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元スレ球磨川「学園都市は面白いなぁ」
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学園都市のとあるマンションの一室にて――
一人の少年がいた。容姿は幼く、髪は黒い。どう考えても普通、いや没個性的といってもいい。
そして服装は学園都市のどの学校の制服とも違う。
『あ~あ 退屈だなぁ 学校潰しも飽きちゃった』
少年の名は球磨川禊 幼少の頃より転校を繰り返し、その度に転校先の学校を潰してきた。
理由などない。エリートを皆殺しにするため そんな建前を掲げているか事実は誰にも分からない。
『なにか 面白いことが起きないかなぁ?』
『何か起きるとしたら少年漫画チックなことがいいな!』
『そうだね 好きな少女を守って悪と戦う! そんなのどうかな?』
一人の少年がいた。容姿は幼く、髪は黒い。どう考えても普通、いや没個性的といってもいい。
そして服装は学園都市のどの学校の制服とも違う。
『あ~あ 退屈だなぁ 学校潰しも飽きちゃった』
少年の名は球磨川禊 幼少の頃より転校を繰り返し、その度に転校先の学校を潰してきた。
理由などない。エリートを皆殺しにするため そんな建前を掲げているか事実は誰にも分からない。
『なにか 面白いことが起きないかなぁ?』
『何か起きるとしたら少年漫画チックなことがいいな!』
『そうだね 好きな少女を守って悪と戦う! そんなのどうかな?』
しかし誰も答えを返してはくれない。それもそのはず。この「部屋」には球磨川以外誰もいないのだから。
その事実に少しむくれ顔になる球磨川
『う~ん…… あ、そうだ!』
『窓の外を見て消したくなったものを、適当に消しちゃうってのはどうかな?』
第三者から見ればそんなことできるはずがないと思うだろう。なぜならこの少年はそのようなことが出来る
特別な存在には見えない。しかし彼は確かに特別(プラス)ではない。しかし過負荷(マイナス)である。
彼の力 「大嘘吐き」はあらゆる事象を虚構にできる。
その力は何も生み出さない。出来る事は消すことだけ。だから何の役にも立たない負(マイナス)
『でも僕の暇つぶしには役に立つよねっ!』
無邪気に笑いながら窓に近づく球磨川。
さぁ、何を消そうか? できれば人が大勢迷惑をこうむるところがいいなぁ等と無邪気な顔で
邪気満載なことを考えながら――
『…… 何だこれ?』
窓の外を見た球磨川は驚きを隠せない。今まで様々な事件を経験してきたがこんなことは
経験したことがない。なぜなら……
“窓の外を見たらベランダに女の子が引っかかっていた”
『う~ん どうしようかなぁ』
困惑の色があせない球磨川。いくら彼でもこのような事態は初である。しかも相手は意識があるかないのか
もわからない。どうすればよいのかもわからない。
さらに言うならとんでもなく珍妙な格好をしていた。その服装は修道服に似ているが見たこともないような
デザインだ。髪は銀髪 確実に日本人ではないだろう。
『まぁ、放っておくわけにもいかないし、部屋に運ぼうかな』
球磨川にしては妥当な判断である。ここから先どんな判断を下すかは分からないが。
そして彼女を部屋に入れるべく窓を開けた。
「お…… おなかがすいたんだよ……」
『あれ? 意識あったんだ?』
「何か食べさせてくれると嬉しいかも……」
球磨川の台詞を無視し、銀髪の女の子はそう言ってきた。
困惑の色があせない球磨川。いくら彼でもこのような事態は初である。しかも相手は意識があるかないのか
