元スレ美琴「ねぇ、今のキス…もう一回…」
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102 = 1 :
――――――――――――――――――――,・★
公園の時計は昼すぎを指していた。
上条は足を止めて寮まであと少しというところで
…なんとなく、その道から一歩外して公園のベンチに腰かけていた。
どこに定めるでもなく、ただ遠くにその瞳をむける。
今日はまた完全下校時刻ギリギリまで補習を受けることになるんだろーなーと、覚悟を決め込んで学校に行ったところ…
「上条ちゃーん、ごめんなさいなのです。今日の補習授業が先生の都合で
出来なくなってしまったのですよ。その分は課題で補うとしましてー
…先週出した課題と一緒にしっかり週明けに提出しちゃってくださいね!」
上条の(進級という近い)将来を案ずる外見の幼さはともかく
そんな生徒想いの優しき担任から、どんっと突き出された
レポート課題を受け取ると追い出されるように学校を後にすることとなった。
「………不幸だ」
補習が無くなり午後の予定が自由になってラッキーと喜べれば良かったのだが、上条は喜べなかった。
また課題が増えたとかそういうことではなくて。
時間が空いてしまった。
やらなければならないことはあるが、手が着けられそうに無い。
何もする気にはなれなかった。
103 = 1 :
ベンチに腰掛け、携帯を取り出した。
アドレス帳を開いてみる。
――――御坂美琴
頭に浮かぶのは美琴のことばかりだ。
補習の授業があれば、それは少しばかりの間はマシになっただろう。
あの日、あの後。
何となく、自分から連絡するのはやめておこうと思った。
―――……べつに…俺からしたって構わねーけど……
心の中で何度同じ言葉を繰り返したか分からない。
携帯をパタリと閉じる。
思うだけで、何一つとして行動に現れていなかった。
自分から連絡したところで、美琴はまた強がって
気持ちを隠してしまうだろうし、またあんな顔をさせてしまうんじゃないか…
……
そんな考えばかりが頭の中をよぎっていく。
―――確かに、俺が
天井をまっすぐ厳しい瞳で見つめていた美琴の表情を思い出す。
あの少女は一体、何を思っていたのか。
それは分からない。
けど、
上条には、はっきりと分かっていることがあった。
―――傷つけた
104 = 1 :
そう思っていながら…あの夜から見始めた夢…美琴にあんなことをしておいて
自分は最低だな…と、上条はどことなく視線を落とした。
この状態が続くのは良くない。
そんなことは、分かっている、行動に出さなければならないことくらい。
自分らしくないことくらい…分かっている。
…自分から連絡することで相手に苦しい思いをさせるかも知れない。
また美琴に嫌な顔をさせてしまうくらいなら、
向こうの気持ちが落ち着くまで待ってもいいんじゃないか…
美琴のことを想うからこそ、そう考えていた。
…連絡できない理由を、そうやって言い聞かせようとする自分がいる。
「…そんなの…言い訳じゃねーか…」
結局のところ怖いのだ。
『好き』
そう言ってくれた、美琴の気持ちを失いそうで。
確かめれば、それまでなわけで。
なぜだか、美琴に拒まれた時の…心が冷めゆくあの感覚が
生々しく体中を走っていった。
105 = 1 :
「……」
今思えば、その言葉に甘えていたのだ。
あの少女にとって、
自分は特別な存在で、
自分と同じ気持ちで、
望み方も同じだと思っていた。
美琴の気持ちなんて知らずに、そう思いこんだ。
自分勝手に。
―――それを確かめることをしなかった………
「……はぁ~……らしくねーな、こんなの…」
こんなところで考えていても仕方ないと、上条は立ち上がる。
「……御坂…なにしてんだろうな……」
休日など時間のあう日は美琴と過ごすばかりで、
思えば美琴が普段どのように、休日を過ごしているのかなんて知らなかった。
寮にいるかもしれないし、友だちとどこかで
お茶をしていたりするのかもしれない…あと、ゲームセンターとか
コンビニにいるのかもしれない。
美琴の居場所を、思い当たるだけ頭の中に羅列する。
―――分かんねーけど、
「行ってみますか」
この一週間、チラッともすれ違わない。
意図的に避けられていて簡単に会えるとも思わない。
けど……
―――会いに行くしかない
揺らぎそうになる決意を確かなものにするように
上条は握りしめた携帯電話を見つめていた。
106 = 1 :
―――会って、確かめよう…
「美琴…」
―――美琴の気持ちを
そう決めた上条の表情は不安をみせつつも
いくらか柔らかいものに変わっていた。
こんな状況でも、美琴に会えることが嬉しいと思った。
…自分が思っていた以上に、会えない寂しさを感じていたのだと気づかされる。
上条は、握りしめた携帯電話をポケットにしまう動作をしながら
今から向かおうとする道に視線を送った。
「――――ッ!?」
その時、手の中にいた携帯電話が慌ただしいバイブレーションで上条の動きを止める。
「……あ」
こんな状況なのに、ディスプレイにうつしだされた名前を見て
上条の唇からこぼれた声には浮き立つ気持ちあらわれていた。
「……っ」
ディスプレイにうつっていたのは、美琴からの連絡を知らせる着信画面だった。
躊躇いつつ、もう一度ベンチに腰を下ろしてから通話ボタンを押した。
107 = 1 :
ここまで…!
