元スレ杏子「気に入らねー魔法少女どもをボコボコにしてやる」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
851 :
乙おにちく!
852 :
杏子がスレタイにいながら全く出番のないこの展開……作者はマジおにちくさん
853 :
乙乙
おにちくあんこちゃん不在だからおにちくはないと思ってたのに
マミさああああん
855 :
まどか
856 :
さやか
859 :
自分を追い込むなんてなんておにちくなんだ
860 :
8日めっちゃ楽しみにして舞ってますね
861 :
作者にすら追い込みかけるとか、あんこちゃんマジおにちく
楽しみに待ってます
863 :
まだ終わっちゃいねえ
864 :
おにちくのあんこちゃんが、月を指定せずに8日、とだけ言ったんだぞ?
5月8日とか普通に有りうると思うんだが
865 :
まだ8日、望みは捨てない
866 :
まだだ……おちにくあんこちゃんは、きっとハワイとかから投下してくるに違いない
869 :
で、投下は?
870 = 1 :
~病院・駐輪場~
さやか「ねえ……起きてよマミさん」
さやか「魔女はもう倒したんだよ?」
さやか「凄い苦戦しちゃったけどさ……あたし、勝ったんだよ?」
さやか「ほら、マミさんの怪我も全部治したんだよ?」
さやか「なのになんで……」
さやか「なんで起きてくれないの、マミさん……?」
マミ「…………」
871 = 1 :
ジワッ...
さやか「あっ……?」
さやか「マミさん、ソウルジェムが真っ黒だ……」
さやか「これがいけないのかな……」
さやか「早くキレイにしなきゃ……キレイにしないと……」
さやか「……キレイにしないと、どうなるんだっけか……」
さやか「死んじゃうんだっけかな……」
さやか「…………」
さやか「……じゃあ……」
さやか「……あたしも、もうすぐ死んじゃうんだね……」
ジワッ...
さやか「……うっ……くぅぅ……!?」
872 = 1 :
さやか(胸が……苦しいッ……)
さやか(ソウルジェムが濁ると……こんなに苦しいものだったの……?)
さやか(これが……これが死ぬってことなの……?)
マミ「う……あ……」
さやか「マミ、さん……」
さやか「……ごめんね……あたし……もう……」
さやか「マミさん……助けてあげられそうにないや……」
さやか「……せめて……」
さやか「最期まで、一緒にいよっか……」
ギュッ...
873 = 1 :
さやか「ああ……」
さやか「苦しいなぁ……」
さやか「あいつも……」
さやか「杏子も……こんなふうに、苦しかったのかな……」
さやか「……はは、そう考えれば……この苦しみも悪くない、かな」
さやか「マミさんも……そう思うよね……?」
さやか「……杏子」
さやか「あたし達もそっちに……」
《ばーか。なに格好つけてるんだよ、さやか》
874 = 1 :
さやか「え……?」
《どーせ苦しんでる自分が格好良いとでも思ってるんだろうけどさ》
《意味ないぞ、そーいうの。ただの自己満足じゃんか》
《さやかやマミが苦しんだって、何にもならないんだよ》
さやか「そう、かな……」
《そーだよ》
《……アタシも、アンタらのそんな姿見せられたって嬉しくない》
《だからさ……》
《――――アタシがその苦しみから救ってやるよ》
875 = 1 :
《ほら行こうぜ、さやか》
さやか「……どこへ?」
《決まってるだろ、皆のとこさ》
《あ、マミのヤツも叩き起こさなきゃな!》
《全員一緒のほうが楽しいに決まってるし……》
《無理矢理引きずってでも連れていこうぜ!》
さやか「うん……うん、そうだね」
さやか「一緒に……行こっか……」
876 = 1 :
~崩壊した鉄橋~
キリカ「げほげほ……大丈夫かい、織莉子!?」
織莉子「ええ、ちょっとビックリしたけれど……怪我はないわ」
キリカ「それは良かった! 君に何かあったら私は生きていけないところだったよ!」
織莉子「ふふ、大袈裟ね……キリカは」
織莉子「それにしても、暁美ほむらがここまでするなんて思わなかったわ……」
キリカ「うん。傷付いた足でここまで逃げてきただけでも凄いのに……」
キリカ「まさか橋を爆破して、河に逃げ込むなんて!」
織莉子「そうね……まああれだけの傷を負っているわけだし、遠くへは行けないでしょう」
織莉子「すぐに私の予知で場所を特定して……」
織莉子「――――この舞台にも幕を引くとしましょうか」
877 = 1 :
~河原~
ほむら「ゲホッ……ゴホッ、ゴホッ!」
ほむら「……逃げ、きれた?」
ほむら(……いいえダメだわ……相手はあの美国織莉子……)
ほむら(もっと遠くへ……逃げないと……)
ほむら(……ううん、みんなと合流しなきゃ……)
ほむら(合流…………どうやって?)
