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    元スレ京太郎「俺は、楽しくない」

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    251 = 1 :

    『異変』

     なんて、先走って勝利を確信した瞬間。


    「須賀君。今日はまた、とても調子が悪そうですね」


     右前方から、掛けられる声。

     清澄の誇るアイドル麻雀少女が、まっすぐな眼差しを俺に向けていた。

     ドクン。

     心臓が跳ねる。

     バレてる……!?

     いや、落ち着け。東場だけで3回の振り込みで跳び寸前まで落ち込んでるんだ。そりゃ調子が悪くも見えるだろ。

     俺が全く振るわない局なんて、そう珍しいもんじゃない。

     怪しまれる要素は無かった筈。

     これはただの、雑談。

     下手を打つな。

     表情を作れ、気持ちを偽れ。

     隠し通せ――!

    「いやぁ、お恥ずかしいことになー。まぁ修行が足りないってことかな」

    「まったくだじょ!」

     そう和に重ねてくる真正面のタコス娘。

    「ATM化して、見せ牌して、いまだに焼き鳥。犬から鴨まで退化しちゃったんじゃないか?」

     随分な言い分だけど、今の俺にはありがたい助け舟。

     優希との掛け合いで、うやむやにしてしまえ。

    「そこまで言うかー?」
    「言うじょ! ただでさえ初心者のダメダメ雀士の癖に、『ついうっかり』なんて言語道断っ! 態度がなっとらんじぇ!」
    「ちょっとマジで凹んでくるんで、ご容赦いただけませんかね……?」
    「ふん。容赦してほしかったら、もっと集中するんだじょ!?」

     集中してるとも。この上なく。

    「はいはい、分かってるよ。全く、耳が痛いぜ」

     なんて軽口で話を流そうとした時。


    「まぁまぁ、京太郎もわざとやっとる訳じゃないんじゃろ。言わんでやっときんさい」

     なんて声。目を向けると、麻雀部随一の常識人である染谷先輩の姿。

     いつの間に部室に……? いや、俺が対局に夢中で気が付かなかったのか。

     染谷先輩はスタスタと俺の後ろまで来て。

    「わしが後ろから様子見とってやるけぇ、好きに打ちんさい」


    252 = 1 :

    「……え?」

     後ろから? 俺の手牌を?

     思考停止。

     ちょっと待て。

     さっきまで俺が牌を好き勝手に流せてたのは、面子になってる牌も塔子になってる牌も関係なく捨てられたからであって。

     後ろから俺の手牌を覗かれてたら、そんな妙な打ち方出来るわけない。

     ……断固阻止しなければ!

     首を回し、傍らに立ってる先輩を見上げる。

    「いや、わざわざ先輩のお手を煩わせるのも悪いかなーって」
    「何遠慮しとるんじゃ。先輩が後輩の面倒を見るのは当然。煩わせるも何も、最初からわしの仕事じゃあ」


     ……この人、すっごく面倒見がいい!

     ありがたいけど、ありがたくない!

    「その、俺だけ見てもらうのもフェアじゃないですし」
    「一番必要なのはアンタじゃろうが。それに、心配せんでも集中しとるところに後ろから口出ししたりはせんよ。対局後に、悪
    いところと直すべきところだけ教えちゃる」


     ……この人、すっごく気が利いてる!

     いや利いてるけど、利いてない!


    「あ……じゃあ、お願いします」
    「うん。きばりんさい」

     これ以上言っても、怪しまれるだけだ。

     俺は前に向き直り、上家に座る同級生に一縷の望みを掛ける。

     あとは頼んだぜ、咲。

     最初から、咲に頼ってしかいなかったけれども。


    253 = 1 :

    『暗雲』

     南一局。和の親。

     今のところ咲のトップ。安手で和了ったって怪しまれない。

     咲の早和了りに期待するしかない。

     ただもうサインは期待できない。

     そして俺から無理に牌を流そうにも、後ろの染谷先輩の存在がそれを許さない。

     どうするか。

     と悩んでいる間に配牌。

     とりあえず普通に打たないと、と覚悟をする直前に気付く。

     配牌の13牌の中に、対子が4つ。

     そうだ、これだ。

     七対子狙い。

     これなら面子や塔子を崩すような打ち方をしても違和感はない。

     それに生牌じゃない牌を切って生牌だけ集めるのも、セオリーに合う。

     咲が聴牌した頃を見計らって、上手く生牌を切って和了ってもらう。

     行ける、筈。いやこれしか方法はない。

     決断を下せば、あとは行動。

     さっきよりも形勢は悪い。だが、現状で最良の選択ではあると思う。


     配牌から二向聴。全力で七対子を狙う!


