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    元スレまどか「あの子の名前を」

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    101 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:28:50.36 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    102 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:29:29.92 ID:8CtIWTLP0 (+95,+30,-76)
    シュウゥゥゥ・・・



    ほむら「……ふぅ……」


    ほむら「……」



    今回は肉体的なダメージよりも、精神的なダメージの方が大きかった。


    麻酔なしで、必要としない手術を施される恐怖感。


    しかも、それはどうにも子供が見よう見まねでやってみようといった風で……。


    そんな風に遊び半分で体をいじくり回されたらたまったもんじゃない。
    103 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:30:56.95 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    104 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:31:49.34 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-42)
    …思い出すだけで身が竦むようだ。



    ほむら「……」



    ……それよりも――――。



    ほむら「…っ」



    いや、今しばらくはこの生き延びたという安堵感に浸っていよう。
    105 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:32:08.91 ID:8aqa2kzBP (+12,+22,+0)
    猿ヨケ
    106 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:32:23.99 ID:L9X+1pDh0 (+17,+27,+0)
    やったぜ
    107 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:33:18.86 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-25)
    ほむら「……」


    ほむら(そういえば、さっきグリーフシードと一緒に何か落ちてきたような…)


    ほむら「……」



    あたりを見渡すと、確かにそれとめぼしいものがあった。



    ほむら(……くまのぬいぐるみ……)
    108 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:35:19.04 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    109 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:36:22.80 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    110 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:37:08.93 ID:8CtIWTLP0 (+95,+30,-68)
    ちょっと先の方に、くまのぬいぐるみが私に背中を向けて横たわっていた。


    この猥雑な落書きだらけの高架下には不似合いなものだ。



    ほむら「……」



    なんとなく近づいて見てみると、それは意外と新しいもので。


    そのくまは、後生大事そうに小さな封筒を抱えていた。
    111 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:37:13.59 ID:L9X+1pDh0 (+4,+14,-11)
    しえん
    112 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:38:19.71 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-51)
    ほむら「……」



    私はその封筒に手を伸ばし……。



    ほむら(……)



    ――途中で手を引いた。



    ほむら「……」



    ……関係のないことを、わざわざ知る必要もないだろう……。
    113 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:39:32.72 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    114 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:40:18.75 ID:8CtIWTLP0 (+89,+29,-8)
    ほむら「……私には、関係ないわ…」


    ほむら「…………関係ない……」



    ほむら「……」
    115 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:40:21.68 ID:L9X+1pDh0 (-28,-18,-1)
    (あかん)
    116 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:41:43.36 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    117 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:42:07.10 ID:8CtIWTLP0 (+95,+30,-70)
    どこからか、電車が過ぎる音が聞こえる。


    町はすっかり夕日の朱に染まっていて、どこか疲れたような、何か物憂いような。そんな様相を呈していた。


    そんな気知らずとばかりに、どこからか子供が楽しそうな声を上げて、何処かへと走り去っていく。


    子供たちの声が遠のき、やがて聞こえなくなると、寂寥感が辺りをゆっくりと浸していった。
    118 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:43:49.58 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    119 : ◆vblsYa - 2014/01/10(金) 20:44:41.55 ID:XQFDm1O90 (+3,+11,-13)
    3作目だよね?
    120 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:44:43.14 ID:8CtIWTLP0 (+89,+29,-6)
    ――――――
    ――――――――――――
    ――――――――――――――――――――――




    ほむら「……ただいま」



    ほむら「……」



    ほむら「……」
    121 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:45:55.55 ID:CaJ1At0H0 (+28,+30,+0)
    122 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:46:29.63 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-23)
    ほむら「……まどか?」



    階段先に向けて声を投げる。


    返事がないのはいつものことだ。



    ほむら「……」



    ……だけど、家の中はいつもよりもやけにひっそりとしているような気がして……。
    123 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:47:30.52 ID:L9X+1pDh0 (-19,-9,+0)
    支援
    124 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:48:06.11 ID:8CtIWTLP0 (+88,+30,-38)
    ほむら「…っ」



