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    元スレ寂海王「君を必ず宮守女子に連れて帰るッッッ」 豊音「えっ?」

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    501 = 499 :


    豊音「あのッッッ」

    胡桃「!?」

    (トヨネ……一体何を……ッ!?)

    豊音「さ、サインくださいッ!!」

    勇次郎「……」

    勇次郎「昔は俺を知らずとも、誰もが避けてきたというのに」

    勇次郎「最近ではナメられているかのように、サインすら求められちまう」

    豊音「……」

    勇次郎「震える足をむりやり動かして邪魔しただけなら放置もしよう」

    勇次郎「だが……」

    豊音「ッッッ!!!」 ゾッ

    勇次郎「友愛などという不純物のため、戦いの邪魔をしようとしてのことなら、捨て置けねえ……」

    豊音「…………ッ!」 ガチガチ

    502 :


    洋榎「……」

    洋榎(庇われた、か)

    洋榎(情けない……)

    洋榎「おい待てやデグっ……!!」

    由子「!?」

    絹恵「ちょ、おね……!?」

    胡桃「ばっ……」

    洋榎(うちを庇って大怪我なんてさせられんわっ!)

    洋榎「間違えんなや!」

    洋榎「お前の相手は、このわたs――――――――――





    ズガンっ!!

    503 = 502 :


    一瞬の出来事だった。

    範馬勇次郎の腕が振るわれたと思った時には激しい打撃音が響き、そして愛宕洋榎の姿は“消えた”いたッ!

    誰一人庇うのが間に合わず、愛宕洋榎は吹き飛ばされる(間に入っても吹き飛ぶ人数が変わるだけだっただろうが)

    恒子「ひっ!?」

    廊下を一直線に吹き飛ばされた愛宕洋榎の体は、そのまま戦いの舞台へと突っ込んでいった。

    ただの一度も地面に触れぬままリングの端まで到達。

    木板に当たった体は観客席へと跳ねるようにして転がり込んだ。

    揺杏「な、何……ッ!?」

    どよめきが起こる。

    あのこーこちゃんですら混乱のあまりまともに喋ることができないこの状況で。

    本部「あっ、おい!」

    予感がしていた少年だけが、弾かれたように飛び出した。

    本部「刃牙ッッッ!!!」

    504 :


    「さて……どこから話せばいいかしら」

    「貴女のお姉さん――宮永照が、この大会で地下トーナメントの王者・範馬刃牙を倒そうとしてるってことまでは、オーケーよね?」

    「……はい」

    「ただ、何でそんなことになってるのかまでは……」

    「……そうね」

    「まずは、ある一族の宿命から話さなければならないでしょうね」

    「え?」

    「そこを語らざるを得ないのよ」

    「からくりサーカスの回想ばりに長引きますか?」

    「大丈夫大丈夫めっちゃ端折るから」

    505 :

    からサーは長かったな
    まあ必要だったとは思うが

    506 :

    シルベストリの回想とかな

    507 = 504 :


    「範馬一族……まあ、ザックリ言うなら、どちゃくそ強いバーサーカーの一団だと思っていいわ」

    「予想以上にザックリきましたね……」

    「現在地上最強とされる範馬一族の雄、範馬勇次郎……」

    「彼は対戦相手を渇望していたし、世界中に自分の“タネ”をばらまいたわ」

    「たっ、たたたたタネって……///」

    「まあ、ザックリと言うと精s」

    「つ、続けてくださいっ!!」

    「……まあ、その子供達が現チャンピオン範馬刃牙であり、準優勝者ジャック・ハンマーだったりしたの」

    「もはや範馬の子の目的は範馬勇次郎を倒すことにあると言って過言ではないわ」

    「……」

    「でも……」

    「範馬勇次郎のタネにも、ハズレはある」

    「え?」

    「戦闘力を受け継がなかった女児も中にはいたのよ」

    「その娘は範馬の血に見捨てられて、普通の少女として過ごし、普通に結婚をして――――」






    「姓を、宮永へと変えた」






    「……………………え?」

    508 :

    異父姉妹?
    孫娘と祖父?

