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    元スレ妹「……」兄「なんすか?」

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    51 = 49 :

    「……」カチャカチャ

    (妹にすっごいジト目で見られて罪悪感がいっぱいでたまらなくなりました)

    「……♪」

    (なぜ俺は朝っぱらから妹と共同作業でサンドイッチを作っているのだろう……)

    「……ぁ、兄……」

    「ほいほーい、なんすかー?」ザクザク

    「……切るの、へた…です」

    「……うっせー」

    「……ここをね、こうやって、潰さないように」スッ スッ

    (さらにサンドイッチすら作れないという俺の生活力の一部が露呈してしまった……死にてー)

    「……いっしょに……朝ご飯……♪」

    (くっ……どうせ俺は野菜炒めと簡易なみそ汁しか作れないしがない男だよ)

    「……あ、今の……上手…です」

    (しかし妹に褒められるとそれとなくうれしい自分がいる……ちくしょー)

    52 :

    妹も兄もかわいい

    53 :

    (とまぁ、完成したわけなんですが)

    「………」デローン

    「………」キラキラキラ

    (食材を挟むだけなのにどうしてここまで差がでるのか俺には理解できない……)

    「ふん、飯なんざ綺麗に作れなくても問題ねーよ」

    「……」クス

    「ほら、いただきますしてさっさと食おうぜー、コイツ見てると俺が惨めな気持ちになってくる」デローン

    「……」コク

    「はい合掌」パチ

    「……」テチ

    「いただきまーす」

    「…いただき、ます」

    「…あ……兄……私、兄が作った方食べたい…です」

    「んん?」

    「こんな見た目の方食いてーだなんて、おかしいだろ、やめとけやめとけ」

    「……」ジワ

    「あーあー言い方が強すぎたな、悪い」ナデナデ

    「……ズ」

    「……兄が作った、お料理……あったかい、から」

    「……交換……ダメ、ですか?」

    「……っへー、持ってけ持ってけ。俺は妹の作った綺麗で美味そうな方もらうかんな」ヒョイ

    「……ありがと、ございます……」

    「やめろやめろ、堅っくるしい。こういう時は『ありがとーお兄ちゃん!』とでも言っときゃいいんだよ」

    「……ぁ…」

    「ありがと……」

    (き、きた、きました、きましたよ妹のありがと、あと一息!)

    「兄」

    「……うん」

    (ちくしょ)

    54 :

    いいよー

    55 :

    面白い

    56 :

    いいね

    57 :

    かわいい

    58 = 49 :

    (…に、にしても……)モグモグ

    (普段小食な俺からしたら菓子+朝食のコンボはキツい……)

    「……」モグモグ

    (そりゃあせっかく作ってくれたもんだからな、食わなきゃあ失礼だ……し、しかし…後一切れに手が出ない……!)プルプル

    「……」モグモグ

    (……こ、この際こっそり残して……)チラ

    「………?」コクビカシゲ

    (無理!無理無理無理!!!つか絶対『私の…おいしくなかった…?』とか涙目で攻めてくること間違いなしだ!)ニ…ニコ

    「?……」モグモグ

    (こういう時ってなんてことわざがあったっけなー、虎穴にはいらずんば?背水?毒を食わらば?知るかクソ)

    「……」コクン フゥ

    (食ーっえ食ーっえ食ーっえ!)プルプル

    「……ごちそう、さまでした…」

    「………」

    「……兄…」

    「ん、んー?」

    (まさか俺が食えないという事を勘づかせてしまったのか?これは大きな失態だぞコラ、謝る準備態勢入っとかんかいダボがぁ!俺!)

    「……サンドイッチ、美味しかった……です」ニコ

    「……」ガツガツガツ

    (ウーップ…)モグ……モグ…

    「おう、妹のサンドイッチもサイコーだった。いっそのこと嫁にしたいくらいの抜群なセンス。間違いない、もーこれは独走。他の馬なんて目じゃないぐらいに独走」プルプル

    (広がれ!俺の胃袋!妹の愛情たっぷりサンドイッチ受け止められるぐらいわけないでしょーが)

    「……ぅ、うん……」

    (………よ、嫁……)

    (ぐぅおおおおおおおお…胃袋!1メーターぐらい広がらんかい!)

