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    元スレモバP「俺、プロデューサー辞めるから」

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    1 :

    もはや前提を覆しているような気がするが気にしない。
    安価SSです。シリアスにはならない予定。


    P「ちひろさん。今までお世話になりました」

    ちひろ「……本当に辞めちゃうんですか?」

    P「すみません。もう自分の夢を掴むには、このタイミングしかなくて」

    ちひろ「わかりました……でも、アイドル達には」

    P「俺から説明します……最後まで責任は取りますよ」

    ちひろ「……本当に、お疲れ様でした」

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1369395323

    2 = 1 :

    ―――事務所―――

    P「幸子」

    幸子「なんですか?プロデューサーさん」

    P「言いたいことがあるんだ」

    幸子「言いたいこと……ああ、やっとボクの可愛さに気づい―――」

    P「俺、プロデューサー辞めるんだ」

    幸子「……はい?」

    3 = 1 :

    幸子「ちょ、ちょっと待ってくださいプロデューサーさん!?」

    P「なんだ?」

    幸子「なんだ?じゃないですよ!プロデューサー辞めるなんて、冗談ですよね?!」

    P「……冗談じゃ、ないんだ」

    幸子「そん、な」

    P「……ごめんな」

    幸子「何をしたんですか?!仕事上のミス?!それとも、営業先との―――」

    P「いや、そういうんじゃなくて。これは俺の我が儘なんだ」

    4 = 1 :

    幸子「我が儘?」

    P「ああ。俺さ、夢があったんだ」

    幸子「トップアイドルを育てることとは別に、ですか?」

    P「そう。小さい頃から、ずっとやりたかった夢」

    P「その夢が、もう少しで叶いそうなんだ」

    幸子「……どんな夢か、お聞きしても?」

    P「それはごめんな。実現したら、いつか教えるよ」

    幸子「いつかって……いつですか……」

    P「すぐだよ。俺も出来るだけ早く教えられるように頑張るから」

    5 = 1 :

    幸子「そんなの……」

    P「社長にも、無理言って聞いてもらった。社長は渋々だけど、認めてくれたよ。俺の夢を」

    P「散々愚痴言われたけどな。ははは……」

    幸子「……そうまでされたら、ボクからは何も言えないじゃないですか」

    P「ごめんな」

    幸子「卑怯、ですよ。馬鹿、ですよ。こんなに可愛いボクのプロデューサーを、してるのに……っ」

    P「……何を言われる覚悟もできてる」

    幸子「えぐっ、ぐすっ……」

    6 = 1 :

    幸子「……ぐすっ……プロデューサー、さん」

    P「なんだ?」

    幸子「すぅ、はぁ……」

    幸子「こんな可愛いボクを捨ててまで夢を追いかけるんです。絶対に、絶対に夢を叶えないとダメですよ?!」

    幸子「これで夢を叶えられませんでしたー。なんて、絶対認めませんからね!!絶対ですよ!!」

    P「幸子……」

    幸子「あと。ちゃんと最後まで、お別れの日まで、ボクのことちゃんとプロデュースしてくださいね!」

    P「……ありがとう、幸子」

    幸子「べ、別にお礼を言われるような事じゃないですよ!ボクは当然のことを言ったまでです!」

    7 = 1 :

    P「わかった。最後まで全力で幸子をプロデュースするよ」

    幸子「……でも、やっぱり」ポスッ

    P「……」

    幸子「少しだけ、少しだけ、顔見ないで、目をつぶって、ボクを抱きしめててください」

    P「……ああ」ギュッ

    幸子「ぐすっ、うぐっ」

    幸子「うあああぁぁぁぁ……」

    8 = 1 :

    ―――その一週間後―――

    P「えーっと。皆さん、今まで本当にありがとうございました」

    ホントウニヤメチャウンデスカ?! ウグッエグッ ヤダヨォヤダヨォ

    P「……ごめん、本当にごめん。俺の我が儘で―――」

    ちひろ「プロデューサーさん」

    P「ちひろさん?」

    ちひろ「笑ってお願いします」

    P「え?」

    9 = 1 :

    ちひろ「笑って、お別れしましょう?」

    ちひろ「それを、みんなも望んでいるはずです」

    ちひろ「……少なくとも、私は。笑って別れたいです」

    P「……そう、ですよね」

    ちひろ「ほら、みんなも笑って笑って!これが永遠の別れになるワケじゃないんだから!」

    P「みんな……今まで楽しい思い出をありがとう!」

    P「俺はこの事務所で過ごした日々、絶対忘れないから!」

    P「また、何処かで!!絶対に、会えるから!!」

    P「……さよ、なら!!」

    ちひろ「最後に、泣くなんて、台無しじゃないですか」

    P「ぐすっ、ちひろさん、こそ!」

    ちひろ「ほ、ほら、笑って……笑っ……ぐすっ」

    10 :

