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    元スレ美穂子「京太郎くん!」京太郎「……美穂子姉」

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    みんなの評価 : ★★
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    151 = 133 :

    「お待たせ」

    2人が待っていた所に、店主とリードで繋がれたわんこがハッハッと元気が良さそうに息巻いていた。

    「元気そうですね。ふふっ」
    「ご覧の通りお転婆な子でね、あまり刺激を与えるとすぐすっ飛んでっちゃうから気をつけてね」
    「例えば、クッキーを持ってたりですか?」
    「そうそうそういう食い気には特に――ってちょっとぉ!」

    興味本位で自分で焼いて持ってきたクッキーを鞄から手に取ると、察知したわんこは途端に猛然とダッシュをかけてきた。

    「あっーーきゃあっ!?」
    「危ない!」

    二本足で飛びかかってくるわんこはすんでの所で店主に引き止められるも、そのまま美穂子は態勢を崩し後ろに倒れ込みそうになる。
    そこをかばうように京太郎は美穂子をかばうように後ろに滑り込み、片手で抱きかかえて咄嗟に受け身を取る。
    とはいってもそれで吸収されるようなダメージでもなく、京太郎はしたたかに背中を打ち付ける羽目となった。

    「きょ、京太郎君!ご、ごめんなさい……!」
    「い、いえ……美穂子さんが無事でよかったです」
    「そんな……私のせいであなたが」
    「大丈夫ですってば……それに、役得でしたし」
    「え……?あっ……」

    京太郎の左手が美穂子の豊かな胸を包み込んでいるのに気づき、美穂子の目は途端に見開かれた。

    「も、もう!京太郎くんったら!」
    「そうですよ。美穂子さんに泣き顔は似合いません」
    「バカ……!」



    「……ワン!」
    「「っ!!」」
    「……あー、うん。お邪魔なら俺達帰ろうか?」
    「い、いえ!とんでもございません!!」

    美穂子が先程取り落としたクッキーを食べてご満悦のわんこと、咳き込むように口を手で覆った店主の姿に2人は急速に肩をすくめた。

    152 = 133 :

    ――――――――――

    「……まあ、以後はああいうことしないでね。彼氏さんのためにも」
    「面目ないです……」

    そんなようなやりとりを介した後、2人は気を取り直しわんことの散歩に興じていた。
    店主も店番があるため監視し続けるわけにもいかず、京太郎との紳士協定で電話番号を教え合う事で連絡手段を確保していた。

    「それにしても、何事もない時は本当におとなしいやつですね」
    「ええ。私が軽率だったわ」
    「だからもう泣かないでくださいってば!この通り元気ですから!」

    オロオロして今にもホロリと行きそうな美穂子を必死に京太郎はなだめすかす。

    「それにしても温和で毛並みもいいし体格も。なんだかとっても素敵ね」
    「……なんで選んだか、聞きたいですか?」
    「まあ。とても興味が有るわ」
    「多分美穂子さんと同じ理由だと思う、というのは自惚れですかね?」
    「じゃあ一緒に言ってみましょうか?」
    「いいですね」

    そうして京太郎と美穂子は一呼吸置き、口を揃えて言った。

    「「あなたにそっくりだと思ったから」」

    一字一句違わず重なった言葉に、2人は思わず笑い声を抑えられなかった。

    153 = 133 :

    「私この子飼おうかなぁ。いつでも京太郎くんを感じられるように」
    「それは困りますね。俺の分の美穂子さんが削られてしまう」
    「ふふっ、それもそうかしら。でも、いつかそうならない時になったら、ね」
    「……とんでもない殺し文句ですね、まったく」
    「それはお互い様でしょ?――よしよし」

    恥ずかしさで顔を俯かせる京太郎に対し美穂子はクスリと微笑みかける。
    ――自分たちの子供が、ゴールデンと共に育っていくとき。
    そんな姿を幻視しながら、2人はわんこと時に歩き時にもふり、公園を周っていくのだった。


    唐突にカン!

