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    元スレ怜「ワ○ミをクビになってから、その後」

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    51 = 1 :

    竜華「zzz……」

    (ああ、しまった)

    (セーラにおめでとーを言うの忘れてしもた……)

    (……それに、せっかくセーラが私と話したい言ってくれたのに、上手く話せんかったわ)

    (最後らへんはあいづち打ってるだけやったし、気を悪くしたんとちゃうか……)

    (こいつと話しても、つまらんなあ思われたんやろうなあ……)

    (もしかすると私のこと嫌いになったかもしれん……)

    (いやいや、それはいくらなんでもマイナス思考すぎや)

    (セーラはやさしいからそんなことで嫌いになったりしないやろう……けど)

    (めっちゃ気ぃつこうてたなあ……)

    (…………)

    52 = 27 :

    さるったか

    53 = 1 :

    (はあ……)

    (これだから竜華以外の人間と話すのは気が進まないねん)

    (会話した後に必ず、あんなこというやなかった、ああ言えばよかった……って感じで)

    (自己嫌悪タイムがやってくるんや)

    (話してる間は意外と平気だったりするんやけど……)

    (むしろセーラ達が相手やったら楽しいって感じることもある……)

    (けど後から来るねん……)

    (一人になった時に、もう少し上手く喋れたんやないやろかっつう行き場のない後悔が……)

    54 = 1 :

    (しっかし、セーラはすごいなあ)

    (マジでプロになってしまうなんて)

    (ホントにすごいわ……)

    (それに比べて私は……)

    (竜華に頼りっぱなしで迷惑かけまくりや)

    (竜華は、夜遅くまで私のために頑張ってくれてんのに……)

    (ああ、私だけダメダメやな……)

    (ああ……)

    (なんかあの頃みたいや)

    55 = 1 :

    (……)

    (セーラと竜華が一軍で活躍しとって、私だけが三軍だったあの頃……)

    (気にしてへんように振る舞っとったけど、ほんとは恥ずかしかったんや)

    (いつもいる三人のなかで)

    (二人は、一軍やなのに、一人だけ、二軍ですらなく三軍)

    (そんなんで劣等感ないほうがおかしいやん……)

    (けどそれを表に出すんは余計みじめになる気がして……気にしとらんフリしとった)

    (麻雀や竜華達といるのは楽しかった……)

    (けど同時に劣等感も感じずにはいられんかったんや)

    (麻雀の成績には興味ないふりして)

    (けど自分の成績、一番気にしとんのは私やった……)

    (それが時々つらなって、診察って嘘ついて部活サボタージュしたこともあったなあ)

    (麻雀部と距離を置こう思ったこともあった……)

    (…………)

    56 = 1 :

    (竜華たちの背中を必死に追いかけて)

    (けど全然届かなくて)

    (診察や、体調不良を言い訳に、追いかけることすら諦めてしまった……)

    (…………)

    (今の私、ホンマにあの頃と同じやん)

    (一人だけ置いてけぼりで)

    (一人だけおなじ場所立ててへん)

    (後ろから竜華やセーラの背中ばかり眺めとる)

    竜華「怜ぃー」

    「っ!」びくっ

    57 = 1 :

    竜華「zzz……」

    「なんや寝言か」

    (びっくりしたわもうー)

    竜華「zzz……」

    (気持ち良さそうにねてるなあ)

    (竜華の寝顔可愛いわ……)

    (ほんま癒されるわあ)

    (おかげでちょっと元気でてきたなあ)

    ブーブー

    「」びくっ

    (…………)

    (なんや、竜華の携帯か……)

    (テーブルに置きっぱなしやな)

    58 = 1 :

    (…………)

    (ダメや、ダメやで)

    (中身が気になるからって、人の携帯勝手に覗いたら……)

    (いくら私も、そこまでクズやあらへん)

    (…………)

    (でも竜華がなんか問題に巻き込まれてるかもしれん……)

    (ほら、竜華って、悩み事とかあっても、人に相談しないで一人で抱え込みそうやろ)

    (ちょっと、ちょっとだけや)

    (先っちょ、先っちょだけだから……)

    (って私はなにをゆっとんねん!)

    (はあ……人と会話しないせいか)

    (ノリツッコミっつーか)

    (自分との対話が増えたなあ)

    (まあ軽く覗き見するくらいなら竜華も許してくれるやろ)

    (…………)

    60 = 1 :

    (なんやこれ……)

    (クロちゃん、クロちゃん、クロちゃん)

    (クロちゃんばっかやん……)

    (三分の一くらいクロちゃんやないか!)