    「………」

    (脳内で呼吸を整えろ1、2、1、2それッ1、2、1、2……)グフ

    「………にへへ」

    「」

    (あ、なんか胃袋広がった気がする)

    59 :

    きゃわたん

    60 :

    和んだ

    61 :

    癒されるSSやな

    62 = 49 :

    「さて……飯も食った事ですし、昨日言ってたように楽しい事、というものを教えてやろうじゃあないか」

    「……」ダボダボ

    「と、忘れてた。着替えがねー事にはどこにもいけねーじゃねえか」

    (不純な輩に妹の生肌アーンドダボダボプリティキューット!な姿なんて見せてたまっかよ)

    「……着替え、なら……あります…一応、少しだけ……持ってきたので」

    「え?そうなの?いやーてっきり手荷物無しで来たのかと思ったわ」

    「んじゃーよ、俺もチョローッと着替えてくるからよ、妹も着替えちまいなー」

    「……」コク

    (ふふふ、さすがに着替えシーンなんて、見ないし、そんな着替える所なんて、想像したりしないんだぜ…しません)

    「んじゃ、準備できたらまた呼んでくれよな、俺となりの部屋にいっからよー」

    「……」コク

    (煩悩?伊達ににににににににににに)プルプル

    カチャ パタン

    (………着替えよう…)

    _________


    「洒落っ気もねー凡人っすからねー」ヌギヌギ

    「……ジーパンにシャツにジャケット……」

    (カッコいい兄ちゃんなんてほど遠いなー)ス ス

    (んま、別にー、一人暮らし楽しいし、独り身が着飾っても寂しいだけさ)

    (……それに別に彼女なんて作らなくても華がありますからねー)

    コンコン

    『……ぁ、兄……?』

    「ん、おお、着替え終わったかー?」

    『…終わり、ました』

    「オッケーオッケー」

    カチャ

    「………」ソワソワ

    (短めのパンツ、ぴったり妹の脚のシルエットを映し出すニーソ、パーカー、艶やかな黒髪、整って綺麗ながらも可愛らしい顔、守ってやりたくなる小動物のような弱々しさ……)

    (ふふ……神様、合格だよ……神様、合格ですよ。神様!合格ですよ!!!)

    (……へ、変じゃないかな……)

    「ん、似合ってる似合ってる、可愛いぜーこのやろー」ナデナデ

    「……ん…」

    (かつてここまで平静を保てる男が世界にいただろうか、と問いたい)

    (…似合ってる……)

    「んじゃー、行きますか、バッチリエスコートしやすぜーお嬢さん」

    「……」コク

    64 = 63 :

    ___________

    ________

    ___

    「と、いうことでやって参りました、ちょっとした街中」

    「……」キョロキョロ

    (人……いっぱい…… )

    (……こういう所、来たことねーんだろうな。年齢と、以前の生活のこと考えたら当然っちゃ当然か)

    「ほい、お嬢さん手ーつなぎましょー」サシノベ

    「……手……?」

    「そっそー、兄ちゃんな、寂しがりやっすからねー」ワクワク

    (兄大作戦その1、あざとい態度で妹ちゃんと手を繋ぐの巻~)

    (これで拒否られたら心的ダメージでしばらく立ち直れそうにないわ)

    「……」

    「……」

    「……」

    「……」

    (まさかの無言での拒否!)

    (…ぁ…兄と手をつなぐの、変に思われないかな……そ、そこまで子供じゃ、ないし)

    (……でも……はぐれたら嫌だな……)

    (こ……これはある意味[ピーーー]るかもしれん……ちょっと仲良くなったと思ったらそうでもなかった。これはまさに……思わせぶりな態度で『勘違いすんなよバッカじゃねえの?』って女性のよくある攻撃……)

    「……べ、別に繋ぎたくなかったら繋がなくてもいいんだからねっ。なーんてな、はっはっは」

    (空元気ぃ……ゴフ……)

    「……」キュ

    「んん?」

    「……べ、別に繋ぎたく…ないわけじゃ、ないんだからね…っ?」

    (……なんか恥ずかしくて、繋げないけど、服の裾持つぐらいなら……変に思われないよね……)

    (そ……それと、ちょっぴり…兄の、真似………なーんてな…)

    (……なんだか一気に晴れやかな気持ちとハイテンションのせいか口元がちょっと緩む。え?何?俺の真似したのこの子)

    「へ、へへ……」

    (あかん、口元ゆるゆるだわ……)ニヨニヨ

    65 :

    癒される

    66 :

    敬語とタメ口が入り混ざって

    67 :

    ぐわああああああ

    誰か僕に愛を分けてくださいぃぃぃぃ………

    68 :

    これ兄って呼んでるのは名前ってことでおk?

