私的良スレ書庫
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元スレ提督「新薬の効果を試してほしい?」
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不知火「馬鹿……!」
誰も居ない部屋で不知火は呟いた
不知火「不知火の……馬鹿!」
不知火「どうして……あんなこと……」
不知火「何で……望んでしまったの」
不知火「いやだ、いやだよ……」
不知火「これで関係が壊れてしまったら……」
不知火「提督に拒絶されたら、不知火はもう生きていけません……」
蹲るようにして泣く不知火
何に対して泣いているのかが、自分でもよく分かっていなかった
拒絶された事が悲しかったから?
関係が壊れるのが怖いから?
信頼していた人に突き放されたから?
どれも当たっていて、どれも間違ってるのかもしれない
ただ、一つ言えるのは
とても、とても悲しかった
不知火(……どうして?)
不知火(……どうして、拒絶するなら、不知火に今まで構ってくれたの?)
不知火(なんで、不知火を助けてくれたの?)
不知火(それとも……あれも全部嘘だったのかな……)
不知火(嫌だよ……嫌……そんなこと)
歯車は噛み合ったように見えた
だけど、それは表面上にしか見えてなかったのかもしれない
少しの事で、また歯車は止まってしまう
大雑把だけど、繊細
ややこしい歯車は、いつきちんとはまるんだろうか
誰にも分からない
神様にも……分からないかもしれない
投下終わりです
意外と長い書き溜めができてました
それではまた書き溜め作ってきます
意外と長い書き溜めができてました
それではまた書き溜め作ってきます
>>257
クゥーン……(子犬先輩)
クゥーン……(子犬先輩)
昔の擦れた雪風ちゃんに飴と鞭を与えたら最強になると思ってました……
ウーン(死亡)
ウーン(死亡)
俺個人としては女王様雪風も好きだけどな。ドMだから
それよりもこの薬がいったい何なのかがまだわからん・・・
惚れ薬にしてはもともと惚れてるっぽい感じだし、感情をむき出しにする薬ってのも雪風見てたら違うしなぁ・・・
それよりもこの薬がいったい何なのかがまだわからん・・・
惚れ薬にしてはもともと惚れてるっぽい感じだし、感情をむき出しにする薬ってのも雪風見てたら違うしなぁ・・・
まあ良くも悪くも生き残り組の壮絶な経験してるなら擦れることもあるかもしれない
毎度不定期な更新で申し訳ありません
少しだけですが、投下していきます
少しだけですが、投下していきます
加賀「探しましたよ、提督」
提督「……」
加賀「……何かあったんですか?」
提督「……いや、なんでもないよ」
加賀「そうですか」
提督「それにしても、不知火も加賀もよくここに居るのが分かったな」
加賀「私の前に、不知火が来ていたんですか?」ピクッ
提督「ああ、不知火が一番乗りだったな」
加賀「なるほど、駆逐艦だけあって、機動力は流石ですね……」
加賀「ですがこの際一番など関係ないのです、勝敗とは、与えられた印象です」
提督(……そうだった、不知火の一件で忘れていたが)
提督(加賀もその為に追いかけてきてくれたのかな)
提督(なんで自分は、あそこで体が動いていたんだ?)
提督(……怖かったのか?、深く関わろうとするのが)
提督(逃げてるのは、自分なのか?)