    (竜華、浮気はもうせえへんゆっとったのに……)

    (…………)

    「あはは」

    「あはははは……」

    「わかってたことやないか……」

    「わかってた、ほんとはわかってんや……」

    「竜華がドラローさんと隠れて会ってることも、私のことを重荷に感じてることも」

    「わかってたはずなのに……」

    61 = 1 :

    「でも……」

    「実際に現実を突きつけられると、きっついなあ……」

    「…………ぁっ」ぽろぽろ

    「あれ……なんで私、泣いてるんやろ……」ぽろぽろ

    「こんなん、当然やん、自業自得やん」ぽろぽろ

    「ひきこもりでネクラな私と」

    「明るくていい会社に勤めてるらしいドラローさんなら、誰だってドラローさんを選ぶやん」

    「勝てるわけないやん……」

    「…………」

    「全部全部……自分のせいやのに……」

    「こうなるのは自業自得で当たり前なのに……」

    「なんでこんなに……」

    「こんなにも痛いんやろ……」

    「こんなにも苦しいんやろ……」

    62 = 1 :

    「ぁぁぁ、竜華ぁ……」

    「ぁぁぁぁぁぁぁ……」

    「竜華ぁ、竜華が好きやねん」

    「多分竜華が思ってる以上に、私は竜華が好きやねん!」

    「……ぅぅぅ、ぁぁぁあぁ」

    「ああああああああああああ」

    …………
    ……

    63 = 1 :

    (…………)

    (このままでダメなことは自分でもわかっとる)

    (私は竜華を失いたくない)

    (でもどうすればええのかわからへん)

    (なら、とにかく、前に進むしかない)

    (少しでも竜華に近づくために……)

    (…………)

    64 = 1 :

    (あの頃、竜華とセーラの背中眺めるしかできへんかった)

    (同じ舞台に立つことを諦めかけてた私が)

    (突然一巡先が見えるんようになって)

    (竜華たちと同じ場所に立てた、対等になれた)

    (あれはすごい嬉しかったなあ……)

    (竜華たちと同じ場所にいれる、一緒にインターハイ優勝を目指せるって)

    (けど、奇跡は二度も期待できへん……)

    (だから)

    (今回は、自分の足で、自分だけの力で)

    (竜華たちに追いつく!)

    (私はもう逃げへん)

    (竜華を諦めたりせえへん)

    65 = 1 :

    …………
    ……

    (と決心してから結局三日が経ってしもうた……)

    (特になにもしてへん)

    (あっれー、おかしいなあ)

    (あの時は心を入れかえて)

    (新しい自分になれた気がしたんやけどなあ……不思議やなあ……)

    (人ってそう簡単には変われへんってことやろか、特に良い方向には……)

    (…………)

    (けどあの時の決意は嘘やない)

    (この際自分だけの力とか言っとる場合やない)

    (かっこ悪くとも、見栄え悪くても手段選んでる場合やない)

    (誰かの肩を借りてでも一歩踏み出さなっ)

    (悪いんやけど勝手に携帯使わしてもらうで)

    66 = 1 :

    竜華「zzz……」

    「」ぷるるるる

    ……

    セーラ『モシモシー』

    セーラ『竜華かー?』

    セーラ『こんな時間にどうしたん?』

    「…………」

    「……竜華やない……私や」

    セーラ『え!?』

    セーラ『も、もしかして怜か!』

    「うん……」

    セーラ『えらい珍しいなあ! 怜から電話っていつ以来やろか!?』

    「そんなに驚いてくれんやったら、それだけで電話したかいがあったなあ」

    セーラ『あはは、なんや、この前の仕返しか?』

    67 = 1 :

    「ああ、そういや、まだおめでとう言ってなかったな」

    「セーラ、プロ合格、おめでとうな」

    「陰ながら応援するでー」

    セーラ『はは、ありがとーな』

    68 = 1 :

    「…………」

    セーラ『けど、用はそれだけやないんやろ?』

    「うん……」

    「…………」

    「あのな……セーラに、ちょっとお願いがあるんやけど……」

    セーラ『なんや、ゆうてみ』

    セーラ『オレができることだったら、なんだってやったるわ!』

    「…………」

    「」

    …………
    ……

    69 :

    携帯なのによう頑張るな

    70 = 1 :

    竜華'Sアパート

    (今の私に、いきなり社会復帰は無理や)

    (そりゃ、いきなり一流企業に就職して、竜華を養えるくらい稼げたら理想的やけど)

