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    元スレ咲「え? どの学年が一番強いかって??」

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    101 = 1 :

    「カンドラ……捲りますっ!!!」クルッ

     捲られたカンドラッ!!!

     ドラ表示牌は――二索ッ!!!

     即ち三索が……ドラッ!!!

     そして嶺上牌は――咲に見えていたものと同じ……!!!

     玄手牌:3333[5]5[⑤]五五[五]/1111:嶺上ツモ五:ドラ1・3

    「もいっこ……カンですっ!!!」パラララ

    美穂子・漫(松実玄の……連槓……!!?)

    (そんな……私の嶺上開花が……!!!)

    「カンドラ……二枚目っ!!!」クルッ

     ドラ表示牌――四萬ッ!!

     即ちドラは……五萬ッ!!!

     玄手牌:[5]5[⑤]五五[五]五/3333/1111:嶺上ツモ5:ドラ1・3・五

    102 = 1 :

    「まだまだ…………カンですっ!!!」パラララ

    美穂子・漫(三連槓……!!!!?)

    (やめて……それ以上……!! それ以上……私の嶺上牌を取らないで……!!!)

    「カンドラ……捲りますっ!!!」クルッ

     ドラ表示牌――四索ッ!!!

     カンドラ……五索ッ!!!

     玄手牌:[5]55[⑤]/五五[五]五/3333/1111:嶺上ツモ5:ドラ1・3・五・5

    「これが……最後です……!!! カンッ!!!!」パラララ

    美穂子・漫(四連槓……!!!!!!!?)

    「カンドラは……!!」クルッ

     ドラ表示牌――九索ッ!!!!

     即ち一索が……ドラッ!!!!!

     玄……全てのドラを抱え尽くすッ!!!

     玄手牌:[⑤]/5[5]55/五五[五]五/3333/1111:嶺上ツモ?
     ドラ1・3・五・5・1

    103 = 1 :

    「嶺上……ツモります……!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (やめて……! やめて……!! お願い……!!! 嶺上開花だけは……やめてええええええええ!!!!!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

     突如、巻き起こる、風ッ!!!!

     刹那、落ちる、稲妻ッ!!!!!

     瞬間、会場、暗転ッ!!!!

    美穂子(停電……!? これは……天江さんのあれと同じ……!!?)

    (な……!! なんや……何がどうなっとんのや……!!!?)

    すばら『た……対局者はそのまま動かないで……お待ちください……予備電源に切り替えますっ!!!!』

     間もなく復旧する電気ッ!!!

     果たして――松実玄の手にした嶺上牌は……!!!!

    104 :

    他人の能力コピーしといて自分の得意技はやめてとかもうね

    105 = 1 :

    「嶺上……ならずです……!!!」ゴゴゴゴゴゴッ

     玄手牌:[⑤]/5[5]55/五五[五]五/3333/1111:嶺上ツモ⑥
     ドラ1・3・五・5・1

    (よ……よかった……本当に……よかった……)クラッ

     咲、安堵ッ!!!

    「よかったです……本当に……よかった……!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

     玄、同じく安堵ッ!!!

    (え…………よかったって……何……が…………?)

    「これくらいじゃ……まだまだです……!! まだ……全部を抱えてない……!! だって……ドラは……あと半分あるから……っ!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

     玄、点棒箱を開き、発声ッ!!!

    「リーチですッ!!!」スチャ

     玄、嶺上牌切りリーチッ!!!

    (ドラ……全部……私のところに来て……!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    106 = 1 :

    (い……意味わからへん……!! なんや……さっきまでの宮永咲の連荘が……可愛く思えてきたわ……!!)

    (ツ……ツモなんて……させない……! 松実さんがツモるより前に私が西カンすれば……今回のルールでは……その瞬間に場が流れる……!! それで……次局こそ……次こそ私が嶺上開花を和了るんだ……!!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

     玄のリーチにうろたえる漫、闘志を剥き出しにする咲ッ!

     一方、美穂子の顔には、微笑ッ!!

    美穂子(四暗刻四槓子でリーチって……本当に……ドラのことしか考えてないんだから。けど……その頑張り……流してしまうには少しもったいないわよね……いいわ……今回だけは……特別……協力してあげる……!)

    美穂子「……チー」タンッ

    (!!!!!?)

