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    元スレ魔王「勇者よ、ここで終わりだ!」勇者「ちいぃッ……!」

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    251 = 192 :

    魔王「自分が犯人だった癖にぃぃ!私に罪をなすりつけようとしましたよね!!!」

    大臣「い、いや……あれは可能性を申し上げただけで…………」

    魔王「給料50パーカット、半年」ポン

    大臣「えっ」


    252 = 192 :

    皇后「で、次に大臣の件ですけどね」


    ―給湯室―

    大臣『あ、お湯が無くなったな……水を入れ替えねば』

    ガチャッ


    魔王『…………』

    ガチャッ

    魔王『……アイスいただきです』パッ


    ササッ

    ガチャッ


    大臣「…………」ジロッ

    魔王「えへっ☆」ぷりてぃー


    253 = 192 :

    るーるーるーるーるー………


    メイド長「なーんでこんなことしたんです」

    魔王「……ドーナツが食べたかったからです。でも一口だけですから!」

    魔王「……ドーナツが無くなっちゃって……どんな手を使っても甘いものが食べたかったんです……私だって一口だけです!」

    大臣「……アイスが無くなっちゃって、悔しくなってやりました……私も一口だけ!」

    魔王「いや、一口なわけないです!」

    大臣「いや殿下こそ随分大きな一口ですな!」

    ワーワーキャーキャーキャーキャー


    勇者「……悪の心が悪を呼び寄せた悪の連鎖だな」


    254 = 192 :

    勇者「しかし、警備隊長まで盗み食いするとは意外だったな」


    警備隊長「い、いや!私はやっていないぞ。ですよねぇ!」

    大臣「ああ、16:00くらいといえば、警備隊長から報告を受けていたぞな

    魔王「あたしだって違いますよ。遊んでましたよね!」

    警備隊員A「ええ……」

    警備隊員B「間違いなく」

    魔王「そうだ、お母様のビデオを見れば………」

    皇后「それが……」

    皇后「調度テープが無くなっちゃって~」てへっ

    一同「………」ズコーッ

    255 = 192 :

    魔王「でもお母様自身が犯人を……」

    皇后「ごめんなさい、見てないのよ~………ちなみに私は甘いもの苦手だから違うわよ」

    魔王「じゃ、じゃあ勇者!お前だな!お前だけアリバイないしな!!うっわ最低!」
    大臣「そうだ、憲兵隊長呼んでやりましょうよ!!!!!!」


    一同(………棚にあげたな)

    256 = 192 :

    勇者「い、いや私はずっと部屋に………」

    魔王「間違いありませんよお父様!その時間勇者さまは部屋にずっといました!」
    大臣「確か殿下は遊んでましたんでしょう?なぜわかるのです」

    魔王「勇者さまをウォッチングして遊んでたんですよ!!!!ねー?」

    警備隊員A・B「………ねー」


    勇者「う…うわ……」ゾクッ


    257 = 192 :






    じゃあ………

    だれが魔王のケーキを食べた………?




    一同「……………」ゾクゥッ



    魔王「ゆ……幽霊」ポソッ




    大臣「や、や、や、やめ!やめてくだされ殿下ぁ!」

    魔王「幽霊だ!幽霊だ!き、き、祈祷師を呼べ!祈祷師をよべええええ!!!」あたふたあたふた

    警備隊一同「かかってこい!幽霊かかってこい!」ブンッ!ブンッ!

    魔王「おば、おば、おばけは……おばけだけは無理ですぅ…………」ぶるぶる



    勇者(…………幽霊は偉大だなぁ)

    258 = 192 :

    勇者「幽霊かはともかく、結局この事件は迷宮入りかなメイド長………」

    勇者「ってあれ、メイド長?」



    メイド長「~♪」


    勇者(やけに……楽しそうだな)




    魔王「来るならこい!来るならこい!」ブンッ!ブンッ!



    【第8話・おわり】

    259 = 192 :

    第8話おわりです。ありがとうございました。
    夜には9話をあげますのでよろしくお願いします

    260 :

    そうか犯人はメ…ん?誰だ?

