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元スレ垣根「ただいま」
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>>252 同感。正直俺は一方さんが居ればそれだけで生きていける。水も必要ない。
>>255
初春ちゃんを敵に回したぞ
初春ちゃんを敵に回したぞ
レスありがとうございます。
一方さんはやはり人気ですね。
投下します。
一方さんはやはり人気ですね。
投下します。
食事を終えた後も王国民による姫トークが続いた。
なんだか異次元に居る気分だ。
垣根がTV画面に目をやると、世界一可愛い女の子が“ドウモアリガトッ”と笑顔で言っていた。
上条「ん?垣根はゆかりんに興味あるのか?コール覚える?」
垣根「無理です」
一方「オマエらの話は分かったからTV消そうぜェ?節約してンだろォ?」
上条「それもそうだな」ブチッ
禁書「二人も興味持ってくれると嬉しいんだよ」
垣根「俺には愛生ちゃんが居るし」
禁書「あきちゃん?」
垣根「あ?知らねぇの?けっこう知名度あると思うんだけど」
上条「あー…インデックスはなのはとゆかりんにしか興味ないんだ」
垣根「すっげぇ偏ってんな」
一方(もしかしてェ……抱き枕は、この女の所有物なのか?)
禁書「“なのは”は凄いんだよ!まずキャラクターが可愛い!デバイスの設定も凝ってて、
心が躍るんだよ!ド派手で熱い魔法バトル!心に響くストーリー!見る価値ありなんだよ!!!」
一方「へぇ…」
禁書「ロリコンアニメだと思われがちだけど、少年漫画寄りなんだよ。
けっこう王道ストーリー。あと、私が一番好きなのは日常とシリアスの使い分けなんだよ。
切り替えが上手くて、シリアスが良く映えるんだよ。そこがワクワクするんだよ!!!!」
垣根「……へぇ」
禁書「あるキャラ達の深い家族シーンは、私生活を見直すきっかけになったんだよ。
ニートじゃ駄目だ、私も頑張ろうって思えたんだよ。それくらい温かいんだよ」
上条「インデックス、二人が引いてるからそろそろ止めような」
禁書「……ごめんなさい。なのはのことになるとつい熱くなっちゃって」
垣根「いえいえ、貴重なお話が聞けてびっくりしました」
一方「僕もですゥ」
上条「なんだその口調」
禁書「二人は何が好きなのかな?お話してくれると嬉しいな!」
垣根「俺はさっきも言ったけど愛生ちゃんだ」
垣根「好きなアニメのキャラの声が良いと思ってなんとくググったんだよ。そしたら、天使が居た。惚れた」
禁書「そうなんだ!」
垣根「柔らかい声を聞くとすっげぇ落ち着く。癒されるし、興奮するな。
しかも、ラジオトークも良いし、唄声は人に聞かせる為に一生懸命唄ってるって感じがして好きだな」
禁書「なるほどね!今度聞いてみるんだよ!」
上条「俺だって散々勧めてるだろ……」
禁書「とうまは色々浮気してるから駄目なんだよ!」
上条「だって、良い物はたくさんあるし……。一番はゆかりんだけどさ」
一方(ヒーロー兼プロデューサー兼王国民かァ……)
禁書「で?何が好きなのかな?」
一方「萩原雪歩ちゃん」
禁書「とうまがやってるゲームだね」
一方「ン。雪歩は、俺に初めてメールをくれた女の子なンだよ」
垣根「は?メール?」
一方「アイマスは元々アーケードだったンだ。その時は携帯と
連動したゲームで、待ち受けとか着うたとかダウンロードできたンだよォ」
垣根「へ、へぇ……」
一方「そンで、実際にメールも来るンだ。何時に事務所に居ますとか最近会えなくて寂しいとか」
垣根「…………すっげぇな」
上条「アーケード時代からのプロデューサーだったのか」
一方「雪歩の頑張ってる姿を見てると、俺も頑張れる気がするンだよなァ……」
上条「その気持ち分かる!俺も千早見てるとそう思う!」
一方「……なンか、語るのって性に合わねェや」
禁書「皆、色んな物が好きなんだね!こういうお話は面白いんだよ!」
垣根(ただ喋ってるだけで時間を無駄にしてるみてぇだけど、何かいいな。こういうのって……)
一方「おい」
垣根「あ?」
一方「ずっと気になってたんだけどよォ……」
垣根「ん?」
一方「オマエ、なンで1位になりたかったンだ?」
垣根「……いきなりだな」
上条(空気読んで黙っておこう……)
禁書(私は洗い物でもして来るんだよ……)スタスタ
垣根「お前はどこまで知ってる?」
一方「『スクール』は学園都市の反乱分子。そのリーダー垣根帝督は“ピンセット”を強奪。
第1位の座の為に、あのガキを狙った。雑な説明だけど、これくらいは知ってンぞ」
垣根「全部知ってんじゃねぇか」
一方「オープンカフェからずっと尾行してたしなァ」
垣根「マジかよ。全然気づいてなかった」
一方「それ暗部のリーダーとしてのどうなの?」
垣根「仕方ねぇだろ…びっくりしてたんだからよ」
一方「倒れた時は正直、引いた。あのリアクションはねェよ」
垣根「うっせぇな。つーかさっさと出てくれば良かったろ」
一方「ヒーローっぽい登場がしたくてェ、タイミングを……」
垣根「ばーか」
上条「真面目な話かと思ったらアホな話だな」
一方「いいえ真面目ですゥ。で?」
垣根「……交渉権を得る為だよ」
一方「あ?」
上条「こーしょーけん?」
垣根「アレイスターとの、交渉権が欲しかったんだよ」
一方「……何のためだ?」
垣根「……」
一方「……言いたくねェのか?」
垣根「別に。お前らにだったら言ってもいいや」
一方「……」
垣根「……あれは、少し前のことだ」
――――――――――――――――――――――――
大人気声優豊崎愛生。
セカンドシングル“ぼくを探して”発売決定。
“ぼくを探して”の発売記念として、握手会が決定致しました。
イベントは抽選でのご招待をなります。
奮ってご応募して下さい。
