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    元スレ美穂子「京太郎くん!」京太郎「……美穂子姉」

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    みんなの評価 : ★★
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    51 = 29 :

    以上
    京まこもいいよね

    >>16の詳細を(ry

    52 :


    さすが気配りの人まこさん

    54 :

    >>16はたぶん百合SSだからわっかんねー

    57 :

    乙、続き待ってます

    58 :

    「……ここは?」
    「見ての通り雀荘じゃよ。ウチのな」

    まこはやたらと自慢気な様子で鼻を鳴らし、自身の雀荘の看板『roof-top』を指差しながら言った。

    「話には聞いていましたけど……どうして俺を?」
    「気分転換がてら少し働いて貰おうかと思っての。無論バイト代は出すぞ」
    「そんな、急な」
    「ちなみにノーレートじゃから勝ち負けに拘る必要はないからの。じゃあ行くぞ」
    「だから待っ……」

    まくし立てるでもないのにやたら流暢な説明を流され、まこはそのまま中へと入って行ってしまった。
    京太郎もまた、心の整理もつかないままにまこの後を追い扉をくぐった。

    59 = 58 :

    「いらっしゃい……ってまこじゃないか。部活はどうしたんだ?」
    「ちょっとわけあって早退じゃよ。このまま仕事に移っていいかの父さん」
    「そりゃ別に構わんけど……後ろの男の子は?」
    「件の後輩じゃ。前に寄越すかもしれんて言うとったじゃろ?」

    まこに父さんと呼ばれた人物は、まこと京太郎を交互に見据えて得心したように握り拳で掌を叩いた。

    「話には聞いていたけど随分なイケメンじゃないか」
    「じゃろ?麻雀も大したもんじゃぞ。接待も完備じゃ」
    「あの……えっと」

    当人の知らないうちに話が進んでいる様に京太郎は落ち着かなさを感じ当惑していた。

    60 :

    お、投下きてるやんか

    61 = 58 :

    「ああ、済まなかったねこっちの話で。それで、君がえっと――」
    「須賀京太郎と申します。初めまして」
    「おお、すまないね須賀君。しかし本当に恭しい子だね、聞いた通り」
    「……ありがとうございます」

    自己紹介に、世辞にと、2度に渡って頭を下げる姿にまこの父は改めて敬服していた。

    「本当にその年でよく出来た子だね」
    「……いい見本が身近にいたもので」

    "いた"という言葉の節にまこは目をかすかに細める。

    「いい親を持ったものだ。まこをできたらもらって欲しいぐらいだ」
    「「!?」」
    「あっはっは、冗談だよ冗談。だからそんなに怒らないでくれよまこ」
    「誰の、せいだと、思っとるんじゃ」

    京太郎からは後ろ頭しか見えないが、大体どんな表情をしているかは語るべくもなく見当がついていた。

    62 = 58 :

    「すまんすまん、どうどう!……で、須賀君もまたまこに誑かされた一人というわけだ」
    「だから人聞きの悪い事言わんてくれっつとるじゃろうが……!」

    まこがそろそろ怒髪天になりそうに感じるも、流石に双方心得ているようでそれ以上に発展することはないらしい。
    なのでそのまま話を進めさせてもらうことにした。

    「えっと……須賀君『も』ってどういうことですか?」
    「そのままの意味だよ。近いうちに後輩……君の同輩ってことかな?も呼ぶことになっているらしいから」
    「はぁ」

    それならそれで一度に纏めれば……とも思ったが、元々自分のこの件がイレギュラーだったのだろう。
    それに、結果的にではあるが女子は女子でまとめて働いたほうが勝手も掴みやすいに違いないと京太郎は自己納得した。

    63 = 58 :

    「脱線し過ぎてしまったようだね。そろそろ本題に入ろうか。
     結局須賀君はバイトしてくれるってことでいいのかな?」
    「今後のことはわかりませんが、とりあえず今日に関しては」
    「わかった。それじゃあ後のことはまこに案内させるから。いいね?」
    「おうよ。こっちじゃ京太郎」

