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元スレ球磨川「学園都市は面白いなぁ」
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ステイルは少し考えた後、
「い、いいだろう 話し合いに応じるよ」
そう言うほかはなかった。今のステイルの頭の中にはインデックスのことも、神裂のことも
自分の使命のことも何もなかった。
ただただ“目の前にいるこの化け物から逃げたい”それだけだった。
『それじゃ、ステイルちゃん 何で君たちはそこまで必死こいてインデックスちゃんを狙うんだい?』
『インデックスちゃんは10万3000冊の禁書目録を狙ってきているって言ってたけど』
『それだけじゃないんだろう?』
そう質問した球磨川にステイルは自分たちのことを話し始めた。
インデックスはもともと自分たちの仲間であったこと。
インデックスは完全記憶能力を持っていて10万3000冊もの禁書目録を記憶しているため
脳の要領がパンク寸前であること。
そして一定周期ごとに彼女の記憶を消さなければ彼女は死んでしまい、その一定周期の日は
もうあと1週間ほどしかないということ。
それを聞いた球磨川は
『なぁんだ そんなことだったんだ!』
と言うと無邪気に笑い始めた。
「そ、そんなこと?」
『全くステイルちゃんったら! そんなことなら最初に言ってくれればいいじゃないか!』
『最初に言ってくれれば僕の力で全部解決してあげたのにさ!』
「君の…… 力?」
『そうだよ! 僕は全てを虚構に出来るんだ』
『だから君達の思い悩んでいたものも解決できるよ!』
ステイルは何も喋ることができなかった。確かにこの少年の力を使えば……
自分たちにとっての最高のハッピーエンドを迎えることができるかもしれないそう考えた。
考え込んでいるステイルに球磨川が話しかける。
『君達にとってのハッピーエンドって言うのはさ まずインデックスちゃんが死なないと言うことが前提で
あの子の記憶を消去することなくあの子を苦しみから解放して 且つ、彼女を追い回さず、また仲良くなりたい』
『それでいいんだよね?』
「あ、あぁ」
概ねその通りだ。彼女を追い回すなんてしたくない。しかしそうしなければ彼女は死んでしまう。
彼女とまた仲良くしたい。だが今のままではそんなことはできない。
だが目の前にいる少年はできると言った
「だが、そんなこと本当にできるのか?」
そう口にする、ステイルは半信半疑と言う様子だった。
確かにそれは最高のハッピーエンドだ。しかし一体どうやって……
『大丈夫だって! 僕のことを信用してよ! ね!』
球磨川はステイルに微笑みかける。
ステイルそんな球磨川の微笑みが悪魔の微笑みに見えたが、もし本当に自分達にとっての
ハッピーエンドを迎えられるなら…… あの子が苦しみから解放されるなら…… と考え
「分かった 君のことを信用するよ」
そう答えた。もはや相手が悪魔だろうがなんでもいい。幸せになれるのなら。
ステイルはそう考えたのだ。
『じゃあ、記憶を消す日になったらまた来なよ!』
『そのときに僕が何とかしてインデックスちゃんを助けてあげるからさ!』
「……わかった」
球磨川に了承の意を伝えるとステイルはその場を去ろうとする。その背後から球磨川が声をかける。
目欄にsagaで魔力とか唐揚げとか攻撃力に翌が挟まらなくなるよ
がんば
がんば
『あ、そうそう 君達さえよければ記憶消去の日だけでなくいつだって来てもいいんだよ?』
『インデックスちゃんからは僕が君たちの事を伝えておいてあげるからさ』
『まぁ、インデックスちゃんも最初は警戒するだろうけど、僕が仲介役を務めてあげるから大丈夫だよ!』
そう、ステイルに言う球磨川。それを聞いたステイルは振り向いて俯くと
「考えておく」
と言い、その場を去った。
『ふぅ、なんかいいことした気分だなぁ』
そんなことを言いながら、自分の部屋に戻る球磨川。しかし彼は重要なことを忘れていた。
『ただいま~』
「あ、おかえり!くまがわ! さぁ早くカップ麺をよこすんだよ!」
『えっカップ麺?』
言ってからようやく思い出す。そう球磨川はカップ麺を購入しに出かけたのだ。
しかしステイルとの戦闘ですっかりそのことを忘れていた。
『え、え~っとインデックスちゃん…… い、言いにくいんだけどさぁ~』
『買ってくるの忘れちゃっ……』
言い終わる前にインデックスが飛び掛ってくる。
『い、痛いっ! 痛いよインデックスちゃん!』
「くまがわはおおうそつきなんだよ! カップ麺食べさせてくれるって言ったのにー!!」