垣根「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
垣根「セカンドシングルきた!!!!!!」
垣根「良い曲名だ。神曲の予感しかしないな」
垣根「しかも握手会だと……?絶対に行くしかない……」
垣根「抽選か……。色んな店舗で買って数枚、抽選券手に入れないとな……」
垣根は感喜していた。
待望のセカンドシングル。
愛生ちゃんとの握手会。
滅多に無い言葉を交わすチャンス。
絶対に行かなければ。
そして愛生ちゃんに大好きで愛していることを伝えなければ。
むしろ、ウェディングドレスと指輪をプレゼントしたい。
垣根(でも抽選券配る店舗って全部、学園都市の外なんだよな……)
垣根「……」
垣根(そういや俺って学園都市から出たことないかも……)
大人気声優豊崎愛生。
セカンドシングル“ぼくを探して”発売決定。
“ぼくを探して”の発売記念として、握手会が決定致しました。
イベントは抽選でのご招待をなります。
奮ってご応募して下さい。
垣根「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
垣根「セカンドシングルきた!!!!!!」
垣根「良い曲名だ。神曲の予感しかしないな」
垣根「しかも握手会だと……?絶対に行くしかない……」
垣根「抽選か……。色んな店舗で買って数枚、抽選券手に入れないとな……」
垣根は感喜していた。
待望のセカンドシングル。
愛生ちゃんとの握手会。
滅多に無い言葉を交わすチャンス。
絶対に行かなければ。
そして愛生ちゃんに大好きで愛していることを伝えなければ。
むしろ、ウェディングドレスと指輪をプレゼントしたい。
垣根(でも抽選券配る店舗って全部、学園都市の外なんだよな……)
垣根「……」
垣根(そういや俺って学園都市から出たことないかも……)
垣根は幼い頃から学園都市に住んでいた。
もしかしたら昔は違う場所に住んでいたのかもしれないが、そんな記憶は無かった。
そして家族が居ない垣根には外に出る理由など無い。
レベル5になってからは、未元物質の情報などの流失を恐れられて、外へ出ることは許されなくなった。
垣根(CDは下っ端に買いに行かせるか……。レベル0なら外出届は受理されやすいし)
今まで垣根は、学園都市から出ようとは思っていなかった。
大きすぎる力は学園都市に居たって持て余してしまうのだ。
外の世界になんか出たら、もっと住みづらくて煙たがられるだろう。
だから外には興味は無かった。
垣根(でも今回は事情が事情だ。当選したらIDを偽造してでも外に出てやる!)
垣根「……」
垣根(いや、偽造なんて駄目だ。俺がそんなことしちまったら、
愛生ちゃんファンの評判が下がって、さらには愛生ちゃんの評判も下がっちまう……!!)
きっと大丈夫だ。
愛する女性に会いに行くと言えば、学園都市からすぐに出られるだろう。
愛を否定するほど、この街は無慈悲ではない筈だ。
垣根(とにかく応募して当選しないことには何も始まらねぇ)
さっそく下っ端を呼び出して命令をくだす。
街頭店舗でCDを購入し、応募券を手に入れること。
簡潔でアホくさい内容に下っ端は心の中で苦笑した。
心理「ねぇ、自分の趣味に組織を巻き込むのは止めさないよ」
垣根「うっせぇな。きちんと報酬は与えてるんだからいいだろ。
それに遺体処理とかに比べればよっぽどマシだろうが」
心理「……はいはい」
当選する確率は低いだろう。
でも倍率が高いのは人気者の証拠だ。
そう思うと何とも言えない喜びが溢れてくる。
垣根(やべぇやべぇやべぇ…………もう当選した気分だ。
でも、期待して抽選漏れしたらショックで死ぬから、そんなに期待しないでおこう)
垣根(抽選は完全に運だからな……。どうか当選してください!お願いします神様!!!!!!!!!)
そして、月日は流れる――――
垣根(そろそろ、当選者には参加権が来る筈だ……!)
期待と不安を抱きながら、ポストを開ける日々が続く。
何も入っていなくてため息をつくことが多かった。
しかし、神様は垣根を見捨てなかった。
暗部の胸糞悪い仕事を終わらせて帰宅した垣根はポストを確認する。
どうせハズれだろうと諦めつつポストを覗くと、そこには待ち続けた参加権が入っていた。
垣根「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
垣根は喜びのあまりのた打ち回った。
嬉しさで頭がおかしくなりそうだ。
愛生ちゃんに会える。
天使の声を生で聴くことができる。
その上、彼女に触れることができる。
垣根(ど、どうしよう、握手してるとき、何て言おう?好きです愛してますってのは絶対言うだろ?)
垣根(そんで頑張って下さいって言って、あ、でも頑張りすぎて倒れるとかは勘弁だ。健康第一で頑張って下さいって言うか)
頭の中で、愛生ちゃんとの握手のシミュレーションを何度もした。
心の準備無しで彼女に会ったら、トキメキで心臓が止まってしまうだろう。
脳内の愛生ちゃんは、はにかんだ笑顔で“ありがとうございます”と言ってくれる。
本物はもっと可愛くて素晴らしいに違いない。
楽しみすぎて死にそうだ。
垣根(あ、そうだ。学園都市から外出許可を得ないといけねぇんだ。今日はもう遅いし、明日にするかな)
垣根は最高に良い気分で眠りについた。
何を着て行こうか?髪はどんな感じにするか?プレゼントは何にしようか?
まるでデートするかのようにルンルン気分だった。
神様は残酷だ。
神様は垣根に微笑んだかのように見えたのだけれど、実際には垣根の方など見てもいなかったのだ。
垣根「は?外出許可は出せないだと?」
下っ端「はい。レベル5の第2位がそんな理由で外出するなと」
垣根「はぁぁぁぁぁぁぁ!?そんな理由!?