    254 = 1 :

     しかし俺にとって最良の選択だった七対子。

     予想に反して、最良過ぎた。

     6巡を過ぎたところから切り始めた生牌だが、未だ咲の手牌に届くことはなく。

     そればかりか、10巡目にして聴牌。

     最後の牌は二萬。一枚切れではあるものの、三萬が壁になっている。

     あぶれた牌が出てきてもおかしくない、割と良い待ち。

    「ほぉ……」

     なんて後ろからも聞こえてくるし、リーチを掛けなければおかしいよな。

     でもリーチを掛ければ、咲へのアシストが出来なくなる。

     それに、現在三位の和だって先制リーチが入っただけで簡単に降りるとは思えない。

     もしめくり合いになれば、単騎待ちの俺は不利。それで和の連荘になってしまったら最悪だ。

     和了ればいいだけだから、点数は要らない。むしろ跳びにくくなってしまう分邪魔だ。

     しかしこの条件で、黙聴で待つ奴がいるだろうか。

     点数差を考えれば、ダマで待って1600点稼いだって何にもならない。裏が乗って満貫。

     リーチを掛けるメリットがないのに、リーチを掛けない理由がない。

     くそっ、仕方がない。

    「……リーチ」

     苦渋の選択。

     咲、それか優希。どうか和了ってくれ。

     俺からのロンが理想だけど、別にツモでもいい。

     最低でも、和の聴牌と和了りを阻止。そして出来れば俺が和了るのも阻止してほしい。


    255 = 1 :


    『破綻』

     なんて都合のいいようには、世の中いかないもので。

     13巡目。

     和の手牌から飛び出したのは、二萬。俺の当たり牌。

    「っ、ロン」

     和了った。親流れ。

     しかしこの和了りの点数によっては、俺が跳んで終わるのが相当難しくなる。

    「リーチ、七対子、裏は――」

     乗るな。

     要らない。

     乗るな――!



    「……ウラウラ。満貫」

     乗ってしまった。

     親は流せたものの、13巡目なんて特に早くもない巡目。

     俺の持ち点は一気に増えて、跳満直撃でも跳べない圏内まで浮上。

     順風満帆に思えた計画の流れが、少しずつ淀んでいく感覚。

     時計を見る。

     今の1局で、10分近く。

     確実に遅くなっている。勝負処を迎えて慎重になり、みんなの打牌のペースが下がっているのか。

     あと乗り越えるべきは次の優希の親だけ。

     とは言え、このペースで進んでしまうと流局でノーテン親流れ狙いなんてのんびりしたことやってられないかもしれない。

     俺はまだいい。元からギリギリ我慢できるかどうかってところだったから。でも咲は……。

     目をやる。

     もういくつか越えちゃいけないライン越えてしまっちゃっているような少女は、一周回って固まったように無表情。

     元々色白な方だけど、これは青ざめてるとしか言えない。

     ……限界だろ、色々と。

    「須賀君。早く、点棒を」
    「あ、あぁ。悪い」

     動きが止まっていたからか、和から急かされる。

     点棒を受け取ろうと右手を差し出し――

    256 = 1 :