    (他人とろくに会話すらできない私には、そんなこと絶対に無理や)

    (ア○ゾンの商品を配達に来た人と受け取りのやりとりするんも、えらい緊張するくらいやし)

    (ポーカー初心者が、ポーカーで食っていくくらい絶望的に無理やな)

    (まあ高望みしすぎてもしゃーない)

    (あーあー、一日先の株価と為替レートが見える能力あったら、楽に金稼げるんやけどなあ……)

    (あかん、奇跡には、たよらんって決めたばっかなのに……)

    (まあともかく)

    (今は、少しずつ出来ることを増やしていくしかないやろ)

    71 = 1 :

    ぴんぽーん

    がちゃっ

    セーラ「怜ぃー来たでー」

    「セーラ……」

    セーラ「直接会うんは、えらい久しびさやなあ」

    「……うん、久しぶり……」

    「今日は、わざわざ来てくれてマジでありがとうなあ……」

    「プロになったから忙しいはずなのに……」

    セーラ「ええって。怜に協力するくらいの時間はあるでえ」

    72 = 1 :

    「……それでな」

    「昨日電話でも少し話したんやけど……」

    「一緒に外を散歩して欲しいんねん……」

    セーラ「もちろんええでー」

    「…………」

    「恥ずかしい話や……」

    「私、一人で外に出るのが怖いんよ……特に昼は……」

    「ほんま情けないやろ? 笑ってくれてもええで?」

    セーラ「笑わんよ。オレは頑張ろうとしてる人間を笑ったりせん」

    「と、セーラはキメ顔でそう言った」

    セーラ「ちょっ、ちゃかすなや」

    「……しっかし、セーラは……ホンマいいやつやなあ」

    セーラ「ははは、今頃気付いたか」

    73 :

    怜は誰かの加護がなきゃ生きてけない儚い生き物だな

    74 = 1 :

    「…………」

    「あと、もう一つお願いなんやけど」

    セーラ「おう、どんと来いや! 女らしい格好して散歩しろ、みたいな無茶振り以外なら聞いたるわ!」

    「それええなあ……それにしよかな」

    セーラ「やめい!」

    セーラ「それでなんなん?」

    「あのな、このことは竜華に黙ってて欲しいんよ」

    セーラ「このことっつーのは、怜が脱!引きこもりを目指して頑張ろうとしてることか?」

    「うん……」

    セーラ「まあええけど」

    75 = 1 :

    セーラ「どうせ怜のことやから、竜華にこれ以上迷惑かけられない、とか、知らないうちに真人間になって驚かせてやろう、とか考えてるんやろ?」

    「うっ、なんや、セーラのくせに鋭いなあ……」

    (私が頑張ろうと思ったのは竜華をまた振り向かすためやからなあ)

    セーラ「怜の考えそうなことはわかるでー」

    「なんや私が単純みたいな言い方やなー」

    セーラ「あはは、そこまでは言ってへんでー」

    …………
    ……

    76 = 1 :

    「よしっ、さっそく外に散歩に行くでー」

    「真人間への第一歩や!」

    セーラ「おおーー!」

    「…………」

    セーラ「…………」

    セーラ「怜、足動いてへんでー」

    「わかっとる」

    「いくでー」

    セーラ「…………」

    「…………」

    「いくでー」

    セーラ「なんで二回言ったん?」

    77 = 1 :

    「…………」

    セーラ「…………」

    がちゃっ

    「う……日の光が眩しい……」くらっ

    セーラ「おお、そないな典型的なひきこもりの台詞を聞く日が来るとは感動やわー」

    「うっさいわー」

    「けど」

    「なっ、なんや、外の世界も大したこと無いなあ」ぶるぶる

    「びびって損したわー」がしっ

    セーラ「そう言いながら、オレの服の裾掴んでるんは、オレの気のせいやろか?」

    78 = 1 :

    「…………」

    「はは、ほんま情けないなあ私」

    「小学生、いや、幼稚園児でも外に出るくらい簡単にできるのに……」

    「外に出ただけで震えが止まらないねん」

    「ごめんな、セーラ、こんな情けない私に付き合わせてしまって」

    「ほんまごめんな……」

    セーラ「怜は情けなくなんかない」

    セーラ「だから胸はれや」

    「セーラ……?」

    79 = 73 :

    胸はある

    80 = 1 :