愛生ちゃんの握手会をそんな理由呼ばわりだと!!!!?テメェぶっ殺すぞ!!!」
下っ端「痛い!痛いです!羽で叩かないで下さいよ!」
垣根「うっせぇばーか!死ねクソボケ!!!!」
下っ端「俺に言わないで下さい!」
心理「八つ当たりは止めなさいよ。あなたが外出なんて出来るわけないでしょ?」
垣根「あ?」
心理「分かっているでしょ?貴方くらいの力を持っていたら、
学園都市の利益にならない限り、この街から出られないわ」
垣根「……クソが。俺は散々この街に利益を提供してきたんだ。
たまには我がまま聞いてくれても良いだろうが馬鹿野郎」
心理「馬鹿なのは貴方よ。この街にとってレベル5は
貴重な実験動物なのよ?モルモットが自分の意思で檻の外に出れると思ってるの?」
垣根「……超電磁砲は外に出てるだろ」
心理「彼女は家族が居るわ。外出を制限してたら、家族は黙っていないでしょ?」
垣根「……」
心理「それに貴方や第1位に比べたら、超電磁砲の力は赤ん坊みたいなものじゃない」
垣根「それはそうだけど」
心理「自分で思ってるよりも化け物なんだから、大人しくしてなさい」
垣根「でも、握手会が……」
心理「馬鹿じゃないの?そんな理由で第2位が外出できるわけないでしょ?考えなくたって分かるじゃない」
垣根「……」
心理「……」
垣根「……ッ」
心理「……泣かないでよ。気持ち悪い」
垣根「うっせぇ……出てけ……ふっ……ひっく……」
心理「……はいはい。ほら、貴方も行くわよ」スタスタ
下っ端「あ、はい」スタスタ
バタン
垣根「……」
垣根「……………」
垣根「あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
垣根は体中の水分が無くなるくらい泣いた。
義務教育を終えた男がこんなに泣くなど、みっともないとは理解している。
けれど瞳から溢れてくる感情は止められなかった。
会いに行ける権利があるのに、街から出る権利はない。
あともう少しだったのに。
もう少しで彼女に会うことが出来たのに……!
垣根はこの街に初めて怒りを覚えた。
自分が実験動物扱いされようが、上層部の連中にいいように使われようがどうでも良かった。
しかし、今回のことでハッキリした。
この街は腐っている。腐りきっている。
愛する女性に会いに行くのすら許されないような街は、変えなくてはならない。
そして、第2位は決心する。
この街を変えよう。
レベル5でも、自分の意思で気軽に外出できるように、と。
垣根(でも今から動いたんじゃ、握手会には間に合わない……)
垣根(愛生ちゃんはこれからどんどん人気出るだろうし、握手会は二度とやらねぇだろうな……)
垣根(そう思うと、俺の行動は無駄かもしれねぇ……でも……)
垣根「それでも、俺はやらなくちゃならねぇんだよ……!」
―――――――――――――――――――――――
垣根「という訳で、俺は直接交渉権を手に入れようと色々やった訳だ」
一方「……」
上条「……」
禁書「……」
垣根「笑えるだろ?どんなに頑張った所で握手会には行けないっつーのによ」
一方「……」
上条「……」
禁書「……」
部屋には重い雰囲気が漂っていた。
上条とインデックスは、悲しそうな顔で垣根を見ていた。
一方通行は何かを思い出しているようで、少し俯いてる。
ちなみに“そんなくだらないことでいちいち暗部組織動かすな”という突っ込みは入らない。
なぜならこの部屋には、似た者同士しか居ないからである。
垣根「それに、愛生ちゃんの声に似てるクソ花に気を取られて計画は破綻した。頭悪すぎて死ねって感じだろ?」
一方「……本当に、アホ野郎だな」
垣根「心配するな。自覚はある」
一方「なンで、早く言わねェンだよ」
垣根「は?」
一方「俺もだ。……俺も、テメェと似たようなことがあった」
垣根「え」
震えた声で一方通行は話し始める。
かつて、自分がアイマスライブのチケットに申し込み、チケットが当たったこと。
そして、垣根と同じ理由で、ライブには行けなかったこと。
垣根「という訳で、俺は直接交渉権を手に入れようと色々やった訳だ」
一方「……」
上条「……」
禁書「……」
垣根「笑えるだろ?どんなに頑張った所で握手会には行けないっつーのによ」
一方「……」
上条「……」
禁書「……」
部屋には重い雰囲気が漂っていた。
上条とインデックスは、悲しそうな顔で垣根を見ていた。
一方通行は何かを思い出しているようで、少し俯いてる。
ちなみに“そんなくだらないことでいちいち暗部組織動かすな”という突っ込みは入らない。
なぜならこの部屋には、似た者同士しか居ないからである。
垣根「それに、愛生ちゃんの声に似てるクソ花に気を取られて計画は破綻した。頭悪すぎて死ねって感じだろ?」
一方「……本当に、アホ野郎だな」
垣根「心配するな。自覚はある」
一方「なンで、早く言わねェンだよ」
垣根「は?」
一方「俺もだ。……俺も、テメェと似たようなことがあった」
垣根「え」
震えた声で一方通行は話し始める。
かつて、自分がアイマスライブのチケットに申し込み、チケットが当たったこと。
そして、垣根と同じ理由で、ライブには行けなかったこと。
一方「俺はテメェと違って、この街を変えることなンか思い付かなかった」
垣根「……」
一方「俺は化け物だ。そんなヤツが他のプロデューサーと肩を並べて
サイリウムを振って良い訳がねェと思ってあっさり諦めたンだよ」
垣根「……」
