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    元スレ寂海王「君を必ず宮守女子に連れて帰るッッッ」 豊音「えっ?」

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    51 :

    ニュージーランド出身だし、多分マーク・ハントとかレイ・セフォーの親戚じゃね

    52 = 32 :


    「何でそんなものに……」

    寂海王「もうエントリーは済ませてある」

    胡桃「えっ」

    寂海王「それにバーリ・トゥードとは名ばかりで、きちんとルールが設けられている」

    寂海王「本来は戦う男の場だったのだが……」

    寂海王「厳しいルールを設けることにより、女子の立ち入りが許されることになった」

    寂海王「5人ずつの団体戦」

    寂海王「勝者5人は、現行チャンピオンに挑める」

    白望「……」

    白望「それをするメリットは……」

    寂海王「無論、ある」

    寂海王「格闘技の技術と、格闘技の一種である麻雀には、密接な関係がある」

    寂海王「特にオカルトと呼ばれる技量は武術に転用出来るものが非常に多い」

    寂海王「現に――すでに君達には、武術家としての特訓を済ませてある」

    「!?」

    寂海王「君の場合は、そのモノクルを使った特訓を」

    「こ、これ、単なる麻雀におけるアンチオカルトなんじゃ……」

    寂海王「全ては武術の応用だ」

    寂海王「大会までに、近接格闘における使用方法も身につけてもらう」

    胡桃「私そんなことした記憶ないんだけど」

    寂海王「君の場合は小柄すぎるため、大怪我を負わぬための体づくりをさせていた」

    寂海王「ダイエットプログラムと称し渡したアレが」

    胡桃「わーーーっ! わーーーっ!」

    白望「ダイエットしてたんだ……」

    胡桃「べ、べべべべべつにそんなことっ」

    「アンタはそのままで十分だって」 ポンポン

    胡桃「か、からかってるよねそれっ!」

    53 = 51 :

    ベスト・キッドかよwwwwww

    54 = 32 :


    寂海王「それに……」

    寂海王「同じようなことを考える者は多々いるようだぞ」

    「え?」

    寂海王「インハイ出場校からも、大会の参加が確認されているッ」

    「ええええええええ!?」

    寂海王「何かしら得ることが出来るとは思うが、どうかな?」

    「いや、でも、ねえ……」

    白望「……」

    55 = 32 :


    白望「先生は――」

    白望「元々、格闘技をやらせたかったんですよね」

    「え!?」

    寂海王「ああ」

    寂海王「鍛えていて、思った」

    寂海王「トヨネ君だけじゃない」

    寂海王「君達全員を、将来的に我が流派に連れて帰るとッッッ!!!」

    寂海王「強いだけでは虚しいぞッ」

    寂海王「麻雀は運の要素も強く、また初心者にも優しくはない」

    寂海王「指導者になるなら、格闘技だッ」

    寂海王「君達には、才覚ある若者を指導する力があるッ」

    56 = 32 :


    寂海王「どうだ、まずはこの大会で――」

    白望「いいですよ」

    「え!?」

    胡桃「うっそ!?」

    白望「……だるいけど、その大会からずっと東京行ってた方がラクかもだし」

    白望「……」

    白望「ここまで来たら、勝ってずっと東京でだらけてたいから」

    白望「やれることなら、仕方ないし、やる」

    「……」

    胡桃「……うん、そーだね」

    「胡桃!?」

    胡桃「これでも、先生には恩義があるっちゃーあるしね!」

    胡桃「しょうがない、恩返しだ!」

    57 = 32 :


    エイスリン「皆ガ、ヤルナラ、私モ!」

    「……」

    「あああああああ、もう!」

    「しょうがないわね!」

    「トヨネ、どーする?」

    豊音「……」

    豊音「未だに、何か、麻雀が格闘技って話は信じられないけど……」

    豊音「信じられる仲間をくれたのは、寂さんだから……」

    豊音「寂さんのことは信じたいし、恩も返さないとと思ってるよー」

    豊音「……やろう」

    豊音「これも、大切な皆との思い出になるから……!」

    「……ん!」

    胡桃「決まりだね」

    白望「……やるからには、優勝」

    エイスリン「宮守女子~~~~」

    全員「「「「「ファイ、オーーーーーーッ!」」」」」

    58 = 32 :