また、来ます。
近々…
頭の中で、上条さんと美琴さんが盛り上がりすぎてやばい。あ、でもエロは無しで
早く会って二人で素直になっていちゃいちゃするといいよ!
108 :
おつ
その盛り上がりをここでぶちまけたらいいよ!
109 :
乙!
お互いモジモジした感じが初々しくて凄くいいね
こういう上琴を待ってたのよ
110 :
ぬわ~
ここで切れるとかww
乙でした!
111 :
乙です いちゃいちゃが待ち遠しい!
115 :
ぼちぼち投下
終わったら上げます
前回中途半端に切ったので
中途半端に始まり中途半端に終わります
ああああ…
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116 = 1 :
「…………もしもし?」
『―――――ッ!』
電話の向こうで、息を飲む音が聞こえた。
電話越しに伝わる美琴の気配からその姿が目に浮かぶ。
『………………っ』
「……御坂?」
返事を返さなず黙り込まれ、なんとなくの息づかいだけが
上条の耳に小さく届いていた。
『……………』
「………あのぉ」
久しぶりの美琴からの連絡に上条もかなり焦っていて、
鼓動が早くなる。
「……………」
『……………』
黙っている相手にぽんぽん話題をふって話しかけられるほど、
上条に余裕は無かった。
「…………えっと…」
『…………………』
(……どうしよう…)
黙り込んでしまわれて、自分も何も言えなくて
上条はもやもやと自分自身どうしたものかと悩んでいた。
『……………どこ…』
その時、美琴からやっと発せられた言葉はたったの二文字だった。
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117 = 1 :
「え?」
『……アンタ…今、どこ……?』
「…どこって…今は………」
ちょうど今、美琴に会いに行こうとしていた…なんて、
そう言えれば良かったのかも知れない…
でも、言えなかった。そんなことにまで、気が回らない。
少なくとも、美琴から電話を掛けてきているのだから、
上条に会いたくなかったわけではないのだろう。
きっと、美琴も美琴なりに会えないことを悩んでいたのだ。
とにかく、上条はそのことに安堵した。
「…外に…、出ていますが……」
美琴の問いに上条がそう答えると、えっ!と一際高く美琴は声をあげた。
『…っ、へ!う、…うそっ……いないの!?』
美琴が心底驚いた声を出してきたその瞬間しばらく、感じられなかった
いつもの美琴が戻ったように思えた。
『……居ないの………』
まるで、上条に言うつもりなどは無く独り言のように美琴は呟く。
「……そう、ですね…今は……ーーー…っ!?」
―――あれ、もしかして………
『………っ』
また美琴は黙ってしまった。
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118 = 1 :
上条は振り返って、さっき美琴を探しに向かおうとしていた道とは
反対の道を見つめた。
その先に何かが見えたわけじゃない。
「どうしたんだよ?」
『…べつに、……何も…』
上条はベンチから立ち上がって、一歩…一歩…足を踏み出す。
何の確信もない予感が上条を動かした。
「ーーー……なぁ」
歩調が早くなる。
「…御坂こそ…どこにいんだよ…」
『………どこって』
上条の問いかけに美琴は困ったような声をあげた。
『えっと………私も、今は外…だけど…あ、アンタ…もしかして………』
耳元で安定しない携帯電話が上条の耳に美琴の声を届けている。
『…まさか……また何かに巻き込まれたりしてる?』
上条の歩調が駆け足気味になったのを電話越しに気がついた美琴が心配そうに聞いた。
「はぁっ…あ…いや、…そうじゃねーけどっ」
上条のはぁっはぁっ荒くなる呼吸とビュンビュンと風を切る音が
駆ける速度をあげたことを伝えていた。
『……ねぇ、忙しいなら…また、連絡する…けど………』
―――確信はない
―――でも、そこに…
たしかに、そこに……
「はぁっ……そこにっ…いろ、……美琴ッ」
―――美琴がいる………
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119 = 1 :
――――――――――――――――――――,・☆