重い雰囲気の中、上条とインデックスが口を開く。
二人は好きな声優のライブに行っているし、コミックマーケットにだって行っている。
好きな人を応援し声援を送る、それが普通だと思っていた。
しかしレベル5というだけでそれをできない現実。
上条「……そんなこと、知らなかったな」
禁書「私もだよ……」
垣根「つーかなんで上条はライブに行けてるんだよ?テメェだってレベル高いんじゃねぇの?」
上条「俺はレベル0だけど?」
垣根「あんだと?」
一方「こいつはズルいよなァ……。けっこうな力を持ってるくせに、気軽に外出してンだぜェ……」
垣根「……羨ましいな」
垣根はため息をついた。
羨ましいけれど、妬んだって仕方ない。
不意に隣に居るインデックスに手を取られた。
何か用か?と視線を送る。
インデックスはまっすぐ垣根を見ながら、力強く言った。
禁書「私も協力する!!」
垣根「は?」
禁書「好きな声優さんに会いに行けないなんて、酷過ぎるんだよ」
上条「俺もだ!何か出来ることがあったら言ってくれ!」
垣根「……お前ら」
一方「……なァ」
垣根「ん?」
一方「テメェの言う直接交渉権とやらには、俺が一番近い場所に居るんだろォ?」
垣根「そうだ」
一方「なら、俺がアレイスターと交渉してくればいいンじゃねェの?」
垣根「……マジで?」
一方「知り合いに空間移動能力持ってるヤツ居るし、どうにかなンだろ」
垣根「……」
一方「でもよォ、理由には死ぬほど同意できるが、あのガキを狙おうと思ったのは理解できねェ」
垣根「……」
一方「手段を選んでる暇が無かったンだろうが、それだけはやっちゃいけねェよ」
垣根「……そう、だよな」
一方「もしかしたら、俺とお前はこうやって喋ることなく殺し合ってたかもなァ……」
垣根「……まぁ、最初はテメェを殺すつもりだったし」
一方「……俺だけが思ってるかもしれねェけど、」
垣根「?」
一方「そうならなくて、良かった」
垣根「……一方通行」
一方「だからと言って、ガキを狙ったことを許した訳じゃねェ」
垣根「……」
一方「でも、オマエと、友達になれたことは、嫌じゃねェ」
垣根「お前……」
垣根は目頭が熱くなった。
一方通行の大切な存在に危害を加えようとした自分を、友人だと認めくれるなんて。
それに誰もこんな話を理解してくれるとは思っていなかった。
自分の考えに賛同し、協力してくれる人が居るとは考えもしなかった。
垣根(不思議だな。一方通行とこんなにも近い距離に居るなんて……)
本来ならば彼と自分は殺し合いをする運命だった。
それが何故狂ったのかは分からないけれど、そんなクソッタレな運命が変わったのは喜ばしいことだと思える。
手段を選ばず行動していた自分が恥ずかしい。
一方「何ボーっとしてンだ?」
垣根「……なんでもねぇよ」
そゥかよ、と薄く笑う一方通行はどこか恥ずかしそうだった。
そんな一方通行の顔を見て垣根も何故だか恥ずかしなる。
ともだち。
その言葉を胸の中で呟いてみると、暖かい気持ちになれた。
一方「うし、明日にでも行くか」
垣根「え?」
一方「早いほうがいいだろォ?」
垣根「そうだけど……」
一方「まァ、俺に任せとけェ。その間テメェは美希をプロデュースしておくンだな」
垣根「……でも、テメェはあくまで直接交渉権に近いだけで、アレイスターと対等な訳じゃねぇぞ?」
一方「そンなモンどうにでもなンだろ」
垣根「適当だなオイ」
上条「俺も行く!」
禁書「私も!」
一方「……オマエらが居てもなァ」
二人の申し出は嬉しかったけれど彼らは無関係だ。
直接アレイスターの所へ出向くなど何があるか分からない。
危険な目に合うかもしれないと思うと連れて行くことは出来なかった。
しかし、腫れた顔の上条は必死に懇願する。
上条「じっとしてられないんだよ!頼む!お前に降り掛る幻想は俺が全部ぶち殺す!だから、お願いだ!」
禁書「私もなんだよ!絶対に足手まといにはならないから、お願い」
一方「……なら、いいけどォ」
垣根「なら俺も行く。皆で行った方がいいだろ。仲間外れとか嫌だし」
一方「やれやれ、結局全員かよ」
禁書「ライブに行けるようになったら、ゆかりんのライブに行こうね?」
垣根「さり気に布教するな」
一方「あ……でも、空間能力の知り合いってオタク嫌いなンだよなァ…」
上条「じゃあ無理かもな……」
一方「頼ンではみるけど、駄目だったらごめンな?」
垣根「別にお前が謝ることじゃないだろ」
一方「ソイツが説得出来なきゃ、あのビルには
入れないからなァ……。もしかしたら明日に行くのは無理かもしれねェ」
垣根「まぁ、どうにかなんだろ」
話が一段落つくと、インデックスの提案で“なのは”観賞会が始まった。
垣根は正直興味が無かったのだけれど、皆で見ると面白く感じられた。
本当に、一方通行と戦わなくて良かった。
彼と戦っていたら上条やインデックスと知り合えなかったかもしれない。
こんなひと時を過ごすことも無かっただろうし、自分がプロデューサーになることもなかっただろう。
垣根帝督と一方通行の運命を変えたのは、誰だかは分からない。
けれど垣根はその知らない誰かに、そっと感謝した。
乙です。このスレのアホ(褒め言葉)なキャラのおかげでテスト勉強の疲れが吹っ飛んだ。明日のテスト頑張るぜ!
文体はものすごく真面目なのに内容がバカバカしいってどういうことなの……。
おつんつん
おつんつん
ここまでくると中の人まであんな感じなのか?