    【某高校麻雀部部室】

    ???「女子高生最強トーナメントぉ?」

    ???「なぁに考えとるんじゃ、おぬし」

    ???「あら、おもしろそうじゃない?」

    ???「それに、インハイ前の特訓になるでしょ」

    ???「どう考えても普通に麻雀打ったほうがエエ気がするけどのう」

    ???「しかも格闘大会ってこと、知らせずに東京入りさせる気とは……」

    ???「いくらなんでもギャンブルにも程があろうて」

    ???「あら、大丈夫よ、意外と皆、肉弾戦強いみたいだし」

    ???「それに――知ってるでしょ?」

    ???「ここぞって時に、私は悪い待ちにして、そして尽く勝ってきたって」 クスッ

    ???「まったく……」 ハァ

    ???「ま、何にせよ――教えてあげようじゃない」

    ???「私達が、どの高校より強いってことを」

    59 = 32 :


    【女子高生最強決定トーナメント当日】

    胡桃「ついに、この日がやってきたね……」

    「東京ドームの地下にこんな施設があるなんて、ビックリだわ」

    エイスリン「緊張シテキタ」 ドキドキ

    豊音「有名な高校生雀士の人、いっぱいだよー……」 ワァ

    白望「だる……」

    寂海王「あまりうろついてはぐれないように」

    「一番不安なの海王先生だけどね」

    胡桃「やたら滅多に勧誘しないでよ」

    寂海王「大丈夫、試合が始まるまでは我慢するさ」

    「試合中も我慢しましょうよそこは」

    60 = 32 :


    胡桃「うう、トイレもっかい行ってくる!」

    「あ、私も……」 ソソクサ

    豊音「ちょーキンチョーしてるねー」 フフ

    豊音「私も連れションしてこようかなー♪」

    「トヨネ、そーいうのすきだよねー」

    豊音「村に居た頃は、ポチとくらいしかそーいうのできなかったから」

    白望「私はだるいから待ってる」

    エイスリン「~♪」 カキカキ

    胡桃「ん、エイちゃんも留守番よろしくっ!」

    寂海王「もう入場が始まる、急ぐといい」

    寂海王「後半とはいえ、あまりバタつくものではないからね」

    胡桃「はーい」 トテトテ

    61 = 32 :


    ???「あかんあかん、遅刻しそうやんけ!」 ドタドタ

    胡桃「う~トイレトイレ」

    ???「何で充電切れとんねん、そら目覚ましも鳴らな――」

    ドン!

    胡桃「あいたっ」 シリモチッ

    「大丈夫?」

    洋榎「おっとと!」

    洋榎「見えんかったわ」

    絹恵「ちょ、おねーちゃん!」

    胡桃「……!」

    胡桃「ねえ」

    胡桃「切符買っておきなよ」

    洋榎「?」

    洋榎「切符?」

    胡桃「明日帰るんでしょ」

    洋榎「ドチビが……!!」

    62 :

    急にスラムダンクww

    63 = 32 :


    絹恵「もう、おねーちゃん!」

    洋榎「ちぇー」

    洋榎「すまんすまん、マジで見えとらんかったわ」

    絹恵「あの、ごめんなさい」

    絹恵「お姉ちゃんデリカシーないけど、悪気はないんです」

    洋榎「マジでよう見とらんかったんやからしゃーないやろ」

    絹恵「しゃーなくないやん、ちゃんと前見んと」

    豊音「あ、あああああのっ!」

    洋榎「?」

    豊音「姫松の、愛宕洋榎選手ですよねっ!?」

    洋榎「せやで?」

    豊音「さ、ササササインを……!」

    洋榎「あ、すまん、してやりたいねんけど、ウチ入場迫っとんねん」

    豊音「あ、そうですか……ごめんなさいっ」

    洋榎「いやいやこっちこそすまんな」

    洋榎「オチビも悪かったな」

    胡桃「チビじゃないっ!」

    「それより……入場が迫ってるってことは……」

    洋榎「ああ、せやで」

    洋榎「ウチら、姫松高校麻雀部、最強トーナメント殴り込みしとんねん」

    64 :

