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    元スレ久「ロッカーの中で」京太郎「襲わないから」

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    51 :

    書き溜めする次っていうのはこれの続きだと思っていいんだよな?

    52 :

    狭いとこがおちつくのってなんだろうねあれ

    53 :

    前作あんの?

    54 :

    狭いとこがおちつくのってなんだろうねあれ

    55 :

    こんな同人誌あったなー実に懐かしい

    56 :

    待ってるぜ
    ここに新作か続き投下してくれると助かる

    57 :

    数少ないというかパイ○ンと並んで数少ない京太郎が出る異性カプのあれか

    58 :

    ちょっと一言
    京ちゃんってチャラ男なのって見た目だけだよね

    59 :


    翌日の放課後

    京太郎「昨日、あんなことがあったから部長と顔を合わせづらい」

    京太郎「あっけらかんとした部長のことだ、きっとすでにみんなに公表しているよな……」

    京太郎「はぁ、今から盛大にいじられるとなると気が重いな」

    京太郎「今日は部活休もうかな……」

    京太郎「いやいやいや、それはいかん!こういうことはちゃんとしなきゃ駄目だ」

    京太郎「覚悟を決めろ!須賀京太郎、進む道は修羅道なれどここで背を見せれば男が廃る!」

    京太郎「いざゆかん」

    60 = 1 :


    バタン

    京太郎「たのもー!」

    優希「遅いじょー犬ー」

    「もうとっくに部活始まってますよ」

    まこ「堂々と遅刻するとはいい御身分じゃのー京太郎」

    「京ちゃん!」

    京太郎「すいません、掃除当番で遅れちゃいました」

    まこ「なんじゃ、そういう事情があるなら仕方ないの」

    61 = 1 :


    優希「犬のことだから、遅刻の言い訳のための嘘かも知れないじょ」

    京太郎「そんな嘘つかないっつーの!クラスの中でせっせと机運んでたわ」

    「そういえば京ちゃん掃除当番だったね、ごめんね、忘れちゃってたよ」

    京太郎「いや、こればっかりはしょうがねぇよ。普通他人の掃除当番の日程なんて覚えてるわけないもんな。咲に伝え忘れた俺の落ち度だ」

    「今度から気をつければ問題ないですよ。そうですよね部長!」

    「そうねぇ、事前に連絡がない状況で掃除が長引いてしまったら無断欠席と捉えられてもおかしくないのよ。そういう事態を防ぐために連絡はしっかりしましょうね須賀君」

    京太郎「はい!以後気をつけます」

    「うん、いい返事」

    (自称京ちゃん検定、段位持ちのわたしにとって掃除当番なんて知ってて当然のことなのに……もっと精進しなきゃ)

    62 = 1 :


    「それじゃあ、さっきの続きから再開しましょう。咲、和、まこは卓に戻って」

    「須賀君と優希はひとまず見学、もしくはネット麻雀をやっててもいいけど、どうする?」

    京太郎「俺は皆のを見学してます。人が打ってるのを見るのも勉強になりますし」

    優希「じゃあ、優希ちゃんは犬をじーっくりみてるじぇ!」

    京太郎「……それなんの意味もないだろ」

    優希「犬の一挙手一投足を事細かに実況し解説を交えて紹介していく番組だじぇ」

    京太郎「そんな番組があってたまるか!!そういうのいいからお前も一緒に見学するぞ」

    優希「しょうがないじぇ、飼い犬がキャンキャンうるさいから飼い主様が一緒にいてやるじぇ。感謝するんだじぇーいぬー」

    京太郎「はいはい、ありがとうございます」

    63 = 1 :


    優希「そうだじぇ!見学する前にタコスを買いに行くじょ!付き合え犬」

    京太郎「へいへい、わかりましたー。お供しますよー」

    優希「というわけで、行ってくるじょ部長」

    「わかったわ、行ってらっしゃい」

    京太郎「はい、行ってきまーす(感じからすると、どうやら部長は昨日のことを皆に言ってないみたいだな……)」

    64 = 1 :


    バタン


    「須賀君、優希の扱い方上手になりましたねー」

    まこ「優希の言うことに従っても、たずなはしっかり握ってコントロールしているそんな感じかの」

    「あら、そうかしら。もしかしたら、犬根性が身に着いてしまって優希をご主人さまと認識してるのかもしれないわよ」ニヤニヤ

    「そんなことないですよ部長!京ちゃんは意外と要領いいから、日々の経験の中で優希ちゃんの気持ちを酌みつつ自分の要求も通す。そいうことができるようになっただけですよ」