    セーラ「他人と比べる必要なんてない」

    セーラ「怜は、今まで外にでれんかった」

    セーラ「けど今は外におる」

    セーラ「これって凄いやん」

    セーラ「できないことができるようになるのは凄いことや」

    セーラ「だから、胸はってええで」

    セーラ「オレはそんな頑張ってる怜のこと、誇りに思っとる」

    「セーラ……」

    「ちょっともう少しこのままでええか」がしっ

    セーラ「うん」

    「……ぅぅぅぅ…………」

    …………
    ……

    81 = 1 :

    「よしっ、いくでー」

    セーラ「もうええん?」

    「うん……」

    「しかし、しょっぱなからこんな感じだと、前途多難やなー」

    「ちょっといきなり心折れそうなったわ」

    セーラ「まあ、最初やし……」

    「今日はアパートの近場を散歩したら、帰ることにするわ」

    セーラ「確かにいきなりムリはあかんからなあ」

    「いくでー」

    セーラ「おう」

    82 = 1 :

    「」てくてく

    セーラ「」てくてく

    (うっ!)

    (向こうから人が歩いてくる……)

    「」てくてく

    セーラ「」てくてく

    アパートの住人A「」てくてく

    (目合わせんようにしよっ)

    (あ、でも、今まで前向いてたのに、いきなり顔を下に向けたら、露骨に目を逸らしたことになって、失礼やないやろか)

    (けど、目を合わせたまま歩くのは、余計に辛いし……)

    (それ以前に挨拶とかすべきなんやろか……)

    83 :

    しえん

    84 = 1 :

    「……」てくてく

    セーラ「」てくてく

    アパートの住人A「」てくてく

    (ふう……無事、通り過ぎた……)

    セーラ「ん? 顔色悪いけど大丈夫か?」

    「なあ、今すれ違った人、私のこと変な目で見てんかった?」

    セーラ「え?」

    85 = 73 :

    完全に引きこもりじゃねーか!

    86 = 1 :

    「変人を見るような目で、私を見てた気がするんやけど?さっきの私ってどこか変だったん?
    ちゃんとまっすぐ歩けてるつもりやったけど正直自信ないわ。左右に傾いたりしてへんよなあ?
    『なんでこの人歩き方おかしいの?』とか思われたんやろか?
    でも久しぶりに外歩いたんやからちょっとくらい歩き方ぎこちなくてもしゃーないやん?でもあっちのせいでもあるんやで。向こうから人が歩いてきたら、緊張してしまうやん?

    87 = 83 :

    錯乱しとる

    88 = 1 :

    それで歩き方がぎこちなくなってしもうたらそりゃあ大部分は私が悪いんやろうけど、向こうにも非はあるやん?
    それとも視線をあちこち彷徨わせたのがまずかったんやろか?
    だから久々に外でたんやからちょっとくらい挙動不審でも仕方ないやん。視線の置き場とか、相手からの視線とか、そんなの考えたら挙動がおかしくなってしまうやろ?
    自意識過剰ってのは自分でもわかってるんよ。でもチラッとでも見られてるかもしれん、と思ったら、いてもたってもいられなくなるやん。
    走ってさっさと通り過ぎたい気分やったけど、そうすると余計に『なんでこの人急に走り出したの?頭おかしいの?』って変に思われるやろ?
    ああ、でもきっと、さっきの人にはなんか気持ち悪い人がいた、そう思われたに違い――」

    セーラ「怜、ちょっと落ち着きぃ」

    「ないわ……あっ……」

    89 = 1 :

    (またやってしもうた……)

    (なにやってのんや、私)

    (セーラどん引きしたやろな……)

    (あああああああああ)

    (死にたい!もう死にたいわ!)

    「…………」

    「…………」

    「ごめんな……変なこと言って……」

    「私、人の視線が怖いねん」

    「さっきの通行人にな、私のこと変とか気持ち悪いとか思われたんやないかって思ったらな、頭がぐちゃぐちゃになってしまって……」

    90 = 1 :

    セーラ「…………」

    セーラ「そうかあ……」

    セーラ「ごめんな、オレ、あんま力になれんくて……」

    「なんでセーラが謝るねん! 悪いんは私なのに……」

    セーラ「なあ、これだけはわかってほしんやけど」

    セーラ「オレな、嬉しかったんやで」

    「え?」

    91 = 1 :

    セーラ「怜がな、外に出るから協力して欲しいって言った時」

    セーラ「怜が前に進もうと頑張ろうとしてることを知って嬉しかったし」

    セーラ「オレを頼ってくれたことも嬉しかった」

    セーラ「オレは怜の力になりたいんや」

    セーラ「だからな、少しくらいの奇行は大目に見るでー」

    「セーラ……」

    「なんか悪いものでも食べたん?」

    「プロ雀士になったんやから、その辺の雑草とか食べたらダメやでー」

    セーラ「ちょっ、ちょっ、だからなんでそこで茶化すねん!」

    「だって……」

    「…………」

    「セーラがやさしすぎて、茶化さないとまた泣いてしまいそうになるねん……」

    92 :

    怜ちゃんはセーラと浮気するのかな?