加賀「提督」
提督「あ、あぁなんだ?」
加賀「……はぁ、なんだかここまでいつもと違うと、不知火に何をされたのかが気になってしまいますね」
提督「い、いや、不知火とは何もしてないぞ、やましいことなんて何も……」
加賀「そこまで聞いていないのに、喋ってしまうんですね」
提督「あ……」
加賀「まあ、そんな正直な所が好きな所でもありますから」
提督「そ、そうか」
提督(こんな直球で感情を伝えられる事が……何故だろう、嬉しさよりも)
提督(やっぱり、怖いんだろうか、自分は)
加賀「提督、提督」
加賀「……そろそろ、頭にきました」
提督「え?」
加賀「私は、提督が好きです」
加賀「皆との交流を嬉しそうに話す提督を見るのも、少々嫉妬しますが、好きです」
加賀「どのようにしている提督も好きです、が」
加賀「……今は、私と提督しか居ないんですから」
加賀「私の話を聞いて、私を見てください」
加賀「そのように、沈んだ顔だけは、私は好きになれません」
提督「あ……」
加賀「悩みがあるなら、話してください」
加賀「私は、提督の部下……いえ、仲間なんですから」
提督「加賀……」
加賀「と、ここまでが感動する仲間との掛け合いとして」
提督「……へ?」
加賀「ほら、行きますよ提督」グイッ
提督「え、ちょ、どこに?って力強っ!!」
加賀「私のお願いを聞いてもらっていません、不知火が一番に来たのなら恐らく提督は不知火のお願いをもう叶えたと考えます」
加賀「その結果あのような事になっていた、何が起こったかは分かりませんが、提督に何かしらの印象を与える事には成功したはずです」
加賀「それを塗り替える為に、加賀の本気を見るのです」
提督「行き先結局言ってない!てか何か違うの混ざってるし!」
加賀「ほら、さっさと歩く」
提督「いだだだだだ!」
加賀「嫉妬するって、言ったでしょ?」ボソッ
提督「え、何?何か言った!?いだだだだ!もうちょっと力緩めて!あああああああ!!」
加賀「何でもありません」
加賀「さあ、到着です」
提督「痛い……痛い……」
加賀「大丈夫ですか、提督」
加賀「あら、少し赤くなっていますね。これは大変です」
加賀「唾を付ければ治ると言いますが……」
提督「大丈夫だから!大丈夫だから話しながら舐めようとするのはやめて!」
加賀「しかし、それでは私の計画が(提督の苦しそうな顔を見るのは耐えられないです)」
提督「本音と建前間違えちゃってるよ!」
加賀「さぁ、どうぞ」ガチャ
提督「……ここは?」
加賀「私の部屋ですよ、正確に言えば私と赤城さんの部屋ですが」
綺麗に整頓された、余計な物が無いシンプルな部屋だった
壁紙も真っ白なもので、清潔感が出ている
二人の性格がよく出ていると思った
提督「……そうか」
加賀「ええ」カチャ
提督「……何で鍵をかけた?」
加賀「邪魔が入ると困りますので」
提督「……あ、自分ちょっと用事思いだしちゃったなー」
加賀「どこに行くんですか?」ガシッ
提督「ま、待て落ち着くんだ加賀、話せば分かるから」
加賀「何ですか?」
提督「その、後ろ手に持ってるの何か見せてくれないか?」
加賀「……」
提督「あ、あの、無言で詰め寄ってくるのは何でなんだ?なあ加賀、加賀さん」
加賀「大丈夫、痛くはしないわ」
提督「や、やめてくれ!拷問だけは、拷問だけはぁ!!」
提督「じ、自分にはまだ使命が……」
加賀「提督」
提督「は、はい!」
加賀「私のお願い……忘れてしまいましたか?」
後ろ手に持っていた物を、提督に見せる
それは、どこにでもあるような耳かき棒だった
提督「……」
提督「はぁあ~……」
加賀「何をそんなに怖がっていたんですか?」
提督「いや、加賀がやけに威圧感を出して迫ってくるからさ……」
加賀「そんなものは出した覚えがありませんね」
加賀「はい、此方に頭を向けて寝転んでください」
加賀が、クッションの上に正座し、提督に手招きする
緊張の糸が切れた提督はフラフラと導かれるように吸い込まれていった
加賀「上手にできるか分かりませんが……精一杯努めさせていただきますね」
提督「う、うん此方こそよろしく頼むよ」
提督(なんか緊張してきたぞ……これはただの耳かきだ……耳かきだ……)
加賀「では、一航戦、加賀、出撃します」
提督「出撃って……」
5分後
加賀「提督、此方はどうですか?」
提督「あっ、そこ……」
加賀「ふふ、顔がウットリとしていますよ?そんなに私のテクがいいのですか?」