    「あはは、冗談よ。咲の言う通りだってことは、あの二人を見てたらわかるから心配しないで」

    まこ「部長の言うことは無駄に説得力があるから怖い」

    「そうですね……少し考えればそんなことはありえないということがわかるんですけど、それをさせない力がありますね」

    まこ「詐欺師のそれと同じじゃな」

    「そうですね」

    65 = 1 :


    「ちょっと二人とも失礼なことを言わないでちょうだい。詐欺師みたいって……、もっと別の言い方があるでしょう」

    まこ「部長は嘘つくのが上手い」

    「……なんか余計酷くなった気がする」

    「気のせいではないです。シンプルになったせいで余計酷くなりました部長」

    「はぁ、もうそれでいいわ。いちいち突っ込むのもめんどくさいし」

    まこ「えぇー、もっとノってきてくれてもええじゃろー部長」

    「いけずですー部長」

    「あんた達キャラのブレが酷いわよ。特に和」

    まこ「京太郎だったらもっとノってきてくれるのにのー」

    「わたしに須賀君ばりの返しを求められても困るわよ」

    66 = 1 :


    「それはそうと、最近の須賀君は優希を甘やかしすぎだと思いませんか?」

    まこ「確かにのぉ。もしかして犬根性としてじゃなく、龍門渕の執事みたいに半ば忠義として優希に仕えてるのかもしれないのー」ニヤニヤ

    「そんなことありえないですって!」ムゥ

    「須賀君が義理立てしようと思うような高尚な行為を優希がするわけないでしょ……」

    「ですよねー!部長、京ちゃんに限ってそんなことありえませんよね」

    「」ニヤリ

    「そうね、須賀君が優希をご主人様として思っているのかもしれない、そんなことはあり得ないわよ」

    「でもね咲、もしかしたら優希と須賀君が特別な関係になるかもしれない、そういう可能性があることも事実なのよ」

    「どういうことですか!?」

    67 = 1 :


    「えっとね、優希が須賀君にちょっかいをかけては我儘を言って言うことを聞かせているのは知ってるわよね?」

    「二人が毎日の様にやってるやり取りですから、もちろん知っていますけど……」

    「実はそれが問題の焦点でね。男女共通の異性に惚れる条件の一つとして、「こいつには自分が付いてないとだめだ」と思うというものがあるのを、咲は知っているかしら?」

    「はい、雑誌とかにもよく載っている内容のものですし、もちろん知っていますけど、それが関係あるんですか?」

    「そうよ。先に結論を言ってしまうとね、二人がこのような関係を今後も続けていくようなら、須賀君が優希に惚れてしまう可能性があるのよ」

    「ばかばかばかしいです。SOA!SOA!」

    「……」

    まこ「動揺して口からでてしまった言葉じゃ、気にせんでいいじゃろ」

    68 = 1 :


    「咲、落ち着いて今の優希と須賀君の状況をもう一度よく考えてみなさい。日頃から男の子に対してお願いばっかりしているの女の子と、愛想を尽かせず女の子のお願いをきいてあげてる男の子。こういう言い方にしたらわかるんじゃないかしら?」

    「……!!」

    「気づいたようね」ニヤニヤ

    「でもでも、京ちゃんに限ってそんなこと……」

    「あの人だけは大丈夫だなんてーうっかり信じたらだめ!」

    まこ「だめ!」

    「だめ!」

    久・まこ・和「だーめだめよ!」

    「S O S」

    まこ・「パンパン!」ヒューヒュー

    「みんなノリいいなって……、いったい歳いくつなのよあんた達」

    69 = 1 :


    まこ「わしは、カメレオン・アーミーが一番好きだったのお」

    「ジパング以外ありえません!」

    「ペッパー警部が可愛くて好きです」

    「だからなんで知ってるのよあんた達は!今時のJKがピンクレディの曲で盛り上がるってるこの状況おかしいと思わないの!?」

    まこ「別に、知ってたって問題ないじゃろ。誰かに迷惑かけてる訳でもあるまいし、それでそういう部長は何が好きなんじゃ?」

    「……世界英雄史よ」

    まこ・和・咲「「「渋ッ!!!」」」

    70 = 1 :