    「えっ」

     そっと。

     俺の右手の下に左手を添えて、柔らかな両手で包まれるように点棒が手渡される。

     ドキリと、先程とは違った意味で心臓が跳ねる。

     思わず俺が目線を上げると、和の大きな目が俺を見ていて。

     パチッ。

     綺麗なウィンク。

     なんでもないような自然な仕草。でもそれは俺に向けられたウィンク以外の何物でもなかった。

     どういうことだ。

     思案して、一つの推論に辿りつく。

     もしかして、和も『仲間』じゃないのか。

     いや、それ以外にあるか。

     あんなに丁寧に点棒を渡されたことはなかったし、しかも咲と俺に合わせてのウィンク。

     もしそうなら、『同盟員』はこの卓に3人いることになる。多少の不利など問題にならない程の圧倒的戦力。

     ……試してみるか。



    257 = 1 :

    『光明』

     南2局。優希のラス親。

     ここを越えれば、終わりは見える。

     開始から数巡を浮き牌の処理に費やし、染谷先輩の監視へのカモフラージュ。

     5巡目の捨て牌。浮いているが、ドラ傍の四索を切ってみる。

    「んん?」

     怪訝そうな声が聞こえるが、無視だ無視。

     今の俺は麻雀ベタのノータリン、ドラにくっ付きそうな中張牌だって切っちゃうんです。

    「チー!」

     鳴いた。

     ドラの二索を使った234索の面子。

    「むっ。チー!」

     負けじと、優希も鳴き始める。

     まだだ。まだ足りない。


     次巡、打牌。二萬。

    「チー!」

     再び和が動き、234萬の面子。

    「むむっ。チー!」

     同時に優希も親を流されてなるものかと動く。


     6巡目。ようやく2段目に差し掛かったところなのに、もう全体で4副露。とんだ空中戦だ。

     でも、これで確信した。

     和も、早和了りを目指してくれてる。

     優希もそれに追い縋っているのが怖いけど、和ならやってくれる筈。

     いい加減、俺も変な打ち方ばかりをしてられない。

     どうにか和了ってくれ、和!

     と望みを託すものの、10巡目。

    「チー!」

     もう一度優希が和から鳴いて、恐らく聴牌。俺も降りなければならない局面。

     咲の方をチラリと見るが、その余裕の無さそうな目から聴牌臭はしない。

     優希の安牌を切りながら、和をアシストするしかない。

     そう思って牌を選び、もう一度和を鳴かせることが出来たものの、結局流局。

    「テンパイっ」
    「っ、ノーテン」
    「ノーテン」
    「聴牌」

     くそっ、十数分を無駄にした……!

     苦い顔をしていると、すまなそうな顔で和が頭を軽く下げてきた。

     ……いや、和を責める気はない。ツモが悪ければ和了れないんだから。

     しかしここにきて、咲の調子が下がってる。

     二人のどちらかが和了ってくれれば、と思っていたけど、和に頑張ってもらうしかなさそうだ。

    258 = 1 :

    『孔明』

     そうして迎えた南2局2本場。

     前局のリプレイのように、優希と和が鳴きまくる空中戦。

     俺も必死に応援を送るが、それが功を奏することはなく。

     流局間近の16巡。

    「っ。ろんっ! 平和のみ。1000は1300」

     和了ったのは、咲。鬼気迫る形相で、優希の親を流す。

     これで、残りは南3局と南4局。

     しかし南2局が長引いたせいで、南場に入って既に30分以上経過している。

     手早く南3局を開始するものの。



     もう咲は、限界だった。

     額には脂汗が滲んでて、唇が白くなる程強く噛まれ、全身プルプル震えてて、涙目だ。

     見てられない。

     脱力。そして自重気味に笑う。



     俺なんかより、咲はずっと辛い状態で。


     俺なんかより、ずっと頑張ってくれたんだ。


     そんな咲が、一刻を争う様な陥ってんのに。


     何も出来なかった俺が、さ。


     動かない訳には、いかないだろ。


     ゲームオーバー。

     俺のつまらない意地を張る戦いは、ここで終了。

     恥なんて、いくらかいても構わない。

     ここでこいつを見捨てる方が、よっぽど嫌だ。

     咲、見てろ。

     活路は、俺が開く――!

