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元スレ小鳥「まるで、花が咲くように」

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小鳥「……うーん、良い香り」
テクテク……
小鳥「……まるでこの花が咲くように、私にも満開の春がやってこないかなぁ~」
小鳥「なーんて……はぁぁぁ~……」
【雑居ビル 階段】
小鳥「…………お、重い」
小鳥(ちょっと調子に乗って、色々と買いすぎちゃったかしら……)
小鳥(こんなことなら、プロデューサーさんにも買出し手伝ってもらえば良かったかも)
フラフラ……
小鳥(……なんて、そんなことお願いしちゃダメよね)
小鳥(プロデューサーさん、春香ちゃんと打ち合わせしてて忙しそうだったもの)
小鳥「あーんもう、早くエレベーター直らないかなぁ……ぜぇ、……ぜぇ……!」
小鳥「……よっこいしょういちっと!」
ドサッ
小鳥「ふぃ~……やっと到着だわっ! 頑張った、頑張ったわね小鳥っ!」
【765プロ事務所】
小鳥「ただいまもどり──……」ガチャッ
ドンッ!
小鳥・春香「「きゃあっ!」」
ガラガッシャーン!
春香「あいたたた……。す、すみません、小鳥さん……」
小鳥「つつつ……だ、大丈夫よ。春香ちゃんこそ、怪我はない?」
春香「はいっ、平気です! えへへ、私、こういうの慣れてますからっ!」
小鳥「そう、それなら良かっ──」
小鳥(……あら? 春香ちゃん、なんだか目が……)
春香「って、うわあぁっ! 小鳥さん、荷物荷物!」
小鳥「……ああっ!」
春香「ごご、ごめんなさいっ! あ~、私ったら……!」
小鳥「あははは……拾うの、手伝ってくれる?」
春香「もちろんですっ! ……っと、いけないいけない……大声出したらダメよね……」ガサゴソ
小鳥「大声がダメって、どうかしたの?」ガサゴソ
春香「……小鳥さん、ほらあれですよ、あれ」
P「……すぅ……すぅ……」
小鳥「……もしかしてプロデューサーさん、寝てる?」
春香「そうなんですよぅ。ついさっき、打ち合わせが終わったんですけど……」
春香「ちょっと目を離した隙に、気がついたらすやすやしちゃってまして」
小鳥「へぇ~……珍しいこともあるものね」
春香「……はい、これで全部ですよね?」
小鳥「うん、そうね。ありがとう春香ちゃん」
小鳥「……おっと、そういえば鉢植えは……良かったぁ、割れてなかったわ」
春香「あれ? 小鳥さん、それ……花?」
小鳥「そうよ~。ほらこの事務所、飾りっ気がないじゃない。だからお花でも、と思って買ってきたの」
春香「へぇ~……わぁ、かわいいなぁ」
チョンチョン
春香「このお花、なんていう名前なんですか?」
小鳥「サイネリアって言うんですって」
春香「サイバスター?」
小鳥「さ、サイネリアよ。……春香ちゃん、サイバスターを知ってるの?」
春香「んー、知りませんけど、なんとなく頭に浮かんできて。えへへ……」
小鳥「そ、そう」
小鳥「……花言葉は快活、変わらぬ喜び。うふふ、この事務所にぴったりだって思わない?」
春香「えへへ、本当ですねっ! さすが小鳥さん、お花のことも詳しいんだぁ……」
小鳥「ま、まぁね! 私くらいになると、これくらいわねっ!」
小鳥(……まぁ、本当のことを言うと)
小鳥(鈴木さんという、金髪を! ツインテにした! さらにゴスロリの!)
