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元スレ小鳥「まるで、花が咲くように」
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『俺は、音無さんの歌、好きですよ』
小鳥(あなたは、私の歌を、好きだと言ってくれて)
『外回りが終わって事務所に帰ってくるとき、何を楽しみにしてるかといったら、これですね……』
小鳥(あなたは、私が淹れたコーヒーが最高だって、褒めてくれて)
『……こんな夜に女性をひとりで帰らせるなんて、男として格好がつきません』
小鳥(あなたは、アイドルのみんなのことだけじゃなくて、私のことも気遣ってくれて……)
ガタンガタン……
ガタンガタン……
小鳥(──そして、私は……)
小鳥(今頃になって、ようやく気付けたことだけど……どうしようもなく、この胸が痛んでしまうくらいに)
小鳥(そんなプロデューサーさんのことが、大好きで……!)
ガタンガタン……
ガタンガタン……
小鳥「…………」
小鳥(……プロデューサーさんに、メールでも送ってみようかな)
小鳥(この気持ちをありのまま伝えるのは、まだ恥ずかしいけど……)
小鳥(でも今は、少しでも……どんなカタチでもいいから、あの人と繋がっていたいから)
パカッ
…………………………
メール着信:1件
…………………………
小鳥「……あら?」
小鳥(メール? いつの間に来ていたのかしら。えっと……誰からだろう)
ピ、ピ……
小鳥(……春香ちゃん?)
小鳥「…………」
ピッ……
………………………………………………………………………………………………
From:春香ちゃん
Sub:ファイト!
春香です。小鳥さん、今日もお疲れ様でした。
えっと…、とくに用事があったってわけじゃないんですけど、
なんとなく小鳥さんに、これを伝えたくて、メールしちゃいました。
さっき、小鳥さんが帰ってくる直前の話なんですけど、
プロデューサーさんってば、寝言で小鳥さんの名前を呼んでたんですよ♪
…私、ずっと一緒だったから、なんとなくわかるんです。
プロデューサーさんはきっと、小鳥さんのことを特別に思ってるって…。
あっ、もちろん、私の勘違いってこともあるかもですけど…それだったらごめんなさい。
とにかく!私は、プロデューサーさんのことも小鳥さんのことも、大大大好きだから、
ふたりには絶対、ぜぇ~ったい! 幸せになってもらいたいって思うんです!
なーんて…えへへ。
こんなの私が言うまでもないことで、余計なお世話になっちゃうかもしれないですけどね。
でもでも…、とにかく小鳥さんっ!
ファイトですよっ、ファイトっ!
春香より
………………………………………………………………………………………………
小鳥(……プロデューサーさんが、私のことを……とか)
小鳥(春香ちゃんが送ってくれたこのメールに書いてあることが正しいかなんて、今の私にはわからない)
小鳥(でも、とにかく今は……もっと、考えないといけないことが、ある気がする……)
『はいっ、平気です! えへへ、私、こういうの慣れてますからっ!』
小鳥(……事務所のドアでぶつかった、あのとき……春香ちゃんの目、少し赤くなっていた……)
『ご、ごめんなさい、私ったら……ずびっ』
小鳥(それに、そのあとも……いつもより涙もろい、っていうか……)
『私……いま、とっても幸せです』
『大好きなみんなと、毎日楽しく過ごせて……これ以上の幸せは、お腹いっぱいで入らないってくらい』
『……だから……小鳥さんも、絶対、幸せになってくださいねっ!』
小鳥「…………!!」
小鳥(……私の胸の中に、また、たくさんの想いが湧き上がってきました)
小鳥(その気持を整理して、うまく言葉にすることは、今の私にはとても難しくて……)
小鳥(言葉にするまでもないとか、言葉だけでは伝えられない気持だって、きっとここにはあるけれど)
小鳥(……だけど、いますぐに言葉にして伝えたい気持だって、確かにこの胸の中にある)
小鳥(……もしも)
小鳥(もしも、もう一度、あなたに会えるなら……たった一言、伝えたい)
小鳥(涙を我慢しながら、それでも私に『幸せになってください』と言ってくれた、あなたに……)
小鳥(……ありがとう、って……)
『次は~、○○駅、○○駅……お降りのお客様は……』
小鳥「……っ!」
ガタンガタン……
ガタンガタン……
──────
────
──
プォォ──……
小鳥「プロデューサーさん。いま、どこにいますか?」
P『……え? どこ、って……』
ガタンガタン……!
