元スレP「765プロに潜入、ですか?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
101 :
乙
俺の美希の出番と聞いて今からwwktk
102 :
闇に飲まれよ
104 :
おつ
105 :
乙
鋭くない貴音も珍しい
が、これも良い
楽しみにしてるよ
107 :
面白いけど個人的にはPはとことん冷徹になってほしかったな
ちょっと残念
108 :
最初はもっと人間味の無いPでいこうと思ってたんですが、
書いてるうちに胃が痛くなってきまして…。
話は変わりますが影響を受けてるSSはまだ他にもいくつかありまして、
P「お前たちにプライベートな時間まで費やすつもりはない」
も結構参考にさせてもらってます。
おもしろいので未読の方は是非。
109 = 85 :
>>108
話が合うねえww あのPも恰好良かったよな。
最初は「は?何このクズ」と思ってたけど、春香にデレたシーンが良かった。
110 = 101 :
どっちも読んでる俺に隙はなかった
早く続きをですねえ…週末が楽しみ
111 = 91 :
あんまり人間味無さ過ぎると読んでて胸が痛むからありがたい
112 :
>>103
千早のssのだな
113 :
飲み会明けで頭が痛い…。
続きは今日の昼頃から投稿します。
114 :
期待待機
116 :
舞ってる
キラメキラリを
117 :
P「…はっ」
過ぎ去ったある日の夢を見た。
思い出したくない、でも忘れてはいけない過去の記憶。
P「…」
爽やかな青空は厚い雲に覆われ始め、陰鬱な梅雨の足音が聞こえてくる六月。
俺が765プロに来てから二ヶ月が経とうとしていた。
118 = 34 :
真「伊織~!また騙したなっ!!」
伊織「騙される真が悪いのよっ!」
やよい「う~、ケンカはやめてください~」
雪歩「そうだよ二人とも、落ち着いて…」
亜美「いつもの日常ですな~」
真美「平和ですな~」
律子「あんたたちは…いい加減にしなさーい!!」
騒がしい事務所、騒がしいアイドル。
毎日毎日良く飽きないものだ。
…それをいつもの日常と捉えられるようになってしまった俺も大概だが。
小鳥「プロデューサーさんが来てからみんな今まで以上に明るくなった気がします♪」
P「仕事がある程度増えて不安が消えたからでしょう。それより音無さん、糊貸してください」
小鳥「…プロデューサーさんもぶれないですね」
119 = 34 :
響「みんなー!貴音の番組が始まるぞー!」
真美「うわっ、もうそんな時間!?」
あずさ「うふふ、真ちゃんも伊織ちゃんもケンカは一時中断して一緒に見ましょう?」
伊織「仕方ないわね…後で覚えてらっしゃい!」
真「それはこっちの台詞だよ!」
やよい「早くしないと始まりますよ~」
ケーブルテレビとは言えまさか765プロで一番最初のレギュラー番組を四条が持つことになるとは誰が予想しただろうか。
貴音『このらぁめんはまさに奇跡の一品!私、感服いたしました』
隠れ絶品ラーメンを紹介する良くあるグルメ番組だが、四条の見た目とラーメンに対する情熱のギャップ、そして独特な言動のおかげでそこそこ人気番組となっているらしい。
俺も何度か収録に同行しているが、一度の撮影で平均三杯は食べているのだから恐ろしい話だ。
かく言う四条は今日はオフで不在なのだが、きっと今頃新たなラーメン屋でも開拓しているのだろう。
小鳥「プロデューサーさんは見ないんですか?」
P「雑務がまだ残っているので。…まあ、後で確認くらいはしておきますよ」
小鳥「ふふ、しっかり録画してあるので安心してくださいね」
120 = 34 :
春香「お疲れ様でーす!」
事務所の扉が勢いよく開かれたかと思うと、無駄に元気な挨拶と共に天海が入ってきた。
亜美「はるるんお疲れー!お姫ちんの番組始まってるよ~」
春香「ええ~!?」
あずさ「あらあら、美味しそうねえ」
春香「ま、待って~」
そう言ってこっちに走ってくる。
急いで見たい気持ちは分かるがそんなに慌てると…。
ドンガラガッシャーン!!
…またまた何も無いところで転んだ。
もうそういう路線のキャラで売るからな?