    261 = 192 :

    【第9話】

    カチャ

    メイド長「お紅茶をお持ちしましたわ」

    勇者「ああ……ありがとう」ペラッ

    メイド長「あら、読書ですか?」

    勇者「そうだな……読書と言うより調べものだな」

    メイド長「『図解魔王国史第128刷』……私が買ってきたものですわね。」

    勇者「ああ。気になることがあってな。ま、人間国と比べるのもまた一興かと思ってな」

    メイド長「ふふっ……そうですわね」

    勇者「なにかおかしいかな」

    メイド長「いいえ。勇者様は適応がお早いと思いまして。ふふっ」

    勇者「…皮肉か」

    メイド長「いいええ。最大限の賞賛ですわよ」

    勇者「……そうか」むっ

    262 = 192 :

    勇者「そうだ、メイド長」

    メイド長「なんです」

    勇者「一部読めない文字があるのだ。手伝ってはくれないかな」

    メイド長「承知しましたわ。そうですわね……私も人間国に関しては興味がありますから勇者様のお話も伺いたいですし」

    勇者「ならお互いに利が得られるな……で、この部分なのだがな」ペラッ

    メイド長「ええと……この部分ですわね」

    263 = 192 :

    魔王国の歴史は意外に短い。
    言い伝えによれば、昔は全ての生き物は共に暮らしてきた。
    人と魔物という区別はなかった。
    しかし、突然…現在ではまだ解明されていないが、何らかの“要因”により、“魔術”が生まれ、
    また、一部の人間や動物は魔物と呼ばれる存在に変化した。
    そのうち変化したもの、しなかったものは互いに争うようになった。
    その結果、誕生したのが魔王国と人間国という二つの国であった……

    魔王国には現在までに二代の国王が存在する。
    と、言えども我々魔王国の民は人間よりずっと長生きであるので、彼らの国と同じ視点で物事を考えてはならないのは賢明な読者諸君にはおわかりだろう。

    初代魔王は、何千年~1万年に渡る長き戦いにピリオドを打ち、人間国からの独立を宣言したのである。
    一代でこの国を作り上げ、現在の国のシステムの根幹も彼が完成させた。
    娘は一人。愛妻家であったと伝えられ、側室は迎えなかった。
    また、彼を倒そうと幾度となく何千人もの勇者達は魔王国へやって来た。 その中でも魔王にたどり着いた勇者はたった1人だったと伝えられる。

    264 = 192 :

    メイド長「勇者と呼ばれる方々が魔王国へやって来たのは、御爺様…初代の魔王様が勇者にのみ、魔王様を倒しさえすれば国を譲渡すると両国に布告したことが始まりですわ」

    勇者「しかし…初代の魔王を倒すことは結局のところ、一度も叶わなかったのだな」

    メイド長「そうですわね。私がここへ来た翌年にお亡くなりになられてますから。」

    勇者「個人的な興味ですまないが…どのような人となりだったのだ?」

    メイド長「その頃には結構魔力を使い果たしちゃってるみたいだったので、豪傑と言った感じはありませんでしたわ。と言うより」

    勇者「……言うより」

    メイド長「私の下着を盗んでは嬉々と履いているような方でした」

    勇者「………変態一家なのか」

    265 = 192 :

    勇者「あれ、しかし『娘が一人』とあるな……」

    メイド長「あら、今の魔王様は婿養子なんですのよ」

    勇者「えっ、じゃあ娘って」

    メイド長「皇后様ですわ。」

    勇者「……マジで」

    メイド長「マジで」

    266 = 192 :

    二代目の魔王は初代魔王の作り出したシステムをより発展させた。
    また、富の再配分を完璧に成し遂げた事も彼の功績である。
    また個人についてであるが、彼は婿養子であり、初代魔王が才能を見抜いたという。
    その後は警備隊長として活躍し、数年後には結婚。100年程前から魔王の座についている。