    「ふぅ、落ちもついたし話を戻すわよー」

    まこ「まてまてまてー。世界英雄史のインパクトが強すぎてそんな簡単に頭切り替わらんわ」

    「冗談ですよね部長!?仮に本当なら多分、部長しかいませんよ!世界英雄史好きの女子高生なんて」

    「いい曲なんですけどね……でも、それこそ今時の女子高生の会話には絶対出てこないですよ」

    「もういつまでその話題続けるのよ。それはもう終わった話題だからいいでしょ!咲ー、話を戻すわよ」

    「は、はい!わかりました」

    まこ「うぐぅ、なんじゃこの得も言われぬ感情わーー!!」

    「なんか……、すごくモヤモヤします」

    まこ「マネマンされた時のどうしようもないあの感じに似てるわ」

    「やるせないです……」

    「二人ともうるさいわよ!!」

    まこ・「ぐぬぬ」

    71 = 1 :


    「咲もさっき気付いたと思うけど、多分その解釈であってるわ。だけど念のために一応解説しておくと」

    「私は、須賀君が日頃から優希ちゃんの言うことをきき続けてる間に、こいつは俺がいないと駄目だ。と思う様になってしまう可能性があると言っているのよ」

    まこ・「あるある」

    「いやねぇよ」

    「そんなきっぱりと言い切れるかしら?」

    「お言葉ですが、あえて先ほど部長がおっしゃっていた意見を真っ向から否定させて頂きます。全地球上の男性の99%が当てはまろうと京ちゃんだけは絶対に当てはまることはありえません」

    「へー、その心は?」

    「だって京ちゃん鈍感ですし」

    まこ・「そうだった!」

    「おそらく自分の恋心すら自覚できないと思います」

    72 = 1 :


    「学生議会長の私を論破するなんてやるじゃない(咲や優希からあれだけあからさまな好意を向けられてるのに、全く動じてないてことが何よりの証拠よねー)」

    「京ちゃんの鈍感さは折り紙つきです。とある少女はその鈍感さの被害にあってしまい東京に引っ越してしまったなんて事実があるくらいですから……」

    まこ「京太郎本人に悪気がないと分かっているんじゃがこれはあまりに酷いの……。実害が出ている以上対策の一つでも立てて京太郎に気をつけるよう言ってやらんと」

    「余計なことはしなくていいわ」

    「そうです!京ちゃんには日頃からわたしが言って聞かせてるので安心してください」

    「須賀君に日頃から言って聞かせてる割には全然治っていませんよね」

    「うっ、それは……」

    73 = 1 :


    まこ「咲、今度はわしが先輩としてガツンと言って京太郎の鈍感をなおしてみせるから安心せぇ」

    「それは駄目よ、まこ」

    まこ「なんでじゃ部長?さすがに京太郎も先輩から注意したら自分の鈍感さを見直すじゃろ?」

    「説明が必要みたいだから言っておくけど、鈍感さの改善には他人からの働きかけはあまり効果を持たないの」

    「人がせっかく注意をしても須賀君自身身に覚えがないのだから、その注意はのれんに腕押し状態になってしまう可能性が高いの。だから鈍感さを改善するためには須賀君自身がで色んなことを経験して、自分自身で問題に気づき解決していくのが一番良い方法なのよ」

    「へー、そうなんですか。さすが部長物知りですね」

    まこ「そうなんかー、鈍感っていう曖昧な基準にも、きちんとした対処法があるんじゃの。勉強になったわ部長」

    「……まぁね」

    (GJです部長)

    74 = 1 :



    ガラガラガラ

    優希「今戻ったじょー」

    京太郎「ただいま戻りました」

    「おかえりなさい。二人とも」

    優希「なんだ、みんなまだ打ってなかったのかだじぇ?」

    京太郎「あれ、ほんとだ。もしかして俺と優希のこと待っててくれてたんですか?だとしたら申し訳ありません。結構な時間お待たせしてしまって」

    「イケメンで」

    まこ「気遣いできて」

    「腰が低い」

    「今宵そなたが鳴かすわ誰ぞ」

    京太郎「短歌!?どうしたんですかいきなり!!」

    75 = 1 :