    美穂子(宮永さん……いかにも次巡で暗槓しそうな顔をしていた……さすがにそれで流してしまうのは……この場は惜しいわ……)

    (ふ……福路さん……!! まさか……松実さんのアシストをして……私を削るつもり……!!!? で……でも……その鳴きじゃ……私のツモるはずだった西が……松実さんの手に入る。
     当然松実さんはそれを捨てるから……私はそれを大明槓すればいいだけ……その瞬間に場は流れる……その鳴きでは……私のカンを止められないはずだよ……!!!)

    107 :

    もう20万文字越えてるんじゃない?

    108 = 25 :

    5つ目のカンが認められるルールは聞いたことないんだが

    109 = 1 :

    美穂子(そうね……私の鳴きでは……宮永さんのカンを止められないかもしれない。けれど……忘れたの……? 松実さんのドラ独占能力は……宮永さんの見えている嶺上牌を……槓材を……捩じ曲げるほどの支配力を持っている……!!)

    (ま……まさか……!? 私の見えていた西が……鳴いてツモ順が変わったから……松実さんがツモる位置に来たから……西がドラに置き換わるなんて……? ありえるの……!?
     嘘……嘘だよ……そんなの……私が嶺上開花どころか……カンもできないなんて……!!!)

    美穂子(どうなるかは……ツモってみるまでわからないけどね……けれど……結果はすぐに……わかるわ……!!!)

     そして――!!

    「ツモです……!! リーチツモ……赤四……ドラ二十……ッ!! 裏二十……!!! 数えるまでもなく役満ですっ!!!!!」

     玄手牌:[⑤]/5[5]55/五五[五]五/3333/1111:ツモ[⑤]
     ドラ:1・3・五・5・1
     裏ドラ:1・3・五・5・1

    (あああああああああありえへんやろがあああああああああああ!!!!)

    美穂子(合わせてドラ四十四……まあ……ルール的には役満である四暗刻四槓子のほうを申告すべきなんでしょうけど……なんにせよ点数は同じよね。
     五本場だから……8500・16500……まあ、ドラ独占能力者の松実さんと卓を囲む以上、これくらいの失点は折込済みよね……)

    (そ……そんな……どうして西じゃなかったの……どうして…………もう……何もわからないよ…………!!)ガタガタ

    (ドラ……私の願いに……応えてくれて……ありがとう……!! もう絶対離さないからね……ずっと……一緒だよ……!!!)

     ドラゴンロード、完勝ッ!!!!

    咲:82700(-13300) 玄:96900(-1800) 美:92300(-5700) 漫:128100(20800)

    110 = 1 :

    @実況室

    すばら「すううううううううううううううぶあああああああああああああああるあああああああああああああああああああああ!!!!」

    「そんなに叫ぶな。鼓膜が破れちまうよ」

    「叫びたくなる気持ちはわかります。軽く発狂しそうですよね。末原さんも、衝撃のあまりどこかへ走り去ってしまいました」

    初瀬「これは……神代さんと五分五分のひどさですね……もはや感覚が麻痺してきて何がすごくて何がすごくないんだかわからなくなってきました」

    すばら「何はともあれこれで松実玄選手は二位浮上ですっ!! 一方の宮永選手は親っ被りでラスに逆戻りっ!! トップ独走中の上重選手もじわじわと削られてきました!!! 確かなことなど何もない!!
     ルールの枠に収まってるのが不思議なくらいの大将戦ですっ!!!」

    「今にも枠を破壊しそうだよな。なんだよ、ドラ四十四って。漫画か」

    初瀬「漫画でもありえないでしょう……」

    「そろそろ……普通の麻雀を見たいものです。ところで、さっき落ちた雷はどうしました?」

    すばら「あ、あれは、どうやら気のせいだったみたいです!! 雷は落ちていません!! ただ、雷が落ちたような衝撃が我々を襲ったこと、停電したことは、事実ですっ!!」

    「なるほど……ものすごい覇気です……死人が出なければいいですね」

    すばら「さあああ!! 大将戦前半、長い南一局を終えて、南二局が始まりますっ!!!」

    111 :

    咲さんボコられてるな

    113 = 1 :

     一方、漫ッ!

