元スレ音無「やべ、煙草切らしちまったぜ」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
151 = 58 :
男子A「またか」
日向「この先に進むんのは俺達に勝った方ってことで、ジャンケンで決めてくんない?」
男子A「…どんどんチームが増えてきやがる」
音無「あ?文句あんのか?」ギロッ
ユイ「かかってこいやゴラァァ!」
日向「どつかせてどうすんだよ、あぁ!」ガガッ
ユイ「何で私だけ!?関節が砕けますホームランが打てなくなりますぅ!」
日向「んな期待最初からしてねーよっ!」
―――
日向「ここで勝たなきゃ罰ゲーム決定だかんな!」
音無「罰ゲーム…何の話だ?」
日向「初戦は気合い入れねーとな!」
音無「無視すんなオラァ!」ガッ
日向「痛てっ!まぁ悪魔で負けた場合だから心配するなって」
音無「俺はんなもん受けねーからな」
152 = 58 :
日向「とりあえず、一番はお前な」
音無「ハッ、いいだろう」
野田「俺はっ!?」ズイッ
日向「まぁ待て、で二番が俺。三番が椎名」
音無「…で、お前いつまでおぶわれてる気だよ!そろそろ下りろっ!」
椎名「仕方ないな…」バッ
日向「そして四番がお前だ。走者一掃しないとテメーの負けだからな」ポン
野田「ふん。いいだろう…容易いことだ」
日向「七点以上でコールドだ。天使が来る前に片付けちまおうぜ」
音無「(天使…奏も来るのか?)」
日向「よし行くぞぉーっ!ファイトォーッ…!」
…シーン
女子ABC「お、おー」ボソッ
音無「……恥ずかしな、日向」
日向「言うなっ!」
153 = 58 :
音無「そんじゃ……行ってくる」ザッ
日向「頑張れよ、音無!」
ユイ「Rookiesのパワー見せたれぇ!」
審判「プレイボール!」
音無「(ただ単に野球するんじゃ面白くねぇ……あ、いいこと思いついた)」
投手A「ふっ!」ブンッ
音無「ククク…」ガキィン!
日向「まずい、ピッチャーライナーだ!」
投手A「へぶっ!」ドカッ
日向「…え?」
投手A「うう…」ドサッ
ユイ「あ…見事に相手ピッチャーの顔面に直撃しましたね」
音無「やりぃ!」ザッザッ
ユイ「…あんな方法で塁に出たがるのって音無さんだけですよね?」
日向「あれが音無なんだ」
ユイ「やっぱアホですね」
154 :
安心の投下率だな、続きもwwktk
155 :
男子A「投手交代!」
――
その後、俺に続き日向と椎名も累に出てノーアウト満塁へ…次の打者は…
野田「フン…ったく。遊びもいいとこだ」ザッザッ
捕手「良いのか(片手だと)?」
野田「何が?」
捕手「くっ…来い!」
投手B「えいっ」ビシュッ
野田「でやっ!」ガキィン
ワーワーッ!
審判「ホームラン!」
捕手「そんなぁ」
野田「フン…」
――
音無「で、何で俺がピッチャー?」
日向「だってお前いつも喧嘩ばっかしてんだから強肩」
音無「関係ねーよ」
日向「それに野田にホームラン打たれたんだから今度はお前が巻き返すしかねーだろ?」
156 = 58 :
音無「チッ。まぁいい…見てろ」スッ
野田(捕手)「来ぅい!」
音無「うおおおオラァッ!!」」バシュ!
野田(捕手)「ぬぉぉっ!」ドシュ!