『ご、ごめんよ! でも仕方なかったんだよ! だから僕は悪くない! 僕は被害しゃ……』
「被害者は私なんだよ!! むきー!!」
『ぎゃあああああああああああああああ!!』
こうして球磨川のドタバタとした一日が終わった。
余談だがその日、体のいたるところに噛み痕のある少年がコンビニのカップ麺を買占め
店員を驚かせたことは言うまでもない。
インデックスがやってきて3日が経過したある日、ステイルが女性を連れてやってきた。
『おや、ステイルちゃんいらっしゃい』
『ところで、その不健全な格好をした子はだれ?』
「…… はじめまして 神裂火織です」
彼女の名前は神裂火織。 彼女の格好もまたあまりにも異常だった。
穿いているジーンズは片方だけ根元までばっさりと切られており、着ているTシャツは
胸がぎりぎり見えるか見えないか程度まで捲くられている。
これでスタイルや見た目が最低なら別にかまわないのだが、彼女の容姿は極めて端麗で、
スタイルはというと、出るとこは出て、くびれているところはしっかりとくびれている。
完璧な見た目であった。ゆえに――
『火織ちゃん! 君はなんて不健全な格好をしているんだ!』
『そんな不健全な格好を見たら健全な男子諸君が、不健全な妄想に取り憑かれてしまうじゃないか!』
「なっ! こ、この格好は別に……」
『僕が健全な格好に戻してあげるよ』
神裂の言葉を無視して球磨川は神裂の「服装の改造」を虚構にした。
『うん、これなら健全な男子諸君も健全な妄想ができるね!』
「…… !? ステイルから聞いてはいましたが実際に目の当たりにするととんでもない力ですね……」
神裂は元に戻った自分の服装を見て驚いた。ステイルからはこの球磨川禊と言う少年について話は聞いていたが
自分の目で見るまでは到底信じられない話だった。
『すごい力なんかじゃないよ 何の役にも立たない過負荷にすぎないんだから』
『そんなことより二人とも! インデックスちゃんに会いに来たんでしょ?』
『中に入りなよ インデックスちゃんには僕からちゃんと言っておいたからさ!』
そう言うと球磨川は二人を部屋の中に招き入れる。
部屋の中には警戒の色を隠せないインデックスの姿があった。
しばしの沈黙が流れる。
一体何を話せばいいんだろう? その考えが二人の頭の中を支配していた。
つい先日まで二人はインデックスを追回し、酷い目に合わせて来た。その負い目もあってか
何もしゃべることができなかった。
気まずい空気がその場を支配する。
『とりあえず、二人とも インデックスちゃんに謝ったらどうかな?』
静寂を破ったのは球磨川の言葉だった。
『お互い誤解があったんだしさ! 別に二人はインデックスちゃんに危害を与えるために
追い回したわけじゃないんだ!』
『インデックスちゃんを守るために追い回してたんだからさ! 別に悪いことなんか何もしてないじゃないか!』
『でも、インデックスちゃんが怖い目にあったのは事実 だからさ! まずはちゃんと謝っておこうよ! ね!』
球磨川がそう促してくる。二人はそれに従うことにした。
「君を助けるためとはいえ、本当にひどいことをした…… すまない!」
「謝ってすむ問題ではありませんが…… 本当に申し訳ありませんでした!」
二人はそういうと土下座しそうな勢いで頭を下げた。そんな彼等を見てインデックスは
「頭を上げてよ二人とも」
といった後、笑顔を浮かべると
「全部、私のためだったんだよね? だったら二人は悪くないよ」
「私だって二人と話し合ったりせずに逃げちゃって……」
「もっと話し合っていれば二人も苦しまずにすんでたのにね……」
そういった後、インデックスは
「ごめんなさい」
二人に謝罪した。
その姿に驚愕した二人は慌てふためきながら
「や、やめてくれ! 悪いのは全部、僕たちのほうなんだ!」
「そ、そうです! あなたが謝る必要なんてないんですよ!」
などと口々に言う。
それから数時間程度が過ぎ、最初の気まずい空気と打って変わって、球磨川の部屋の空気は
とても明るいものに変わっていた。
二人はインデックスと和解し、極めて友好な関係を築くことができた。
そんな微笑ましい光景を球磨川は、微笑ましさを感じさせない歪んだ笑みを浮かべながら見ていた――
インデックスがやってきてから1週間程度が過ぎた。
あれからステイルたちは度々球磨川の部屋を訪問し、インデックスと談笑していた。
その甲斐あってか彼らの仲は昔と同じレベルで仲良くなった。 そのさまをニタニタと
笑いながら球磨川は見ていたが、その心境はだれにも分からなかった。
そしてインデックスの記憶を消す「儀式」の当日――
「邪魔するぞ」
と、ステイルと神裂火織が球磨川の部屋を訪問する。