だとしたらやばいな
だとしたらやばいな
魔術サイドはオタクになりそうなやつ多いから出てくると大変そうだ
アレイ☆なら学園都市にいつつ、握手会に参加とか余裕だろうなwww
レスありがとうございます
恋愛要素ないと言ったのに、あります。すいません。
投下します
恋愛要素ないと言ったのに、あります。すいません。
投下します
翌日、4人は再び集まった。
一方通行の知り合いである空間移動能力者を説得する為だ。
数分待つと一人の女性が現れた。
彼女の名前は結標淡希。
軽く挨拶を済ませると一方通行が結標に事情を説明する。
結標は、話を真剣に聞いていたのだが……
結標「いやよ」
一方「なンでだよォォォォ!?」
話が終わった後の第一声は、拒否だった。
それもそうだろう。
たかが声優のイベントの為だけにアレイスターに会いに行くなど、頭が悪すぎる。
そんなことに自分の能力を使うなんてバカバカしくて出来る訳がない。
それに、一方通行が他の女性に会い行くのを手伝うなんてしたくなかった。
これは本人に言えないけれど。
結標「そんなくだらないことに、何で私が協力しなくちゃいけないの?」
垣根「くだらなくねぇよ!!!ぶっ殺すぞクソ女」
結標「あらヤダ。声オタって本当にキチガイね。自分の思い通りに
ならなかったら相手に危害を加えるの?最低ね。キモい、気持ち悪すぎるわ」
垣根「……う」
一方「テメェに全面協力してやるよ」
結標「は?」
一方「テメェにも大切な仲間とやらが居ンだろォ?ソイツらを助ける時には、オマエと一緒に命をかけてやる」
垣根「事情は知らないけど、俺も協力する。だからお願いします」
結標「……別にいらないわよ」
一方「お願いだ!この通りィ!」
垣根「本当にお願いします!!」
二人は同時に土下座をした。
第1位と第2位のこんな姿は滅多に拝めないだろう。
一方通行のつむじが見えて結標は胸キュンする。
触りたいな、と思っていると残りの二人も土下座を始めた。
上条「俺からもお願いします!」
禁書「私からもなんだよ!」
結標「ちょっと……私を囲んで土下座しないでくれる?何の宗教よ」
人通りの多い街中で四人から土下座されているのは異様な光景だろう。
通行人の視線がこの上なく痛い。
結標「はぁ……分かったわよ。顔上げなさい」
一方「連れて行ってくれンのか!?」
結標「いいけど、私はこの件には無関係よ?キモオタに巻き込まれた被害者ってだけだから」
一方「分かってるゥ!ありがとう!すっげェありがとう!!」
結標「ひゃっ!?」
一方通行は感謝のあまり結標に抱きついた。
とくに仲が良い訳ではない。一緒の組織に属しているだけの関係。
それに一方通行は前に彼女を殴り飛ばしている。
加えて結標はオタクに嫌悪感を持っている女の子だ。
それなのに、結標は協力してくれると言うのだ。
一方「オタク嫌いなのにわりィな」
結標「別に嫌いな訳じゃないわよ……」
一方「え?」
一方通行は首をかしげた。
隠れ家でアイマスをしていると邪魔してくるし、ゲームなんかしてないで彼女作りなさいよ、とか余計なことを言ってくる。
本当はオタクが嫌いでやっている行為ではない。
しかし彼女の心を全く知らない一方通行は結標がオタク嫌いだと勘違いしているのだ。
結標「…………離してよ」
一方「あ、わりィ」
一方通行は結標を離した。
少しだけ残念だけれど、これ以上彼に抱擁されていたら、嬉しさで頭がおかしくなってしまう。
一方「本当にありがとなァ!オマエはいい子だと思ってたよォ!!」
結標(私の協力で、こんなに喜ぶなんて……。手伝ってあげるって言って良かった……)キュン
一方「何か礼してやる。俺に出来る範囲でだけどな」
結標「じゃ、じゃあ一日だけ買い物に付き合いなさいっ!」
一方「あン?カード貸してやるから、一人で行ったほうがいいンじゃねェの?」
結標「馬鹿!アンタなんて荷物持ちよ!荷物持ち!」
一方「なるほどォ」
結標「べ、別にアンタと一緒に居たいとか、デートしたいだなんて思ってないから!勘違いしないでよねっ!」
一方「分かってるっつーの。冗談抜きでマジで感謝しンぞ」
垣根「……」
上条「……」
禁書「……ここまで典型的なツンデレ台詞が聞けるなんて思ってなかったんだよ」
一方「あ?」
垣根は呆れた目で一方通行を見た。
雪歩一筋とか言ってたくせに、3次元でフラグ立ててんじゃねぇよ。
しかし、これでアレイスターと会うことができるのだ。
もうすぐ願いが叶うと思うと、口元が緩んでしまう。
一方「笑うのはまだだ。これからが本番だからなァ?」
垣根「分かってるよ。頼りにしてるぜ一方通行」
こうして4人は窓の無いビルに行くことになった。
話し合いで事が済めば良いのだけれど、どうなるかは分からない。
一方通行と垣根は気を張り詰めた。
上手く行けば、輝かしい未来が待っている。
―――――――――――――――――――――――
結標「無理ね」
上条「……そうですか」
一方「やっぱりか……」
窓のないビルに行く前に、一方通行が気になることがあると言いだした。
それは上条当麻を座標移動することができるかどうかだ。
結果としては無理だった。
結標が完璧な演算をしても上条の体が動くことは無い。
上条「これっばかりは……諦めるしかないか……」
一方「右手置いて行けばァ?」
上条「できるか!!!!!」
上条はその場でうな垂れる。
二人の手助けをしたかったというのに、それすらも叶わない。
ヒロインでもあるまいし、外で皆の無事を祈っているだけなんて嫌だった。
インデックスの暖かい手が上条の右手を包んだ。
まるで“貴方の右手は何も悪くないよ”と言っているみたいに。
そして彼を慰めるように、シスターは笑う。
禁書「大丈夫だよとうま。私が当麻の分まで頑張るから」