審判「ストラーイク!」
野田「(まさか、俺の手が痺れているだと…)」ビリビリ
日向「すっげぇ!今の軽く160はいってたぜ!」
ユイ「そろそろ言いたいんですが、あの人はバケモンですか?」
数十分後――
2回裏・8-0
音無「軽い軽い、圧勝だな」
椎名「何故か途中から相手チームの選手どんどん減っていったが…」
日向「立て続けに相手のピッチャー三人の顔面に打撃する奴がいたからな」
ユイ「要はアホですね」
―対天使用本部―
遊佐(インカム)「日向チーム、二回裏コールド勝ちです」
ゆり「早っ!…みんな死より怖い罰ゲームとやらを恐れて必死ね。こっけいだわ」
157 = 58 :
遊佐(インカム)「戦線ではゆりっぺさんの罰ゲームを受けたものは発狂し人格が変わると有名ですから」
ゆり「そうね…ってどんな罰ゲームよ!」
遊佐(インカム)「いや、私は受けたことありませんので」
ゆり「私だって!…おっと、あぶり出しね成功ね…」
遊佐(インカム)「あれは…天使ですね」
ゆり「こっちは武器も無し、あるのはバットにグローブ。果たしてどんな平和的解決を求めるのかしら?見物だわ」
―グラウンド―
奏「…………」ズゥゥーン
音無「…………」アァン?
直井「(何故コイツが…)」
奏「あなた達のチームは参加登録していない」
音無「文句あるのか?」ギロ
直井「せ、生徒会副会長の直井です。我々は生徒会チームを結成しました」
158 = 58 :
直井「あなた達が関わるチームは我々が正当な手段で排除していきます」
音無「今ここでテメェらを排除してやろうか?」バキボキ
日向「待て、暴力はダメだ!一発で失格になるぞっ!」
音無「…チッ、試合で顔面にぶちあててやる」ペッ
ユイ「はっ!頭洗って待っとけよなァ!」
日向「お前は三振しかしてねーだろうが!…おっと、洗うのは首だ!頭だったら衛生上の見出し並みだ!」グググ!
ユイ「何で私だけっ!いーたーいですぅぅっ!」ギリギリギリ
―日陰―
音無「暑っつー…ちょいと一服」カチッ シュボッ
奏「結弦…」
音無「うおっ!テメェどっから出てくんだよっ!」
奏「校内での煙草は校則違反よ」
音無「校則破ってるから不良なんだよ」スパー
159 = 58 :
奏「…結弦はどうして彼らと球技大会に参加したの?」
音無「アイツらが…しつこく勧誘してきたからだよ」
奏「それで…了承?」
音無「最初は断ったさ。アイツと出会って打たれてなきりゃ…多分ボコボコにしてでも断ってたろうけどな」
奏「………」
音無「不良ってのは気まぐれな生き物なんだよ。それでもアイツらとつるむのはゴメンだがな」
奏「そう…」
音無「話は終わりだ、お前もとっとと生徒会チームに戻れ」ザッ
奏「…うん」
音無「あ、そうそう」ピタ
奏「何?」
音無「その格好、似合ってねーぜ。じゃ、あばよ」スタスタ
奏「……」
奏「……?」
160 = 58 :
―対天使用本部―
遊佐(インカム)「竹山チームに続き、高松チーム、二回コールド負けです」
ゆり「くーっ、あんなの反則じゃない!…残るは一チームか、どこ?」
遊佐(インカム)「日向さんのチームです」
ゆり「ゲ!…あ、でも確か音無君も日向君チームに入ってたのよね?」
遊佐(インカム)「確か音無は居ますが?」
ゆり「天使をギャフンと言わせるには、彼に任せるしかないわね…」
―決勝戦・グラウンド―
日向「ついに来てやったぜ」
直井「あなた方のチームのせいで怪我人が続出していますよ…」
音無「それはコイツのせいだ」ヒョイ
ユイ「アンタだろうがぁっ!」ガーッ
日向「(こんなんで大丈夫かよ…)」