『え? 邪魔するなら帰ってよ』
「そんな古典的なギャグには乗らないぞ」
そうステイルは言い放つとインデックスの様子を見る。
「やはり、来たか……」
インデックスは球磨川のベッドに寝ていた。
その様子は高熱が出ているからか、顔が高潮しており、息も絶え絶えという感じだ。
「儀式の準備をするぞ 神裂」
「はい わかっています」
二人は儀式の準備を始めた。
後ろで歪んだ笑みを浮かべている球磨川のことなど気付きもせずに……
儀式の準備が整い、ステイル達が何らかの呪文を詠唱している
すると突如、インデックスの体が輝き始めた。記憶を消す一歩手前のところまで行ったところで
ステイルは球磨川に話しかけた。
「で、どうやってこの子を救うつもりだ?」
『そうだね ちょっと待ってよ』
というと球磨川はインデックスの頭に手を置く
するとインデックスの体から発せられる輝きはどんどん弱くなり最終的には完全になくなった。
そして残ったのは、すやすやと眠るインデックスだけだった。高熱に苦しんでいる様子は一切見られない。
「これは…… 彼女は苦しみから解放されたのですか!?」
「一体何をやったんだ球磨川!?」
二人が球磨川を捲くし立てる。
『いっぺんに言わないでよ二人とも』
『最初に神裂ちゃんの質問に答えようか』
『そうだよ インデックスちゃんは苦しみから解放された そして今後一切、二度と苦しむことはないよ』
球磨川の台詞を聞いて神裂とステイルは、ほっと息を撫で下ろす。
この子はもう苦しむことはない。そう安堵したときだった――
『次に、ステイルちゃんの質問に答えようか』
球磨川が言う。二人は球磨川の答えを待った。
『えっと インデックスちゃんになにをしたのかだったね?』
『それはね……』
『インデックスちゃんの禁書目録を含めた魔術的な要素や完全記憶能力を』
『すべて虚構にしたんだよ!』
「なんだって!?」
「な……何を言っているのですか!?」
困惑する二人。そんな二人を見て球磨川はニタニタと笑いながら彼らの質問に答えた。
『だって言ったじゃないか 彼女が苦しむことなく君達と仲良くなるってことが
ハッピーエンドだって!』
『だから僕なりに考えたんだ どうすればそんなハッピーエンドが訪れるのかってね』
『その結果たどり着いた答えはとてもシンプルなものだったよ』
『君達をハッピーエンドに導くための手段 それは……』
そこまで言うと球磨川は息を吸い、言い放つ
『彼女のアイデンティティーを全て虚構にしちゃえばいいんだってね!』
「「……」」
二人は絶句した。絶句せざるをえなかった。
確かにインデックスは助かり、二度と苦しむことはないだろう。しかし
今ここにいる彼女は「禁書目録」としての彼女ではなくただの「少女」でしかない。
二人はまるで自分達がやってきたことすら、虚構にされたような気分になってしまった。
二人はしばらく固まると、思考を放棄し球磨川の部屋を出て行った。
そんな彼らを見て球磨川は歪んだ笑みを浮かべながら言い放った。
『あぁ 楽しかった』
――翌日
あの後、インデックスが目を覚ましたので球磨川は事の顛末をインデックスに話した。
球磨川はここで彼女が怒り狂い飛び掛ってくるものとばかり思っていたのだが、当の本人は
つき物が晴れたかのような表情を浮かべ
「ありがとね、くまがわ」
と言ったのち
「私をただの少女にしたんだからその責任は取ってよね!」
と言い放ち、球磨川の部屋に住み着くことになった。
球磨川は予想外の出来事を面白く思い、それを承諾した。
後に食費が激増して後悔することなど知らずに
『あ~あ また退屈がやってきちゃったよ』
球磨川が呟く。
「くまがわ~ 夕飯まだ~?」
『君って本当食べることばかりだよねぇ……』
『まぁいいや、コンビニで何か買ってくるよ』
底なしの胃袋に呆れつつ球磨川は外に出かけた。
『あ~あ いい暇つぶしはないかなぁ』
コンビニまでの道をぶつぶつと呟きながら歩く球磨川
『今度はもっと王道バトル漫画見たくバトルがしたいな!』
『今回は一方的にやられちゃったしね』
『あ! そういえばステイルちゃんのあの魔法の種明かしをまだしてもらってないや』
『連絡先とか聞いておくべきだったなぁ あぁ今日は眠れないよ~』
そんなことを言いながら歩いていると前方に奇妙な少年を発見する。
『ん? なんだろうあの子?』
球磨川の視線の先には白い肌、白い髪、赤い目といったいわゆるアルビノの少年が歩いていた。
その人相はとても悪く、ぶつかろうものなら因縁をつけられ半殺しにでもされてしまうのでは
ないだろうかと思うほどだった。
『すごいなぁ まるで漫画の主人公か敵キャラみたいじゃないか!』