    ポチと連れションだと…




    勃起してしまった…

    65 = 32 :


    豊音「ええ!?」

    豊音「やっぱり麻雀の特訓でですか?」

    洋榎「なんでやねん」 ケラケラ

    洋榎「麻雀と格闘技って、関係なさすぎるやろー」 ゲラゲラ

    胡桃(否定出来ない……)

    (その正論は半月早く聞きたかった……)

    洋榎「おもろいなー自分」

    豊音「じゃあ、なぜ……」

    洋榎「いやな、セーラのやつと、どっちが決勝で稼ぐか勝負しててん」

    絹恵「それで、お姉ちゃん負けてもーて、罰ゲームでこんなことに……」

    洋榎「くっそーーー! 西成のクソがなぁぁぁぁぁぁ!!」

    絹恵「もう、末原先輩達に後日ちゃんと謝らなあかんで」

    洋榎「ちぇー、わかっとるって」

    洋榎「でもまあ、格闘技経験者が部におって助かったわ」

    洋榎「さすがに、セーラの手ぇ借りたら意味ないからな」

    66 = 32 :


    豊音「その、私達も参加してるんですっ」

    洋榎「あ、ほんま」

    絹恵「当たったらよろしくねー」

    豊音「はいっ!」

    洋榎「っとと、そろそろウチラ呼ばれる番やんけ!」

    絹恵「ちょ、急がな!」

    「……」

    「姫松がもうすぐってことは、私達ももうすぐじゃん!」

    「トイレ中止~! 戻るわよ!」

    胡桃「ええ!?」

    「ちょっとくらい我慢できるでしょ?」

    「抽選の後で行って来なさい」

    胡桃「う~……」

    67 = 32 :


    【数十分後、女子トイレ】

    ジャーーーー

    ゴボゴボゴボ

    胡桃「ふう……」

    胡桃「危なかった……」

    豊音「私も密かに危なかったよー」 フフ

    豊音「愛宕選手にあった緊張で尿意忘れてたけど、今度は試合への緊張でおトイレ近くなっちゃってて困るよー」

    胡桃「ねー」

    胡桃「っていうか、1チームごとに長い口上いらなかったよね……」

    豊音「あははー」

    ギィ

    胡桃「……っとと」

    胡桃(さすがに人が入ってきて喋り続けるのはアレだよね)

    68 = 32 :


    ???「ほんっっっっと、おかしな運を持っちょるのう……」

    ???「いやー、和も咲も面食らってたわねー」

    ???「まず肉弾バトルさせられることに驚いとったぞ」

    ???「いやー、私は珍妙な巫女集団に驚いたんだと思うけどね」

    ???「それが麻雀だと全国4指と知った時の和や咲の顔ったらもう」 プププ

    ???「いつか刺されるぞ、おんし……」

    ???「しっかしまあ、これがインハイじゃのうてよかったわ」

    ???「初戦から永水に姫松とか、麻雀だったらやっとれんわ」

    ???「もう一校色物がいるけど……格闘ならここが要注意かしらね」

    ???「どこも色物に見えるがのう」

    ???「違いないわwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

    胡桃「……」

    胡桃(姫松に、永水の話?)

    胡桃(確か、おしっこ我慢でまともに聞いてなかったけど、私達の初戦の相手も……)

    69 = 32 :


    ???「おんしはいいのう」

    ???「オーダー見たが、中堅、どの高校からも弱そうなのしかおらんけぇ」

    ???「まぁねw」

    ???「永水の子は一番おとなしそうな子だし、岩手のとこはちびっ子だし」

    ???「姫松がワンチャン強いかもくらいねー」

    ???「余裕じゃのー」

    ???「ま、可哀想だし、彼女らの攻撃は5発以内で終わらせてあげるわ」

    ???「通らない攻撃させ続けるのも酷だしね」 キリッ

    ???「wwwwwwwwwwwwwwwww」

    ???「さ、戻って対策しましょwwwwwww」

    ギィ

    バタン

    胡桃「……」

    豊音「……」

    70 = 62 :