審判「ではこれより決勝戦を始めます!」
161 = 58 :
審判「プレイボール!」
試合が始まり、当然のごとく俺はピッチャーの顔面に打球を送り込む。
奏「……」
直井「やはり彼でしたか」
音無「ヒャハハッ!」ダダッ
直井「外道め…」
続いて日向、椎名、と出塁し…。
野田「でやぁっ」ガキィン
審判「ホームラン!」
日向「いよっしゃぁ!これで四点」ダダッ
―1回裏―
音無「……」ペッ ベキベキ
奏「(相手ピッチャーは…結弦?)」
音無「…疾っ!!」バシュ
ドシッ
審判「ストラーイク!」
野球部員A「…え?」
直井「速いですね…」
奏「打者交代よ」
ザッ
音無「ん?何だアイツもう下がんのか?」
162 = 58 :
審判「生徒会チーム、バッターチェンジ!」
日向「打席途中で代打かよ…誰だ?」
ザッ
奏「……」スッ
音無「なっ!?」
日向「ちょっ!代打者って天使かよ!」
審判「プレイボール!」
音無「面白い…俺の全力を打てるもんなら、打ってみろやぁっ!」バシュ
奏「……」ガキィン
音無「?!」
ヒュルルル
ボトッ
審判「ホームラン!」
日向「まさか…音無の豪速球が…」ガクッ
音無「くそっ!…でも今の俺の球を打てるのは奏だけだ」
奏「みんなよく訊いて…結弦の球には弱点がある」
直井「弱点ですか?」
奏「彼は絶対に「真ん中」以外は投げてこない…」
直井「確証は?」
奏「今までの試合で。そして今ので確信した」
直井「もし他にも球を隠しもっていたら?」
163 = 58 :
奏「それはないわ」
直井「どうして?」
奏「さっき投げる時『俺の全力』って言ってたから」
直井「ああ…」
審判「プレイボール!」
音無「(臆することはねぇ…俺の球は奏以外には打たれねぇ)」
音無「オラァッ!」バシュ
男子部員B「(速くて見えない球でも…コースさえ分かれば…)」ガキィン
音無「な…にっ!」
女子A「きやぁっ!」ヒョイ
ボトッ
セーフ
音無「まさか…もう気づいたのか?」
この後、奏にウィークポイントを気づかれた俺は奴らに三点を取られてしまった。
ホームイン!
野田「ぐぐぐっ…ふんっ!」バシッ
音無「……チッ」ゼェ、ゼェ
日向「ターイム!」
音無「…?」クルッ
日向「まさか天使が選手として参加するなんて聞いてねーよな。内の外野はザルだし…どうすっかな」
164 = 58 :
日向「せめて外野に松下五段が居てくれれば…」
音無「いねーもん気にしたって仕方がねぇ…俺も守備に回る」
日向「流石にマウンドから外野まで遠すぎるだろ?」
音無「俺の球が通じねー以上俺がやるっきゃねーだろうが!」
日向「音無…。ああ、任せたぜ」
そっからはデスシーソーの始まりだ。打たれては守り、打ち返し…打っては守られ打ち返されの連続。
―対天使用本部―
ゆり「この調子なら勝てるっ!やるじゃない連中!」
遊佐(インカム)「肝心の音無さんは死にそうな顔してますが?」
ゆり「私は知ってるわ。彼はピンチの時こそ燃え上がるのよ…」
遊佐(インカム)「ゆりっぺさん…かっいいでs」
ゆり「くく…あーっはっはっは!」
遊佐(インカム)「台無しです」
166 :
サイエン
168 :
今日は来そうにないか…
170 :
>>168
Sorry
掃除してたら遅くなりました
171 = 58 :
日向「よし……」ザッ
音無「…お前、ひょっとしてさ…この世界に来たのって野球関係か?」
日向「…」ピクッ
――
―
ったくかける声もねぇな…
あいつ一人で三年間の努力が無駄に…
強烈な疫病神だぜ…
お前に必要なのは…こ う い う の じゃねぇか?