提督「あ、あああ、加賀の棒捌き凄いよ……そんな所まで……」
加賀「まだまだ、これからですよ。今度はここです」
提督「そんな!裏までなんて……ふぁぁぁぁあ……」
加賀「あら、こんなに溜まっているじゃないですか提督」
提督「す、すまん……」
加賀「いけない人ですね、これからは私が毎日絞りとってあげますよ」
提督「毎日!?こんな事毎日やられたら、自分は駄目になってしまう……」
加賀「いいんですよ、私の前では駄目な提督になってください」
加賀「それを知るのは、私だけでいいのです。その表情は私だけのものです」
提督「あ……あぁ……もっとしてくれ、加賀……頼む……」
加賀「ええ、提督の望みとあらば……素敵ですよ、その表情」
※耳かきです
21時位に投稿しようと思ってたんですが某ネトゲに時間食われてました(自業自得)
続きぼちぼち投下していきます
続きぼちぼち投下していきます
加賀「まぁ、強いて言うなら」
提督「……ん?」
加賀「こう見えて、少し緊張していたのかもしれません」
提督「……?」
加賀「私……いえ、ここに居る皆が恐れている事、それは何か分かりますか?」
加賀「それは、提督に拒絶される事です」
提督「!」
加賀「だから、私達はどこかで境界線を作っていた」
加賀「ここを超えたら、こんな事を望んだら、関係が壊れてしまうのでは、と」
加賀「おかしい話ですよね、提督本人に何も聞いていないのに、自分達で壁を作ってしまっているのです」
加賀「少し、話を変えます」
加賀「何故、皆はあの薬の研究をしたがっていたのか?」
加賀「それは、もしかしたらあの薬が自分たちの境界線を壊してくれるんじゃないか?と考えたのです」
提督「……」
加賀「薬に頼るのが、弱い事だと思いますか?」
加賀「しかし、提督の事に関しては、どうしても後押ししてくれる何かが欲しかった」
加賀「それほどまでに、提督の存在は大きく、そして簡単には変えがたいものだった」
加賀「だからこそ、あそこまで未知の薬にも、藁にも縋る思いで手を伸ばした」
加賀「ある意味、残酷な競争ですよね。欲しい人は沢山居るのに、数は限られた量しかない」
加賀「こんな事を提督に伝えたら、さぞ悩む事でしょう、ですから言いませんでした」
加賀「でも、私は怖かったのです」
加賀「それは、提督にも境界線というものがあったら、ということ」
加賀「私達がどれだけ近づいても、提督が私達をただの仲間としてか認識できないならば、意味がありませんからね」
加賀「言葉とは、繰り返されるたびに弱まっていくものです」
加賀「だから、私の好きという言葉も、いつしかは心に何も響かなくなったらと考えたら」
加賀「とてもじゃないけど、私にはそれが耐えられなかった」
加賀「ですから、この事実を知って欲しかった」
加賀「私達が、どんな事を心に秘めているか、知って欲しかった」
加賀「……でも、これは自分に対する言い訳かも知れません」
加賀「皆を盾にして、自分の都合のいいように解釈した、そうともとれます」
提督「……」
加賀「申し訳ありません、長々と喋ってしまいましたね」
提督(拒絶……する事)
提督(それを……恐れている)
加賀「……実は私、嘘を一つついているんです」
加賀「それは、不知火が一番乗りだった、ということ」
提督「!」
加賀「見てたんです、提督が日向と話していた時から」
加賀「本当は、日向と話し終わった後私が行くつもりでした」
加賀「そして、この話をしようと、そう心に決めていました」
加賀「ですが、私とした事が、怖気づいてしまった」
加賀「この話をして、何かが変わってしまったら、それが悪い方へ向かってしまったら」
加賀「そうこうしている間に、不知火に先を越されてしまいました」
加賀「まあ自分で言うのもなんですが、私はずるいですから」
加賀「一部始終を見させてもらいました」
加賀「……不知火が走り去っていく所まで」
提督「……」
加賀「私と不知火はライバルです」
加賀「ですが今、私は敵に塩を送っている状態ですね」
加賀「ずるいといっても、フェアにやりたいんですよ」
加賀「それが、一応ポリシーですからね」
加賀「だから……」
提督「加賀」
提督「本当にお前にはいつも助かっている、自分では気づけなかった事を教えてくれるからな」
提督「本当に頼りになる、そして……」
提督「とてもいい、"女"だよ」
加賀「!」
提督「そして、ごめん。先に謝っとく」
提督「自分は、不知火を探してくるよ」
加賀「……ええ」
いつか見たような光景
