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    元スレ咲「ノドカの牌?」

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    みんなの評価 : ★★
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    52 :

    手加減を加えないのが玄人の流儀だもんな

    53 = 48 :

    (咲さん……咲さん!!)

    (何……和ちゃん)

    (なんであんなことしたんですか!?)

    (あれが……麻雀なんだよ)

    (だって……あんなの……素人の私が見たってひど過ぎます。あんまりです!!)

    (じゃあ、和ちゃんは、私に手を抜けって言うの? あんなに真剣に勝とうとしている人たちに対して、手加減をしろって言うの?)

    (そうじゃ……そうじゃありませんけど。でも、咲さんがプロにも勝てるくらい強いんだったら……ああいう結果にならないようにすることもできたのでは?)

    (それこそ、相手を傷つけるだけだよ)

    (そう……ですか)

    54 = 48 :

    (いつか、和ちゃんが本気で麻雀で勝ちたいって思えるようになったとき、私の言ったことの意味、わかると思う)

    (麻雀、ですか。運だけで勝敗が決まるお遊びだと思っていましたが……)

    (もちろん、運の要素は大きいよ)

    (けど、咲さんを見ていると……嫌でも感じます。運や確率だけでは説明がつかない現象が……実際にさっき起きていた)

    (そうだね)

    (どうやら……私自身が、もっと麻雀を深く理解しなければ……咲さんたちの世界にはついていけないようですね)

    (うん)

    (麻雀……本格的に取り組んでみますか)

    57 = 48 :

     ――数日後・子供麻雀大会

     タンッ タンッ チャ リーチ ロン タンッ タンッ

    (うわ……すごいいっぱい卓が並んでます……)

    (みんな真剣に打ってるね)

    (ちょっと恐いくらいですね)ウロウロ

    (あ、和ちゃん、そこの子の手牌見てください)

    (これは、一色染めですか?)チラッ

    (うん。きちんと考えて打たないと、手が遅くなっちゃうね。この場合、正解は二萬切りだよ)

    (へ、へえ……十五分くらいあれば私にもわかりそうですけど)

    58 = 48 :

    ギバード「」タンッ

    「あっ、そっちじゃなくて二萬……」ボソッ

    ギバード「あ”?」

    「え?」

    ひな「ええ?」

    よし子「えええ?」

    「あ――!」

    「君っ!!」ガシッ

    59 = 48 :

     ――運営控え室

    「本当に……本当に申し訳ありませんでした」ペコッ

    「いくら自由観覧の小さな大会とは言え、みんな優勝を目指して頑張っているんだからね。今後は気をつけるように。じゃあ……まあ、もう今日は帰っていいよ」

    「はい。わかりました。すいませんでした」タッタッタッ

    (礼儀正しそうないい子なんだけどな……口が滑ったのか。それとも、こういう大会に不慣れだったとか……?)

    「お疲れー。どうした? なんかトラブル?」

    「おっ、赤土九段様じゃないか。そうなのよ。打牌に口出しした子がいてね。まだ十歳くらいの子供だったんだけど」

    晴絵(33)「へー? どんな手牌?」

    「この染め手。ギバードが八萬を切ったところで、その子が後ろから二萬だよ、って」

    晴絵「なかなか的確なアドバイスじゃないか」

    「それはそうなんだけどね。口に出すのはよくないでしょ。結局その対局は流して、もう一回最初から打ってもらうことにしたよ」

    晴絵「ま、大方ギバードの応援でもしてて熱が入っちゃったのかな?
     後ろに張り付いて見てれば、一緒になって打ってるような気持ちになるしな。自分の考えと違ったら、つい心の声が漏れちゃうかもしれない」

    「いや、別にギバードの応援とかじゃなかったみたいよ。
     その場に居合わせた人の話だと、ふらふらーっと会場内に入ってきて、ギバードが悩んでいる途中にふっと立ち止まって、チラッと見て――」

    晴絵「ちょっと待って……チラッと見て――?」

    61 :

