元スレ苗木「どきどき修学旅行?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
601 :
霧切 セレス 山田
602 = 501 :
江ノ島
603 :
霧切さん
604 :
翔と桑田と兄弟
605 :
ほ
606 = 484 :
江ノ島「苗木ー!」ギュッ
苗木「わっ!! え、江ノ島さん!?」
急に背中に柔らかいものを感じたと思ったら、江ノ島さんが後ろから抱きついてきていた。
薄いオレンジ色に大きな花という柄、何より目立つのはその丈の短かさだ。
苗木「ね、ねぇ、その格好あんまり動くと危ないって」
江ノ島「ん、苗木はあたしのパンツが見たいんだぁ……見せてあげよっか」ニヤニヤ
苗木「見せなくていいから!」
江ノ島「あははははは、予想通りの反応! さすが苗木!!」
苗木「はぁ……江ノ島さんは花火で遊ばないの?」
江ノ島「うん、あたしは見る専門! それでも十分楽しいよ?」
苗木「うーん、そういうもの?」
江ノ島「そういうもの! まぁたまにちょっかいとか出して変化をつけたりするともっと面白いよ!」
苗木「ちょっかいって……」
江ノ島「えへへ、例えばね」ニヤニヤ
607 = 484 :
江ノ島さんの視線は、少し先で打ち上げ花火を楽しんでいる大和田クン達に向けられる。
そして、彼女は足元にある石をおもむろに拾い上げると。
江ノ島「えいっ!」ポイッ
江ノ島さんが投げた石は、今まさに打ち上げ中の花火に命中。
そのままその花火は倒れ、クルクルと回転しながら…………。
四方八方に花火を放ち始めた。
「「どわああああああああああああああああああ!!!!!」」
逃げ惑う大和田クンと石丸クン。
その様子を見て大笑いしているのが江ノ島さんだ。
江ノ島「ぎゃはははははははははは!!! マジウケる!!!」
苗木「あ、危ないってば!!! 何やってんの!!!」
江ノ島「大丈夫、大丈夫。直撃したって死にはしないって。ちょっと火傷するだけだよ」
608 = 484 :
苗木「……はぁ。何ていうか、江ノ島さんはブレないね」
江ノ島「当たり前じゃん! 人生楽しんだもの勝ちなんだしさ!」
江ノ島さんのこういう所は好きだ。
確かにズルズルと悪いことばかりを考えるよりかは、できるだけ良い事、楽しい事を考えたほうがいい。
ただ、江ノ島さんにとっての楽しい事っていうのがここでは問題なわけで。
苗木「でもさ、他の人達が可哀想だから程々にね?」
江ノ島「はいはい、ごめんね苗木先生」
苗木「せ、先生って」
江ノ島「だってほら、苗木は好き放題やるあたしを止める役割だし!」ニコ
苗木「そんな役割嫌だよ……」ハァ
みんながみんな欲望のままに動いたら大変な事になる。
でも、中には自分を押しとどめ過ぎている人も居る。
そんな人はもっと好きな様にやってみてもいいんじゃないかとは思う。
609 = 594 :
さよならさるさん
610 :
せやな
611 = 484 :
そのまま楽しい時間は過ぎていいく。
そして、それはいつまでも続かない。
始まりがあれば終わりもあるのは当たり前だ。
でも、終わりを告げたのは最後の花火が消える光景ではなかった。
モニターが点く。
ボク達を無理矢理現実へと引き戻す、あの声が聞こえてくる。
『えーと、希望ヶ峰学園修学旅行実行委員会がお知らせします。
オマエラ、お楽しみのレクリエーションタイムがはっじまるよー! そんな花火なんかよりもずっとずっと楽しいから、今すぐジャバウォック公園にお集まりください!』
612 :
このえのじゅんと真剣に付き合いたい
613 = 484 :
【ジャバウォック公園】
そのままボク達はモノクマに言われた通りに公園に集合した。着替える事もなく浴衣のままで。
そこには花火には参加しなかった十神クンもいた。
十神「はっ、お前ら本当に花火なんてものをやっていたのか? 呑気なものだな」
朝日奈「べ、別に私達の勝手でしょ!!」
十神「あぁ、そうだな。俺としてもその方が隙を突けて助かる」フッ
大和田「テメェ……!!!」
不二咲「だ、だからやめようよぉ!」