提督の後ろ姿を見守る加賀
呟く声は、相変わらず届かなくて
加賀「……二度目はないって?」
加賀「私は、ずるいですから、嘘もつきます」
加賀「まぁ、一歩以上は、前進したでしょう」
加賀「そうでしょう?不知火」
提督「どこだ……どこに居るんだ、不知火」
息を切らしながら、部屋から部屋を駆け巡る
まさか、こんな数日で不知火を二度も走って探す事になるなんてな、と自嘲めいた笑いがこぼれそうになる
本当に馬鹿だった、何も分かっていなかった
分かった振りをしていただけだったのだ
そうやって、自分の心を抑えこんでいた
怖かった、彼女はそう言った
それは自分にも備わっていた感情で、彼女も同じ感情を抱いていたのは、知らなかった
皆怖いのだ、関係が脅かされるということは
当たり前の事だったのに、何で自分だけだと思っていたんだろう
それなら、その関係を壊そうとして勇気を振り絞った行為を拒絶された不知火は、想像を絶する痛みを負ったはずだ
提督「はぁ……っ!はぁっ……!」
胸が苦しかった、それは全力疾走をした事による息切れなのか
それとも、胸の中を締め付ける痛みのせいなのか
でも、そんな事はどうでもよかった
自分の痛みなんて、不知火に比べれば微々たるものだから
提督「……はぁ……はぁ、やっと……見つけた」
提督「こんな……ところに居るなんて……不知火は隠れるのがうまいな」
不知火「……っ、て、提督……」
提督「でも、やっと見つけられた……もうかくれんぼは終わりさ」
不知火「……何の用ですか」
部屋の中は電気が付いておらず、窓から差し込む光だけが不知火と提督を照らしていた
暗くてよく見えないが、鼻をすすりあげる音、そして、赤く腫れた瞳だけが分かった
震えた声、しかしそれをなんとかいつもの声色に戻そうと必死になっていた
この状況でも、平静を装うとする不知火を見るのは、これ以上耐えられなかった
提督「不知火」
すっ、と足を踏み寄る
不知火「……ひっ!」
それに怯えたように、飛び退く不知火
最早、平静を保つ事は不可能だった
不知火「こ、来ないで!」
不知火「もう……あんな思いをするなら」
不知火「不知火は、もう、心なんていらない!」
提督「不知火」
呼びかけると同時に、足をまた一歩踏み寄る
彼女また、怖かったのだ
本当に、本当に怖かったんだ
不知火「やめて……やめて!」
不知火「お願いします……もう不知火に近づかないで……」
じりじりとにじみ寄る提督に、それに合わせるように下がる不知火
だがしかし、もう壁はすぐそこに迫っていた
不知火「あ……!」
気づいた時には、不知火にもう後はなかった
提督「不知火」
最後の一歩を、歩み寄る
もう逃げ道はなかった
提督「自分は、馬鹿だからさ」
提督「何度も、自分の知らぬうちにこうやって傷つけてきたんだろう」
提督「でも、頑張って一つ一つ覚えていくから」
提督「だから……まだ愛想を尽かさないでくれ、これは自分の我儘だ」
優しく、不知火を抱きとめていた
その体は震えている、やめて、やめてと
まるで提督の体温を拒絶するかのように震えていた
提督「……一つ分かったことは、お前たちが自分と一緒の感情を持っていた事」
提督「自分も、怖かったんだ、この関係が壊れる事が」
提督「深く踏み込んだら、もう戻れないんじゃないかって、心のどこかで思ってたんだ」
提督「けど、やっと決心がついたよ。お前達と一緒だって事を知れてな」
提督「自分はもう逃げないから、少しずつ変わっていこう」
不知火「てい……とく……」
その言葉を聞いて、不知火の震えは止まった
だが、その瞳には涙が一杯に溜まっていた
不知火「……すいません、また胸をお借りしてもいいでしょうか」
提督「こんなのでよかったら、いくらでも」
その言葉を聞き、不知火の瞳からぼろぼろと大きい雨粒のような涙が流れる
不知火「……っ…うっ……うっ……」
静かに、胸に顔を押し付けるように
声を押し殺して、泣いた
月の光が、二人を照らす
まるで、何かを祝福しているかのように
涙はまだ、止まらなかった
既にゲームセットしているように見えますがまだ続きます
後まだ薬飲んでない子が七人
あっ……(察し)
後まだ薬飲んでない子が七人
あっ……(察し)
やっぱり加賀さんは最高の女。はっきりわかんだね
不知火も報われつつあることだし、他の子たちも頑張ってほしい
不知火も報われつつあることだし、他の子たちも頑張ってほしい
圧倒的ゲームセット感ッ!!だが、だがあと7人の艦娘がいるッ!!