    509 = 504 :


    「早期に仕込まれた子種だったのが幸いしたわ」

    「早々に範馬勇次郎は興味をなくし、次の子種へと興味は移っていた」

    「もう存在も覚えていないでしょうね」

    「でも……」

    「体に流れる範馬の血は、決して宿命を忘れてくれはしなかった」

    「……」

    「切っ掛けは、家族麻雀という闘争」

    「自分の娘が“鬼”の片鱗を見せて――哀れ範馬の娘は気が触れてしまったわ」

    「家族麻雀で鬼の片鱗を感じ取る度娘に暴力をふるい、別居させられるほどに」

    「そんな……」

    「あそこまでバラバラなのに離婚して苗字を戻さないのは、きっと範馬の匂いを少しでも消したかったからでしょうね」

    「……」

    「範馬勇次郎の血を受け継げなかった娘と、色濃く継いでしまった孫」

    「二人が引き離されることで、無事に“鬼”は姿を消した」

    「普通の文学少女として、普通の生を歩んでいた」

    「……須賀くんが、麻雀という闘争の世界に、再び引きずり込むまでは」

    「入部については部長のウェイトも相当高いような……」

    「……」

    「……」

    「とにかく、須賀くんによって“範馬の血”は再び目覚めつつあった」

    (ごまかされた……)

    510 :

    なんで部長がそんなに範馬一族の事情に詳しいんだよw
    下手すりゃ徳川のじいさんより詳しそうだなw

    ちなみに最近の作品でクソ長い過去編っていったらマギのアルマトラン編(今やってるやつ)だな
    たしか半年以上はやってる筈だ

    511 = 504 :


    「……貴女のお姉さんも、範馬の血のことを聞いたんでしょうね」

    「貴女のお姉さんは、貴女ほど血が濃くなかった」

    「だけど、自ら自覚しトレーニングを積むことで、その範馬の血を覚醒させた」

    「……そして、範馬の宿命を背負うことにした」

    (妹との関係を絶ったのも、自分が一身に背負うためだと思うんだけど、これは……私自らいうことじゃないわよね)

    「そして、この大会」

    「貴女の覚醒を、そして範馬刃牙と範馬勇次郎によって範馬の宿命が終息するのを懸念して」

    「自らの家族を巻き込んだ範馬の宿命に自らの手で終止符を打つため、この大会を打診した……」

    「……」

    「貴女が戦いたくない、というのなら、まあ止めはしないわ」

    「でも、この話を聞いて、己の内にある戦闘衝動が沸き上がっているなら」

    「その力を振るうことで、インターハイよりも先に、お姉さんと和解できるわよ?」

    「さあ、どうする、グラップラー咲――――!」

    512 :

    宮永家因果背負い過ぎでワロタ

    513 :

    グラップラー咲w
    グラップラー刃牙と一文字違いだwww

    514 :

    奇しくもジャックと刃牙みたいな関係なのか

    515 :


    「……」

    「にわかには、信じられません」

    「……」

    「けど……」

    (家族麻雀で、私だけが勝つと怒られていた理由も)

    (私が麻雀で“鬼”の血を垣間見せてしまったからだと考えれば説明がつく)

    (お姉ちゃんをつれてお母さんがいなくなってのも)

    (お父さんが、何で離れ離れになったか語りたがらないのも)

    (麻雀から遠ざけるように、何も言わなくなったのも)

    (……お姉ちゃんが、何も言ってくれなくなったのも)

    「……信じるしか、ないんでしょうね」

    「説明がつくことが、多すぎますから……」

    「わかってくれてよかったわ」

    「それで――どうするの?」

    「……」

    「お姉ちゃんと、また、話がしたい……」

    「だから、範馬の血がその障害になるのなら――――」

    「全部、ゴッ倒します」 ゴッ

    516 :


    バキャアッッッ

    「ッ!?」

    「何!?」

    絹恵「……」 グッタリ

    「ひっ!?」

    「姫松の……」

    「何をどうすれば弾丸ライナーみたいな軌道でここまですっ飛んで……」

    「……」 ゾッ

    「い、行かなきゃ……」

    「?」

    「……自覚して、ようやく気付きました」

    「私の中の血が……あっちに向かえと囁いてきてる……っ!」

    517 = 516 :


    豊音「……ッ!」

    豊音(愛宕選手の妹さんも手負いとはいえ一撃でッ……)

    豊音(このままじゃ、超まずいよー!)