    69 :

    あ~癒されるんじゃあ~

    70 = 63 :

    >>68
    おkですよー

    71 = 63 :

    「んじゃーよー、まずはゲームセンターでも行きますかー」

    「…ゲームセンター……」

    「……ま、行けばわかるさ。ほれ、はぐれないように気をつけろよー。人がいっぱいいるから流されちまうぞー」

    「…はい」ギュ

    「オーケーオーケー、まずはこっちな」テクテクテク

    (終止俺が気をつけていれば妹が人ごみに流されることもはぐれる事もないかんな……しっかりしねーと)

    「……」トテトテトテ

    (にしてもやっぱりちっちぇーなー、妹。すっげーのんびり歩いてるつもりなんだけど、随分と歩数が多い……)

    (時々早くなると裾が引っ張られるから分かるんだよなー……)

    「んでー、次はこっちに曲がりまーす」

    「……」キョロキョロ

    「で、ここを曲がってまっすぐ行きますと……ジャーン、ゲームセンターに到着でーす」

    「……」ジー

    (ゲームセンター……)

    「ま、入ろーぜー、チョローッと色んなゲームが楽しめる場所でよ、遊びとか時間潰しとかにもってこいなんだぜー」

    (ま、ただしお年頃が一人で入店するってことは=寂しいヤツ、だから気をつけた方がいいんだよなー)

    ウィーン オオオオオオオオオオオオ

    「……」シカメツラ

    (……うるさい)

    「あー、うるさいのがたまにキズ、かな……お、クレーンゲームがあるな。どうだー妹ー、中に可愛い何かあるかー?」


    「……」トテトテトテ

    「……」ジー


    「んー?ほうほう、コイツか。俺も好きだぜー、この哀愁漂うたれ眉、つぶらな瞳」

    「……しょんぼり、可愛い、と……思います」

    「へへ、今から俺がコイツを妹にプレゼントしようじゃあないか」

    「……買うん…ですか?それは……ちょっと……悪いです」

    「ちげーよ、コイツをうまい具合にクレーンで掴んでだな……穴んとこに落とせばゲーットできるって話よー」

    「……」ジー

    「待ってなー、今俺が取ってやっからよー」

    (兄大作戦その2!スマートに人形を取って妹に『キャー、お兄ちゃん大好き!』って言われるの巻~)

    (へへ、ズバ抜けた空間把握能力(自称)を持つ俺の力をなめんなよ)フフフ

    (……兄、何かおかしな事考えてそう……なんて言うか……締まりがない?)

    「……」ジー

    「なんすか?」

    「…い、いえ……」

    72 :

    きゃわたん

    73 = 63 :

    (っかぁぁぁああああああああああああ!!!) ビヨビヨビヨビヨビヨ デューン

    (アーム!アームおかしいよコイツ!いやいやいや、負け惜しみとかじゃあなくてさ!もう撫でるってレベルじゃあないぐらい柔らかなタッチだよ!!)

    「……ぁ、兄…大丈夫……ですか?」

    「……お、おう…大丈夫だ、問題ない……」

    「……あと……一回、残ってますよ?」

    「あー、そうだなー。妹、一回やってみ?やり方は見てたから分かるだろ?」

    「……」コク

    (……あー、クソ…ちょっとばかし妹には良い所ってもんを見せたかったんだけどなー……)

