元スレP「765プロに潜入、ですか?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
151 = 34 :
スタスタスタスタスタスタ
…スタスタスタスタスタスタ
美希「ひっ…」
タッタッタッタッタッタッタッタ
…タッタッタッタッタッタッタッタ
美希「怖いの…ついてこないで」
タタタタタタタタタタタタ!
…タタタタタタ…ウワー!ドンガラガッシャーン!!
美希「!!」
美希「凄い音がしたの…」
今の音は春香が転ぶ音に匹敵してたかも。
…ってアレ?
美希「足音がしなくなった…?」
152 = 34 :
P「いてて…」
?「いたた…」
確かにこの一週間でストーカーについて特に分かったことは無かったが、言い方を変えれば俺が一緒に帰っていた間はストーカーはほとんど何もしてこなかったということでもある。
それではいつまで経っても事態に進展が無いし、ずっと送り続けると言うのも流石に無理な話だ。
星井には悪いが、囮になってもらうことで何か情報が掴めればと思っていたのだが…まさかいきなり本命が釣れるとはな。
捕まえた…と思ったら勢い余って天海ばりの大転倒をしてしまったわけだが。
P「(見たところ星井と同年代…中高生ってとこか)ほら、立てるか?」
少年「!?」ガバッ
P「あー、面倒だから逃げるな。逃げたら警察呼ぶぞ」
慌てて起き上がろうとする少年の肩を抑える。
いざと言うときのために警察には時間帯と場所を指定して巡回してもらってるからな。
ちょっと騒げばすぐに駆けつけてくるだろう。
少年「あなた、確か星井さんと一緒にいた…」
P「さてと、話を聞かせてもらおうか。あ、その前に身分を明かしてもらうところからだな」
153 = 34 :
少年「家の窓から何度か帰るのを見かけて、前から可愛い子だなと思ってたんです。最近になって雑誌のモデルとかをやってるのを知って…」
P「気付いたら好きになってたと」
少年「この前暗い道を一人で歩いてるの見て心配になって…」
P「思わずつけてしまっていたと。となると、ここ一週間姿を見せなかったのは…」
少年「あなたが…一緒だったから」
P「…」
教科書通りのストーカー…というより青春の一つの形と言うべきか。
とりあえずドロドロとした歪んだ動機じゃないだけ安心したが。
少年「あの、あなたは星井さんの彼氏なんですか?」
P「違う。俺は彼女のプロデューサー…どっちかと言うと保護者だな」
154 = 34 :
P「君の気持ちは分からないでもない。確かに彼女は魅力的だ」
少年「…」
P「だが君がやったことは彼女を怖がらせていただけだ。君の意思に反して、な」
少年「…はい」
さて、どうしたものか。
当人は反省してるみたいだし警察を呼ぶほどのことではないのかもしれないが…。
美希「…許してあげて欲しいの」
P「まあ、お前がそう言うなら俺から言うことは…って、いつの間に」
少年「ほ、星井さん…?」
先に行ったものだと思ってたのに、いつの間にか戻ってきてたのか。
まあ、あれだけ大きい音を立てたんだから気付かれない方がおかしな話かもしれないが。
156 = 34 :
美希「あのね、ミキは君からの気持ち嬉しいって思うよ」
少年「…」
美希「でも…君と付き合うことはできないの」
P「(…ばっさりだな。星井らしいが)」
美希「ミキね、今の仕事がすっごい楽しいの。うまく言えないんだけど、まだまだ知らない世界が待ってる感じで…。頑張ればこれからもっとワクワクドキドキできる…そんな気がするの。ね、プロデューサー!」
P「え?ああ、そうかもな…」
突然話を振られても困る…が、"ワクワクドキドキ"か。
曖昧過ぎる表現だが、これも星井らしいな。
美希「だから、ゴメンね」ダッ
タタタッ
P「え…っておい!」
言いたいことだけ言って星井は走り去ってしまった。
P「…」
少年「…」
ご丁寧に俺と少年をこの場に残して。
157 = 34 :
P「あー、その何て言うか…」
少年「…ありがとうございます」
P「え?」
少年「辛くないと言えば嘘になりますけど…直接彼女と話せたおかげで吹っ切れました。今度はその、一ファンとして彼女のことを応援してもいいですか?」
