元スレ女「君はボクの何になってくれるんだい?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
151 = 1 :
幼「えへへ、良かった近くで」
男「……」
女「……」
ヤツは黙って、教科書の準備を始めた。
幼「これからよろしくね、男」
男「おう」
そして、ホームルームが終わった。
152 = 1 :
幼馴染は思った通りたくさんのクラスメイトに囲まれた。
こんなことって、現実でもあるんだな。
女「どうやら、知り合いのようだね」
男「おう」
女「じゃあ、答えは知っていたのか」
そうだな。
女「ふふっ、君にもあんなに可愛い女の子の友達がいたなんてね」
ほっとけ。
153 = 1 :
ヤツも幼馴染も、勉強はできる。
だから授業中にちょっかいを出してきたりはしない。
ヤツは伊達メガネをかけて、真剣にノートをとっている。
幼馴染もしっかりとノートをとっている。
幼「?」
男「っ……」
見ているのがバレた。
そりゃそうか。後ろ向いてたらそりゃあバレる。
155 = 1 :
視線を戻した途中で、ヤツにニヤリと笑われた。
くそ、バレバレか。
俺もノートを取るか。
黒板では教師がカツカツと文字を羅列していた。
シャーペンを持って、俺は文字を追う。
そしてゆっくりと頭が重くなり、静かに寝息を立てた。
つまり、おやすみだ。
156 :
神原か
158 = 1 :
授業終わりのチャイムと同時に反射的に起きる。
男「んっ……」
小さく伸びをして周りを見渡す。
女「ねえ、ご飯だよ」
男「……ああ」
どうやら、昼飯らしい。
今日はいつも以上に量が多かった朝食のせいか、お腹の減りがそれほどでもなかった。
幼馴染「あ、あの、男?」
男「ん」
幼馴染「わ、私もいいかな?」
159 :
俺「いいよ」
160 :
いもちゅしえん
163 = 1 :
と、幼馴染は恐る恐る俺に聞いた。
俺は構わないんだが。
男「……いいぞ」
幼「良かったー」
男「お前もいいか?」
ヤツは黙って、ゆっくりと頷いた。
164 = 1 :
幼「この人は、男のお友達?」
はじめまして、と幼はお辞儀する。
ヤツもお辞儀をするが、声は出さない。
男「中学の頃越してきてな」
幼「そうなんだ!」
ウンウンと首を縦に振りながら、幼馴染も弁当をつつく。
165 = 128 :
しえん
166 :
完結するくらいに起こして
167 = 1 :
幼「男の弁当大きいね」
男「妹が作りすぎるんだ」
幼「ふふふ、愛されてるねー」
ああ、愛で満ち溢れてるよ。
そのせいで全く残せない。
幸せ太りの可能性もあるぞ。
幼「私は自分で作ってるんだよ」
男「へえ」
小さな弁当には、細工のきいたおかずが入っている。
一言でいうと可愛い。
169 = 1 :
幼「女さんは?」
と。
黙ったまま弁当を食べていたヤツに、幼馴染は話を振った。
女「……自分」
小さく声を出した。
幼「へえ、女さんも作るんだ」
……というかお前、誰だ。
170 = 1 :
なんだ今の声。
初めてきいたぞ。
中学からの知り合いなはずなのに。
今の声はなんだ。
いつもより声高かったぞ。
幼「あ、これ美味しそう。食べていい?」
ヤツは目線を逸らしつつ頷く。
171 = 121 :
このシリーズ割と好き
172 = 1 :
コイツ、本当に人付き合い下手だな。
幼「うわっ、美味しい!」
幼馴染は顔を緩ませた。
幼「これ、どうやって作るの?」
女「……今度」
男「ちゃんと答えろよ」
俺の言葉にビクリと反応した。
幼「ちょっと、男。そんな言い方しなくてもいいでしょ」
うぐ。
俺が怒られた。
173 = 1 :
でも、答えないコイツもコイツだろ。
なんで喋らないんだ。
いつもなら口を開けば下ネタなのに。