―
――
日向「…まぁ、な」
音無「分かりやすいんだよテメーは。…大方、エラーか三振ってとこか」
日向「はは、かなわねーな。よく分かったもんだ…」
音無「…お前、もうすぐ消えるんだろ?」
日向「き、消えねーよっ!」
172 = 58 :
>>170-171は逆で
―9回裏・7-6―
日向「(勝てるかもしれない…最終回、一点差…ツーアウトランナー二、三塁…でも次のバッターは)」
奏「……」ザッ
日向「(よりによって天使かよ…ランナーが三塁にいる以上が敬遠はできねーし)」
音無「……」ゼェ、ゼェ
日向「ターイム!…音無」
音無「あぁ?」クルッ
日向「ここでお前が天使を抑えなきゃ確実に負けちまう」
音無「んな事は投手である俺が一番分かってらぁ!」
日向「だから…絶対に抑えてくれ。頼まれてくれるか?」
音無「…ハン、当然だ。誰に言ってやがる?」
日向「後は頼んだぜ。俺らもできる限りプレッシャー与えてくからよ」
173 = 58 :
音無「まぁお前が消えようが消えまいが…俺には知ったことじゃねぇし」
日向「………」
音無「でもよ…俺は元々はテメーの執念の勧誘で参加してやってんだから、勝った時にゃ礼してもらわねーといけねー」
日向「お前…」
音無「だから、俺に煙草と食券奢るまで消えんな。…そんのは勝手に消えるなり何なり好きにしろ」
日向「…へっ、誰が消えるかよっ!」
――
審判「プレイボール!」
音無「(ここで打たれれば…間違いなく負ける…負けらんねぇ)」ザッ
奏「……」ザリッ
音無「オラアッ!」ブンッ
ギュルルルルル!
奏「無駄……」スッ
音無「……ニヤ」
174 = 58 :
奏「……!」スカッ
バシィン!
野田(捕手)「ほう…なかなか味のある球を投げる」
審判「ストラーイクッ!」
日向「いよっしゃぁ、あの天使からワンストライク奪ったぜ!」ギリギリ
ユイ「何で何で何でっ、私がっ、いぃたぁぁいっ!」グググ!
音無「クククッ…」パシ
直井「馬鹿な…彼女のバットは確かに真芯をとらえていたはず…」
奏「すり抜けた…」
音無「もう一丁行くぜぇっ!」バシュッ
奏「……」ブンッ!
バシィン
審判「ストライクツーッ!」
奏「……?」
日向「流石音無だぜっ!後一球抑えれば優勝だ!」
音無「へっ、ざっとこんなもんよ」パシ
奏「……」パチ
野田(捕手)「(左目を瞑った?)」
175 = 58 :
ユイ「何で天使は片目を瞑ってんですか?精神統一?」
日向「普通、精神統一は普通両目閉じるもんだ。しかし何であえて打ちにくくなるようなこと…」
審判「プレイボール!」
音無「(片目瞑ってるってこたぁバレたのか?まぁ…どっちにしろ打たせるわけにはいかねぇ)」
奏「(盲点は片目さえ瞑っていれば意味をなさない…)」
音無「(でもそれじゃ初めみたいに真芯は無理だろうよ…)」
奏「……」グッ
音無「行くぞ…シャァッ!」ビシュ
奏「…っ」キィンッ
野田(捕手)「(なっ、捕らえただと!?)」
音無「(マズい…日向の奴がもしエラーの未練なのだったら…でもこんくらいのフライなら、俺でも取れる)」ダッ
ヒュルル…
日向「(まさか…セカンドフライ?)」
176 = 58 :
音無「(しかも日向の真上か!)取るんじゃねぇ、日向!」ダダッ
日向「(コイツを取れば…終われるのか……すまん、音無…お前との約束は…果たせそうにねぇかもしんねぇ)」
ユイ「(チャーンス!)」スッ
ガシッ
ユイ「え?」
音無「約束は守れって、母ちゃんに言われなかったのか日向ァッ!」ブン!
ユイ「何で私を投げるですかぁーっ!」
日向「(これを取れたら…そいつは、最高にk)ぬおわっ!」ゴッツーン!
