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元スレ勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「……」
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市民A「……くそっ、あんな子どもにまでひもじい思いをさせなきゃならないのか」
市民B「仕方がないだろう。食糧にも限りがある。今は我慢の時だ」
市民A「我慢って言ってもよ、ここに閉じこもってから何日だ? 魔物どもに我が物顔で俺らの街を支配されて、こんな所で黙ってていいのかよ!」
市民B「……少し落ち着くんだ。気持ちは俺だって同じだが、今俺たちが上に行ったって、バケモノに殺されるだけだ」
市民A「……くそっ!」
市民B「仕方がないだろう。食糧にも限りがある。今は我慢の時だ」
市民A「我慢って言ってもよ、ここに閉じこもってから何日だ? 魔物どもに我が物顔で俺らの街を支配されて、こんな所で黙ってていいのかよ!」
市民B「……少し落ち着くんだ。気持ちは俺だって同じだが、今俺たちが上に行ったって、バケモノに殺されるだけだ」
市民A「……くそっ!」
市民A「王都から救援が派遣されて来たって言うから、ようやくここから出られるかと期待したのによ。あいつら、てんで役に立たたねえし」
市民B「やめろ。……聞こえるだろ」
市民A「聞こえるように行ってるんだよ。偉そうなこと言ったくせに、負けておめおめ帰って来やがって。一人分の食糧だって貴重なんだし、こんなことなら戻って来ない方がマシだったぜ」
市民B「言い過ぎだ! ……なあアンタ、すまない。こいつもちょっと、限界が来ていてな。どうしても何かに理由を付けて当たり散らしたいらしい」
市民B「アンタも俺たちのために戦ってくれたって言うのにな……すまない……」
市民B「けど、いざと言うときに戦える人が一人でも居るのは心強いんだ。気を、悪くしないでくれよ」
傭兵「……」
市民B「やめろ。……聞こえるだろ」
市民A「聞こえるように行ってるんだよ。偉そうなこと言ったくせに、負けておめおめ帰って来やがって。一人分の食糧だって貴重なんだし、こんなことなら戻って来ない方がマシだったぜ」
市民B「言い過ぎだ! ……なあアンタ、すまない。こいつもちょっと、限界が来ていてな。どうしても何かに理由を付けて当たり散らしたいらしい」
市民B「アンタも俺たちのために戦ってくれたって言うのにな……すまない……」
市民B「けど、いざと言うときに戦える人が一人でも居るのは心強いんだ。気を、悪くしないでくれよ」
傭兵「……」
傭兵「構わない。その男の言うことは事実だからな」
傭兵「私への配給は減らしてくれて構わない。その分、そこの子どもに与えてくれ」
市民B「……」
傭兵(外門があのザマでは隊長から請け負った最後の依頼も果たせない)
傭兵(……無様だな)
傭兵「私への配給は減らしてくれて構わない。その分、そこの子どもに与えてくれ」
市民B「……」
傭兵(外門があのザマでは隊長から請け負った最後の依頼も果たせない)
傭兵(……無様だな)
ドォン……ズズゥン……!
市民A「!」
市民B「!」
傭兵「……」
市民A「!」
市民B「!」
傭兵「……」
市民A「な、なんだ……? 何の音だ? また地上でバケモノが暴れてるって言うのか?」
市民B「こ、この居場所がバレたのかもしれない」
市民C「そんな……ここがダメなら、後はどうすれば」
市民D「もう動けない人だって居るんだぞ……」
ザワザワ…
傭兵「私が様子を見て来よう」
市民「!」
市民B「こ、この居場所がバレたのかもしれない」
市民C「そんな……ここがダメなら、後はどうすれば」
市民D「もう動けない人だって居るんだぞ……」
ザワザワ…
傭兵「私が様子を見て来よう」
市民「!」
市民B「で、でも、地上は危険だぞ……万が一のことがあったなら……」
市民A「いいじゃないか。ここでゴロゴロされてるよりかは役に立つ」
市民B「そんな言い方!」
傭兵「いや、その男の言う通りだ」
市民A「いいじゃないか。ここでゴロゴロされてるよりかは役に立つ」
市民B「そんな言い方!」
傭兵「いや、その男の言う通りだ」
こんなにも苦労してる奴がいる一方パンティ探してる変態がいるらしい
傭兵「本来ならタダ働きはしない主義だが、私も自分の立場くらいは心得ているつもりだ」
傭兵「敵の首魁を倒すと大言し、手も足も出ず見事に返り討ちにされたのが我々の隊だ」
傭兵「素直に王都へ救援を要請すれば良かったものをな」
傭兵「この状況は我々に責任がある。その生き残りとして、せめてもの尻拭いをさせてもらいたい」
傭兵「……ここで動かねば、私は本当に何をしに来たのかわからなくなる」
傭兵「敵の首魁を倒すと大言し、手も足も出ず見事に返り討ちにされたのが我々の隊だ」
傭兵「素直に王都へ救援を要請すれば良かったものをな」
傭兵「この状況は我々に責任がある。その生き残りとして、せめてもの尻拭いをさせてもらいたい」
傭兵「……ここで動かねば、私は本当に何をしに来たのかわからなくなる」
パンティ探すのもまた町を救うことに繋がるんだろう。たぶん
地上
傭兵「……」
キョロキョロ
傭兵「……鳥は、いないようだな」
傭兵「……」
ズズゥン…!
