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    元スレ黒井「765のプロデューサーは静かに笑う」

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    51 = 1 :

    ~961プロ~

    秘書「プロジェクト・フェアリーと765プロとの結束が深まっていると?」


    黒井「765プロのプロデューサーを悪役に仕立て上げ、
       彼女達を引き合わせないようにするのが狙いだった」

    黒井「だが、私が思っていた以上に765のプロデューサーがクズであり、
       765プロのアイドル達も、結構本気で彼の事を嫌っているようだ」

    黒井「それ故に、彼女達の間に妙な連帯感が生まれ、共通の敵を排除……
       あるいは更生させようと奮起している」

    秘書「この短期間で、そこまで……ですか」


    黒井「おのれ……なぜこうも裏目裏目に物事が動いてしまうのだ」

    黒井「まったくもって、不愉快極まりない」

    秘書「そういえば、ジュピターも先日、泣きながら彼に相談を持ち掛けられたとか。
       所属アイドルにイジメられていると…」

    黒井「自分のせいだろうが! そんな者に構うな、放っておけと伝えろ!」

    秘書「はっ」


    黒井「…………~~ッ!」イライラ…

    52 = 1 :

    ~翌日、765プロ~

    高木「そんなに気にする事でもないんじゃないかな」

    黒井「お前ならそう言うと思ったよ。だが、こっちは迷惑しているんだ」

    高木「迷惑? ……そうは見えないけどなぁ。
       だって見てごらん、あんなに楽しそうにしているじゃないか」



    貴音「如月千早。食事はきちんと摂らなければ体に良くありませんよ、さぁ」ズイッ

    千早「い、いえ四条さん、私そんなコッテリしたカップラーメンは……モガモガ」

    「うぎゃああぁぁっ!! か、辛いぃ~~!!」

    亜美「やったぁー! ひびきん大当たりー!」

    真美「ハバネロを入れておいたのだよん!」

    「うわーん! 律子ー、亜美達がイジメるさー!!」

    律子「だーもう、静かにしなさーい!!」



    黒井「……あまり穏やかでないようだが」

    高木「あれで彼女達も楽しいのさ」

    黒井「そうか……いや、そうではなくてだな」

    53 = 1 :

    黒井「今すぐにでも、この付き合いは止めさせてもらう。
       我が社の経営方針から逸脱しており、著しい悪影響を与えかねない」

    高木「ウーム、悪影響?
       キミの考えを理解していない訳ではないが、仲が良い分には何も悪くないと思うがねぇ」

    黒井「言うだけ無駄か……だったら、あのプロデューサーをしっかり指導しておけ。
       アイツは私のかわいいアイドル達に迷惑を掛けているのだぞ」

    高木「あぁ、彼ね……業界の人達からの評判はすこぶる良いのだが……」


    高木「確かに、彼の事を少し買い被りすぎていた私の監督責任だろう。
       その点については、私から改めて厳重に注意しておこう」

    黒井「あの男が更生すれば、プロジェクト・フェアリーが765プロと協力関係を結ぶ必要も無くなる。
       これ以上、こんな汚らしい事務所と関わり合いを持つのはまっぴら御免なのだよ」

    高木「すまないねぇ。
       おーい音無君、これからは掃除をいつもより念入りにやっておいてくれたまえ」

    小鳥「わ、私のせいですか!?」

    高木「ハハハ、大丈夫。私も手伝うよ」

    54 = 1 :

    小鳥「社長はまず、自分の机の上を整理して下さい」

    高木「音無君も手厳しいなぁ」


    黒井「……失礼する」スクッ

    小鳥「あっ、もっとゆっくりされていきませんか? あともう少しでコーヒーが…」

    黒井「コーヒーは我が社で淹れるものが一番だ。それ以外は受け付けんよ」

    ガチャッ バタン


    小鳥「……あーあ、帰っちゃった」

    高木「彼の思い込みの強さにも、困ったものだ」


    「あれっ? 黒井社長、来てたのか?」

    律子「知らなかったの? 先ほどお帰りになられたみたいだったけど」

    亜美「なんだー。だったらクロスケもこっち来て一緒にひびきんで遊べば良かったのに」

    真美「クロスケはいつでも961プロでひびきんと遊べるじゃん」

    「クロスケって呼ぶなー! 自分達を拾ってくれた恩人だぞ、黒井社長は!」

    千早「我那覇さんで遊ぶ、っていう所にまず怒るべきだと思うけれど」

    貴音「響もアレで楽しいのですよ」

    「ハバネロ食べさせられて楽しいワケないさー!!」ヒリヒリ

    55 = 1 :

    「はい、はい……いやぁ、いつもすみません、こちらの不手際でしたのに……」

    「いえぇ、とんでもない! はい、ありがとうございますー、失礼しますー、はい」

    ガチャッ

    律子「また先方さんにご迷惑お掛けしちゃったんですか?」

    「最近妙に冷たくなった人もいるが……それでも応援してくれる人もいてさ。
      本当、助かるよ」

    律子「もう、しっかりして下さいよ? あまり憎まれない性格とはいえ」

    「憎まれない、ねぇ……彼女達にも好かれれば良いんだが……」


    亜美「兄ちゃん兄ちゃん!」

    「ん?」クルッ

    べちょっ

    「!? うわあぁぁ、な、何だこれ!? ケーキ!?」

    真美「んっふっふ~。兄ちゃんもそろそろ誕生日が近いんじゃないかなーってね?」

    「全然まだ先だよ! あーもう、何てことしてくれるんだよー」ベチョベチョ

    「自分達は変態プロデューサーにもっとひどいことされてるんだ。
      これくらいの仕打ちは当然だぞ!」

    貴音「不逞な輩は、寂滅すべし」

    「ひ、ひどい……」グスン

    56 = 1 :