小鳥(とにかくとにかく、と~~っても可愛い妖精みたいなバイトさんに、すっごい勢いでお勧めされて……)
『仕事場に飾る花が欲しい? それならこれデスヨ! サイネリアしかありませんっ!』
『ほらほらこの色、このカタチ! きゃうーん激カワユスっ! 奥さんにもぴったりだってアタシ思います!』
『家内安全、恋愛成就、百合運上昇! あと一品のみの限定販売ですよ! ほらほらほらほらほらほら』
小鳥(それでついつい、『あらそうなんですか~うふふ』って感じで買っちゃったんだけどね)
小鳥(もちろん私は『奥さん』ではないけど……ま、まぁ、そう見られるっていうのは悪くない気分だったしね)
春香「あ、そんなことより……小鳥さん、私、そろそろ帰りますね」
小鳥「あら、もう帰っちゃうの?」
春香「はい。撮影も無事終わって、個人打ち合わせもやっちゃいましたし……」
春香「それにもう、こんな時間ですから。帰りがおそい~、ってお母さんに怒られちゃいます」
小鳥「そうなの……あ、そうだ春香ちゃんっ!」
春香「えっ? なんですか?」
小鳥「さっきあなた達が帰ってきたときは慌しかったから、ちゃんと言えなかったけど……テレビ、観たわよ」
春香「! あ、あのっ! どうでしたか……?」
小鳥「うん、とっても良かった。春香ちゃんの元気いっぱいなところ、沢山伝えられてたと思うわ!」グッ
春香「本当ですかっ!」パァァ
P「フゴッ」
小鳥「しー、しー……」
春香「おっと……私としたことが、また大きな声出しちゃって……えへへ」
春香「……私、小鳥さんにそうやって褒めてもらえるのが、一番嬉しいです」
春香「小鳥さんはずっと、正式にデビューする前からも、私たちのこと応援してきてくれましたから……」
小鳥「……そんなこと言っちゃって。一番嬉しいのは、プロデューサーさんに褒められたときじゃないの?」
春香「あ、あぅ……そ、それはまた別腹っていうかっ! ごはんとケーキっていうかっ……」
小鳥「うふふっ、冗談♪」
春香「じょ、冗談って……もう」
小鳥(うへへ、春香ちゃんってば、慌てた顔も可愛いんだから!)
小鳥(……っと、いけないいけない……顔がついついニヤけちゃうわ。お姉さんっぽくしないと……)
小鳥「……」ペチンペチン
春香「……それにそもそも、プロデューサーさんは絶対……」ゴニョゴニョ
小鳥「え?」
春香「……なんでもないでーすっ」プイ
小鳥「な、なによぅ。教えてよ~!」
小鳥「……でも、私もね。春香ちゃんと一緒よ」
春香「いっしょ?」
小鳥「うん。春香ちゃんがいつも笑顔で、毎日たくさんの活躍が出来ているのが……一番嬉しい」
春香「……!」
小鳥「もちろん、春香ちゃんだけじゃなくて、みんなもだけどね」
小鳥「あなたたちの夢は、私の夢でもあるんだから……だから私も、とっても嬉しいの」
春香「こ、小鳥さん……」
小鳥「それにまた、今度アルバム発売でしょう? ……春香ちゃん、本当に、立派なアイドルになったわね」
春香「……立派なアイドル……それ、本当ですか?」
小鳥「ええ、もちろん! 私が保証するわ」
春香「…………」
小鳥「あら、まだ信じられない?」
春香「そ、そういうわけじゃないんですけど……なんだか、また嬉しくなっちゃって……」
小鳥「……」
小鳥(……本当に、良い子ね)
春香「……」ジワッ
小鳥「……春香ちゃん……」
春香「ご、ごめんなさい、私ったら……ずびっ」
春香「えへへ……なんだか、今までのこと思い出したら、感極まっちゃいました……」
小鳥「……私が春香ちゃんに嘘ついたこと、ないでしょ? だから、胸を張っていいの」
春香「……そうですねっ!」
ゴシゴシ……
春香「私……いま、とっても幸せです」
春香「大好きなみんなと、毎日楽しく過ごせて……これ以上の幸せは、お腹いっぱいで入らないってくらい」