    「いいの須賀君あなたは今のままでいてくれたら……」

    「京ちゃん気にしないで……わたし頑張るから!!」

    京太郎「いやいやいや、なんなのこの空気。俺と優希が完璧置いてけぼりなんだけど」

    まこ「京太郎、わしからお前に言ってやれることは何一つのない……。しかしな、わしらはみんなお前の味方じゃ!これだけは覚えといてくれ……、頼りない先輩でスマン京太郎」

    京太郎「えっ、なんですかこれ!?俺これから戦争にでも行くんです?なんでみんな俺のことをそんな悲しそうな目で俺のこと見てるんですか!?」

    「須賀君気をつけてくださいね(自分の鈍感さに)……。そのせいで不幸になった人がたくさんいるんですから……」

    京太郎「マジで!?俺マジで戦争行く感じなの!?」

    「茶化さないで真面目に聴いてください!」

    京太郎「えっ、あ、はい」

    76 = 1 :


    「原村さん落ちついて…」

    「でも、被害にあった人たちのことを考えるとわたし……」グス

    京太郎(マジかよ……。やばいこれ……本当に戦争が起こるみたいだ……)

    「須賀君詳しいことは言えませんが、どうか気をつけてください」グス

    京太郎「……わかった」コクリ

    77 = 1 :


    「それじゃあ、みんな揃ったし東一局始めるわよー」

    まこ「最初の親だけはさっき決めていたから咲が親で始めじゃ」

    京太郎「……て!ちょっと待てーい!!おかしいでしょー!そんなのんきに麻雀打ってる場合じゃないでしょ!?今日のところは早く家に帰った方がいいでっすって!」

    「須賀君どうしたのよいきなり大声出してビックリするじゃない」

    京太郎「これから戦争が始まるっていうのに、悠長に麻雀やろうとしたら、そら大声も出しますよ!」

    まこ「戦争って……、えらい物騒じゃのぉ……」

    「須賀君、冗談にしては面白くないわね」

    京太郎「こんな性質の悪い冗談言う訳ないでしょう!!さっきの俺と和の会話聞いてなかったんですか?」

    まこ「そりゃあ、バッチリ聞いていたけどのお」

    「それが戦争とどう絡んでくるのかしら、須賀君?」

    78 = 1 :


    ワーワーギャーギャー

    優希「ねぇねぇ、咲ちゃんさっき馬鹿犬とのどちゃんが話していた内容ってなんだっけ?」

    「京ちゃんの鈍感さが原因で被害を被る女の子がたくさんいるって話だけど、部長が鈍感な人に自身が鈍感だと伝えるのはよくないって教わったから、京ちゃんにそのことが伝わらないようにし話してたんじゃないかな?」

    優希「ふ~ん、なるほどなーだじぇ!」ピコーン

    優希「わたしも京太郎と一緒にしばらく部室出てたから、京太郎ほどじゃないにしても、皆が何を言っているのか意味不明だったじぇー」

    優希「それにしてもこいつは傑作でじぇ」ゲラゲラゲラ

    「何か分かったのなら、これ以上変な空気になる前に教えてよ優希ちゃん」

    優希「そうするじぇー!みんな話を聞いてほしいじょー!!馬鹿犬は一回廊下で待っててくれだじょ」

    京太郎「なんでだよ?」

    優希「ちょっと乙女が聞かれたら恥ずかしい話になるじぇ」

    京太郎「……なんか腑に落ちないけど分かったよ。しばらく外にいる、話が終わったら呼んでくれ」

    79 = 1 :


    ガチャリ

    優希「むぅ、最近の犬はやけに聞き分けがいいじょ」

    「クスッ、張り合いがなくてつまらないですか優希?」

    優希「そ、そんなことないじょ!あいつもやっと犬としての自覚が出てきて飼い主としては嬉しい限りだじぇ!」

    「面白そうな話だけど、今のところはその話は置いておいて本題に入りましょう。優希どういうことかしら?」

    優希「了解だじぇ!」

    優希「カクカクシカジカ」

    80 = 1 :



    「須賀君ー!戻ってきてもいいわよー」

    ガチャリ

    京太郎「失礼しまーす」

    「ごめんなさい須賀君…、私の言い方が悪かったみたいで誤解させちゃいました……」

    京太郎「誤解?」

    「はい、安心してください須賀君は戦争に行ったりなんてしませんから」

    京太郎「へっ?じゃあ、さっきの話はなんだったんだ?」

    「言えません」

    京太郎「なんで!?」

    81 = 1 :


