元スレ上条「アンタは私のものになんのよ」美琴「……不幸だ」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
201 :
がんばれぇ~
負けぇんなぁ~
202 :
力の限りぃ…生きてやれェ…
203 :
カマ条さんってわけか
204 :
この美琴はあっという間に妊娠しそう
205 :
どっちを上条さんって呼べばいいかわからなくなってきた
206 :
続きを投下します。今回も短めになってしまった…
207 = 206 :
第七学区 とある高校の学生寮 土御門宅――
土御門「インスタントで悪いにゃー」コポコポ
美琴「いえいえ、お構いなく」
絹旗「……」
土御門「この土御門元春を相手に無理やり交渉を持ちかけるなんてにゃー」
土御門「まったく、常盤台の超電磁砲は恐ろしいぜい」ヤレヤレ
美琴「普段は人畜無害な草食系ですよ?」
土御門「カミやんが絡むとアレか…つくづく罪な野郎ぜよ」
美琴「そんなことより早く…」
黒子「失礼しますの」シュン!
土御門「うにゃーっ! 女の子がオレの部屋に降って来たぜよ!!」
美琴「黒子?」
208 = 206 :
黒子「お姉様、忘れ物ですの」ポイ
美琴「おっと」キャッチ
フィ「この馬鹿が、俺様を投げるとは何事だ!」プンスカ
黒子「わざわざ連れてきて差し上げたのに文句いうなですの」シレ
フィ「貴様も俺様を置いて行くな。自身の状態を理解しているだろうに」
美琴「う、うん」ピタ
フィ「…バイタルは正常……メンタルは…!? 不味いぞ。今すぐ表にでろ」
美琴「!? ちょ、ちょっと出ます!」ダダダダダッ
土御門「…どうしたんだ?」ヒソヒソ
絹旗「…私にも分かりません」ヒソヒソ
209 = 206 :
第七学区 とある高校の学生寮――
フィ「昨晩と比べてメンタルの異常が酷いな」
美琴「そんなに?」
フィ「人格に影響が出て、それを自覚できないくらいに、だ」
フィ「もう口調の変化なんて生易しいレベルじゃない。上条当麻の人格が変質しつつある」
美琴「口調って……ああっ! また女言葉で喋ってた!?」ガーン
フィ「今朝からの行動も思い返してみろ」
美琴「…………………………………………」…シクシク
フィ「泣くな、鬱陶しい」
美琴「黒歴史だ…なに意味の分からない行動力を発揮してんだよ、俺は」ガクリ
フィ「嫉妬に駆られ友人を脅迫、海外渡航の算段を強要…か。凄まじいな」
美琴「ぎゃああああぁぁぁッ!? 冷静に言わないで!?」ブンブン
フィ「大丈夫だ。そんな小物臭い貴様を、俺様はサポートしてやる」
美琴「小物って……一応、今は第三位の御坂さんですけど…」
フィ「三流、三下、三行半…ろくでもない数字だと思わないか?」
美琴「お、おまっ!? 三割引とか、三文の得とかいい意味だってあるだろ!」
フィ「発想が小物だな。それに三文の徳だ、馬鹿め」
美琴「え? 発音が違った??」
210 = 206 :
フィ「いい加減話を戻すぞ」
フィ「人格が変質していたのは自覚したな?」
美琴「ああ、あんなのは俺じゃねーよ」
フィ「些細なことで、あれほどの異常行動だ。先が思いやられる」
美琴「!! 些細っていうけどな、俺には大問題なんだよ!」
フィ「落ち着け」
美琴「大体アイツが神裂をパートナーとか…」ブツブツ
フィ「そこだ。そこが腑に落ちない」
美琴「??」
フィ「御坂美琴は上条当麻に惚れている」
美琴「///」マッカ
フィ「ならば神裂火織や禁書目録と必要以上に親睦を深めるのは、違和感がある」
フィ「普通なら、貴様に近づく女を遠ざけるように仕向けるはずだ」
211 = 206 :
美琴「それは…アイツは優しいから…」
フィ「貴様が三日でトチ狂ったほどの恋愛感情を、御坂美琴は何ヶ月も抱えているんだ」