    豊音「範馬勇次郎さんッ!」

    豊音(自分の失態のツケは、自分で支払うッ!!)

    豊音「その胸、借りますッ!」 ダッ

    勇次郎「くく……」

    勇次郎「筋はいい」

    勇次郎「迷いもない」

    勇次郎「だが――」

    勇次郎「ハナから勝利を捨て、時間稼ぎのために胸を借りるなどというぬるい姿勢……」

    勇次郎「上等な料理にシュールストレミングをぶちまけるが行いッッッ」

    胡桃「と、とよねーーーーーーっ!!」

    豊音(やばっ……これ、避けられな――――)

    518 :

    そこは蜂蜜じゃねーのかw

    519 :

    咲系SSでは闇鍋スレ以来の伝統か

    520 :


    グイッ

    豊音「ふぇ!?」

    ブォンッッッ

    由子「空振りッ!?」

    「あの娘を引っ張って射程から出したあの人……」

    胡桃「あ……ああっ……」

    寂海王「か弱い女子供と闘るのが趣味なのかね」

    胡桃「寂先生ッッッッ!!」

    521 = 520 :


    勇次郎「クク……」

    勇次郎「当然……俺としちゃあ退屈な小蝿の相手より……」

    勇次郎「腐っても海王を相手にする方がいいがな」 ニタァ

    寂海王「……」

    豊音「……せ、先生……」

    寂海王「下がっていなさい」

    豊音「でも……」

    寂海王「……」 スッ

    勇次郎「ほう……真っ向から構えるね」

    勇次郎「この力量差で、柄にもなく素直なこった」

    寂海王「今は擂台賽とは違う」

    寂海王「私にとって、今の最高の名誉は、日本の格闘技界の未来を担う少女を育てていること」

    寂海王「……」 スゥ

    寂海王「教え子の前だ、あまり無様は晒せんよ」

    寂海王「例え相手が鬼であろうと」

    勇次郎「吠えるじゃねぇか」 ニィィィ

    522 = 518 :

    そこへ刃牙が乱入という訳だなッッッッ

    523 :

    >>522
    こういう無粋な展開予想する奴ってのは、何を考えているんだか

    524 :

    グラップラー刃牙の頃のバキなら乱入するんだけど、
    刃牙道のバキはアクビちゃんだから乱入するかは怪しい…

    525 :

    寂さん無茶しすぎやで…
    背中ガードでも勇次郎さんなら一撃必殺できるよなぁ…

    526 :

    色物なのに続きが気になるw

    527 :


    寂海王の手首が、腰が、関節が捻られる。

    回転の力を正しく伝達された拳は、本来ならば絶対無比の一撃必殺である。

    海王の称号を得た男の繰り出す一撃を、鬼は避けようともしない。

    勇次郎「効かねえなァ」

    鬼が嗤う。

    そして振り上げた一撃必殺の鬼の拳を寂海王の顔面へと――――

    寂海王「ッッッ!!!」

    勇次郎「ほぉ……ちったぁやるようになったみてぇじゃねぇか」 ククク

    寂海王「……以前までなら、さっきの拳すら避けられずに意識を持っていかれただろうが……」

    寂海王「生憎、今は生徒が見ているものでね……」

    寂海王「何もせずに負けられはしないさ」

    勇次郎「ふん……くだらん感傷だ」

    寂海王「オーガ範馬勇次郎……」

    寂海王「君にも、この言葉を贈ろう」






    寂海王「強いだけではつまらんぞ」






    自分の強さの根底を鬼へと叩き込むべく、寂海王が再び一歩を踏み込んだ。

    528 :

    普通の刃牙が始まったww

    529 :

    咲要素ゼロの戦いかッッッッ

    530 :