    「それについては、原村さんの口から答えを聞いても意味ないの。京ちゃん自身が考えて気付かないと意味がないんだよ」

    京太郎「和の口から聞いたら意味がない……。俺自身が気付かないと意味がない……」

    まこ「少しヒントをやると、京太郎はもう少し自信を持っていいと思うぞ」

    京太郎「……自信ですか?」

    「そうですよ、そしていつか気付いてくださいね」

    京太郎「…………」

    京太郎「!」

    82 = 1 :


    京太郎(まさか)

    京太郎(でも、そんなことありえるのか?)

    京太郎(いや、しかし……他に考えられん)

    京太郎(まさか、和が俺のことを好きだったなんて)

    京太郎(和の口から聞いても意味はない、俺自身が気付かないとだめ……、これはおそらく、乙女な和のことだから自分から告白するより相手からロマンチックに告白されることを望んでいるはず……、だから俺が和の気持ちを酌んだ上で告白を行えということに間違いないだろう……)

    京太郎(ただしこれだけでは単なるこじつけであることも事実だ。そこで生きてくるのが、染谷先輩のヒントだ)

    京太郎(俺にもう少し自信を持てとのこと。これは、アニメ・漫画などで用いられる鈍感なキャラへ必死にアピールしているキャラへの粋な手助けとして、主に一線引いた位置にいる双方の友人キャラが使うことが多い、いわばテンプレの台詞である)

    京太郎(それをこの場で用いたということは、つまりそういうことででしょう染谷先輩。ただ染谷先輩が誤算だったのは、俺自身が鈍感キャラでは無く、鋭い切れ者だったことだ……。おかげでこんな大変な事実を知ってしまいましたよ)フッ

    京太郎(そして極めつけは愁いを帯びた表情で俯く和とその台詞、いじらしい乙女心に違いない!)ムフフ

    83 = 1 :


    京太郎(ここまで材料があったら確定してもいいだろう)

    京太郎(だとしたら、内心不安がっているであろう和に俺は何をしてあげられるのだろうか?)

    京太郎(皆がいる手前、露骨に態度に出すのはまずい)

    京太郎(それに部長とのこともあるしな)

    京太郎(だからここはアイコンタクトで分かっているから心配しなくていいと言うことだけを伝えよう)

    京太郎「和!」ニコッ

    「なんですか!にやけ面でこちらを見ないでください、不快です。死にます」

    京太郎「えー……」

    84 :

    キートン山田「これがただの勘違いだったら本当におめでたいやつである」

    85 = 1 :


    部活開始

    「もうすぐ期末ねぇ」ぱち

    「そうですねー」ぱち

    まこ「もうそんな時期かー。はやいもんじゃな」

    「そうですね、でも、だからと言っていつもとやることが変わると言ったわけではないんですが、気持ちの持ち様はやはりいつもと変わってきますよね」ぱち

    「まー今回もなんとかなるでしょうね、私のことだし」ぱち

    「部長は毎回テストの結果上位じゃないですかー」ぱち

    まこ「そういう咲だって現国で満点を取るような猛者じゃからのー」ぱち

    「染谷先輩だって暗記系科目は満点ですよね」ぱち

    「和は和で数学満点でしょうに、本当、うちの部は学業優秀で素晴らしいわね」ぱち

    「それポンです」ぱち

    優希「……犬」

    京太郎「なにも言うな……」

    86 = 1 :


    「お腹が空いたわ……」ぱち

    「そうですね」ぱち

    まこ「帰り何か食べて帰るかの」ぱち

    優希「タコス安定だじぇ!」

    「優希たまには違う物を食べたらどうですか。あんまり同じものばっかり食べてたら体壊しちゃいますよ」ぱち

    「とりあえず優希の意見はスルーして、なんか意見はないかしら?」ぱち

    優希「ちょ!?」

    87 = 1 :