    小鳥「あぁ、プロデューサーさん、ちょうど良かった」

    「えっ?」

    小鳥「コーヒー余っちゃったので、良ければデザートの後のお口直しにでもどうぞ」コトッ

    「予期せぬデザートでしたけどね。でも、ありがとうございます」

    高木「黒井のヤツが、自分の会社で淹れたコーヒーしか飲まないと言うものでねぇ」

    「はぁ……自分の会社で淹れたコーヒー、ですか……」


    高木「あぁ、そうそう。キミ、大人の男としてもう少し節度ある行動を……」クドクド…

    「うへえ……」

    小鳥「さて、お掃除しないと。貴音ちゃん、そっちにある雑巾取ってくれる?」

    貴音「これでよろしいですか?」

    「それはテーブルを拭く時の布巾でしょ?
      ぴよ子は床とか棚の上を掃除しようとしてるから、こっちの雑巾の方がいいさー」

    律子「さすが、いつも来てるだけあって慣れてるわね。ついでに手伝ってちょうだい」

    「うん! ……って、何で961プロの自分が手伝わなきゃいけないんさー!」

    貴音「響、なんくるないですよ」ニコッ

    「使い方おかしいよ!!」


    ………………

    57 = 1 :

    ………………


    テクテク…

    美希「あふぅ……今日のイベント、大変だったなぁ。あんなに人がいっぱい来るなんて」

    美希「早く帰って、事務所の休憩スペースで寝るの。響や貴音にも会いたいし」


    テクテク…

    ガチャッ バタン

    美希「運転手さん、お待たせなのー。それじゃ、事務所までよろしくね?」


    運転手「ウッ……ゴホ、ゴホッ…!」

    美希「? 大丈夫、風邪? 無理しないでね」

    運転手「い、いえ、大丈夫……では、発車……」スッ カチャッ

    ブキキキキキ ブオン……!!


    ドゴォンッ!!

    美希「きゃあぁっ!?」

    58 = 1 :

    メラメラ… パチッ パチパチ…

    美希「あ、あれ……?」


    ゴォォォォォォ…!

    美希「ちょ、ちょっと……車が、燃え、て……」


    美希「ヤ……何で!? は、早くここから出…!」ガッ!

    ガチャッ!

    美希「!? ちょ、えっ……何で、何でドアが開かないの!?」ガチャガチャッ!

    美希「運転手さん! ちょっと、鍵壊れて開かないの!! 開けて、ねぇ!!」


    運転手「………………」グッタリ…

    美希「う、運転手さん……!?」

    美希「ね、ねぇ!? ちょっと、聞いてるの!? ねぇっ!!!」ユサユサ…!


    ゴォォォォォォ…!!

    59 :

    なんだこの超展開

    60 = 1 :

    テクテク…

    「あーあ、今日のスタジオは何か使いにくかったなぁ」

    「うぅ……わ、悪かったなぁ、しょぼいスタジオしか取れなくて」

    伊織「本っ当、あんたってセクハラはするわ仕事は要領を得ないわ、どうしようもないわね」

    春香「ま、まぁまぁ二人とも。プロデューサーさんも反省してる事だし、その辺で、ねっ?」


    「春香ぁ~~! ありがとう、お前は本当に優しいなぁ!!」ダキッ

    春香「ぎゃあぁーーっ!!!」

    伊織「何抱き着いてんのよ、この変態! ド変態!」

    「おうらっ!!」ドガッ!

    「あろっ!」

    春香「真、やめて! 帰り車を運転する人がいなくなっちゃうよ!」

    伊織「あんたも地味にひどい事を言うわね」


    モクモク…

    「ん?」スンスン…

    61 = 1 :

    春香「何か……焦げ臭くない?」スンスン…

    伊織「確かに、そうね……」

    一同「!?」


    ゴオォォォォッ…!!

    「あ、あれは……車が燃えてる!!」

    伊織「ウチの隣の車じゃない!?」

    春香「ちょ、ちょっと待って! あそこ……!!」


    美希「た、助けて……誰かっ!! ここから出してぇ!!」バンッ! バンッ!

    運転手「………………」グッタリ…


    春香「中に人が……美希が乗ってるよ!!」

    「えぇぇっ、うそ!?」

    「お、おいどうした?」フラフラ…

    伊織「いつまで寝てんのよ! あ、あれを!!」

    「ウ~ム………ッ!!?」

    「なっ……!」

    「ぷ、プロデューサー!」

    62 = 1 :

    「真、消火器持って来い!!
      伊織は消防に連絡して! 春香は誰でもいいから他の大人を呼べ!!」ダッ!

    ガシッ!

    春香「プロデューサーさん!? 無茶です、危ないですよ!!」

    ガチャッ! ガチャッ!

    「く、クソッ……開かない!
      おい、運転手さん! おい、聞こえるか、おいっ!!」バン バン!

    運転手「………………」

    「気を失ってる! ……ならこっちか!!」


    ガタン…!

    美希「た、助けて……!!」

    「こ、この野郎……このぉっ!!」ガンッ! ガンッ!