球磨川は、ほんの少しだけ少年に興味を持ったがすぐにその興味は別のところに移る
『あ! 漫画といえば今日はジャンプの発売日だった』
『インデックスちゃんのご飯のついでに買っていこうかな』
完全に少年に対する興味を失った球磨川はテクテクと歩き出す
そして白い髪の少年とすれ違った
そのときだった――
ドン!と鈍い音が響き渡る
銃声だろうか? 球磨川は周囲を見渡してみるが銃で撃たれたと思わしい人間はいない。
そして銃痕のようなものも見当たらない。
最後に自分の身を確認してみたが撃たれた様子はない。
ただの空耳だろうか? そう思った球磨川はある異変を発見する。
『あれ? あの白い髪の子はどこにいったんだろう?』
そう、あの白い髪の少年がどこにもいない。あれほど目立っているのだから見失うわけがない。
そして、あの少年とすれ違ってほとんど時間は経っていない。だからあの白い少年が遠くまで
行ってしまった、というのも考えにくい。
『……ふふふ』
球磨川は新しい玩具を見つけたかのように微笑み、顔を歪ませながら言い放った。
球磨川「学園都市は面白いなぁ」
これにて終了です
短い間でしたが1の駄文にお付き合いくださり
本当にありがとうございました!
短い間でしたが1の駄文にお付き合いくださり
本当にありがとうございました!
乙。たしかに台無し感があるが、割と最良の選択だった気もする。原作展開考えると。
原作は上条さんをはじめとする「ヒーロー」「悲劇を食い止める存在」がいるお陰で明るい物語になってるけど、
設定自体は十分鬱なんだよな。実は。クマーの「台無し」が「救い」になってしまうくらい。
原作は上条さんをはじめとする「ヒーロー」「悲劇を食い止める存在」がいるお陰で明るい物語になってるけど、
設定自体は十分鬱なんだよな。実は。クマーの「台無し」が「救い」になってしまうくらい。
インデックスを救えなかったことでねーちんの生き方はこの日を境に『折れ曲がった』な
乙。最初はどうなるかと思ったけどけっこう良かった、いや、悪かったww
妹達編も期待してます。でも球磨川さんが相手じゃ一方さん立ち直れなくなりそうな気が…
妹達編も期待してます。でも球磨川さんが相手じゃ一方さん立ち直れなくなりそうな気が…
プロットが8割ほど作り終わりました
今回は色々とイベントを削っているためお怒りになる人がいるかも……
それだけ削ってもかなり長くなりそうです
来週か再来週に投稿…… できたら…… いいなぁ
では
今回は色々とイベントを削っているためお怒りになる人がいるかも……
それだけ削ってもかなり長くなりそうです
来週か再来週に投稿…… できたら…… いいなぁ
では
あ、それと一方通行編では球磨川のキャラが最初にでてきたばかりの頃のキャラとは
若干変化しています
ご了承ください。
若干変化しています
ご了承ください。
球磨川がなんか違うと思ったけどそんな事は無かった
絵想定せずに球磨川の台詞だけ読み返すとだいたいこんな感じだった
絵想定せずに球磨川の台詞だけ読み返すとだいたいこんな感じだった
来週か再来週と考えてたのですが思ってたより早く出来そうなので
今夜9時から開始したいと思います。地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
今夜9時から開始したいと思います。地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
それでは投下します。地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
――とあるマンションの一室
『う~ん最近なんだかヘタレな錬金術師と戦う夢とか見るんだけど何かの暗示かなぁ?』
「きっと気のせいなんだよ!」
『ねぇインデックスちゃん 君もうカップラーメン10個目だよ……』
インデックスをめぐる事件からもう一ヶ月近い時が過ぎた。
インデックスのアイデンティティーを全て虚構にした球磨川だったがインデックスの持つ
食欲だけは虚構にできなかったらしい。
増える食費に球磨川はげんなりしていた。
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
『はぁ…… 僕はちょっと散歩にでも行ってくるよ』
「いってらっしゃーい!」
暴食シスターが何かを食べ続けるシーンはさすがにもう見飽きた。
それにもしかしたらあの時見た白い髪の少年ともう一度会えるかもしれない。
そんな期待を秘めて球磨川は散歩に出かけた。
『なんだか喉が渇いちゃったなぁ あ、あんなところに自販機が!』
もう30分程度は歩いただろうか。