何とも素直で物分りのいい少年だ。
…もしかしたら、案外こういうタイプのほうがストーカーになりやすいのかもしれないな。
彼はもう過ちを犯すことは無いと思うが。
P「ああ、もちろん。だけど…次は無いからね」
少年「はい、本当にすみませんでした。俺が言えることじゃないですが…彼女のことよろしくお願いします」
P「…ああ」
158 = 34 :
店員「いらっしゃいませー」
少年と別れた後、帰る前にコンビニに立ち寄ることにした。
美希「あ、プロデューサー」
P「…やっぱりいたか」
別に星井に会いに来たわけじゃないがな。
前買ったサンドイッチが個人的に当たりだったからまた来てみただけだ。
美希「…プロデューサー、ありがとうなの。ちゃんとミキのこと守ってくれてたんだね」
P「まあな。引き受けることにした以上、最後まで責任は持つさ」
美希「でも嘘吐いてミキを囮にしたのは酷いの!」
P「それは、まあ許せ」
長引けば互いの負担が大きくなるだけだからな。
早期解決できたのだからそれくらい大目に見て欲しいところだ。
159 = 34 :
美希「…あのねプロデューサー、前にミキのことどう思ってるか聞いたよね?」
P「ああ、そんなこともあったな」
美希「あの時言われた言葉の意味、ミキなりに考えてみたんだ。あれってミキがもっともっと頑張れば、星みたいにキラキラ輝けるってこと?」
P「そんなところだ」
…ついでに言わせてもらえば"美希"の"希"は"希望"の"希"でもある。
星のように輝いて人々に希望を与える…全く、アイドルとして出来すぎた名前だ。
美希「キラキラ輝けばもっとワクワクドキドキできるかな?」
P「ああ、お前が本気になればできるだろうな」
美希「それならミキもっともっと頑張るの!だからプロデューサー、これからもミキのこと守ってくれる?」
P「…遅刻や居眠りがもう少しマシになったらな」
美希「え~と、それはちょっと自信無いかも…なの」
160 = 34 :
P「(『彼女のことよろしくお願いします』…か)」
星井を家まで送った後、少年に言われた言葉が頭を過ぎる。
今の俺は確かにプロデューサーで、担当するアイドルを守るのは仕事の一つだ。
だがそのプロデューサーと言う肩書きも、結局は黒井社長に命じられた偽りのものでしかない。
全ては叶えるべき夢のためであり、俺にとっては765プロも単なる通過点でしかない。
P「(その"お願い"を聞いてやれるのは、一体いつまでになるんだろうな…)」
情に流されて深入りすれば、最終的には自分を見失うことになる。
…ずっと自分に言い聞かせてきたことだ。
P「(…今更な話か)」
どの道俺が進む道は一つしか無い。
今までもこれからも、俺の夢は俺だけのものではないのだから。
161 = 34 :
ストーカー事件から数日が経ち、765プロもすっかり元の様子に戻っていた。
変わったことと言えば、意外にも星井が遅刻しなくなった(居眠りはまだ怪しい)ことなのだが…。
P「星井、そろそろ仕事に…」
美希「まだ大丈夫なの!」
何故か今度は事務所から中々出発しなくなってしまった…と言うか、俺が送らないと全く動こうとしないのだ。
遅刻されて困るのは俺も同じなので一度渋々送ってやったのだが、それが全ての間違いだった。
(響「美希ばっかりずるいぞ!」)
(貴音「あなた様、これは流石に不平等かと」)
(真美「そうだそうだー!」)
(あずさ「あらあら、プロデューサーさんを困らせちゃ駄目よ~」)
(律子「いや、あずささんはむしろ送ってもらってください。危険ですから」)
結局、他のアイドル達もスタジオや仕事場まで送る破目になり、俺はプロデューサー兼運転手として無駄に仕事が増える結果となってしまった。
162 = 34 :
美希「そんなことよりプロデューサー、いい加減ミキのこと名前で呼んでほしいって思うな」
P「皆のことは苗字で呼ぶ…そう決めた以上お前だけ特別扱いすることはできない。分かったら仕事の邪魔はするな。以上」
美希「あんまりなの」