121 = 34 :
P「テレビ見終わったらそれぞれ仕事とレッスンだからな。スケジュールを確認しとけ」
律子「プロデューサー、美希がまだ来てません…」
P「またか…」
星井美希。
ボーカル、ダンス、ビジュアルどれをとっても人並み以上の優れた資質を有し、さらに群集を惹きつける一種のカリスマ性をも持ち合わせている有望株。
アイドルになるために生まれてきたと言っても過言ではなく、まさに"天才"と呼ぶに相応しいだけの能力があるのだが…。
P「(当人の性格があれではな…)」
天才と言うのは得てしてマイペースであり、ご多分にもれず星井に関してもそれは同じことが言えた。
遅刻、居眠りの常習犯であり、自身が興味を示したこと以外に関しては見事なまでの無気力。
面倒くさがりで自分の意にそぐわない事があれば、"や"の一言で即終了。
Going My Wayの代名詞とも言える。
P「(やる気さえ出してくれれば、アイドルとして一流になることも簡単だろうに)」
そうなってくれれば765プロを育てるという俺の仕事も随分楽になるのだが、まあそれはこっちの話だ。
122 = 34 :
ガチャ
美希「…」
噂をすればなんとやら、問題の星井が事務所へとやってきた。
専ら星井を叱るのは最近は秋月がやってくれているので、ここで俺から言うことは特に無い。
最初は俺も遅刻について厳しく注意していたのだが、こいつときたら一向に反省する気配が無いからな。
悪びれた様子もなく、結局は糠に釘状態なのでもう諦めたと言うのが正直なところだ。
律子「美~希~、今日という今日は許さないわよ」
いつもどおりのパターンならばこの後、
星井が正直に理由を話す(悪気ナシ)
↓
秋月の眉間の皺が増える
↓
星井がお茶を濁す(悪気ナシ)
↓
何故か双子が話に混ざる(悪気若干アリ)
↓
秋月がぶちギレる
↓
星井が謝る(表面上)
となり、事態は一応の収束を向かえるはず…が、今日は何だかいつもと様子が違っていた。
123 = 34 :
美希「律子…さん、プロデューサー、ごめんなさいなの」
律子「へ?」
P「は?」
開口一番、星井はすぐに謝ってきた。
いつもなら『すっごくイケてる服が出てたから試着してきたの!』とか言いながら写メを見せてきたり、『カモ先生が子供を連れてたの!可愛かったの!』とか電波なことを言ってきたり、『ミキが遅いんじゃなくて皆が早過ぎるんじゃないかな?』とかトンデモ理論を展開したりと、清々しいほど無茶苦茶な理由を並べるはずなのだが…。
律子「え、うん、まあ反省してるなら良いんだけど」
いや、良くはないだろ。
いつもの星井の態度とは明らかに違うせいか、注意した秋月も面食らってしまっているようだ。
P「何かあったのか?」
星井の顔を見てみると目の下にうっすらと隈ができていた。
所構わず寝ることの出来る星井にとって睡眠不足は無縁のはずだが…これはもしかすると大事なのかもしれない。
美希「…あのね、ミキ最近誰かにつけられてるの」
124 = 34 :
星井曰く、一週間ほど前から誰かの視線を強く感じるようになっていたそうだ。
元々注目されるタイプなので最初は気のせいだと思ったみたいだが、明らかに人通りが無いところでも誰かの視線を感じるのだと言う。
時間帯は夕方~夜…つまり事務所から家に帰るまでの間ということだ。
そして昨日の夜、視線だけでなく自分の後をつけてくる足音を確かに聞いたらしい。
春香「…って、それってストーカーじゃないですか!?」
亜美「ミキミキモテますからな~」
真美「あやかりたいものですな~」
雪歩「うぅ…考えるだけで怖いですぅ」
律子「こーら!あんた達はさっさと仕事に行きなさい!」
亜美「律っちゃんが怒ったー!」
真美「逃げろー!」
125 = 34 :
騒がしい外野には退場してもらい、事務所には俺と秋月と音無さん、そして星井が残った。
星井の今日のレッスンは状況が状況なのでキャンセルするとして…さて、どうしたものか。
律子「とりあえず警察に相談しましょう」
P「まあそれが無難だろうな。と言っても巡回を増やしてもらうのが関の山だろうが」
小鳥「何かあってからじゃないと動いてもらえないんでしたっけ…。美希ちゃんはどうすれば安心できる?」