しかもその怯えた顔はなんだ。
憎たらしい笑顔はどうしたんだ。
幼「あはは、女さんは、恥ずかしがり屋なのかな?」
女「……」
コクリと、小さく頷いた。
嘘つけ。
174 :
夜空状態
175 :
なんやこれ
176 = 175 :
糞やな
178 = 1 :
コイツが俺以外と喋っている所を見たことがない。
そして、今目の当たりにしたことを考えると。
コイツの社交性は皆無に近い、ということだ。
男「はぁ」
ため息を吐いてしまう。
幼「男?」
男「あっ、なんでもねー」
俺は大量の弁当を一気に口に押し込んだ。
179 = 175 :
女「だーれだ」
男「……なんのつもりだ」
女「さあ、ボクが誰だかわかるかな?」
男「手を離せ。 女「だーれだ」
男「……なんのつもりだ」
女「さあ、ボクが誰だかわかるかな?」
男「手を離せ。見えん」
女「もしかして、わからないのかな?」
男「おい、鼻息が当たってるぞ」
女「もっと近づいて、声を聞けばわかるかなと思ってね」 えん」
女「もしかして、わからないのかな?」
男「おい、鼻息が当たってるぞ」
女「もっと近づいて、声を聞けばわかるかなと思ってね」
180 = 1 :
そして、やっとこさ授業が終わった後のことである。
幼「男」
男「ん?」
幼「あのね、誰かに学校の案内してもらってって、先生に言われてたんだけど」
男「ああ、じゃあ俺がするよ」
俺に声をかけたのは、つまりそういうことだろ。
幼「あー、ごめん」
男「え?」
181 = 175 :
女「だーれだ」
男「…… 女「それじゃあ、帰ろうか」
男「おう」
女「夏休みもすぐに終わってしまったね」
男「そうだな
女「ん、どこだい?」
男「今学期からポニテになった」 」
女「さあ、ボクが誰 男「……」
女「いつも一緒に帰っているのに、酷いなぁ」
男「ん……」
女「ふふっ、答えはボクでした」 ?」
男「手を離せ。見えん」
女「もしかして、わからないのかな?」
男「おい、鼻息が当たってるぞ」
女「もっと近づいて、声を聞けばわかるかなと思ってね」
182 = 175 :
男「ドヤ顔ダブルピース」 」
女「君にとっては、これでわかるだろう?」
男「なんだそりゃ」
女「ドヤ顔ダブルピース」
男「脈絡のないネタを挟むな」
女「ふふ、 女「ドヤ顔ダブルピース ?」
男「ああ、そはうざい」
女「ドヤ顔ダブルピース」
女「いいじゃないか、脈打つような効果音!」
男「ポニテに使う効果音じゃねえ!」
女「じゃ顔ダブルピース 」
男「それがいいな」
女「ピョンピョン♪」
男「ウサギの 女「ドヤ顔ダブルピース 似はしなくていい」
183 = 1 :
俺じゃないのか。
幼「あのね、女さん」
女「!」
突然の指名に驚くヤツ。
いや、お前以外にいないから、周りをキョロキョロしてもお前だ。
女「……?」
幼「あの、学校の案内してくれる?」
男「え、お前、コイツにさせるのか?」
幼「うん。女さんと、仲良くなりたいから」
185 = 128 :
しえん
186 :
女「手で耳を表現しました」
男「じゃあちょっと触らせてくれ!」
男「もっとダメになってる!」
女「なんならいいんだ!?」
男「逆ギレかよ!?」
女「居直っただけだよ」
男「ほぼ意味変わってねえよ!」 」
女「じゃあ君は亀さんだ」
男「ウサギとカメって、安直だな。俺のどこに亀の要素がある?」
女「え? 君のここには亀 10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします age 2013/09/08(日) 10:38:39.35 ID:woXwgmZt0
しね ?」
男「どこ見て言ってんだ」
187 = 186 :
