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元スレ勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「……」
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氷の魔女「この街の人間の心はとうに折れたものと思っていたが、ここまで大それた反抗をするとは。何者だ?」
氷の魔女「考えられるのはこの間取り逃がした、あの活きの良い人間か」
氷の魔女「昨日入り込んだ虫が一匹いた気もするが……それはないか」
氷の魔女「しかし。わたしの氷を溶かすためとは言え、街全体を破壊するような行為」
氷の魔女「……この破天荒さは、あの忌々しい男を思い出すな」
氷の魔女「考えられるのはこの間取り逃がした、あの活きの良い人間か」
氷の魔女「昨日入り込んだ虫が一匹いた気もするが……それはないか」
氷の魔女「しかし。わたしの氷を溶かすためとは言え、街全体を破壊するような行為」
氷の魔女「……この破天荒さは、あの忌々しい男を思い出すな」
城内 1F
勇者「おおおっ!!」
ズバッ!
氷獣「––––––––!」グシャァ
勇者「やっぱり城の中にも魔物はいるよな」
傭兵「気を付けろ。城の外とは違い、中は完全に氷の世界だ。熱で弱っていた魔物どもと一緒に考えると痛い目に合うぞ」
勇者「わかってるって!」
ズバッ!
勇者「おおおっ!!」
ズバッ!
氷獣「––––––––!」グシャァ
勇者「やっぱり城の中にも魔物はいるよな」
傭兵「気を付けろ。城の外とは違い、中は完全に氷の世界だ。熱で弱っていた魔物どもと一緒に考えると痛い目に合うぞ」
勇者「わかってるって!」
ズバッ!
タタタッ
勇者「階段か」
傭兵「上に行く階段と、地下に行く階段があるな」
勇者「やっぱり偉そうなヤツなら上の方に居るもんじゃないか?」
傭兵「……その言い方には何か問題を感じるが、概ねその通りだろう。奴の性格ならば尚更な」
勇者「そう言えば傭兵は直接会ったことがあるんだったか」
勇者「階段か」
傭兵「上に行く階段と、地下に行く階段があるな」
勇者「やっぱり偉そうなヤツなら上の方に居るもんじゃないか?」
傭兵「……その言い方には何か問題を感じるが、概ねその通りだろう。奴の性格ならば尚更な」
勇者「そう言えば傭兵は直接会ったことがあるんだったか」
勇者「さて。どうするかな」
勇者「このまま上を目指して氷の魔女のもとへ急ぐべきか」
勇者「それとも城内を散策して、情報を集めるのもアリか」
傭兵「? 何を一人で喋っている?」
勇者「気にするな」
聖剣「>>710」
勇者「このまま上を目指して氷の魔女のもとへ急ぐべきか」
勇者「それとも城内を散策して、情報を集めるのもアリか」
傭兵「? 何を一人で喋っている?」
勇者「気にするな」
聖剣「>>710」
聖剣「飛べ」
勇者「は?」
聖剣「飛べ」
勇者「……飛べと」
勇者「こいつはまた難儀な……」
勇者「は?」
聖剣「飛べ」
勇者「……飛べと」
勇者「こいつはまた難儀な……」
勇者「跳べではなく、飛べか。空を飛んで向かえってことか?」
勇者「………………」
傭兵「さっきから一体どうしたと言うのだ」
勇者「何でもない」
勇者「………………」
傭兵「さっきから一体どうしたと言うのだ」
勇者「何でもない」
傭兵「……うん?」
勇者「どうしたんだよ」
傭兵「何か匂わないか」
勇者「臭う? えっ、俺?」クンカクンカ
傭兵「……そうではない」
傭兵「そうだな、これは……甘い匂い」
勇者「何だよそれ。俺は全然感じないけど」
勇者「どうしたんだよ」
傭兵「何か匂わないか」
勇者「臭う? えっ、俺?」クンカクンカ
傭兵「……そうではない」
傭兵「そうだな、これは……甘い匂い」
勇者「何だよそれ。俺は全然感じないけど」
傭兵「わからないのか? ……私だけか」
勇者「それってどこから匂ってるんだよ」
傭兵「地下の方からだな。しかし意外だな。人の営みからかけ離れた存在と思っていたが、まさか魔女の城でこのような匂いがするとは」
勇者「うーん……」
勇者(とりあえず安価を達成する手がかりもまだ見つからないし)
勇者(魔女の元へは飛んで向かわないといけないから、このまま走って向かうのはまずそうだ)
勇者(ここはその甘い匂いとやらの元へ行ってみるのもアリかもな)
勇者「行ってみようか。地下へ」
勇者「それってどこから匂ってるんだよ」
傭兵「地下の方からだな。しかし意外だな。人の営みからかけ離れた存在と思っていたが、まさか魔女の城でこのような匂いがするとは」
勇者「うーん……」
勇者(とりあえず安価を達成する手がかりもまだ見つからないし)
勇者(魔女の元へは飛んで向かわないといけないから、このまま走って向かうのはまずそうだ)
勇者(ここはその甘い匂いとやらの元へ行ってみるのもアリかもな)
勇者「行ってみようか。地下へ」
階段
コツ、コツ、
勇者「……」
傭兵「……」
聖剣「……」
勇者「……ん?」
傭兵「どうした」
勇者「いや……」チラッ
聖剣「……」
コツ、コツ、
勇者「……」
傭兵「……」
聖剣「……」
勇者「……ん?」
傭兵「どうした」
勇者「いや……」チラッ
聖剣「……」
勇者「今、聖剣が……」
勇者「……」
勇者「……気のせいかな」
傭兵「先に進むぞ」
聖剣「……」
勇者(何なんだ、この感じ)
勇者「……」
勇者「……気のせいかな」
傭兵「先に進むぞ」
聖剣「……」
勇者(何なんだ、この感じ)
氷獣A「GAAAAAA!!」
勇者「おりゃっ!!」
ズバッ!
