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元スレ球磨川「学園都市は面白いなぁ」
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その言葉を聞いたヴェントは目が大きく見開き、頬には冷や汗が伝っていた。
「ほ、本当にそんなことができるの!?」
死んだ者は蘇らない。そんなことは小学生でも知っている事実。しかしこの少年は死んでも蘇る。何らかのトリックなどなく、
死を虚構にできるのであれば……あの時死んだ最愛の弟も蘇るかもしれない。
しかし、ヴェントは腐っても教徒である。死んだ者が蘇ることなど未だに信じきることができなかった。
そんな心情を悟ったのか球磨川が真剣な面持ちになり、口を開く。
『確かに普通なら無理だよね。僕が言った言葉は君にとって幻想かもしれない。でも、僕にとってはその考えこそ幻想なんだよ。
だから……』
そこまで言うと球磨川は両手を広げながら言った。
『そんな君の幻想、僕が虚構にしてあげるよ!』
その言葉にヴェントは気付けば涙を流していた。その涙は球磨川の言葉を信じきった証。
「頼む……私の弟を……蘇らせてくれ……」
彼女の脳裏には弟と過ごした日々が鮮明に映し出されていた。
あの幸福な日々が本当に再び帰ってくる……それがもし叶うのなら、こんなに嬉しいことはない。
――そしてその時がやってきた。
「あれ……? 僕は……」
ヴェントの目の前に年端も行かない一人の少年が現れたのである。彼女はその少年のことを誰よりも知っている。彼女の前に
現れた少年、それは彼女にとって最愛の弟であった。
「~~!」
弟の名前を叫びながらヴェントは少年を抱きしめた。いきなり抱きしめられた弟は、驚いてびくりと体を震わせる。
「も、もしかしてお姉ちゃん……?」
「そう! そうよ!」
弟を抱きしめているヴェントの顔は涙と鼻水でグシャグシャになっていた。その顔からは先ほどまでの神の右席としての
威厳など微塵も感じさせない。今そこにいるのは前方のヴェントなどではなく、失った最愛の弟を取り戻した一人の姉だった。
「い、痛いよ、お姉ちゃん」
「あ、あぁごめんなさい! 強く抱きしめすぎたわ……」
ヴェントは慌てて抱きしめていた手を離す。
弟はヴェントの姿を見つめる。
「お姉ちゃん、なんだか雰囲気変わったね」
「え、えぇイメチェンってやつよ。……似合ってないかしら?」
「んーん。今のお姉ちゃんかっこいいと思うよ!」
その一言にヴェントは安心感からか、笑みをこぼす。
変わり果てた自分を見て弟はどう思うか不安だったのだ。だが、反応は悪くない。
これでまた、弟と共に生きていける。ヴェントの心は幸福感で満ち満ちていた。頭の中にあるのは弟と何を話そうとか
最近覚えた料理を振舞ってあげようだとか、そのようなことばかり。
しかし弟の不安げな声によって彼女は現実に引き戻される。
「ねえお姉ちゃん……ここって一体どこなの? なんでこんな風になってるの?」
弟にとって当然の疑問である。
弟の記憶は病院内で自らが永遠の眠りについたという時点で止まっているのだ。
つまり、目が覚めたのであれば病院内でなければおかしい。しかし今目の前に広がっている光景は都市そのもの。それも
ただの都市ではない。破壊され、甚大な被害を被っている都市。一体何故こんなことになったのか? 疑問に思うのが当然
である。
「そ、それは……」
ヴェントは言いよどむ。
弟が何故ここにいるのか。それは説明できる。あそこにいる球磨川という少年の力で蘇ったからだと。しかし何故このような
惨状となっているのか。これは説明などできようはずもなかった。
なぜなら自分がやったのだから。
あそこに転がっている半身を失った遺体も、破壊しつくされた建物も、何もかも自分がやったのだ。
しかしそれを言うことはできない。そんなことを言ってしまえば弟はきっと自分を軽蔑するだろう。そんなこと彼女には
耐えられるはずもない。
ヴェントは冷や汗を流しながら何かいい答えはないものかと思案する。そんな時だった――
『なんでこんなことになってるのかって? 簡単だよ弟君! これは全部君のお姉ちゃんがやったのさ!』
「ッ!?」
つい先ほどまで姉弟による感動の再会シーンをニヤニヤしながら見守っていた球磨川が弟にそう話したのだ。
弟は球磨川を見て尋ねる。
「お、お姉ちゃんが……?」
『そうだよ! 本当酷いよねぇ、僕も二人の友達を殺されたよ!』
そのあとすぐに復活させたが、言っていることに間違いはない。
事実ヴェントはインデックスと打ち止めを殺したのだから。
「だ、黙れぇッ!」
ヴェントは球磨川を怒鳴りつける。
なんてことを言うんだこいつは。自分が必死に上手い答えを考えているというのに。このままでは台無しではないか。
彼女は球磨川の言葉を否定し、弟に信じないよう説得するため球磨川から弟に視線を移す。
その先にあったのは――
「お姉ちゃん……?」
弟の疑念に満ちた目であった。
弟は考える。姉がそのようなことをするわけがない、と。
しかし……自分が知っている姉と、今の姉は何か違うような気がする。何か……別人になってしまったかのような、そんな
感覚が弟の中にはあった。
その感覚がヴェントに対する猜疑心を生み、そして――
「……っ!?」
「え……?」
――警戒心を生み出してしまった。
それがいけなかった。
ヴェントの天罰術式はほんの少しの悪意どころか、ただの警戒心にすら反応する。彼女に警戒心を抱いてしまった弟は
彼女の目の前でゆっくりと崩れ落ちていく。
そして弟の体は地面にドサリと倒れ、その肉体はピクリとも動かなくなった。
「あ……あぁ……ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
~~!! ~~!! ~~!!」
弟の体を前にヴェントが狂ったかのように弟の名前を泣き叫ぶ。
その姿を見て球磨川は
『あはははははは! とんだハッピーエンドになっちゃったね、ヴェントちゃん! でもこれに関しては僕は悪くないよねぇ?