    259 = 1 :

     パタッ。手牌を隠す。

    「悪いんだけどさ、長引いちゃったしちょっとト――」


     がしっ。

     トイレに、と続けようとしたところで牌に掛けていた手を止められる。

    「須賀君。簡単に勝負を諦めては駄目です。最後まで、何があるか分からないんですから」

     なんてお手本のような優等生発言は、右側から。

     手牌を倒す動作がもう打つ気はないという意思表示とでも思ったのか。

     いやでも和は味方だろ。なんで止めるんだよ、と視線を送り。


    「っ……」

     言葉を失う。

     和の目は、確かに俺に向けられているのに、俺を見ていない。

     俺を励ますのではない、空虚な声。

     俺の存在を視認してないかのような、虚ろな目。

     それはまるで。



     『ただ一つの目的の為にそんなキャラクターを演じているかのような』。


    260 = 1 :




     腹の底が持ち上がるかのような、強烈な違和感。

     頭を強かに殴られたかのような、苛烈な衝撃。


     俺が部室に入った時に出ていたコップはいくつだった?

     咲と優希の、2つだけだ。

     和はもう先に飲んでしまって片づけたのかと思ってた。

     でも、そうじゃなかったら――?


     そう言えば。

     咲が『その筋では有名』だという、その情報源はどこだったか。

     俺の目の前の、彼女ではなかったか――?


     思い出せば。

     俺らの計画に綻びが生じたのは、ちょうど彼女が俺に声を掛けたからではなかったか。

     俺に協力するフリをしていたのは、咲へのアシストをさせない為。

     そして咲の調子を下げる為。

     その早さと正確さから機械とさえ例えられることもある彼女は、『慎重に打っている』から打牌ペースが落ちるような選手だっ
    ただろうか――?


     様々なピースが、噛み合わさって、何かを形作っていく。

     それはとても、禍々しく。


     彼女の狙いは――?


    261 = 1 :




     『そういえば、iPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです。』



     最後のピースが、嵌る。

     そうだ。

     だから、和は。

     和の狙いは、今現在のこの場の状況。それ自体。


     咲がトイレを我慢しているという光景を見たいが為に、この状況を作り上げたんだ……!

     そして、あわよくば――


     がちゃ。

    「いやー。参っちゃったわー」

     なんて、この場にそぐわない様な気の抜けた声を出しながら、部長が入ってくる。

    「参ったって、何がじゃ?」
    「んー? そうそう、みんなも気をつけなさい?」

     話し掛ける染谷先輩に、部長は答えて。



    「今日は部室棟のトイレ、故障中で使えないわよー」



     世界が止まった。


    262 = 1 :


    『終宴』

     嘘、だろ……。

     真正面の少女の瞳が、勝利を確信したかのように輝く。


     ちょっと、待て。待ってくれ。


     部室棟1階のトイレが使えないとしたら、俺たちが使える最寄のトイレは、グラウンドに隣接した屋外トイレ。

     普通に歩いても、片道5分はかかる。

     あまりにも、遠い。

     今の状態で、咲が普通に歩いていけるとは思えない。

     いや、俺だって。


     じゃあ、本来の制限時間は俺の考えていたものよりもずっと短くて。


    263 = 1 :



    「――そうだね」


     思考を遮る声。


    「諦めちゃ駄目だよ、京ちゃん」

     ゾッとする程冷たい手が、俺の左腕を掴む。

     一体何を。

     顔を向け、固まる。

     濁りきって、光を失った瞳。

     口は笑ってるのに、感情が一切伝わってこない。

    「ほら、京ちゃん。頑張ろうよ」

     優しげで思いやりのある、その言葉。

     でもそれは、悪魔の誘いに他ならない。


    「ね? 一緒に――」



     『一緒ニ、堕ちチャオウヨ……?』


    264 = 1 :


     なんで……?


     咲、お前――?


     諦めちゃってるんだよ……!



     体が、震える。


     ふざけんな。こんな結末って、アリかよ……!


     怒りが体中を駆け巡る。

     こんなバカげた、計画に。

     俺自身の、力不足に。


     なんでだよ。

     ふざけんなよ。

     こんなおかしな有り様は、仕組まれた罠だったのに。

     必死で頭を回して、ここまでようやく、こぎつけたのに。

     本当なら、俺たちはこんな辛い思いもせずに部活を楽しんでいた筈なのに……!