制服に着替え、警戒しながらベッド脇に立った美琴はじろりとその敵に目を向ける。
ベッドの上で開いて転がったままの携帯電話を美琴はじっと睨みつけていた。
「………」
待っているのも、すぐに行動に移せないのも自分らしくない。
とにかく、もうじっとしているのは限界だった。
『―――やめてよっ』
どうして、あんな言い方しかできなかったんだろう。
自分を責めた悲しそうな上条の顔が思い出されるたび、美琴の胸がきゅうっと締め付けられる。
「…私だって、同じこと……」
美琴だって、もっと上条に触れたいとそう思っていた。
「……考えてた…くせに……」
―――あの時、こわいって思ったことも……
言えば、きっとアイツはわかってくれた
―――心が追いつかなかったことも、
アイツならきっと待っててくれた
「………っ」
―――ちゃんと伝えられてたら、
アイツのことあんな風に拒んだりせずにすんだ……――――
「それを……」
ちゃんと伝えられなかったのは、自分自身だと…美琴は自分に言い聞かせた。
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120 = 1 :
上条のことを信じているはずなのに…言ったら、面倒に思われるかもしれないとか、
嫌な思いをさせてしまうかもしれないとか…
なんて、そんな風にある意味では疑っていたんだ。
―――私が何にも言えてない……、それだけじゃない…
「私……」
美琴はベッドに置いた携帯電話を掴むと、“上条当麻”のアドレス帳を
開いたままにしてパタンと閉じた。
『―――――……美琴…』
「……何か言おうとしてた…アンタの気持ちも聞こうとしなかったわね…」
メールして約束を取り付けてなんて、会うためには確かな方法のはずであるのに
今の美琴には遠回りなやり方に感じた。
携帯電話を持って、ずっともじもじしている暇があるなら
とにかくアイツの居る場所へ、今すぐ行動すべきだ…
とにかく、あの少年のもとへ行くしかない。
―――会いに行く
会おうとそう決めた途端に、上条の匂いや声、ぬくもりが思い出された。
空想でしかないその感覚が、満たされたいと求める心で美琴の五感を刺激する。
「…っ!!?」
上条が自分の体に触れてくる手を思い出して、頬が紅く染まった。
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121 = 1 :
「~~もうっ!」
自分は一体何を考えているのか、煩悩を捨て去るように頭をふった。
美琴は何かを決心した様子で、顔をあげるとなにやらバタバタと準備を始めた。
部屋中をパタパタと動きながら、引っ張りだしたトートバックにどんどん詰め込んでいく。
ベッドにそのトートバックを置いた美琴は自分の机の引き出しをあける。
取り出したのは、カエルに型抜きされているメモ帳だ。
そこに何かを書きこむと黒子の机にペタリと貼り付けた。
これで、全て整ったのか美琴は声をあげた。
「よしっ!」
美琴はぐっと両手で拳を握りしめ、気合いを入れ直す。
―――今すぐ、会いにいく
自分の思いを再確認して、膨らんだトートバックを肩に引っさげる。
そして、美琴は駆け足気味に部屋を後にした。
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122 = 1 :
orz ごめんなさい
時間的都合でとりあえずここまで。
23時ごろ投下できたらきます
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123 :
とりあえず乙
124 :
上条さんたっぷりほにゃほにゃしてあげて
125 :
ようやくエロくる?
よし、パンツ脱いで待機してるぜ!
126 = 1 :
――――――――
――――――――――――
―――――――――――――――――――――――
時間は昼過ぎをさしていた。美琴は上条が住む寮の前にポツリと一人で立っている。
「……来たのはいいけど」
トートバックにプラスされてスーパーのビニールの袋が2つ、
美琴の手にぶら下がっていた。
「どうしよう…」
寮に来れば、上条に会える…そう決め込んできたものの…
ここまできて美琴は、友達と遊びに出かけていたりしたら、
補習に行っていたりしたら、どうしよう…!?