    春香「フロントガラスを、蹴破ろうと……!?」

    伊織「何ボケッとしてんのよ! アイツが言った通り、早く応援を呼んできなさい!!」

    春香「う、うん!!」ダッ!

    「消火器あったよ!!」

    伊織「もしもし!? 駅ビルの駐車場で火事が……
       そうよ、車が燃えてるの!! 早く消防車を! 場所は品川駅ビルの……!」

    63 = 1 :

    ゴオォォォォッ…!!

    「くそっ!! くそぉっ!!!」ガンッ! ガンッ!

    伊織「早く! 早く消火器を!!」

    「急かさないでよ、今使い方読んでるから!」

    伊織「そんなの黄色いヤツを早く引っこ抜いて、バァーッてやりなさいよ!!」

    「だーもううるさいなぁっ!!」

    伊織「何よっ!!」

    「何だよっ!!」


    バキャッ!!

    「!! わ、割れた! よしっ!!」

    ゴソゴソ…


    春香「プロデューサーさん! 大人の人を呼んで……あ、あれ!?」

    伊織「アイツはあの車の中に!」

    春香「そ、そんな……!」

    「お、おいおい、これはどういう事だ……!?」

    ゴオォォォォッ…!!

    64 = 1 :

    「よし、使い方分かったぞ! どいてっ!!」ダッ!

    「えいっ!!」カチッ

    ボシュシュゥゥゥゥゥゥゥゥ…!!


    ゴオォォォ… パチ パチ…

    「こ、これで……どうだ!?」

    伊織「幸い、火は食い止められたみたいだけれど……」


    ガタッ…

    春香「あっ! プロデューサーさん!!」

    「よっこいせ……」ズルッ…

    美希「うぅ………グスッ……ひっく…」ボロボロ…


    「もう大丈夫だ。問題は、この運転手さんの意識が戻らない事だが……」

    伊織「消防には連絡しておいたわ。救急車も来ると思う」

    「よし。とりあえず、一旦こっちのスペースに運転手さんを寝かせよう。
      あ、すみません、この人の足を持ってもらっても良いですか?」

    「あ、は、はい」

    65 = 1 :

    「それにしても……助かって良かった。はぁ……」ヘトヘト…

    「お前も消火器ありがとうな、真」ナデナデ

    「わわっ!? い、いきなり何するんですか」

    「春香、タオル持ってるよな? 濡らしてきてくれないか。
      少し熱がある、この運転手さん」

    春香「わ、分かりました」

    タタタ…


    「伊織、救急車は何分で来れるって?」

    伊織「し、知らないわよ。そこまで聞いてなくて……ごめんなさい」

    「いや、いい。真は外に出て、救急車が来たらここへ誘導してくれ」

    「は、はいっ!」ダッ!


    「伊織は美希についてやれ」

    伊織「え、えぇ……怪我はない、美希?」

    美希「ひっく………ひっく……」コクッ

    伊織「そう……大丈夫よ、ね?」

    美希「うん……」

    66 = 1 :

    ~961プロ~

    黒井「ウチの車が燃えただと……!?」

    秘書「はっ。先ほど入った情報なのですが……」

    秘書「本日の午後3時頃、品川駅ビルの駐車場に停めていた社有車が突如炎上。
       運転手と星井美希が車内に取り残される事態が起きました」

    秘書「幸い、同じ現場に偶然居合わせた765プロの者達により救助され、
       星井美希は無事でしたが、運転手は救急車で病院へ運ばれて以後も意識が戻っていないとのこと」

    秘書「運転手だけでなく、星井美希も軽度の一酸化炭素中毒の可能性があるため、
       明日も大事を取って病院へ行くよう、担当医師より指示を受けております」


    秘書「火災の詳しい原因は依然として調査中ですが、車両の整備不良……
       具体的には配線の絶縁劣化、あるいはオイル漏れ等が考えられます」

    黒井「ロクに整備もしていないものを社有車として乗り回していたというのか。
       私が乗る車も、適当な整備で済ませているのではあるまいな」

    秘書「はっ、それは抜かりありません。
       しかし、社内に本件を周知し、より着実なチェック体制を布いて再発防止に臨みます」

    黒井「当たり前だ」


    黒井「それで……救出したのが765プロの連中だと?」

    秘書「はっ」

    67 = 1 :

    黒井「星井美希は、確か駅ビル内で新作CDの販売イベントに出ていたはずだな」

    秘書「先日の初ライブ以後、プロジェクト・フェアリーの人気も急上昇しており、
       今回のイベントも大盛況だったようで…」

    黒井「そんな事はどうでも良い!
       私は、なぜ765プロの連中が同じ場所に来ていたのかを聞いているのだ」


    秘書「警察が彼らに対し行った事情聴取の内容によれば、今日彼らは
       ダンスレッスンのためにここに来ていたのだと」

    秘書「普段は別のスタジオを利用するのですが、たまたま今日は予約がいっぱいで取れなかったため、
       やむを得ず品川駅ビルの駐車場に車を停め、近くのスタジオに行っていたとのことです」

    黒井「……そこで、たまたま起きた我が社の車の火災現場に出くわしたと」

    秘書「偶然にも、燃えた社有車の隣に停まっていた車が彼らのものだったそうです」

    黒井「何? …………」


    黒井「………………」

    68 :

    なんか雲行きが……

    69 = 1 :