春香「……だから……小鳥さんも、絶対、幸せになってくださいねっ!」
小鳥「え? 私?」
春香「……そうですよ。小鳥さんってば、何かにつけて私たちのことばっかり気にかけてくれるんですから」
春香「たまには、私たちのこと抜きにして、小鳥さんだけの幸せを見つけたっていいと思いますっ」
小鳥「ど、どうしたの? 急にそんなこと言っちゃって……」
小鳥(春香ちゃんにまで心配されるって……うぅ、私、そんなに幸薄そうに見えるのかしら……)
小鳥「私だけの幸せ、かぁ……」
春香「なーんて……えへへ、ごめんなさい。私なんかが生意気言っちゃいましたね」
小鳥「……ううん、そんなことはない。ありがとね、春香ちゃん」
小鳥「でも私だってもちろん、今とっても幸せなのよ? だって今では昔と違って、みんながこーんなに……」
春香「そうじゃなくてぇ~!」
小鳥「……はい。そうよね、言いたいことはなんとなくわかります……」
小鳥(そりゃあ私だって、『私だけの幸せ』を見つけたいっていう気持ちは山々なんだけど……)
小鳥(でも、アイドルのみんな以外のことで、幸せなんて……)
小鳥(……忙しくて、最近はあんまり……、考えてなかったかな)
春香「おっとと、そんなこと話してる間に、また時間が……」
小鳥「ああっ、ごめんね、私もつい話し込んじゃって……終電、間に合う?」
春香「えへへっ、さすがにそこまで田舎じゃありませんよぅ」
パタパタ……
春香「……今日はなんだか、とっても良い夢が見れそうな気がしますっ!」
春香「それじゃあ小鳥さん、また明日……」
小鳥「うん、また明日ね。家に帰ったらゆっくり休むのよ」
春香「はーい!」
──バタン
小鳥「……」
P「すぅ……すぅ……」
小鳥「……さて、と……」
小鳥(プロデューサーさんと、ふたりきりになっちゃいました)
小鳥(私たち以外は誰もいない、とても静かな事務所……)
小鳥(耳に入る音は、かすかに鳴るエアコンの駆動音と、プロデューサーさんの寝息だけ)
小鳥(……みんなには悪いけど、いまだけは私がプロデューサーさんを独り占め?)
小鳥「……なーんてね」
小鳥「毛布、どこにやったかしら? えーっと……確かここの棚に……」
ガサゴソ……
小鳥「……あ。あったわ。そーっと、そーっと……」
ファサッ
P「……うぅん……」モゾモゾ
小鳥「……ふふっ。まるで美希ちゃんみたいね」
* * *
小鳥「窓際に……こんな感じかしら」コトッ
小鳥「……うん、良い感じじゃない! やっぱりお花がひとつあるだけで、さわやかな事務所っぽくなるわねー」
P「あははっ……!」
小鳥「!」ビクッ
P「……やったな、はるかぁ……合格だ……」
小鳥「え? 合格?」
P「オーディション……この調子でいけヴぁ……いふか……」
小鳥「…………」
P「……むにゃむにゃ……」
小鳥「……寝言?」
P「……すぅ……すぅ……」
小鳥「……どんな夢、見てるのかしら」
小鳥(でもきっと……素敵な夢ですね)
小鳥(プロデューサーさんが765プロダクションに入社してきてから、もうすぐ一年になります)
小鳥(それまでは皆、頑張ってはいるんだけど、なかなかアイドルらしい活躍が出来ていませんでした)
小鳥(あの頃はまだ余裕が無くて、律子さんも竜宮小町を担当するだけで手いっぱいだったし……)
小鳥(……春香ちゃんや雪歩ちゃんなんて、そのせいで……ひどく落ち込んでしまうこともあって……)
──────────────────────────────────────────────
……こんなんじゃ私達、毎日、なんのためにレッスンしてるのか……わかりませんよぉ!
やっぱりその……、私達がほっとかれるのは……将来性が無いから、でしょうか……?