上条が居ない場合のマイナス要素に気づいた。
「……居るか、居ないか確かめるだけでしょ」
―――居たらアイツの部屋に押し掛けるだけだし……居なけりゃ、………
「そん時は、そん時よ……!」
ガサッと、両手に持っていたビニール袋を片手にまとめて
ポケットから携帯電話を取り出した。
127 = 1 :
「………ここまで来てんだから、電話なんて、
たった…たい、大したこと無いわ…っ!!!」
自分を追い込むように、そう言った美琴は震える指先で、
発信ボタンを押した。
上条当麻を呼び出す画面がチカチカと点滅し、プルルルル…と、
続けて呼び出し音がなっていた。
「…………っ」
無機質な音が耳でしばらく鳴り続ける。
美琴の頭の中は、真っ白だった。
どこか半分では、繋がらなくてもいいと思っている自分がいる。
今の状態で、ちゃんと言葉を口にできるかどうか不安だったから。
(…聞く……今、どこにいるか………)
――――――ッ
(…っ!?)
無機質な音がぷつりと途切れた。
美琴の心臓も一緒に止まりそうだった。
『…………もしもし?』
ひどく懐かしく感じた。たった一週間なのに…ずっと聞きたくて聞きたくて
仕方なかった少年の声だった。
たまらず、美琴は息をぐっと飲みこんだ。
128 :
寝落ちした
上条さんと美琴さんが会うとこまで投下したかったですが
今日はここまで…にします…眠いです
でっきるだけ近いうちにきたいですが
土日あたりになるかもです
AAいつもありがとうございます 嬉しいです
はやくいちゃいちゃをしたいですね
エロwwwwww
今回は限りなく無しで行こうと思ってますが
エロ待機してた人いたらすみません
129 :
舞ってるぞ
130 :
いつの間にか進んでいたwwwwwwとりあえず>>1乙!
どきどき感たっぷりだね。ここは。
134 :
すでに服は脱いだが待ってる
135 :
じゃあ俺も下着は脱いどくわ
136 :
『……御坂?』
「―――――ッ!」
(あ…っ………)
「…………~っ」
(どう…し、よ……)
『…………』
「………」
「…………ッ……」
『………―――』
なんとも言えない空気、気まずい。
自分が返事をしないせいなのは分かっているが、電話の向こうでうーんと
困り顔をする上条が目に浮かんだ。
自分から電話をかけておいて、美琴だって黙ったままでいるこの事態はまずいと思っている。
内心は焦って仕方がなかった。
(う…あ…、なん…か、言わな…きゃ)
そう思っていても、言葉を口にしようとすればするほど息がつまって
声にならない。
「………っ!!」
緊張して唇がなかなか動いてくれない。
『………あのぉ?』
上条が何やら、そのいたたまれない空気を優しく繕うように声を響かせた。
その声に美琴は思わずビクッと肩を震わせる。
(…っ……あ…)
―――聞かなきゃ
美琴は何のために電話をしたのか、目的を心の中で確かめると…
……意を決して唇を開いた。
137 = 1 :
―――どこ、
―――アンタに会いたい―――
―――どこに…いるの?
