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    元スレエレン「ま、やれるだけやるさ」

    SS+覧 / PC版 /
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    51 :

    フェイントに見せかけた本命
    これはよくある

    52 = 1 :

    エレン「やるぞ。絶対にやるんだ」

    尋常じゃない剣幕でエレンは怒鳴り飛ばす。

    ジャン「無茶だ、もう戦意はまともに残ってねえんだぞ!?」

    エレン「先陣は俺が切る。お前らは俺の後ろに引っ付いてればそれでいい」

    ガスボンベを小突き、残量を確認。

    心もとない量だが、まだいける。

    だが、エレンは必死に檄を飛ばしながらも、ふと脳内の余白に考えを浮かべた。

    ――俺、なんのために戦ってるんだっけ?

    決まっている、大切な人を、巨人に食われてボロボロにされたあの人たちを迎えに行くために。

    アニ「あんた、あんたこそ大丈夫なんだろうね?」

    エレン「俺は強い! ここにいる誰よりも強い! だから分かる、俺たちはあそこまでたどり着ける!」

    自分でも無我夢中で叫んだ。そうでもしなければ自分を保てない。

    今まで自分を支えてきた揺るぎないものが崩壊していく音が、エレンの頭蓋骨に響いた。

    53 = 1 :

    ジャン「だからどうやって!」

    エレン「無駄に巨人の相手をする必要はない。最低限の数を屠りながら突破する」

    単純な考えだが、どう考えても全員が無事に済むとは思えない。これはつまり、ついてこれない人間は切り捨てるということなのだ。

    コニー「ああ、それしかねえよ! ここにいたってジリ貧だ、全員殺されるよりまマシだ!」

    先ほどのミーナを末路を見ていたからか、コニーは突破口に食いついた。

    他の訓練兵たちも少しずつ、瞳に光を宿していっている。

    ジャン「……ああクソッ、煽るだけ煽りやがってどうすんだおい。数だけはたくさんいるぞ」

    エレン「やってやる! 俺はまだ死ねない!」

    なんで、どうしてだ。俺はなんのために戦うんだ。もう二人は。■■■も■■■■もだめかもしれなくて俺ががんばってきた意味はないかもしれないのに。

    それでも戦わなくてはならない。

    世界はエレンに闘争を強いる。

    エレン「続けえええええええええええええっ!!」

    54 = 1 :

    入り組んだストリートを疾走する。低空を維持したまま、ガス噴射の慣性で一気に加速。最低限の消費でどうにか巨人群を突破。

    すれ違いざまの斬撃で弱点を丁寧に切り取ろうとする。

    フランツ「よ、よし! 俺たちも!」

    切り開かれた道を後釜も追随する。

    ワイヤーを壁に突き刺して駆け抜けようとしたフランツを、下から突然現れた手が叩き落した。

    うなじを切り取られたはずの巨人が再び立ち上がる。再生が始まっていた。エレンの攻撃が浅かったのだ。

    そのまま墜落したフランツをつまみ上げる。末路など分かりきっている。

    ハンナ「え……え、え!? フランツ!?」

    コニー「おいハンナ危ねえ!」

    家屋の影から姿を現した8m級巨人が、出会いがしらにハンナの両足を食いちぎる。

    ハンナ「やあああっ!?」

    フランツ「う、うああ……」

    同時に二名脱落。噛み砕かれる音がエレン達の背を追う。

    ジャン「おいエレン、お前さっきから殺し損ねてんぞ!」

    エレン「……ッ!!」

    同様が殺しきれない。立体機動こそまだまともにやれているが、戦闘は無理だ。

    あと少しで補給所までたどり着く。

    クリスタ「エレンッ!!」

    真横に併走する金髪が、視界の隅で躍った。

    55 = 1 :

    クリスタ「だめだよエレン! 今のエレンは死に急いでる!」

    エレン「……誰がッ!!」

    巨人の豪腕をすれすれで避ける。風圧で吹き飛ばされそうになるクリスタの腕をつかみ、あちこちから死をもたらす衝撃が迫る中を必死に駆け抜ける。

    コニー「おらぁっ!」

    ジャン「今なら俺でも……!」

    俊敏な動きでかく乱するエレンと、後続として隙だらけの巨人を狩り続けるコニーとジャン。

    偶然がもたらしたフォーメーションだったが、結果的には現状で最大の突破力を有するに至った。

    クリスタ「エレンだって分かっちゃったんでしょ!? 友達が、家族がどうなったのか!!」

    エレン「やめろ言うな! やめろやめてくれ!!」

    自分の存在意義の根底を成していた基盤がひび割れる。

    クリスタ「今すぐにでも戦死すればいいなんて思ってるんでしょ!?」

    図星、だった。

    56 = 1 :