上条「……インデックス、無理するなよ?」
垣根「インデックスちゃんは俺達に任せとけ。傷なんてつけさせないから」
一方「三下は待ってるしかねェな。すぐ戻ってくるからそンな泣きそうな顔すンな。きもい」
結標「決まったわね?行くのは、第2位と一方通行とそこの女の子でいいわね?」
一方「おう。頼む」
上条「…………頑張れよ」
上条に見送られ、垣根達は窓の無いビルへと向かった。
垣根は緊張と高揚と不安で鼓動が早くなっていた。
何が待ち受けているか分からない。
垣根「……」
隣に居る一方通行を見た。
目が合うと彼は力強く微笑んだ。
禁書「平気だよ。ていとく。きっと神様は私達に味方してくれるんだよ」
不意にインデックスが言う。
そちらを見ると彼女も力強く微笑んでいる。
この二人が居れば、どうにかなる気がしてきた。
緊張を解すため、息を吐く。
そして愛する彼女のこと想った。
愛生ちゃん、待っていてくれ。この街から出て必ず君に会いに行く。
結標「無理ね」
上条「……そうですか」
一方「やっぱりか……」
窓のないビルに行く前に、一方通行が気になることがあると言いだした。
それは上条当麻を座標移動することができるかどうかだ。
結果としては無理だった。
結標が完璧な演算をしても上条の体が動くことは無い。
上条「これっばかりは……諦めるしかないか……」
一方「右手置いて行けばァ?」
上条「できるか!!!!!」
上条はその場でうな垂れる。
二人の手助けをしたかったというのに、それすらも叶わない。
ヒロインでもあるまいし、外で皆の無事を祈っているだけなんて嫌だった。
インデックスの暖かい手が上条の右手を包んだ。
まるで“貴方の右手は何も悪くないよ”と言っているみたいに。
そして彼を慰めるように、シスターは笑う。
禁書「大丈夫だよとうま。私が当麻の分まで頑張るから」
上条「……インデックス、無理するなよ?」
垣根「インデックスちゃんは俺達に任せとけ。傷なんてつけさせないから」
一方「三下は待ってるしかねェな。すぐ戻ってくるからそンな泣きそうな顔すンな。きもい」
結標「決まったわね?行くのは、第2位と一方通行とそこの女の子でいいわね?」
一方「おう。頼む」
上条「…………頑張れよ」
上条に見送られ、垣根達は窓の無いビルへと向かった。
垣根は緊張と高揚と不安で鼓動が早くなっていた。
何が待ち受けているか分からない。
垣根「……」
隣に居る一方通行を見た。
目が合うと彼は力強く微笑んだ。
禁書「平気だよ。ていとく。きっと神様は私達に味方してくれるんだよ」
不意にインデックスが言う。
そちらを見ると彼女も力強く微笑んでいる。
この二人が居れば、どうにかなる気がしてきた。
緊張を解すため、息を吐く。
そして愛する彼女のこと想った。
愛生ちゃん、待っていてくれ。この街から出て必ず君に会いに行く。
――――――――――――――――――――――――――――――
ラジオ『うわぁぁぁああああぁぁぁ!!!』
ラジオ『井口裕香のむ~~~~~~ん⊂( ^ω^)⊃!!!』
ラジオ『こんばんはー。井口裕香でーす』
ラジオ『ちょっとー作家さん?冒頭から叫ぶの止めてもらいます?』
ラジオ『えぇ!?俺?』
アレ「素晴らしくうざ可愛いな。それにこの出落ちがたまらない。さすがゆかちだ」
垣根「……」
一方「……」
禁書「……」
結標「……」
アレ「ん?」
アレ「…………え?」
――――――――――――――――
―――――――――――
―――――
――
ラジオ『うわぁぁぁああああぁぁぁ!!!』
ラジオ『井口裕香のむ~~~~~~ん⊂( ^ω^)⊃!!!』
ラジオ『こんばんはー。井口裕香でーす』
ラジオ『ちょっとー作家さん?冒頭から叫ぶの止めてもらいます?』
ラジオ『えぇ!?俺?』
アレ「素晴らしくうざ可愛いな。それにこの出落ちがたまらない。さすがゆかちだ」
垣根「……」
一方「……」
禁書「……」
結標「……」
アレ「ん?」
アレ「…………え?」
――――――――――――――――
―――――――――――
―――――
――
――――――――――――――――
―――――――――――
―――――
――
四人は窓のないビルに潜入した。
ここには、この街の最大権力者、学園都市総括理事長の“アレイスター・クロウリー”が居る。
四人に緊張が走る。
薄暗い雰囲気に圧倒され、頬に汗が伝う。
震えた足で進むと、彼は居た。
男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』。
緑の手術着を着た彼は生命維維持槽のビーカーの中で逆さまに浮かんでいる。
顔には薄い笑みが貼り付けられていて、まるで4人がここに来ることを知っていたみたいだった。
「何か用かな?」
ゆったりと口調で問う。
睨みつけてくるわけでもないのに、何故か威圧感がある。
一方「いや、さっきのことを無かったことにしてシリアスに話を進めようとすンな」
アレ「……」
垣根「ラジオの録音聞くとか……お前、声オタかよ……」
一方「オマエが言うな」
アレ「……」
結標「うわぁ……こんな薄暗い部屋で声優のラジオ聴くなんて本格的にキモオタね」
アレ「……」
一方「なンだよォ……色々心配してたのに。テメェも同類か」
アレ「……」
結標「もうやだこのまち」
アレ「……」
―――――――――――
―――――
――
四人は窓のないビルに潜入した。
ここには、この街の最大権力者、学園都市総括理事長の“アレイスター・クロウリー”が居る。
四人に緊張が走る。
薄暗い雰囲気に圧倒され、頬に汗が伝う。
震えた足で進むと、彼は居た。
男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』。
緑の手術着を着た彼は生命維維持槽のビーカーの中で逆さまに浮かんでいる。
