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    元スレ咲「え? どの学年が一番強いかって??」

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    151 = 72 :

    咲さんせめて最後3倍満ツモれてばな…

    152 :

    偶には窮地に追いやられガクブルする咲さんもアリだと思うのです

    153 :

    >>140
    何を根拠に言ってるの?
    照の時だってドラは玄ちゃんのところにしか来なかったのに

    154 = 1 :

    @実況室

    すばら「大将戦後半……全国選抜学年対抗戦……最後の半荘となりました。お三方、これまでの感想を含めて、この最後の戦いの見所をお聞かせください」

    「熱戦ばかりですばらしいの一言に尽きますが、私は、副将戦前半、うちの渋谷が奮闘していたのが印象的でした。実戦に勝る練習はないと言いますが、この対抗戦で一皮剥けた選手も多かったでしょう。
     先鋒戦後半の南浦選手、中堅戦後半の泉選手、副将戦前半の新子選手、大将戦前半の松実玄選手……若い世代が育つのは嬉しい限りです。ただ……個人的には、この場は三年選抜に意地を見せてほしいところです」

    すばら「なるほど。井上さんはいかがでしたか?」

    「見ていて飽きねえ戦いばっかだったと思う。人智を超えたような和了りを見せるやつ……それに必死で抗うやつ。たっぷり楽しめたぜ。観客席じゃなく、こうやって実況席から見るのもまた一味違って面白かったしな。
     ま、最後の半荘の結果がどうだろうとオレには関係ねえが、普通に行けば混成が逃げ切れそうな感じだよな。ま、なんにせよ、いい勝負になることを期待してるぜ」

    すばら「ありがとうございます。初瀬さんはいかがです?」

    初瀬「今日は……一局一局、一打一打から、勉強させていただきました。同世代のトップを走る方々の対局をこんな間近で見ることができて……本当に貴重な体験ができたと思います。
     敬遠していたオカルトにも少し耐性がつきましたし、この一日で私自身がとても成長できた気がします。いつか……今度は解説ではなく選手として、こういった大舞台に立てるよう……頑張りたいです。えっと……最後の半荘ですか。私は一年生の逆転を信じています」

    すばら「みなさんありがとうございましたっ!! それではっ!!! 最後の最後まで戦いを見守っていきましょうっ!!! この対抗戦は実況の花田煌と!!」

    「解説の弘世菫と」

    「同じく井上純と」

    初瀬「岡橋初瀬で」

    すばら「お送りしていますっ!!! すばらっ!!!!」

    155 = 70 :

    咲が精神揺さぶられると脆い面があるってのは原作でのマホとの対峙でわかるだろうに……

    156 = 1 :

    @対局室

    東家:末原恭子(混成チーム)

    末原「よろしくお願いいたします」

    南家:鷺森灼(二年選抜)

    「よろしくお願いします……」

    西家:竹井久(三年選抜)

    「よろしく」

    北家:原村和(一年選抜)

    「よろしくお願いします」

    すばら『最後の決戦……大将戦後半――開始ですっ!!!!』

    157 = 147 :

    飛び抜けたオカルトが居ないし末原ちゃんにもチャンスは十分あるな

    158 = 59 :

    あらたそ頑張れ

    159 = 1 :

    東一局・親:末原

    末原(さてと……とうとう始まってしもたな……漫ちゃん大爆発で手に入れたリード……二位の三年選抜との差は24000点ちょい……ハネ満直撃でひっくり返るこのリードを……守りきればうちらの勝ちや……)タンッ

    末原(言うても……そのリードを守りきるんが……どんだけしんどいことやら……いくら魔物はおらんっちゅうても……相手は準決勝で洋榎に競り勝った竹井久と……インターハイ決勝副将戦区間一位の鷺森灼……それにインターミドルの原村和……)タンッ

    末原(どいつもこいつもスターや……うちみたいな……無能力の凡人とは違う……ポッと出てサッとインターハイの決勝まで行ってまうような……カリスマを持った人間や……ま……やからって負ける気はないけどな……)タンッ

    末原(大体……この面子で公式戦の大将経験があるのはうちだけやろしな……リードを守るんも……ビハインドを取り返すんも……今まで何度もやってきた……! 名門・姫松の大将が……そう簡単に……トップを明け渡す思たら大間違いやで……!!)

    末原(さあ……ギアは最速や……! 逃げきったるで……!)タンッ

    「ロン……タンピン三色……7700です」

    末原「」

     末原、絶句ッ!!

    末原(ま……そういうこともあるわなっ!!!)