    クリスタ「私はあなたの表情を知っている! あなたの絶望を知っている!」

    エレン「うるっせェ!! そんな簡単に、分かってたまるかよ!」

    ブレードを振るう。巨人の首に深い切れ込み、だが致命傷には至らない。

    そこをクリスタが追い討ちをかけ完璧に仕留める。驚異的なスピードで訓練兵たちが巨人を駆逐し、侵攻していく。

    クリスタ「私は、あなたと同じだから!!」

    エレン「ッ!?」

    ブレードが空を裂き、ジャケットがはためく。

    屍山血河の戦場に閃くエレンとクリスタのシルエットが交錯する。

    クリスタ「死に場所を探して兵士になった! もう何もかもがどうでもよくて、いつ死んだって良かった!」

    15m級を無視して突破。すでに補給所は目と鼻の先だ。

    喉から振り絞るようにしてクリスタは叫び続ける。

    クリスタ「でも私は! あなたと出会った!!」

    エレン「……!」

    57 = 1 :

    クリスタ「希望を見たから、私も人類のために戦えるかもって思えた! だから私はあなtない、死んでほしくなんかないっ!!」

    エレン「……」

    一閃、7m級のうなじを切り落とす。

    迷いの薄い剣戟が確実に巨人の生命を刈り取る。

    エレン「……でも、俺は、これから……」

    サシャ「エレンっ! これからはこれからですよ!」

    斜め前方の巨人が突如崩れ落ちた。隙を伺っていたサシャが仕留めたようだ。

    サシャ「ほらリーダー! 作戦通りみんな着いてきてますよ!」

    エレン「り、リーダー?」

    アニ「あんたが炊きつけた、あんたが率いて進軍した。今ここの指揮官は、あんただ」

    後ろを見れば、想定をはるかに上回る数の訓練兵が生き残って、ここまでたどり着いている。

    自分のような死にたがりに、死せた存在にすがり付いてみっともなく生きてきた人間の背に、希望の光を見出して。

    ――人はそれを英雄と呼ぶのかもしれない。

    58 = 1 :

    エレン「……間近だ」

    アニ「ああ」

    ライナー「このまま突破するのか!」

    ベルトルト「勢いも十分あるし、いけるよエレン!」

    続々とやって来る仲間たち。

    エレン「全員気を引き締めろ。ここで死ぬな、ここまで来て死んだら、あの世で夕食抜きのランニングに処してやる」

    サシャ「ええっ! それは困ります!」

    コニー「お前は本当にバカなんだな……」

    ジャン「ったく、ここにきて冗談とか、なんともまあ……おい、誰かマルコを見てないか?」

    両手のブレードをしっかりと握る。

    自分は死にたいのか、生きたいのか。

    戦いたいのか、あきらめたいのか。

    エレン「進め! 進め! 真っ直ぐに進め! お前らは人類の反撃の嚆矢だ! 狼煙だ! 逆襲の合図だ!!」

    立体機動装置の駆動音がいくつも重なる。

    彼自身も飛び出そうとして。


    隣にいたはずの少女がいないことに気づいた。

    59 = 1 :

    ちょっと抜けます

    60 = 7 :

    ああ、やっぱり……

    61 :

    正直嫌な予感はしてた

    62 :

    クリスタ…

    63 :

    バッドエンドか…それでも最後まで見届けたい
    保守

    65 :

    海馬「全速先進だ!」

    69 :

    ここは猿もないし誰も書きこまなくても一ヶ月は落ちないから支援も保守も必要ない
    ふつーに感想だけ書けばいい
    あと作者以外はsageるほうがいいぞ、鬼の首取ったように騒ぐ連中が居るからな

    70 :

    久々に進撃のSSでシリアス且つ良いのを見れた

    71 :

    …クリスタが死んだらまずくね(壁の秘密関係で)?

    72 :

    また見守らなければいけない進撃スレが増えたな

    73 :

    クリスタ逝ったか...