    「……」ポチ デオデオデオ デオデオ

    (なんかなー……ちょっと気に入ってるみたいだからなんとかしてやりたかったな)チラ

    「……ぁ…」ビヨビヨビヨビヨビヨ デューン カタン

    「」


    __________


    「……♪」キュ

    (なんつーかなー、なんて言ったらいいのかなー!)テークテーク

    (ことごとく行動が裏目に出るってのは……こんな惨めな気持ちになるもんなんだなー)ズーン

    「……」

    「……」クイクイ

    「んー?またなんか良さげなもんでもあったかー?」

    「……」スッ

    「……どうしたんすか、自分の戦利品を見せつけて。可愛い顔してなかなかのドSガールだなおい」

    「……」フルフルフル

    「…こういう…楽しくて、うれしいこと……教えてくれた……」

    「……兄…優しくて、カッコいいです……よ?」

    「……馬鹿ヤロー、んなこと兄ちゃんが一番分かってらー。なんたって妹の兄ちゃんだぞコラ」プイ

    (……悔し…けどやっぱ嬉しい)

    「……」クス

    「……」キュ

    「!」

    「次の場所……お願い、します…ね?」

    「…分かってるよ、次も妹がバッチリ楽しめる所だし……離すんじゃねーぞ、置いてっちまうからな?」

    「……」コク

    (……兄の手……ちょっと固くて、大きくて……やっぱりあったかい、な)

    (ん……んん……まぁ、これはこれで…良かったのかもしれん…)

    74 :

    いい兄妹やね

    支援

    76 :

    超和みます

    77 :

    妹欲しくなってきた

    78 :

    これが生き甲斐

    79 :

    破壊力やばいな

    80 :

    「次はここかなー」

    「……服屋さん…」

    「そっそー、やっぱり女の子ってヤツは何かとオシャレしたいもんだろ。まーしかし、俺は男だし詳しい事までは知らねーからなー……見た所妹はカジュアルっていうかそういう系統だよなー」

    「今着てるパーカーも可愛いしなー。、そーだ妹、お前スカートとか持ってる?」

    「……」フルフル

    「んじゃスカートとかにも挑戦してみたらどうっすかねー」

    「……」コク

    (……女物の服屋の独特な雰囲気……正直苦手だ…)

    「……兄は…… スカートとか……好き、なんですか?」

    「……なんか誤解を生みかねん質問だが、まぁ、嫌いではない、かな。妹が似合うなら俺はそれでいい。ただ似合わない服はやめとけ」

    「……似合わない、服ですか……?」

    「そそ、ほれ、ああいうヤツとか」ユビサシ

    異様に禍々しい服「」キシャアアアアアアアアアアアア

    「…………あれは……嫌です」

    「……ああいうの、買うヤツいるんだな」

    (……買う人、いるんだ…)

    「…ま、まぁ妹のセンスだったら道を踏み間違える事もないだろう」

    「適当に選んできていいぞー。んで、決まったらここまで持ってきな」

    「………」

    「ん?どうしたよ?」

    「……あ、の…一人では……ちょっと、心配…です」

    「………マジか」

    「……」コク

    「あんまし、女物の所は入りたくなかったんだけどな……まー今日は妹のために、って決めてたことだし、付き合いますよ」

    (視線が痛いんだよな……比喩とかじゃあなくて、マジに)

    「……ありがと……」

    「いーさいーさ、なんなら俺が着てやって決めてやってもいいかんな、モデルもぶったまげるセクシーポーズで悩殺してやんよ」

    「……」クス

    「……」キュ

    「離れちゃ………や…ですからね」

    「へーへー、分かってますよ」

    「…………にへへ……」

    「…じゃあ…まず……このパーカーとか、どうですかね?」

    「デザインは良いけど配色が気に入らないので却下します」

    「……ひどい……。けど……言われてみれば、変ですね…」

    「逆にこれだろ、これなら完……」

    「」キシャアアアアアアアアアアア

    「」

    81 :

    小出しにすんなよお前はディアゴスティーニか
    ある程度書き溜めてから投下しろ下さい

    82 :

    >>81
    ちょっとワロタ

    83 :

    別に小出しでもいいじゃないか!
    多分

    キシァァァァァァってどんな服だ…

    >>22
    要するに妹がいたか、お腹の中に赤ん坊がいたってことじゃねぇーの?