顔には薄い笑みが貼り付けられていて、まるで4人がここに来ることを知っていたみたいだった。
「何か用かな?」
ゆったりと口調で問う。
睨みつけてくるわけでもないのに、何故か威圧感がある。
一方「いや、さっきのことを無かったことにしてシリアスに話を進めようとすンな」
アレ「……」
垣根「ラジオの録音聞くとか……お前、声オタかよ……」
一方「オマエが言うな」
アレ「……」
結標「うわぁ……こんな薄暗い部屋で声優のラジオ聴くなんて本格的にキモオタね」
アレ「……」
一方「なンだよォ……色々心配してたのに。テメェも同類か」
アレ「……」
結標「もうやだこのまち」
アレ「……」
今のアレイスターに威厳など微塵も無かった。
隠していた趣味が一気にバレてしまったのだ。しかも4人に。
誰も来ないと思っていたらこの有様だ。
穴があったら入りたかった。
顔が熱くて沸騰しそうだ。ついでにビーカーの水も沸騰しそうだった。
良い年して声優に夢中など、誰にもバレたくなかったのに……。
アレイスターが羞恥心に襲われいると、修道服を纏った少女がペタリとビーカーに手を付いた。
禁書「何でそんなに恥ずかしいのかな?」
優しい声で、優しい顔で聞いてくる。
微笑みは聖女そのものだ。
禁書「自分の趣味を恥じるなんて、悲しいんだよ」
アレ「……」
禁書「私は今の人を誰かは知らないけど、あなたは好きなんでしょう?」
アレ「……」
禁書「誰かを好きになるのは全然恥ずかしいことじゃない。むしろ良いことなんだよ?」
インデックスは彼を宥めるように話す。
その声にアレイスターの羞恥心は薄れていったが、すぐに別の感情がわき上がってくる。
アレ(この、可愛らしいロリボイス。どことなくウザい感じ……)
インデックスの声はアレイスターが夢中になっている井口裕香にそっくりだったのだ。
もしインデックスがアニメのキャラクターなら、声をあてるのはゆかちに違いない。
垣根「おいアレイスター」
アレ「何だ」
アレイスターがゆかちそっくりな声に耳を傾けていると、それを遮るように低音が響いた。
今はゆかちに似た声を堪能しているというのに、なんだこの空気を読めない男は。
そんなアレイスターを無視するように垣根は続ける。
本当に空気読めないなお前は。
だからスペアなんだよ万年2位野郎め。
垣根「俺達がここに来た理由、テメェなら知ってんじゃねぇのか?」
アレ「……知っているが、本当に来るとはな」
垣根「早く外出許可出せコラ」
アレ「まさか案内人がこんな理由で動くとは思わなかったからな。完全に油断していたよ」
結標「……」
アレ「そういえば、一方通行のことを……」
結標「あー!!!!わー!!!駄目よ!言わないで!お願い!!!」
アレ「仕方ないな。黙っていよう」
一方「おい、なンで俺や垣根をこの街から出さない?」
アレ「決まっているだろう。君達だからさ」
一方「訳分からないこと言ってンじゃねェよ」
垣根「俺達と同類なら気持ちが分かるだろ?」
アレ「君たちの気持ちなど関係ないさ。それに同類と言われたくないな」
垣根「なんだと?」
アレ「私が興味あるのは、ゆかちの演技と声とトークだけだ。本人に直接会いたいとは思わないのでね」
一方「……」
アレ「ファンサービスなどラジオだけで十分だ。それ以上はやりすぎだし、無駄だな」
垣根「……」
アレ「握手会やコンサートをやる暇があるのなら、少しでも台本を読み込んで良い演技をして貰いたいだろう?」
垣根「……」
禁書「意味分かんないんだよ」
アレ「なに?」
禁書「握手会だってコンサートだって大事なお仕事なんだよ。それを無駄とか言うのは許せないんだよ」
アレ「……ふむ」
禁書「それにコンサートって凄い楽しいんだよ。行ったことないから分からないだけだよ」
アレ「人の多い所は苦手でね」
禁書「分かった。なら、コンサートの楽しみを分かってもらうしかないんだよ」
一方「あ?」
禁書「口で言っても分からないから、体に分からせるんだよ」
アレ「ふむ。どうやってだゆかち?」
垣根「いや、ゆかちじゃねぇからインデックスちゃんだから」
禁書「こうやってだよ!」
そう言うと、インデックスはDVDデッキを勝手に操作し始めた。
大きな画面にDVDの映像が映し出される。
そして手際良くピンク色のサイリウムとコール表を全員に配る。
アレイスターにはビーカーの上から落として渡した。
TV<Chuppy Chuppy スpi にゃん スpi にゃん Chuppy Chuppy ぴょんぴょん chu/(*^ ^) \
垣根「」
アレ「」
一方「」
結標「え?何これ?」
禁書「何ボーっとしてるんだよ!?ゆかり王国の国家なんだよ!さっさとサイリウム振るんだよ!!!!」
インデックスに凄まれ、四人は渋々サイリウムを振り始めた。
画面の中の王国民達はズレることなくサイリウムを振っているが、四人はバラバラだ。
インデクッス一人だけリズミカルかつ正確に振っていた。
禁書「ゆーかりはい!ゆーかりはい!ゆーかりはい!ゆーかりはい!はい!はい!はい!はい!」
インデックスのノリノリコールが部屋に響く。
その声からは王国民であることを誇りに思っていることが伝わってくる。
楽しそうなインデックスにつられて、四人のサイリウムは少しずつ合わさっていった。
垣根(いや……なんでこんなことに……)
一方(DVDとかサイリウムとか、どこに持ってたンだよォ……)
アレ(ふむ。ゆかちのあらぶる声も良いものだな)
結標(なにこれ……なにこれ……)
禁書「ふふふふふっ・ふー!」
TV<願いごとを 乗せて廻る 今日も 明日も これからも ずっと側にいてね
垣根(インデクッスちゃんマジで楽しそうだな……)
一方(アイマスライブもこンな感じなのかァ?)