もわからない。どうすればよいのかもわからない。
さらに言うならとんでもなく珍妙な格好をしていた。その服装は修道服に似ているが見たこともないような
デザインだ。髪は銀髪 確実に日本人ではないだろう。
『まぁ、放っておくわけにもいかないし、部屋に運ぼうかな』
球磨川にしては妥当な判断である。ここから先どんな判断を下すかは分からないが。
そして彼女を部屋に入れるべく窓を開けた。
「お…… おなかがすいたんだよ……」
『あれ? 意識あったんだ?』
「何か食べさせてくれると嬉しいかも……」
球磨川の台詞を無視し、銀髪の女の子はそう言ってきた。
『お腹すいてるんだ? じゃあ部屋に来なよ カップラーメンくらいならたくさんあるしご馳走するよ?』
「えっほんとう!?」
球磨川の「ご馳走する」という単語を聞いた瞬間、跳ね起きる銀髪の少女。そして元気に球磨川の部屋の
中に入る。
「さぁ、ご馳走するんだよ!さぁさぁ!」
『君、メチャクチャ元気じゃないか……』
さっきまで死にそう、もしくは死んでいたかのような感じだったのに。
球磨川は苦笑いを浮かべながら彼女にカップラーメンをご馳走した。
「あ~お腹いっぱい!」
『び、備蓄してあった50個のカップ麺が……』
この少女は一体どういうお腹をしてるのか!? 見た目のみならず腹まで非常識とは。
球磨川はそう思ったが、それを口にすることはなかったが変わりに……
『あぁそうだ 自己紹介がまだだったね! 僕は球磨川禊って言うんだ! 君はなんて名前なの?』
「わたしはインデックスって言うんだよ!」
『インデックスちゃんかぁ よろしくね!』
明らかに偽名。しかし球磨川は気にすることなく話を進めた。
『び、備蓄してあった50個のカップ麺が……』
この少女は一体どういうお腹をしてるのか!? 見た目のみならず腹まで非常識とは。
球磨川はそう思ったが、それを口にすることはなかったが変わりに……
『あぁそうだ 自己紹介がまだだったね! 僕は球磨川禊って言うんだ! 君はなんて名前なの?』
「わたしはインデックスって言うんだよ!」
『インデックスちゃんかぁ よろしくね!』
明らかに偽名。しかし球磨川は気にすることなく話を進めた。
『ねぇ、君は何でベランダなんかに引っかかってたのかな?』
「…… わたしは追われてるんだよ」
インデックスは俯きながら言った。球磨川の顔が少しだけニヤけ始める。
『追われてる? 一体誰に?』
「わからないんだよ…… でも追われる理由なら分かるかも」
曰く、彼女の頭の中には10万3000冊の禁書目録があるらしい。それを狙い誰かが自分を
狙っているのだと。さらにニヤける球磨川。
『…… よし、決めた! インデックスちゃん! 僕が君を守ってあげる!』
「えっ?」
インデックスは球磨川が何を言ってるのか理解できなかった。普通ならこんなこと聞いたところで
信じることはしない。だから言うのをためらったのだ。しかし彼の表情を見るに完全に信じている。
「で、でも危険なんだよ! あなたが死んじゃう……」
そう心配そうに言うインデックス。それもそのはず球磨川は特別強そうには見えない。自分に巻き込
まれて人が死ぬなんて嫌だ。
『大丈夫だよ! 君が思うほど僕は弱くないよ? よし、証拠を見せようか』
そう言うと、インデックスが食べたカップ麺のカップを指差す。
積もりも積もって50個分。到底信じられないそのタワー。しかしそれ以上に信じられない現象が起こる。
「えっ!? カップのタワーが…… 消えた!?」
驚きを隠せないインデックス。こんなことは魔術でもできない。では超能力か何かなのだろうか?