星井の一件と仕事の送り迎え、さらにアイドルの無駄なちょっかい(主に双子による)のおかげで溜まりに溜まった仕事を早急に片付けなくてはならない。
加えて音無さんの手伝いもあるわけだし…と言うか交換条件の内容はもう少し考えておくべきだったな。
小鳥「しごと、が…おわら…ない。ぴよ、ぴよ…」
…まさかここまで忙しかったとは。
163 = 34 :
美希「う~ん…じゃあ、みんなのことも名前で呼べばいいの!そうすれば特別扱いにはならないでしょ?」
P「…は?」
美希「みんなもいいよね?」
亜美「いいもなにも、ねえ?」
真美「最初から名前で呼んでって言ってるじゃん!」
響「自分は全然オッケーだぞ!」
貴音「私も構いません。むしろ名前で呼んでいただける日を心待ちにしておりました」
雪歩「わ、私も別に…」
真「もちろん問題無いですよ!」
あずさ「ふふ、やっと名前で呼んでもらえるんですね」
P「え」
164 = 34 :
律子「私も美希に賛成です。正直苗字で呼ばれるのずっとくすぐったかったんですよ」
伊織「律子と美希の意見が合うなんて珍しいわね。ま、私はどっちでもいいんだけど」
やよい「私も名前で呼んでほしいかなーって前から思ってました!」
千早「…別に苗字でも名前でも問題ありません」
春香「苗字で呼ばれるの何となく違和感があったんですよねー」
小鳥「賛成多数みたいですよ、プロデューサーさん♪」
こんなことで無駄に一致団結して…気付いたら音無さんも正気を取り戻してるし。
だが、どうせここで拒否したところで今後もしつこく催促されるのは目に見えてる。
呼び方に拘ってもこの事務所の場合あまり意味が無い様だし…今は仕事の効率を最優先に考えるとするか。
165 = 34 :
P「…仕方無い。美希、早く仕事に…」
美希「やったの!ハニーがやっとミキのこと名前で呼んでくれたの!!」
P「ハニー!?」
美希「ハニーが呼び方変えたからミキも変えてみたの。お互い様でしょ?」
P「あのな、俺はプロデューサーだ。こればっかりは皆もそう呼んでるだろ?」
美希「えー、でも貴音は前からハニーのこと"あなた様"って呼んでたよ?」
P「え…?」
166 = 34 :
P「そうなのか?しじょ…貴音」
貴音「気づいていらっしゃらなかったのですか?何とも複雑な気持ちです…」
P「(今まで全く違和感を感じなかった…だと…)」
真美「なんだー、それなら私達が呼び方変えても問題無いよね♪」
亜美「うんうんその通り。そういうわけで改めてよろしくね、兄ちゃん♪」
P「勝手に話を進めるな…ってかそもそも何だハニーって」
美希「ミキね、好きな人が出来たらその人のことをハニーって呼ぶことにしてたの」
貴音「!」
響「!」
P「…!?」
167 = 34 :
美希「それにハニーもミキのことが好きだって分かったし…」
P「…意味が分からん」
美希「だってハニー、ミキのこと"魅力的"だって言ってくれてたでしょ?つまりは両思いなの!」
P「聞いてたのか…」
でもそれは…そういうことになる、のか?
…いやいやいや、やっぱり違うだろ。
貴音「あなた様、それは真ですか…?」
小鳥「ふふふ♪」
P「(貴音は何故か不機嫌だし、音無さんは意味深に笑ってるし…)」
美希「今日も一日ガンバるの♪だからミキのこと、ちゃんとしっかり見ててよね!」
続く。
168 = 34 :
やはりパソコンからだと書き込む前に簡単に推敲できるのでスムーズに終わりますね。
イーモバの規制も早いとこ何とかしてもらいたいところです。
とりあえず貴音さんごめんなさい。
169 :
乙!
やっぱ美希はかわいいなー
170 :
乙!
やはり美希は最強や…
172 = 149 :
おつおつ
173 = 114 :
いいペースだ乙
今から読むぜ
174 = 116 :
舞ってた
おつ
175 :
いいねいいね
176 :
乙
相変わらず更新量がハンパないですね
177 = 114 :
改めて乙
美希最高や
178 :
乙
Pが一番かわいいなwwww
179 :
乙です
しかし小鳥さんの方がPより黒いんじゃないかと思うww
180 :
乙
完走応援してるよ!