だって僕は悪くないんだから!』
そう言って心底愉快そうに大声で笑う。
しかし、そんな球磨川の声など最早ヴェントには届いていない。彼女の心は修復不可能なほどにへし折れてしまった。
その場には少女の壊れたかのような悲鳴と、少年の狂ったかのような笑い声がいつまでも続いたという――
――その後、弟は球磨川の大嘘憑きによって意識を取り戻し、ヴェントは弟と共に学園都市を去って行った。その背中は自身
を最終兵器と称した傲慢な『神の右席』ではなく、弟に対しての罪悪感で自身の中の全てが破壊された『哀れな少女』の背中で
あった。自らの最大の武器で最愛の弟をその手にかけた彼女は一生その罪悪感に苛まれる事になるだろう。
そしてローマ正教へ帰った彼女は神の右席を抜け、何処かへと消え去った。その後、某所にて少女が弟を殺害し自殺したという
事件が起きたが、それが彼女とその弟なのかは定かではない――
――とあるマンションの一室
ヴェント襲来から1週間が経過。
あの後、球磨川は大嘘憑きによって都市が破壊されたことを虚構にし、死んだ者は死んだことを虚構にした。
それによってヴェントが襲来した際の爪あとは完全に消えてなくなり、学園都市にはすっかり平穏が戻っていた。
そして本日は球磨川の部屋で焼肉が行われる日である。
結局球磨川はインデックスの熱意に折れて焼肉をすることになったのだ。インデックス達に対する恋心がそれを手伝ったと
考ることもできるが、球磨川本人はそれを否定する。
「肉が焼けたんだよ!」
インデックスの嬉しそうな声が部屋に響き渡る。
しかしそんなインデックスをたしなめる者がいた。
「肉ばかり食べちゃダメだよ、インデックスちゃん。野菜もしっかり食べないと」
「うー、わかったんだよ……」
「うんうん、わかればよろしい。あ、打ち止めちゃんそこの肉もう焼けてるよ。ほら」
「ありがとう! ってミサカはミサカは感謝を伝えてみたり!」
「どういたしまして」
そう言って『来訪者』は微笑む。
そんな『来訪者』を球磨川はげんなりした顔で見ていた。
「おや、球磨川君。ちっとも箸が進んでないじゃないか。体調でも悪いのかい?」
『安心院さん……君、なんでちゃっかり馴染んでんのさ……』
『来訪者』とは安心院なじみであった。
球磨川達が焼肉を始めた瞬間、彼女は彼等の前に姿を現しそのまま食卓に参加。今ではすっかり部屋の一員のような
状態となっている。
「別にいいじゃないか。食事は大勢で食べたほうが美味しいだろう?」
球磨川の心情など全くお構い無しに安心院はマイペースを貫く。
そんな彼女の態度に球磨川は珍しく頭を抱えながらため息を吐いた――
これにて投下終了です
続きに関しては今のところ未定です
ではでは、ありがとうございました!
続きに関しては今のところ未定です
ではでは、ありがとうございました!