『これで信じてくれたかな? 僕は強いんだ! 君を守れるくらいにはね!』
『それでもなお、君が僕の警護を受けないというなら四六時中、付けまわすだけだよ?』
さらっと怖いことを言う球磨川。その台詞を聞いてインデックスは折れたのか
「わかったんだよ…… お世話になるね くまがわ」
その台詞を聞いた球磨川は……
とてつもなく歪んだ笑みを浮かべた
インデックスが来てから数時間程度が過ぎた。 外はもう夕方。
この数時間インデックスは楽しかった。久しぶりに人とゆっくり話せたからだ。
それに球磨川が変わり者ということもあり余計に面白く感じた。
「くまがわ~ お腹が空いんたんだよ!」
『おいおい、昼あんなに食べたのにまだ食べるのかい?』
『もう、食糧の備蓄はないんだけどなぁ……』
そう、球磨川の食料は今、目の前にいるこの暴食シスターに全て食われてしまった。
もうここには食べ物などない。
空腹を虚構にしてもよかったのだが、それではこの子が満足してくれないだろう。
大方「わたしは何かを食べて空腹感を消したいんだよ!」などというに決まっている。
『もう! 仕方ないなぁインデックスちゃんは』
『コンビニでも行って何か買ってくるよ』
そう言いながら立ち上がり、ドアノブを回しドアを開けた。その先に――
この数時間インデックスは楽しかった。久しぶりに人とゆっくり話せたからだ。
それに球磨川が変わり者ということもあり余計に面白く感じた。
「くまがわ~ お腹が空いんたんだよ!」
『おいおい、昼あんなに食べたのにまだ食べるのかい?』
『もう、食糧の備蓄はないんだけどなぁ……』
そう、球磨川の食料は今、目の前にいるこの暴食シスターに全て食われてしまった。
もうここには食べ物などない。
空腹を虚構にしてもよかったのだが、それではこの子が満足してくれないだろう。
大方「わたしは何かを食べて空腹感を消したいんだよ!」などというに決まっている。
『もう! 仕方ないなぁインデックスちゃんは』
『コンビニでも行って何か買ってくるよ』
そう言いながら立ち上がり、ドアノブを回しドアを開けた。その先に――
『えっと、君だれ?』
2メートルはあろうかという大男がいた。歳は20代だろうか?口にはタバコをくわえている。
そして服装はこれまた珍妙で、黒い修道服?のようなものを着ており、髪は真っ赤。
完全に不審者といわざるをえない男だった。
「この部屋に女の子が来ているだろう? その子を渡してもらいたい」
『えっ? そんな子、来てないよ?』
「嘘をつけ」
『嘘なんかじゃないよ~ なんだったら部屋を除いてみるかい?』
そういうと、さぁどうぞといわんばかりに手招きをする。しかし赤い髪の男は乗っては来ない。
「君の誘いには乗らないよ。嫌な予感がするんでね」
『あれ? ばれちゃった? 惜っしいなぁ もし来てくれたら背後から螺子をねじ込んであげたのに』
恐ろしいことを言い放つ球磨川。
「やっぱり君の部屋にはアレがいるんだな……」
『うん、いるよ! でも君に渡すわけには行かないなぁ』
『だって今の僕は、少年漫画の主人公なんだから!』
意味の分からないことを言う球磨川に赤い髪の男は舌打ちしながら
「そうかい。なら君を殺して連れ去ることにするよ」
「僕はステイル=マグヌス 魔法名はFortis931(我が最強である理由をここに証明する。)」
『僕は球磨が……』
球磨川が自己紹介を済ませる前に、球磨川の体はステイルの放つ炎によって焼き尽くされた。
その場には消し炭すら残っちゃいない。
「君の誘いには乗らないよ。嫌な予感がするんでね」
『あれ? ばれちゃった? 惜っしいなぁ もし来てくれたら背後から螺子をねじ込んであげたのに』
恐ろしいことを言い放つ球磨川。
「やっぱり君の部屋にはアレがいるんだな……」
『うん、いるよ! でも君に渡すわけには行かないなぁ』