傭兵「大分手慣れているな」
勇者「まあな。この街に来るまでの道中とここに来てからを含めて何回も戦ってきてるんだ。嫌でも慣れるさ」
傭兵「頼もしいことだな」シュッ
ドシュッ!
氷獣B「GAAA……!」
勇者「おりゃっ!!」
ズバッ!
傭兵「大分手慣れているな」
勇者「まあな。この街に来るまでの道中とここに来てからを含めて何回も戦ってきてるんだ。嫌でも慣れるさ」
傭兵「頼もしいことだな」シュッ
ドシュッ!
氷獣B「GAAA……!」
勇者「それにしても、アンタ強いな」
傭兵「こんな時に世辞などいらん」
勇者「お世辞じゃないっての。こんなに強いのにフリーの傭兵なんてやってるんだからさ。勿体無いよな」
傭兵「私がどう生きようと私の勝手だろう」
傭兵「それよりも、私の剣では傷一つ付けられなかった魔女とこの城で戦うのだ」
傭兵「君とその聖剣の役割、わかっているんだろうな」
勇者「……ああ」
傭兵「こんな時に世辞などいらん」
勇者「お世辞じゃないっての。こんなに強いのにフリーの傭兵なんてやってるんだからさ。勿体無いよな」
傭兵「私がどう生きようと私の勝手だろう」
傭兵「それよりも、私の剣では傷一つ付けられなかった魔女とこの城で戦うのだ」
傭兵「君とその聖剣の役割、わかっているんだろうな」
勇者「……ああ」
コツ、コツ、
傭兵「匂いの元は、もうすぐ近くのようだ」
勇者「……ここまで来ると、俺も何となくわかってきた気がする」
勇者(地下へ行くに連れて、なんだか聖剣が反応しているような……)
勇者(もしかして、それと関係が……?)
傭兵「……待て」
勇者「!」
傭兵「匂いの元は、もうすぐ近くのようだ」
勇者「……ここまで来ると、俺も何となくわかってきた気がする」
勇者(地下へ行くに連れて、なんだか聖剣が反応しているような……)
勇者(もしかして、それと関係が……?)
傭兵「……待て」
勇者「!」
まさか聖剣の方がメロンパン好きなのか?
聖剣は炎髪灼眼の討ち手だった?
聖剣は炎髪灼眼の討ち手だった?
傭兵「この扉の先から、何者かの気配がする」
勇者「気配……魔女か!?」
傭兵「わからない。……が、恐らく違うだろうな」
傭兵「奴の気配はもっと冷たく、大きい。奴の性格なら、わざわざ自分のテリトリーで気配を隠すような真似はしないと見る」
勇者「……そうか」ホッ
傭兵(……いくら聖剣に選ばれし勇者と言えど、やはり魔女と聞くと気を張ってしまうものか)
勇者(今飛べてないから魔女と会うわけにはいかないんだよなぁ)
勇者「気配……魔女か!?」
傭兵「わからない。……が、恐らく違うだろうな」
傭兵「奴の気配はもっと冷たく、大きい。奴の性格なら、わざわざ自分のテリトリーで気配を隠すような真似はしないと見る」
勇者「……そうか」ホッ
傭兵(……いくら聖剣に選ばれし勇者と言えど、やはり魔女と聞くと気を張ってしまうものか)
勇者(今飛べてないから魔女と会うわけにはいかないんだよなぁ)
傭兵「いいか。私の合図で扉を開けるぞ。三つで行く」
勇者「……わかった」
勇者「……わかった」
傭兵「一、二の……」
勇者「……」
傭兵「……三!!」
バン!!
メロンパン職人「はぁ……寒いし暗いし、魔女は怖いし……王都に帰りたいよぉ……」コネコネ
勇者「……」
傭兵「……」
勇者「……」
傭兵「……三!!」
バン!!