    154 = 133 :

    というわけで一発ネタ「キャプテンってゴールデンみたいじゃね?」でした
    本日のここでの投下は多分おしまい

    もう一個の方は避難所にでもこっそり落としとこうかなぁ

    155 :

    ほう、その発想はなかった
    乙なー

    ところでどうでもいい話だがアニメ・フランダースの犬でパトラッシュのモデルであるとされ一躍知名度が跳ね上がったゴールデンレトリーバーなのだが



    原作を読む限りパトラッシュはグレートピレニーズである。

    156 :

    すばらしい

    158 :

    霞さんの水着やっべーわと思いながらキャプテンの色っぽい画像探してたら、
    ヤンガンの付録で和とモモとで頭だけ3人分用意した体共通のお風呂ポスターなるものを知って絶句した
    それはそれとしてアニメ京ちゃん基準とはいえ水着はよく似合ってたと思いますです

    んで肝心の続きは明日の朝ですかね……
    読んでるか知らんけど本スレで京キャプ書いてくれた人ありがとう

    159 :

    続きは明日の朝と言ったな……あれは嘘だ

    では本編めます

    160 :

    アイヨー

    161 = 159 :

    「それにしても、よくお受けしてもらえたと私としては思っているんだけれど」
    「何をですか?」
    「この練習試合自体をね。こんな無名校の――いや、こんな無名校だから、かしら?」
    「……まあ、そんなところです。というよりは、その言葉をそっくりお返ししたいお気持ちですけども」
    「うちが?」
    「ええ。私達に知れて都合の悪い事も多々あるのでは?」

    美穂子からすれば手の内をわざわざ曝け出すような清澄の申し出は不可解なようにも感じていた。

    「まあ、本音を言えば半分はその通りではあるけれど。もっとも、お互いそこまで底を見せる気もないでしょう?」
    「……確かにそうですね。それでは、もう半分は?」
    「あなたに興味があったから」
    「っ!?そ、それはどういう……」

    美穂子のぎょっとするようなすくみ方に対し、久は思い通りと言わんばかりにクスクスと右手を口元に当てた。

    「心配しなくとも言葉のあやよ。興味があったってのは本当だけど」
    「……」
    「ま、そういうわけで。一局、お願いできるかしら?」
    「……喜んでお受けします」

    162 = 159 :

    「では、もう2人はいかがいたします?」
    「そうねぇ……須賀君!頼めるかしら?」
    「!」
    「俺ですか?……わかりました」

    片や目を見開き、片や眉を顰める。
    その仕草の温度差に久は苦笑を浮かべながら美穂子へ言葉を促した。

    「それで、もう一人は?」
    「ーーえ、えっと」

    言葉に詰まっていた美穂子の後ろから、そっと進み出た影が卓へと座り込んだ。

    「自分が入るし!キャプテン、それでいいでしょ?」
    「華菜……ええ。ありがとう」
    「決まりね。皆も思い思いに試合して頂戴!ただし2対2でね」

    そうしてようやく試合が始められようとしていた。

    163 = 159 :

    こと試合の内容としては、両キャプテン同士が交錯する卓はまさに白熱した好勝負が展開されていた。

    (……私の悪待ちがここまで看過されるなんてどういうレベルなのよ一体)

    久は改めて風越のキャプテンという頂きにたつ女性の力量を――そして下家の男子の力量に対し額に汗を滲ませていた。
    もっとも華菜が劣っているというわけでもなく、久に振り込みこそすれ型に嵌った時の高火力ぶりは一線級であることは疑いない。
    しかしそれ以上に久や華菜すら蚊帳の外にするような深慮遠謀のせめぎ合いは久の精神を削るに十分なものだった。

    「ポン」
    そう上家から発せられたかと思えば、その次の順目で
    「ポン」
    と上家の捨て牌を下家が食う。
    そうして場の流れが2人の間で揺らぎ、久のツモにも自ずとよれが生じていく。
    それはさながら龍門渕の井上純のような『亜空間殺法』を彷彿とさせられた。

    (まさに、似たもの同士ってやつなのかしらね)

    そう思いながら闘牌を続けた久だったが、結局は3位という結果で2半荘を終えた。
    4位は華菜、そして1位は僅差で美穂子だった。

    164 = 159 :

    「ありがとうございました」

    そう口々に挨拶を交わし、矢継ぎ早に次の相手を探していく。
    京太郎もまた例外ではなく、卓を一度一瞥するとそのまま席を立ち離れる。

    「京太郎!一緒にやろうじぇ!」
    「ああ。そらよ」

    もはや急かされるでもなくタコスを用意し優希へと手渡す。

    「うっし、補給完了だじぇ!次はどいつだー」
    「えっと……須賀さんに片岡さん。私達と打ちませんか?」
    「……」
    「吉留さんに深堀さん。もちろんお願いします」