    早まったことはやめるんだ

    11 = 1 :

    ―――お別れパーティ後―――

    P「幸子」

    幸子「……なんですか、Pさん?」

    P「はは。幸子に名前を呼ばれるのも久しぶりだな」

    幸子「そうですね……」

    P「最後に、言い忘れてた事があってさ」

    幸子「なんですか?」

    P「どうしても、どうしても何かあったなら……俺の机の上から二番目の引き出しを開けてみろ」

    幸子「……わかりました」

    P「俺の最後の置き土産、だ。幸子にだけ教えておくよ」

    幸子「……」

    P「大丈夫だって、また会えるよ」ポン

    幸子「こ、子供扱いはやめてくださいよ」

    P「ははは……それじゃ、またな」

    幸子「はい……また」

    12 :

    ドッキリなのか

    13 = 1 :

    ―――事務所 幸子目線―――

    それから。

    二週間くらいが経ちました……

    幸子「仕事、ですか」

    ちひろ「はい。今回は水族館観光です」

    幸子「……あの人がいなくなってから、無茶な仕事がなくなりましたね」

    ちひろ「……そうですね」

    幸子「……凛さんとまゆさんは?」

    ちひろ「なんとか気力で仕事をしてる状態です……でも、心配ですね」

    幸子「……」

    あの日から。

    すべてが変わってしまいました。

    14 :

    金のないキモオタなんかようないですよー

    15 = 1 :

    プロデューサーさんがいなくなって。

    一週間くらいは、立ち直れない人が沢山いました。

    凛さんやまゆさんは特にひどく、部屋に引きこもっていたようです。

    ボクみたいに、最後に声をかけてもらった人達はかなり早く仕事に復帰しました。

    大人組の皆さんはもういつもと変わらない様子で……さすがです。

    ……でも、やっぱり。

    ボクも、みなさんも。

    どこか―――壊れてしまいそうで。

    幸子「……」

    プロデューサーさんの、机。

    幸子「……」

    あの日、言われたこと。

    16 = 1 :

    P『どうしても、どうしても何かあったなら……俺の机の上から二番目の引き出しを開けてみろ』

    幸子「……」

    プロデューサーさんの机に手を伸ばします。

    ちひろさんが見てるのも、気になりませんでした。

    二番目の引き出しに、手をかけ―――

    幸子「……っ」

    音を立てて、勢いよく、開きました。

    17 = 12 :

    やっぱりドッキリだったか

    18 :

    エッチな本か

    19 = 1 :

    幸子「……?」

    入っていたのは、折りたたまれた一枚の紙。

    幸子「なんだろう、これ」

    ちひろ「幸子ちゃん……それは?」

    幸子「……プロデューサーさんの、置き土産だそうです」

    ちひろ「置き土産……?」

    紙を開き、中を見ます。

    そこには―――下手くそな、焦って書かれたような地図が、記されていました。

    20 = 1 :

    幸子「……地図?」

    ちひろ「たぶん……このあたりでは、ないと思うんですが……」

    幸子「それにしても……下手くそですね」

    ちひろ「凄く焦って書いたみたいですね……」

    幸子「……ちひろさん。この地図に書かれてる場所、調べてくれませんか?」

    ちひろ「わかりました。あの人の置き土産だというのなら……」

    その日。

    地図が気になって、レッスンどころの話ではなくなってしまいました。

    21 :

    ウソエイトオーオー的な

    22 = 1 :

    ―――翌日―――

    幸子「ちひろさん」

    ちひろ「はい。わかりましたよ。場所」

    幸子「……どこ、ですか?」

    ちひろ「○○区の、△△というところです」

    幸子「……あの、えっと」

    ちひろ「幸子ちゃん。行ってらっしゃい」

    幸子「……へ?」

    ちひろ「今日のレッスンは全部キャンセルしておいたわ」

    幸子「ちひろ、さん」

    23 :

    >>21
    見覚えの元はそれか。

    24 = 1 :

    ちひろ「早く行きなさい。ちゃんとした地図も書いておいたから」

    幸子「その、あの……ありがとう、ございます」

    ちひろ「ふふっ。お礼なんていらないわよ」

    ちひろ「ちょーっとばかし、スタドリを買ってくれれば―――」

    幸子「行ってきます」

    ちひろさんは、相変わらずでした。




    ちひろ「……まぁ、きっと驚くでしょうねー……」

    25 = 1 :

    ―――○○町 △△―――

    幸子「……ここ、ですかね」

    幸子「……休業中……?」

    幸子「居酒屋さんか何か、ですかね?でも、それにしてはお洒落なような……」

    幸子「……まさか」

    カランカラーン!