    和:82600・(7700) 灼:93900(0) 久:103300(0) 末:120200(-7700)

    160 :

    咲さんの魅力はオドオドしながら裏ではとんでもないエグいことをやってるところ
    原作みたいに咲の心理描写はない方が外野が静かだったかもしれんね

    しえん

    161 = 93 :

    末原さんが勝つな
    スパッツだし

    162 = 1 :

    東二局・親:灼

    (なんだかんだで……大将なんて大役を任されちゃったけど……大丈夫かな……まあ……やれることをやるだけだけど……)タンッ

    (ハルちゃん……見てるかな……? 私……なぜか大将やってるよ……おかしいよね……あんなこと言ってた私が……ここでこうして麻雀打ってるなんて……)

     ――回想・阿知賀女子麻雀部・二週間前――――

    晴絵「おっ、どうした、灼。今日は休みって言ったろ。昨日まで東京にいたんだ。少しは身体を休めろよ」

    「いや……なんか、落ち着かなくて。そういうハルちゃんこそ、なんで部室に?」

    晴絵「ま、私も落ち着かなくて……な。というのは嘘で、私ら教師は夏休みでも普通に仕事があるから学校に来るんだよ。今はお昼休み。部室の窓が開いてるのが見えたから、誰かいるのかなと思って来ただけ」

    「そう……」

     夏、祭りのあと。

     部室に舞い込む、風。

    163 = 1 :

    「ねえ、ハルちゃん」

    晴絵「ん?」

    「私、部活やめようかなって思ってるんだ」

    晴絵「驚いたな。どうして?」

    「元々……ハルちゃんのことがなければ、阿知賀で麻雀をしようなんて思わなかったし、玄が誘ってくれたから……まあ今年だけはって感じで入っただけだし。
     それに……まさか本当にインターハイにいけるとは……ハルちゃんが来るまでは……思ってなかったしね」

    晴絵「へえ……そうだったのか。なんか、意外だ」

    「別に……麻雀じゃなくてもよかったんだ。高校生のうちに一回くらいは部活をしてみたかっただけ。たまたま……小さい頃に麻雀を打ってて、多少腕に覚えがあって……それが玄たちの役に立つなら、そういうのもいいかなって。
     で……まあインターハイには出れたわけで……ハルちゃんと一緒に準決勝の壁も越えられた。もう……私がここにいる理由はないような気がする」

    晴絵「なるほど。燃え尽き症候群ってやつだ」

    「そうかも」

    晴絵「少し休めばまた打ちたくなるよ。麻雀、好きなんだろ?」

    「どうなんだろう……今はちょっとよくわからない」

     静寂を埋めるは、蝉時雨。

    164 = 120 :

    >>153
    長文書いてたらブラウザアプリ落ちたから端的にいうけど
    かじゅ・末原の戦績から見た支配に抗って技術で勝利することの不可能な世界観と、物語の展開上咲がどうあるべきかを考えればそうなる

    165 = 1 :

    晴絵「灼……私、来年、ここを離れるかもしれないんだ」

    「えっ?」

    晴絵「来年さ……半年くらいかけて大規模なプロアマ不問の世界大会が行われるんだ。今はチームに所属してない私みたいな一般人でも……国内予選さえ勝ち抜けば世界に出ていける。それに一緒に出ないかって……健夜さんが」

    「小鍛治プロと……一緒のチームで大会に出るの?」

    晴絵「そう。インターハイのあと、久しぶりに会って話をしたら、意気投合してさ。健夜さん……酔うとすごい面白いんだよ……まあそれはいいとして。健夜さんも、今年のインターハイの実況を通して感じることがあったみたい。
     それで、私や健夜さんの代で活躍した人で、プロにはならなかった昔のライバルに声を掛けて……五人のチーム作って……大会にエントリーしようって。ま、そうなると若い三尋木プロなんかは敵になっちゃうんだけどさ」

    「その大会に出るために……ハルちゃん、阿知賀の監督を辞めるの……?」

    晴絵「そういうことに……なるな。お前たちには……悪いと思ってる。今日も……実はさっきまでそのことで少し校長と話してたんだ。ここの顧問については……熊倉さんにお願いできないかな……って考えてる。
     もちろん、大会が終わって、再来年にはまた戻ってくるかもしれない……けど、その頃には……灼は卒業してるもんな……」

    「ハルちゃん……」

    晴絵「ごめんな……私……我儘ばかり言ってさ」

    「違うよ……ハルちゃん……! 私、嬉しい……! 私……ハルちゃんの麻雀してる姿が……好きだから。また……ハルちゃんの戦ってるところが見られると思うと……もう嬉しくて……!!」