ガタンガタン……!
小鳥「もう、家に着いてしまいましたか?」
P『いえ……、まだ、帰り道の途中です』
小鳥「そうですか……良かった」
P『というか音無さん、いま電車の中にいるんじゃないんですか? 電話なんて……』
小鳥「……実は、途中で降りちゃったんです」
P『降りたって、一体どうして?』
小鳥「……あなたの声が聞きたくて」
P『……』
小鳥「……ここは、とても寒いです」
P『……音無さん……』
小鳥「もうすっかり慣れてしまったと思っていたけど、ひとりでいることなんて平気だと思っていたけど」
小鳥「本当は決して……そんなことはありませんでした」
P『…………』
小鳥「あたたかさを覚えてしまったぶん、寒さは、より一層強く感じてしまうんです」
小鳥「……だから、私はいま……」
小鳥「私は、いま、すぐにでも……あなたに会いたい」
P『……待っています。さっき別れた、あの場所で』
小鳥「……ごめんなさい。こんなわがままを言ってしまって」
P『いいんですよ。だってそれは、俺も一緒だったから』
小鳥「え? いっしょ?」
P『……俺も、あなたにもう一度会いたいと思っていました。だから……』
小鳥「……!」
P『だから、いつまでだって、待っています』
小鳥「……はい!」
* * *
小鳥(……その場の雰囲気とかで、妙にテンション上がっちゃうことってありますよね)
小鳥(さっきはつい、気持ちが盛り上がって、あんな感じに言えちゃったけど……)
小鳥「……あ、あの……」
P「……」
小鳥「お待たせしました……」モジモジ
P「い、いえいえ! 俺も、いま着いたところですから」
小鳥(電車で折り返して、ちょっと時間が経ってしまった今となっては……)
小鳥(プロデューサーさんと顔を合わせるのが……、とても恥ずかしい……!)
小鳥(さっきまでの私はどこに行ったのよ!)
小鳥(っていうか! よく考えたらさっきの電話ほぼ告白みたいなものだったじゃない何考えてるのよ!!)
小鳥「うぅ……」
P「……音無さん」
小鳥「ひゃいっ!?」
P「その……いやだったら言ってくださいね」
小鳥「え……?」
ぎゅっ……
小鳥「……!」
小鳥(──プロデューサーさんが繋いでくれた手は……)
小鳥(冬の寒さのせいで、とても冷たくなっていました)
小鳥「……うそばっかり」
P「え?」
小鳥「いま来たところ、って……」
P「……あはは」
小鳥(きっとあの電話のあと、すぐに駅まで戻ってきて、私のことをずっと待っていてくれたんでしょう)
小鳥(……本当に、冷え切っている。……でも……)
ぎゅぅ……
P「!」
小鳥「……いやなわけ……ありませんよ」
小鳥(でも……そんな冷たくなった手だからこそ、プロデューサーさんのやさしさを感じて)
小鳥(そのやさしさに包まれて……私の心はいま、こんなにも……、あたたかいです)
小鳥「……あの、私……プロデューサーさんに伝えたいことが、たくさんあるんです」
P「……はい」
小鳥「そ、その中には……たぶんもう伝わっちゃってるんじゃないかな? って思うこともあるんですけど……」
小鳥「……こんな状況ですし」
ぎゅぅ……
P「……」
小鳥「それでもやっぱり、ちゃんと言葉にしたくて……考えてきたんです、電車の中で」
小鳥「……だ、だけど……!」
P「え……?」
小鳥「……今、あなたの顔を見たら……ぜんぶ、空の向こうに吹っ飛んじゃいました。えへへ……」
P「あ、あはは……そ、そうですか」
小鳥「……ごめんなさい」
P「い、いやいや! 良いんです! 謝らないでくださいっ!」
小鳥(それから私たちは、どちらからともなく、どこへ向かうかも決めないまま、歩き始めました)
小鳥(この右手に、あなたの左手のぬくもりを感じながら……)
小鳥「……プロデューサーさん、ごめんなさい」
P「あはは、だから謝らなくていいですってば」
小鳥「そうじゃなくて、えっと……時間のことです」
P「時間?」
小鳥「さっきは私、自分で『私のせいで帰りを遅くさせるわけにはいかない』みたいなこと言ったのに……」
P「ああ……そんなこと、気にしないでいいですよ。遅くなるのは慣れっこですからね!」
小鳥「……」