    苦笑いもそこそこに、まこは京太郎を事務所の方へと促した。

    「すまんな、あんな親で」
    「いえいえ、朗らかないいお父上じゃないですか。それにまこ先輩は十分魅力的ですよ?」
    「……このジゴロが。わかってて言っとるんじゃろ?」
    「ええ勿論」
    「つくづくけったいな性格しとるで、おんし」

    わしも大概じゃけどな、とまこはこちらに目線を向けず独り言のように呟いた。

    64 = 58 :

    ――――――――――

    「異論は?」
    「ないと思うんですか?」
    「思わん。だが、似合っとるぞ。服の方が合わせとるようじゃ」

    カラカラと笑い声を上げながら、まこは京太郎の制服――執事服へと目を向けていた。

    「普通の制服もあるんじゃがな、こっちの方が売れると思うてな」
    「はっきり言いますね……下手な説明されるよりも潔くていいですけど」
    「わしだってこの有様じゃ。無論本当に嫌ならやめてもいいんじゃよ?」
    「……やりますよ。こんな服着れる機会もそうそうないですし」
    「よろしい。んじゃあれがウチのルールなんで、代走・卓割れの時は頼むで」

    そこから働く上での内容を大枠を口頭で説明され、こうして須賀京太郎の初バイトが幕を開けた。

    65 = 58 :

    朝から引き続き、京太郎の打ち筋のスイッチは至極簡単なものだった。
    卓埋め要因としては当たり障り無く打ち、代走としては可能な限り益となるように打つ。

    「彼、本当に大したもんだね。お客さんへの気の使い方が初めてとは思えないよ」
    「うむ。やろうと思えばやっぱりやれるんじゃな……どうしてああも」
    「なに?」
    「いんや、こっちの話じゃ。ここで働く分には確かに申し分ない資質なんじゃが……」

    呼び鈴が不意に鳴り、まこと父が振り向いた先には妙齢の女性が立っていた。
    手には火の付いた煙草が摘まれている。

    「や」
    「いらっしゃいませ。……珍しいですね、こんな時間に」
    「ま、今日は土曜だしな。それに、用もあったし」
    「……申し訳ないです」
    「構わんよ。若い奴の打ち筋を見るのはいつだって面白い。はいよ。あとカツ丼一つ」

    誰の差金か感づいたまこの謝罪を軽く流し、煙草を深く吸って吐き出す。
    携帯吸い殻入れに煙草の吸殻を入れて女性は場代を父へと差し出し、卓の方へと歩いて行った。

    66 = 58 :

    ちょうど欠けを起こした京太郎の卓へと女性は進み、ほう、とニヤリと笑みを浮かべる。

    「……?」
    「君が、須賀京太郎君かい?」
    「……いかにもそうですけど……どうして」
    「誰だ、とは言わないんだね。大したもんだ」
    「『まくりの藤田』さんですよね?」
    「ふっ。……気に食わないガキだね。けど、嫌いじゃないよ」

    先程と似たようなニヒルな笑みをこぼし、藤田と呼ばれた女性は欠けた京太郎の対面へと座り込んだ。

    「こんなしがない男子高校生を掴まえてどうしたんですか一体」
    「そんなしがない奴の性根を鍛え直してくれってどっかの小娘から頼まれたんでね」
    「大した女性ですね」
    「随分冷静だこと?」
    「染谷先輩じゃなければ消去法で一人しかいませんから」
    「はっ。つくづく面白いガキじゃないか」

    心底面白いと言わんばかりに藤田は口角を吊り上げた。

    67 = 58 :

    「それで俺に何をするつもりなんですか?」
    「別に。ただ私とサシウマを握れってだけさ」
    「なっ」
    「別に大したもんじゃない。カツ丼一杯分でいいさ」
    「そんな無茶な」
    「どの口がそんなことを言うのかね。目が笑ってるぞ?」
    「え?」

    京太郎が初めて動揺を見せたところで、藤田は先程までのとは打って変わった温かみのある表情を見せた。

    「もっとも、その負け分はわしが出すがの」
    「先輩」
    「巻き込んだのはわしじゃからの。気にしなくてもいいが、精々わしの顔は潰さんでおくれや」
    「……善処します」
    「ま、もっともそういうわけでわしは脇には入れんから、誰か2人腕利きが入ってもらうけぇな」
    「別にどっちでも構わんけどもな。ま、好きにすればいい」