フィ「それに貴様を不安にさせるよう仕向けた節もある。優しさなど理由にならない」
美琴「…アイツが、わざと不安を煽ってる?」
フィ「入れ替わり初日に、御坂美琴が言ったことが全てかもしれんな」
美琴「初日って……まさか」
フィ「上条当麻を私のものにする、ダブルミーニングなら笑えるぞ」
美琴「どういうことだよ…」イヤナヨカン
フィ「御坂美琴は最初から入れ替わりを受け入れているということだ。理解できるか?」
美琴「はあ?」
フィ「正気か狂気かは知らんが、御坂美琴は非常に優秀だな」
フィ「上条当麻の最大の武器を掌握しつつ、本命の貴様を手玉に取っているのだから」
美琴「最大の武器? 幻想殺しか?」
212 = 206 :
フィ「違う。昨日貴様が言ってたじゃないか。コネだけは充実してる、つまり人脈だ」
フィ「学園都市の第三位と世界を救った英雄、取り巻く人間の質も量も、圧倒的な差があるだろうな」
美琴「……」
フィ「周囲の環境を掌握し、上条当麻となる。その上で貴様を御坂美琴として手に入れる」
フィ「貴様は女として愛されるわけだ。笑えるだろう?」
美琴「……冗談だよな?」ガクブル
フィ「全て俺様の推論だ。だが現実味はあったんじゃないか?」
美琴「恐えーよ! ありえねーよ! なんなんだよ!!」
フィ「イギリスに乗り込むつもりなら、やめたほうがいいな」
フィ「戦闘能力に差がありすぎる。手篭めにされて、愛玩奴隷ルート確定とかなりそうだ」
美琴「て、手篭め!?」ビクッ
213 = 206 :
フィ「それも悪くないんじゃないか?」
美琴「そんなルート、青髪ピアスにしか需要がねーよ!」
美琴「アイツがおかしくなってるなら、俺がなんとかすればいいだけじゃねーか」
フィ「貴様が嫌がるなら、他の女を、みたいな流れになりそうだが…」
美琴「それは駄目だ!! ……って、あれ?」
フィ「どうしようもないな。入れ替わった時点で愛玩奴隷ルートは確定したようだ」
美琴「………バッドエンド?」
美琴「男なのに女にされる…?」プルプル
フィ「どんまい」
美琴「不幸だァァァああああああッ!!!」
214 = 206 :
第七学区 とある高校の学生寮 土御門宅――
美琴「……」フラフラ
絹旗「戻ってきまし…御坂? 顔色が超悪いんですけど…」
フィ「放っといてやれ。少々絶望しているだけだ」
黒子「お姉様、しっかりしてくださいまし!」
土御門「さっきと別人みたいだぜい?」
美琴「…純潔が、散らされる…」ジワ
黒子「お姉様の純潔は上条さんに捧げたのでは?」
絹旗「じゅ、じゅ純潔!?」
土御門「…カミやん、ついにこっち側に来たのか」トオイメ
フィ「こいつはまだ生娘だぞ。上条当麻の帰国と同時に散らされるだろうがな」シレ
美琴「手篭めにされるなんて…」ポロポロ
黒子絹旗「!?」
215 = 206 :
土御門「カミやんなら明後日に帰国する予定ぜよ」
美琴「そんなの、嫌だ…」ヒックヒック
黒子「腐れ類人猿がああああァァァッ!! お姉様を泣かせやがってええええ!!」
絹旗「殺す! 上条当麻、超殺す!!」
黒子「ここは協力してでも、あの猿を血祭りにあげるしかないですの!」
絹旗「了解です。御坂の貞操は私たちで守りましょう!」
土御門「面白いことになってきたにゃー」
フィ「この調子で戦力を増やせば、貴様の身の安全は守られるかもな」
美琴「…俺に力を貸してくれるのか」グスグス
黒子「当然ですの」キッパリ
絹旗「友達を助けるのは当たり前です。御坂が言ったことですよ?」ニコ
美琴「…そうだったな。絶望するには、まだ早いよな」
美琴「二人とも、さんきゅーな。元気でた」
216 = 206 :
土御門「絹旗はいいのかにゃー。イギリス行きがふいになるかもしれないぜい?」
絹旗「…構いません。麦野たちの居場所は知りましたし、御坂を見捨てたくありません」