    晴絵「泣くなよ……灼」

    「私……応援してるよ……ハルちゃんがどこに行っても……私……ずっと見てるから」

    166 = 1 :

    晴絵「ありがとう……。じゃあ……私も灼を応援していいか?」

    「え……?」

    晴絵「来年のインターハイ……主役は……三年のお前と玄だよな」

    「いや……だから……私は……」

    晴絵「私は……準決勝で負けた。お前らはそれを乗り越えた。県民未踏のベストフォーに辿り着いた。けど……結果は四位だったよな。清澄、白糸台、臨海……点差なんてあってないような接戦だったけど……それでも、表彰台には届かなかった……」

    「ハルちゃん……」

    晴絵「あのな、灼。お前が私のファンなんだとしたら、私は……お前ら阿知賀女子麻雀部のファンなんだよ」

    「何それ……どういうこと……?」

    晴絵「私はな……灼。お前らがトップに立つところを見てみたい。十年前は……お前が私を応援してくれた。今年は……一緒に戦った。だから……来年は……私にお前の応援をさせてくれないか?
     私に……阿知賀が全国優勝するところを……見せてくれないか?」

    「そんな……ハルちゃんにもできなかったこと……私には……」

    168 = 1 :

    晴絵「何言ってんだ。今年はできたじゃないか」

    「今年は……ハルちゃんがいたから……!」

    晴絵「私は何もしてないよ。それに……お前の周りにいたのは……なにも私だけじゃなかっただろ……?」

    「それは……」

     そのとき、部室の扉、開く。

    穏乃「ああああ!!? 灼さん!! それに赤土さんも!! なんだ……みんな考えることは一緒なんですねっ!!」

    「ハルエに灼……なにやってんの? 今日は部活休みじゃん」

    「憧ちゃん……それ、たぶん灼ちゃんたちの台詞……」

    「ホント……これじゃ休みにした意味なかったね」

     ワイワイガヤガヤ

    晴絵「灼……私はもう、お前らから十分に力をもらったよ。ありがとう。本当に感謝してる。だからさ……灼。来年は私のためじゃなく、自分のために打ってみろよ。高校生で……この仲間と麻雀が打てるのは……今だけなんだからさ」

    「ハル……ちゃん……」

     ――――――

    169 = 2 :

    もうこれはiPS力の強いほうが勝つな

    171 :

    >>164
    君にこのSSは合わないから

    とっととスレ閉じなさい。それが君の為だよ

    172 = 1 :

    (親リーね……大きそうな感じ……これは和じゃなくてもベタオリよね)タンッ

    ()ヒュン

    末原(頼むで……いきなり親っパネとかやめてや……!)

    (私個人の感情は……どうでもいい。そんなことより……私はあの赤土晴絵の後輩として……教え子として……阿知賀女子麻雀部の部長として……この場で麻雀を打ってる……!
     ハルちゃんの大ファンで……ハルちゃんの弟子でもある私は……いついかなるときも手を抜かない……!! 全力で勝つための麻雀を打つ……!! 私がここで腑抜けた麻雀を打って……赤土晴絵の名に瑕をつけるわけには……いかないから……!!)

    「ツモ……! メンピン一発ツモドラ一……4000オール……!!」

     灼、ストライクッ!!!

    (阿知賀の部長……筒子の多面張でツモることが多い子だったわね……来る牌がわかってるなら……リーチをかけて一発ツモを狙いやすい……私の悪待ちと違って色々なパターンがありそうだし……興味深い力よね……)

    末原(あ……あっという間にリードが一万点になってもうた……ごめん、漫ちゃん!!)

    (…………)

    和:78600(3700) 灼:105900(12000) 久:99300(-4000) 末:116200(-11700)

    173 = 153 :

    >>164
    >物語の展開上咲がどうあるべきか
    これはつまりただの脳内設定じゃん。
    主人公だから誰よりも強くあるべきって決めつけてるだけじゃん

    174 = 1 :

    東二局一本場・親:灼

    (阿知賀の鷺森さん……わざわざ待ちを筒子に寄せていった……決勝では……時々部長のように悪い待ちに取ることも多かった……まったく……理解できません)ヒュン

    (出和了り重視とか……悪い待ちのほうが相手の油断を誘えるとか……そんなのは……迷信です……たまたまそれで和了れたことが……記憶に残って……あたかも悪い待ちのほうが和了りやすいなんていう……間違った認識にすり替わる……。
     そんなこと……きちんと統計を取れば……わかることだというのに……)ヒュン