    そうして脇に2人座った後、静かに勝負は始められた。

    68 = 58 :

    ――――――――――

    「……すみません、先輩」
    「だから謝らんでいいと言っとるじゃろ。つくづく感服しとるぐらいじゃ。
     あの藤田プロに微差まで食らいつけるとかおんし一体何者なんじゃよ」
    「――全くだ。お前に迷いがなければ正直危なかったまであるかもしれない」
    「迷い?」

    そう相槌を打ったのは脇に居た一人の壮年男性だった。

    「ああ。何に起因してるかまでは知らないが、打牌にまだ逡巡がある。
     ……逆に言えば、こいつの底はまだ見えてないってことさ」
    「俺にはまるでそんな風には見えなかったけどねぇ。藤田プロにそこまで買われてるなんて大したもんだ」
    「いえ……負けは負けですから」

    相も変わらず済まなそうにまこへと目を伏せる京太郎に対し、まこはやれやれと京太郎の頭を撫で上げた。

    「だから気にするなと言っとろうが。よしよし」

    69 = 58 :

    「それにしても兄ちゃんが何に悩んでるのかは興味があるな」

    そう言ったのはもう一人の30前といった風な打ち手だ。

    「その年は悩み苦しむ若人の時期だけどよ……ま、女か」

    瞬間、京太郎の目が軽く見開かれる。それを見逃すメンツではなかった。

    「やっぱそうか!若い男の悩みなんて大方そんなもんだよな!ははっ」
    「女……その打ち方、どっかで見たと思えばそういうことか」
    「どういう――あっ」
    「察したようだな。その癖といい打ち筋といい、何か引っかかるとは対局時から思っていた」
    「考えてみればすぐわかることじゃったな……どうして気が付かなかったんじゃ」

    まこが予め得ていた「風越にいた」「片目を伏せる」という条件にそのまま当てはまる女性が見事に一人存在していた。

    70 = 58 :

    「おーい!まこー!」
    「なんじゃ、この忙しい時に」
    「お前んとこの部長から!なんだか『風越との練習試合が決まった』とかで――」
    「……これ以上無いタイミングで事を進めなさりよるな」

    どこまで考えていたかはともかく、手際の良さにまこは感心を通り越して呆れを感じた。
    そこまで段取りが進んだ所で、京太郎の方が不意に口を開いた。

    「誰を想像しているのか知りませんが、まるで関係のない話ですよ?」
    「なら練習試合、参加してくれるんじゃろう?何も問題はない」
    「うっ……」

    負い目がある人間を誘導することがこれほど楽しいとは、とまこは思わず自嘲してしまった。

    「ま、俺も実際詳しいことは何もわからんけど、些細な事で行き違いになってるんならそれほど不幸なことはないよ?須賀君」
    「貴方ぐらいの年がおっしゃると重みが違いますね……」
    「そうそう。おっさんが言う通り、見たところ未練タラタラみたいだし出たとこ勝負ってのも面白いぜ?兄ちゃん」

    思いもよらない人生相談の様相を呈し、京太郎は「……はい」と苦笑交じりに応えることしか出来なかった。

    「決まりじゃな。来週までは京太郎、ここでしばらく働くとええ。そのうち向こうからお声がかかるじゃろ」
    「わかりました……わかりましたよ」
    「上手くいくといいな!兄ちゃん」
    「ああ全く」

    藤田を含めた卓全員からの激励に、京太郎は半ばやけくそ気味に観念するしかなかったのだった。

    71 = 58 :

    以上、無駄に話が膨らんでしまったがなんとか纏めた
    次でやっとスレタイが邂逅するかと

    ところで別の世界線で
    「念願のキャプテンと付き合い始めるも、なんでも出来過ぎるキャプテンに対し劣等感に苛まされ続けて不意にキャプテンを暴力的に犯そうとし、
     怖がるキャプテンを見て思わず我に返り罪悪感のあまり壊れかけるもキャプテンの溢れる母性に包まれて自分を取り戻す」
    って話思いついたんだけど誰か書いてくれないかな

    72 :


    そんなもの思いついたお前にしか書けないに決まってるだろ!