この日、球磨川は何も飲んでいない
室内ではインデックスが暴食暴飲している。
そのさまを見ていると、何かを飲むと言う気分にすらなれなかった。
球磨川は自販機の前に立つとお金を入れ、ファンタグレープのボタンを押したのだが……
『あれ? 何もでてこないぞ?』
何度押してもジュースは出てこない。
運の悪いことに故障していたのだろう。
球磨川は返金レバーを捻る。
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
『お金も出てこない……』
完全な故障である。
まさかジュースどころかお金すらも出てこないとは。
『こういう時はこう言うべきだよね』
『不幸だぁーーーーーー!!!』
「うるさい!!」
自販機の前で叫ぶ球磨川に背後から怒鳴る者がいた。
後ろを振り返る球磨川。
『あれ? 美琴ちゃんじゃないか!』
「一体何やってんのよあんたは……」
球磨川を怒鳴った少女の名は御坂美琴
常盤台中学のエースにして、学年都市に7人しかいないレベル5の第三位。
彼女と球磨川の出会いはつい最近だった。
不良に絡まれているところを何の気紛れか、球磨川が助けたのである。
そして球磨川の能力を見た御坂は球磨川を強者だと判断し、挑戦。惨敗を喫した。
それ以来球磨川とは度々出くわしているが、別世界の主人公のときとは違い
いきなり電撃を飛ばすといったことはしない。やったところで無駄と考えているからだ。
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
『それがさぁ この自販機故障してるんだよ! ジュースは出てこないうえ、
お金も返してくれないんだ! まったくとんだ負(マイナス)自販機だよ!』
「あぁその自販機にはコツがあるのよ」
不満気に文句を言う球磨川に御坂が言う。
『コツ? 一体何のコツなの?』
「自販機をタダで利用するコツ」
と御坂は言うと、球磨川を押しのけ自販機の前に立つ。
そして軽くステップを踏むと――
「ハァッ!」
自販機に蹴りを入れた。
すると自販機からは次々とジュースが飛び出てくる。
「ま、ざっとこんなもんよ!」
得意げに言う御坂に球磨川は
『美琴ちゃん! それは窃盗だよ!』
と、もっともらしいことを言うと、自販機の故障及び飛び出てきたジュースを虚構にした。
『さぁ、これでこの自販機は直ったよ! 公共物はちゃんとルールを守って使おうね!』
「あんたの力って本当デタラメね……」
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
球磨川と御坂はそれぞれファンタグレープと椰子の実サイダーを買うと、ベンチに座り飲み始めた。
「あんた、喉が渇いたなら力を使えばいいじゃない。喉の渇きだって虚構にできるんでしょ?」
『できることはできるけど、そんなの風情もヘッタクレもないじゃないか。喉の渇きはやっぱり
飲み物で潤すに限るよ』
と言うとファンタグレープを飲む球磨川。
『ところで美琴ちゃんは何で制服姿で出歩いてるのかな? 補習か何か?』
そう、今は夏休みである。普通なら制服姿で出歩いたりしない。
しかしながらそう言う球磨川も制服姿なのだが。
「あんただって制服姿じゃない…… まぁそんなところよ」
と御坂は言う。
『へぇ、美琴ちゃんって頭良さそうだけどなぁ。実はオツム弱かったんだね!』
「…… その喧嘩買ったわ」
と御坂が電撃を飛ばそうとする寸前だった
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
「あら? お姉さまじゃありませんの? こんなところで何をやっておいでですの?」
一人の少女が御坂に声をかけてきた。
「く、黒子!?」
御坂は驚きながら振り向く。
「お姉さま。そこの没個性的な殿方は一体誰ですの?」
落ち着き払って言う黒子だったが、明らかに敵意むき出しというオーラを出している。
『酷いこと言うなぁ 僕は球磨川禊って言うんだ! よろしくね!』
「常盤台中学1年 白井黒子ですの 以後お見知りおきを」
軽く自己紹介を済ませる二人。
「ところで、球磨川さんはお姉さまとはどういうご関係で? もし、お姉さまにちょっかいを
出すならわたしを通していただきませんと」
「く、黒子! 何言ってんのよ!」
『あはははは! 手なんか出さないよ! むしろ出してきたのは美琴ちゃんのほうさ!』
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
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