    最後の敵は韓国人のミョンファか

    62 = 48 :

    「それがどうかしたの? これくらいの染め手なら、少し考えればわかるじゃない」

    晴絵「おいおい、私と一緒にインターハイベストエイトに残った望ならそうだろうけど……その子は、十歳かそこらの子供なんだろう?
     しかも、ついうっかり口を滑らしすことの重大性もよくわかってないような……麻雀に不慣れな」

    「言われてみれば……」

    「あ、あの……」

    晴絵「あっ……こ、こんにちは!!」

    健夜(35)「なんか、トラブルがあったって聞きましたけど……」

    「あー、いや、小鍛治九冠にはあんまり関係ないトラブルですよ。それよりも、今日はこんな小さな大会にゲストとして来ていただいてありがとうございます」

    健夜「赤土さんの頼みだから……」

    晴絵「本当にありがとうございます」ペコッ

    健夜「ん、これ清一? 二萬切りかぁ」

    晴絵「これをチラッと見てアドバイスしたそうですよ、十歳くらいの女の子が」

    63 = 48 :

    健夜「へえ、十歳くらいの……女の子、か。
     偶然だね。私も、私の門下の三人が、この間プロでもなんでもない一人の女の子に東一局でトばされたって話を聞いたばかりなんだけど」

    晴絵「それはまた……興味深い話ですね」

    健夜「あの世代だと……うちの照が一番だと思ってたんだけどなぁ……世界は広いね。
     まあ、その子がそれほどの打ち手だと言うのなら、遅かれ早かれ私たちプロの前に現れる。赤土さんも、そう思うでしょ?」ドドドドドドドド

    晴絵「ええ……そうですね」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    64 :

    面白いな

    66 = 61 :

    >>32
    へー

    67 :

    レジェンドがヘタレじゃないやり直し

    68 :

    このアラフォーガチでアラフォー気味じゃん

    70 = 48 :

     ――数日後・街中

    (この間は咲さんのせいでえらい目に遭いました)

    (ええ!? 私のせい!?)

    (咲さんが余計なこと言うからです)

    (うう……だって、この頃は和ちゃんが福路さんの教室で打ってばっかりで、私には打たせてくれないんだもん!)

    (なんとなく、咲さんに自由に打たせるのは危険な気がしてるんです。だって、咲さんはプロにも勝っちゃうんですから。
     でも、それって周囲から見れば私がプロを倒したってことになるわけで……それって色々と面倒じゃないですか)

    (じゃあ、私はいつまで我慢してればいいの?)

    (私が咲さんと同じくらい強くなるまで……ですかね)

    (それ千年かかるよ)

    (とにかく、しばらく大人しくしててください!)

    (ええええー……)

    71 = 48 :

    「おい、あの子だ」

    晴絵「え? 何が?」

    「ほら、あの大会のときの」

    晴絵「へえ! いいおもちしてるじゃないか!!」

    「そこ……?」

    晴絵「よう、そこの可愛いお嬢さん!!」

    72 = 48 :

    「えっ?」

    (和ちゃん今『可愛いお嬢さん』に反応して振り返ったよね!?)

    晴絵「そうそう、君だよ君」

    「や、やあ」

    「あ……この間の……それとあなたは――レジェンド・赤土晴絵九段!!?」

    晴絵「おっ、私のことを知ってるのか、嬉しいなぁ。ところで、君、今時間あるか? 私ともう一人……君と打ちたいって言ってる人がいるんだよ」

    「え、えっと……その……」

    (和ちゃん、行こう!!)

    (え!? で、でも、この人――赤土さんはトッププロ中のトッププロですよ!!? 万が一勝っちゃったらどうするつもりですか!? 絶対騒ぎになりますよ!)

    (いや……これはね……予感なんだけど。たぶん私でも一筋縄じゃいかない相手かもしれないよ!!)

    (赤土さんが……?)

    (いや……それはどうだろう。とにかく、この人についていけばわかる!!)

    (ど……どうなっても知りませんから!!)