    73 :

    おつー
    >>71
    つ 言いだしっぺの法則

    74 :


    練習試合始まる

    75 :

    よし!次回作のネタは決まったな! 期待してるで!

    76 :

    乙だが藤田プロは煙管じゃないの?

    78 :

    あなた方が口で言うほど京キャプのSSが必要だとお思いなら、他人にどうしろこうしろと命令する前に自分達で実行なさったらどうですか?(某魔術師風に)
    まあそんなに長くかかる量じゃないんでVIPあたりにぶん投げてもいいけどあそこエロ容認だったっけか……

    とりあえず上記も含めて次の更新は多分日曜夜です

    >>76
    そこに気付くとは……(完全に読み違えてた)

    79 :

    というかよく考えたらあそこは地の文嫌われるからやっぱ無理か
    本編ここで止めるのもあれだしやっぱ誰かに任せるしかないんじゃあないかな(他力本願

    80 :

    ここで書いてもええんやで

    82 :

    そんな時こそエロパロ板ですよ

    83 :

    エロパロ板は過疎ってるからなー

    85 :

    美穂子さんとの絡みマダー??

    88 :

    いかんこのままではモチベが失せてエタる
    1レスだけでも投下

    89 :

    おっ来たか

    90 :

    頼む頑張ってくれ
    貴重なキャップスレなんだ

    91 :

    その発言が完結させる気のなさを示唆してるようでもう

    92 = 88 :

    かくして次週の土曜までは恙無く矢の如く過ぎ去った。
    といえども京太郎はまこの言いつけ通り部活には出ず、もっぱらroof-topにて働いていた。
    来ようと思えば来れたろうに咲達が来なかったのは、まあ互いに気を使っているのだろうと京太郎は判断していた。

    そして土曜の朝。
    慣れとは恐ろしいもので、6時には目が覚めて十全に支度を誂え、タコスまで仕込み鞄に詰め学び舎へと赴く。
    30分以上前に着いてしまい、正直誰も居ないだろうと高をくくっていた部分もあったのだが。

    「よっ」
    「……染谷先輩」
    「あまり驚かんのじゃな」
    「染谷先輩ですから」
    「おんしにそこまで高く買われてるとはなんというか光栄じゃな」
    「お世辞ですよ」
    「わかっとる」

    相変わらず一言多いなおんしは、とまこは自身のウェーブがかった髪をくしゃりと掻いた。

    93 = 88 :

    「ま、鬼が出るか蛇が出るか、腰を据えて見せてもらおうかの」
    「……先輩の思うようなことはないと思いますよ?」
    「それならそれでいい。大事なのは動くことじゃからな」

    ニッと口元を吊り上げるまこに京太郎は思わず閉口しかかるも、2人の時間はそこで打ち切られた。

    「相変わらず仲の良いことねぇ、おふた方は」
    「そんな部長もいつもながらお綺麗で」
    「あらお上手」
    「せやな」

    本能レベルでタラシじみた言葉を吐いてくるのにこの男は報酬を求めないのだから質が悪い……というか思春期の男子としては異常じゃなとまこは内心思った。
    久が何を思っているかまではわからないまでも、少なくとも悪く思ってはいないらしく、
    不敵という言葉がよく似合う表情を貼り付けていた。
    そして久の後ろに付いて歩いていた娘もまた、徐ろに口を開いた。

    「おはようございます。染谷先輩、須賀君」
    「おう、おはよう」
    「おはよう、原村さん」
    「……怒って、ないんですか?」
    「なんで原村さんが怒られなくちゃいけないのさ。責められて然るべきは俺の方だろ」
    「……なんで貴方はそうも……」
    「え?」

    ポツリとこぼした和の吐露は聞き取られなかったらしく、和は呆れを多分に含んだ溜息を漏らした。

    「いえ……わかりました。それでは、以後私は和で構いません」
    「えっ?なんで」
    「今まで手を抜いていた罰です。その代わり私もきょ、京太郎君と呼びます。それでいいでしょう?」
    「なるほど。わかったよ、和」