──────────────────────────────────────────────
小鳥「…………」
小鳥(……ううん、でもそんなこと、もう関係ありませんね)
小鳥(だって、今ではもう、こんなに──)
小鳥「えっと、明日は……。真ちゃんが学園ドラマの収録に、竜宮小町が写真集の撮影……」
小鳥「雪歩ちゃん達が新曲プロモーションビデオ撮影に、美希ちゃんはファッションショーのリハーサル」
小鳥「千早ちゃんはミュージックプレーヤーの広告撮影……あと貴音ちゃんが、以前撮った化粧品CMの──」
小鳥(今では、壁にかかったホワイトボードが空白になっている日はほとんどありません)
小鳥(確かに、まだまだトップアイドルとして認められたというわけではないけれど……)
小鳥(765プロの全員が、みんな笑顔で……それぞれが持った大切な夢に向かって、まっすぐに歩き続けています)
小鳥(すべてはあの日、あなたが、ここに来た瞬間から……)
小鳥「……あなたの、おかげ」
P「……zzz……」
小鳥「あなたのおかげで……、いろんなことが、いろんな風に、変わっていったんですよ」
小鳥「プロデューサーさん……」
小鳥「……ありがとう……」
P「……zzz……」
小鳥「……なんてね。さ、私も残った仕事仕事、っと……」
小鳥(こういうことは、ちゃんと……起きているときに、直接伝えてあげないといけないわよね)
──────
────
──
小鳥「……くぁ~……肩凝るわぁ~」パキッポキッ
P「ずごごご……」
小鳥「あら、すごいいびき……。きっと本当に疲れが溜まっているのね」
P「……ぐがー……ぐごご……」
小鳥「……無理、しないでくださいねー……」ボソボソ
小鳥「……」
小鳥(……それにしても、こんなに無防備な姿を見たの、初めてかもしれないなぁ)
小鳥(よく考えたら今って、相当レアな場面に遭遇してるんじゃない!? よーし、写真撮っちゃおーっと♪)
カシャッ
P「……うん……」
小鳥「っとと……だめだめ、春香ちゃんも言ってたけど、音を立てちゃいけないのよね……」
P「んん……? ……うぅん……zzz……」
小鳥「……大丈夫みたいね、うん……」ドキドキ
────
──
小鳥「……くぁ~……肩凝るわぁ~」パキッポキッ
P「ずごごご……」
小鳥「あら、すごいいびき……。きっと本当に疲れが溜まっているのね」
P「……ぐがー……ぐごご……」
小鳥「……無理、しないでくださいねー……」ボソボソ
小鳥「……」
小鳥(……それにしても、こんなに無防備な姿を見たの、初めてかもしれないなぁ)
小鳥(よく考えたら今って、相当レアな場面に遭遇してるんじゃない!? よーし、写真撮っちゃおーっと♪)
カシャッ
P「……うん……」
小鳥「っとと……だめだめ、春香ちゃんも言ってたけど、音を立てちゃいけないのよね……」
P「んん……? ……うぅん……zzz……」
小鳥「……大丈夫みたいね、うん……」ドキドキ
小鳥(いつもはみんなを引っ張っていく、頼れるお兄さん。優しい眼差しでみんなを暖かく見守る存在……)
小鳥(……っていうのは、その……乙女フィルターによって美化されているのかもしれませんけど)
小鳥(こうやって寝ている姿は、こんなに……)
小鳥「……ふふふっ。まるで、子どもみたい」
P「……すぅ……すぅ……」
小鳥(……なんだか、懐かしいな)
小鳥(プロデューサーさんが765プロに入社してくる前の、あの頃のことを思い出しちゃう)
小鳥(確かあの日、騒ぎ疲れたみんなも……この机のまわりで、こんな風に眠っていて……)
小鳥「……」
スゥ……
────────────────────────
……いま輝く一番星 ひとつ夢を願った
だけど、今日もまた 終わってゆく……
────────────────────────
小鳥「……──♪」
小鳥「……小さくたって あの花の様に……」
P「……ん……?」パチッ
小鳥「星は光を咲かせてく──」
P「……」
────────────────────────
どうか 負けないで
自分を信じて 大丈夫だから……
────────────────────────
小鳥「……──♪」
P「…………」
P(……歌? 音無さん……歌ってるのか)
P(……なんていう歌だろう。なんだか、ホッとするな……)
* * *
小鳥「夢が朝になっても……覚めないなら……」
P「……」
小鳥「明日をむーかえー……え……え?」
P「……あ」
小鳥「……えーっと……」
P「お、おはようございます」
小鳥「ぷ、プロデューサーさんっ!?」
P「あの……是非、続けてください、歌」
小鳥「そそ、そんなこと、出来ないですっ!」カァァ
小鳥(ついつい、歌うことに夢中になっちゃって、起きてることに全然気づかなかった……)
小鳥(い、いつから聞かれてたのかしら!? うぅ、恥ずかしすぎてもうから揚げになりたい……!)