    私は階段を駆け上がった。


    あまりに慌ててたものだからか、途中で段を踏み外してしまい、馬鹿みたいにつんのめってしまう。



    ほむら「……ッ」




    ――まどか。
    125 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:49:14.87 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    126 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:50:17.63 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    127 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:51:23.24 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    128 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:51:25.77 ID:8CtIWTLP0 (+95,+30,-70)
    ……なんでだろう。


    無性にまどかに会いたい気持ちと、よくわからない不安が私の中を駆け巡る。



    ――階段を上がって、二つ目の部屋。


    私が帰ってくると、まどかはいつだってそこにいて。




    ――今となってはそれが当たり前のはずなのに。
    129 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:52:27.85 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    130 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:52:58.39 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-24)
    ほむら「……っ…、……」



    ドアの前で立ち止まり、荒んだ呼吸を整える。


    ……嫌な感じが、消えてくれない。



    震える手で、ドアノブに手をかける。
    131 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:53:35.98 ID:L9X+1pDh0 (-21,-11,+0)
    132 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:54:39.35 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    133 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:55:44.43 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    134 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:55:48.60 ID:8CtIWTLP0 (+89,+29,-5)
    ほむら「……まどか?」



    ほむら「…」




    そこにまどかはいなかった。
    135 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:56:03.61 ID:hvrAyVnzP (-23,-11,+0)
    136 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:57:44.75 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-9)
    ほむら「……」



    ほむら「……まどか…」



    ほむら「……」



    ほむら「……ッ」



    ―――
    ――――――
    ―――――――――
    137 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:58:52.81 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    138 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:59:08.48 ID:8CtIWTLP0 (+89,+29,-3)
    家中探してみても、まどかは見つからなかった。



    ほむら「…………」




    ――まどか。
    139 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 20:59:14.84 ID:L9X+1pDh0 (+19,+29,+0)
    さるよけ
    140 : ◆vblsYa - 2014/01/10(金) 20:59:49.16 ID:XQFDm1O90 (+4,+14,-11)
    しえん
    141 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:00:06.96 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-33)
    ほむら「……っ」



    まどか、どこへ行ったの?




    ほむら「……まどかぁ……」




    涙が溢れて、景色が滲んだ。
    142 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:02:08.16 ID:CaJ1At0H0 (-24,-9,+0)
    支援
    143 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:02:53.15 ID:8CtIWTLP0 (+95,+30,-62)
    外は既に日が落ちている。


    街頭もろくにないこの辺り。


    道として整えられていない林の中にでも迷い込んでしまったとしたら、見つけ出すのは難しい。



    ほむら「…………」



    私は懐中電灯を手に、庭先の林に駆け込んだ。
    144 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:04:08.49 ID:L9X+1pDh0 (-19,-9,+0)
    支援
    145 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:04:19.58 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-64)
    ―――
    ――――――
    ――――――――――





    ほむら「まどかぁーー!」



    棘がついた雑草が足に絡まる。


    不意に出てくる木の枝が、頬を掠める。



    ほむら「……っ…、…まどかぁーー!」
    146 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:06:16.81 ID:X2T39ICW0 (-29,-9,+0)
    支援
    147 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:07:45.35 ID:8CtIWTLP0 (+89,+29,-5)
    ――まどか。



    私の、まどか。




    私には…あなたがいないとだめなのに。
    148 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:08:23.36 ID:L9X+1pDh0 (+19,+29,+0)
    さるよけ
    149 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:09:21.81 ID:8CtIWTLP0 (+90,+30,-50)
    ほむら「……まどかぁ……」



    声はいつの間にか涙声に変わっていて。



    縋るような声音で。



    迷子になった子供のようだった。
    150 : 以下、名無しにか - 2014/01/10(金) 21:12:14.83 ID:8CtIWTLP0 (+95,+30,-64)
    ――――
    ―――――――
    ―――――――――――――




    闇雲に、無我夢中に探し回り、泥やら雑草やらにまみれて林を遮二無二突き進んだ。


    すると私はいつの間にか林を抜けて、あの時の砂浜に出ていた。


    あの時、一度行ったきりの砂浜。



    ――そこに、まどかはいた。
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