美希「…一人で帰るのは怖いの」
まあ、そりゃそうだろうな。
とは言ってみても現実問題765プロにはボディーガードを雇うような余裕は無い。
…大手事務所みたいにそれぞれ専属のマネージャーがいればこんな苦労もしなくていいんだが。
小鳥「うーん、それならプロデューサーさんが美希ちゃんを送ってあげればいいんじゃないですか?」
P「は?」
126 = 34 :
律子「そうですね、それしかないでしょう」
P「ちょっと待て。それは流石に無茶だろ」
仕事量的な意味で。
ただでさえ人手不足で手が回らないところがあるというのに。
小鳥「大丈夫ですよ。プロデューサーさんが抜けてる間は私と律子さんできっちりフォローしますから」
P「いや、フォローとかの問題じゃなくて…」
律子「反対意見は代案が無いと認められないですよ」
P「う…」
正直、嫌な予感はしていた。
この事務所の男手が俺と社長しかいない以上、こういう役目が俺に回ってくるのは火を見るよりも明らかと言える。
悔しいが代案が無いのもまた事実である。
美希「…」キラキラ
…星井も星井でそんな澄んだ瞳で俺を見るな。
小鳥「そういうわけでお任せしますよ、プロデューサーさん♪」
P「いや、しかし…」
小鳥「…『何があっても俺が必ず守ってみせる(キリッ』」ボソッ
P「!?」
127 = 34 :
P「(な、何故音無さんがそのことを!?)」
貴音を助けた後、勢いのままに口から出てきてしまった台詞だが、第三者から聞かされると恥ずかしいというレベルじゃないぞ…。
律子「何か言いました?」
小鳥「ああ律子さん、実は前にプロデューサーさんが…」
P「引き受けました」
小鳥「そう言っていただけると思ってました」ニコッ
P「…」
この人だけは敵に回しちゃいけない…。
765プロ二ヶ月目にして改めてそう実感した。
128 = 34 :
美希「プロデューサー、よろしくお願いしますなの!」
P「…」
引き受けた以上はやるしかあるまい。
と言うわけで早速今日から送ることになったわけだが…。
美希「プロデューサー?」
星井の帰宅手段はもっぱらバスと徒歩なので、車で直接家まで送ってやれば一先ず安全だが、それでは根本的な解決にはならない。
すんなり諦めてくれるような相手ならいいが、素性が分からない以上どんなことをしてくるか分からないしな。
P「(下手すると既に星井の自宅を知っている可能性もあるし…)」
美希「プーローデューサー」
面倒だが星井にはいつも通り帰宅してもらい、まずはそれに同行することで少しでも情報を収集する必要があるか。
後は…今日は用意できなかったが護身用にスタンガンくらいは持たせた方がいいな。
P「(それくらいなら流石に経費で落ちるだろうし…)」
美希「プロデューサー!!」
P「って、何だいきなり」
129 = 34 :
美希「いきなりじゃないの!プロデューサーずっとミキのこと無視してたんだよ?」
P「これからについて考えてたんだ。それよりお前も少しは緊張感を持て」
美希「でも事務所の近くはいつも問題無かったし…」
確かに事務所を出る前にざっと辺りを確認してみたが、特にこれと言って不審な人物は見当たらなかった。
まあ、この辺りはまだ人気もある方だからな。
P「(人が少なくなってからが本番ってことか)」
美希「…ねえプロデューサー、やっぱり怒ってる?」
P「え?」
130 = 34 :
美希「ミキ、いつも遅刻や居眠りして迷惑かけてるのに、こういうときだけ頼って…」
自覚していたのか。
正直意外だ…と言ったら流石に失礼だな。
P「(…やれやれ)」
不安を解消するために送ってるのに、別のことで不安にさせてどうするって話だ。
これじゃ音無さんに何言われるか分からないな、全く。
P「…まあ怒ってると言えば怒ってるな」
美希「ごめんなさい…なの」
P「だがそれはお前に対してじゃない。陰湿なストーカーに対してだ」
131 = 34 :
P「今はまだストーカーの目的は分からない。歪んだ恋慕からなのか悪質な嫌がらせなのか…もしかしたら女の嫉妬の可能性もある」
美希「嫉妬?」
P「お前には男を惹きつけてしまう魅力があるからな。それを良く思わない女がいてもおかしくない」