小鳥「……もうっ。起きてるのなら言ってくださいよぉ……」ジトッ
P「あはは、つい聞き惚れちゃって」
小鳥「ききほっ……!?」
P「音無さん、歌お上手なんですね。俺、知りませんでしたよ」
小鳥「…………」
P「ところで、いまの歌は──」
小鳥「ごめんなさい、プロデューサーさん」ペコリ
P「え? 何がですか?」
小鳥「だって……うるさくて、起こしちゃったんですよね」
P「いえいえっ! うるさいなんて、とんでもないです!」
P「むしろ耳に心地良くて、ずっと聴いていたくなるというか……」
小鳥「お、お上手ですね。でも私は、営業先の人でもないんですから、お世辞なんて……」
P「いや、そんなつもりはないんですって……」
小鳥「うぅ……」
小鳥(私、本当は、人前で歌なんて歌えないっていうのに……)
P「えーっと……あははは……」
小鳥「……」モジモジ
P「……あの、音無さん。これなんですけど」
小鳥「あ……毛布?」
P「音無さんがかけてくれたんですよね?」
小鳥「……ええ。風邪ひいちゃうと思ったから……」
P「ありがとうございます。暖かいです、とても……」
小鳥「……ふふっ、それなら良かったです」
P「……音無さんは、優しいですね」
小鳥「何を言っているんですか。これくらい、大したことではありませんよ」
小鳥(いつも頑張っているプロデューサーさんにしてあげられることは……)
小鳥(私には、これくらいしかありませんからね)
小鳥「あ、そうだ……私、コーヒー淹れてきますね。目が覚めますよ」
P「ああそんな、お構いなく。コーヒーなら自分で淹れてきますから」
小鳥「だめですよ、プロデューサーさんは休んでいてください。お疲れなんでしょう?」
P「でも……」
小鳥「いいからいいから、ね?」
P「……」
小鳥「最近忙しかったですし、休めるときくらい休まないと。ほら、その間に、お顔でも洗ってきてください」
P「……すみません、それじゃあ、お言葉に甘えます」
小鳥「はい♪ どんどん甘えちゃってください!」
【給湯室】
小鳥「……うぅ……」
小鳥(……なーにが、『はい♪』よ……)
小鳥(いまなら、穴掘って埋まりたいっていう、雪歩ちゃんの気持ちがわかるかもしれないわ……)
小鳥(プロデューサーさん、変な風に思わなかったかしら……?)
小鳥「……はぁぁ~……」
小鳥(……誰かに、こうやって歌を聴かれたのなんて……いつぶりだろう)
小鳥(…………)
『音無さん、歌お上手なんですね』
小鳥「……」
小鳥「……お上手なのはあなたのほうですよー……えへへ」
小鳥「……よーし、確かにさっきは、かなり恥ずかしかったけど……」
小鳥「これは名誉挽回、汚名返上のチャンスよねっ! いつまでもへこんでちゃダメだぞ、小鳥!」
小鳥「……んーっと、プロデューサーさんのコーヒーの好みは……」
小鳥「……」
トットット……
……コポ、コポポ……
小鳥(それに私は、プロデューサーさんよりも年上だし……)
小鳥(あの人にも、ちょっとはお姉さんっぽいところ、見せてやらないとね)
小鳥「これは名誉挽回、汚名返上のチャンスよねっ! いつまでもへこんでちゃダメだぞ、小鳥!」
小鳥「……んーっと、プロデューサーさんのコーヒーの好みは……」
小鳥「……」
トットット……
……コポ、コポポ……
小鳥(それに私は、プロデューサーさんよりも年上だし……)
小鳥(あの人にも、ちょっとはお姉さんっぽいところ、見せてやらないとね)
コポコポ……
P「……ふわぁ~……」
P(コーヒーの良い香りが、ここまで伝わってくる……)
P(さっきの歌について、結局詳しくは聞けなかったけど……まぁ、綺麗な歌声を聴けただけラッキーだったかな)