    84 :

    お前子供の相手したことないのかよ
    男の子には僕って言うだろ?それと同じ

    85 :

    >>83
    おばちゃんとかが着そうなトラの顔が描かれたやつじゃね

    86 = 80 :

    (結局、何度か謎のセンスの服に遭遇しながらも、妹とちょっと話し合いながらこれなら似合うだろうという服を何着か決定しました)

    (……で、今妹が試着中だから試着室の外で待機中なんだが……)

    チラ チラリ ヒソ

    (案の定痛い視線の的です)

    (そりゃあ、女物の店に色気もクソもねー男が立ってるんだもの、おかしな目で見られるのは致し方ない事でしょう)

    (そっちもそっちで気になるんだが……何より妹の試着室から聞こえる音が俺の頭の中を攻撃してやまない)

    カチャリ

    「……兄……どう、ですか?」

    「んー?おお、やっぱり清楚にワンピース系の服ってのもいいなー。可愛らしさよりもなんつーか、淑やかで綺麗な感じが妹の姿を上手く際立たせてるっていうのかねー」

    「……に、似合って…ます、か?」

    「そうだな、一言で言っちまうと似合ってる、だな」

    (ちょっと回りくどいけど……ちゃんと見てくれてる…から、嬉しい、な)

    「んで、今ので試着は最後か」

    「……」コク

    「んじゃ待ってるからよ、また着替え終わったら出てきな」

    「……」コク

    カチャリ

    「…ふー………」

    (あのワンピースをじわりじわりとたくし上げながら『兄、ちゃんと…見ててね…』とか言われたら俺もうくたばってもいいかもしれん)

    (結局俺が終止視線を奪われてたのはあのけしからん美しい脚ですよ)

    (……そしてなんで、あんなに歳不相応な色気が出てんだコラ、反則だろうが)

    (喋り方とか、行動とかはああ、まだ子供なんだな、と感じるけどよー……)

    (目線、よ。時折見せるあの何とも言えん視線にどうしてもドキリとする)

    (しっかりしてるからかねー……年上っぽいオーラを習得しつつあるな。あれは有望株です)

    (……彼氏とか連れてきたらハードディスクが損壊するまでソイツボッコボコにしそう……)

    (断じて、ロリコンではない。しかしこの短期間でシスコンに目覚めそうではある)

    カチャリ

    「……終わり、ました…」

    「お、おー、終わったか。んじゃ会計しに行きますかー」

    「……」コク

    「すいませーん、これだけお願いしまーす」ドサ

    店員「ありがとうございまーす、少々お待ちくださーい」ゴソゴソ ピ ピ

    「……」

    (ん、あれ?目がおかしくなったのかな…今すっげー勢いで値段がグン、と上がったように見えた気が……)

    店員「四てーん、五てーん」ピ ピ

    (…………服って、高いんですね)ピクピク

    店員「お会計47,8,80円になりまーす」

    (俺の感覚がおかしいんだよな、まだこれって安い方なんだもんな、うん)

    87 = 80 :

    (独身でよかった……金は一応貯まる一方だったからな、久々に出費したって感じだぜー)ガサガサ

    「つーぎーはーどーこーへーいーこーうーかーなー、っと……お、クレープ屋があんじゃねーか、どーだ妹、クレープ食った事あるか?」

    「……」フルフル

    「んじゃ初めてのクレープだな。ホイップクリームがたっぷりで中にフルーツとか入ってるとこれがまた瑞々しくてうめーんだなーこれが。どうだ?食ってみるか?」

    「……食べて、みます」

    「ん、りょーかーい」テクテクテク

    「すいませーん、クレープ一つくださーい」480エンッス…チョウドッスネー アリガトウゴザーシター

    (……?一つ?兄、食べないのかな……)

    「……よしっと、ほらよ、これがクレープだ」

    「…ぁ、ありがと……」

    「ふっふっふ、一度食べたら病みつきになること間違い無し!だぜー、少しの間は」

    「……兄……は、食べないんです、か?」

    「んー、まぁいいからよ、そこのベンチにでも座って食おうぜー」

    「?……」コク

    「……ふい~」ドサ

    「……」チョコン

    「ほーれ、パクっと一口食ってみ?」

    「……あむ」

    「……どうっすか?」

    「……美味しい…です」モグモグ

    「だろー!もうこの溢れ出んばかりのクリームがどれだけ俺の事を魅了した事か……」

    「……」ムグムグ

    (ほんとに……美味しい……結構、好き)