P「それに、隣に音無さんがいてくれるなら、俺の体力はどんどん回復していくくらいですし!」
小鳥「! も、もう……またそんな、適当なことを言って……」
小鳥(きっと、どこへ向かったっていいんです。今の私たちにとっては、場所なんて関係ありません)
小鳥(そこに、あなたと私さえいれば……それだけでいい)
……──♪
小鳥「……あ。プロデューサーさん! あれ、見てください!」
P「え?」
小鳥「ビルの屋上。ほら、画面に映ってますよ!」
小鳥(……でも、やっぱり、なんですよね)
小鳥(やっぱり、私たちが行き着くところ──それは)
P「ああ、あれは……貴音ですね」
小鳥「ふふっ、可愛い……!」
小鳥(私たちの大好きなアイドルの笑顔が、あるところ……)
……──♪
『ねえ いいかな ずっと願い続けてて──』
『そっと……話しかけたい どう転んでも あなたが好き!』
P「……」
小鳥「……」
小鳥(街を行く私たちの目に飛び込んできたのは……)
小鳥(ビルの屋上に設置された電光掲示板から流れる、とある化粧品のCMでした)
小鳥(イメージガールは四条貴音ちゃん。そしてタイアップ曲は、フラワーガール)
小鳥(ちなみに、貴音ちゃんが妙な目覚め方をしてしまったという、あのCMのことです……)
……──♪
『夢の中で また包んで ねぇ もう……』
『花になりたい……グっと あふれ出す思い──』
小鳥「……不思議ですよねぇ」
P「不思議って?」
小鳥「貴音ちゃんって、普段はあーんなにクールで、ミステリアス美女! って感じなのに……」
小鳥「歌えと言われれば、ああいう可愛い歌もばっちり歌いこなせちゃうんだから」
P「ああ、なるほど……でも、むしろ俺は、ああいうキュート路線こそが、貴音の本当の魅力なんだって思いますよ」
小鳥「あら、そうですか? 私はもっとこう、『雪歩、タイが曲がっていてよ』的な貴音ちゃんのほうが」
P「へ? タイ?」
小鳥「……はっ! い、いいえっ、なな、なんでもありません!」
小鳥(だめっ! だめよ小鳥ぃぃ!)
小鳥(いまは、いまだけは、そういうあれじゃないんだから……!)
……──♪
『開いてくの 本当の私の姿に……』
『手をつなぐの あと少し! 空に連れてって──♪』
小鳥「……あは、あはは……はぁ」
P「……まるで」
小鳥「え?」
P「花が咲いているみたいだって思いませんか? あのCM……」
小鳥「……ふふっ、たしかに、そのとおりですね」
P「貴音、どこか吹っ切れたかのように楽しそうだ……」
小鳥「本当に……たくさんの貴音ちゃんが狂ったように踊っていて、まるで花の妖精みたい」
小鳥(ちなみに……)
小鳥(雪歩ちゃんはそのCMを見るなり、貴音ちゃんのあまりの可愛らしさにびっくりして失神し、病院に運ばれました)
小鳥(まぁ、今はまったく関係のないことですけどね)
小鳥「……今ではもう、あの子達の笑顔を、テレビや雑誌で見かけない日はありませんね」
P「ええ。アイドルの子達はみんな、毎日頑張ってきましたから」
小鳥「みんなだけ、じゃない。プロデューサーさんも……でしょう?」
P「いやいや、そんな……俺はただ、あの子達のサポートをしただけですよ」
小鳥「またまた、ご謙遜しちゃって」
P「いやぁ、謙遜なんて……」
小鳥「……ふふっ、それでも私、思うんです。プロデューサーさんは、花咲かじいさんみたいだなって」
P「な、なんですか急に……まだじいさんなんて年じゃありませんよ」
小鳥「それはあくまでものの例え。……とにかく、そうなんですよ」
小鳥「だってあなたは、ずっと土の中にいて眠っていた、みんなの才能を芽吹かせてくれたんですから」
P「……」
小鳥「……それはまるで、花が咲くように」
小鳥「冬が終わり、春が訪れて……765プロには、多くの夢が花咲くようになりました」
小鳥「すべては、あなたが事務所のドアを叩いた、あの日から……いろんなことが、どんどん変わっていったんですよ」
P「……花、か。あの子達を表現するのに、その言葉はぴったりかもしれませんね」
小鳥「……プロデューサーさんっ!」
P「どうしたんですか?」
小鳥「ふふっ、私……、伝えたい言葉、やっと思いつきました!」
小鳥(それは……ずっと伝えたかった気持ち)