    (だああああもう。さっきから河底だの槍槓だの海底だのドラ四十四だの……普通の麻雀させてーなっ!)タンッ

    (ま……今回はその反動なんか……比較的普通そうやけど……逆に言えば……こういう穏やかな場でもないと……いくらうちが調子ええかて和了れへんってことやんな……)タンッ

    (一応まだ十分プラスやけど……今のアホみたいな役満もある……いつひっくり返されるかわからへん……なるべく……手堅く攻めたいとこやけど……)タンッ

     漫手牌:一三四四五23344567:ドラ③

    (なんやろな……松実玄の親を流すだけやったら食いタンでもええねんけど……二萬が来たら平和で高め一盃口の三面張……四萬あたりを引けば断ヤオもついて……リーチかければツモって満貫にも届く……この序盤で鳴いてまうんはもったいないか……)

     四巡後

    (とか言うてたら……なんやねん……いつまで経っても出てこーへんやん……!!)

     漫手牌:一三四四五23344567:ツモ7:ドラ③

    (ま……もう普通に一萬落としてタンピン確定させとこか……最悪鳴いて食いタンでもええやろ……にしても出てこんかったな……特に二萬は一枚も見えてへんからすぐに来ると思ったんやけどな……こんなんまるで壁やんか……)

     漫、一萬を掴んだ手が、止まる。

    114 = 86 :

    しえん

    115 = 1 :

    (待ちや……壁……? そうか……松実玄がドラを壁にするんと同じ……おるやん……この場には……もう一人……一種類の牌を四枚集めるやつが……! せやったら……案外……これはチャンスかもしれへんで……!)

     四巡後

    「リーチや……」スチャ

    (上重さんがリーチ……? まずい……先にツモらないと……来い……っ!! っ……そこじゃない……!! どうして……私が見ていたものと違うの……!? 龍の巻き起こす風に……私の花が散らされてる……?)

     咲手牌:二二二四五六七④⑤⑥456:ツモ一:ドラ③

    (上重さん……タンピンっぽい感じ……なんにせよ……二萬が私の槓材である以上……さっきの連槓のときでもなければ……上重さんの手に二萬が行くことはないはず……。
     他の人には見えてなくても……私にとって見えてる槓材は全部壁になる……いつも……安牌選ぶときには助かってる……ここで七萬を捨てたら嶺上開花ができなくなっちゃうし……ラスなんだから……押す……っ!!)

     咲、打、一萬ッ!!!

    「それ、ロンや。リーチ一発七対子……6400!!」ゴッ

    (え……ちょ……それ……っ!!)

     漫手牌:一三三四四22334477:ロン一:ドラ③・九

    (その手で断ヤオを捨てたの……? どうして……途中までは普通に断ヤオを意識して進めていたはずなのに……! まるで私を狙い打つみたいな……あっ……そうか……そういうことか……!!)

     咲、愕然ッ!!

    116 = 1 :

    (私の槓材……二萬……それを見抜かれたんだ……! どうやって見抜いたのかはわからないけど……場に一枚も見えていない牌は……ドラでなければ私の槓材である可能性が高い……!
     私は槓材を壁にできるけど……それを逆手に取られて……ううううう……完全にやられちゃった……さすが姫松の大将さんの一番弟子さん……あの爆連荘だけじゃない……この人も……普通に強いんだ……)

    (ラ……ラッキー……本当に出てきよった……あるもんなんやな……こんなこと……!!)

    美穂子(槓材の壁を利用したのね……それは私も考えていたけれど……自分から見て一枚も見えない牌は……序盤のうちはけっこうたくさんある……その中からどうやって二萬が槓材だと見抜いたのか……。
     ただの直感なのか……他に理由があったのかわからないけれど……。
     僅かな可能性を信じて咄嗟に打ち方を切り替えられるあたりは……さすが名門校で一年生からレギュラーを張っているだけのことはある……経験の差が出たのかしら……ここは彼女のほうが一枚上手だったわね……)

    (でも……まだ……まだあと二局ある……! 点……少しでも……取り返さないと……!!)