     なんで、こんな――!





    「んー! 長引きそうだし、ちょっとお花を摘みに行ってくるじぇ!」





    「あ、犬っ! 勝手に牌を弄ったり見たりするんじゃないじょ!?」





     がちゃ。ばたん。



    265 = 1 :

    『離別』

     静寂が、その場を支配していた。


     救済と慈悲を与えた女神が去り、残された者は後悔と苦痛に苛まれる。


     やがて。


    「じゃあ俺も、ついでに行ってきます……」


     少年が立ち上がり、呟くように言葉を零す。


     傍らに座る少女が震え、少年を見上げる。


    「京、ちゃ……」


     恐怖に晒された瞳が揺れ、小さな唇が戦慄く。


    「た、助け……」


    「――うん」


     無理。


     優しげな口調で紡がれた言葉は、残酷に少女の希望を潰えさせた。


     見開かれた瞳から、透き通った液体が零れ落ちる。


    「ごめんな」


     少年はそう言い残し、少女の脇を通り抜ける。


     それが彼らの、別れ。


     そして後には、何も残らず。


     振り返ることなく、その場を後にした少年の後ろ姿は――。







     内股であった。






    京太郎(トイレに行きたいっ…!)カン


    266 = 237 :


    続きを所望する(ゲス顔)

    267 :





    あれれーおかしいぞぉーまだ咲ちゃんのターンが終わってないよ?

    268 = 1 :

    色々ごめんなさい。


    こういう、ふざけたことを大真面目にやるネタってのは前々から興味あったので挑戦してみました。

    しっかし、書きたいことだけ書いてたら収集つかなくなるよっていう典型みたいなSSになっちゃいましたね…。

    安直な淫ピオチだとか、のどっちがオカルト雀士になってるだとか、和ちゃんのキャラ崩壊がちょっと酷い。

    本編の進行具合がかんばしくないので、また時間空いたら小ネタ投下すると思います。


    本編だけ読みたい人は2,3ヶ月くらいこのスレの存在を忘れちゃっても全く問題ないと思いますよ、って感じ……。

    269 = 249 :

    おつ
    途中にスマン

    270 :

    すばらです

    271 = 236 :

    >>269あぁいや、神タイミングってのはバレンタインデーに鯖落ちしたのがっていう意味でして…

    オチ投下したかったけど、今はキツいので後にします。

    272 :

    『オチ』

    「……ふぅ」

    (まさか染谷先輩が咲さんをそのまま担ぎ上げるなんてパワフルな手を使うとは思いませんでした)

    (まぁでも、あんなに可愛らしい咲さんが見れましたし、それで満足しておきましょうか♪)

    「なーんか、みんな出てっちゃったわねー…」

    「え?…あぁ、そうですね」

    (しかしあの分では、須賀君には気付かれてそうですね。少し勿体ないかも)