傭兵「! 騒がしいのはあちらか」
傭兵「どうやらこの場所が見つかった訳では無さそうだが」
傭兵「……行くしかあるまい」
タタタッ
傭兵「……」
キョロキョロ
傭兵「……鳥は、いないようだな」
傭兵「……」
ズズゥン…!
傭兵「! 騒がしいのはあちらか」
傭兵「どうやらこの場所が見つかった訳では無さそうだが」
傭兵「……行くしかあるまい」
タタタッ
勇者「ああもうっ! しつこい!」
勇者「なんかさっき良い案が浮かびそうな良い所だったのに!
ズバッ!
勇者「考える時間もくれないってのかよ!」
ドシュッ!
氷像A「––––––––」
氷像B「––––––––」
ドシャァ、ガラガラ……!
勇者「なんかさっき良い案が浮かびそうな良い所だったのに!
ズバッ!
勇者「考える時間もくれないってのかよ!」
ドシュッ!
氷像A「––––––––」
氷像B「––––––––」
ドシャァ、ガラガラ……!
氷鳥「ギィ! ギィ!」
勇者「くっそぉ……! あの憎たらしいトリ公め……いい加減にどっか行きやがれ!」
氷鳥「ギィギィ!」
勇者「……お前は必ず叩き斬ってやるからなぁ……!」
勇者「くっそぉ……! あの憎たらしいトリ公め……いい加減にどっか行きやがれ!」
氷鳥「ギィギィ!」
勇者「……お前は必ず叩き斬ってやるからなぁ……!」
––––––––ヒュンッ
氷鳥「……ギ?」
ドシュッ!
勇者「……え?」
氷鳥「…………ギィ……」フラッ…
ドサッ
勇者「あれは、剣……?」
氷鳥「……ギ?」
ドシュッ!
勇者「……え?」
氷鳥「…………ギィ……」フラッ…
ドサッ
勇者「あれは、剣……?」
傭兵「……これだけ元気のある人間が、まだこの街に残っていたとはな」
勇者「!」
氷鳥「ギィ……」
傭兵「……」
ズバッ
勇者「あんたは……?」
傭兵「……この鳥も、一度倒したところですぐに新しいものが出てくる」
傭兵「私と話をしたいのなら、まずはこいつらを撒くことに専念しろ」
勇者「!」
氷鳥「ギィ……」
傭兵「……」
ズバッ
勇者「あんたは……?」
傭兵「……この鳥も、一度倒したところですぐに新しいものが出てくる」
傭兵「私と話をしたいのなら、まずはこいつらを撒くことに専念しろ」
……
……
勇者「はぁ、はぁ」
傭兵「……」
勇者「こ、ここまで来れば暫くは安全だろ……少し、休ませてくれ……」
傭兵「……そうだな。鳥がまた作られるまで、もう少し時間があるだろう」
傭兵「君の息も上がっているようだしな」
勇者「う、うるさいなぁ……こっちは街に着いてからずっと戦いっぱなしなんだ。勘弁してくれ」
傭兵「……!」
……
勇者「はぁ、はぁ」
傭兵「……」
勇者「こ、ここまで来れば暫くは安全だろ……少し、休ませてくれ……」
傭兵「……そうだな。鳥がまた作られるまで、もう少し時間があるだろう」
傭兵「君の息も上がっているようだしな」
勇者「う、うるさいなぁ……こっちは街に着いてからずっと戦いっぱなしなんだ。勘弁してくれ」
傭兵「……!」
傭兵「君は、街の外から来たのか」
勇者「そうだよ。王様の命を受けてな」
傭兵「王の……!」
傭兵「つまり君は王都から派遣されて来たわけか」
傭兵「ならば部隊は? どのくらいの人数だ。戦力を知りたい。教えてくれ」
勇者「ん? 俺ひとりだよ」
傭兵「……何だと?」
勇者「そうだよ。王様の命を受けてな」
傭兵「王の……!」
傭兵「つまり君は王都から派遣されて来たわけか」
傭兵「ならば部隊は? どのくらいの人数だ。戦力を知りたい。教えてくれ」
勇者「ん? 俺ひとりだよ」
傭兵「……何だと?」
傭兵「君ひとりで来たというのか」
勇者「ああ……。あっ、それと、メロンパン職人も一緒だな」
傭兵「メロンパン」
勇者「うん」
傭兵(……王は何を考えているんだ?)