小鳥(私の胸に芽生えた、恋という感情とは……また、ちがう)
小鳥(けれど、とても大切な気持ち……)
小鳥(きっとみんなも、私と同じように、こう思っている)
小鳥(でもみんなと違って私には、こんなことを言うチャンスは、なかなか与えられないから)
小鳥(だから、いまこそ……あなたと少しだけ距離を縮められた、今日だからこそ)
小鳥(私は、この気持ちを……ちゃんと言葉にして伝えたい……)
小鳥「……プロデューサーさん」
P「……はい」
小鳥「765プロに来てくれて……私たちと、出会ってくれて……」
小鳥「たくさんの夢を叶えてくれて、応援してくれて……」
小鳥「……本当に、本当に」
小鳥「ありがとう……」
P「…………」
小鳥「……プロデューサーさん? 聞いてましたかー?」
P「……はい、もちろんです。でもそれは……俺なんかには、もったいない言葉ですよ」
小鳥「むむっ、私の精一杯の気持ちを否定するんですか?」
P「い、いやいや! そういう意味じゃなくて……だって、頑張ってきたのは決して俺だけじゃ……」
小鳥「……ふふふっ、冗談です」
P「冗談って……」
小鳥「あなたなら、きっと、そう言うと思っていました。私、ちゃーんとわかっているんですよ♪」
P「……!」
P(……そう言って、やわらかく微笑んだ音無さんは)
P(俺の立っている場所からは、たくさんの光に包まれているように見えて……)
P(それは、思わず再び心奪われて、言葉を無くしてしまうくらいに……とても綺麗だった)
P(……この気持ちを今、あえて言葉にするなら……それは──)
P「…………」
小鳥「プロデューサーさんって、いっつもそうですもんね。自分のことになると謙虚というか……」
P「……音無さん」
小鳥「はい、どうかしまし──」
ガシッ
小鳥「え? ぷ、プロデューサーさん……?」
P「……俺……!」
P「俺は、あなたのことが……、好きです」
小鳥「…………────!」
P「あのっ、実は俺っ……ひと目見たときから、ずっとあなたのことが気になってて……!」
P「それで、一緒に仕事をするようになってからも……あはは、こっそり律子に相談とかしちゃったりし」
小鳥「ちょ、ちょ、ちょっと! ちょっと待ってくださいっ! ストップストップ!」
P「でも……!」
小鳥「……こ、ここ街中っ!」
ざわ……
ざわ……
小鳥「その……人の目が、ありますから」
P「……あ」サー
小鳥「……もう一回、手……貸してください」
ぎゅぅ……
小鳥「こっち……ふたりになれるところ、行きましょう?」
【夜の公園】
P「……すみません、ちょっと暴走してしまいました」
小鳥「い、いえ……」
ドックン ドックン……
P「あの、音無さん……返事を、聞かせてもらえませんか?」
小鳥「え!? へ、返事って……!?」
P「……もう一度言います。俺、音無さんのことが、好きなんです」
小鳥「……!」
小鳥(……もう、なんというか……)
小鳥(この状況を考えれば、きっとプロデューサーさんも……って、思ってはいたけど……)
小鳥(……実際こうなってみると、なんにも考えられない……!)
P「……きっかけは、正直に言って……一目惚れでした」
小鳥「お、おおぅ……!?」
小鳥(そ、そしてなんか始まった……!!!)
P「……自己紹介のとき、音無さんはこう言いましたよね」
『あ、私のことはお好きに呼んでくださいね。小鳥ちゃんでも、小鳥姉さんでも。うふふ♪』
小鳥「あー……確かに、そんなことを言ったかもしれません……」
P「本当のことを言うと俺、もう思いっきり叫びたかったんです。下の名前で……」
小鳥「そ、それなら別に……呼んでくれても……えへへ」
P「こんな綺麗な女性を目の前にして、そんな慣れ慣れしいことが出来ますか……!?」ゴゴゴ
小鳥「え、え、ぇぇえぇ……!?」
P「……ごほん。失礼しました」
小鳥「…………」ドキドキ
P「……相手がアイドルなら、俺も、それなりに落ち着いて行動することができるんです」
P「でも、あなたはちがうから……だから、どういう距離感で接したらいいか判断するのが、難しくて……」
小鳥(き、綺麗って……綺麗って言った? 加齢じゃなくて?)