P(……しかし、寝てるところを見られるなんて、ちょっと恥ずかしい……)
……──♪
『……いつも ありがとう 頑張って……♪ 胸が 詰まって言えない……──♪』
ヴーヴー……
P「ん?」
P(音無さんのデスクの上で、携帯が鳴ってる? この曲は……)
小鳥「……~♪」
コポポ……
……──♪
『いつでも 応援してるよと……伝えたいのに……♪』
ヴーヴー……
P「……」
P(……音無さん、携帯が鳴ってることに気付いていないみたいだな)
P(ま、言わなくてもそのうち気付くだろう。人のプライベートを詮索するのもあれだし……)
P(……顔洗ってこよう)
>>43ちょい訂正
コポコポ……
P「……ふわぁ~……」
P(コーヒーの良い香りが、ここまで伝わってくる……)
P(さっきの歌について、結局詳しくは聞けなかったけど……まぁ、綺麗な歌声を聴けただけラッキーだったかな)
P(……しかし、寝てるところを見られるなんて、ちょっと恥ずかしい……)
……──♪
『……いつも ありがとう 頑張って……♪ 胸が 詰まって言えない……──♪』
ヴーヴー……
P「ん?」
P(音無さんのデスクの上で、携帯が鳴ってる? この曲は……)
P(……『さよならをありがとう』……春香の歌だ)
コポコポ……
P「……ふわぁ~……」
P(コーヒーの良い香りが、ここまで伝わってくる……)
P(さっきの歌について、結局詳しくは聞けなかったけど……まぁ、綺麗な歌声を聴けただけラッキーだったかな)
P(……しかし、寝てるところを見られるなんて、ちょっと恥ずかしい……)
……──♪
『……いつも ありがとう 頑張って……♪ 胸が 詰まって言えない……──♪』
ヴーヴー……
P「ん?」
P(音無さんのデスクの上で、携帯が鳴ってる? この曲は……)
P(……『さよならをありがとう』……春香の歌だ)
* * *
小鳥「はい、どうぞ」コトリ
P「すみません、いただきます」
ズズッ……
P「はぁ……あったまるなぁ」
小鳥「…………うふふっ」
P「ん……?」
小鳥「おっと……」サッ
P「どうしたんですか、そんなにニコニコして」
小鳥「い、いえっ!」
小鳥(私としたことが……お姉さんっぽく、お姉さんっぽく……)
P「俺の顔、よだれか何かついてますか? さっき顔洗ってきたんだけどなぁ」ポリポリ
小鳥「そういうわけじゃないんですけど……えーっと、ただ、その……」
P「ただ……なんですか?」
小鳥「……とっても美味しそうに飲んでくれてるな、って思って……」
P「…………」
小鳥「そ、それだけですっ!」
P「……実際、本当に美味しいですから。ありがとうございます、音無さん」
小鳥「…………」
小鳥「どういたしまして……えへへ」
小鳥(なーにがお姉さんっぽく、よ!)
小鳥(これくらいのことですぐ慌てて顔に出しちゃって、情けないったらないわ、もう!)
小鳥(……と、内心思っています……。顔は言うことを聞いてくれないみたいですけどね)
小鳥「……おいPIYO、きさま話をきいているのか……うぅー……」ペチンペチン
P「……何やってるんですか?」
小鳥「おほほ、ちょーっとたるんだこの体とこの顔に喝を入れているんですよ」ペチンペチン
P「音無さんは、全然たるんでるようには見えませんけど……」
小鳥「え……」ペチ……
P「あ、ああいや、そりゃあ、体を見たことはないですけどね! あははは……」
小鳥「んなっ、なにを言ってるんですかっ!?」
P「す、すみません……」
小鳥「……もう、恥ずかしい……」
小鳥「……」
小鳥「……ふふふ……♪」ペチペチ
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