加賀さんの一歩引く具合が最高
ぜひうちの嫁に
加賀さんの一歩引く具合が最高
ぜひうちの嫁に
少し投下していきます
最後にちょっとしたキャラ安価だけ出させていただきます
最後にちょっとしたキャラ安価だけ出させていただきます
提督「少しは落ち着いたか?」
不知火「ええ……ふふ、提督の胸をこんなに短期間に二回借りるとは思いませんでした」
提督「自分だって貸すとは思わなかったさ、それに不知火を二回も探すのもな」
不知火「この数日は、色んな新しい事がありすぎましたね」
提督「少し疲れたか?」
不知火「いいえ、さっきの提督の言葉で疲れなんて吹っ飛びました」
提督「そうか、そりゃよかった」
提督「……不知火、さっきの話の続きを言ってもいいか?」
不知火「続きなんてあったんですか?不知火はてっきりこのまま不知火√かと思ったんですが」
提督「√ってなんだよ……数学か何かか?」
提督「そうだな、これで自分達のお互いの思ってることは分かった訳だ」
提督「だけどな……まあ、何というか……」
提督「まだ不知火が好きか、とかそういうのはよく分からないんだ」
提督「だから、それも含めてこれから少しずつもっとお互いを知れればな、って事なんだが」
不知火「……ふふ、罪な人ですね。私達でハーレムでも作るつもりですか?」
提督「いや、そんな事はない」
提督「自分の気持ちがはっきり分かったら、すっぱり決断させてもらうさ」
提督「例え、それが誰かを傷つけたとしても……それは自分のケジメだ」
不知火「……冗談ですよ、提督がそんな人じゃないってのはずっと昔から知ってます」
提督「ん、何だからかってたのか?」
不知火「可愛い戯れじゃないですか」
提督「自分で言うな」
不知火「あら、いいツッコミですね」
提督「ここ数日で鍛えあげられたからな」
提督「さて、そろそろ部屋に……」
ぐぅ~
提督「……」
不知火「……」
提督「ん?何の音だ?」スットボケ
不知火「~~っ!!」カァァ
提督「さーて、不知火。今日の夕食は何にしようか?」ニヤニヤ
不知火「な、鳴ってないです!不知火のお腹の音なんかじゃないです!」
提督「不知火、自分でお腹の音って言ってるぞ、自分はお腹の音とまでは言ってないしなぁ」ニヤニヤ
不知火「~~っ!!!!」
不知火「……」キッ
提督「おお、こわいこわい、睨むなって」
提督「ほら、食べに行こう」スッ
不知火の前に、手を差し伸べる
不知火「……あ」
不知火「……ええ、行きましょうか」
不知火は、少し恥ずかしそうに、それでも、しっかりと手を握った
その綺麗で華奢な手を、提督もしっかりと握り返した
それは、何かの決意かのように
不知火(……手を繋ぐだけでも、不知火は幸せです)
不知火(何故でしょう、決断を下せないと言われた時に少しがっかりもしましたが)
不知火(それ以上に、もう少しだけこの曖昧な時間を楽しみたいと思ったのは)
不知火(……いつか来る日までに、強くならなきゃですね)
不知火(でも、きっと大丈夫です、だって提督は言ってくれたから)
不知火(自分も、私達と一緒だって)
不知火(その言葉だけで、不知火は一杯勇気を貰えましたから)
提督「今日は何食べるかなぁ……」
不知火「また、冒険しませんか?正直マムシのフルコースは見ててキツかったですが」
提督「でもあれ、意外と美味しくなかった?料理は見かけによらずって奴だよ」
不知火「なら、今日は虫でも食べましょうか」
提督「……それは無理ぃ!」
不知火「ふふ、冗談ですよ(棒)」
提督「目が笑ってないけど!?」
不知火「やだなぁ、不知火がまさかちょっとからかわれた程度で心がぐつぐつ煮えたぎってるとかそんな事はないですよ?」
提督「だから目が笑ってないけど!?」
廊下を仲睦まじく手を繋いで歩く二人は……親子?それとも?