たぶんいるだけの人外さんの半纏さんも後ろあたりにいるんだろうな。
乙。
クマーさんらしさが良く表現されていますな。
クマーさんの言うの通り、何も悪いことはしていないし、
むしろ善行を積んでいるぐらいな話なのに、
なぜかマイナスな結末になる。
クマーさんらしさが良く表現されていますな。
クマーさんの言うの通り、何も悪いことはしていないし、
むしろ善行を積んでいるぐらいな話なのに、
なぜかマイナスな結末になる。
敵は撃退された上
被害らしきものは なかったことにしてくれるなんて
アレイ☆的には万々歳だな
被害らしきものは なかったことにしてくれるなんて
アレイ☆的には万々歳だな
精神とか魂とかそういうよくある綺麗事を眼中に入れずに考えると
球磨川さん聖人レベルの善行積んでるなあ
改心判定も仕方ないか、むしろそれがいい
球磨川さん聖人レベルの善行積んでるなあ
改心判定も仕方ないか、むしろそれがいい
これ心中したにしろしてないにしろ、どうあがいてもハッピーエンドにはなれないな…
ずーーーーっと半纏が後ろに居たと考えるとワロスwwwwwwwwww
善意でやってんのに嫌がらせになる球磨川さんまじかっけえ
それにしても面白いなコレ
それにしても面白いなコレ
それにしても、原作で言ってた
「戦闘に『大嘘憑き』を使ったことはそんなにない」
ってのと違うのが気になったりするんだけど……
まあ面白いからどうでもいいや
「戦闘に『大嘘憑き』を使ったことはそんなにない」
ってのと違うのが気になったりするんだけど……
まあ面白いからどうでもいいや
使ったというか頼ったことのほうが正しいね
自分がダメージ負ったときとか
善吉っちゃんの時のように相手の心を折る目的のときでないと使わない
ということではないかな!?
自分がダメージ負ったときとか
善吉っちゃんの時のように相手の心を折る目的のときでないと使わない
ということではないかな!?
面白いけど禁書側の口調やキャラが変わりすぎてて禁書である必要がなくなってない?
>>377
設定使ってんだから必要はあるだろ
設定使ってんだから必要はあるだろ
否定してるんじゃなくて
完全ギャグでもなく禁書原作に沿った話だから
設定使うならwikiやSSのみじゃなくせめて漫画かアニメ位は目を通しといた方がいいと思う
完全ギャグでもなく禁書原作に沿った話だから
設定使うならwikiやSSのみじゃなくせめて漫画かアニメ位は目を通しといた方がいいと思う
こういう「原作と違う」とか騒ぎ出すキモヲタってなんで二次創作を見るのかね
『あ、そうだ!』
『クロスSSの作者に両親を殺されたからってどうです?』
『実の妹がクロスSSの作者に攫われたからとかー』
『親友だと信じていたクロスSSの作者に裏切られたっていうのも萌えますねー』
『んー? どれにするか迷うなあ』
『クロスSSの作者に両親を殺されたからってどうです?』
『実の妹がクロスSSの作者に攫われたからとかー』
『親友だと信じていたクロスSSの作者に裏切られたっていうのも萌えますねー』
『んー? どれにするか迷うなあ』
今の今まで原作とこのSSを見返してたが>>379は何が気に入らなくて行動を起こしたのかわけわからん
せいぜい環境が変われば多少なりとも性格が変わる系の説明だけで納得できるレベルだろ
せいぜい環境が変われば多少なりとも性格が変わる系の説明だけで納得できるレベルだろ
気に入らなくて行動を起こしたと言われても否定も暴言吐いたつもりはないよ
とあるはSSも原作やアニメも好きだしこのSSも面白いと思って楽しみにしてる
今から原作を全部見るのはきついだろうから読みやすい漫画やアニメをお勧めしただけだよ
とあるはSSも原作やアニメも好きだしこのSSも面白いと思って楽しみにしてる
今から原作を全部見るのはきついだろうから読みやすい漫画やアニメをお勧めしただけだよ
原作やアニメ見たからってキャラの再現難しいと思うぞ
俺は二次創作見るときはその辺寛容にならないと楽しめない
俺は二次創作見るときはその辺寛容にならないと楽しめない
お前みたいな馬鹿、嫌いじゃないぜ
絶対人生楽しんでるんだろうな
絶対人生楽しんでるんだろうな
矛盾とか不自然なとこ探してもつまらんですしおすし
西尾も鎌池も思考停止して読んだ方がずっと面白いのはみんな知ってるだろ
西尾も鎌池も思考停止して読んだ方がずっと面白いのはみんな知ってるだろ
今まとめて読んだけど面白いな
しかし続きは未定ってことなら一旦HTML化したほうがいいんじゃない?
しかし続きは未定ってことなら一旦HTML化したほうがいいんじゃない?
ようやくプロットが半分ほど作り終わりました……
いつになるかわかりませんが、もし投下できたら次はオリジナル編を2つ投下したいと思います
原作再構築なのにオリジナル編で申し訳ございません
では
いつになるかわかりませんが、もし投下できたら次はオリジナル編を2つ投下したいと思います
原作再構築なのにオリジナル編で申し訳ございません
では
生存報告はうれしい
だけど本誌の連載が超絶鬱すぎて
放心しとる
だけど本誌の連載が超絶鬱すぎて
放心しとる
ようやくプロット製作が終わりそうです
それはそうとめだかボックスアニメ化だそうですね
球磨川さんの中の人は誰になるんだろう……
それはそうとめだかボックスアニメ化だそうですね
球磨川さんの中の人は誰になるんだろう……
明日の午後11時に1つめを投下します
導入編のようなものなのでいつも以上に面白くありませんがご勘弁を……
ではでは
導入編のようなものなのでいつも以上に面白くありませんがご勘弁を……
ではでは
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