アレ(ゆかちの楽しそうな声……思わずつられてしましそうだ……)
TV<このままどこまでも 二人 描く未来探しにゆこう~♪
禁書「ゆーかーり ゆかり!」
アレ(もう駄目だ!我慢できん!)
アレ「ゆーかーり ゆかり!」バシャバシャ
垣根「!?」
一方「!?」
禁書アレ「「はい!はい!はい!はい!」」
垣根(ば、ばかな……!アレイスターがコールだと……!?)
一方(すっげェノリノリじゃねェかァ……)
TV<ちょっとずつねー♪
禁アレ「「ちょっとずつねー!!!」」
垣根(……そもそも俺達がアレイスターを説得しなきゃいけないのに、)
一方(こいつばっかりにやらせてちゃ、駄目なンじゃねェの?)
垣根(インデックスちゃんは頑張ってるんだ…)
一方(俺達が頑張らなくてどうすンだ!!!!)
TV<ちょっとずつよ~♪
禁アレ垣一「「「「ちょっとずつよー!!!!」」」」
結標「Oh...」
~数分後~
TV<いつかこの恋が叶うなら 私、なんにも いらないかもしれない~♪
禁アレ垣一「「「「へい!へい!へい!へい!へい!へい!へい!へい!」」」」
結標(なんなの…?なにこれ?……でも、一方通行が楽しそうだからいいか……)
禁アレ垣一「「「「誰にも負けないこのキモチ!」」」」
禁アレ垣一「「「「ゆかりに向かって咲いている!」」」」
禁アレ垣一「「「「世界で一番大好きな!!!」」」」
禁アレ垣一「「「「ゆかりにもっと恋したいー!」」」」
TV<ひまわりみたいに きらきら揺れてる この想い~♪
~さらに数分後~
TV<Happy fancy baby doll Love me fancy baby doll♪
禁アレ垣一「「「「世界一 かわいいよっ!! 」」」」
TV<ドウモアリガトッ
禁アレ垣一「「「「 うぉおおおおおおおおお!!」」」」
結標(休まず腕振ったりしてるけど疲れないのかしら……?)
―――――――――――――――――――――
熱い掛け声。振り上げる腕。飛び散る汗。乱れることのないコール。
なんとも言えない一体感に垣根達は満足していた。
汗が頬を伝ってくるが、全く不快ではない。
アレ「はぁはぁ……これがライブ、けっこう楽しいものだな。興味深い」
禁書「そうでしょ!?」
垣根「つーかアレイスターの水でビショビショなんだけど」ビッショリ
一方「ビーカーの中ではしゃぐなよォ…」ビッショリ
DVD鑑賞が終わった四人は向かい合う。
アレイスターは顎に指を置いて、何やら考えている。
禁書「あのね、この二人もコンサートに行きたがってるんだよ!」
アレ「……」
禁書「好きな人を生で見れるって凄いことなんだよ!だからお願い!」
アレ「考えを改めよう。素晴らしいものだな。それに楽しかった」
禁書「なら!」
アレ「でも、この二人を学園都市から出すことはできない」
アレイスターの声は冷たかった。
さっきまで熱いコールをしていた男と同一人物だとは思えない。
垣根と一方通行は苛立ちを覚えた。
そこまでして、自分達を学園都市に閉じ込めておきたいとは。
禁書「……何で駄目なの?ていとくもあくせられーたも可哀想なんだよ」
アレ「それには仕方のない理由があるからさ」
垣根「ふざけんなよ…!何が理由だ!!!!!!」
一方「答えによってはビーカーと一緒にスクラップにしてやるよォ……!」
垣根は力一杯ビーカーを叩く。
ヒビが入ることは無かったけれど中の水が大きく揺れた。
一方通行は電極にスイッチを入れてアレイスターを睨みつけている。
そんな二人をアレイスターは冷静に見つめていた。
熱い掛け声。振り上げる腕。飛び散る汗。乱れることのないコール。
なんとも言えない一体感に垣根達は満足していた。
汗が頬を伝ってくるが、全く不快ではない。
アレ「はぁはぁ……これがライブ、けっこう楽しいものだな。興味深い」
禁書「そうでしょ!?」
垣根「つーかアレイスターの水でビショビショなんだけど」ビッショリ
一方「ビーカーの中ではしゃぐなよォ…」ビッショリ
DVD鑑賞が終わった四人は向かい合う。
アレイスターは顎に指を置いて、何やら考えている。
禁書「あのね、この二人もコンサートに行きたがってるんだよ!」
アレ「……」
禁書「好きな人を生で見れるって凄いことなんだよ!だからお願い!」
アレ「考えを改めよう。素晴らしいものだな。それに楽しかった」
禁書「なら!」
アレ「でも、この二人を学園都市から出すことはできない」
アレイスターの声は冷たかった。
さっきまで熱いコールをしていた男と同一人物だとは思えない。
垣根と一方通行は苛立ちを覚えた。
そこまでして、自分達を学園都市に閉じ込めておきたいとは。
禁書「……何で駄目なの?ていとくもあくせられーたも可哀想なんだよ」
アレ「それには仕方のない理由があるからさ」
垣根「ふざけんなよ…!何が理由だ!!!!!!」
一方「答えによってはビーカーと一緒にスクラップにしてやるよォ……!」
垣根は力一杯ビーカーを叩く。
ヒビが入ることは無かったけれど中の水が大きく揺れた。
一方通行は電極にスイッチを入れてアレイスターを睨みつけている。
そんな二人をアレイスターは冷静に見つめていた。
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