    そんな様子を何の気なしに見届ける美穂子の姿に久は内心呆れを感じ始める。

    (それにしても、この子の打ち筋ってどこかで――)
    「部長」
    「和。次、一緒に打つ?」
    「はい。手合わせをしていただきたくて」
    「あ……はい。喜んで」
    「……では、よろしくお願いします」

    和もやはり美穂子に思う所があるようだったが、表面上はおくびにも出さずに一例をして席へと着いた。

    165 = 159 :

    ――――――――――

    「ごめんなさいね、そのまま同席しちゃって」
    「いえ。しかし、お強いですね」
    「負けた身にお世辞は結構よ。風越の名は伊達じゃないわね」
    「そんな。私なんてまだまだです」

    そう柔和な笑みで謙遜する美穂子にはイヤミのようなものは欠片も感じられなかった。
    先程ほど場が揺らぎはしなかったために悪待ちも活かせたものの、それでも美穂子の圧倒的な力量を崩すまでには至らず、
    美穂子、久、和、文堂の着順で試合は終った。

    「あのインターミドルの原村さんまで……やっぱりキャプテンは凄いです」
    「文堂さんも気落ちしないでね。お二人も凄い打ち手だし、私も運が良かっただけよ」

    文堂を暖かく慰める美穂子の姿を感銘と共に見据えながら、後ろから久保コーチの号令が響いてきた。

    「よーし!午前の部は終わりだ!これから1時間昼食な!
     ――そういうわけでよろしくお願いする」
    「わかりました。それでは――ん?須賀君は?」
    「京ちゃんならトイレに行くって少し前に」
    「そう。それじゃ各自昼食を取ってね」

    久の言葉を皮切りにめいめいが弁当を取り出し始め、久もまたそうしようと思った矢先にある違和感を感じた。
    何も言わず影のような滑らかな動きで美穂子が部室から出ていこうとするのを確認したのだ。

    (…………)

    久は微かに笑みを浮かべた後にすぐ表情を消し、静かに美穂子の後を追い始めた。

    166 = 159 :

    ―――――――――

    「……はぁ」

    用を足した後、京太郎は通り道にあった自販機から缶コーヒーを購入し、ちびちびと口をつけていた。
    もう昼休みの時間だろうし、少しここで休憩するぐらいなら構わないだろうと、京太郎は一つ深呼吸を吐いた。
    女子高にこうして男一人でいるというのはなかなか精神的に来るものがあったが、無論それは方便であるのは自分でも分かっていた。
    そしてそれを看過するかのようにこのコーナーに早足で近づいてくる女性の足音。
    もはや確認するまでもなく京太郎はそっぽを向き、向こうの出方を伺った。

    「……京くん!」
    「…………ミホ姉」

    その呼びかけに対し逡巡しながらかつての愛称を口に出す京太郎だったが、そこから振り向くわけでもなくその憮然とした仏頂面が崩れることもなかった。

    167 = 159 :

    一旦終わり
    やっとスレタイ回収できた……スレタイに偽りありですけど

    168 :

    ついに再会か
    次が待ち遠しくてしょうがないね

    169 :


    キャップに気にかけてもらえる京ちゃんうらやましいです

    170 :

    乙です
    ここからどう進んで行くのか

    173 :

    続きが気になるねぇ

    174 :

    久々にVIPの方で短編書きたくなったので今日はこっちは休みます

    175 :

    把握

    176 :

    あれはここの人が書いてるのか…
    支援しとくよ

    177 :

    お前かァア!!
    支援は任せろ!

    178 :

    あのコテ名…まじか……マジかよぉ!!(驚愕)

    179 = 178 :

    あ、勘違いしてた。いつもの人だったわ

    180 = 174 :

    投下終了
    久々に台本形式で書いたけどやっぱりサクサク進むなぁ……地の文込みの方が自分好みなんだけど

    181 = 175 :

    乙ですよー

    182 = 177 :

    それはなんかわかる
    おつー

    184 :

    美穂子の包容力は作中随一

    186 :

    キャプテンとロッカーに入りたい

    187 :

    「……まさか、こんな形で京くんに会えるなんて、思ってもみなかったわ」
    「……そう、ですか」

    背を向けているため表情は窺い知れないが、その声は努めて平静を保っているようにも聞こえた。
    だからといって京太郎が自発的に何かを問うようなこともない。
    否、出来なかったという方が正しい。
    振り向こうとする意思が見えない"弟"に対し、美穂子は回り込むように位置を入れ替えた。
    そこでこの場では初めてお互いの視線が交錯する。