    76 = 48 :

     ――雀荘

    晴絵「ごめんね、もう少し待ってて。あ、ジュース飲む?」

    「あ、い、いえ。お気遣いありがとうございます」

    「小さいのに謙虚でしっかりした子ねぇ」

    晴絵「一部分だけかなり我儘だけどなぁ」

    「ど、どこ見てるですか!?」

    (和ちゃん……高校生の姿の私よりも断然大きい……)ズーン

     カランコロン

    晴絵「おっ、いらっしゃった。こっちですー」

    (あ、あの人は――!!)ゾゾッ

    (この人……!!)

    健夜「お待たせしてすいませ……ん?」

    ()ゾッ

    健夜「………………」

    77 :

    >>32
    逆に言えば、咲さんは憩さんと佐為の子供…?

    78 = 48 :

    晴絵「……小鍛治さん? どうかしました?」

    健夜「ううん……なんでもない。えっと、この子が、例の?」

    「そうです」

    「あ、あの……初めまして。原村和です」

    健夜「原村さん……なるほど、照から聞いていた名前と一緒ね」

    「え? 宮永照さんから……?」

    健夜「そう。宮永照は、私――小鍛治健夜門下の一人なの。
     あなたがトばしたっていう亦野三段と渋谷三段もうちの門下生。まさか……本当にこんな小さな子だったなんて、驚いたわ」

    「あ、あれは……えっと、その……」

    健夜「単なる偶然」

    「えっ?」

    健夜「半荘一回で、強い弱いは測れない。まったくの素人にプロがボロ負けすることもある。麻雀という競技には、そういう側面もある」

    晴絵「けど……そうじゃない側面もある」

    健夜「それをね、確かめたいの。大丈夫、別に、取って食べようってわけじゃないから。気楽に、いつも通りに打って」

    「は……はあ……」

    「えっと……じゃあ、場決めしますか」

    80 :

    81 = 48 :

     ――卓

    (は……始まっちゃいました! どうしましょう……)

    (和ちゃん、この東一局は様子を見よう。あっちがどういうつもりでこの対局に臨んでいるのか、それを確かめたい)

    (様子を見るって……だって、相手は世界最強の雀士なのに、そんな悠長な)

    (いいから、和ちゃんは何も考えずに打って。今の和ちゃんがこの人たち相手に下手に何かをしようとすると、一瞬でひねり潰されるよ)

    (こ、恐いこと言わないでください!)

    (事実だから。じゃあ、まず第一打は西から)

    (は、はい……)コトッ

    82 = 48 :

     ――

    (とは言ったものの……)コトッ

    晴絵()タンッ

    健夜()タンッ

    ()タンッ

    (私には……一体何がどうなってて、誰が優勢で、どういう状況なのか、さっぱりわからないです。けど……)コトッ

    晴絵()タンッ

    健夜()タンッ

    ()タンッ

    (小鍛治九冠も……赤土九段も、この望さんって人も……みんな、打ち方が綺麗ですね……)ポー

    晴絵()タンッ

    健夜()タンッ

    ()タンッ

    86 :

    すばら

    87 :

    これどう終わらせるのか気になる

    88 :

    おもろい

    89 = 48 :

    (ツモって……手牌に入れて……要らない牌を切る。全てが一つの流れになっていて、一つツモるごとに、一つ和了りに向かっているのがよくわかる。
     すごく……カッコいいです。テレビでたまに見るだけじゃわからなかったですけど、本物は……本当に強い人っていうのは……こんなにすごいんですね。
     それに比べて私は……)コトッ

    晴絵()タンッ

    健夜()タンッ

    ()タンッ

    (咲さんの言う通りに牌を捨てているだけ。打ち方もツモり方も稚拙。
     なんでしょうね……この方々を前にして、悔しい、なんて思ってしまうこと自体が傲慢なんでしょうか。
     けど……これだけの凄さを見せ付けられたら……私だって、と思ってしまいます)コトッ

    晴絵()タンッ

    健夜()タンッ

    ()タンッ

    90 = 48 :

    (牌が……光って見えるみたいです。グランドマスター・小鍛治プロ……これが、世界の頂点に立つ人の麻雀ですか)

    (和ちゃん、次は四索ね。あと、三枚ある南は今のうちに右端に寄せておいて。次で行くよ……)

    (私も……小鍛治プロみたいに……)

    (和ちゃん……?)