椎名「おい、ボール落ちたぞ」
音無「~~…!だから何だ!?」
椎名「(開き直ったな…)」
音無「元々ゲリラ参戦なんだからルールブックもクソもねーんだよ!」
ユイ「それ言ったらおしまいですよね…って痛い痛いぃぃ!だから何で私だけぇぇ!」ギリギリ
日向「テメーっ、今のは許さんっ!」グググ!
177 = 58 :
ホームインッ!
ゲームセッツ!
野田「ぬおおっ!!」バシッ
音無「日向テメー、勝手に消えようとしてんじゃねー!取り残された俺が馬鹿みてーだろうがっ!」ドカッ!
日向「痛ってぇっ!」
野田「そういう貴様はなぜ守備を妨害したぁっ!」クワッ
音無「文句あるかゴラァッ!ああしなきゃお前らの戦力が減ってたんだぞ!」
野田「嘘を付け!さては貴様…俺達に近づき内部分裂させる気か!」
音無「このアホが!今回ちったぁお前らのこと見直してたのによぉっ!やっぱテメェらとは合わねぇ、あばよ!」
審判「あの、整列…ぐはっ!」バキッ
音無「邪魔だっ!」スタスタ
椎名「あさはかなり…」
―対天使用本部―
ゆり「もういっそ…みんなセットで…消えてくれ…」
178 :
Day Game 終了か。まだまだ楽しみが沢山ですな
179 = 58 :
逆なの>>171と>>172だったorz
―グラウンド・日陰―
音無「あーつっかれたつっかれた…よっこらしょ」
音無「また一人で煙草吸う時代に戻っちまったか…まぁ気楽でいいがな」カチッ
遊佐「ナイスプレイでした音無さん」シュタッ
音無「………」シュボッ
遊佐「…驚かないんですね?」
音無「別に木の枝で昼寝して誤って落ちてきたと思えば驚かねぇよ」
遊佐「それにしても残念ですね」
音無「何が?」スパー
遊佐「今回で音無さんも我々の仲間に加わってくれると思いましたが…」
音無「俺は一匹狼だからよ…人と長く付き合うのは無理だ」
遊佐「今自分で言ってカッコイイとか思いましたよね?」
音無「思ってねぇよバカ!…もういい。一人になれるとこ行く」スタスタ
遊佐「…ゆりっぺさん、彼はどうして不良なんでしようか?」ジジ
ゆり(インカム)「くーっ!あの一息だったのに!」ジジ!
遊佐「(ダメですねこれは…)」
180 :
数日後――
―体育館裏
音無「ほら、ジャンプしてみろよ」
男子1「い、いや…だから僕は」
音無「いいから飛んでみろ!」
男子1「ひいっ!」ジャリンジャリン
音無「テメェやっぱ金持ってんじゃねーかオイ!早く出せや!」ガンッ
男子1「これは今日のお昼ご飯代で…」
音無「俺に保健室へ送られるのと金渡すのどっちがいいか選べ」
男子1「わ、分かりましたから」スッ
音無「チッ…735円かよ。しけてんな、煙草一箱しか買えやしねぇ」ペッ
男子1「あの、それでいつ返してもらえるんでしょうか?」
音無「何だテメェまだ居たのかよ…とっとと失せろ!」
181 = 58 :
男子1「ひいいっ!」ダダダ
音無「ったくよぉ…もったいぶってんじゃねーよ」
グイグイッ
音無「あぁ?」クルッ
奏「返してあげて」
音無「生徒会長サマかよ…どっから出てきやがった?」
奏「職員室に書類届けに行くところだから…」
音無「あっそ。じゃあな」
奏「さっきのお金、あの人に返してあげて。きっと困ってる」
音無「やなこった。もう俺のモンだ」
ピンポンパンポーン
放送「3年生の音無くん。3年生の音無くん。至急職員室まで来てください。繰り返します…」
音無「…呼び出し?ついに誰かがチクリやがったかか」
182 = 58 :
音無「どっちにしろ無視すりゃいいか」
奏「駄目。ちゃんといかなきゃ」ガッ
音無「おい、離せよk」ズルズル
奏「……」スタスタ
音無「ちょ、おま、離せって!(こいつ力強ぇぇっ!)ズルズル
―職員室―
奏「失礼します。書類と彼をお連れしました」ガラッ
音無「……」ホジホジ
担任「立華、すまなかったな。書類は貰っておく…そして音無!」
音無「気安く呼ぶなよ」ピッ