    久は長谷川ポジションなのか

    71 = 32 :


    胡桃「今のって、多分――」

    豊音「うん」

    豊音「清澄高校」

    豊音「一回戦の、私達の相手だよー」

    豊音「あの宮永照選手と同じ名字の大将さんとか」

    豊音「ちょー有名人の原村選手とかを擁してる強豪だよ」

    胡桃「……」

    胡桃「でもそれは麻雀での話でしょ」

    胡桃「格闘技では――粉微塵になるまで叩き潰す」 ゴッ

    豊音(あ、火がついた……)

    72 = 32 :


    【宮守高校控室】

    胡桃「……ってなことがあったから!!」

    胡桃「何が何でも叩き潰すよっ!!」

    「長いトイレだと思ったらそんなことが……」

    寂海王「やる気があるのはいいことだ」

    寂海王「勿論、視野を狭くするのは問題だがね」

    胡桃「大丈夫、問題ない」

    寂海王「怒りに我を忘れるようじゃまだまだだ」

    寂海王「むしろ相手を上手く乗せるくらいじゃあないとな」

    寂海王「……とりあえず尿意に夢中で君達はまともに大会ルールも聞いていなかったろう」

    寂海王「ここでおさらいをしておくぞ」

    73 = 32 :


    【姫松高校控室】

    恭子「ルールは簡単」

    恭子「4チームがそれぞれ先鋒・次鋒・中堅・副将・大将を出し――」

    恭子「そして順番にバトルロイヤルをするだけです」

    洋榎「その辺はインハイと同じなんやな」

    恭子「そうですね」

    恭子「ただ違うのは、点棒引き継ぎ製のインハイとは違って……」

    洋榎「今回は、各試合毎に順位をつける、か」

    恭子「ええ」

    恭子「毎回1位のチームにのみ、1ポイントが加算されます」

    恭子「大将戦終了時、他のチームよりポイントが多い上位2チームが勝ち上がります」

    由子「上位2チーム勝ち上がりって点は、インハイと同じなのよー」

    「なんだか変わったルールですよね……」

    恭子「何でこないなルールなのかは、正直謎やな」

    74 :

    スラダンパロ多いな!

    75 = 32 :


    絹恵「5戦で上位2校って、そないすんなり決まるもんですかね……?」

    恭子「まず決まらんやろ」

    恭子「とりあえず2位が複数おった場合、そのチームの『勝利した選手』全員でのバトルロイヤルになります」

    洋榎「それまでは敵3人とのバトルロイヤルやけど、その場合は2VS2ってこともあるわけやな」

    恭子「ないです」

    絹恵「計算できへんのお姉ちゃん」

    洋榎「……」

    絹恵「あーもういじけんと!」

    恭子「2ポイントのチームが2つなら、他のチームは1ポイントと0ポイントですからね」

    「2ポイント取れば進出決定ってことですか」

    恭子「正解」

    恭子「あるとしたら、1ポイントVS1ポイントのタイマンか、3チームの代表同士のバトルロイヤルやな」

    76 = 32 :