    ~翌日、765プロ~

    ガチャッ

    「おはようございます」

    「あっ、来た!」

    「うわっ、響!? 貴音まで、今日はどうした。ハバネロ食うか?」

    「何でだよ!」


    あずさ「響ちゃんと貴音ちゃんが、お礼を言いに来たんです。
        昨日、プロデューサーさんが美希ちゃんを助けてくれたから、って」

    貴音「話は皆から聞きました。
       美希は、大事を取って今日は病院へ行っているのですが……」

    貴音「己の身の危険を顧みず、私達の仲間を助けてくれたこと、真、感謝致します。
       同時に、これまで私達が貴方へぶつけてしまった失礼な振る舞いの数々、どうかお許し下さい」ペコリ

    「自分達、765のプロデューサーの事を誤解してたさー。いざって時はすごいんだな」


    「お、おう……えっ、本当にどうしたんだお前達。頭おかしくなったのか?」

    「人が素直に感謝してるのに、そりゃないぞ!」

    貴音「よしなさい、響。
       私達が作ってしまった溝は、これから埋めていけば良いのですから」

    70 = 1 :

    「う、うん……まぁアレだ! これからは仲良くしようね!」

    「俺は最初からそのつもりだよ」

    伊織「とてもそうは思えない言動ばかりだったけれど」


    「あの時のプロデューサー、カッコ良かったなぁ!」

    春香「私達にビシビシーッ! って的確に指示しててね!」

    亜美「えー、うそー?」

    千早「にわかには信じ難いわね」


    「本当しんどかったですよ。あの後、警察にずっと同じ事何回も説明させられて……」

    小鳥「帰ってくるの遅かったですものね、昨日」

    雪歩「ぷ、プロデューサー! あの……今まですみませんでした。これを……」コトッ

    「おぉ! お茶ありがとう、雪歩。助かるよ」


    ガチャッ

    高木「おーい、キミィ。ちょっと社長室まで良いかね?」

    「あっ、社長! おはようございます。何か?」

    高木「いや、黒井がキミと話がしたいそうだ」

    「えっ、いらしてたんですか?」

    71 = 1 :

    コポコポコポ…

    秘書「…………」カチャッ

    「す、すごいですね……自分用のコーヒーセットを常に持っていらっしゃるんですか?」

    黒井「貴様らにくれてやるつもりは無い」ズズ…

    「い、いえ、そのようなつもりは……」

    高木「まぁまぁ、そう言わずに頼むよ。今回のお礼の一つだと思って」

    黒井「…………フン」クイッ

    秘書「…………」コクリ


    コポコポコポ…

    秘書「……どうぞ」カチャッ

    「あ、ありがとうございます」ペコリ


    ズズ…

    「……! うおぉ……美味い」

    高木「あ″あ″~~~」

    黒井「やめろ、その声。コーヒーが不味くなる」

    72 = 46 :

    社長wwwwww

    73 = 1 :

    黒井「先日は、我が961プロの星井美希が世話になったようだな」

    「え、えぇ……元は彼女も765プロでしたし、助けない訳にもまいりません」

    黒井「フム……なるほど」

    黒井「つまり、貴様は765プロに関わりのある人間でなければ助けなかった、と」

    「えっ!? えっ、と、それは……そういう訳でも無いですが……はぁ」

    高木「おいおい、意地悪な質問をするなぁ」

    黒井「フン……」


    スッ

    「? ……あの、これは?」

    黒井「近々、961プロが主催するパーティーがある。これはその招待券だ」

    黒井「星井美希を助けた礼に、その招待券を貴様にくれてやる」

    「え、えぇっ!?」

    黒井「底辺プロデューサーが逆立ちしてもありつけないような美味い酒を用意しよう。
       せいぜい楽しみにしているがいい」スクッ

    高木「あ、あれ? ……おーい、私の分は無いのかい?」

    黒井「失礼する」コツコツ…

    ガチャッ バタン

    74 :

    やっぱクロちゃんかわいいわ

    75 = 1 :

    ブロロロロロ…

    秘書「……よろしかったのですか?」

    黒井「何がだ」

    秘書「765プロの人間を……それも、最も社長が嫌悪していたあの男をパーティーに誘うとは……」


    黒井「あの男は、まだ私に……いや、他の誰にも見せていない何かがある」

    黒井「必ずあるはずだ。それをあばく必要が私にはある」

    黒井「得体の知れない者ほど危険な存在は無い」

    秘書「左様で」


    コポコポコポ…

    黒井「………………」ズズ…

    76 = 1 :

    ~数日後、パーティー会場~

    黒井「それでは、我々961グループの益々の発展を祈念して……」

    黒井「乾杯!」

    一同「かんぱ~い!」

    パチパチパチパチ…!


    ガヤガヤ…

    黒井「ウム、来ていたか」

    「お、お世話になります、黒井社長。あの、皆知らない人ばかりで、どうすれば……」オドオド…

    黒井「私の横について、適当に相槌を打っていれば良い。行くぞ」スッ

    「は、はいっ!」タタタッ

    77 = 1 :

    ハハハハハ…

    黒井「縁があって、たまたま今回特別に招待したのです」

    大物A「ほぅー、なかなか良い面構えをしているじゃないですか。さっ、どうぞ」

    「あ、いただきます。いやぁ、お酒も食べ物も皆美味しくって……」グイッ

    大物B「おー、良い飲みっぷりですなぁ」


    ホホホホホ…

    大物C「あら、割とかわいい顔をしているじゃない?」

    「いやぁー、それほどでも、ハハハ」

    黒井「ほら、このラベルを見たことが無いかね?」

    「うわっ! 正直見たこと無いですけど高そうなお酒ですねー」

    大物D「ほらほら、溢れちゃうわよ、もったいない」トクトクトク…

    「うひょーっ!」グイッ!