担任「これを見てみろ」バッ
音無「…あんたの通帳か?」
担任「成績表だ!お前の!」
音無「(この世界成績表なんてあるのかよ…)」
担任「ろくに授業は出らんわ問題は起こすわで評定が1未満だぞ?」
183 = 58 :
音無「良かったな、それじゃ」クルッ
担任「話は終わってないぞ!」
音無「じゃあ何でゆりや日向達には注意しねぇんだよ?」
担任「あいつらには他の先生方が再三に渡り注意を繰り返したが、もうダメだと諦めがついたらしい」
音無「じゃあ俺のことも諦めろよ」
担任「そうはいかん。お前は俺のクラスの生徒だからな…しかも不良は尚更放っておけん」
音無「あの…俺テメェの生徒になった覚えねーんだけど」
担任「何を言ってる。入学式のこと覚えてるぞ。ちょっと注意したらお前いきなり殴りかかってきたよなー」ハハ
音無「(何だそりゃ…)」
184 = 58 :
担任「と、言うわけで…来週のテストでお前が全教科80点以上を出せば全教科補習は勘弁してやろう」
音無「テストなんか受けるかっ!補習も勝手にやってろよ」
担任「お前は前回もその前も受けなかったろう?」
音無「しかも何だよ80点ってよ」
担任「40点が単位1で80点だと2だからな。ギリギリ補習を逃れられるぞ?」
音無「知るかよそんなもん!」
担任「立華、同じクラスの手本として頼んだぞ」
奏「はい」
音無「待てやゴラァ!勝手に決めんなブッ殺すぞ!」
担任「そのタンカを訊くのも懐かしいなー」
音無「今初めて言ったばっかだ!」
185 = 58 :
音無「だいたいテメェはさっきから」
奏「失礼しました」ガシッ
音無「ちょっ、テメェまた!」ズルズル
ガラッ…ピシャン
音無「だから離せよお前は!」バッ
奏「結弦、落ち着いて」
音無「落ち着いてられっか!何でこの世界に来て勉強なんぞせねばなんねーんだよ!生前もしてなかろうけどよぉ!」
奏「勉強なら私が見てあげるから」
音無「分かってんだからな…ここで模範的な生活なんぞすると『消滅』しちまうってことぐらいなぁ!」
奏「…」ピタ
音無「『消滅』なんぞしてたまるかってんだ…ったく」
奏「結弦は…」
音無「あぁ?」
奏「結弦は…消えたくないの?」
186 = 58 :
音無「当たり前だ、記憶を取り戻すまでは絶対に消えねーよ」
奏「記憶が戻ったら?」
音無「………そん時次第だ」
奏「分かった」
音無「(コイツは何を考えてんだ?)…じゃあな」
奏「放課後、教室で待ってるから」
音無「はぁ?」
奏「結弦の勉強…先生に頼まれたから」
音無「消えたくねーのにわざわざするかよ…来ぬ人を待つ気か?」
奏「…」コク
音無「…ワケわかんねーなお前」スタスタ
―翌日の放課後・教室前―
音無「この時間になると人影もまばらだな…まさか流石にいねーだろ」チラッ
奏「……」トントン
音無「いるし…。幸いこっちには気づいてねーみてーだし退散、退散」
187 = 58 :
―翌翌日の放課後・教室前―
音無「……」ソーッ
奏「……」カキカキ
音無「またか。あいつ俺のためにここまでして何が楽しいんだよ?」
―三日目の放課後・教室前―
音無「流石に三度目の正直…」ソーッ
奏「……」ケシケシ
音無「……あいつは放置フェチなのか?」
―テスト前の放課後・教室前―
音無「…あれから数日たったが。明日テストだしもういねーと思うが…」ソーッ
奏「…」カチカチ
音無「やっぱりか…」ハァ
音無「あいつが勝手にやってることなのに何か罪悪感が…」
音無「…これっきりだからな」ガラッ
奏「あ…やっと来てくれた」
音無「お前不器用すぎ。来なければ呼びにくりゃいいだろ」
奏「忘れてた…。でも、あなたは来てくれた」
音無「…シャーペン貸せ。とっととやって帰るぞ」
188 :
音無、古典的な不良だなwwwwwwww
続きもwwktk
189 :
音無記憶がないのに奏に名前で呼ばれても違和感感じてないのか?