美琴「絹旗……御坂さんは、この感動を超抑えることができません!」ギュッ
絹旗「きゃあ! み、御坂、真似しないでください///」ジタバタ
黒子「ぎゃああああ!? 黒子も、黒子も混ぜてほしいですのォォォーッ!!」ガバチョ
フィ「うおっ! 暑苦しい、離れろ!」
土御門「やはり時代は女子中学生ぜよ」ニヤニヤ
美琴「迷惑かけてごめんなさい!」ペコ
土御門「いやいや、お互いカミやんのフラグ体質の被害者ぜよ」ケラケラ
美琴「あ、あはは……」
土御門「フラグ立てまくりなのに、回収はしないから性質が悪い……ムカついてきた」イライラ
美琴「…反省します」ズーン
土御門「ん?」
絹旗「御坂、先に行きますよ」
美琴「おおお邪魔しましたぁーー!」タッタッタ
土御門「……」
217 = 206 :
土御門「……」pipi ヨビダシチュウ
海原『もしもし、なにか進展がありましたか?』pi
土御門「ああ、とんでもないことになったぞ海原」
海原『ッ!? なんです』
土御門「明後日、超電磁砲の処女が奪われるらしい」
海原『…………はぁああああああああ!!!???』
土御門「上条当麻が喰っちまうそうだ。超電磁砲がマジ泣きしながら言ってたぞ」
海原『か、彼は一体なにを考えてるんです!? 御坂さんは中学生ですよ!? 犯罪ですよ!?』
土御門「オレたちと比べれば可愛いもんだがな」
海原『統括理事会が御坂さんを狙ってるのに、あああああッ! 気が狂いそうだ!』
218 = 206 :
土御門「だがこれはチャンスだ。どうも超電磁砲と上条当麻が一戦やらかすみたいだからな」
海原『…その時起きる混乱を利用すると?』
土御門「その通り! 例の助っ人は裏切ったが超電磁砲にべったりだし、最悪の事態は回避できそうだ」
海原『自分にとっては、ある意味最悪ですけどね……』
土御門「お前もいい加減、義妹に乗り換えたらどうだ?」
海原『余計なお世話ですッ!!』pi
土御門「……うにゃ?」
土御門「カミやんが超電磁砲とにゃんにゃんする……ねーちんは…?」アレ?
219 :
土御門…いま気づくとか頭の回転悪いぞ…
220 = 206 :
第七学区 とある病院前――
美琴「黒子たちは、やることがあるってことだし、俺も頑張りますか」
フィ「何故病院に来たんだ?」
美琴「カエル顔の先生に入れ替わりのことを相談しようと思う」
美琴「解決法を知ってそーだしな」
フィ「冥土帰しか。貴様にしては妥当な選択だ」
美琴「…お前の推理が外れて、アイツと争うことなく解決できるのが一番だけど…」
フィ「確かにそうだが、それと予防線を張るのは別問題だ」
美琴「うん……愛玩奴隷ルートだけは回避しないとな」ガクブル
御坂妹「愛玩奴隷とはなんですか、とミサカはお姉様に問いかけます」
美琴「愛玩奴隷ってのは……御坂妹か」
御坂妹「はい、ミサカは検体番号10032です、とミサカは質問は無視かよと腹を立てつつ答えます」
美琴「お前には一生知らないでほしいから、内緒だ」
御坂妹「……」テヲトリ、ムネニアテル
美琴「?? どうしたんだ?」
御坂妹「お疲れのようなので脳波と脈拍のチェックをしました、とミサカは無表情を装い受け答えします」ドキドキ
美琴「心配してくれたのか。さんきゅーな」ニコ
御坂妹「はい///、異常はありませんでした、とミサカは答えつつ、用事があるのでこの場を去ります」スタスタスタ
美琴「おう、またなー」ヒラヒラ
フィ「……」
221 = 206 :
第七学区 とある病院――
冥土帰し「君が来るのは珍しいね?」
美琴「実は相談したいことが……」
冥土帰し「深刻そうだが、なんだろうね?」
事情を説明中―――
冥土帰し「事情は飲み込めたけど、つくづく君は面白い目にあうね?」
美琴「あはは…」ズーン
冥土帰し「まあ、入れ替わった御坂君を連れてくれば、すぐにでも治せるね?」