181 :
んっふっふ~、ミキミキはやっぱりかわEなぁ→
182 :
追いついた乙
漫画のほうもかなり面白くて好きなんだけど
文章で見るならこっちも十分にありだな、面白い
184 :
まさか二日連続で飲み会になるとは…。
遅くなりましたが今回もお読みいただきありがとうございました。
正直、読み返す度に稚拙さが浮き彫りになっていくのですが、
投下前の"期待"、投下中の"支援"、投下後の"乙"…
この三つの言葉に救われております。
今までの三話で一先ずプロローグ終了といった感じで、
次の話でようやく本筋のストーリーが動き始める予定です。
が、プロットの書き貯めが三話目の序盤くらいまでだったので、
予告通りここから先はスローペースになると思います。
最低限、週一ペースは維持していきたいと思ってるので、
気長にお付き合いいただければ幸いです。
それでは。
185 :
了解
気長に待ってます
186 = 181 :
キツイと思うが週1頑張ってくれ下さい
187 :
舞ってる
188 :
>>187
体力勝負だな
189 :
おもしろかったわ
190 :
風呂上がったら投下します。
今更ですがこのSSの基本設定はアニマスに準拠しております。
なので展開的にアニマスと被るところが多分にありますがご了承ください。
(単にオリジナルのネタが思いつかなかっただけとも言えます)
192 :
じめじめと鬱陶しい梅雨が明け、道行くサラリーマンの服装がクールビズへと移行し終わった七月。
茹だるような暑さの中、俺は765プロに潜入してから初めて黒井社長に呼び出された。
黒井「どうやら順調にプロデュースを進めているようだな。早々に根を上げるかとも思ったが」
この言い様から考えるに、どうやら黒井社長は765プロの経営状況をしっかり把握していたようだ。
…相変わらずの腹黒さで、こちらとしてはむしろ逆に安心するがな。
この男の場合、悪い意味で"名は体を表す"ということか。
P「評価していただき光栄です…が、まずは私を呼び出した理由を教えていただきたいのですが」
黒井「フン、せっかちな奴だな。貴様に直接確認したいことがあっただけだ」
そう言って黒井社長は自身のデスクの上にステープラーでまとめられた書類を並べた。
P「…!?」
…俺はこの書類を知っている。
いや、正確に言えば知っているどころの話ではない。
765プロのロゴが印刷されたそれは、紛れも無く俺と律子が製作した二つのプロジェクトの企画書だった。
193 :
黒井「何故私がこの企画書を持っているのか不思議そうだな。どうだ?情報を盗まれる側に回った気分は」
P「…」
黒井「確認したかったのはこれが本物かどうかだが…どうやら実際に進行中の企画で間違いないようだな」
P「…ええ、その通りです」
まだ正式に決定していないが、どちらも早ければ今夏からスタートさせる予定のプロジェクトだ。
確かに営業の材料として音楽番組のディレクターや作曲家など極一部に資料を回してあるが…この男の情報網は一体どこまで広がっているのだろうか?
黒井「弱小プロの企画にしては中々興味深かったぞ。で、これはお前が立案したものか?」
P「…一つはそうです。それでこの企画をどうするおつもりですか?命令であれば無かったことにもしますが」
黒井「ノンノンノン、私がお前にした命令は一つだけだ」
P「『765プロを育てろ』…ですか?」
黒井「ウィ。この企画もその延長線上なのだから潰す必要は無いだろう?精々手腕を発揮するがいい」
P「(どういうつもりだ…?)」
黒井「用はこれだけだ。もう帰って構わんぞ」
194 :
P「…」
961プロからの帰り道。
765プロの事務所へ歩きながら思考を巡らしてみるが、どうにも黒井社長の思惑が読めない。
最終的に765プロを取り込むにしても、いささか手が込みすぎているように思える。
黒井社長の本心は一体どこにあるのだろうか。
P「(まさか単純に765プロを育てたいだけなのか?…いや、流石にそれはありえない)」
例え相手に恩があったとしても、自分の利益にならなければ平気で切り捨てる…黒井社長はそういう人物だ。
あの男の辞書に"信頼"と言う言葉はそもそも存在すらしていないのだろう。
そんな人物が利も無く他者のために動くとは考え難い。
P「(だが、だとすれば一体…)」
…いや、深読みしても仕方が無いか。
今はとにかく命令に従って765プロを成長させることに力を尽くすだけだ。
後のことは後になってから考えればいい。
P「(それにしても今日はまた一段と暑いな…。事務所に戻る前にアイスでも買っていくか)」
195 :
伊織「暑いわね…」
響「暑いぞ…」
真美「このままじゃ干物になっちゃうよ~」
亜美「ドロドロ~…」グデー
律子「あんた達少しは静かにしなさい。心頭滅却すれば火もまた涼しって言うでしょ?暑い暑いって言ってると余計暑くなるわよ」
小鳥「…」
律子「ほら小鳥さんを見習って…」