    「駅前に新しくできたケーキバイキングのお店はどうですか?」ぱち

    まこ「おー、よさそうじゃのー。わしは賛成じゃ」ぱち

    「私も特に問題ありません」ぱち

    「須賀君も、もちろん来るのよ」

    京太郎「男子学生がケーキバイキング……、敷居高いな……」

    「確かそこのバイキングに物凄く可愛いバイトの子がいるみたいな話しが」京太郎「お供します」

    「じゃあ、そこで決定でいいかしら?」ぱち

    「はい」ぱち

    まこ「はいよー」ぱち

    「分かりました」ぱち

    優希「了解だじぇ」

    88 = 1 :


    「そういえば昨日皆が帰った後に、私須賀君に告白しちゃったんだよねー」パチ

    「へー、そうなんですかー」ぱち

    まこ「部長も大胆じゃなー」ぱち

    「あ、それチーです。部長を落とすなんて須賀君もやりますねー」ぱち

    「自分が面食いだなんて自覚はなかったのにねえ」ぱち

    「ははは、でも京ちゃんは性格もいいですから」ぱち

    まこ「まあ、優良物件じゃろうな」ぱち

    「天然タラシですけどね」ぱち

    89 = 1 :


    「……」ぱち

    「……」ぱち

    まこ「……」ぱち

    「……」ぱち

    京太郎「あ、俺トイレ行ってきますね」

    優希「……」ガシッ

    京太郎「離せ!タコス!!後で何でも言うこと聞いてやる!だかr」咲「京ちゃん、どういうことなの?」

    京太郎「ひっ」

    90 = 1 :


    「私の耳がおかしかったのかなー。さっき部長が京ちゃんに告白したって言ってたような気がするんだけど、そんなことありえないよねー、京ちゃん?」メキッ

    京太郎「咲さんどうか落ち着いてください。肩が痛いです。離してください!お願いします!!」

    「ごめんねー京ちゃん、事情を話してくれるまで手は離せないかな」

    まこ「……部長さっきのはお得意の冗談じゃないんか?」

    「説明せずにあのままほっとくと、また須賀君が気絶してしまいますよ……」

    「その件の説明はちゃんとするわよ。それにしてもあなた達いやに冷静ね」

    まこ「あの状態の咲を見ていたら冷静にもなるじゃろ」

    「誰かが、物凄く動揺しているのを間近で見ると逆に冷静になりますよねー」

    91 = 1 :


    「咲ー、私がさっきのこと説明してあげるから須賀君を離してあげてー」

    「部長……」

    京太郎「」

    優希「……虫の息だじぇ」

    「京ちゃんに告白したのって本当なんですか……部長?」

    「えぇ。本当よ」

    まこ「冗談じゃない……だと……」

    「師匠乙」

    優希「なんでだじぇ……、今までそんなそぶり全然なかったのに……」

    92 = 1 :


    「そうね、そうだと思うわ。だって、私が須賀君が好きって気持ちを自覚したのは昨日のことだもの。気づかなくて当然よ」

    まこ「昨日自覚した想いをすぐさま京太郎に伝えたって訳か」

    「漢らしいです」

    「そんな格好良いものじゃ無かったけどね……」

    「……部長は京ちゃんのことが本当に好きなんですか?」

    「当たり前でしょ、好きでもない男に告白するほど私も落ちぶれちゃいないわよ」

    93 = 1 :



    「なんで」

    「なんで今さら」

    「咲……」

    「わたしは!ずっと、ずーーっと京ちゃんが好きだった!!なのに!!」

    「宮永さん落ち着いてください!!」

    「……部長は知っていますか?京ちゃんの好きな食べ物を」

    「知らないわ」

    「京ちゃんの得意な教科は」

    「知らないわ」

    「京ちゃんの好きな有名人は」

    「知らないわ」

    「部長は京ちゃんのこと何にも知らないんですね」

    94 = 1 :


    「そうかもしれないわね」

    「そうですよ。部長は京ちゃんのこと何にも知らないんです」

    まこ「お、おい咲」

    「いいのよ、まこ」

    「わたしは京ちゃんのこと、たくさん知っています」にこっ

    「そう…」

    95 = 1 :


    「はい!だから京ちゃんのことを全然知らない部長は勘違いしているんですよ」

    「……どういうことかしら?」

    「部長は京ちゃんのこと本当は好きじゃないって言っているんですよ」

    「……どうしてそう思うのかしら。理由を聞かせてくれる咲?」

    「昨日わたし達が帰った後、部長は京ちゃんに告白したんですよね?」

    「えぇ、その通りよ」

    96 = 1 :