モノクマ「そうですよ! 周りが引いちゃうくらいのマジゲンカはやめましょうね!」
何度聞いても慣れない、脳天気でいて悪意のこもった声。
その瞬間、周りのみんなの空気がピリッと張り詰めるのを感じる。
614 :
十神もブレないな
615 :
>>614流石十神だな
616 :
さすがかませ
617 = 562 :
十神の豚神みたいにリーダーになりゃ誰も死なないと思うんだけどな
618 = 484 :
霧切「いったい何の用かしら?」
モノクマ「だからレクリエーションって言ったじゃない! うぷぷ、とっても楽しいぞー」
モノミ「ウソでちゅ! あなたの楽しいっていうのはとってもズレてるでちゅ!!」
モノクマ「もう、人の感性を全否定なんてモノミはまだまだ子供だなぁ。世の中には踏まれて喜ぶような人もいるんだよ?」
山田「はっはっはっ、呼びましたかな!!」
葉隠「何で得意気なんだべ……」
モノクマ「ていうかみんな古い! 花火なんて古すぎるんだよ! 今はもうそんな時代じゃないんだよ!!」
舞園「そ、そんな事ないです! どれだけ時代が過ぎようとも、花火が綺麗である事には変わりありません!」
セレス「ふふ、むしろこういった場所で最先端の技術というものの方が風情がなくて嫌ですわね」
モノクマ「うぎっ、ボクを全否定!?」
腐川「あ、当たり前でしょ、あんたなんか……」
モノクマ「いいさいいさ、これを体験すればみんなだって分かってくれるさ」
その直後、モノクマの背後に巨大なモニターが表示された。
そこにはこの世のものとは思えない幻想的な大樹に向かって、翼の生えた人間が飛んでいく光景が映し出されていた。
620 = 484 :
モノクマ「みなさん、空を飛んでみたいと思った事はありませんか!」
十神「空ならプライベートジェットでいくらでも飛んでいる」
モノクマ「そういう夢のない話は禁止! あ、でも、タケコプターは結構グロいからやめた方がいいよ」
石丸「人間は常に自分にないものを求めたものだ! 昔の人達が空を飛びたいと願ったからこそ、飛行機やヘリコプターが存在するのだ!」
江ノ島「追い詰められてる人も空飛びたがるよねー」
戦刃「それ意味が違うから!」
桑田「つーか、それが何だよ。俺らを飛行機に乗せてここから出してくれんのか?」
モノクマ「まさか。ボクはただ普段のキミ達が知らない素晴らしい体験をさせてあげようと思っているのさ!」
大神「回りくどいな。本題に入れ」
モノクマ「もう、せっかちだなぁ。みんなVRシステムって知ってる?」
不二咲「バーチャルリアリティ…………仮想現実世界を作り出すシステムだよね……」
大和田「仮想現実だぁ? どういう事だオイ」
モノクマ「誰かが作った世界を現実のように体験できるって事だよ。ゲームの中に入れるようなものって言えば分かりやすいんじゃないかな。
その中ではキモオタでも女の子にモテモテのイケメンになれたり、二刀流で俺TUEEEEEEEEとかできたりして夢広がりまくりだね!!」
山田「まさに僕の為にあるようなシステムですな!!」
朝日奈「それ自分で言ってて悲しくならないの……?」ハァ
622 :
苗木君が明日奈を助けに行くんですね
わかります
623 = 496 :
あ
624 = 574 :
これネタb…あれ、客人かな
625 = 484 :
セレス「ふん、所詮は作り物ですわ。そんなものに何の意味があるのですか」ハァ
モノクマ「ちっちっちっ、甘いよ甘いよ。VRシステムの中には、現実の体にも影響を与えるものだってあるんだよ!」
モノミ「…………」
モノクマ「あれあれ、どうしちゃったのかなモノミ。急に黙り込んじゃったけど」
モノミ「な、何でもないでちゅ……」
霧切「……それで? あなたはそのVRシステムでどんな事を体験させたいのかしら?」
モノクマ「うぷぷぷぷぷ、それはお楽しみとしてとっておきなよ。大丈夫大丈夫、みんなをガッカリさせたりはしないから」
そう言いながら、モノクマはゴソゴソと何かのボタンを取り出した。
モノクマ「VRシステム起動ボタン~!」ジャーン
葉隠「まんまだべ」
戦刃「っ!!」キッ