    74 = 71 :

    SSでクリスタ死んだのこれで三回目か。

    75 :

    >>74
    ミカサをシャブ漬けにしてアルミンに殺されたのと、全滅ENDで巨人に食われたのだっけ

    76 = 71 :

    >>75
    そうそう。まあ、ミカサのシャブ漬けは自業自得だけどな。

    78 :

    >>76
    半年ROMってろ

    79 :

    いたはずだ。

    クリスタ・レンズが隣にいて、自分に発破をかけていたはずだ。

    エレン「……クリ、スタ?」

    認められない。

    確かにさきほどまでいたはずの存在の欠如を、認められない。

    恐る恐る、ギチギチと首をめぐらせる。

    ジャン「行け行け行け! 早く進めよ!」

    みんな前ばかり見て突き進んでいる。エレン以外に横を見るものはいない。

    8m級の頭頂部だけが見える。

    慌てて屋根の端まで駆け寄る。

    壊れた人形のように、地面にぼとりと落ちた金髪の少女。

    81 = 79 :

    エレン「う、ぁ」

    まだ生きている。クリスタはまだ生きている。横合いから不意打ちを受けて落下したようだ。

    巨人がにたりと笑う。

    細い腕が一本、口元からはみ出ている。

    クリスタをもう一度見る。左腕がない。

    エレン「……! てめぇ」

    小柄な体躯が摘み上げられた。

    いけ、助けろ、彼女を助けるんだ、エレン。そう自分の中で叫び声があがる。けれど動けない。

    エレン「……ぅ」

    見たことがある。この光景を自分は見たことがある。金髪が黒髪にダブる。こちらを見る生気のない瞳。口元がわずかに開く。

    『戦わなければ勝てない』

    気づけばクリスタはもう口元まで運ばれていた。足が縫いとめられたかのように動こうとしない。

    汗がにじむ。視界がぼやけ、頭の中でガンガンと騒々しい音が鳴る。

    うるせぇ。

    『戦わなければ勝てない。そう言ったのはエレン』

    分かってる。

    『戦わなければ勝てない。生き残れない、何も守れない』

    もうお前を守れなかったんだ。なのにいまさらどうしろってんだ。

    エレン「俺は、俺はッ……!」

    デジャヴ。かつての光景と眼前の絶望が重なる。

    82 = 79 :

    『戦うんだ、エレン!』

    俺の戦う理由はお前たちだ、だったんだ、でももう……

    『目の前の子は、私じゃない』

    『エレン、君はかつて動けなかったかもしれない。でも』

    『でも今は違う』

    ……そう、だ。

    エレン「今は、違う」

    両手には刃がある。体は戦うためにある。視線を突き刺す。あと数秒で彼女は致死の口蓋に吸い込まれる。

    許容できるものか。

    体は、動く。

    先ほどまでの眩暈が嘘のように、動く。

    動く!!

    エレン「調子にッ」

    アンカーを同時に射出、ガス噴射と平行して最短で突っ込む――真正面から。

    エレン「のってんじゃねええええええええええええ!!」

    閃く刃が、巨人の手首をまるごと切り裂いた。

    83 = 79 :

    エレン「らァァァァッ!」

    クリスタを拾い上げ、空中で一回転。

    常人なら目を回す突発軌道での180度ターン。勢いをつけて巨人の双眸を引き裂いた。

    視界を潰し、隙だらけの間に後ろへ回りこんでトドメ。

    ここまで二秒弱、並みの兵士なら目で追うことすら困難な機動だ。

    クリスタ「う、んっ……」

    エレン「クリスタっ!」

    ひとまず屋根に足を落ち着け、クリスタを介抱する。ジャケットをきつく結んで千切られた左腕を止血。

    彼女の瞳が薄く開く。

    クリスタ「あ、れ……?」

    84 = 79 :