    ワハハハハハ…!

    「いやー本当たまんないっす! 美味しいっす!」

    大物E「キミ面白いねぇ。それ、もう一杯」

    「あざまっす!!」グイッ!

    78 = 1 :

    「ヒック……ウィー、えぇへへへへ……」グデーン

    黒井(……頃合いだな)


    黒井「どうだ、楽しんでいるか?」

    「ああぁ黒井さぁん、どうもすいませんありがとうございますこんなパーティー…」

    黒井「あぁ分かった、酔い覚ましに少し夜風に当たろう。こっちへ来い」スッ

    「はぁぁぁい……」フラフラ…

    黒井(飲ませすぎたか……?)

    79 = 1 :

    ガチャッ

    「はぁぁぁ……きもちいい……」

    黒井「晩酌のビール以外はあまり飲まないと言っていたが、洋酒も悪くないだろう?」

    「いやぁホント、そっす。ホント誤解してました、ありがとうございます……」


    黒井「今日来た業界人の中には、貴様の事を知っている者が何人かいたな」

    「えぇぇ、まぁ……片っ端から挨拶周りして、ハイ、この業界入った当初は……」

    80 = 1 :

    黒井「元は銀行員だと言っていたな……なぜ、この業界に足を踏み入れた?」

    「なぜって……ヒック……」


    「高木社長にスカウトされたから、ですけど…………まぁ……」

    「正直、すっげぇやりがいのある仕事だなぁ、っていうか……まさに、理想……?」

    黒井「理想……?」

    「ゲップ……」

    「うん、りそう……いやぁ、良い気持ち……」


    「へへへ……黒井社長……笑っちゃうかもしんないですけど……ねぇ……」

    「俺……ガキの頃は、王様になるのが、夢だったんですよ………」

    81 = 1 :

    黒井「王様……」

    「ははは、いやそりゃあね?
      そりゃあ、王冠被ってマント着てなんていう、絵に描いたような王様になるのは小4で諦めましたよ」

    「小4まで諦めてなかったのかよ、って問題もありますけど、はははは、でもまぁ……」

    「上に立って、自分の思い通りに、人を動かすのって、気持ちいいのかなぁ、って……」

    「“理想の王国”っていうのかなぁ」

    黒井「………………」


    「前の職場なんて最悪ですよ。
      言われた通りの仕事しかできないし、クレームも受けるし、同僚同士の付き合いも薄いし……」

    「俺じゃなくてもいいじゃん、これやるの、みたいなね」

    「それが……高木社長に、拾ってもらえて……」


    「アイドルって、すごいですよね」

    黒井「ムッ?」

    「数えきれないくらい大勢の人達に、活力を与える……
      人の心を動かすことができる」

    「逆に言えば、アイドルが右と言えば右、あぁ言えばこうってな具合に、
      ファンを容易に操る事のできる危険な力も併せ持っている」

    82 = 1 :

    「そのアイドルを、俺が育てろ、ですって……ははっ……!」

    「経験も無い俺が、人の心を動かすアイドルを、俺の好きなように、育てるだって!」


    「王様、とはいかないけど……女王か何かの、摂政? っていうのかな……」

    「ガキの頃夢見た、ある意味“自分にとっての理想の王国”を作れるチャンスが、
      来たのかもな、って……」

    「別に変な事しようってわけじゃないですけど……へへ……」


    黒井「つまり……貴様が目指すのは、アイドルによる人心の支配、という事か?」

    「人心の支配、はははは……! ……いや、すみません」

    「そんな大それた事じゃないですよ、ただ……」

    「俺が世の中のブームを作ってんだぜぇ~、最先端だぜぇ~、みたいなカンジで……
      こう、何て言うかな、あの……」

    「俺の育てたアイドルが、大勢の人を動かすんだ、っていう、優越感、というか……」


    「……あ、まぁ、人心の支配ですね、ははは! いや、もっと良い言い方ありそうですけど」

    黒井(………俗な男だな)

    83 = 1 :

    黒井「……それで、貴様は業界内で立ち回りやすくなるよう、コネクションを増やしていった、と」

    「経験値ゼロですし、敵は作らない方が良いでしょう」

    「もちろん、所属アイドルの子達にも、そりゃあもうすげぇ媚び売って媚び売って」

    「美希が961プロさんに引き抜かれちゃったのは、ちょっと予想外でしたけどね」

    黒井「それだけじゃない。業界関係者は、誰もが貴様を毛嫌いしていったはずだ」

    「あー、毛嫌いというか……何か、微妙に距離を置くようになりましたね、全体的に」

    「黒井さんの差し金だったりして! なんつって、あははは」

    黒井「………………」


    「まぁ、何にせよ……美希が961さんところに行く事で、一番心配だったのは……」

    「美希と765プロの皆との仲が、悪くなったりしないかなぁ、って……」

    84 = 1 :