女「興奮すると首を伸ばす」
男「じゃあ視姦!」
男「余計ダメになってんじゃねえか!」
女「じゃあちょっと触らせてくれ!」
男「もっとダメになってる!」
女「手で耳を表現しました」
男「言わんでもわかる」
女「じゃあ君は亀さんだ」
男「ウサギとカメって、安直だな。俺のどこに亀の要素がある?」
女「え? 君のここには亀さんがいるんじゃないのかい?」
男「どこ見て言ってんだ」 !?」
男「逆ギレかよ!?」
女「居直っただけだよ」
男「ほぼ意味変わってねえよ!」
189 = 1 :
幼馴染のヤツ。
小学校の頃から変わらず、真っ直ぐな目をしている。
男「そうか……」
女「……」
俺はヤツの肩をポンと叩いて。
男「っつーことだ」
女「困ったな」
と、苦笑した。
幼馴染きってのご指名だ。
ここはしっかりと案内しろよ。
190 = 186 :
男「……やっぱり夏休みからお前は全然変わってねえ」
女「うん、君も相変わらずだね」
男「ちっ」
女「あ、舌打ち」
男「はぁ……」
女「おや、ため息」
男「……やっぱり夏休みからお前は全然変わってねえ」
女「ふふ、そういえば知ってるかい?」
男「あん?」
女「秋は移ろいの季節だ」
男「……」
女「心も、少しずつ冷えていくんだ」
女「ちっ」
男「はぁ……」
191 = 186 :
女「ふふ、そういえば知ってるかい?」
男「あん?」
女「秋は移ろいの季節だ」
男「いきなりだな……」
女「夏の暑さは、少しずつ秋、冬と寒くなっていく」
男「 ポニーテールを軽く揺らして、ヤツはそう言った。」
女「『秋』と『飽き』をかけた人はすごいね。的を射ている」
男「そうだな」
女「ボクらしくないことを言った。と、ヤツは照れくさそうに頭を掻いた。 」
心「男も、少しずつ冷えていくんだ」
192 = 186 :
男「まあ、たまにはいいじゃないか?」
女「これからはどんどん下衆なネタを突っ込んでいくよ」
いや、それはいらないけど。
男「秋って、なんか行事あったっけか?」
女「修学旅行があるだろう?」
女「と言っても、一ヶ月もあとのことだけれど」
男「うわー」
聞きたくなかったな、それは。
女「大丈夫だよ。殺されそうなんだが」
大丈夫なのかそれは。
男「ああ、そういえば」
すっかり忘れていたが、そうだったな。
194 = 1 :
久しぶりに、一人で帰る。
いつもは会話して帰っている場所も、何も喋らずに帰ると、新鮮だ。
さらに、距離も心なしか遠い気がする。
男「うん」
さっさと帰って、妹と戯れよう。
妹よ、待ってろよー!!
197 = 186 :
女「だ、だだ、大丈夫だよ……ハハハ」
グサっ……
女「でも、夏休みが終わってよかったかな」
男「 なんだよそりゃ。」
女「学校があるからこそ、この時間はあるんだから」
男「でも、話だったらいつもしてるだろ?」
女「そうだね。ベッドの上でギシギシとね」
男「してねえ」
どんな話してんだよそれ。
女「基本しないだろ?」
俺「君と話をしながら下校ができるからね」
はあと二、三ヶ月欲しかったけど。
198 = 1 :
ガチャ。
男「あれ?」
鍵閉まってる。
男「……ま、まさか」
妹がまだ帰ってきていない……だと?
いや、それはない。
多分買い物か何かだろう。
俺はスクールバッグに入っている予備の鍵を取り出して、解錠した。
199 = 137 :
サスペンスかよ
200 = 1 :
中に入るとそこには……。
男「!!!!!」
脱ぎ捨てられた妹の制服があった。
男「こここ、これは……」
俺に何をしろというんだ。
妹よ、俺を試しているのか。
男「これは……もう……」
アレしか、ない。
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