    ???「あ、すみません。まだ休業中で―――」

    幸子「あ……」

    ???「ああ、なんだ幸子か。久しぶり、かな。そろそろ来るかなとは思ってたけど」

    幸子「何を、してるんですか……?」

    ???「何って、そりゃ」


    P「喫茶店、だけど?」

    26 = 18 :

    これはアイドルに埋もれますね

    27 :

    まゆと凛がアップしました

    28 = 1 :

    ―――数分後―――

    幸子「……馬鹿」

    P「あのー。幸子さんや」

    幸子「Pさんの、馬鹿。馬鹿馬鹿馬鹿」

    P「俺が悪かった。だけど、ちゃんと地図は残しただろ?」

    幸子「許しません。凄くびっくりしたんですから」

    P「あのー。わかりましたので、そろそろ離していただけると……」

    幸子「ふんだ」ギューッ

    P「(拗ねてる幸子も可愛いなぁ)」

    29 :

    喫茶店か……
    看板娘に元アイドルとか居たら売上が伸びますね(白目

    30 = 1 :

    幸子「それで、こんなところで何をしてるんです?」

    P「さっきも言ったけど、喫茶店」

    幸子「……それが、夢ですか?」

    P「ああ、小さい頃から、こんなこじんまりとした喫茶店を経営するのに憧れてたんだ」

    幸子「言うのを引き伸ばしたのは?」

    P「ここを買い取れるかどうかまだわかんなかったんだよ」

    幸子「あの地図の下手くそさは?」

    P「買い取れたと同時に書いたから。時間なかったし」

    幸子「……馬鹿」

    P「……とりあえず、何か飲むか?奢るぞ」

    31 = 1 :

    幸子「……お勧めは?」

    P「うーん……ダージリン、かな」

    幸子「それじゃ、それを」

    P「かしこまりました。お客様」

    幸子「……ぷっ。似合ってないですよ」

    P「悪かったな」

    幸子「でも……少し、格好良い……と思います」

    P「……ありがとな」

    32 = 1 :

    P「こちらがダージリンになります」

    幸子「……結構、いい香りがしますね」

    P「素材にはこだわってるからな」

    幸子「……いただきます」

    幸子「……なんですかこれ。凄く美味しいんですけど」

    P「喫茶店を経営するんだから、これぐらいの味は出せないとな」

    幸子「でも、今まで飲んだ中で一番美味しいですよ?」

    P「そりゃどうも。店主冥利につきるってもんだ」

    33 :

    輿水幸子(14)

    34 = 1 :

    幸子「……」

    P「落ち着いたか?」

    幸子「はい……あの。Pさん」

    P「なんだ?」

    幸子「さっき、店主って言ってましたけど……ほかに人は?」

    P「まだ俺だけ」

    幸子「そう、ですか。寂しいですね」

    P「まぁな」

    幸子「……よし」

    35 = 1 :

    >>33 画像ありがとうございます!

    幸子「Pさん!」

    P「なんだ?」

    幸子「こんな可愛いボクが、ここでバイトしてあげますよ!」

    P「……なんだって?誰が?」

    幸子「ボクが!」

    P「どこで?」

    幸子「ここで!」

    P「……何をするって?」

    幸子「バイトですよ!」

    P「……いやいやいやいや!!」

    36 = 1 :

    幸子「なんですか?可愛いボクに不満があるんですか?」

    P「いや、容姿に問題があるわけじゃなくて」

    幸子「じゃあなんですか」

    P「お前、アイドルじゃん?仕事もあるじゃん?レッスンもあるじゃん?それに14歳じゃん?」

    幸子「大丈夫です!なんとかしますよ!ちひろさんが!」

    P「ちひろさん……」

    幸子「こんなに可愛いボクを雇えるんですよ?感謝してくださいね!!」

    P「……まぁ、いいか。幸子に教えたから、こうなることは大体予測してたというか……」

    幸子「ふふーん!楽しみにしててくださいね!あっという間に大人気店ですよ!」

    P「……俺はこじんまりしてた方がいいんだけどなぁ」

    幸子「目指すはトップカフェです!可愛いボクがバイトするんですからね!」

    37 = 1 :