美希「そんなのってないの。ミキ何も悪いことしてないのに…」
P「でもそれがアイドルの宿命でもある。人気の分だけ妬みもあるってことさ」
美希「…何だか大変なの」
他人事みたいに言ってるが、見た目と性格から考えれば自分が一番狙われやすいことを自覚して欲しいものだ。
この齢にして既に魔性の女の片鱗を見せ始めているんだからな。
P「だがどんな理由でもストーカーしていい理由にはならない。ましてお前はまだ15だからな。いくら俺だって放っておけないさ」
そう言って星井の頭をポンと叩く。
見た目は大人びていても、こいつも中身はまだまだ子供だ。
今回のことはプロデューサーがやるような仕事ではないと思うが、大人として守ってやる必要があるってことで妥協しておくか。
美希「…」ポケー
P「ん?どうかしたか」
美希「な、なんでもないの!」
P「?」
132 = 34 :
美希「…!」ビクッ
P「どうかしたのか?」
美希「い、今誰かの視線を感じたの」
P「(ここは…)」
閑散とした住宅街…人通りは少なく、死角も多い。
街灯の間隔もまちまちで、人をつけるには最適な空間だな。
P「ちょっとここで待ってろ」
美希「え?」
先ほど通り過ぎた曲がり道まで戻って辺りを見渡す。
しかし特に怪しい人影は見つけられなかった。
133 = 34 :
P「(…いないか)」
美希「もーっ!プロデューサー酷いの!!」
P「待ってろって言っただろ…まあ、何も無かったからいいが」
美希「一人にするプロデューサーが悪いの!」
誰のためにやってると思ってるんだ!…と思わず怒りたいところだったが、それではあまりにも大人気ない。
星井も少しは元の調子を取り戻してきたようだから、ここは俺が一歩引いておこう。
P「悪かったよ。で、いつもこの辺りから視線を感じ始めるのか?」
美希「へ?う~ん、そう言われてみればそうかも」
P「そうか。とりあえず今日はこのまま帰ろう。また変な視線を感じたら教えてくれ」
結局、その後は特に不審な視線を感じることもなく、星井は無事家に帰っていった。
134 = 34 :
P「…というわけです」
小鳥「うーん、まあ今後に期待して70点ってところですかねー・・・」
P「は?」
翌朝、昨日の帰路の様子を出来るだけ詳しく教えてほしいと言われたので、わざわざ時間を割いて事細かく説明したところ、音無さんから返ってきたのは良く分からない点数だった。
小鳥「ぴよっ!?あ、いえ、今のは気にしないでください。それより今日もお願いしますね♪」
P「?とりあえず一週間程度は様子を見てみますよ。それより護身用のスタンガンですが…」
貴音「…はて、すたんがんとは如何なる物なのでしょうか?」
135 = 34 :
P「四条、来てたのか」
貴音「これは失礼いたしました。あなた様、小鳥嬢、お早う御座います。今朝は久方ぶりに良き天気ですね」
相変わらず古風と言うか良く分からない喋り方だが、これが四条の醸し出す雰囲気に妙にマッチしてるんだよな。
何だかんだで今では四条の個性を表現する強い武器になってるわけだし。
貴音「ところで、お二人で何を話されていたのですか?」
P「そう言えばお前は昨日休みだったな」
小鳥「それがね…」
136 = 34 :
貴音「何と…あなた様、今の話は真なのですか?」
P「ああ、おかげで俺は不本意ながら星井を家まで送ることになったわけだ。本来ならアイドル一人を特別扱いしたくないんだが、状況が状況だから納得してくれ」
貴音「その様な事情では致し方無き事です」
P「理解が早くて助かる」
説明した時あの双子は『私達も送ってよ~』と最後まで駄々を捏ねていたからな。
まあ、あいつらのことだからあれもいつものノリの一部なんだろうが。
貴音「しかし美希のことは心配ですが、正直に申せば不謹慎ながら羨ましくもあります。この胸の痛み…私もまだまだ精進が足りませんね」ボソッ
小鳥「あらあら貴音ちゃんったら♪」
P「羨ましいって、ストーカーされてることがか?相変わらずお前は変わった奴だな」
貴音「…」
小鳥「…」
P「まあ良くも悪くも注目されてるわけだから、アイドルとしてはあながちその考えは間違っていない…って、何ですかその目は?」