    (普通に考えれば誰にだってわかることです。
     悪形よりも良形のほうが……和了りやすいし打点も上がる。基本に忠実であること……確率に従順であること……期待値を計算して……その場の気分に左右されずに押し引き判断ができること……それが……勝つための最良の道なのです……)ヒュン

    (私には……牌の偏りも……幸運さえなくたっていい……悪い待ちのほうが勝てるとか……筒子待ちのほうが和了りやすいとか……そんなオカルト……要りません……!)ヒュン

    (テンパイ……ダマハネですか……なら……ここはリーチせずに待ちましょう……)ヒュン

     和手牌:11123一二三①②③⑦⑨:ドラ一

    175 = 120 :

    >>173
    逆転が可能な世界観なら確かに妄想だけどそういう世界観じゃないから必然
    スレチになるからこれ以上やるなら別スレ建てよか

    176 = 1 :

     一方、久ッ!!

    (和……あなたはよく……どんなに強い人でも負けることはあると言う……けれど……本当に強い人というのは……負けることを許されない。咲や宮永照がそうよね。
     それに……各校の三年生……今日うちのチームにいるような人たちも……みんな負けることが許されない立場にいた……)タンッ

    (あなたは強いわ……それはもう……この間のインターハイで証明された。その力は十分にチームを背負えるほどだと思う。咲や優希という仲間もいるしね。でも……三人とも……その心は……まだ……普通の一年生と同じ……隙だらけよ……)タンッ

    (今日は……できる限りいろいろなことを教えてあげるつもり……部内の練習とは違う……明確な敵として……あなたの前に立つ……美穂子が頑張って咲を凹ませてくれたんだから……私もこの子を凹ませないとね……)タンッ

    (と……八索ね……)

     久手牌:234[5]666789北北北:ツモ8:ドラ一

    (さあて……和。覚悟しなさい……今日は……あなたの心を揺さぶりに揺さぶってあげるわよ……!)

    「リーチ!」スチャ

    末原(来た……清澄の悪待ちや……! とりあえず……現物処理……!!)タンッ

    (清澄……憧を寄せ付けなかった清澄の部長……このリーチは危険……)

    (部長……手出しの赤五索でリーチ……? 何を狙っているんでしょう……理解に苦しみます)ツモッ

     和、ツモ、八索ッ!!

     和手牌:11123一二三①②③⑦⑨:ツモ8:ドラ一

     久手牌:2346667889北北北:ドラ一

    177 = 111 :

    そもそも咲にコピー能力ないですし

    178 = 1 :

    (部長には自ら待ちを狭くするという悪癖があります……結局……何度議論をしても平行線……この場も……たぶんそうなんでしょう。今は……部長の言う……『ここ一番』というときですからね)

    (まあ……悪待ちはさて置くとして……部長の平均打点は……清澄の中では優希に次いで高い……直撃はかなりの痛手になります。トップとの差は四万点近くありますから……できれば振り込みは避けたいところ……)

    (大将戦の難しいところですね。点数状況によって……目指すものが変わってくる……もちろん……今までだって何度もやってきたことです。半荘一回……トップをまくるのが絶望的なことも多々ありました。そんなとき……私はどうやって打っていたか……)

    (この手……この場面……当然押します。誰が相手でも……私はここで突っ張るでしょう……相手が部長であることは……計算には何も関係ありません……!)タンッ

     和、打、八索ッ!!

    「それよ、和」

     久、微笑ッ!!

    「ロン……リーチ一発混一……裏三……16000は16300……!」パラララ

     久手牌:2346667889北北北:ロン8:ドラ一・8

    末原(危なー!! ぎりぎりトップ死守ーーー!!!)

    (その手で赤五を切るとか……異常……)

    179 = 153 :

    >>175
    スレチだし、めんどいから最後に言わせてもらうと

    お前があげてる試合って物語の展開上絶対に負けられない試合なわけじゃん
    そうでない合同合宿でのムロマホと打った局とか咲さん普通に和に負けてるし

    180 = 171 :

    >>175

    >逆転が可能な世界観なら確かに妄想だけどそういう世界観じゃないから必然

    いやこれ2次創作なんですけど。
    どんな世界観かは、1が決めるものであって君が脳内設定できめるものではない

    181 = 1 :

    「はい……」チャ

    「へえ……和、振り込んでも動揺なしってわけ?」

    「……対局中ですよ、部長」

    「あぁあ、大事な点棒を取られちゃったわねぇ」

    「……これくらいはよくあることです。放銃率がゼロになることはありません。私にできることは、ただ、それをできる限りゼロに近づけるよう努力することだけです」

    「でも、その八索、私の打ち方を知っている人ならきっと振り込まないわ。私を相手にスジで突っ張るなんて……あなた、何を考えているの?」

    「色々なことを考えています。今回は点差状況的に突っ張る場面だったから突っ張っただけのこと。なんですか……? こんな偶然を取りあげて、私にオカルトを認めさせるつもりですか?
     たまたま部長が待ちを悪く取った。たまたまその直後に私が振り込んだ。だから……部長は待ちを悪くするほうが強い? そんな論理はありえません」