小鳥(私は……どうしたらいい? この胸の痛みをどうしたらいいのプロデューサーさん!?)
小鳥(指先がチリチリする。口の中はカラカラだ。目の奥が熱いんだ! ぴぃぃぃぃぃ!!)
P「……でも、本当に俺があなたのことを好きになったのは……もっと違う理由があるんだ」
小鳥「え……?」
P「俺は、あなたの生き方に、憧れたんですよ」
小鳥「……生き方?」
P「……音無さんと一緒に働くようになって、アイドルたちとも距離を縮めていって……」
P「そしたら俺、わかったんです。音無さんは、本当にアイドル達みんなのことを愛しているんだなって」
小鳥「……っ!」
P「……以前、春香に聞きました。まだ俺が入社する前の……あの日のこと」
小鳥「……それは……」
小鳥(……それはきっと)
小鳥(頑張っても頑張っても報われなくて、春香ちゃんたちがひどく落ち込んでしまった……あの日)
──────────────────────────────────────────────
……こんなんじゃ私達、毎日、なんのためにレッスンしてるのか……わかりませんよぉ!
──────────────────────────────────────────────
P「……あのとき、音無さんが、春香たちを慰めてくれたんですよね?」
小鳥「……慰めるだなんて……。私はただ、当たり前のことを言っただけですよ」
P「それでもです。それでも、確かに……春香たちは救われた」
──────────────────────────────────────────────
……そうしたら、小鳥さんは私たちにこう言ってくれたんです
『夢は、想い続ければ、必ず叶うから』、『私は最後まで、みんなを応援し続けるから』って……
──────────────────────────────────────────────
P「……春香は、あなたのその言葉のおかげで、そのときもう一度立ち上がれたんですよ」
P「ひとりでも、自分たちのことを見守ってくれる人がいる。それならその期待に、精一杯応えたいって……」
小鳥「……春香ちゃん……」
P「……いつだって一番にアイドルのことを考えて……、みんなが笑顔なら、いっしょに笑って」
P「みんなが悲しいなら、いっしょに悲しんで……」
小鳥「……!」
P「俺は、そんな風に生きるあなたの姿に……いつからか、本当に心惹かれていたんです」
P「……だから、俺と付き合って欲しい。ずっと、一緒にいてほしいって……そう思うんです」
小鳥「…………」
P「……どうでしょうか」
小鳥「……い、いまさら……」
P「え?」
小鳥「いまさら……返事が、必要ですか?」
ぎゅぅぅ……
小鳥「こんな……さっきから、手とかも繋いじゃってるっていうのに」
P「! そ、それじゃあ……」
小鳥「…………あ、うぅ、その……だから……!」
小鳥(一言……たった一言でいい)
小鳥(たった一言、『私も好きです』って、そう言えばいいだけなのに……)
小鳥(……いまの私には、それが……何よりも、難しい……!)
小鳥「……あの……うれしぃ、です……」ボソボソ
P「え?」
小鳥「だからっ! う、うれしいんですっ!」
P「!」
小鳥(『私も、プロデューサーさんのことが、大好きです』)
小鳥(『そして……私があなたに惹かれたのも……いまあなたが言ってくれたのと、同じ理由』)
小鳥(『みんなの為にいつだって一生懸命なあなたの姿を……ずっと見ていたいって思ったから。うふふ』)
小鳥(……そんな風に、頭の中では考えられるのに……! 心の中では饒舌なのに……!)
小鳥「……ぁ、の……──き……」
P「えっと……なんて?」
小鳥「すきっ! ……です。わたしも……あなたの、こと……はい……」
P「!!!!」
小鳥「お付き合い……できたら、私も嬉しいかなって……うん」
小鳥(現実の私が言えるのはこれが精一杯!!!!)
P「音無さ──」
小鳥「……っ!」タッ
ぎゅぅぅぅ……!
P「っ!?」
小鳥「……見ないで、ください。きっといま、情けない顔……してるから」
P「……そんなことないですよ」
ぎゅっ……
小鳥「! う、うぅ……!」
P「……」
小鳥「……すき……すきすき、だいすきぃ……!」
小鳥「こ、こうやって抱きしめられるのが、嬉しくて嬉しくて、泣きだくなっぢゃうぐらい……!」
小鳥「わだしも……あなたのことが……だいずきですぅ……!!」
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