190 = 188 :
この音無は記憶が無いとは言ったけど、下の名前が思い出せないとは言ってなくね?
ミスかどうかは分からんけど……
191 = 58 :
>>189
>>190の通りで
音無が不良な理由と共に先で書きたいと思ってます
―テスト当日・教室内―
音無「一夜漬けだが、何とかなるだろ」
奏「大丈夫。落ち着けば点は取れるから」
音無「だといいがな…席はくじ引きか」
男子A「見ろよ、音無の奴がテスト受けに来てるぜ…」ボソ
男子B「本当だ。しかも生徒会長と一緒に来やがったぞ?」
女子A「何で学園一の優等生と不良が一緒にいるんだろうね?」
ザワザワ…
音無「(相変わらず俺を見ればうるせぇ奴らだな)」ゴソゴソ
奏「……」ゴソゴソ
音無「あ、俺30番」
奏「私は37番」
音無「えーと…つーことはお前の左か」
ガララッ
ゆり「テストの席はその日の朝、くじ引きで決定される…これで天使の近くでないと細工は一気に困難になるわ」スタスタ
192 = 58 :
日向「あれ?あっこにいるの音無じゃん」
高松「どうやら天使と何か話してますね」
大山「まさか勉強…なわけないよね~」
音無「(またうるさい奴らが来た)…ここにX代入すんのか?」
奏「うん」
音無「なるほど、じゃあ次の(4)は」
奏「この公式とグラフを使えば…」
音無「おお!解けた。この調子なら」
ゆり「きゃーっ!一番よー!…ってこのっ!このっ!」」ゲシゲシ
音無「ああもう!そこ、うるせぇっ!」
ゆり「何よあなた!そんなナリして勉強する姿なんて似合わないわよ!」
竹山「天使の一つ前です」
ゆり「よっしゃあっ!」
音無「…何やってんだアイツらは?」
奏「いつものことだから…」
193 = 58 :
ガララッ
教師A「ほら、始めるぞ。座れー」
―物理―
音無「……(ここはXがこうなってYこうなって。Zでこうか)」カキカキ
キーンコーンカーンコーン
教師A「はい、じゃあ後ろから集めて」
ザワザワ…ザワザワ
ガタン!
日向「な、なんだありゃあ!窓から巨大なタケノコがにょきにょきと~!」
音無「……(何か殺意が目覚めそう)」
ゆり「仕方ないわね…」ポチッ
ドーン!