    咲:76300(-19700) 玄:96900(-1800) 美:92300(-5700) 漫:134500(27200)

    118 = 45 :

    もうこれ麻雀じゃないよ…

    119 = 1 :

    南三局・親:美穂子

    (よし……少しだけど……力が戻ってきた気がするよ……!)ゴゴッ

    美穂子(宮永さん……しぶといわね……これだけ追い込まれて……まだ闘志が消えていない……インターハイの決勝のときは……天江さんの力の前に……心が折れそうになっていたこともあったけれど……今回はそうじゃない……。
     この子も……インターハイを経て……成長している……)タンッ

    美穂子(けれど……まだまだ……それじゃ足りないのよ……もっと……あなたには絶望が必要……。
     どんなに頑張っても……信じても……強くあろうとしても……打ち崩せない何か……あなたは一度……そういう何かにぶつかったほうがいい……あまりにも……勝ちが過ぎている……)タンッ

    美穂子(上埜さんが言っていたわ……入部した頃の宮永さんは……勝つことへのプレッシャーを知らなかったって。
     そのあと……県予選の決勝で一度負けそうになったけど……あれも……更なる強者を求める原動力になっただけだって……宮永さんは……本当の意味で……まだ誰にも負けていない……。
     その強さが……宮永さんの過去とか……お姉さんとの関係とか……そういうところにあるのかもしれないけれど……けど……誰にも負けたことのない人は……チームを背負うことができないのよ……)タンッ

    120 :

    スレ追えてないからwikiか個人サイトかなんかにまとめて欲しいわ

    121 = 1 :

    美穂子(チームで戦えば……自分が勝っても他の人が負ける……なんてことが起こる……そんなとき……負けたことのない人は……負けた人に対してどう接せばいいのか……戸惑ってしまう……。
     勝ったときじゃないの……チームが負けたときにこそ……部をまとめる人間の資質が問われる……宮永さんには……それを……学んでほしい……そのためには……一度……徹底的に負けないとダメ……!)タンッ

    美穂子(さあ……まだまだ……あなたにはもっともっと凹んでもらうわよ……!)

     五巡目

    美穂子「ツモ……三色同順ツモ……2000オール」

    (ああ……一歩……先を越された……次で……嶺上開花だったのに……!!)

    美穂子(早和了りなんかじゃ足りないわね……何か……宮永さんがされて困ること……次は……何をしてあげようかしら……)

    咲:74300(-21700) 玄:94900(-3800) 美:98300(300) 漫:132500(25200)

    122 = 1 :

    南三局一本場・親:美穂子

    美穂子(宮永さんの場の支配も……天江さんや宮永照さん同様……普段通りに手を進めていくと……その制御下に置かれてしまう……。
     なら……宮永さんが想定し得ないことをやってみるのも悪くないわよね……ここは宮永さんのほうが速そう……仕掛けるなら今ね……!)

    美穂子「ポン」タンッ

    (速攻……? させへんで……!)

    「チーや!」タンッ

    美穂子(誘いに乗ったわね……これで……宮永さんが……あとはどう動くかしら……?)

    「そ……それポンです……!」タンッ

    (びっくりした……福路さん……全然想定してないところで鳴いてきた……危うく槓材を取りこぼすところだったよ……)

    (みなさん速攻……でも……私はじっくり攻める……あと一回和了れれば……私なら……プラスにできる……!!)タンッ

    美穂子(さて……これで張り替え完了……こんな役も何もない手……上埜さんから頼まれなければ絶対に作らないわ……本当に……重たい役目を負わされたわね……! けど……その重さは……信頼の証……心地いいわ……!)タンッ

    (よっしゃ……またデカいの張ったで……!!)タンッ

    (よし……立て直せた……! いくよ……嶺上……!!)

    「カ――」

    美穂子(させると思う……?)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (福路さん……!! そんな……槍槓だけに的を絞って……!!?)

    123 = 1 :

    美穂子(まだわからないのかしら……宮永さん……あなたが嶺上開花を狙って場を動かしているとわかっていれば……こちらも対策を練れないことはないのよ。
     普通の大会なら……ここまで徹底して一人がマークされるなんて……宮永照さんでもなければありえないと思うけど……あなたはいずれそのありえない一人になる人……これくらいの逆境は……これから何度も体験することになるわ……)

    (ううう……どうあっても私にカンをさせないつもりなんだ……!
     困ったよ……これ以上福路さんに親を続けられてもまずい……! 上重さんもテンパってるっぽいし和了られたらまた差が開いちゃう……! 巡目が進めば松実さんが大きいのをツモってくるかもしれないし……ううううう……!!)タンッ

    (えっ……? 宮永さんが加槓せずに槓材をツモ切った……!?)タンッ

    美穂子(やるわね……確かに……槍槓以外で和了れない私の手は……普通に河に切られたらロンできない……これで私の手はただの形式テンパイに成り下がった……。
     けど……自ら槓材を捨ててまで……そこまでして……勝ちに来るのね……本当に……あなたを凹ませるのは……骨が折れるわ……!)タンッ

    (なんや……カンせんのかい……ま……それならそれで先に和了ったる……!)