    彼のもとに現在まで何十人もの勇者が現れ、うち1人が魔王のもとにたどり着いたとされる。


    メイド長「この本は勇者様がいらっしゃる以前のものですから、+1、しませんとね」

    勇者「ふっ……。たどり着いたのは良いがまさかこんな事になるとはな」

    勇者「まさか、な………」

    267 = 192 :

    メイド長「勇者さまは歴代勇者様の中でも随分な有名人みたいですけれど……」

    勇者「25年ぶりの勇者だからな。国民の期待がでかいのだ……」

    メイド長「25年前?」

    勇者「たどり着いたかは分からんがな、べらぼうに強い勇者がいた。」

    メイド長「25年前か……」

    メイド長「私が働きだしたのも、確かそのくらいでしたわね……その前の記憶はまるでありませんですけど」

    勇者「……め、メイド長、あなた」

    メイド長「変化しなくとも、一応魔族契約はしていますから、老化は遅いんですのよ。」

    勇者「20で働き出せば、だいたい、よんじゅう……」

    メイド長「……計算しなくてよろしい」ガスッ

    268 = 192 :

    勇者「で、話の続きだが、そのべらぼうに強い勇者は昔からすごくてな。幼少時にクマを素手で倒したらしい。ま…首の後ろに傷は残ってしまったらしいが」

    メイド長「………ん?」

    勇者「その勇者にはライバルがいた。銃士でな。それはそれはもう…根暗なやつだったらしい。で、その二人は1人の僧侶の少女を取り合っていたらしい」

    メイド長「……んっ?んっ?」

    勇者「で、あらゆる手段で決着をつけようとしたが、決着がつかず、結局魔王を倒した方が僧侶と付き合うと二人は勝手に決めたらしい」
    勇者「そんなこんなで旅立つのだが、責任を感じた僧侶がこっそりついてきた……と言う話だ。」

    メイド長「………なんか、似たような状況の人達を、知ってるような気がするんですが」

    勇者「………まさか」

    メイド長「まさか……」

    勇者・メイド長「まさかねぇ!!」


    269 = 192 :

    勇者「んで余談なんだが、その村には大量の物資が毎年送られてくるらしい」

    メイド長「へえ……誰からです?」

    勇者「それが分からないらしい」

    勇者「……そう言えばちょうどこの時期城の物資が若干減るんだったな」

    メイド長「え?」

    メイド長「いやいやいやまさか!」

    メイド・勇者「まっさかぁ!!!!!!!」

    270 = 192 :

    【魔王の部屋】

    大臣「どうしました、お悩みになって」

    魔王「いっそ殺して黄泉がえりに掛ければ記憶もまっさらになるし、教育しなおして人間国との交渉材料にできるのになーって」

    大臣「まあ……それが一番楽ですよねー」

    魔王「でもな……我が妻がなぁ………」

    皇后「だーめっ」ニコニコ

    魔王「ひぃぃ!?」ビクッ

    大臣「………いつの間にいらしてたんですか」

    皇后「ず~~~~っと」ニコニコ

    魔王「………そ、そうなんだぁ」ゾクリ

    271 = 192 :

    皇后「そんなこと、私が許しませんよ~?」

    魔王「でもほら……人間国との話し合いの材料にさ」

    皇后「 絶 対 に 許 さ な い 」
    魔王「ぅぅ………」


    272 :

    皇后「………あなた、不安なのでしょう~?」

    魔王「…………」

    皇后「もし、勇者さんが、あのままでも私達を…あの子を理解出来るのか…自分に置き換えると」

    魔王「………」

    皇后「だけどあの方なら大丈夫よ、あなた。きっと……」




    皇后「ううん……絶対に」


    【第9話おわり・最終話に続く】

    274 = 272 :

    お付き合いありがとうございました。明日は最終話です。
    ちょっと長いので昼と夜、二回に分けるかもしれません。
    よろしくお願いします

    275 :


    おもしろいのにもう終わっちゃうのか…

    276 :

    300ちょいで終わるのか…
    第三部までいけるな

    277 :

    おつ

    さすがに300スレはキツイと思うぞ

    278 = 272 :

    それでは最終話です。

    279 = 272 :

    【最終話】

    ザー……ザー……

    ゴロゴロゴロゴロ……

    ピカッ!