『だって今の僕は、少年漫画の主人公なんだから!』
意味の分からないことを言う球磨川に赤い髪の男は舌打ちしながら
「そうかい。なら君を殺して連れ去ることにするよ」
「僕はステイル=マグヌス 魔法名はFortis931(我が最強である理由をここに証明する。)」
『僕は球磨が……』
球磨川が自己紹介を済ませる前に、球磨川の体はステイルの放つ炎によって焼き尽くされた。
その場には消し炭すら残っちゃいない。
「やれやれ、すこしやり過ぎたかな? まぁでも死体を残すわけにもいかないしね」
と、目を瞑り頭をかきながら苦笑を浮かべるステイル。そのときだった――
『いやぁ、驚いたなぁ まさかいきなり炎を飛ばしてくるなんてね!』
ありえないことが起きた。消し炭以下の状態にしてやった、少年が目の前にいる。
「どういうことだ……?」
困惑するステイル。確かに殺した。焼き尽くしてやったのだ。なのに少年は目の前にいる。
魔術師である彼ですらわけのわからない状況に戸惑いを隠せなかった。
『おいおい、そんな人を化け物か幽霊のように見るのはやめておくれよ』
『僕の心は繊細なんだ 傷ついちゃうじゃないか!』
少年のそんな軽口も今のステイルには届かない。そんな様子を見て少年は言う。
『あぁそうだ 自己紹介を済ませなきゃね! 僕の名前は球磨川禊っていうんだ!』
『ついでに君が気になってることも教えてあげるよ』
『その様子だと何で焼き尽くしてやった奴が生きてるのかって考えてるんだよね?』
『何で僕が生きてるのかって?それはね……』
『僕はすべてを虚構にできるんだ』
今日の投稿はここまでです
駄文にお付き合い下さりありがとうございました
続きは明日か明後日にでも
ちなみにもう半分程度終わっております
ではでは
駄文にお付き合い下さりありがとうございました
続きは明日か明後日にでも
ちなみにもう半分程度終わっております
ではでは
せめて1巻ぐらいはよむべき
2次創作やらwikiの知識だけでは限界がでてくると思うぞ
1巻だけ読んでもどうにもならん部分もあるし全部読まないと結局わからん部分あるだろうなって気もしてきたな…
期待してるんで続き待ってます
2次創作やらwikiの知識だけでは限界がでてくると思うぞ
1巻だけ読んでもどうにもならん部分もあるし全部読まないと結局わからん部分あるだろうなって気もしてきたな…
期待してるんで続き待ってます
とりあえず全部書き溜めました。
しかし、疲労がピークなので明日の午後9時に投稿したいと思います
残っていればですが……
次の投稿で終わると思いますのでどうか>>1の駄文にもう少しだけお付き合い下さい
では
しかし、疲労がピークなので明日の午後9時に投稿したいと思います
残っていればですが……
次の投稿で終わると思いますのでどうか>>1の駄文にもう少しだけお付き合い下さい
では
うん、あるいは前書きで書かない方が良かったかも知れない。人によっては敬遠してしまうかも…
原作未読でSSとWikiだけとか、悪いけど期待出来ない。
ぶっちゃけ「本番未経験のチェリーボーイだけどエロ本とビデオで色々知識と経験積みました」みたいなもの。
残念だけれど最低限自分の書きたい所だけでも原作は読むべき。書き手さんが失敗しないために
原作未読でSSとWikiだけとか、悪いけど期待出来ない。
ぶっちゃけ「本番未経験のチェリーボーイだけどエロ本とビデオで色々知識と経験積みました」みたいなもの。
残念だけれど最低限自分の書きたい所だけでも原作は読むべき。書き手さんが失敗しないために
こっからねーちんが登場するわけだが・・・。
原作でなくて良いからコミックだけでも読もうぜ。
この場合2巻からだな。
原作でなくて良いからコミックだけでも読もうぜ。
この場合2巻からだな。
未読だかなんだか知らんがここまでは一切問題なーし!