勇者「ああ……。あっ、それと、メロンパン職人も一緒だな」
傭兵「メロンパン」
勇者「うん」
傭兵(……王は何を考えているんだ?)
一週間山で山賊探し回って血走った目と戦い続けて疲れた目
人相変わっててわからないのも無理はない
人相変わっててわからないのも無理はない
傭兵「……聞きたいことは山のようにあるが、今はそれどころではないな」
勇者「せめてどこか落ち着けるところがあれば良いんだけどさ。あのトリ公め」
傭兵「……」
傭兵「……まあ、嘘をついているようには見えないか」
傭兵「と言うよりも、器用な嘘をつける人間ではないと言ったところか」
勇者「その評価はなんだかフクザツなんだが」
傭兵「ひとまず、君なら大丈夫だろう。案内しよう。この街の生き残りの住人達の、隠れ家のような場所だ。そこならまだヤツの目は届いていないからな」
勇者「……隠れ家……?」
勇者「生き残り!!」
勇者「せめてどこか落ち着けるところがあれば良いんだけどさ。あのトリ公め」
傭兵「……」
傭兵「……まあ、嘘をついているようには見えないか」
傭兵「と言うよりも、器用な嘘をつける人間ではないと言ったところか」
勇者「その評価はなんだかフクザツなんだが」
傭兵「ひとまず、君なら大丈夫だろう。案内しよう。この街の生き残りの住人達の、隠れ家のような場所だ。そこならまだヤツの目は届いていないからな」
勇者「……隠れ家……?」
勇者「生き残り!!」
勇者「生き残りがいるのか! この街の!」
傭兵「ああ。と言っても、怪我人や女子供……力のない者たちばかりだ。悪いが戦力としては期待はしない方が」
勇者「女子供!!」
傭兵「あ、ああ」
勇者「……良かったぁ……もう、ダメかと思っていたよ……」
勇者「この街に来て、誰も人が居ないからさぁ……もう、女の人とかはいなくなっちゃったかと……」
傭兵「……」
傭兵「ああ。と言っても、怪我人や女子供……力のない者たちばかりだ。悪いが戦力としては期待はしない方が」
勇者「女子供!!」
傭兵「あ、ああ」
勇者「……良かったぁ……もう、ダメかと思っていたよ……」
勇者「この街に来て、誰も人が居ないからさぁ……もう、女の人とかはいなくなっちゃったかと……」
傭兵「……」
傭兵「……あまり大きな声を出すな」
勇者「す、すまん」
傭兵「息は整ったか?」
勇者「ああ!」
傭兵「なら、ついてこい。少し走るぞ」
タタタッ
傭兵(この男。力のない者達の安否に、そこまで心を動かされるか)
傭兵(これが底の知れないお人好しと言うやつか)
傭兵(……少しだけ、眩しいな)
勇者(女の子がいるならパンティくらい持ってるよな……)
勇者「す、すまん」
傭兵「息は整ったか?」
勇者「ああ!」
傭兵「なら、ついてこい。少し走るぞ」
タタタッ
傭兵(この男。力のない者達の安否に、そこまで心を動かされるか)
傭兵(これが底の知れないお人好しと言うやつか)
傭兵(……少しだけ、眩しいな)
勇者(女の子がいるならパンティくらい持ってるよな……)
隠れ家
市民A「……で? あいつが王都から送られて来た救援だって言うのかよ。たった一人で?」
市民B「……」
市民C「……」
市民A「はぁーーーー……。あんな小僧ひとりで何ができるって言うんだよ。穀潰しがまた一人穀潰しを増やして来やがった」
市民B「……おい、言い方ってものがあるだろう……」
市民A「綺麗事はよせよ。お前だって同じことを考えてるくせに」
市民B「それは……」
勇者「なんか雰囲気悪いな」
傭兵「長い間ここに閉じ篭っているからな。ずっと日を浴びていない上、食糧も限られている。彼らの精神も限界に近い。大目に見てやってくれ」
市民A「……で? あいつが王都から送られて来た救援だって言うのかよ。たった一人で?」
市民B「……」
市民C「……」
市民A「はぁーーーー……。あんな小僧ひとりで何ができるって言うんだよ。穀潰しがまた一人穀潰しを増やして来やがった」
市民B「……おい、言い方ってものがあるだろう……」
市民A「綺麗事はよせよ。お前だって同じことを考えてるくせに」
市民B「それは……」
勇者「なんか雰囲気悪いな」