    「できれば、961プロとも……皆が仲良く仕事できる環境が一番でしょう?」

    「だから、変に敵対するような事になるのは、どうしても避けたいと思って」


    黒井「やはり……そのために、貴様は道化を演じていたということか」

    黒井「自分一人が底辺の悪役になって、我那覇響や四条貴音も含め、
       皆が団結するよう仕向けたと?」

    「予想外に皆のイジメがひどくて、正直死にたくなりましたけどね」

    黒井「そして、ここ一番で男を上げる……
       先日の車両火災は、貴様にとっては渡りに船だったという訳か」

    「いやいや、それはちょっと誤解ですよ。
      信頼は、少しずつ取り戻していければ良いと思ってました」

    「まぁ、何か上手く行ったし、運転手さんの事は心配ですがまぁ、それはそれというか……」


    黒井「……結果として、貴様はまた、誰からも愛されるプロデューサーになったのだな」

    黒井「“理想の王国”のための立ち回り……なかなか狡猾じゃないか」

    「狡猾、って……別に悪い事してないじゃないっすか」

    「逆に、夢のために手段を選ぶ必要があるんですかっつー話、じゃないですかねぇ」

    黒井「…………フフッ」

    黒井「なるほど………腹黒いヤツめ」

    「へへへ……自分の思い通りにさえなりゃそれで良いんす」

    85 = 1 :

    ブロロロロロ… キキィッ

    「いやぁ、本当すみません、家まで送ってもらっちゃって」

    「あ、コーヒーも美味しかったです。すごいですね、車の中にまで豆が置いてあるなんて」

    黒井「今回で最後だ。次は無いものと思え」

    「うわー、手厳しい。はははは」

    ガチャッ バタン


    黒井「出せ」

    秘書「はっ」

    ブロロロロロ…

    「ありがとうございましたー!!」ペコッ


    黒井(結局、アイツも野心を抱えたただの男だったという事だ)

    黒井(何という事は無い。程度が知れたな)



    「………………ヒック……」

    86 = 1 :

    ~一週間後、961プロ~

    コツコツ…

    黒井「…………ムッ?」


    「……あっ、黒井社長!」

    やよい「おはようございますー!」ガルーン

    伊織「御機嫌よう、黒井社長」ペコリ

    「おはようございます。先日はどうも、ご馳走様でした」ペコリ


    黒井「何の用だ」

    「あぁ、いえ……この前、大変楽しいパーティーにご招待いただいたお礼と…」

    「あと、すっかり酔って、ご迷惑をお掛けしてしまったものですから……
      感謝とお詫びの印として、これをどうかお受取り下さい」スッ

    黒井「? …………これは……」

    「今日までご挨拶が遅れてしまって、申し訳ございません」


    「この間のパーティーに、コーヒーに詳しい方がいらしていたんです。
      その方にご教示いただいて、評判の豆を手に入れてまいりました」

    「黒井社長、コーヒーが大変お好きのようでしたから、
      きっと気に入っていただけると思いまして」

    87 = 1 :

    伊織「私も家の者に確認させましたけど、これは相当に上等な代物でしてよ」

    やよい「へえぇー、そうなんだー。私んち、コーヒー飲まないからわかんないなー」


    黒井「…………フム」

    「お気に召しましたでしょうか?」

    黒井「実際に飲んでみないことには、何とも言えんな」

    「ぜひお召し上がり下さい。お受取りいただき、ありがとうございます」ペコリ

    黒井「フン……」


    伊織「ねぇ、そろそろ……」

    「あぁ、そうだな……
      すみませんが、彼女達の仕事の時間が迫っているので、ここで失礼致します」

    黒井「勝手にするがいい」

    やよい「イベントなので、黒井社長も良かったら見に来てください! うっうー!」ダダーッ!

    伊織「あぁ、ちょっとこら、やよい! 待ちなさーい!!」ダッ!

    「お、おーい! 駐車場あっちだぞー!」

    「すみません、それじゃあ」ペコッ

    タタタ…

    88 = 1 :

    ガチャッ バタン

    秘書「お待たせ致しました」


    コポコポコポ…

    秘書「どうぞ」カチャッ

    黒井「ウム」

    ズズ……


    黒井「…………少し、変わった味だが……」

    黒井「……悪くはない。クセになりそうな味わいだな」


    秘書「明日からは、どうなさいますか?」

    黒井「これで良い」

    秘書「かしこまりました」


    黒井「…………フン、マメな奴め……」ギシ…


    ………………

    89 = 1 :

    ………………


    小鳥「それでは、乾杯のご発声を……えーと、高木社長、で良いですか?」

    高木「あぁ、別に構わないが……良いかね?」

    黒井「早くしろ」


    高木「えー、ウォッホン!
       それでは、ジュピターの全国ツアーの成功と、あー、プロジェクト・フェアリーの…」

    黒井「大成功と言え」

    冬馬「余計な茶々入れんなよ、おっさん」

    高木「えー、ジュピターの大成功と、プロジェクト・フェアリーのシングル6曲連続首位獲得…」

    美希「6曲じゃなくて8曲なの!」

    高木「えー、フェアリーの8曲連続首位…」

    「あれ、まだフェアリーって7曲しか出してないよな?」

    貴音「自分のソロ曲を間違えて数えているのでしょう」

    高木「もういいや、かんぱ~い!!」

    一同「かんぱ~い!!」

    春香「ちょ、ちょっと待って下さい! 私のランクB昇格のお祝いはー!?」

    90 = 1 :