    憲兵隊長「勇者の断罪にまんまと失敗してしまった……」

    憲兵隊員A「私達が至らないばかりに…」
    憲兵隊長「いや、君達の責任ではあるまい……」


    憲兵隊長「単に私の力が及ばなかっただけなのだ……」

    憲兵隊員B「とか何とか冷静っぽく装ってますけど、内心とてつもなく悔しがってますよね隊長」

    憲兵隊長「は、なんで悔しがる必要とかあるのだ?結果的に負けてないし?だから全然悔しくないし?……」

    280 = 272 :

    ピカッ!

    憲兵隊長「しかし、憲兵隊の威信にかけてただ勇者の死罪を免除するわけには参らん……」

    憲兵隊員A「……と、申しますと」

    憲兵隊長「あのとき、負けておけば良かったと……」




    ゴロゴロ………

    ピッシャアアアアン!!!






    憲兵隊長「後悔させてやるのだ………!」



    281 = 272 :

    ―ある日の昼下がり―


    ミーンミンミンミーン……

    勇者「……ううむ」

    メイド長「どうしたんでしょうかね勇者様。暑さで頭がやられたんでしょうか」ヒソヒソ

    警備隊長「……そう言えばこの間も悩んでらっしゃったような」ヒソヒソ

    勇者「………うぅ」

    メイド長「ゆ、勇者様、悩みが有るなら遠慮なくお話になってください」

    警備隊長「け、憲兵隊長に何か嫌がらせでもされたのかな?」

    勇者「いたのか……いや、そのだな」

    メイド長・警備隊長「………」コクコク

    282 = 272 :

    勇者「……どうにも理解できんのだ、娘が」

    メイド長「娘……と言うと、殿下のことが?」

    勇者「先日の話だ。あのとき、娘が私を手助けしたのは、あくまで自身の手で私を殺したいのであって、憲兵隊長に殺される事を良しとしないだけだ…と思うのだが」

    勇者「一瞬いかにも慈悲深い表情を私に向けたのだ。その意味が分からんのだよ」

    メイド長・警備隊長「………は?」

    283 = 272 :

    勇者「いや、だからだな、娘から慈悲深いというかだな……何というかだな……暖かいものを感じたのだ。これから殺そうと言う相手にそんなものを向けて何の意味が」

    警備隊長「わ…わたしは貴方の発言の意味が分からんのだが」

    勇者「しかも最近あまり殺気を感じられなくなったのだ…というか、だな」

    勇者「殺される危険性すら初めから存在しなかったのではないかと錯覚してしまうのだ。どういうメカニズムでそんなことを……まさか幻術か何かで私の危機感を……」

    警備隊長(……幻術でも錯覚でもないぞ)

    メイド長(『事実』ですのよそれは……)

    284 = 272 :

    メイド長「勇者様、殿下についてよーくお考えになってくださいませ」

    メイド長「………殿下に命を助けられた」

    勇者「ああ」

    メイド長「………殿下は勇者様に抱きついてくる」

    勇者「ああ」

    メイド長「………殿下は勇者様といるとき大抵笑顔です」

    勇者「ああ」

    メイド長「………殿下は勇者様を救おうとした」

    勇者「ああ」


    メイド長「そこから普通に考えればどうなります」

    285 = 272 :

    勇者「……いや、それはおかしい」

    メイド長「…なにがおかしいんですか」

    勇者「そう言われたら、まるで娘が私に惚れているような印象を受けてしまう」

    警備隊長「いや、だからだな……」

    勇者「ワッハハハハ!そんなアホな!!」

    メイド長・警備隊長(……アホはお前だよ)

    286 = 272 :

    警備隊長「少々失礼する勇者殿」

    勇者「……どうした警備隊長」

    警備隊長「…………」ガシッガシッ

    ▼けいびたいちょうの なぐるける!