    何万回も放ってきた自慢の一撃。

    オーガと相対するのなら、それに頼らざるを得ないだろうとずっと思っていた。

    たとえ通用しなくとも。

    悔いなき結末を迎えるためにも、これ以外に放てる一撃などない。

    対する鬼(オーガ)は余裕に満ちている。

    しかしその顔はどこか楽しそうである。

    無味だったよくわからない物体が、噛み尽くしたガム程度の味わいを得てくれた。

    多少は楽しめるだろう。

    胡桃「ッ!!」

    例え寂海王の教え子が、得意のダマで接近しバランスを崩すべく体当たりをしてきたとしても、だ。

    勇次郎「ぬりぃな」 ニタァ

    むしろ丁度いいハンデであるし、何よりまだ向かってくると言う点だけは評価できた。

    下品な顔を浮かべ、勇次郎がアッパーカットの要領で拳を放つ。

    わざわざ、胡桃の体が軌道に入るように。

    寂海王と共に、無謀な勇気を持った少女の体を破壊するために。

    531 :


    しかし、寂海王は意に介さない。

    確かに視界には今にも屠られんとする胡桃の姿が映っている。

    だが、それでも。

    ピクリとすら、胡桃に反応しない。

    白望「胡桃……!」

    寂海王は、知っていたから。

    鹿倉胡桃という少女が、手に余った末迷惑をかけるような無謀はしないことを。

    小瀬川白望という少女は、きちんと周りを見てセーフティーネットのように一番大事な所でだけはきっちりフォローを入れることを。

    白望「くっ……」

    胡桃を庇い、白望の身体が勇次郎に吹き飛ばされる。

    消力を使ってなおも、肉体がギリリと痛む。

    突き飛ばされた胡桃は、地面をはね傷口をさらに傷めつけることになった。

    ――――だが、それだけだ。

    二人とも、命に別状はない。

    それが理解できていたから、寂海王は意図して二人を意識から放り出すのだ。

    532 :

    信頼してるから放置はいいけど女子高生なんだから後でフォローしてくださいよ寂先生。
    言わなくてもわかってるは傲慢だよ。

    533 :

    勇次郎の拳を受けて痛い程度で済む女子高生すげえ

    534 :

    宮守女子宮守女子宮守女子…
    連続すると子宮守女に見えてきた

    535 :


    「おッ……ゔぇぇぇっ」 ビチャビチャ

    臼沢塞が血の入り混じった反吐を吐く。

    ゲージを吐き出しきった体で、なおも非現実極まるオーガの破壊力を塞ごうとした反動だ。

    それでも視線はオーガを捉え、少しでもその威力を軽減させようとする。

    エイスリン「…………ッッッ!!!」 ギャリギャリギャリギャリ

    エイスリン・ウィッシュアートが壊れそうな腕でスケッチボードに理想を描く。

    絵描きとしての限界を超え、それでもなお恩師が鬼退治を遂げる絵を超スピードで描いていた。

    豊音「先生ッッ」

    そこまでしても、勇次郎の拳は止まらない。

    超威力を孕んだ拳は、威力を弱められ軌道を歪められながらも、寂海王へと突き刺さる。

    豊音「がッ……!」

    その威力は、人の身体をも突き抜ける。

    まるで竜巻のようなエネルギーの塊が、寂海王の内蔵を掻き乱したのち、その体を真っ直ぐに通り抜けた。

    そのまま寂海王の体を支えようとしていた姉帯豊音の身体にもエネルギーは突き刺さる。

    寂海王に消費されたエネルギーの残り粕にも、豊音を壁まで吹き飛ばし、衣服をズタズタにする破壊力は残されていた。

    勇次郎「!!」

    しかし――豊音がその背を支えたから。

    塞が、エイスリンが、胡桃と白望が、鬼の一撃を弱めていたから。

    内蔵を破壊されようと、寂海王はよろめきもしない。

    ただ、正確に――必殺の一撃を放った。

    536 :

    宮守、チーム一同かっこよ過ぎる!

    537 :