メロンパン職人「はぁ……寒いし暗いし、魔女は怖いし……王都に帰りたいよぉ……」コネコネ
勇者「……」
傭兵「……」
メロンパン職人「あの人、何回作ってもリテイク出すし」コネコネ
メロンパン職人「本当はメロンパン嫌いなのに、俺に嫌がらせするためだけに作り直しさせてるんじゃないかなぁ……」コネコネ
メロンパン職人「はぁーーーー……おうち帰りたい」
勇者「……」
傭兵「……」
メロンパン職人「本当はメロンパン嫌いなのに、俺に嫌がらせするためだけに作り直しさせてるんじゃないかなぁ……」コネコネ
メロンパン職人「はぁーーーー……おうち帰りたい」
勇者「……」
傭兵「……」
勇者「何やってんのお前」
メロンパン職人「えっ? ………………ああーーーーーっ!!」
メロンパン職人「勇者さん!! 勇者さんじゃないですか!!」
勇者「……」
傭兵「……知り合いか?」
勇者「……うん」
メロンパン職人「えっ? ………………ああーーーーーっ!!」
メロンパン職人「勇者さん!! 勇者さんじゃないですか!!」
勇者「……」
傭兵「……知り合いか?」
勇者「……うん」
メロンパン職人「来てくれたんですね、俺を助けに!!」
勇者「……」
メロンパン職人「良かったぁ……ずっと一人ぼっちで、心細かったんですよ……」
勇者「……」
勇者「……ああ! 遅くなってすまないな。お前が無事で良かったぜ!」
勇者(すっかり忘れてたとか言えない)
勇者「……」
メロンパン職人「良かったぁ……ずっと一人ぼっちで、心細かったんですよ……」
勇者「……」
勇者「……ああ! 遅くなってすまないな。お前が無事で良かったぜ!」
勇者(すっかり忘れてたとか言えない)
勇者「ところでお前、こんな所で何をしていたんだ?」
メロンパン職人「実はあの後、氷の鳥に攫われて––––––––」
メロンパン職人「実はあの後、氷の鳥に攫われて––––––––」
>>726
勇者も大概に酷いがオマエも酷い
勇者も大概に酷いがオマエも酷い
メロンパン職人「––––––––と言うわけでメロンパンを作らされてました」
勇者「……それはまた」
勇者(なにやってんだこいつ)
勇者「……それはまた」
勇者(なにやってんだこいつ)
メロンパン職人「本当もう、魔女ってば酷いんですよ。俺の作ったメロンパン食べて「不味くもないが旨くもない」とか言ってくるんです」
メロンパン職人「その度に氷漬けにして来ようとするから、必死にお願いして作り直しさせてもらってたんですけど……おかしいですよね?」
メロンパン職人「俺のメロンパンの味は、勇者さんも認めてくれてるって言うのに」
勇者「……そっかぁ」
メロンパン職人「その度に氷漬けにして来ようとするから、必死にお願いして作り直しさせてもらってたんですけど……おかしいですよね?」
メロンパン職人「俺のメロンパンの味は、勇者さんも認めてくれてるって言うのに」
勇者「……そっかぁ」
傭兵「そう言えば、あのとき君は同行者がいると言っていたな」
傭兵「……メロンパン職人と言ったか。彼がそうだったのか」
メロンパン職人「えーと。……そちらの方は?」
勇者「この都市で知り合った傭兵だよ。北の調査隊の生き残りだ」
メロンパン職人「調査隊の……!」
勇者「剣の腕も相当立つ。頼りになるおと––––……頼りになる奴だ」
傭兵「宜しく頼む」
メロンパン職人「は、はい」
傭兵「……メロンパン職人と言ったか。彼がそうだったのか」
メロンパン職人「えーと。……そちらの方は?」
勇者「この都市で知り合った傭兵だよ。北の調査隊の生き残りだ」
メロンパン職人「調査隊の……!」
勇者「剣の腕も相当立つ。頼りになるおと––––……頼りになる奴だ」
傭兵「宜しく頼む」
メロンパン職人「は、はい」
傭兵「ところで君は……何が出来る?」
メロンパン職人「メロンパンを作れます」
傭兵「……」
傭兵(そういう技能は訊いていないのだが)
メロンパン職人「メロンパンを作れます」
傭兵「……」
傭兵(そういう技能は訊いていないのだが)
勇者「俺たち、これから氷の魔女を倒しに行くんだよ」
メロンパン職人「ま、魔女を!?」
勇者「うん」
メロンパン職人「ダメですって! あんなの倒すとか無理! 危険すぎますって!」
傭兵(勇者はどうしてこの都市へ来るのにこの男を連れて来たのだろうか)
メロンパン職人「ま、魔女を!?」
勇者「うん」
メロンパン職人「ダメですって! あんなの倒すとか無理! 危険すぎますって!」
傭兵(勇者はどうしてこの都市へ来るのにこの男を連れて来たのだろうか)
メロンパン職人の台詞がなぜか東京03飯塚の声で再生される
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