    エレン「良かった、本当に良かった――っとッ!?」

    瞬間、二人がさっきまでいた地点を15m巨人が叩き割った。

    とっさの反応でクリスタを突き飛ばし、二人は真反対に吹き飛ぶ。

    エレン「しまっ……クリスタぁ!」

    クリスタ「んっ、うぅ」

    まだ意識が朦朧としているのか、クリスタはもぞもぞと動くだけで立ち上がろうとはしていない。

    周囲に巨人が集まってきた。4体ほどだ。

    エレン「ひとまず全部駆逐してッ……!?」

    アンカーを射出しようとして、腰元の立体機動装置がうんともすんとも言わないことに気づく。

    先ほどの衝撃で不具合が生じたのか、どうにもならない。

    エレン「ガス残量もほぼゼロ! ガスの慣性で全部ぶっ殺すしか……!」

    冷静に考えればそんなことできるはずもない。立体機動装置なしに無謀すぎる。

    さらに巨人は4体。補給所への突破を目指すのなら、ここでガスを使うわけにはいかないのだ。

    最善の一手は分かりきっている。

    クリスタ「え、れ……」

    エレン「…………」

    85 = 79 :

    そしてエレンがそんなものを決して選ばないことも、分かりきっている。

    エレン「俺のキルスコア稼ぎに付き合ってくれよ、なァ?」

    切っ先を突きつける。

    恐怖という原始的な感情すらない、家畜以下の下等生物4匹ごときに手間取る必要はない。

    何より、もう。

    エレン「もう失いたくない! もう守りそこなったりしない!」

    戦うための理由を、背負ってしまった。

    エレン「るアァァ!!」

    噴射。戦場へ一直線にかっ飛ぶ。

    振り上げられた手を、あろうことか蹴って方向転換。空中で腰を捻りうなじめがけて再び加速。

    一撃で、屠る。両刀が弱点を余すところなく削り取った。

    エレン「一体ィ! 次!」

    家屋に飛び移る。エレンを叩き潰そうとする巨人の手を避け、腕を駆け上がる。

    虫でも振り払うかのような動作で目標8m級巨人は片腕を振り回した。

    エレン「ッハァ!!」

    その勢いすら利用して宙に躍り出る。目標目の前。

    ガスを噴射。超加速のスピードを乗せて、ブレードを眉間に叩き込んだ。そこを起点として巨人の頭を飛び越える。

    ちょうど目の前に弱点が届いた。一刀のみで、素早く二断――巨人が崩れ落ちた。

    エレン「二!! クリスタ待ってろォ!!」

    86 = 79 :

    そして次の巨人が膝をついたときだった。

    ミーナを見つける直前に聞こえた、あの音。

    エレン「……!」

    必要不可欠な加速装置が消え、残り一体にしてついに打つ手がなくなった。

    ひとまずクリスタに視線をやるが、幸いなことに近辺に巨人は見当たらず、彼女自身もしっかりと起き上がり、どうにか二本の足で立ち上がろうとしている。

    クリスタ「だめ……逃げて……!」

    エレン「まだだ! まだ殺せる、殺れるだけは殺ってやる!!」

    最後の巨人を見上げた。15m級。

    なんてことはない一体が、今は異様に大きく感じる。手元の超硬ブレードも刃が欠け根元とわずかな刃しか残っていない。

    エレン「ガス残量ゼロ! 換えの装填用ブレード残数ゼロ!」

    それでも、諦めない。

    エレン「もう諦めねぇ! クリスタ、俺は諦めない!」

    今まで被っていた厚い仮面を脱ぎ捨て。

    彼は、エレン・イェーガーは本来の獰猛な、まるで肉食動物が獲物を前に浮かべるような笑みを見せた。

    犬歯が剥き出しになる。

    エレン「死んじまったらもう、あいつらのことを思い出すことも、今度こそ誰かを守ることもできねえ!」

    折れたブレードを構える。

    エレン「だから、何としてでも勝つ! 何としてでも生きるッ!!」

    87 :

    ――――――――――――――――――――――――

    ――――――――――――――――

    ――――――――

    補給所内部で、3m級巨人を掃討したジャンたちは、新たな3m級を警戒しながらもガスを補給していた。

    ジャン「よし……よし……いけるぞ!」

    補給兵「何が行けるだ……無理なんだ、俺たちはもう」

    コニー「ぐだぐらうっせえんだよこの腰抜け!」

    青筋を浮かべたコニーが、うつむいた補給兵を蹴飛ばす。

    正直この連中を切り殺したいほどに苛立ちは募っていたが、ここでは我慢する。

    ジャン「お前らが任務を放棄してここでガタガタブルブル震えている間、俺たちはその巨人を殺して突破してここまで来た」

    アニ「ああ。まだ希望はある」

    ライナー「あいつが俺たちを導いてくれた」

    ベルトルト「大丈夫、勝てるさ。彼がいる限り負ける気はしない」

    サシャ「……そういえば本人が遅いですねぇ」

    88 :