    ―――翌日―――

    幸子「~♪~♪」

    ちひろ「幸子ちゃん、上機嫌ですね」

    幸子「そう見えますか?」

    ちひろ「実際そうなんでしょうけど。会ったんでしょう?Pさんに」

    幸子「……なんで知ってるんです?」

    ちひろ「何回も経営とかについて相談されましたし」

    幸子「……むぅ。知ってるのはボクだけだと思ったのに」

    ちひろ「残念でしたね。私もこの前お邪魔しましたけど、いいお店ですよね」

    幸子「そうですよね!まぁ、ボクがバイトするんですからお洒落な店なのは当然ですけど!」

    ちひろ「え?」

    幸子「え?」

    38 = 1 :

    ちひろ「……はぁ。幸子ちゃん……」

    幸子「わかってます。レッスンとか、仕事もちゃんとこなしますから!」

    ちひろ「……まぁ、幸子ちゃんなら大丈夫でしょう」

    幸子「ありがとうございます!」

    ちひろ「それじゃあ、今日は早く上がれるようにしときますね。その代わり、明日は頑張ってください」

    幸子「はい!」

    幸子「……でも」

    ちひろ「なんですか?」

    幸子「あ、いえ……なんでも」

    幸子「(ボクだけ幸せっていうのは……なんか)」

    幸子「(そうだ。誰か一人にだけ教えてあげることにしましょう!ボクは優しいので!)」


    幸子が教えたアイドル >>40 

    39 :

    ままゆ

    40 :

    ユッキ

    41 :

    あずき

    42 :

    茄子

    43 :

    悪くないが秘密にはできなさそう

    44 = 23 :

    静か・隠匿とかの単語に一番遠い人が・・・

    45 = 1 :

    ―――女子寮 友紀の部屋―――

    幸子「……お邪魔しまーす」

    友紀「……んー?幸子ちゃーん?」

    幸子「うわっ!酒臭っ……なんですかこのビール缶の山?!」

    友紀「えへへー。幸子ちゃんも飲むー?」

    幸子「なんで昼間から酒盛りなんてしてるんですか!ちょ、缶ビール渡そうとしないで!」

    友紀「一緒に飲もうよー。飲む相手がいなくてつまらないんだよー……」

    46 = 1 :

    幸子「はぁ、もう仕方ないですね……友紀さん、ちょっとお出かけしましょう」

    友紀「お出かけー?なんでー?」

    幸子「酔い醒ましにいい紅茶とかを出してくれる喫茶店を見つけたんですよ。一緒に行きましょう」

    友紀「紅茶かー。うん、行くー……」ダラーン

    幸子「ちょ、寄りかかってこないでくださいよ!」

    友紀「楽しみだなー!」

    幸子「とりあえず自分で歩いてくださーい!」

    47 = 1 :

    ―――P喫茶店―――

    カランコローン

    P「いらっしゃいま」

    幸子「Pさん!この酔っ払いを早くどうにかしてくださいよ!!」

    友紀「えっへへへへ……」

    P「……なんで連れてきた?」

    幸子「だって……ボク一人だけ幸せなのも……何か」

    友紀「酒だー!酒をよこせー!」

    P「幸子は優しいなぁ!だけど人選間違ってないかなぁ!!」

    幸子「とりあえず酔い醒ましになりそうな飲み物でも作ってあげてください!ああもう、ほら、座って!」

    友紀「なんだぁー?!酒はないのか酒はー!!」

    P「無茶苦茶だな……まぁ、いいけど……」

    48 = 1 :

    P「ほい、シジミの味噌汁」

    幸子「……まぁ、予想はついてましたけど」

    友紀「いっただっきまーす!」ゴクッゴクッ

    幸子「うわぁ、味噌汁を一気飲みしてる……」

    友紀「ぷはぁっ!うまい!もう一杯!!」

    P「へいへい」

    幸子「味噌汁をもう一杯っておかしくないですか?!」

    P「友紀にとっては普通なんだよ……」

    49 :

    (あかん、居酒屋になる)

    50 = 1 :

    友紀「ぷっはぁ!いやぁ、プロデューサーの作る味噌汁は美味しいね!」

    P「そりゃどうも」

    友紀「……え?」

    P「ん?」

    友紀「ぷ、プロデュー……サー……?」

    P「そうだけど」

    友紀「……」ポロッ

    P「えっ」

    幸子「えっ」

    友紀「うわぁぁぁぁぁあああああん!!プロデューサーぁああああ!!寂しかったよぉぉおおお!!」ギューッ!!

    P「ちょ、友紀、落ち着けって!落ち着けえええええ!!」


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