モノクマ「あはは、いくら警戒しても無駄だよ戦刃さん。こいつからは逃げられないからさ」ニヤニヤ
モノクマ「ではでは、夢の世界へご案内~!!」ポチッ
626 :
ほ
628 = 484 :
直後、世界が歪んだ。
そのままボクの意識はゆっくりと沈んでいき……。
暗闇へと落ちた。
+++
苗木「…………ん」
目が覚めたら教室……ってこれ一回あったよね。
でも、島に連れて来られた時とは違う。
まず一つ、椅子から立ち上がる事ができない。
もう一つ、他のみんなは居ない。
さらに一つ、なぜか自分の机と椅子はベルトコンベアーに乗せられており、ゆっくりと後ろへ運ばれて行く。
そして。
ズドンッ!!!!! ズドンッ!!!!! ズドンッ!!!!!
629 = 531 :
苗ミンチか
630 = 484 :
【補習】
ガラガラと、教卓が目の前にやってくる。
そしてモノクマが丁寧に勉強を教えてくれる。意外と板書が分かりやすいのが悔しい。
ボクの机の上には懐かしい勉強道具が置いてある。
苗木「…………」
ズドンッ!!!!!
後ろで何か重苦しい音が絶え間なく聞こえる。
加えてその音の度に部屋全体が大きく震動する。
ベルトコンベアーはゆっくりと、しかし確実にボクを後ろへ運んでいく。
ズドンッ!!!!!
苗木「…………」
631 :
全員が自分のオシオキを疑似体験してるのか
632 = 484 :
音が大きくなっていく。震動が大きくなっていく。
汗が頬を伝う。喉がカラカラになる。
何とか体を動かそうとしてみるけど、ビクともしない。
ズドンッ!!!!!!!!
近い。もうすぐ後ろから聞こえる。
目の前のモノクマは授業ペースを変えない。
対照的にボクの動悸が早くなる。次第に息苦しくなってきて、短い呼吸を連続する。
ズドンッ!!!!!!!!!!
でも、ボクは諦めない。
とにかく目を動かして、何か突破口を見つけようとする。
目の前のモノクマが授業に集中しろと怒っている。それでも、ボクは探し続ける。
ズドンッ!!!!!!!!!!!!!!
633 = 484 :
風を感じた。
でもそれは外へ通じるものではない。
すぐ近く……すぐ後ろを何かが通過した感覚だ。
苗木「……っ」
ゴクリと、喉を鳴らす。
そして、視界が薄暗くなった。
何かが、頭上で待ち構えている。
あと一秒もあるのだろうか。
ボクは……これから…………。
634 = 484 :
【ジャバウォック公園】
苗木「……っ!!」
死が訪れる直前になって、ボクは元の公園に戻ってきていた。
だけど、体の様子は明らかな変化がある。
全身から汗が吹き出ているし、フラフラと足元も定まらない。
動悸は相変わらず凄まじく速く、呼吸も浅く上手く息を吸い込むことができない。
苗木「くっ!」
大きく頭を振る。
負けてはいけない。このまま崩れたらモノクマの思い通りだ。
まずは深呼吸だ。ボクの身には何も起こっていない。今のは現実の事ではない。
ただひたすらそれを自分に言い聞かせる。
637 = 484 :
苗木「み、みんな!! 大丈夫!?」
無理矢理自分を落ち着かせて周りを見る。
しかし、そこには想像以上の光景が広がっていた。
まず立てている人が少ない。ボクと霧切さん、石丸クンと江ノ島さんと戦刃さん。それだけだ。
他のみんなは起き上がる事もできず、涙を流して止まらない人もいる。
ボクの声に答えてくれる人は誰もいない。
モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!! どうどう、すっごくリアルだったでしょ!!!」
モノミ「な、何てものを見せてるんでちゅか!!!!!」
苗木「……モノクマ、お前はみんなにも同じものを見せたのか?」キッ
モノクマ「正確に同じではないよ。ただ、みんながオシオキされる時の例を見せてあげただけだよ!」
苗木「それがお前が見せたかったものか……!」
モノクマ「違う違う。ボクが本当に見せたいのは“死”だよ!」
苗木「……え?」
638 :
大神さんってメンタル面は弱いなの?・。・
639 = 591 :
良かったね霧切さん!