    胸熱

    89 = 87 :

    サシャがそう言ったちょうどその時、外から声がかけられた。

    104期生「一人また来たぞ!」

    扉を開けて入ってきたのは、俯き金髪で顔を隠した小柄な少女。

    ユミル「クリスタ!!!」

    すぐにユミルが抱きつき、涙を流しながら彼女は大切な少女の生存を喜んだ。

    だが、本人は身じろぎもしない。何か体を動かす歯車が欠落してしまったかのように、ぼそぼそと喋っていた。

    抱えている布にくるまれた何かを必死に握り締めながら。

    ジャン「……おい、ガス補給は?」

    クリスタ「……は……い、……ました」

    コニー「はぁ?」

    顔が上がる。

    泣きはらした赤い目。

    アニ「あんた、それ、まさか」

    誰もが耳をふさごうとした。

    クリスタ「訓練兵34班……フランツ、ハンナ、エレン・イェーガー」

    絶望が、ついに足音を殺すこともなく迫る。

    クリスタ「以上三名は自分の使命を全うし、壮絶な戦死を遂げました!!」

    部屋の空気が、凝結した。

    90 :

    ど、どうせ巨人になって戻ってくるやろ

    91 :

    持ってるのはエレンの腕だろうし、生き返るんじゃね? ソワソワ

    92 :

    だだだ大丈夫だ、ままままだ慌てるときでははは

    93 = 87 :

    ジャン「は、はは、フランツとハンナは、俺もこの目で見た」

    震える声。ジャンは立ち上がると、恐る恐るクリスタに近寄る。

    よく見れば彼女も片腕を失っている。死線を掻い潜ってきた証拠だ。

    その彼女が、残った片腕で抱きしめていたそれを、ジャンに差し出した。

    コニー「……んだよ、それ」

    現実から逃げようとしても、目の前で打ちしがれる少女の息遣いがそれを許さない。

    布を、開く。

    部屋の全員が、エレンに希望の光明を見出した戦士たちが、その物体が最初なんであるか分からなかった。

    ジャン「右、腕」

    それは人間の一部分だった。見覚えのある屈強さ。ライナーの剛でもなく、コニーの柔でもなく、ただ引き絞られた、美しさすら感じる造形。

    クリスタ「それしか、持って来れませんでした……!!」

    94 :

    この世界は残酷なんだ…

    95 :

    まままままだ慌てる時間じゃない

    96 :

    その腕くっつけたらいいんじゃね

    97 = 91 :

    まだ慌わわわわわわ

    98 :

    やめろ


    やめろ

    99 :

    おまままらおおぉちぃぃつけぇええぇ(ガタガタ

    100 = 87 :

    最後の巨人を相手に、エレンは刀一本で立ち向かい、打倒してみせた。

    ただし空中で支えを失い、地に堕ちる中、死力を尽くした巨人に叩き落とされ。

    右腕が千切れ飛び、エレンは血だるまに、赤い肉塊に成り果てた。

    クリスタ「今回の戦闘で私は、いや、今回も……うっ、……何の戦果も得られませんでしたぁぁ!!」

    ジャン「もうッ、いい……もうやめてくれ!」

    自分の胸を自分で刺すように、彼女の慟哭は止まらない。

    クリスタ「私が無能なばかりにただいたずらに彼を死なせ、彼を、彼という希望を生かしてここにたどり着かせることが、できませんでしたぁぁぁぁ!!」

    希望の象徴が零落した。

    104期生「もう……ダメだ……」

    104期生「俺たちは、ここで死ぬのか」

    誰もが膝をついた。

    言葉ひとつなく、沈黙が沈む。

    窓を破り3m巨人が部屋に入ってきた。それでも、誰も動けない。

    サシャ「あ、あははは」

    コニー「嘘だ、エレンだ、そんな、なんで」

    アニ「…………」

    ライナー「どうする」

    ベルトルト「最悪、ここでやるしか」

    瞬間、抜刀音。

    ブレードを装填した音が響き渡る。

    ジャン「ざっけんじゃねえぞ…………ッッ!!」


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