    勇者「ちょ、ちょっ……」

    警備隊長(立場が逆ならば!逆ならば!)ガシッガシッ

    勇者「な……なぜなぐるのだ!なぜなぐるのだ!」

    287 = 272 :

    憲兵隊長「………」ガシッガシッ

    警備隊長「………」ガシッガシッ

    警備隊長「………ん?」

    憲兵隊長「………」ガシッガシッ

    警備隊長「……なんで貴様がここにいる」ガシッガシッ

    憲兵隊長「勇者の監視の為だ。まだ決着がついた訳ではないから、違法行為があればすぐに連行するつもりだ………」ガシッガシッ

    警備隊長「相変わらずのナメクジっぷりだな」ガシッガシッ

    憲兵隊長「……歩く破廉恥に発言権などないハズだが………」ガシッガシッ

    警備隊長「ぬあああああにいいいい!?」ガシッガシッ




    勇者「………あの、もういい加減止めて貰えんか」ボロッ


    288 :

    警備隊長「それで!何をするつもりかな!憲兵隊長!」

    憲兵隊長「言っただろう、監視の為だと……まあ、今日はそれのみではないのだが……」

    警備隊長「懲りずに決闘の申し込みかな?まーたどうせメイド長殿の前で無様に気絶でもするのがオチだろうが。ぷふっ」

    憲兵隊長「何を言ってるのかワケが分からないのだが。突然睡魔が襲ってきたから寝てただけなのだが。」


    警備隊長「銃なんて引いて撃つだけだろうに。疲れるわけがあるまい」

    憲兵隊長「べつに一日中剣を振り回している誰かとは違い事務もこなすからな私は……」

    警備隊長「うっわ、話をすり替えてごまかしているな憲兵隊長ぉー」

    憲兵隊長「わ、わたしは別に……!」



    メイド長「 お や め な さ い 」




    警備隊長・憲兵隊長「はっ!」ピシッ

    勇者「………」

    289 = 288 :

    憲兵隊長「話を戻そう。勇者、引き分けという結果にはなったが、正直お前に有利な展開だったことは認めよう……」

    勇者「………そうか、ならば」

    憲兵隊長「しかし、私に勝ってもいないわけだ。だとするなら単に無罪とするわけには参らん……」

    メイド長「まあ、内容はどうであれルールはルールですからね」

    勇者「むぅ………」

    憲兵隊長「貴様の国では軽度の犯罪を犯した際にどのような処置を致すのか……」

    勇者「そ、そうだな。例えば慈善行為に励むことが義務とされるだとか……」

    290 = 288 :

    憲兵隊長「ならば、勇者にも『慈善行為』に勤しんでいただこう」

    勇者「!」

    憲兵隊長「本日午後に憲兵隊の仕事内容を市民に知らせる催し物が行われる。その中での児童向けの演劇にて協力を仰ぎたい。」

    勇者「………どう言うことだ」

    憲兵隊長「……協力するならば、超法規的措置を認めようと言っているのだよ。勇者」

    警備隊長「ほ、本当か憲兵隊長!」

    憲兵隊長「私が虚偽の発言をしたことはあるかな警備隊長」

    警備隊長「た、確かにないな」

    憲兵隊長「どうする勇者」

    291 = 288 :

    勇者(……以外とこの男とは折り合いがつくかも知れんな)

    勇者「よし、引き受けよう」

    憲兵隊長「ならば決定だ。ヒトサンマルマルに中央広場まで送れぬように。」



    ………ガチャッ



    警備隊長「良かったな勇者殿!」ポンッ

    勇者「ああ。しかし初めて魔王城から外に出れるな!」

    警備隊長「ビックらこいちゃうぞ勇者どのー!あ、今日は暑いから帰りにビアガーデンでも行こうか勇者殿!私の奢りだぞぉー!!」

    勇者「楽しみにしているぞ警備隊長!」


    メイド長「………」


    警備隊長「どうなされたメイド長殿」

    メイド長「いえね、何だか妙な予感が……」

    メイド長「……気のせいでしたらいいんですけど」

    292 = 288 :

    ―城下町―

    子供「おい待てよー!」タタッ

    子オーク「バウバウッ!(待つもんか!)」タタッ

    子供「変化してずりー!俺も」ポゥッ!