    そういうことなら、と京太郎は渋る様子もなく快諾した。
    和はその事に対して気恥ずかしさを感じながらも、あまりにも聞き分けの良すぎる姿にはどこか得体の知れないものを同時に感じてもいた。

    94 = 88 :

    ――――――――――

    「そろそろ風越女子に着くわ。皆、心の準備はいい?」
    「おう」
    「バッチリだじぇ!」
    「はい」
    「ちょ、ちょっと緊張してきちゃったかな……ね、京ちゃん?」
    「……なんでそこで俺に同意を求めるんだよ。危うく寝過ごしかけたくせしくさって」
    「それはその、うぅ~……京ちゃんのいじわるぅ」
    「ま、咲ならやれるよ。少なくとも麻雀では、な」
    「あ、ひっどーい!でも、少し落ち着いた。ありがと、京ちゃん」
    「どういたしまして」
    「……」
    「……」
    「……」
    「……なんですか?」
    「いえ、宮永さんと"京太郎君"との雰囲気はやっぱり何かが違うなと思いまして」
    「な、何言ってるの和ちゃん!そ、それに京太郎君って」
    「別に同学年ですし、普通のことでしょう。優希なんて"京太郎"ですよ」
    「そ、それはそうだけど……」
    「なんかのどちゃんの雰囲気も違うじぇ……」
    「まあまあ、相変わらず面白いわねぇここは」
    「おんしはもう少し危機感を持とうとは思わんのかい……さて、もう着くぞい」

    歩きながら一連の流れが行われていた様子はとかくシュールですらあったが、何にせよ風越の校舎はすぐそこに見えてきていた。

    95 :

    すぐ近くに学校が来るにつれて、京太郎は無意識の内に意識を張っているのに自分でも驚いていた。
    自然と歩みも早めになり、先頭を征く部長のやや後ろへと付く格好になる。

    「あら、須賀君も急に意識を上げてきたわね?」
    「いえ……あの人ならもうそこにいるだろうと。そう感じただけです」
    「え?あ……」

    もう校門が視野に入った時、そこには風越のレギュラー格とおぼしき5人――さらに言えば中央に美しい金髪を湛えた女性が佇んでいた。
    京太郎はそれを確認するや否や安堵とも苦笑ともつかぬ溜息をこぼし、そそくさと後続のさらに後ろへと下がっていった。
    向こうは向こうで京太郎の姿を視認したのか見るからに驚いたような表情を見せ、そして即座に笑顔で塗り替えた。

    「ご歓迎痛み入るわ。清澄の部長を務める竹井久です」
    「いえ、こちらとしても大事なお客様ですから。私がキャプテンを努めます福路美穂子と申します」

    恭しく頭を下げるその仕草に、京太郎を除く他全員は深いデジャヴを感じる。

    「立ち話もなんですし、自己紹介は部室で行いましょう。……それで、その」
    「彼のこと?」

    久がちらりと一瞥を向けるも、当の本人は意識してか否か特に感心がないように校舎を眺めている。

    「ええ。……ご覧の通り、我が校は女子校ですけれど、彼にも是非打ってもらいたいと」

    自分で伝えればいいじゃないと一瞬口を突きかけるも久はぐっとこらえ、

    「もとよりそのつもりよ。でなければ来ていないわ」
    「そう……ですか。そうですよね。では、ご案内致しますね」

    花の咲くような笑みをぱあっと広げ、リズミカルに先頭を歩いていく様を見て、

    (ほほう……あれが)
    (京ちゃんの)
    (幼馴染……)
    (なんてたおやかな女性だじぇ……)

    まこは納得を、1年三人は彼我の戦力差を戦慄と共に感じさせられていた。

    96 = 95 :

    投下終わり。火が付けばそれなりに書けるんだよなぁ……
    というか相変わらずスキル隠伏持ち多すぎじゃありませんかね

    ちなみに第一部までのプロットは大体上がってるのであとは気力の問題だったり。
    関係ないけど投下を透華と誤記しそうになったのは秘密

    99 :

    咲SS書きの宿業よな >>投下を透華
    おつー


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