    真美「はるるーん、こっち来て一緒に食べようよー」

    春香「グスン……いいですよーだ。自分で作って来たフルーツケーキ、一人で食べよっと」

    貴音「ふ、ふるぅつけぇき……!?」ソワソワ…

    亜美「お姫ちーん、鍋のお肉もうなくなっちゃうYO?」

    あずさ「お鍋はまだお代わりありますからね~」

    やよい「もやし炒めも、いーっぱい作りましたー! はい、黒井社長どうぞー!」アーン

    黒井「私は別に……フガフガ」

    千早「た、高槻さん! 私にも早く! さぁ!!」


    高木「こうして、我が765プロの事務所でパーティーを開くのは何度目かな」

    黒井「私は初めて来たが」

    高木「悪くないだろう? 今日は良く来てくれた、ゆっくりしていきたまえ」

    黒井「フン……」ズズ…

    91 = 1 :

    高木「しかし、なぜ急に?」

    黒井「別に深い理由など無い」

    黒井「強いて言うなら……あのプロデューサーの男が原因とも言えるか」

    高木「彼がかい?」


    美希「ち、千早さん、目が怖いの……あ、雪歩! そのゴーヤチャンプルー取って!」

    雪歩「うん。これ、すっごく美味しい。響ちゃん、お料理上手だね」

    「ふふーん! まだサーターアンダギーもあるぞ、楽しみにしててね!」

    冬馬(や、やべぇ……さっき見つけて全部食っちまった……)

    伊織「何か、冬馬の顔色が悪いんだけど、大丈夫かしら」

    翔太「具合が悪いなら、無理しない方がいいよ? あっ、高木社長、お酒お待ち」サッ

    高木「お、すまないね。北斗君も、遠慮なく好きなものを食べたまえ」

    北斗「いえ、俺はもう、このエンジェルちゃんの事で頭がいっぱいですから」ダキッ

    「おい、北斗、止めておけ。真の鉄拳は本当に痛…」

    マコッ!

    北斗「ポォゥッ!!」ドサッ

    律子「あちゃー、遅かったか」

    小鳥「ほくまこ……アリだわっ!」

    92 = 1 :

    「まったく……あぁいうナンパな男、ハッキリ言ってボク嫌いです!」

    「俺は? 俺は?」

    「プロデューサーは……まぁ、ナンパな部分は、好きじゃないですけど……」

    亜美「あー、まこちん顔赤い→!」

    「だああぁぁぁぁっ!!!」ブンブン!

    冬馬「うおぉ、危ねぇっ!」サッ

    春香「いや、私だってもう子供じゃないんだから、頭では分かってますよ?
       我慢しなきゃいけない事だってあるって。でも、今日は私も主役のパーティーなのに……」

    貴音「えぇ、分かります、天海春香。ところで、けぇきのお替わりはどこに……」モシャモシャ…


    黒井「奴の事は、得体が知れなかったがために、迂闊に近づく事は避けていた」

    高木「あんなに人当たりが良いのに」

    黒井「それが危険だと言うのだ。孤独を是とする私の信念とは相容れぬものだからな」

    黒井「だが……アイドルによる理想の王国などと。フンッ!
       そんな事を本気で考える馬鹿が、今時この業界にいようとはな」

    黒井「結局はヤツも、ただの野心を持った男に過ぎなかった……
       底の浅い、たかが知れた男だったという訳だ」ズズ…

    高木「注意すべき人間ではないと、キミにも分かってもらえたようで何よりだ」

    93 = 1 :

    高木「彼には本当に助かっているよ。
       既に業界内のあらゆる方面から、彼は大変厚い人望を得ている」

    高木「誰に対しても、気配りのできる男だ……私の目に狂いは無かった」

    黒井「言っておくが、ジュピターとプロジェクト・フェアリーはまだまだ貴様らより格上だ。
       今後も、765プロなどに負けるつもりはサラサラ無いからな」

    高木「あぁ、そうだろうとも。無論、私も同感だがね」


    「まったく、美希のヤツ……
      あっ、ちょっと黒井社長聞いて下さいよ、美希が俺のワイシャツに……」

    美希「ハニーへのラブサインなの! 反対側の襟にも付けてあげるね?」チュッ

    「うわぁ、やめろぉ! どうすんだよコレ、洗濯しても落ちないぞ、あーあ……」

    黒井「言っておくが、クリーニング代は出さないからな」

    「えーっ? 961プロ所属のアイドルにシャツ汚されて、そりゃ無いですよー」

    黒井「元は765プロのアイドルだったではないか」

    美希「もうっ! ハニーったらひどいの! 素直に喜んでくれないなんて!」ポカポカ!

    「あいたたたた!」

    高木「ハッハッハッハ」

    94 = 1 :

    「あれっ? そういえば、黒井社長はお酒飲んでないんですか?」

    黒井「明日は早いのでな」ズズ…

    「あぁ、それでコーヒーを……」

    黒井「ストックが切れてきている。追加の豆を三日以内に私によこせ」

    「あぁ、すみません。了解しました」


    高木「黒井のヤツ、キミがあげたコーヒーがえらく気に入ったみたいだねぇ。
       ところで、ウチの事務所には置かないのかい?」

    「社長は俺と一緒で、あまり味の違い分からないでしょ?」

    小鳥「社長にはインスタントで十分です」

    律子「無駄な経費は一切認めませんから」

    黒井「所詮、貴様はその程度のレヴェルの男なのだよ」ズズ…

    高木「トホホ……」


    ………………

    95 = 1 :