傭兵「長い間ここに閉じ篭っているからな。ずっと日を浴びていない上、食糧も限られている。彼らの精神も限界に近い。大目に見てやってくれ」
傭兵「それよりも互いに持ち得る情報を共有しよう。私もこの街の外に閉じ篭って長い。少しでも外の情報が欲しい」
傭兵「君がどうやって封鎖されたこの街に入って来たのかも知りたいしな」
勇者「それもそうだな……––––––––」
傭兵「君がどうやって封鎖されたこの街に入って来たのかも知りたいしな」
勇者「それもそうだな……––––––––」
……
……
勇者「––––––––と言う訳なんだ」
傭兵「……」
勇者「どうしたんだよ、頭抱えて」
傭兵「……命知らずにも程があるだろう。君とその同行者とやらは、馬鹿なのか」
勇者「なんだと」
……
勇者「––––––––と言う訳なんだ」
傭兵「……」
勇者「どうしたんだよ、頭抱えて」
傭兵「……命知らずにも程があるだろう。君とその同行者とやらは、馬鹿なのか」
勇者「なんだと」
傭兵「……すまない。無駄口を叩いた。今更そこを追求しても詮のないことか」
勇者「なんか引っかかる言い方だな」
傭兵「しかし、参ったな。都市に入る方法さえわかれば出ることも出来ると思ったが……そのような方法は到底マネのできるものではない」
傭兵「あの氷鳥が、わざわざ都市の外に出してくれるとも思えんしな」
勇者「調査隊のみんなはどうやって入って来たんだ?」
傭兵「私達が来た時には外門は封鎖されていなかった。おそらく、邪魔者がこれ以上入り込まないようにと、私達が来た後に張ったのだろう。あの氷は」
勇者「なんか引っかかる言い方だな」
傭兵「しかし、参ったな。都市に入る方法さえわかれば出ることも出来ると思ったが……そのような方法は到底マネのできるものではない」
傭兵「あの氷鳥が、わざわざ都市の外に出してくれるとも思えんしな」
勇者「調査隊のみんなはどうやって入って来たんだ?」
傭兵「私達が来た時には外門は封鎖されていなかった。おそらく、邪魔者がこれ以上入り込まないようにと、私達が来た後に張ったのだろう。あの氷は」
勇者「それより、そんなに強いのか。その魔女ってヤツは」
傭兵「人ひとりでどうこう出来る相手ではないと言っておこう。市民からこの地方に伝わる話は聞いたが、まさしく伝承通りの力を持っている」
勇者「伝承通りの……力……」
勇者「……」チラッ
聖剣「……」
勇者(お前も、その伝承の中に居るんだよな? 古の勇者の、魔女退治の伝承の……)
傭兵「人ひとりでどうこう出来る相手ではないと言っておこう。市民からこの地方に伝わる話は聞いたが、まさしく伝承通りの力を持っている」
勇者「伝承通りの……力……」
勇者「……」チラッ
聖剣「……」
勇者(お前も、その伝承の中に居るんだよな? 古の勇者の、魔女退治の伝承の……)
勇者「それにしても、邪魔者を入れないように氷張ったってのに何で俺たちを街に入れたんだろうか」
傭兵(邪魔者とすら認識されていなかっただけではないだろうか)
傭兵(邪魔者とすら認識されていなかっただけではないだろうか)
勇者「……それにしても」
傭兵「?」
勇者「……」
傭兵「……」
勇者「……」
傭兵「……」
勇者「…………」ジーーーーッ
傭兵「…………」
傭兵「?」
勇者「……」
傭兵「……」
勇者「……」
傭兵「……」
勇者「…………」ジーーーーッ
傭兵「…………」
傭兵「な、なんだ。人の顔をジロジロと……」プイッ
勇者「いや……俺、アンタの顔、どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ」
傭兵「……私は君の顔に覚えは……」
傭兵「……」
傭兵「…………」
傭兵(……言われてみれば、どこかで見たことあるような)
勇者「いや……俺、アンタの顔、どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ」
傭兵「……私は君の顔に覚えは……」
傭兵「……」
傭兵「…………」
傭兵(……言われてみれば、どこかで見たことあるような)
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