小鳥「…0点ですね」
貴音「あなた様はいけずです…」
138 = 34 :
美希「それじゃプロデューサー、今日もお願いしますなの!」
P「…はいはい」
一日の仕事も終わり、今日もまた星井を家まで送る。
昨日に比べて美希も大分いつものマイペースさを取り戻してきたようだ。
美希「…そんなわけで、ミキ的にはおにぎりが一番だと思うの」
P「そうか」
美希「でね、その時でこちゃんが事務所に来て…」
P「へー」
美希「一日に三十人に…」
P「なるほどね」
美希「もーっ!ミキの話ちゃんと聞いてるの!?」
P「聞いてるよ。おにぎりを食べたでこちゃん(?)が一日に三十人出てきたんだろ?」
美希「全然聞いてないのっ!」
139 = 34 :
P「それより少し警戒心を持て。そろそろ昨日視線を感じた場所に近づいてるからな…」
美希「そう言えば…!」ピクッ
P「また、か?」
美希「う~ん、良く分からないの。見られてる気がするような、気のせいのような」
P「(ま、どこぞの殺し屋でもない限り、誰かの視線なんてそんな詳しく感じられる訳ないか。俺には全然分からないし)」
美希「プロデューサー、早く行くの!」
P「…そうだな、長居は無用だ」
情報が掴めないのは癪だが、慌てたところでどうしようもない。
今日のところはさっさと帰ろう。
美希「今度はちゃんとミキの話を聞いてよね」
P「はいはい、それと先に一つ言っておくことがあるが…」
美希「?」
P「俺はおにぎりよりサンドイッチ派だ」
140 = 34 :
P「(…三日目)」
美希「プロデューサーは少し真面目過ぎるって思うな。そんなだからおにぎりの良さが分からないの」
P「褒め言葉として受け取っておく…っておにぎりは関係無いだろ」
美希「ミキ的にはもう少しくだけた感じがいいんだけど…あはっ、それはそれで想像付かないの」
P「…どうしろってんだ」
141 = 34 :
P「(…四日目)」
美希「…あふぅ」
P「眠そうだな」
美希「う~ん、今日はちょっとレッスン疲れたの…zzz」コックリ
P「まあ今日の講師は少し厳しい人だったからな」
美希「zzz」
P「っておい!」
美希「ん~?」
P「(今歩きながら寝てなかったか…?)」
142 = 34 :
P「(…五日目)」
美希「…というわけでカモ先生からまた教わっちゃったの」
P「へー」
カモ先生…未だに正体が不明だが、話の流れから考えるに恐らく星井が通う学校の先生のことだろう。
前は確か子供を連れてたとか言っていたような気がする。
美希「でね、その後が大変だったの。流れが強くてカモ先生がどんどん川下に流されちゃって…」
P「へー…え?」
美希「でも気付いたら岸に上がっていつもみたいにお尻をフリフリしてたの」
P「そ、そうか…(…変質者か?)」
143 = 34 :
P「(…六日目)」
美希「ねえねえプロデューサー、今日はコンビニ寄ってもいい?」
P「別にいいが、何か買いたい物でもあるのか?」
美希「それは着いてからのお楽しみなの♪」
P「?」
店員「いらっしゃいませー」
美希「プロデューサーこっちこっち、ミキの一押しおにぎり教えてあげるね!」
P「お、新作のサンドイッチが出てるな。買って帰るか」
美希「…」ズーン
P「…で、どれがお前のオススメだって?」
美希「これなのっ!」パアッ
P「(分かりやすい奴だ…)って、いちごババロアおにぎり…だと…」
美希「プロデューサーも食べてみるといいの!」キラキラ
P「(え、もしかして買わなきゃいけない流れなのか?)」
144 = 34 :
P「(…七日目)」
美希「小鳥が興奮しながら独り言言ってたの。『やっぱりプロデューサーさんはツンデレです!』って」
P「意味が分からん」
美希「う~ん、ミキも良く分からないの。でも小鳥は前にでこちゃんのこともツンデレって言ってたような…」
P「前から聞こうと思ってたんだが、"でこちゃん"ってまさか水瀬のことか?」
美希「それ以外にいないでしょ?」
P「(他の奴の事は名前で呼ぶのに…水瀬とは仲が悪いのか?)」
美希「ねえ、ところでプロデューサーはミキのことどう思ってるの?」
P「…また唐突だな」
145 = 34 :