    洋榎「つまりどこで勝ちを拾うかが重要になるわけやな」

    恭子「まあ、そんなわけなので、オーダーは団体戦と同じにしてあります」

    洋榎「え」

    恭子「漫ちゃんが爆発して勝利をもぎ取れば御の字」

    恭子「2勝して通過確定させないため狙われるでしょうが、受けの得意な由子ならなんとかしてくれるでしょう」

    恭子「漫ちゃんが不発、由子がアカンとなっても、中堅戦は山場です」

    恭子「1勝取った2チームが、最悪自分が負けても他チームが通過確定しないよう互いに潰し合うことが想定されます」

    恭子「視野が広い主将が、上手くハイエナしてください」

    恭子「で、副将戦は、2勝のチームが出ている場合は、実質1勝してるところ同士のタイマン」

    恭子「2勝チームがいない場合は、特定のターゲットが作られない感じの乱戦」

    恭子「もし3勝のチームが出てる場合も、とりあえずの1勝を目指してほぼ平らな乱戦です」

    恭子「ここに、当然一番の戦力である絹ちゃんを投入します」

    恭子「露骨な共闘やタイマン状況が生まれにくい場だからこそ、平の戦闘力がモノを言うはずです」

    洋榎「はー、意外と考えとるんやな」

    恭子「結果だけ見たら、団体戦と同じオーダーですけどね」

    恭子「他のチームがどう考えてきてるかにもよりますが……」

    恭子「少なくとも、私達にはこれがベストオーダーです」

    洋榎「……ええやんええやん」

    洋榎「さっすが知将やで」

    洋榎「このままサクッと優勝して、世界最強の称号を手にインハイ乗り込んだろうやないか!」

    77 = 32 :


    【清澄高校控室】

    「と、いうわけで、面倒だからオーダーはインハイの時と同じになってるから」

    優希「テキトーだじぇ」

    「信じられません」

    「なんでこんな……」

    「まぁまぁ、硬いこと言わないの」

    「和だって、一応武術経験者なんでしょ?」

    「お父さんが護身用にと習わせてくれただけですっ……」

    優希「でも、のどちゃんの型、すごく綺麗なんだじぇ」

    「うん、私も河原で本を読んでる時に見かけたけど、すっごく綺麗だったよ……!」

    「綺麗だなんてそんな……///」 テレテレ

    「和の同時なさに型が組み合わされば、殴り合いの恐怖になんて打ち勝って演舞通りキレイに決められるわよ」

    「だいじょーぶだいじょーぶ、いけるいける」

    まこ「適当じゃのー……」

    78 = 32 :


    「それにしても、何故団体戦なんでしょうか……」

    「ああ、そのこと……」

    「何か知ってるんですか?」

    「まぁね」

    「美穂子の読心術で、結構裏の話聞いちゃったからねー」

    優希「なにそれすげー」

    「……団体戦で、上位2校勝ち抜けなんてぬるいルールなのは、全ては現行チャンピオンが挑戦を受けるための条件なのよ」

    「現行チャンピオン……?」

    「ええ」

    「男子高校生らしいんだけど、全ての格闘家で最強って話よ」

    「そして、最強ゆえ、ただの女の子相手には戦ってくれない」

    「じゃあ、どうするか」

    「どうしたら、受けてくれるのか」

    「……その条件が、団体戦なのよ」

    「話が見えませんが……」

    「優勝チームには、チャンピオンへの挑戦権が得られるわけだけど……」

    「チャンピオンは、別にチームは組んでないのよ」

    優希「えっ」

    「女子高生最強の5人組VSチャンピオン1人――」

    「それでようやく、対等だって思われてる」

    「ナメられてるのよ、私達は」

    79 = 32 :


    「いや――ナメてすらもらえてないわ」

    「私達が食卓に並ぶ魚や牛をナメてないように」

    「ペットの犬をナメないように、チャンピオンを私達をナメてすらいない」

    「むしろいたわり、傷つけないようしようとしている」

    「……その驕りを打ち砕きたいっていう女子高生サイドの願望の現れが、上位2校の勝ち抜けルール」

    「?」

    「ただ勝ち上がっただけだと、ラッキーだと思われるかもしれない」

    「普通に勝つだけだと、個の力は認めてもらえないかもしれない」

    「だからこそ、勝つハードルを低くした」

    「低くしたうえで、全勝を約束してる人がいるのよ」

    「同じ敵が対策を打ってきても遅れなんて取らない」

    「救済システムがあってもそれには一切頼らない」

    「そうやって強さを見せつけたら――自分のチームが優勝後のバトルでは、自分とタイマンをしろ、と」

    「5VS1の形式はとっても、仲間4人には静観をさせる、と」

    「そう言っている、馬鹿と勇者の狭間の少女がいるのよ」

    80 = 32 :