ほむら(……なんでだろう、頭がぼーっとする……考えがまとまらない……)
ほむら(…………)
ほむら(この河……なんでこんなに真っ赤なのかしら……)
ほむら(……ああ、そうか……)
ほむら(これ、私の血だ……)
878 = 1 :
ほむら(身体に力が入らない……)
ほむら(なんだか寒いわ……それに眠い……)
ほむら(どうしてこんなに眠いのかしら……)
ほむら(……このまま……このまま目を閉じてしまいたい……)
ほむら(…………ダメ、逃げなきゃ……)
ほむら(まどかを……守らなきゃ……)
ほむら(……まど、か……)
《なーに寝てんだよ、ほむら》
879 = 1 :
ほむら「あ…………」
《あーあ、全身びしょびしょじゃねーか、まったく》
ほむら「……お日様だ……」
《んなトコで寝てたら風邪引いちまうぞ》
ほむら「もう、夜明けなのね……」
《ほら、さっさと起きろって。さやかもマミも待ってるぞ》
ほむら「キラキラして……綺麗……」
《そんな寂しいとこで寝っ転がってないでさ》
ほむら「……温かい……」
《……こっちに来いよ、ほむら》
ほむら「私も……そっちに――――」
880 = 1 :
~住宅地~
まどか「はあっ、はあっ……」
まどか(マミさん、さやかちゃん、どこにいるの……!?)
まどか(早く合流しないと……早くしないとほむらちゃんが……!!)
まどか(テレパシーも全然反応がないし……)
まどか(もしかして、さやかちゃん達も、もう……?)
まどか(っ……! そんなはずないっ、そんなことあるわけない!)
まどか(もっと魔力を込めてテレパシーを使えば通じるよ、きっと!)
まどか(さやかちゃん、マミさん!! お願い、返事をして……!!)
881 = 1 :
まどか(…………)
まどか(……)
まどか「っ……ううっ……」グスッ
まどか「マミさん……さやかちゃん……どうしてなの……?」
まどか「お願いだから……返事をしてよぉ……」
――――ドォン!!
まどか「あっ!?」
まどか「今の音……ほむらちゃんの爆弾の音……!?」
まどか「橋のほうだ……まさか……!?」
まどか「――――っ!!」ダッ!
882 = 1 :
まどか《ほむらちゃんっ……ほむらちゃん!!》
まどか《ねえ聞こえる!? 何があったの!?》
まどか《怪我なんかしてないよね、大丈夫だよね!?》
まどか《ほむらちゃん……!》
まどか(………ほむらちゃんの声が……聞こえない……!)
まどか「う……」
まどか「うああああっ!!」
まどか(そんなはずない! ほむらちゃんがやられるわけない!)
まどか(絶対に無事でいてくれる、って約束したもん!)
まどか(絶対に助けに行くって言ったもん!!)
まどか(待っててほむらちゃんっ……今行くから……!!)