美琴「ほ、本当ですか!」
冥土帰し「嘘は言わないよ?」
美琴「明後日、連れてきますからお願いします!」ペコリ
冥土帰し「それじゃ明後日に。今日はもう帰っていいよ?」
美琴「先生! ありがとうございました!」タッタッタ
冥土帰し「元気がいいね……」
222 :
御坂妹「失礼します」
冥土帰し「脳波はどうだったね?」
御坂妹「ミサカの記憶する、あの人のパターンと殆ど一致しました、とミサカは興奮気味に答えます」
冥土帰し「そうか…御坂君の言った通り上条君が相談に来たよ。計画書は目を通したあと破棄したんだが…」
御坂妹「お姉様の計画、必ず成功させてみせます、とミサカは全ミサカを代表して、ここに宣言します」
冥土帰し「作戦コード・アヴァロン……こんな壮大な計画を実行するなんて、君達のお姉さんは凄いね」
御坂妹「はい。あの人を独占できるのに、ミサカにも幸せを分けてくれました、とミサカは優しいお姉様を尊敬します」
冥土帰し「妹達の存在を受け入れるほど、この世界は優しくない。だが救いがないわけじゃない」
冥土帰し「僕は君達の保護者だ。妹達の幸せのために協力は惜しまないよ」
223 = 222 :
御坂妹「ありがとうございます」
御坂妹「ミサカのミサカによるミサカのための楽園、誰にも邪魔はさせません、とミサカは……」
冥土帰し「彼はどうしてる? 彼方此方の施設を破壊して回っていたようだが」
御坂妹「お姉様と一緒に明後日帰国する予定です、とミサカはスケジュールを確認しながら答えます」
冥土帰し「彼も協力を?」
御坂妹「はい。お姉様と二人で、あの人を確保するようです、とミサカはあの人に同情を禁じえません」
冥土帰し「仕方ないとはいえ、上条君も災難だね……」
224 :
何枚も上手だったー!?
225 = 222 :
今回はここまでです。上条さん編はもうちょいで終わりです
御坂さん編はちょこっとクロスオーバー要素があるんで嫌いな人は注意を
226 :
元・美琴なかなか悪いやつだなw
>>1GJ
227 :
おつ!!
超面白いじゃないですか!
続き楽しみに待ってます。
228 :
美琴の精神は強靱だな肉体からの干渉はねのけてんだろ
229 :
乙!
続きが楽しみ過ぎる…
230 :
愛玩奴隷じゃなくて愛奴隷だろ
いいじゃん愛奴隷wwwwwwww
むしろなりたいよ愛奴隷wwwwwwww
231 :
現・上条さんキレ者すぎるwwww
232 :
ていうかこのまま身体戻したら上条さん殺されそうだぞ
色んな方々に
233 :
一方さんも上条さん(美琴)に利用されてんだろうな
234 :
続きがメッチャ気になるwww
235 :
もう上条さん陣営が勝てる気がしないww
236 :
続きにも期待
237 :
続きマーダー?
238 :
すごい倒錯的だな
239 :
一週間も音沙汰なくて、すみません
今から投下します
240 = 239 :
第十七学区 操車場――
美琴「ここなら平気かな?」キョロキョロ
フィ「昼間からこんな人気のない場所でなにをする気だ」
美琴「能力の試し撃ちをするんだよ」
フィ「いよいよ真剣になったか」
美琴「まあな。最悪の場合、アイツを無理やりにでも病院に連れていかないと、だろ?」
フィ「実行するには、貴様が能力を完璧に使いこなす事が最低条件だろう」
美琴「ハードル高いなー」
フィ「時間は有限だ。さっさと始めろ」
美琴「まずは基本の電撃から…」ビリビリ
フィ「電撃、砂鉄操作、磁力を用いた高速移動、電磁波レーダー、雷撃の槍…」
フィ「一応使えているな」
241 = 239 :
美琴「ああ、結構コツを掴んだぞ。……こんな風にッ!!」ビリビリッ フワッ
フィ「無数の鉄骨を磁力で操っているのか…」
美琴「よっと、元の場所に戻してーっと!」ガタガタガシャーン!