    93 = 1 :

    「セーラぁ、ありがとうな……」

    「ほんま感謝してるわ」

    「私はほんと、ええ友人を持ったわあ……」

    セーラ「せやろ?」

    セーラ「せやろ?」

    「……なんで二回言ったん?」

    「なんかそう言われると否定したくなるわ」

    セーラ「あはは……」

    セーラ「…………」

    セーラ「あんな怜、オレな、あの時のこと後悔してんねん」

    「あの時?」

    セーラ「怜が、ワ○ミの仕事が辛くて電話してきた時や」

    「…………」

    94 = 1 :

    セーラ「あの時オレはな、『頑張れ』とか色々厳しいこと言ってしまったやろ?」

    「それは別にセーラ悪くないやん」

    「むしろ正論やん」

    セーラ「……そう言ってもらえると気ぃ楽になるわ」

    セーラ「でも、そのことをな、ずっと謝りたくて、あの時はごめんな怜」

    「だからセーラが謝る必要ないって」

    セーラ「けど、もう少し上手いアドバイスできへんかったのかなあと思ってな……」

    「気にし過ぎやでー」

    …………

    95 = 1 :

    「」てくてく

    セーラ「」てくてく

    セーラ「怜、顔色悪いみたいやけど、大丈夫かいな?」

    セーラ「マ○ドでもよって、そろそろ休憩するか?」

    「いや、ああいう場所は余計疲れるから、今日はもう家に帰るわ」

    セーラ「そうか」

    セーラ「怜、今日はよう頑張ったなあ」

    セーラ「誰かが一緒やったら、外出はもう平気なんちゃう?」

    「いや……まだ人の多いところはきついわ……」

    セーラ「けど大きな進歩やな」

    ……

    96 = 1 :

    「ふう……、今日は疲れたわ……」

    セーラ「ほんまよう頑張ったでー」

    セーラ「そういえば、昨日、竜華の携帯から電話してきたやん?」

    セーラ「怜の携帯が止まってんのは知ってるけど、家に電話はないん?」

    「あー、家の電話はなー、かなり前に私が暴れてしまったことがあって……」

    「その時にぶん投げてからちょっと調子おかしくなって……」

    セーラ「壊してしもうたわけか……」

    「いや、別に壊れたわけやないでー、ただ、変な前衛音楽的な音がして使えなくなっただけや」

    セーラ「それを壊れた言うんちゃうん?」

    「まあそうとも言うかもなー」

    97 = 1 :

    セーラ「じゃあ怜がオレと連絡とりたい時は、公衆電話で電話するか、竜華の隙を狙って携帯を借りるしかないんやなー」

    セーラ「怜は竜華に内緒にしときたいんやろ?」

    「うん」

    「というかこれからも私に協力してくれるん?」

    セーラ「なにゆうてるん? 当たり前やん!」

    セーラ「オレだけやないで、フナQも泉も、怜が助けを求めれば手を貸すでー」

    セーラ「もちろん竜華もな」

    「うん……」

    98 = 83 :

    しえん

    99 = 1 :

    「ほんま今日はありがとなー」

    セーラ「じゃあオレはそろそろ行くわー」

    セーラ「今日は疲れたやろー、ゆっくり休みい」

    「うん、またなー」

    セーラ「怜……あのな………」

    セーラ「やっぱなんでもないわ」

    「えー、なんやそれ?」

    「なにを言おうとしたん?」

    セーラ「別に大したことやないでー」

    「大したことやないんやったら言ってもええやん」

    「途中で言うのやめたら気になるやろー」

    100 = 1 :

    セーラ「…………」

    セーラ「オレも、フナQも泉もそしてもちろん竜華も、怜のこと支えるでー」

    セーラ「だから……」

    セーラ「頑張れえ!」

    「っ!」

    「うんっ!」

    セーラ「でもムリだけはせんでな」

    「どっちやねん!」

    セーラ「あはは」

    セーラ「またなー」

    「うん、またなー」

    ……


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