    (しかしな、妹よ……確かに美味いんだが、クリームのボリュームに飽きが来てしまうっていう恐ろしい食い物なんだぜ、それ)

    「……」モグモグ

    (……あ、イチゴだ)

    (んっん~、やっぱり小動物のように黙々と食べてる可愛らしさってのはたまんねーなー)

    「………」モグ……

    (……どうしよ…おなか、いっぱいになっちゃった……)

    (……せ、せっかく、兄が…買ってくれたのに……)

    「……」

    「へへ、どうだー妹ー美味いけど一人じゃ食べきれねーだろ?」

    「……」コク

    「…ごめん、なさい…」ジワ

    「おいおいおい、何もいじめるためにクレープ食わしたんじゃねーって。俺だって一人でソイツ食おうと思ったら結構キツいんだぜー」

    「だから、半分こで十分足りるから一つしか頼まなかったんすよー」

    「……ほんと、ですか?」グス

    「本当だって、んじゃ、いっただっきまーす」モグモグ

    (……こういうことでも、兄…いろいろ……考えてるんだ……)ジー

    (……ぅぅ…私、こんな事で…また、泣いちゃった……なんか…悔しい…な)グシグシ

    88 :

    いいねえ

    89 :

    ほっこり

    90 :

    いつの間に妹にベタ惚れなってんだよ

    91 :

    素晴らしい

    92 :

    ナイス

    93 :

    「ふー、やっぱり腹一杯になるもんだなー」

    「……」

    「…」ブル

    (いかん、尿意が……近くにトイレは……おお、ちょうど良くあるじゃあねーか)

    「妹ー、ちょーっとここで待っててくんねーか?トイレ行ってくるわー」

    「……」コク

    「よしよし、んじゃパパッとすましてくるからよ」タタタタ



    __________


    (ふんふんふーん♪っと)ブルブル

    (うっし、戻りますかなー、あんまり待たすと悪いっすからね)ジャー ゴシゴシ

    「……」テクテクテク

    (……れ?…妹いね……?……)

    「……」ゾク

    (こ、こいつぁーまずい……!妹とはぐれちまった!)

    (あ、あのバカ、待ってろっていったのによー……)

    (こうしちゃらんねー、すぐに探さねーと!)バタバタ

    94 :

    「っぜ……っぜ……コヒュっ………はっ、はっ、はっ…ゴホ……」

    (走るなんて……ここ数年全くしてねーから…すげーしんどい……)ゼーッゼーッ

    (く、くそ、クソ!クソ!クソ!!!!)

    (とりあえず結局周囲一帯を走り回って、元の場所に戻ってきたものの、全くと言っていい程妹の姿なんて見たらねー……)

    (……と、なると……最悪の事態ってのを考えなきゃあならねーかもな……)

    (周りの通行人が全部悪人に見える……脳みその腐ってるクズ野郎のようにしか見えない……)

    (このあからさまに頭の悪そうなDQNか?歩き煙草しながら大声ではしゃいでる不良か?それとも一見まともそうなオッサンか?)

    (くそ、くそ……駄目だ…分からねー……)

    (ああ、もう……肺がいてー、咳も止まらねー。この気温ならあまりかかないはずの汗もじんわりしみ出してる)

    (……あぁ、もしかしたら、妹なんて、いなかったのかも……な。最初から)

    (疲れきった、俺の妄想で、ブツブツ呟きながら、買い物でもしてたんじゃあねーのか?)

    「……」

    「……」ガサ

    「……クソ……そんなんだったら、どれだけいいことか……」

    (ああ、もう、疲れた……考えるのも、嫌だ……)

    (アイツが、目の前で変な輩に絡まれてたら、俺が貧弱だとか、そんな事も関係無しに飛び込める自信があった……)

    (でもよー……いないんじゃあ、目が届かない所にいるんじゃあ…助ける事もできねーじゃあねーか……)トボトボトボ ドサ

    (……こんな時、ベンチに座って絶望してるだけの兄って、世の中にはどれだけいるんだろうな)

    (俺が、うかつに、トイレなんて、妹置いていかなけりゃあ……)チラ



    「……」トテトテトテ



    「…………」

    (ト……トイレ………)