未読でここまで書けるとはどれだけ2次創作で1巻がループしてるかよくわかるなwwwwww
ただ読んどいたほうがいいのは確定的に明らか 口癖あるキャラとか増えるし
未読でここまで書けるとはどれだけ2次創作で1巻がループしてるかよくわかるなwwwwww
ただ読んどいたほうがいいのは確定的に明らか 口癖あるキャラとか増えるし
不安だったけど意外と違和感ないな
短編なら確かに十分かもしれん期待
短編なら確かに十分かもしれん期待
だがしかし、一昨日終わったばっかの球磨川SSとの差別化はしてほしいな
まぁ致命的な間違いさえ無ければ、ね
人によっちゃキャラの呼称の違いにすら反応する
人によっちゃキャラの呼称の違いにすら反応する
間違いの入門編→一方通行の「ァィゥェォン」
間違いの初級編→海原の一人称
間違いの中級編→オルソラの会話テンポ
間違いの上級編→ローラの話し方
ローラとか原作読んでてもわやくちゃになるな。一巻だけならまだ大丈夫だけど。
間違いの初級編→海原の一人称
間違いの中級編→オルソラの会話テンポ
間違いの上級編→ローラの話し方
ローラとか原作読んでてもわやくちゃになるな。一巻だけならまだ大丈夫だけど。
アニメ派だと。姫神の台詞とか。一方通行の台詞とか。まず再現できないよね。
予定通り、今夜9時からはじめます
ねーちんに関しては……
信じられないくらいはしょってますので
ファンの方はここからはご覧にならないほうがいいかもしれません
ではまた9時に
ねーちんに関しては……
信じられないくらいはしょってますので
ファンの方はここからはご覧にならないほうがいいかもしれません
ではまた9時に
球磨川はSSじゃ厳しいよな…
表情とセリフが全く噛み合わないからこそ球磨川らしいっていうか…
表情とセリフが全く噛み合わないからこそ球磨川らしいっていうか…
それではこれからはじめます
その言葉を聞いてステイルはさらに困惑した。すべてを虚構にする? そんな馬鹿な!
にわかには信じることができない。しかしそれが事実であるなら全てのつじつまが合う。
だが、そんな事実は受け入れることができない。もしそれが事実なら勝ち目などあるはずがない。
「冗談はその気持ち悪い雰囲気だけにしてくれよ」
『まったく! ステイルちゃんは本当に口が悪いなぁ』
『その口を虚構にしてあげたくなってきたよ』
「くっ……! 使いたくはなかったが仕方ないな……」
ステイルは言うや否や、詠唱を始めた。
「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ」
『ん? なになに?』
「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり」
『なに? 詠唱か何か?』
「それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり」
『懐かしいなぁ 僕も中学二年のときはやったもんだよ』
「その名は炎、その役は剣」
『ねぇねぇ その呪文自分で考えたの?』
「顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ」
『むぅ~…… 無視なんて酷いよ ステイルちゃん!』
『そんな酷いステイルちゃんには螺子をねじ込んであげるよ』
そう言いながら螺子を取り出す球磨川。そしてステイルに向かって走っていく。
螺子をねじ込むために。その瞬間だった――
にわかには信じることができない。しかしそれが事実であるなら全てのつじつまが合う。
だが、そんな事実は受け入れることができない。もしそれが事実なら勝ち目などあるはずがない。
「冗談はその気持ち悪い雰囲気だけにしてくれよ」
『まったく! ステイルちゃんは本当に口が悪いなぁ』
『その口を虚構にしてあげたくなってきたよ』
「くっ……! 使いたくはなかったが仕方ないな……」
ステイルは言うや否や、詠唱を始めた。
「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ」
『ん? なになに?』
「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり」
『なに? 詠唱か何か?』
「それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり」
『懐かしいなぁ 僕も中学二年のときはやったもんだよ』