意外と、人と人の関係ってのは、分からないものである
雪風「はぁ……全然見つからない……」トボトボ
雪風「提督はまだこの世に存在してるんでしょうね……まぁあの二人に何かされてたら消しますけど」
提督「……おい、人を勝手に殺すなよ」
雪風「あら、提督。自分から来てくれるなんて感心しました」
雪風「……おや?不知火さん、居たんですか」
不知火「ええ、ご機嫌よう雪風」
そこで、提督と不知火が手を握っているのに気づいた
雪風「……ずいぶんと仲がいいことで?」ニコニコ
不知火「ええ、不知火と提督はずいぶんと仲がいいんですよ、知りませんでしたか?」ニコニコ
雪風「ええ、知りませんでした私、まさか不知火さんとなんてねぇ」ニコニコ
不知火「ま、知らなくても無理はないですね。不知火達に付け入るスキなんてありませんから」ニコニコ
提督(……笑ってない、二人とも笑ってるように見えるけど、目がマジだ!)
提督(ど、どうすればいいんだ?くそっ、大事な選択肢の前にはセーブさせろって言ったじゃないか!)←錯乱中
提督(ここで取ればいい判断は……考えろ……考えろ……)
提督(……!なんだ、答えは一つしかないじゃないか!)
提督「あ、あーゴホン」
提督「ゆ、雪風」
雪風「あら、なんでしょう提督。私少々気が立っておりますので、言動には少々注意をお願いしますね」ニコニコ
提督(こ、怖い……が!)
提督「こっちの手、空いてるぞ」ヒラヒラ
雪風「……は?」
不知火「……え?」
呆気にとられた雪風と、これまた同じく呆気にとられた不知火
皮肉な事に、いがみあっていた二人の表情はシンクロした
提督「や、飯これから食いに行こうと思ってたんだけどさ、よかったら雪風もどうだ?」
提督「今日は寒いから、食堂に行くまでに手が冷えるとあれだし、手を繋げば暖かいぞ!」ニコッ
精一杯の今できる笑顔だった
雪風「……はぁ」
雪風「……それじゃ、お言葉に甘えて」
提督「お、おうそうこなくっちゃな」
雪風「どうします、不知火さん。まだやりますか?」
不知火「……ふっかけてきたのはそっちですが、まあもうそんな気はどっかに行ってしまいましたよ」
雪風「ま、それもそうですね。じゃあ食堂までしっかりエスコートお願いしますね?」
すっと手を前に出す
その小さくて真っ白な手を空いた手で、しっかり握った
提督「……」
雪風「……?どうしました?」
提督「いや……雪風の手、冷たいなって」
雪風「手が冷たい人は、心が温かいって言うじゃないですか?」
提督「どの口g……何でもないです」
雪風「惜しかったですね、今最後まで言ってたら提督のポイントが-に到達してたんですが」
提督「……-になったらどうなるかとかは、聞かないでおくよ」
雪風「賢明な判断だと思いますよ。なに、死ぬような事はしませんし安心してください」
提督「何も安心できないけど!?」
不知火「不知火のポイントが-になっても大丈夫ですよ、ただ-になると+に戻るまで一生離れず行動するようになるだけですから」
提督「それも怖いけど!?」
不知火「冗談です、+でも一生離れず行動しますから」
提督「冗談と言って欲しかった言葉はそれじゃねえ!!」
和気藹々……かどうかはちょっと不明だが
愉快な仲間を一人増やして、食堂へまた向かうのであった
提督(雪風の手……あの冷え方は、多分)
提督(自惚れでなければ、ずっと自分を探してたんだろう。平静を装っているが、必ず疲労は溜まってるはずだ)
提督(……やっぱりもう逃げるのはやめよう。もう昔の自分とは決別しなければな)
提督(誰かを傷つける判断になっても、後悔しない為に)
雪風「-ポイント……電気ショック……記憶改竄……」ブツブツ
提督(……やっぱり逃げた方がいいかもしれない)
提督の決断は、意外と簡単に揺らぎそうになった
まだまだ彼の人生は前途多難らしい
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