日向「ぼべらっ!」グシャッ
ドサッ
音無「…おい、何かあいつの椅子が勝手に飛びあがったぞ」
奏「いつものこと…」
音無「なわけねーだろ」
―――
>>191
トリ付け忘れてました
194 = 188 :
朝から乙っす。ごめん、続きのネタバレになるような発言は控えるよ
195 :
日向「お前何てことしてくれんだよぉぉ!」
ゆり「フォローしたんだから逆に感謝してほしいくらいなのに…作戦成功ね、竹山くん」
竹山「ぬかりはありません。あとぼくのことはクライスt」
音無「(作戦?作戦ってなんだ?)」カリカリ
ゆり「次は高松君」
高松「わ、私が何か?」
音無「(さっきのロケットといい、コイツら何たくらんでやがる?)」カリカリ
奏「そこ間違ってる。ゼウスじゃなくてローマ法王」
音無「そうだったな。悪ぃ悪ぃ」ケシケシ
奏「あと、そこ範囲じゃない」
音無「おっと。危ねぇとこだった」
ソッチハ、シンケイツカワナクテイイジャナイデスカ!
奏「世界史は暗記すれば大丈夫だから」
ナンダトテメー!
音無「何かさっきから騒がしいな…」
196 = 58 :
オレガバカッテイッテンノカ?アア!
ゴラァァァァァ!!ケンカスルナァァァァァァァ!!
バン!
音無「だーっ!うるっせえーんだよテメェらは!喧嘩売ってんのか!?」ガタッ
日向「すまん音無!ゆりっぺは今日からアレの日で」
ゆり「バカっ!」ドカッ
日向「フォローしてあげたのに酷っ!」
音無「ったく、次騒いだらマジ窓から放り投げるからな」
ゆり「…そもそも何で音無君が天使と勉強してるの?」コソ
日向「俺に聞くなよ」
―世界史―
音無「……(ローマがこうなって、こうなってこうなった、と)」
キーンコーンカーンコーン
教師B「はい、後ろから集めて」
ガタッ
高松「……」
教師B「どうしたの、そこの君?」
高松「先生、実は私…着やせするタイプなんです!」ヌギッ
197 = 58 :
高松「どうですか?」
教師「分かったから座りなさい」
ゆり「…」ポチ
高松「はi」ドシュゥュュュ
ドゴッ!
高松「ぐはっ!…ああ」ドサ
______
音無「おい、奏」
奏「何?」ペラ
音無「あいつら間違いなく何かたくらんでんぞ」
奏「何かあったら注意するから」カキカキ
ボクハ、ヒナタクントチガッテレンシュウナンカシナイ!
音無「既にその前兆が聞こえてくるな」
ホンキノコイシカシナインダー!
奏「……」ペラッ
ナンダト!オレガウスギタナイコイニソマッテルッテイウノカー!
ゴラァァァァァァァァ!!テメェラケンカスルナァァァァァァァァァァァ!!!
音無「…処刑だな」ガタッ
198 = 58 :
日向「すまん音無!ちょっとゆりっぺが!」
ガシッ
日向「え?」
音無「じゃあ…テメェで責任取れやぁぁっ!」ブンッ!
日向「ええええっ!何で俺がーーーっ!?」ガッシャーーン!
―英語―
音無「(I make an effort to believe oneselfを日本語訳に…)」
キーンコーンカーンコーン
教師C「はい、後ろから集めて」
ザワザワ…
大山「立華さん!」ガタッ
音無「(今度は何だ…)
大山「こんな時に場所も選ばずごめんなさい!あなたのことがずっと好きでした!付き合ってください!」
奏「じゃあ時と場所を選んで」
199 :
200 = 58 :
教師C「そこ、座れ」
大山「はい」
日向「あーあ、やっちまった。とーz」ドシューン
ドゴォン!
日向「ぬおぉおっ!」
音無「(本当に何がしたいんだコイツら…)」
―昼休み―
キーンコーンカーンコーン
音無「飯の時間だ。今日はだれにたかろうか…」キョロキョロ
奏「…また?そんなにお金に困ってるの?」
音無「いや、あるにはあるさ。ただ煙草を買うほうに費やしたいだけだ」
奏「お金なら私が借すから」パチ
音無「いらん。自分で金もってそうな奴狩るから」
奏「この学校の生徒を守るのも私の役目だから」
音無「…そうかよ。じゃあ借りとくぜ」スッ
奏「返さなくていいわ…」
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