    「昨日、わたしは部長に京ちゃんが目を覚ましたらメールを下さいとお願いしました」

    「部長から京ちゃんが目を覚ましたというメールが届いたのはわたし達が、部室を離れてから1時間半後でした」

    「多少前後するかもしませんが、京ちゃんが起きるまでの時間、部長は気絶している京ちゃんと二人きりでした」

    「寝ている京ちゃんと二人きりというシュチュエーション、好奇心の強い部長のことです、いい機会ですし京ちゃんの顔をじっくり見てやろうと思っても不思議じゃありません」

    「知っての通り京ちゃんは黙っていればそこらのアイドルに引けを取らないくらいイケメンです。そんな京ちゃんの顔をじっくり見ていればドキドキもするでしょう」

    「わたしがそのシュチュエーションに遭遇したら、おそらく自制が利かず京ちゃんを襲ってしまうかもしれません」

    「お、襲うって……」

    まこ「……恥ずかしいやっちゃのー」

    「あははは、冗談ですよ京ちゃんのことは大好きですけど、そんな痴女みたいな真似はできませんよ」

    「」

    97 = 1 :


    「そ、それで咲は何を言いたいのかしら、はっきり言ってちょうだい」

    「部長は京ちゃんと二人っきりというシュチュエーションが作用した結果、その場で恋愛感情に似た感情、具体的にいえばアイドルグループに盲目的に入れ込んでいる人達と同様な感情を持ってしまったため勘違いしてしまったんですよ!」

    「乱暴だけど理論としての筋はちゃんと通っているわね」

    「早く勘違いに気付いてよかったですね、部長!!ですから京ちゃんへの告白を取り下げましょうよ。今なら京ちゃんも許してくれますから」にこにこ

    優希「……」

    「須賀君なら許してれるかもしれないわね」

    「はい!京ちゃんは優しいですから笑って許してくれますよ!なんなら、わたしも一緒に謝りますから」にこにこ

    「そうね須賀君はきっと許してくれるわ」

    98 = 1 :


    「なら」

    「でも、私が許せない」

    「え」

    「須賀君のことが好きだって言うこの気持ちが嘘だなんて、私は思わない!思う訳がない!!」

    「……」

    「咲、あなたはさっき私にこう言ったわよね?須賀君のこと何にも知らないって」

    「……事実です」

    「そうね、事実だわ」

    「でも私は今の所はそれでも良いと思っているの」

    99 = 1 :


    「……どういうことですか」

    「さっき咲が須賀君のことなら、たくさん知っていると言っていたわよね、正直、この話をしている時の咲はすっごく憎たらしかったわ……」

    「……」

    「でもそれ以上に咲が羨ましかったの」

    「知ってる咲?あなたが須賀君のことをたくさん知っていると言ってた時の表情、すごくいい笑顔だったのよ」

    「今まで怖いぐらい無表情で話していて、内心色んな負の感情でいっぱいだったはず、そんなあなたが一瞬だけいつもの可愛らしい宮永咲に戻ったのよ。これって凄いことだと思わない?」

    「大好きな須賀君のことを考えるだけで、今までの嫌な感情をすべて吹っ飛ばして笑顔にしてくれる。咲にとって須賀君はそういう人なんだって」

    「それを見て私は咲が羨ましくなった。それと同時に須賀君をもっと好きになろうと思ったの」

    100 = 1 :


    「……」

    「今の私は須賀君のことを何も知らない、だけど須賀君と一緒にいて、須賀君を知ることはきっと良いものだって、咲あなたを見て確信できた」

    「これから時を重ねて、あの時の咲の様に笑えたら……、それはきっと素敵なことだと思うの」

    「部長……」

    「咲が言った通り、私は本当は須賀君のこと好きじゃないのかもしれない。これは単なる憧れで私がただの面食い女だって可能性もあるわ」

    「だけど、自分の気持ちすら分からないハッキリしない私だからこそ、人を好きになるっていう気持ちを人任にしたくないの」

    「私はこれから全力で須賀君のことを好きになる努力をするつもりよ」

    「私が須賀君を本当に好きじゃなかったら須賀君を好きになる、私が須賀君を好きだったらもっと大好きになる。良いこと尽くめでしょ?」


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