    「そうよね。誰が相手でも和は和の麻雀を打つだけだものね」

    「……なんですか」

    「放銃率がゼロになることはない……どんなに強い人でも半荘一回なら負けることもある……あなたがそう考えたいなら、お好きにどうぞ。大好きな咲にも……そうやって報告するといいわ。
     ごめんなさい、絶対に勝つって約束したけれど、今回はたまたま負けてしまいました、ってね」

    「…………意味のない私語はそれくらいにして、早くサイコロを回してください」

    「あら……ごめんなさい」

    末原(うわあああ……感じ悪っ!!)

    (清澄の部長……あまりにわざとらしい挑発……何を考えてる……?)

    182 = 1 :

    和:62300(-12600) 灼:105900(12000) 久:115600(12300) 末:116200(-11700)

    183 :

    のどっちはなぁ オカルト認める柔軟があればもっと伸びるんだろうけどなぁ

    184 = 1 :

    東三局・親:久

    「ねえ……和」タンッ

    「…………対局中です、部長」タンッ

    「和の中学……高遠原よね……どうして……団体戦では予選敗退しちゃったの?」タンッ

    「部長、私語は慎んでください」タンッ

    「ムロちゃんにマホちゃん……合宿で会ったけれど……とてもいい後輩じゃない。そこにあなたと優希がいて……なんで勝てなかったのか。不思議でならないわ」タンッ

    「部長」タンッ

    「特にマホちゃん……あなたも見たでしょ……合宿での嶺上開花……あれだけの力を持った子がいて……あなたが教えたのは……安直なカンはしないほうがいい――なんて一般論だけだったの……? そりゃ……勝てないはずよね……」タンッ

    「いい加減にしてください、部長。それ以上は失格になりますよ」タンッ

    「そうね。じゃあ……ここからは静かに和了りを待とうかしら。リーチ……」チャ

    (部長……どういうつもりですか……)タンッ

    末原(なんやこの雰囲気……華の大将戦がまさかの泥仕合やで……)タンッ

    (意図……不明……)タンッ

    185 = 1 :

    ()タンッ

    「ロン。タンピン赤一……3900」

    「(ん……刺されちゃったか……なかなか思い通りには打たせてくれないわね……)……はい」チャ

    (よし……これでトップまであと六千点もない……ひっくり返してやる)

    末原(や……やばいで……他人に気を取られてる暇はあらへん……なんとかせな……!)

    和:62300(-12600) 灼:110800(16900) 久:110700(7400) 末:116200(-11700)

    186 = 40 :

    ちょっとの間にレスが溜まってる支援

    187 = 1 :

    東四局・親:和

    (中学……団体戦ですか……)ヒュン

     ――回想・高遠原中学麻雀部――

    「マホちゃん……さっきから変な打ち方してますね。なんでわざわざ打点を下げるようなことを?」

    マホ「えっ……? いや……テレビ見てたら……宮永照さんって人が連続和了をしてたのです。こうやって安手からどんどん手が高くなるのですよ!? すごくないですか!?」

    「そんなのはたまたまです。高い手を張ってるのにわざわざ安くする人がいますか。普通に打ちなさい、普通に」

    マホ「は……はぁい……」

     *

    「優希、南場になって集中を切らすのは悪い癖ですよ」

    優希「そんなこと言われたってのどちゃん、私は天才型だから仕方ないんだじぇー!」

    「じゃあ……南風戦をやりますか」

    優希「えっ?」

    「東場で集中力を使い果たすというのなら、これからは南風戦で練習しましょう。それなら、対局の最初から南場です。いつも通りに打てば、集中力が切れるなんてことはありえません」

    優希「タ……タコスが足りないじょ!!」

    188 :

    >>183
    和は余計な情報を絶つことで打牌ミスをなくすようになってるから
    オカルト認めるとむしろ弱くなると思う

    つーか期待値込みの最高率見込んであの速さで打てるとか
    ある意味和が一番のオカルトだよな

    189 = 1 :

     *

    ムロ「先輩……あんまりマホにきつく言わないでやってください。あいつもあいつで頑張ってるんです。ただ……ちょっとマホは真似たがりっていうか、そういう性格なんですよ」