    (あんな風に……打てたら……!!)

     タァァァンッ

    晴絵(ん?)

    健夜(…………)

    (打ち方――否、雀風まで変わった?)

    「あ……ああ……」ガタガタ

    (の、和ちゃん……!?)

    晴絵「お、おい。原村さん? どうした?」

    「うわあああああああああああああ!!!」ダッ

    晴絵「は、原村さん!!」

    91 = 48 :

     ――

    晴絵「ちょっと、強引に連れてきたのがマズかったんですかね?」

    「いや、わからない。あの年頃の娘は難しいから。私には年の離れた妹がいるからわかる」

    晴絵「で、どうでした、小鍛治さん、原村和は?」

    健夜「打ち方はともかく、手の進め方は綺麗だったし、打牌に非の打ち所はなかったと思う。ただ、最後の南切り……」

    晴絵「ああ、そうですね。これは不可解です。では……ちょっと失礼して」スッ

    「あ……これは……?」

    健夜「原村さんがあのまま南を抱えていれば、私が最後の南を掴まされていた。そして……大ミンカン――嶺上開花」

    晴絵「照と合計で四回半荘をしていて、その中で彼女は二度、嶺上開花を和了っています」

    健夜「偶然じゃ……ないってことになるね」

    92 = 48 :

    晴絵「しかし、嶺上開花を狙っていたならなぜ南を崩したんでしょう」

    健夜「私たちの和了り牌を読んだ、ってわけじゃないと思うけれど」

    (二人とも四索待ちか……大人気ないなぁ)

    晴絵「ま、頭ハネで私がいただきますけどね」ゴゴゴゴ

    健夜「あれ、ダブロン採用だと思ってたけど」ドドドド

    晴絵「そういえば、事前に決めてませんでしたね」ゴゴゴゴ

    健夜「ま、別に頭ハネでもいいよ。そんなにそんな安手が和了りたいなら、好きなだけどうぞ」ドドドド

    「ハイハイ、二人とも喧嘩しないで」

    晴絵「それにしても、原村和か。プロになる気があるのかないのか」

    健夜「それは……このあいだ私が言ったことが全て。彼女が本物なら、遅かれ早かれ、私たちの前に現れる」

    晴絵(33)「できれば、私がアラサーでいるうちに現れてほしいなー」

    健夜(35)「赤土さん、それどういう意味かな?」

    94 :

    小学生の女の子にプロ云々とか少しは考えてほしいなww

    95 = 48 :

     ――街中

    「はぁ……!! はあ……はあ!!」

    (和ちゃん!? いきなり飛び出してどうしたの!!?)

    「どうしたのじゃ……ないですよ!!」

    (ちょ、声出てる!!)

    「さっき……私の身体を乗っ取りましたね!!?」

    (そんなことしてないよ!?)

    「じゃあなんで私があんな綺麗に打てるんですか!? もう信じられません!! ちょっと可愛いから油断したらこれですか!! やっぱり咲さんは悪霊だったんですね!!」

    (ご、誤解だよ……落ち着いて、ね?)

    96 = 48 :

    「はぁ……」

    (溜息なんかついて、どうしたの?)

    (私も……本気で頑張ってみようと思います、麻雀)

    (そ、そっか! いいことだね!!)

    (そして……いつか、小鍛治プロや赤土プロみたいになりたいです)

    (うん! 私と一緒に麻雀楽しもうよ!!)

    (というわけで、やっぱり咲さんはしばらく引っ込んでいてください。私、もっともっと自分の麻雀が打ちたいんです)

    (そ、そんなぁ……)ズーン

    99 = 94 :

    ラスしえ


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