883 = 1 :
~崩壊した鉄橋~
キリカ「……おや? さっき見た顔が来たよ、織莉子」
まどか「……っ! 貴女たちは!」
織莉子「わざわざ戻ってきたのね、貴女」
まどか「ほむらちゃんは……ほむらちゃんは何処なの!?」
織莉子「彼女なら……」
キリカ「ははっ、一足遅かったね」
まどか「どういう、意味……?」
キリカ「ここに私達がいて、彼女がいない」
キリカ「それが意味することなんて言わなくてもわかるだろう?」
まどか「っ!!」
884 = 1 :
織莉子「キリカったら、またそんな回りくどい言い方して……」
キリカ「ふふっ、これが私の性分だからね」
織莉子「はっきりと言ってあげないと可哀相でしょう?」
織莉子「暁美ほむらは、もう逃――――」
まどか「…………い」
織莉子「え?」
まどか「許さない!! 貴女たちのこと、絶対に許さないんだからッ!!」
織莉子「――――っ!?」ゾクッ
885 = 1 :
織莉子(何、このプレッシャーは……!?)
織莉子(彼女がただそこにいるだけで息が苦しくなる……!)
まどか「やあああああああっ!!」
キリカ「くっ……!?」
キリカ(圧倒的な魔力……あんな力をぶつけられたら一溜まりもないじゃないか!!)
キリカ「……まあ、でも」
織莉子「ええ、そうね」
織莉子「――――撃たせなければ何も問題ないわ」
まどか「っ!?」
886 = 1 :
引き絞った弓を放つ直前――――
呉キリカの魔法に支配された『時間』は、
澄んだ水が泥水に変わるようにその流れを澱ませた。
キリカ「遅い遅いッ!」
まどか「――――っ!?」
澱んだ時間が、まどかの全身に重たく纏わり付く。
まどか「こ、このっ……」
それに抗うよりも早く――――
織莉子「させないわ」
魔法で作り出された球体がまどかへと襲い掛かった。
887 = 1 :
まどか「あうっ……!」
腕、腹部、足。
動きの鈍ったまどかは、ただ弓を放つだけの動きも出来ず、
成す術もなく美国織莉子の攻撃を受けた。
まどか「つっ……あっ……!」
からん、と乾いた音が虚しく響く。
それはまどかが弓を取り落としてしまった音。
絶望に立ち向かう希望を手放してしまった音――――
888 = 1 :
その隙を、呉キリカが見逃すはずがなかった。
まどか(――――どうして?)
一瞬にして間合いを詰め、背後に回り込む。
まどか(どうして私たちが、こんな目に?)
そして黒の魔法少女は、その鋭い爪を、全てを切り裂く魔法の刃を構え――――
まどか(………ごめんね、みんな……)
――――まどかの細い首筋へ振り下ろした。
889 = 1 :
「――――うん」
「そうさ、君を魔法少女にしてあげる」
「でも残念ながら君に魔法少女の素質はほとんどない」
「まともに僕の姿を見ることも出来ないし、かろうじて声が聴こえる程度だ」
「魔法少女としては最低ランクの能力」
「『どんな願いも叶えてあげる』、とはいかないんだ」
「願いで起こせる奇跡も、本当にちっぽけなものになってしまうだろう」
「……そうだね、例えば」
「死の淵に立つ『彼女』の魂を救うことなら……出来るかもしれないね」
890 = 1 :
「君がその指輪を手にした時、頭が割れるような痛みを感じなかったかい?」
「それはね、その指輪に宿った『彼女』の魂に、魔力にあてられてしまったからなんだよ」
「実は君の内に秘めた素質がわずかとはいえ開花したのも、そのおかげなのさ」
「……『彼女』の肉体は使い物にならないほど損傷してしまったけれど、魂は違う」
「その指輪に宿った『彼女』の魂は、朽ちることなく輝き続けているんだよ」
「君が願えば、君が呼べば、『彼女』は応えてくれるだろう」
「君は自身の魂を、『彼女』のために使う気はあるかい?」
891 = 1 :
「まあでも、きっと彼女は怒るだろうね」
「そういった願いが嫌いだったから」
「……それでも君は願いを変えないのかい?」
「……うん。やっぱりね」