    「……お待たせ、しました……私も…ちょっと……その……ト、トイレに……」カァ

    「………」ジワ

    「……?……』

    「……っく、へ、へへ……あ、あんまりおせーから、寂しくなっちまったじゃねーかバーカ」ズズ

    「……??…」

    「……マジで、よかった、なんだ……そんな事だったか……ははは」

    「……どうか…されました、か?」

    「なんにもねーよバーカ、くそガキ、俺を誰だと思ってやがんだ」グスグス ギュー

    「…く、くるしい…です…ちょ、ちょ……」

    「っぐ、グス、ぢぐじょー、妹の泣き虫が写ったぞ、ズズ、ちくしょー」

    「………」

    「……」ナデナデ

    「やめろー、恥ずかしい、撫でてんじゃあねーぞコラ、クソ、マジでどっか行っちまったかと思って心配したじゃねーかタコ」ズルズル

    「……」ナデナデ

    (……今度は…兄が心配しないように、気をつけよ……)クルシイ

    95 :

    どっちもかわいい

    96 :

    これは妹だけでなく兄の可愛らしさを愛でるスレ

    97 :

    (結局、俺の勝手な心配をよそに無事ひょっこり姿を現した妹)

    (あまりの安心感と脱力感に思わず声が震えていた事はあえて触れないでいて欲しい事だ)

    (24にもなって13も下の妹になだめられる姿はさぞ滑稽だったろうね……恥ずかしい)

    (あれだけ腑抜けた俺の姿を見た妹は、俺への警戒心をすっきりなくしたかのようによそよそしい感じが抜けたように感じる)

    (ただ、口数が少ないのは元々のようで、喋る回数が増えた、というわけじゃあない。だけども明らかな壁……らしき物は取り払えたような気がする)

    (家に帰ってからも、妙に緊張したような雰囲気はなくなっていて、俺が妹に無理に気を遣う必要がなくなった)

    (…色々と失敗したように思えたけど、なんだかんだ、妹と仲良くなろうっていう考えは上手い方向へ転がったみたいだ)

    「……兄」

    「んー?」

    「今日は……ありがと」

    「んー」

    「……すごく、楽しかった…です」

    「おう」

    「……また…連れていって…くれ、ますよね?」

    「あたりめーだろ、妹がどこか行きてーってのなら、俺はどこへでも連れて行ってやんよ」

    「……」クス

    「………」チョコン キュ

    「………」

    (なぜ俺の隣に座って俺の手を握るのだ、妹よ……そしてなぜ俺の心臓も少しドキドキしているんですか…)

    「………」

    「……」

    「…兄……」

    「んー?」

    「……………」

    「……呼んでみただけ…だったり…」

    「…そっか」

    「……」

    「…なんか、こういう落ち着いた感じ、いいよなー」

    「……」コク

    (……なんだ、何もしないでグダグダしてるだけなのに結構心地良い…)

    「……」コテン

    (兄の腕……ガッチリはしてない、けど…安心する……あったかい……)

    (すいません、ダイレクトに体温が感じ取れすぎてしまうのでもたれかかるのはやめてください……それといつの間に繋いだ手を恋人繋ぎみたいに変えてやがんだこのマセガキ)

    (……手……ちっちぇーな……)チラ

    「………」

    (はぁーあ、よくやってるよ……鋼鉄の理性。……ま、実際はヘタレなだけなんすけどね……。でもー?ホイホイぐらつくような理性だったら、俺、こんな人間ではないですしー)

    (飛ばない鳥は基本撃たれねーっつーもんなんだぜー)

    (………兄……)

    (……こういう行動するってことは……俺の自意識過剰であって欲しくもあるんだが……やっぱりそういうこと、だよな……。……ここはやっぱり、兄らしく鈍感でちょっと抜けてて、気づかないドあほ、でいた方がいいもんだと、俺は思う。ガキの想いなんて初めは勘違いっつーもんだ、色々と、理解できる時まで触れないでおくのが賢明、っすかねー……)

    98 :

    ぐふぉ…癒される

    99 :

    兄がかわいい

    100 :

    続きはよ!
    お願いしますかいてくれさい!!


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