美琴「どうだ? あのまま射出することもできるぞ」
フィ「戦術レベルの攻撃だ。威力が有りすぎて街中では使えん」
美琴「確かに……」ウーン
フィ「一人で戦うわけじゃないんだ。攻撃範囲は絞れ」
美琴「そうは言ってもなぁ。まとめて吹き飛ばす!って能力だろ、これ」
フィ「超能力者だから仕方ない。一人で軍隊と戦える、人間戦略兵器だからな」
美琴「能力が強すぎるのが弱点ってことか」
フィ「被害を考えればな。現状で幻想殺しに最も有効なのは、電撃だろう」
美琴「電撃ぃ? そんなの一発で打ち消されてお終いじゃねーか」
フィ「幻想殺しの弱点は効果範囲の狭さだ。四方八方から電撃を放ち続ければ、そのうち捌ききれなくなる」
美琴「そこを絹旗と黒子に、ってとこか?」
フィ「それがベストだ。小学生の能力が存外強力なのは、嬉しい誤算だったな」
美琴「…いい加減、名前で呼んでやれよ」
フィ「奇襲向きの能力だから、空間移動との相性もいい」
美琴「スルーですね。分かります」
フィ「勝利条件は満たしたと言ってもいいだろう」
美琴「…なんか嫌なフラグがたった気がするんですけど」
フィ「幻想殺しが如何に脅威だとしても所詮、一兵にすぎん」
フィ「戦術を練った我々の敵ではない」
242 = 239 :
美琴「お前が言うならそーかもな。そんじゃ最後に試してみるか、超電磁砲!」
フィ「第三位の異名たる技か」
美琴「コインを弾いて……」ピーン
美琴「…いっけェェえええええーーッ!!」バチバチッ ドゴーーーーーーン!!
フィ「……見た目は派手だが、これは」
美琴「び、ビームだ! 超電磁砲、マジ格好いいな!」ダイコーフン
フィ「磁力で大量にものを飛ばしたほうが強力じゃないか?」
美琴「浪漫だよ、ロマン! 分っかんねーかなぁ」チッチッチ
フィ「知るか。だがまあ結果は上々だ。そろそろ引き揚げるとしよう」
美琴「……」キョロキョロ
フィ「どうした?」
美琴「能力を使うのに夢中だったから気づかなかったけど……」ガタガタ
フィ「これは酷い。あたり一面瓦礫の山じゃないか。警備員(アンチスキル)に見つかれば即逮捕だな」
美琴「…まぁ、見つからなきゃ…」
??「あっちから凄い音がしたぞ!」
美琴「……」ピューーーー ダッシュ
243 = 239 :
第七学区 とある公園――
佐天「あ! 御坂さん発見! …何してるんだろ?」
美琴「…喉が渇いたー」ハアハア
フィ「そこの自販機で買って飲めばいいだろう」
美琴「そーだな。ん~…ヤシの実サイダーでいいか」チャリン ピ
フィ「ホットにしておけ。体を冷やすのは良くないぞ」
美琴「もう押しちまった……あれ? 出てこない…」
フィ「投入金額がゼロになってるな」
美琴「マジ!? って、ああぁぁぁーーッ!!」
フィ「うるさい」
美琴「この自販機、前に二千円札飲み込んだやつじゃねえか!」
美琴「クソッ! 小銭は飲まないんじゃなかったのか」
フィ「別のところで買えばいい」
244 = 239 :
美琴「嫌だ、絶対取り返す! ……そうだ」ピコーン
美琴「確か、こんな感じで…ちぇいさーーーっ!!」ベキッ!
美琴「――ッ!?」
フィ「……」
美琴「痛いッ!! なんかベキッていった! まさか折れた!?」
美琴「あぁ…内出血してる。うう、予想以上に貧弱だ…」
美琴「こんなとこ誰かに見られたら、また馬鹿にされ……」
佐天「……」ジー
美琴「…見た?」
佐天「……ちぇいさー」ボソ
美琴「見たな見たの見やがりましたね三段活用! 忘れて下さいお願いします!」ドゲザ
佐天「むふ~、どーしよっかなぁ~?」ニヤニヤ
美琴「笑顔が恐いんですけど……」
佐天「アハハ、冗談です。何もしませんってば」
美琴「…ったく、人が悪いぜ」
佐天「いや~御坂さんを見てると、つい弄りたくなちゃって。困ったなー」
フィ「その気持ちは共感できるな。困ったものだ」
美琴「コイツら…」プルプル
245 = 239 :
フィ「コレは超能力者の癖に基本、馬鹿だからな。フォローが大変なんだ」
佐天「馬鹿っていうか、ノリが良くなったんじゃないかな?」
フィ「好意的な意見だな」
佐天「なんか親しみやすいのよねー。壁を感じないっていうか、ん~、なんだろ?」
フィ「良かったな、褒められてるぞ」
美琴(俺が本来、無能力者だからかな?)