    ………………


    スタッフ「どうもお疲れ様でしたー!!」

    スタッフ一同「ありがとうございましたー!!」


    あずさ「ありがとうございました~」ペコリ

    「あずささん、早く早くー!」

    あずさ「うふふ、はいはい」

    貴音「急がずとも、もんじゃ焼きは逃げませんよ、響。
       さぁ、鬼ヶ島羅刹も一緒に」

    冬馬「いい加減名前覚えろよ!
       ていうか楽屋違うから、待ち合わせ場所決めとこうぜ」

    美希「ミキは何回か食べた事あるけど、そこまで好きでもないかなー。
       でも、ハニーが一緒ならどこでもいいの!」

    翔太「あれ、プロデューサーさんは?」キョロキョロ


    「おーい、おいて行くなよー」

    スタッフ「いつもありがとうございます。スタッフで分けておきます」

    「いえ、こちらこそいつも同じ差し入ればかりですみません。
      では、またよろしくお願いします」ペコリ

    96 = 1 :

    北斗「また差し入れしてたんですか? そんなに気を遣う事ないと思いますけど」

    「いいんだよ。ああして媚び売っておけば、次も気持ちよくウチらを使ってくれるだろ?」

    「で、何時にどこで待ち合わせることになったんだ?」

    冬馬「今19時だから、15分後に地下1階のエレベーター前で集合だ。
       ていうか、俺達も一緒に乗せてもらって良いのかよ」

    「俺、あずささん、美希、響、貴音で5人。
      で、お前ら入れて8人だから、定員ギリギリ大丈夫だよ」

    翔太「本当に、今日行くもんじゃ焼き屋さん美味しいの?」

    「馬鹿にすんなよ。この間一緒に仕事したディレクターさんが教えてくれたんだ。
      一度行ってみたけど、本当にうまかったぞ」

    北斗「へぇ……じゃあ、期待しようかな。臭いが気になるけど」

    「まぁそれはしょうがないさ。じゃあ、またな」

    テクテク…


    翔太「さてと! それじゃあ僕達もササッと準備しようね」

    冬馬「どうせ女なんて準備に時間かかって遅れんだろ? ゆっくりしてこうぜ」

    北斗「まぁまぁ、レディーを待たせちゃいけないぞ、冬馬」

    冬馬「うるせぇな、分かってるよ」

    テクテク…

    97 = 1 :

    テクテク…

    冬馬「おっ?」

    北斗「黒井社長、こんばんは。今日はどうしたんです?」

    黒井「用事が早く終わったので、たまには貴様らの仕事の様子でも見てやろうと思ってな」

    翔太「へぇー、珍しい! いつもは放任してるのに」

    黒井「765プロの連中と一緒の仕事だと聞いていたが……奴はどこだ」

    冬馬「プロデューサーなら、この後俺達と一緒にもんじゃ焼き食いに行くぜ。
       今なら、765プロの楽屋にいると思うけど」

    北斗「コーヒーなら、俺が受け取っておきましょうか?」

    黒井「そうしておけ」

    翔太「最近、コーヒーばっかりだね、クロちゃん」

    冬馬「で、俺達には飲ませてくれねぇんだよな」


    ガチャッ

    翔太「うわぁ、今日もすごいファンレターの数だなぁ……」

    北斗「今からこの全てに目を通さなければならないと思うと、気が重いよ」

    冬馬「お前、そういう所はマメだよな」

    黒井「フン…………?」

    98 = 1 :

    黒井「…………?」

    ガサゴソ…



    【 765プロ プロデューサーへ 】



    黒井(………………)

    冬馬「おっさん、どうした?」

    黒井「! ……いや、何でもない」スッ…

    翔太「何なら、クロちゃんも一緒に行く? もんじゃ焼き」

    北斗「プロデューサーの車の定員がオーバーするだろう」

    翔太「あっ……そうだった、ごめん」ペコリ

    黒井「いや……元々そんな下賤な食事に興味などない」

    冬馬「はいはい、どうせ俺らはゲセンですよ。おら、行こうぜ」

    翔太「ちょっ、えっ、もう!? 冬馬君、準備早っ!」

    北斗「やっぱり、何だかんだでお前楽しみにしてたんだな」

    冬馬「ばっ……ちげーよ! レディーを待たせるのは、あの、アレだろうが!」

    翔太「そうだねー(棒)」ニヤニヤ

    99 = 1 :

    翔太「それじゃ、クロちゃんじゃーねー」フリフリ

    北斗「ほら、行くぞ冬馬」

    冬馬「あのな! 俺はただお前らみたいに無駄な動作が無かったから準備が早くてだな…!」

    テクテク…


    黒井「………………」


    カサッ…

    黒井(この手紙……おそらく、間違ってジュピターのファンレターに紛れていたと考えられるが……)

    黒井(体裁からして、明らかにファンレターではない……)

    黒井(しかも、アイドルではなく、プロデューサー宛てだと……?)


    黒井(………………)


    コツコツ…

    100 = 1 :

    ~961プロ~

    ガチャッ バタン

    秘書「どうぞ」カチャッ

    黒井「………………」ズズ…

    カサッ…


    黒井「……少し、席を外せ」

    秘書「はっ。失礼致します」

    ガチャッ バタン


    黒井「………………」


    ビリッ

    黒井「………………」ピラッ


    黒井「…………!?」


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