「君達人間はそういったことが大好きだものね」
「例え周りの人間が止めても、自身に待つ苦難を知っていても」
「愛する人を救うためなら我が身も惜しまない」
「……わけがわからないよ」
892 = 1 :
「別に、僕はどちらでも構わないけどね」
「君がそう願うのであれば、止めたりなんかしないさ」
「さあ、願いを言ってごらん」
「それで契約は交わされる」
「…………」
「それが君の願いだね?」
「うん、わかったよ」
「……君の願いはエントロピーを凌駕した」
「喜ぶといい。君の願いが彼女の魂を救うんだ」
「そう――――佐倉杏子の魂を!」
893 = 1 :
布が擦れ合う、乾いた音が微かに響く。
キリカ「なっ……!?」
まどかの首筋へ振り下ろされるはずだった黒の魔爪は、その寸前で――――
――――黄色のリボンに阻まれ、動きを止められていた。
キリカ「なんだこれっ!? リボンっ……!?」
まどか「えっ……!!」
894 = 1 :
織莉子「きゃっ……! な、何、巻き付いて………!?」
キリカ「織莉子! くっ……!」
まどか「この魔法は……!!」
「――――ふう、危ないところだったわね」
まどか「あ…………!」
マミ「ごめんなさい鹿目さん。お待たせしちゃったみたいね?」
まどか「やっぱり、マミさんっ……!!」
まどか「良かった……無事だったんですね!」
マミ「ええ、実は……」
895 = 1 :
織莉子(新手……!?)
織莉子(面倒なことになったわ……)
織莉子(でも、この程度の拘束なら問題ない……)
織莉子(私の武器を飛ばして、彼女たちの隙を突く!!)
ギュンッ!
まどか「あっ! マミさん危ない! 後ろ……!」
「心配いらないよ、まどか!」
ガキィーン!
さやか「バッターさやかちゃん、打ちましたぁ!」
さやか「……なんてねっ!」
まどか「さやかちゃん!?」
896 = 1 :
まどか「さやかちゃんも無事だったんだ!」
さやか「あったり前でしょ、まどか!」
さやか「正義の味方はそー簡単にやられたりしないんだよ!」
まどか「……もうっ、さやかちゃんたら……」
織莉子「また新手……!? なんてことなの……!?」
キリカ「大丈夫さ織莉子! 私がついてるよ!」
キリカ「まずはこんなリボン、八つ裂きにして……!」
「……動いたら、美国織莉子のソウルジェムを撃ち抜くわ」
キリカ「っ!?」
まどか「あっ……ああ……!」
ほむら「無駄な抵抗はやめなさい、呉キリカ」
キリカ「お前は……いつの間に!?」
織莉子「私が背後を取られるなんて……!?」
897 = 1 :
まどか「ほ……ほむらちゃん……!!」
ほむら「ごめんなさい……心配かけたわね、まどか」
まどか「う……うぅうう……」グスッ
まどか「良かった……ほむらちゃんが生きててくれて良かったよぉ……」
まどか「私……ほむらちゃんが死んじゃったのかと思って……」
ほむら「まどか……」
キリカ「暁美ほむらまで現れるなんて……!?」
織莉子「どうして!? 私の予知なら、この程度の不意打ちなんて予測出来たはずなのに……!!」
「――――きっと幻でも見てたんだろ」
織莉子「ッ!?」
「周囲に敵はいない。全て上手くいく」
「……そんな幻をさ」
898 = 1 :
まどか「あっ……!?」
「よぉ、まどか。危ないところだったな?」
キリカ「っ!? 誰だ!!」
「まったく、無茶しすぎなんだよオマエは。もっと自分を大事にしろ、って言ったろ?」
織莉子「貴女は……!?」
まどか「嘘……そんな、なんで……!?」
「ま、オマエはもう安心して見てればいいよ」
杏子「――――アタシが美味しいトコ全部、貰ってやるからさ!」
899 = 1 :
次回・トゥルーエンド編(完結編)に続く。
900 :
乙乙!
一時間半くらい大丈夫だろ
25時だっていえばその日のうちに含まれるさ
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