    (まだ――) 久「『まだ例のクスリ残っているのに』なんて顔してるわね?」

    「えっ?」

    「学生議会長の情報網を甘く見ちゃいけないわ。色々と調べようと思ったら出来るのよ? 例えば…」

    「2年生の誰々さんは家で猫を飼ってるようですよーとか、1年生の誰と誰は喧嘩中みたいですよーとか…」



    「『麻雀部の誰かさんが、ネット通販で怪しげなクスリを買っていましたよー』とかね?」

    「っ!?」

    「あぁ後、今日は売店でジュースを買って行きましたよーとも聞いたわね。ふふっ、まったく詰めが甘いんだからー!」

    「…知っていたんですか」

    「そうそう。その上で黙っていたって訳」

    「なんで…?」

    「そりゃあ」

    カチッ

    「そっちの方が都合が良かったんだもの?」

    「な、なんで鍵を――」久「ねぇ和?」

    「っ」ビクッ

    「和って、とっても可愛いわよね? 私前からずっと思ってたのよ?」

    「…和と、もっと『仲良く』なりたいなーって」

    ガタッ

    「な、なっ…!?」

    「みんなにはわざわざ遠くまで行ってもらってるから、十五分弱ってとこかな?――ん、じゅうぶん♪」

    「行ってもらってるって…」

    「あぁ。アレね、嘘」

    「嘘!?」

    「いやー、みんな簡単に信じてくれるんだもの。信用は作っておくべきよねー」

    「…ね。いいでしょ、和? 和だって『こっちの人間』みたいだし」

    「わ、私は誰でもいいって訳じゃ――」久「ほら、私って悪待ちが好きじゃない?」

    「アレって別に麻雀に限った話じゃなくって…」


    「元々自分に向いていない矢印を、無理矢理に自分の方向に向けさせるのが大好きなのよねぇ…?」

    「え、え…。そんなっ…」


    イ、イヤアアアァァァァ……


    本当の本当に終わり

    273 = 1 :

    安心と信頼の勧善懲罰オチ。

    染谷先輩と部長と永水女子が合わされば、ぶつりのほうそくがみだれる!

    言い訳をさせていただくと、ちょっといろんな要素がトガり過ぎてて綺麗に纏まりませんでした…

    まぁコンセプトと冒頭の状況だけしか考えずに突っ走ったんで、残念ながら当然ってやつです。



    >>258 の39行目

      > そんな咲が、一刻を争う様な陥ってんのに。
    訂正: そんな咲が、一刻を争う様な危機に陥ってんのに。

    推敲中に同じ単語使い過ぎてることに気付いて修正したんですが、その時抜けたっぽいです
    もう一度推敲しておけばよかった…


    では。

    274 :

    面白かったで~

    そんなに卑下する必要はないかと
    ただ、咲→京太郎の信頼度はダダ下がりだな……

    275 :

    本編の続きが来たと思ったら期待はずれ
    こんだけ待たされてネタよりも本編書いたら?

    276 :

    >>275
    >>211読んだ?

    277 :

    >>276
    いきなりこんな失礼なこと書くヤツがちゃんと読んでるわけないじゃん
    時々VIPにも湧く全部否定したいだけの人だよ
    スルー

    278 :

    >>275
    お前初めてか?力抜けよ

    279 :

    進化するなら、異なる複数の結果から過程の逆算をするとかになるのかね
    やだ、因果逆転とか格好いい

    280 :

    創作意欲が衰えてないようで良かったです。
    期待してます、がんばってください。

    281 :

    京太郎モノを探っていたらとんでもないスレを見つけちまったようだぜ……

    283 :

    これだからあーうーは……

    284 :

    待て、IDをよく見てみろ

    Hを1時間で2598とか人間じゃない

    286 :

    vipでもないのにいらん保守してんなや

    288 :

    生きとるか~

    289 :

    お姫様だっこからの階段振動ルートも見てみたかったぜ

    290 :

    仏門ギャグ中の咲に言いたい
    お前のリンシャンも“普通”じゃねぇよ!!

    291 :

    マッテルデー

    292 :

    お久しぶりです。
    長い間更新出来ず、本当に申し訳ない。

    出来れば記号的表現を使わずに対局を書きたかったのだけど、そのせいで話がなかなか進まなくなってしまいました。
    現在の近況報告をさせていただきますと、新生活が始まって慣れないことが色々あり、制作に割く時間もモチベも足りない状態です。
    しかも新年度直前に慌ただしく引っ越ししてネット回線もないので、今ある分の投下すら難しい…。

    今のままでは自然消滅してしまうのは必至ですし、そうなると罪悪感とかで色々煩わしくなって僕は二度とこの話に触ろうと思わなくなると思います。
    ですのでその前に自分の手で「中断」という形で終わらせて、また書けるようになった時に戻ってきたいと考えています。

    まことに勝手な言い分で大変恐縮なのですが、どうか許していただきたい。

    294 :

    了解把握
    戻ってくる日をゆるりと待っているでよ

    295 :

    長い間待たせた挙句、このようなことになってしまって申し訳ない。
    次戻ってくるのは、作品を完結させてからにします。

    296 :

    オーライ
    待っとるよ

    297 :

    めっちゃ期待してたが致し方ない

    298 :

    次はいつになるのだろうか?
    残念だが、仕方ないか。


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