    「性格は関係ありません。それよりも、マホちゃんは初心者なんです。初心者のうちから変な癖をつけると、あとから直すのが難しくなってしまいます」

    ムロ「もちろん、それはわかってるんです。わかってるんですけど……もう少し……あいつの気持ちを……憧れを……認めてやってもらえませんか……?」

    「…………善処します」

     *

    優希「あう……負けちゃったじぇー……」

    マホ「ご……ごめんなさい……マホがいっぱい点棒取られちゃったからなのです……」

    ムロ「いや……和先輩以外はみんなマイナスだったから……マホだけのせいじゃないよ……」

    「ただいま戻りました」

    優希「おう、和ちゃん。大将お疲れだじぇ」

    マホ「ううう……和先輩……ごめんなさい……マホが負けちゃったから……」

    ムロ「あと一歩でしたね」

    「…………」

    ムロ「ど、どうしました、和先輩?」

    190 = 1 :

    「優希」

    優希「ん。なんだじょ」

    「南場で負け過ぎです」

    優希「じょ!? のどちゃん、もう反省会モードか!?」

    「それからマホちゃん、どうしてあんな早打ちをしたんですか。あれではミスが出るのが当たり前です」

    マホ「う……すいませんなのです……」

    ムロ「マ、マホは和先輩みたいに打ちたかっただけなんですよ……!」

    「ムロちゃんは突っ張り過ぎです」

    ムロ「そ……それは……マホの取られちゃった点棒……取り返したかったから……すいません!」

    「…………」

     ――――――

    (確かに……私は……チームをまとめたり……人を成長させたり……そういうことはまったくできませんでしたね……)ヒュン

    191 = 1 :

    (思えば……部長は私に色々なことをしてくれました。藤田プロと戦わせてくれたのも部長……エトペンを持たせてくれたのも部長……ツモ切り動作を訓練しろと言ったのも部長。
     まったく意味がわかりませんでしたが……結果的に……私は中学の頃よりずっとミスなく打てるようになりました。部長がいなかったら……私の麻雀は……高校レベルでは通用しなかったかもしれません……)ヒュン

    (来年……来年になったら……後輩が入ってきます。そのとき……私は後輩たちに……何を教えられるでしょうか。優希やマホちゃん……或いは玄さんみたいに……変な癖のある子が後輩になったら……私はそれを矯正するでしょうか。
     例えば……もし咲さんのような後輩が入ってきたら……それでも私は……安直なカンはしないほうがいいと言うのでしょうか……)ヒュン

    (部長の言う通りですね……中学の団体戦……もし高遠原に部長がいたら……高遠原は全国に行けていたかもしれません。部長なら……優希やマホちゃんを上手く扱えたでしょう。
     私には……できなかったことも……部長なら……簡単にやってのけるんでしょうね……)ヒュン

    (と……いけません。対局中に余計なことを考えるなんて……私らしくないです。思考が鈍る……それこそ……部長の思惑通りです)ヒュン

    (誰が相手だろうと……どんな状況だろうと……私は私の麻雀を打つ……それだけです)ヒュン

    192 = 1 :

     ――――――

    ムロ「そ……それは……マホの取られちゃった点棒……取り返したかったから……すいません!」

    「…………わかってますよ」

    ムロ「えっ……?」

    「ムロちゃんが、いつもは甘い点差計算と点数計算をきちんとやって、その上で勝負を仕掛けていたのは、見ていてわかりました。苦しい場面だったのに……よく頑張ったと思います」

    ムロ「和……先輩……?」

    「それから……まあ、優希は東場では断トツでしたね。さすがです。南場でマイナスになったのは、対局前にタコスを食べ損ねたからですかね。いつもの優希なら勝っていたと思います」

    優希「のどちゃん……」

    「マホちゃんも、あの東一局の和了りは優希みたいでとてもよかったですよ。それに、一局だけ、きちんと場を見てオリることができていましたしね。マホちゃんはやればできる子です。もっともっと練習して……来年は……勝てるといいですね」

    マホ「和先輩……!!」

    「みんなが負けたのは……たまたまです。たった半荘一回ですから、負けることだってあります。けど……私が負けたのは……偶然でもなんでもなく、私自身がミスをしたせいです。取り返せなくて……ごめんなさい……」

    優希「の、のどちゃん……どうしたんだじぇ!? 妙にしおらしいじょ!! いつものツンとしたのどちゃんはどこへ!?」

    193 = 1 :

    「だって……だって私……もっとみんなと麻雀したかったのに。一回戦で負けるなんて考えてなくて……私が……最後……振り込まなければ……ちゃんと回していれば……勝てたのに……」