小鳥「…」シーン
春香「いや、小鳥さんは既にダウンしてるだけなんじゃ…」
律子「…みたいね」
響「飲み物取ってくるぞ…」
伊織「それなら私の分もお願いするわ。ちゃんと氷も入れてきてね」
196 = 34 :
真美「それもこれもあのポンコツクーラーのせいだ!」
律子「壊れちゃったものは仕方無いじゃない。修理が終わるまで大人しく待ちなさい」
亜美「待てないよ~!ってかなんで律っちゃんは平気そうなのさー!」
律子「へ?ま、まあ私は我慢できる大人ですからねっ」
真美「あやしい…」ジトジト
響「伊織~、さっき買ってきた100%オレンジでいいか?」
伊織「いいわよ」
真美「あーーーーっ!律っちゃんの足下見てよ亜美っ!!」
亜美「何々…こ、これはっ!!」
亜美真美「「バケツに氷水入れてんじゃん!!」」
響「あれ、冷凍庫から氷が無くなってるぞ?」
律子「…」
197 = 34 :
亜美「律っちゃんだけずるいYO!」
真美「我々は断固抗議するのであります!」
律子「こういうのは気付いた者勝ちでしょうが」
伊織「…ぬるい」
響「文句は律子に言ってほしいぞ」
ヤイノヤイノ、ガヤガヤ
P「…」
事務所の扉の前にいても中の喧騒が無駄に良く聞こえてくる。
この暑さの中でよくこれだけ騒ぐ元気があるものだな。
…おかげさまで、あまり中に入りたくない気持ちになってきた。
198 = 34 :
ガチャ
P「戻ったぞ」
律子「…あ、営業お疲れ様ですプロデューサー」イソイソ
亜美「待て待て~!」
真美「私たちから逃げられると思うてかっ!」
P「…騒がしい奴等だな。ほら、これをやるから少しは大人しくしてろ」
亜美「ん?おお、これはまさに我々が求めていた…」
真美「灼熱地獄の必需品、ずばり…」
亜美真美「「アイスだーーーー!!」」
最近分かったことだが、このお転婆双子姉妹を大人しくさせるには物で釣るのが一番効果的なようだ。
その点はやはりまだまだ子供と言うことなのだろう。
伊織「え?」
響「アイスだって!?」
春香「ホントですかっ!?」
…前言撤回、双子だけでなく他の奴らも同じかもしれない。
199 :
亜美「くぅー…小僧がホップに染み渡るねえ」ガリガリ
律子「それを言うなら"五臓六腑"でしょ。いやでも、本当にありがとうございました」ボソッ
P「気にするな」
律子を助ける目的で買ってきたわけではないが、結果としてそういう形になったのなら幸いだ。
例のプロジェクトを進める上で律子の存在は必要不可欠だからな。
この程度の助け舟ならいくらでも出すさ。
春香「あれ?プロデューサーさんの分が無いですよ?」
P「ああ、俺は別に無くても構わん」
一応多めに買ってきたつもりだったが、事務所にはそれ以上に人がいたようだ。
買った本人である俺の分が無いのは少し癪だが、取り合いになってまた騒がしくなるよりは百倍マシだからな。
春香「それなら…はい、プロデューサーさん♪」
そう言うと春香は自分の分のモナカアイスを半分に割って、片方を俺に差し出してきた。
P「…いいのか?」
春香「えへへ、やっぱり皆で食べた方が美味しいですから」
200 = 34 :
亜美「あーーつーーいーー!!」
真美「太陽のバカヤロー!!」
P「…仕事に集中できないから少しは静かにしてろ」
…どうやらアイス一本程度では三十分も持たなかったようだ。
暑いのは認めるが叫んだところで現状は何も変わらないというのに。
P「大体仕事も無いのにわざわざ事務所に来てるのが間違いなんだ。夏休みに入ったんだからどこかに遊びに行けばいいだろ?」
図書館とかゲーセンとかショッピングモールとか。
節電が呼びかけられてるとは言え、冷房が効いている以上ここよりは遥かにマシのはずだ。
亜美「分かってないなー兄ちゃん。亜美達はプロのアイドルなんだよ」
真美「何かあったらすぐ動けるように事務所で待機する…まさにプロの鑑っしょ!」
P「…建前は分かった。で、本音は?」
亜美真美「「兄ちゃん達で遊ぶため!」」
P「…説教だな」
みんなの評価 : ★
類似してるかもしれないスレッド
- P「クビ……ですか?」 (310) - [52%] - 2014/1/6 7:00 ☆
- 武内P「マッサージ…ですか?」 (748) - [49%] - 2016/3/28 7:00 ★
- モバP「俺のグッズですか?」 (200) - [47%] - 2015/4/10 13:45 ☆
- モバP「え、俺死ぬんですか?」 (208) - [45%] - 2014/3/19 18:15 ★
- 武内P「ムラムラ、ですか」 (673) - [45%] - 2018/9/3 12:30 ☆
- P「新しい事務所を作った?」 (245) - [44%] - 2013/11/5 16:45 ★
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について