「ど……こ……」
思い切って出した言葉はたったの二文字だった。
『え?』
言葉の意図が伝わらなかったのか、上条が疑問符を浮かべた声をあげた。
当たり前か、と美琴は途切れた…たった二文字の言葉を頭の中でもう一度呟いてみる。
そして、小さく息を吸って言葉を続けた。
「…っ…アンタ…今、どこ……?」
一度声を出せば、あとの言葉は思ったより簡単に口にすることができた。
『…どこって…今は………』
上条は何かを考えもって、返事をかえそうとしていた。
美琴は携帯電話を握りしめる手にぎゅっと力を込めた。
『…外に…、出ていますが……』
「…っ、へ!う、…うそっ……いないの!?」
上条の返答に、美琴は驚きの声をあげた。
外にいる。
つまりは、今寮にいない。
その可能性もあることは、覚悟していたはずなのに
期待が高まっていた分…落胆は大きかった。
―――…や、だ
会えると思ってたのに。
「……居ないの………」
―――――会えない。
138 = 1 :
心臓がきゅぅっと縮まって、なんだか泣きそうな気分になる。
美琴はほぼ無意識に、声を出していた。
こみ上げてくる寂しい気持ちが、そのか細い声にあらわれている。
『……そう、ですね…今は……ーーー…』
続ける上条の声が、会いたい気持ちを強くした。
―――声、
「………っ」
耳元で響く上条の声に体中の感覚が奪われていくような気がした。
上条の声が自分の中に響くほど、電話ごしの電子音的な声じゃ
耐えられなくなりそうで…
―――ちゃんと、アンタの声聞きたい
『どうしたんだよ?』
上条の真っ直ぐな声が美琴の鼓膜にむかって響く。
「…べつに、……何も…」
ぐっと、言いかけそうになる言葉を飲み込みながら美琴は返事をした。
『ーーー……なぁ』
上条の力強い声に美琴は思わず顔をあげる。
上条がそこにいるわけじゃないが、なんとなく振り返って
続く道の先に視線を向けていた。
『…御坂こそ…どこにいんだよ…』
「………どこって」
そんなことを聞かれるなんて、思ってもいなかった美琴は困り気味に声をあげた。
139 = 1 :
なんて答えるべきか…ほんの数秒間、美琴は思考を巡らせる。
今、アンタに会いにきたところで寮の前にいる…と、
そう言えば、何かがかわるかも知れない。
言えばきっと、美琴のいる場所まで駆けつけてくる…それが上条当麻だ。
美琴もそれはよく分かっている。
わかっている分、言えなかった。
「えっと………私も、今は外…だけど…あ、アンタ…もしかしして………」
電話の向こう側で、空気が変わったような気がした。
美琴は上条からの問いをごまかすようにして、
電話から聞こえる荒く風を切る音に意識を寄せた。
よく耳をすましてみれば、風を切る音だけじゃなくて上条の息までもあがっていることに気づいた。
携帯電話が安定せず時折、耳元から外れるゴソッとした音もしていた。
―――あれ……?
上条は何かを追いかけるか、逃げるか…そんなことをしているようだった。
「…まさか……また何かに巻き込まれたりしてる?」
美琴は何だか嫌な予感がして、上条に何かあったんじゃないかと
心配そうに声をあげた。
140 = 1 :
『はぁっ…あ…いや、…そうじゃねーけどっ』
上条はそう言ったが、また慌ただしく駆ける足音が聞こえてくる。
明らかに、何かがあるはずなのに上条はそれを言おうとしない。
美琴はそれが分かって、苛立ちを感じた。
少しは近づいていたはずの上条との距離が、遠くなったみたいで
頼りにされない自分が情けなかった。
「……ねぇ、忙しいなら…また、連絡する…けど………」
そんなわけない、本当は何があったか聞き出して、
上条の居るところまで、今すぐに飛んでいきたかった。
こらえながら、唇を噛み締めて思ってもみないことを言う自分に納得できない。
―――私、なにしてんのかしら……
―――自分らしくない…こと、しないって決めたのに
―――強がりばっか……してないで…
美琴はぐっと強く、瞼を閉じて目頭を押さえる。
―――アンタに言わなきゃいけないこと
たくさん、あるのに……
『はぁっ……そこにっ…いろ、……美琴ッ』
―――……っ!!
「……え、……」
美琴は息を飲み込んだ。
(私、今……)
上条の声に一気に胸が高鳴っていくのを止められなかった。
(なにを期待したの……)
―――…アンタ、……今、どこにいるのよ……?
141 = 1 :
ここまで。
こんなのですが待ってくれてありがとうございます。
ただらぶらぶしとるだけのターンが近づいていてきました
美琴さんかわいい生足……
今回限りなくエロなしでいきたいんだけど、
こんな美琴さん見たらたぎるわ はぁはぁ
また次回投下まで失礼します。ありがとうございました
143 :
乙なんだよ!
144 :
我慢は身体に毒だぜ?
というわけで私はエロを全裸で待機!
146 :
総員全裸待機!
来たるべきR18展開に対し、各個人は一物をエレクチオンさせとけ
147 :
ええい!この>>1は焦らしの天才か!
呼吸をするが如く焦らしおる・・・
乙
150 :
>>149 アニメの2話で黒子が隠し撮りしてた写真。
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