何故か君だけ苗木くんとおそろいだよ!
>>638
大神のお仕置きは無数に出てくる強敵に襲われて、なぎ倒していくけど圧倒的な数には抗えず圧迫死だったかな
640 = 626 :
あーそれはショックですわ
641 = 484 :
確かに死というものは人生で一度しか見ることができない。
しかも、体験としてそれを知っている人なんて存在しない。
まさに仮想現実ならではの体験である事には間違いないけど…………。
苗木「でも、ボクは死ななかったぞ」
モノクマ「うん、だって途中で止めたもん。そこに今回のボクの狙いがあるのです!」
苗木「なんだって……?」
モノクマ「みなさん、気になる続きは明後日の朝に見せます! でも、もし見たくないのであれば、明日中に誰かを殺してください!!」
その直後だった。
いつの間にかモノクマの背後に大神さんが拳を振り上げて立っていた。
642 :
苗木ときりぎりと石丸のオシオキは瞬殺だからか
643 = 631 :
なるほど、寸止めで一撃死だから石丸は無事なのか
逆になぶり殺される朝日奈桑田あたりがきついな
644 = 591 :
いや、多分一番きっついのはお仕置きの意味合い的に十神な気がする
アレって殺されるのがメインじゃないし
645 = 484 :
モノミ「ダメでちゅ!!!」
間一髪。
大神さんの放った拳は間に入り込んだモノミに直撃した。
モノミ「むぎゅぅぅううう!!!」ボコォ!!!
モノクマ「モ、モノミー!!! そんな……お兄ちゃんを庇って……!!」ブルブル
モノミ「そんなわけないでちゅ!! 大神さん、早まってはダメでちゅよ!!」
大神「もう我慢ならん……こやつだけは我が刺し違えてでも……!!!」ギリギリ
苗木「戦刃さん!!」
戦刃「っ!!」
すぐに戦刃さんが凄いスピードで大神さんを取り押さえる。
あの巨体が動かないのは、軍人ならではの骨格を熟知した上での押さえ方をしているからだろうか。
大神「は、離せ戦刃……!!!」ググッ
646 :
バターさんは目回って気持ち悪くて立てないのかもしれない
648 :
腐川は途中まで十神のパネルとイチャコラできるじゃん
649 :
朝日奈はサメに食われるんだっけ
650 = 484 :
モノクマ「あーはっはっはっは!!! まぁ落ち着きなって大神さん。この場でみんなに最後まで見せちゃうよ?」
大神「ぐっ!!!」
モノクマ「みんな怖かったよねー? なにせ自分が死ぬ寸前まで追い詰められたんだから。うぷぷぷ、でも大丈夫、希望はあるよ!」
モノクマ「誰かを殺せば見なくて済むんだから! あははははははははははははははぁ!!!!!」
モノクマの高笑いだけが辺りに響き渡っていく。
みんな、ただそれを聞いている事しかできなかった。
+++
……しばらくしても、みんなの大部分は動く事ができずにいた。
何とか動けるようになった人も、動けない人の心配をしている。
ただ一人、十神クンを除いて。彼はモノクマが居なくなると、立ち上がってさっさと自分のコテージへ戻って行ったようだった。
ボクは……どうしよう。
誰に話しかける? >>652
みんなの評価 : ★★★
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