    ムロ「の、和先輩……!? そんな……泣かないでください!! 和先輩はこの試合で誰よりも稼いでいたじゃないですか……!? しかも……四位の断ラスで手が重くなりがちな状況で……他校の部長が勢揃いの大将戦でですよ……!!?」

    「状況は……関係ありません。相手が誰かも……関係ありません。私が……私がちゃんと私の麻雀を打てていたら……チームが負けることはなかったんです……」

    マホ「和先輩……! 一人で背負い込まないでください……!」

    「背負わせてください……私は……高遠原の大将です。そのくらいは……させてください……」

    優希「のどちゃん……」

    「みんな……ごめんなさい。私……練習では偉そうなことばかり言ってたのに……結局本番では……私が一番ダメな打ち方をしてしまいました。本当に……ごめんなさい」

    マホ「そんなことないですよ!! 誰がなんと言おうと和先輩が一番なんですっ!!」

    優希「そうだじょ! のどちゃんのおっぱいは世界一だじぇ!!」

    ムロ「胸は関係ないですよね……」

    194 = 1 :

    「とにかくです。私は高遠原の大将として……このまま終わるわけにはいきません。団体戦は負けてしまいましたが……とても楽しかったです。こっちに引っ越してきてから……またこうやって仲間と麻雀ができるようになるなんて……思っていませんでした。
     優希が私を誘ってくれなかったら、今頃私は……一人でネット麻雀ばかりしていたでしょう。ムロちゃんやマホちゃんがいなかったら……団体戦にはエントリーできませんでした。本当に……ありがとうございます。
     だから……私……みんなにちゃんと恩返しがしたいんです」

    優希「恩返しって……そんな大袈裟だじょ」

    「そんなことはありません。みんなは……私に麻雀の楽しさを思い出させてくれました。こんな気持ちは……小学生以来なんです」

    マホ「ど……どうするつもりなのですか……和先輩……?」

    「団体戦では負けてしまいました。けれど、一週間後には個人戦が始まります。私は……そこで全国に行きます。そして……みんながいるこの高遠原の名前を……知らしめてやります……!!」

    ムロ「全国……インターミドルチャンピオンになる……ってことですか……?」

    「はい。私なら……私がちゃんと私の麻雀を打てれば……それも不可能ではないと自負しています」

    優希「確かに! ネットの無敵天使・のどちゃんが降臨すれば全国優勝なんてちょろいもんだじぇ!!」

    「ちょろいかどうかはわかりませんが……。まあ……そういうわけで……これからもう少しだけ……私と一緒に麻雀を打ってください。お願いします……」

    マホ「よ……喜んでっ!!」

     ――――――

    195 = 1 :

    (全国で勝つために……私はベストを尽くさなければいけなかった……色々な打ち方をする人がいるネットの中で……安定して勝ちを重ねてきた打ち方……デジタル打ちが……私にとって最善の選択でした……今も……もちろんそれは変わっていません。
     誰になんと言われようと……私はこの打ち方を……改良することはあっても……放棄することはありません……)ヒュン

    (私は……後輩を育てることには向いてないのかもしれません。でも……マホちゃんみたいに……私に憧れてくれる子がいる以上……私は先輩として……負けるわけにはいかないんです。
     部長の安い挑発に乗って自分の打ち方を崩すような……そんな弱い私は……私ではありません……)

    「ロン。平和三色ドラドラ……12000」パラララ

    「……はい」チャ

    (この状況……その手でリーチをかけてこないのか……さっき直撃で凹んだばかりなのに……まったく焦りが見られない。決勝のときもそうだった……最後の最後まで……まるで機械を相手にしているみたいに……この人の考えてることがわからなかったっけ……)

    末原(連荘かいな……まあ……うちのとこ以外で点の移動がある分には構へんけど……)

    (さすが和……ブレないわね)

    「……一本場です……」コロコロ

    和:74300(-600) 灼:98800(4900) 久:110700(7400) 末:116200(-11700)

    197 = 1 :

    東四局一本場・親:和

    (困ったわね。和ったら、咲や優希よりよっぽど中身がしっかりしているわ……これは……ちょっと見くびっていたかしら。
     作戦変更ね……言葉で和を追い詰めても……この子は動じない。だったら……正々堂々……麻雀で和を追い込むしかないわよね……)タンッ

    (部長……今度はやけに静かですね。まあ……さっきのあれは……本心からの言葉ではないとわかっていましたけど。どうやら……どうにかして私を揺さぶりたいみたいですね。
     まったく……全国の人たちを巻き込んで……こんな大掛かりな大会を主催した理由が……大将戦で私と敵同士で打ちたかったからなんて……相変わらずやることが無茶苦茶です)ヒュン