    「前に会ったのは正月だったかしら?」
    「っ……そんな昔のことは忘れた」

    真正面からその端正な顔立ちを覗かされた事で一瞬狼狽えたものの、相変わらず京太郎の態度にはにべもない。

    「忘れた……って、そんな」
    「『覚えてない』って、言ったほうがいいですか?」
    「……っ……!」
    「……こんな所で立ち話なんかしてる時間があったら、後輩の面倒でも見てあげたらどうです?」

    京太郎の槍のように鋭い物言いに対して美穂子は言葉もなく、京太郎はそのまま遮るものがなくなった部室へと歩いて行った。

    188 = 187 :


    ――――――――――

    ――また、やってしまった。
    その男は内心で言いようのない自己嫌悪に嗚咽を漏らしそうだった。
    彼女の視線が消えるであろう位置まで歩くのがこれほど遠く感じるとは思いもよらなかった。
    ……嘘だ。そんなことは知っていたはずだ。
    何より彼女は『憶えていた』じゃないか。動揺したじゃないか。

    「……くそっ……!」

    繰り返される負の思考の堂々巡りに男は這々の体で部室が見える直線へと辿り着くと、そこには見知った顔がひとり佇んでいた。

    「……咲」
    「おかえり、京ちゃん。結構遅かったけど……何かあったの?」
    「……どうしてそう思うんだ?」
    「だって……今にも泣きそうなぐらい辛そうな顔してるんだもの」
    「……そうなのか?」
    「そうなのかって……ま、いいよ。ごはん食べよ?一緒に」
    「一緒にって、まだ食べてなかったのか?」
    「うん。京ちゃん一人にするのは悪いでしょ?いつも私がそうだったんだから」
    「……ああ。ありがとう。行こうか」

    少しの間瞑目しながら左目を覆い、苦笑するようなはにかむようなぎこちない笑みで男は少女に微笑んだ。

    189 = 187 :

    ―――――――――――

    ……どうして、こうなってしまうんだろう。
    ……嘘ね。こうなることはなんとなく分かっていた。
    全ては自分が蒔いてしまった種。それが芽を出してしまったのに過ぎないのだから。
    脆い自分を肯定するようで嫌いだった涙を、今の私はまるで留めることができなかった。

    「――まったく、サイテーな男ねぇ。こんないい女泣かすなんて」
    「……えっ?」

    不意に聞こえてきた聞き覚えのある声に少女は困惑した。
    物陰から身を乗り出すようにその茶髪の少女は姿を現す。

    「悪いけど、話は聞かせてもらったわよ」
    「竹井さん……?」
    「といっても、詳しいことは全くわからないけれどね。
     もしよかったら話してみないかしら?もしかしたら力になれるかもしれないわ」
    「力に、って……」
    「あなたの恋路の、ね」
    「――っ!」

    声にならない叫びで思わず口をぱくぱくさせる。

    「本当にわかりやすいわね、あなた……」
    「……けど、どうして私に?」
    「理由はいろいろあるけど……あなた、ほっとけないのよね。危なっかしくて」
    「は、はぁ……」
    「悪いようには決してしないと約束するわ。だからお願い」

    魅せつけるように笑顔でウインクし、その輝きに少し狼狽えながらもその少女は意を固め始めた。
    どの道、私は今彼に伝える言葉を持てないのだ。なら、今は少しでも希望を持って前に進んでいきたい。

    「――少し、長い昔話になりますが」

    そう言葉を置いてから、少女はぽつりぽつりと言葉を紡ぎ始めた。

    190 = 187 :

    投下終わり。設定何度も考え直してやたら難産した
    京キャプのエロい話書きたいけどまだ書けないので誰かお願いします

    191 :

    おつにゃー

    193 :


    キャプテンにひどい態度とった京太郎は許されざるよ

    194 :

    キャップとのイチャイチャはよぉ

    195 :

    乙でした

    197 :

    ちょっと質問なんですけど、
    県決勝の一半と二半の間の休憩ってどのぐらいか明記ありましたっけ

    199 :

    なんという即レス感謝

    5分かー、思ったより短いな
    まあ1半長いし五人分で五倍になるしでそんな長くてもまずいか
    京太郎タコス届けてたしその間は他者もアドバイスできるんだよね?

    200 :

    団体戦メンバーなら可能
    実際キャップが中堅戦で文堂さんに何か言ってた


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