「その名は炎、その役は剣」
『ねぇねぇ その呪文自分で考えたの?』
「顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ」
『むぅ~…… 無視なんて酷いよ ステイルちゃん!』
『そんな酷いステイルちゃんには螺子をねじ込んであげるよ』
そう言いながら螺子を取り出す球磨川。そしてステイルに向かって走っていく。
螺子をねじ込むために。その瞬間だった――
「魔女狩りの王(イノケンティウス) !!!」
そう叫ぶと同時に、凄まじい炎が辺りを飲み込みそしてその炎は形をなしていく。
その姿はまるで巨人。
ステイルが持つ最大にして最強の魔術「魔女狩りの王(イノケンティウス) 」である。
『うわぁ、すごいや! こんなことも出来るんだね!』
「余裕を見せられるのもそこまでだ 行け! イノケンティウス!!」
イノケンティウスが球磨川に向かっていく。
『そろそろ僕も攻撃するべきだよね 受けてばかりじゃ少年漫画っぽくないしさ!』
そういうと球磨川はイノケンティスを虚構にする。しかし……
『あ、あれ?』
虚構にしたイノケンティウスが虚構にならない。正確に言うと何度虚構にしてもまた復活する。
驚いた球磨川は回避行動を取ることを忘れ、イノケンティウスの攻撃によって再び灰となった。
「まさかイノケンティウスまで使わされるとはね…… まぁ、これで決着はついた」
「さて、さっさと彼女を回収しないと 神裂の奴がうるさいからな……」
完全に勝利を確信したステイルはインデックスを回収すべく、球磨川がいた場所に背を向け歩き出す。
その背後からまたしても――
『う~ん なんで虚構にできなかったのかなぁ?』
聞こえるはずがない声が聞こえた。
「なにっ!?」
驚いて振り向く、ステイル。
その顔は困惑を通り越し恐怖すら感じているようだった。
「そんな馬鹿な……」
『一体どんなトリックが…… この魔法は一体どんな仕掛けになってるんだろう?』
ステイルを無視して考え込む球磨川。
「くっ……! 行け!イノケンティウス!!」
再度イノケンティウスで球磨川に攻撃を仕掛けるステイル。
球磨川は避けることをせず考え事をしながら三度灰となる。しかし――
『う~ん 全然わかんないなぁ』
何事もなかったかのように復活する球磨川。その姿はもう不気味だとか気味が悪いとか
そんなレベルではなかった。
「う、うわあああああああああああああああああああああああああ!!!」
とうとう恐怖に押しつぶされてしまったステイルは球磨川に攻撃を仕掛ける。球磨川は灰となる。
しかし復活する球磨川。また燃やす。復活する。それを繰り返した。
何度も
何度も
何度も
何度も
何度も
もう何度同じことを繰り返しただろうか。何度殺しても目の前の少年は死なない。
死なないどころかぴんぴんしている。
「はぁ…… はぁ…… くっ!」
それとは対照的にステイルは魔翌力を消耗し続け、息も絶え絶えという様子だ。
さらには心もズタボロになってしまったステイルは立っていることすら、ままならず
とうとうその場にへたり込んでしまった。
「こんなの一体どうすればいいんだ……」
もうステイルに勝算などなかった。自身の持つ最強の魔術は通用した。
しかし通用したといっても相手をあの世に送れなければ何の意味もない。
そんなステイルを尻目に球磨川が意外なことを言い出す。
『あ~あ! 全ッ然わっかんないや!』
『もういいよ 僕の負けで 考えるの面倒くさくなっちゃったし』
球磨川がそう言い放つ。ステイルはさらに困惑した。
もういい? 僕の負け? 何を言ってるんだこいつは? そんな事を考えたステイルは
「は?」
そう言うほかなかった。
『いや、だからさ 僕の負けでいいよってことだよ』
『あぁでもインデックスちゃんは渡さないよ?』
『だから話し合いをしようじゃないか!』
ステイルはますます困惑する。話し合い? この状況で?
目の前の少年が嘘を言っていないことはなんとなしに分かる。あの押しつぶされそうな
気持ちの悪さが多少和らいだからだ。
『思うに、僕達はお互い何か誤解をしてると思うんだ!』
『君は確かに悪役の顔をしてるけどさ なぜか悪役だと思えないんだよねぇ』
『だからここは一つ平和的に話し合いをしようじゃあないか! 対話って重要だよ?
僕はガンダムOOを見てそれを学んだんだ!』
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