    (けど……いい機会です。私も……部長の悪待ちについては……色々と思うところがあるんです。入部したての頃……そのことで衝突したら……部長は……いつも勝っちゃうから悪待ちをやめられないって言ってましたよね。
     なら……真っ向から打ち負かすまでです。悪待ちで勝てない相手もいるんだということを……私が証明してみせますよ……)ヒュン

    (さあ……張ったわ……まずはこれでトップをまくるとしましょう……)

    「リー……」

    「ロンです。七対子赤二……9600は9900」パラララ

     和手牌:一一二二[五]五6677⑤西西:ロン[⑤]:ドラ①

    198 = 1 :

    「(ちゃー……この子は本当に……なんの気配もなく和了ってくるんだから……戦い難さは咲以上よね……)……はい」チャ

    「……部長」

    「ん、どうかした?」

    「部長の考えていることはよくわかりませんが、赤五リーチなんてふざけた手が、二度も三度も通用すると思わないでください。
     さっき部長が私から直撃を取れたのは……あくまでたまたま。これが順当な結果です。部長の悪待ちなんて……ただの偶然でしかありません」

    「言ってくれるじゃない」

    「何度でも言います。それに何度も言ったはずです。そんなオカルトありえません」

    「オカルトはありえるわよ。私はね……清澄高校麻雀部で……ひたすら一人で悪待ちして……去年はまこを……今年はあなたたちを手に入れた。和、あなたは、私たちの出会いまで偶然で片付けるつもり?」

    「それと麻雀とは……話が別です」

    「いいえ、一緒よ。麻雀は人生の縮図だもの。百人いれば百通りの考え方や打ち方がある。私は……たった一回しかないこの人生……たった一度きりしかないこの勝負……確率と計算だけで乗り切ろうなんて思わない。
     あなたになんと言われようと……これが私らしさなんだもの、変えるつもりはないわ」

    「強情ですね」

    「お互いにね」

    199 = 1 :

    「…………わかりました。部長があくまで悪待ちをやめないというのなら、そんな非効率な麻雀を続けるというのなら、それでも構いません。私の勝率が上がるだけです。勝たせてもらいますよ。咲さんと約束しましたからね……絶対に勝つって」

    「ふふ……勝負に絶対はないんじゃなかったの?」

    「気持ちの問題ですから。現象としてありえないとわかっていても、信じることは自由です」

    「なら……その気持ち、へし折ってあげるわ」

    「お好きにどうぞ。三年選抜のみなさんには……そうやって報告したらいいと思います。すいません、後輩のことが気になって、勝負に集中できずに負けてしまいました、と」

    「生意気ね」

    「部長ほどではありません……では、二本場です……」コロコロ

    和:84200(9300) 灼:98800(4900) 久:100800(-2500) 末:116200(-11700)

    200 = 1 :

    東四局二本場・親:和

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    末原(ひゃー……さっきから清澄二人のやり合いがひど過ぎるで……完全に蚊帳の外やん、うち)タンッ

    末原(まあ……ようわからんが……なんや先輩後輩言うても色々な形があるってことやんな……清澄は清澄……うちはうちや。
     流れに呑まれてペース崩したらあかん……うちにはうちで……やらなあかんことがあるねん……オカルトがありえるとかありえへんとか……そんなんはどっちでもええ……認めようと認めまいと……魔物っちゅうんは確かにおるもんやし……)タンッ

    末原(一打一打に……気が抜けへん……インターハイの準々決勝や準決勝は……勝つことだけにがむしゃらやったからな……。
     今日は……勝つだけやあかんのや……そもそも……うちは……うちが勝つことにも……混成が勝つことにも……大して興味あらへん……うちが目指してるんは……たった一つ……)タンッ

    「リーチッ!!」スチャ

    末原(げ……もう言うてるそばから……どないしよ……洋榎はオモロいやつや言うてたけど……こんなんなんもオモロくないで……!)

    「チー」タンッ

    (一発消し……? いや……違うわね。この子……私より先に和了るつもりだわ……!)

    末原(原村……その鳴きやと次にあんたがツモるんは竹井の一発目やぞ……まあ……自ら進んで危なそうなところを抱えてくれるんやったら……有難いことやけど……)タンッ

    (原村和……インターハイの副将戦なら親でもオリていた場面なんだろうけど……今日は点数制限がある……多少の劣勢なら押してくる……ただ……その隙を見逃す竹井さんじゃないよね……)タンッ


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