    子ゴブリン「オウッ!(逃がさないぞー)」タタッ



    パカラッパカラッ



    警備隊長「どうかな、勇者殿」

    勇者「………何というか、のどかというか、ものすごい阿鼻叫喚と言うかだな」

    293 = 288 :

    警備隊長「移民ではない以上、先天的に魔物への変化能力を身につけているからな。」

    勇者「戦うモンスターの殆どは兵士が変化した姿だとメイド長が言っていたな」

    勇者「しかし隊長のように、後天的に能力を身に付けたものはどうなのだ?……そう言えば憲兵隊長はどうなのだろうか」

    警備隊長「ああ。ほとんど使わんらしいが、奴も私と同じだ。契約をすれば人間でも身体は魔王国の住人と同等になれるし、寿命だって伸びる」

    警備隊長「気が向いたら勇者殿もどうかな?」

    勇者「……冗談」

    294 = 288 :

    警備隊長「ははっ」

    「いらっしゃい、ビールはどうかね。2Gさね」

    「ああ、いただくよ」

    「あれ、1G多いよ旦那」

    「暑いなか頑張ってるからチップだよ。とっときな」

    「まいどありー!」


    勇者「……中心部は豊かなようだな」

    警備隊長「中心部だけでなく、末端の村も似たようなものだぞ」

    勇者「なんと」

    警備隊長「この国では富の再分配が上手く行われているのだ。富めるものは程々に富み、貧しい者達は程々に救われている。人間国ではどんな経済体制なのだ?」

    勇者「国の為に民は働き、国は民に報いる……筈なのだがな、どうにも格差が出てしまうらしい」

    勇者(……しかし驚いた。こうまで魔王国が発展しているとは)

    勇者(というより……)

    勇者(………何故だ、あれだけ彼らは邪気の塊だと教え込まれていたのに、だ)


    勇者「皆……良い顔をしているな」


    警備隊長「ああ。そうだな、勇者殿」


    295 = 288 :

    パカラッ………


    キキーッ


    警備隊長「付きましたぞ勇者殿」

    勇者「……ここが中央広場というやつか」

    警備隊長「おお、もう舞台が出来上がり、子供達が待っているようですな!」


    勇者「………舞台?」

    296 = 288 :

    子オークA「ウオォォ!」

    母親A「ダメでしょ興奮して変化しちゃっ」

    パパゴブリンA「ウオ!ウオ~!」

    母親A「もうパパまで……」

    子スライム「………」とぅるん

    パパスライム「………」とぅるん

    母親B「もう、早く戻りなさい二人とも!」


    勇者「……やはり阿鼻叫喚モノだな」


    297 = 288 :

    魔王「勇者さまー!」タターッ

    勇者「で、出た!」

    魔王「お化け扱いしないでくださいよ!今日も全身!全霊で!あたしの愛を………」

    メイド長「………」グイッ

    魔王「んー!前に進めないですー」ジタバタジタバタ

    メイド長「私たちは客席で見学してますので頑張ってくださいね勇者様」ニコッ

    魔王「やー!やーよ!やーよ!やーよぉ!」ジタバタジタバタジタバタ

    メイド長「お行儀良くなさい。お外なんですわよ」

    魔王「はぁい……」シュン


    勇者(魔王城の支配者は実質的にメイド長殿なのかも知れんな……)



    298 = 288 :

    といったところで本日は一旦終了です
    時間の関係上最後まで投下できず申し訳ありません…
    明日の夜に最終話を全て投下いたします。よろしくお願いします。
    ありがとうございました

    300 = 288 :


    ポンッ

    勇者「……どうした警備隊長」

    憲兵隊長「………」ヌッ

    勇者「ひゃあああああ!?」


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