    勇次郎「ククク……」

    鬼が嗤う。歓喜を湛えて。

    その頬には傷がつき、血を流していた。

    勇次郎「久しぶりに……てめぇの血を見たぜ」 ククククク

    寂海王「なにより困難で……教え子なくては近付けない道だった……」

    喀血。

    しかし眼はしっかりと鬼を見ている。

    内蔵は血反吐はくほどグチャグチャだ。

    しかしその体は決して崩れ落ちぬ。

    胡桃「先生ッッッ!!!」

    寂海王「愛など愚かと言うがな……い、いい……ものだぞ……」

    再び拳を握る。

    何度も振るった得意の拳を、再び放つために。

    「先……生ッ……」 ゲロゲロゲロ

    寂海王「先生、か……いい……響きだ……」

    否――――――

    何度も“教えてきた”得意の拳を、だ。

    幾度も伝え、繋いで来た技だからこそ、オーガに届いた。

    そして、だからこそ、また拳を握れるのだ。

    寂海王「あれほど焦がれた海王の称号よりも……ずっとな……」

    単なる寂という人間なら、ここまて食い下がれなかった。

    寂海王だからこそ、ここまで範馬勇次郎に渡り合えた。

    それでも単なる寂海王だったなら、先ほど一撃入れたあとは倒れ伏していただろう。

    寂先生だから。

    先生という称号があるから、立ち上がることが出来ているのだ。

    538 :

    咲どこいったと思ったけど最初から風味付けぐらいだった

    539 :

    寂先生待ってるぞー

    540 :

    待ってますわ

    541 :


    勇次郎「そうかい」

    鬼の表情に、歓喜はない。

    満足半分、寂しさ半分といったような、不思議な表情だ。

    勇次郎「それじゃ、ちいとくらい、その師弟愛とやらに感謝してやるぜ」

    一体何年ぶりだろう。

    鼻をわずかにとは言え、体をへし折られたのは。

    勇次郎「あばよ」

    それでも終わりはやってくる。

    魂を込めた一撃を叩き込み、もはや魂の抜けた肉塊となった寂海王を仕留めるべく、鬼が拳を振るった。

    542 = 541 :


    刹那、寂海王の体が吹き飛ばされる。

    勇次郎の拳より早く、勇次郎の拳より弱く。

    勇次郎「ほお……」

    勇次郎「風の拳たぁ、面白い曲芸だ」

    ???「曲芸かどうか……」

    「あ……ああっ……」

    「貴様の体で試してみるか?」

    「遅ェぞチャンピオンッッッッ!!!」

    543 :

    しゃあ!風当身!!

    544 :

    照来てたー

    545 :


    勇次郎「その目……その風格……」

    勇次郎「なかなか面白いじゃねェか」

    「黙れ」

    「貴様の愉悦のために犠牲となった母のためにも」

    「その笑み、二度と浮かべられぬようにしてやる」 ザッ




    (う、動けない……)

    (体が軋むからじゃあないッ)

    (二人の闘気に当てられて、寂先生にも豊音にも駆け寄ることができないッッ!!)

    (これが……チャンピオンの持つオーラなの……!?)

    546 = 545 :


    「お姉ちゃんッッッ!!!」

    「ッ!?」

    勇次郎「ほう……また増えるか」

    「……貴方は……」 ゾッ

    「ッ……お前には関係がない」

    「……そう」

    「その人が、例の範馬勇次郎……」

    「……」

    「その人が、お姉ちゃんを隔てる壁になるというのなら――――」

    「この場で、ゴッ倒す」 ヴォッ

    547 :

    魔界地味てきたな転生

    548 = 545 :


    豊音「ッッッッッ!」 ガバッ

    「あ、豊音!」

    豊音「……体が痛い……」

    豊音「そうだ、寂先生はッ!」

    「……大丈夫」

    「死んではいないみたい」

    豊音「よかった……」

    「……チャンピオンが来てくれたからね」

    豊音「え?」

    豊音「み、宮永選手!?!?!?!?」

    549 :


    豊音って主役なんだよな?(笑)

    550 :


    「服を着ろ」

    「少女があまりみだりに肌を晒すものじゃない」

    豊音「ありがとうございます!」

    豊音「宮永選手の上着とかちょーうれしいよー!」

    豊音「家宝にします!!」

    「いいから着ろ」

    「背中側洋服吹き飛んでまる出しよ」

    豊音「わわわっ、ほんとだ」

    「使わないなら帰して」

    「いや使っても洗ってきっちり返させろよ甘すぎじゃないか?」

    豊音「わわっ!」

    豊音「弘瀬選手だァァァァ???ッ!!」

    勇次郎「ククク……小娘共のスーパースターが立ちはだかる、か」

    勇次郎「そしてようやく男共のスーパースターも立ちはだかります、ってか?」 ニタァ

    勇次郎「なあ、刃牙」

    刃牙「勇次郎ッッッ!!!!!!」


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