    「一体誰がそんな……」

    「……」

    「貴女もよくしている人よ、咲」

    「え?」

    「人間とは思えない実力を持つ高校生最強雀士」

    「――宮永照」

    「貴女のお姉さんが、世界最強に挑むべく仕組まれたのが、この大会よ」

    「ええええええええええええええええええ!?」

    81 = 32 :


    【永水女子控室】

    「運良く白糸台とは逆ブロックになれましたね」

    初美「インハイ以上に当たるとやばそうですからねー」

    「……?」

    初美「ああ、ハルルは知らないんでしたね」

    「白糸台の人達はね、“私達と同じ”なのよ」

    「???」

    「彼女達は、“麻雀以外の何か”のスペシャリストなの」

    初美「私達が降霊等の巫女技術のスペシャリストで、その技術を麻雀に利用していたように」

    「この大会に参加する雀士達が麻雀技術を格闘技に転用したのと逆」

    「即ち元々格闘技のプロだった人達が、その力を麻雀に使ってたって形ね」

    初美「超強力なコークスクリューパンチとか、射撃とか、触手攻撃とか、釣り糸攻撃とか、栽培とか……」

    初美「今回はあちらのホームグラウンドですからねー」

    初美「巫女パワーでどこまで対抗できるか、日頃の成果の見せ所なのですよー」

    「少しでも経験を積むためにも、決勝まで当たらないのは好都合ね」

    「なるほど……」

    「……」

    (栽培って格闘技なの……?)

    82 = 32 :


    「それにしても……姫様が先鋒とは……」

    「小蒔ちゃん、後ろの方だと変に気負っちゃいそうだから……」

    初美「私までで2勝しておけば気負わずに済むとはいえ……」

    「不安定な状態を長続きさせておきたくないものねぇ」

    「試合直前に無理矢理眠らせるより、リラックスして自然に眠れた状態のまま送り出したいし……」

    「そうなると、先鋒しかないんですよねぇ」

    初美「ルールも、姫様の味方ですし、姫様の修行と思うしかないですよー」

    「そうねぇ」

    「幸い、勝利の基準は『他の全員が倒れ伏し戦闘不能になった状態で勝ち名乗りを上げること』だものね」

    「最初にダウンしても、意識を手放しても、他の人達の乱戦中に起き上がれたら戦線復帰が可能……」

    「二度寝も出来るかもしれないってことですね」

    「ええ」

    「……倒した相手をしばらく起き上がれないよう追い打ちかけれる性格じゃないから、このルールが裏目に出ないとも限らないけどね」

    83 = 32 :


    初美「っとと、そろそろ出番ですねー」

    「前の試合、盛り上がってるみたいねー」

    「データは十曽ちゃん達がとってるし、勝ち上がったら、対策も練らないとね」

    小蒔「はい」

    小蒔「……きっと、皆さん、油断できない相手です」

    小蒔「全身全霊、敬意を持って当たりましょう」

    四人「「「「……はい!」」」」

    84 = 32 :


    【廊下】

    優希「……」

    優希(聞こえてたじぇ、陰口)

    優希(全部、ちゃんと、聞こえちゃってたじぇ)

    優希「……」

    優希(私が言われるのはわかるじょ、小柄だし、きっと無能に見えてるんだ)

    優希(でも……)

    優希(有力なのに出なかったりゅーもんぶちの皆や、長野の皆が馬鹿にされるのは、腹立たしいじぇ……)

    優希(だから――――)

    85 :

    釣糸攻撃とか触手もたいがいおかしいと思うw

    86 = 32 :


    【会場】

    恒子「さぁぁぁぁぁ! お次の試合はァァァァァァッ!」

    恒子「インハイでは大注目、人気の2校が登場だァァァァァァッッッッ!!」

    恒子「会場一番入りは、こちらぁぁぁッ!」

    恒子「麻雀の名門姫松高校から、新進気鋭の2年生、上重漫ッッッ!!」

    恒子「白虎の方角より登場だァァァァァァッ!!」

    恒子「続くは青龍の方角ッッ」

    恒子「麻雀でも格闘技においても無名ッ」

    恒子「しかし少なくとも麻雀では風越龍門渕を破ったダークホースッッッ」

    恒子「賭けるならここッッッ!!」

    恒子「清澄高校片岡優希、マントをなびかせ今、入・場・どぅわああああああああああああッッ!!」

    優希(私が勝って、長野のレベルが低いかどうか、思い知らせてやるじぇ――――ッ!)

