい」
久「さらに麻雀ならば牌を見るだけで済むけど、格闘技においては相手の拳を、そして動きを見なくてはならない……」
久「ましてや肉体可動域や僅かな予備動作から確率的に高い攻撃への防御を行うための注視ともなれば」
まこ「な、なるほど、りあるしゃどうにかかりやすいというわけか……」
久「ええ」
久「咲の幻影は、避けることができないでしょうね……」
久「勿論打開の目はあるわ」
久「咲のシャドーを見ても、咲さんがここにいるなんてそんなオカルトありえません、なんて言って無視したらいい」
久「所詮は幻影」
久「それも宮守の娘の生み出したもの」
久「宮守の娘には触れられても、和に触れることは難しい」
咲「でも、それなら問題ないんじゃ……」
優希「……」
まこ「……」
咲「え? えっ?」
久「……そう、モンダイないでしょうね」
久「あの娘が、幻覚のとは言え、咲を無視できるなら、ね」 チラッ
和(咲さんッッッ!?!?)
和(紛れもないッッッ)
和(この目ッ艶ッ肌ッッッ!!)
和(紛うことなき純度100パーセントの咲さんッッッッッッ!!!!!)
和「いや……」
和(そんなことはありえません)
和(ですが……)
咲『もうやめて和ちゃんっ!』 ダキッ
咲『そんな和ちゃん見たくないよう』 ウルウル
和(私のことが大好きで……ボディスキンシップも過多で……)
咲『和ちゃんだって怪我してるかもしれないし……』
咲『医務室にいこ? ね?』
和(過剰に私を心配して……天然の上目遣いで……)
咲『私が包帯も巻いてあげるから、その……』
咲『二人で、ね』 サワッ
和(そしてセクシャルアグレッシブッッッ)
和「ありですねッッッ!!」 ブババーーー
優希「問題……ない……?」
咲「……ダメかもしれない……」
まこ「柴田亜美みたいな顔して鼻血吹いとる……」
久「ポーカーフェイスも崩れるレベルで滅茶苦茶幸せそうね」
>>444
グランドマスターの催眠術といい勝負だよなwww
グランドマスターの催眠術といい勝負だよなwww
塞(かかったッ!)
塞(年中発情するバカップルめ!)
塞(なんか全くモテないし想い人にも気付かれないしな女の怒りを思い知れッ!)
胡桃「出るッッッ」
胡桃「塞の謄空螺旋脚ッッッ!!」
白望「当たれば決まる……!」
胡桃「相手はリアルシャドーの術中ッ!」
胡桃「行けるよ塞ッ、決めちゃえッッッ」
エイスリン「GO! サエ、GO!」
咲『和ちゃん……』 チュッ
和(あっ……こんな場所でそこまで……)
咲『いつもみたいに、二人で……』 サワッ
和(………………ほほう……)
咲『ずっと一緒に……』 チュパ
和「……そんなの、アタリまえじゃないですか」
咲『嬉しい……』 クチュ…
和(……やっぱり……)
咲『和ちゃん……』 レロォ...
和(こういうことって……)
咲『私のも……触ってほしいな……』 シュル
和(たいていはそう……)
優希「目を覚ませのどちゃーーーん!!」
まこ「あかん完全に幻覚の咲と野外露出プレイに入ろうとしとるッ!」
咲「うわあ……」
久「おっ、胸に手を伸ばしたわね」
まこ「何でピンチなのに楽しそうなの」
和(たいていは……)
咲『えっ……?』 ズボッ
和(ーーーーーーーーーー夢)
優希「なッ!」
まこ「幻覚の咲を貫いたッ!」
咲「これはこれでいい気はしないかも……」
久「泣いてる……?」
咲「え?」
久「……汗かもしれない」
久「でも、確かに……」
久「彼女の心は、涙を流しているわ……」
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