美琴「ところで佐天さんは何してたんだ?」
佐天「へ? ……しまった! 初春に宿題を見せてもらうんだった!」
美琴「宿題…だと…?」
佐天「初春待たせてるんで、バイバイ、御坂さーん!」タッタッタ
246 = 239 :
フィ「騒がしい奴だな」
美琴「そーだよ! 宿題だ!」
フィ「宿題?」
美琴「補習の代わりに大量に課題を出されたんだ……まだ全然やってねーよ…」
フィ「今はそんなもの、どうでもいいだろう?」
美琴「良くねーよ! 俺の進級が懸かってるんだぞ!?」
フィ「……仕方ないな、さっさと終わらせるぞ」
美琴「そんな簡単に終わる量じゃねーんだよ…」
フィ「普段の貴様ならな。だが今は御坂美琴の知識が使えるだろう?」
美琴「そうか! その手があるな。早速寮に行こう」タッタッタ
247 = 239 :
第七学区 とある高校の学生寮 上条宅――
美琴「よっこらせっと。やっぱ便利だなー、この能力」スタッ
フィ「壁伝いにベランダから部屋に入るとは、確かに便利だな」
美琴「鍵を持ってないから助かったぜ」
フィ「時間が勿体無い、課題に取り掛かれ」
美琴「はいはい」ゲコッゲコッゲコ
美琴「御坂妹から…? もしもし」pi
御坂妹『ミサカですが今大丈夫ですか? とミサカは丁寧に確認を取ります』
美琴「いいけど、何か用事か?」
御坂『はい。相談したい事があるのですが、とミサカはお姉様に頼りたい心情を吐露しました』
美琴「それは構わねーけど…」
248 = 239 :
御坂妹『良かった。それでは玄関から離れて下さい、とミサカは突然警告します』pi
美琴「玄関…?」
フィ「伏せろ!!」ドカーーーーーーン! ドアフットブ
美琴「!!??」ビクッ
御坂妹「お邪魔します」スタスタスタ
美琴「み、御さッ…」
御坂妹「あまり余裕がないので、このまま連行します、とミサカはお姉様を拘束しながら言い放ちます」カチャカチャ
美琴「ちょっと待て!! どうしてお…」アタフタ
御坂妹「この拘束具は特別製なので、お姉様の能力でも外すことは叶いません、とミサカは残酷な事実を教えます」
美琴「そんな説明いらな…」
御坂妹「移動します。少しの間我慢して下さい、とミサカは誠意の篭ってないお願いをします」
美琴「聞いて!? 御坂さんの話を聞い…」グス
御坂妹「五月蝿いです」シュー
美琴「……」スヤスヤ
フィ「催眠スプレーか」
御坂妹「はい。これ以上手荒な事はしません、とミサカは今更と思いつつ安心を促します」
フィ「本当に今更だな……」
249 = 239 :
風紀委員 第一七七支部――
黒子「お姉様を拘束とは、どういう事ですの!?」
固法「本部からの要請なんだけど、私にも何がなんだか…」
黒子「意味が分かりませんわ! 罪状はなんですの!?」
固法「器物損壊。第十七学区にある操車場を、常盤台の制服を着た電気使いが大暴れして、滅茶苦茶にしたらしいのよ」
黒子「……」
固法「だから御坂さんが真っ先に疑われてるの」
固法「御坂さんがそんな事するわけないのに、本当に意味が分からないわ」
黒子「そ、そうですわね」アセアセ
黒子「……類人猿を葬り去る予行練習?」ボソ
固法「白井さんから御坂さんに連絡とってもらえる?」
黒子「それでは直接話を聞いてきますの!」シュン!
固法「え? 電話でいいのに…って、いっちゃった」
250 :
あら来てたのね
みんなの評価 : ★★★
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