美希「これからアイドルとしてやっていけるのかなーって、たまに思うんだ」
P「ああ、そういうことか」
能天気でマイペースだとばかり思ってたが、意外と深い悩みも持ってるのか。
我那覇や四条にも言えたことだが、話してみないと分からないことは確かにあるのかもしれないな。
P「…お前の名前の"星井"と"美希"は、どっちもアイドルの名前としては最高と言ってもいいな」
美希「え?」
P「後は"名は体を表す"とだけ言っておこう」
美希「つまり…どういうこと?」
P「意味くらい自分で考えろ。まあ真面目に仕事やレッスンに取り組めばの話だけどな」
美希「ふ~ん…あ、そう言えばプロデューサー、昨日のおにぎりどうだった?」
P「…聞くな」
美希「ほっ…やっぱり買わなくて正解だったの」
P「おい」
146 = 34 :
P「(…で、気付けば一週間経ったわけだが)」
結論から言えば状況的にはこれといって何も進展していない。
あまり有益な情報も得られていないが、曖昧ながら星井が視線を感じ始めるのはいつも同じ辺りだということは分かった。
P「(となると、そろそろ潮時か…)」
小鳥「うう、仕事が終わらない…」
ちなみに今日は秋月がスケジュール的に忙しかったらしく、基本的に事務処理は全て音無さん任せとなっていた。
そういう日に限って処理しなくてはならない仕事が山積しているようで、哀れ音無さんは書類の山で遭難しかかっているわけだ。
P「(あのプロジェクトが本格的に動き出したら秋月も更に忙しくなるだろうし…下手すれば音無さんは修羅の道を歩むことになるな)」
ガチャ
美希「やっとレッスン終わったの…あふぅ」
小鳥「美希ちゃんお疲れ様…」
美希「小鳥の方がお疲れそうなの。それじゃプロデューサー、今日もよろ…」
P「…今日は無理だ。これからテレビ局のディレクターと打ち合わせすることになってるからな」
147 = 34 :
小鳥「え?」
美希「え…じゃあミキはどうすればいいの?」
P「あれから一週間お前に付き合ったが、特に問題は無かったからな。秋月は迷子になった三浦を迎えに行ってるし、音無さんは書類の山で死にそうだし…今日はとりあえず一人でも問題ないだろ」
美希「そんなのってないの!」
P「わがまま言うな」
美希「プロデューサーはミキより仕事の方が大事なのっ!?」
P「お前達のための仕事なんだがな。それにストーカーの件もお前の勘違いって可能性もまだゼロじゃないわけだし…」
148 = 34 :
美希「もういいのっ!」
小鳥「あ、美希ちゃん!」
バタン!
小鳥「はぁ…プロデューサーさんはいつも言葉が足りないと思います」
勢いよく飛び出して言った星井の背中を見送りながら、音無さんが溜め息混じりにそう言ってくる。
小鳥「大体さっき言ってたディレクターさんとの話だって、ちゃんと明日の昼に変更してもらってたじゃないですか」
P「何だ、知ってたんですか」
その割には口を挟んでこなかったのが不思議だが。
…いや、この人のことだから俺のやろうとしていることはある程度予想しているのかも知れないな。
小鳥「プロデューサーさんのことは信頼してますから。…いささか不器用だとは思いますけど」
P「こういうやり方の方が性に合ってるんですよ。それじゃ行ってきます」
小鳥「美希ちゃんのことよろしくお願いしますね。それと…できれば早く帰ってきて仕事を手伝ってくれたら嬉しいかなー、なんて…」
P「交換条件付きでよければ喜んで」
…丁度いい機会なので、あの恥ずかしい台詞は今日限りで忘れてもらうとしよう。
150 = 34 :
美希「(…プロデューサーなんてもう知らないの!)」
最初は真面目過ぎでミキとは全然合わないと思ってたけど、この一週間いっぱい話して少しは仲良くなったと思ってたのに…。
結局プロデューサーは冷血仕事人間だったの。
…ミキ達のこと仕事の道具としか思ってないのかな。
美希「あ…」
怒りながら早歩きしてたら、いつの間にか周りに誰もいないの…。
美希「(怖いの…でも確かにこの一週間は大丈夫だったし)」
ガタッ
美希「!?」
美希「誰か…」
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