    87 = 32 :


    恒子「続くは朱雀の方向より、永水女子神代小蒔の入場ッッッ!!!」

    恒子「凛としながらも胸に宿した熱き炎が少女を不死鳥へと変えるのかァァァァァァッ!?」

    恒子「そして残るはあと一名ッッッ!!」

    恒子「余裕なのか、侮ってるのかッ!」

    恒子「強者の証か愚者の証明かッ!」

    恒子「宮守女子から小瀬川白望、今、玄武の方向より、面倒臭そうに入場だァァァァァァッッ!!!」

    白望「……だる」

    白望「……」

    白望「でも……」

    白望「負けてあげない」 ユラァ

    88 = 32 :


    恒子「それでは先鋒戦ッッッ」

    恒子「ロボロルゥゥ~~~~~……」

    健夜「ロボの要素何ひとつないよ!?」 ガビーン

    恒子「ファイトオオオオオオオオオオ!」

    健夜「そのまま始めちゃうんだ!?」

    恒子「始まったからなー!」

    健夜「バ、バトル開始ですっ」

    89 = 32 :

    さすがに眠たいし、キリがいいので寝ます。

    90 = 40 :



    寂さんワロタ

    91 = 74 :

    おつ。刃牙の無料に触発されたと見た

    92 :


    バキの選手入場好きだったなあ

    93 = 51 :

    ロン(物理)が実践されてしまうのか

    94 :

    姉帯さんのベアクローがいつ決まるのかちょー楽しみだよー

    95 :

    漫画の巨体枠ってかませポジだけど大丈夫なのか

    96 :

    >>95
    オリバくらい引っ張れば大丈夫

    97 = 32 :

    あんま引っ張るネタではないし、ちょこちょこでも投下していきます

    98 = 32 :


    白望「……」

    白望(寂先生が用意してくれた、対戦闘士のデータ……)

    白望(警戒すべk――――)

    パカン

    白望「――――!?」

    「ッ!」

    (末原先輩の言うてた通りや……!)

    (意味の分からん神代も不気味やけど、この場合、一番ヤバイのは――)

    優希「お前ら全員、冥王星までぶっ飛ばしてやるじぇ!」

    (様子見すらせず、手数で押してく清澄のこいつ――――ッ!!)

    99 = 32 :


    優希「誰がヤバいとか、囲まれたらヤバいとか……」

    優希「そんなことは関係ないじぇっ!」

    優希「タコスパワーが尽きる前に、手数で全員ぶっ倒すッ!!」 ガッガッ

    「ぐっ……」

    (今度は私っ……こいつ、節操なくやたら繰り広げてくるッ!)

    (一発一発が的確でもないから堪えられはするけど、こうも数を出されちゃあっ……!)

    恒子「おーーーーっと、ここで清澄片岡選手の……」

    恒子「えーっと、これはなんですかね、小鍛治プロ」

    健夜「知らないよ!?」

    健夜「私格闘技とか別に詳しくないからね!?」

    恒子「なるほど、小鍛治プロは我流デコピンで世界を取れるからそんな技術は必要ないと」

    健夜「言ってないからね!?」

    100 = 32 :


    優希「じぇじぇじぇじぇじぇじぇーーーーーッ!!」

    恒子「おーーーーーっと、激しいラッシュだーー!」

    恒子「何かよく分かんないけどすごいぞーーーーーっ!」

    本部「あれはカポエイラの一種だな……」

    恒子「カポエラー……?」

    本部「平たく言うなら、ダンスを取り入れた格闘技みてぇなもんだ」

    本部「とにかくリズムに乗って連撃を繰り出し、動きを止めねぇ」

    本部「慣れてねえと、反撃のタイミングが掴めないかもな」

    恒子「っていうか、誰」


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