     二巡後

    「ロン……發のみ……1300は1600……」パララ

    「は……はい(や……安っ!)」

    美穂子(安い……けれど……あの加槓を封じられた時点で……これは考えられる最良の結果……私の親を流し……上重さんの高そうな速攻を潰し……松実さんの大物手を防いだ……。
     宮永さん……勝つことへの執念は……文句なしの合格点ね。だからこそ……上埜さんは彼女を大将に据えたのだろうけれど……)

    (次で……オーラス……!!)

    咲:75900(-20100) 玄:94900(-3800) 美:98300(300) 漫:130900(23600)

    124 = 1 :

    南四局・親:漫

    (さあ……これが最後のチャンスや……ここまで来たら……もう稼ぐに稼いで優勝確定させたるで……!!)

    (オーラス……トップとの差は……五万点以上……ひっくり返すには……役満直撃しかない……!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (わっ……宮永さん……最後の最後で一番すごい感じに……!! このまま何もかもひっくり返しそうです……!!)

    美穂子(宮永さん……あなたの力……この目で見させてもらうわよ……!!)

     七巡目

    (張った……けど……そうだよね……そうだと思ってた……最後も……乗り越えなくちゃいけないのは……この龍の壁……!!)

     咲手牌:①①②②②②③③③③④⑤南:ツモ①:ドラ東

    (次巡で上重さんが一筒でリーチしてくる……それを大明槓して……三連槓したとしても……清一対々三暗刻三槓子……嶺上開花……数え役満にあと一つ……インターハイの決勝では使えた赤ドラが……足りない……)

    (なら……もう一段……上げるしかない……! この状況……私がトップを捲くるチャンスは……ここしかない……この大明槓で……役満を――四槓子を和了る……! それしかないんだ……でも……四槓子をするとなると……やっぱり障害になるのが……)

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    125 = 1 :

    (松実さん自身は四連槓をしていた……あれは……けど……ドラを従える松実さんだからできたことだ……私が四連槓をしようとしても……きっとドラが言うことを聞いてくれない……また……さっきみたいに……私の見えていた嶺上牌が捩じ曲げられるかもしれない……)

    (でも……そうじゃないかもしれない……!! まだ……一パーセントでも……勝てる可能性があるなら……私は……それを諦めるわけには……いかない……!!)

    「(行くでダメ押し……!!)リーチやっ!」チャ

    「カンッ!」ゴッ

    (うわっ……嘘やろ……ここで大明槓かいな……!)

     咲手牌:②②②②③③③③④⑤/(①)①①①:嶺上ツモ④:ドラ東

    美穂子(恐らくは……インターハイ決勝の再現……だとすれば……当然ここで……!)

    「もいっこ……カンッ!!」ゴゴッ

    (す……すごい迫力……これが穏乃ちゃんを力で打ち負かした……宮永咲さんの本気……!!)

     咲手牌:③③③③④④⑤/②②②②/(①)①①①:嶺上ツモ④
     ドラ:東・9・中

    (大明槓は責任払いって……か……勘弁してくれや……! これ……まさか長野の決勝のやつか……!? やとしても……ドラが使えないなら三倍満止まり……?
     それでも十分痛いけど……もし……宮永咲がその上を狙っとるんやとしたら……トップ陥落やんな……!!?)

    126 = 1 :

    「もいっこ…………カンッ!!!」ゴゴゴッ

     咲手牌:④④④⑤/③③③③/②②②②/(①)①①①:嶺上ツモ?
     ドラ:東・9・中・西

    (お願い……お願いだから……もう一度……もう一回だけ……私にカンをさせて……!!!)

    (や……役満直撃だけは……!!)

    美穂子(ドラは既に四種類……! 赤ドラを含めればもう完全に松実さんの許容量をオーバーしている……この上五種類目が開くとしたら……それは……宮永さんの力が松実さんの力を打ち破らない限り……不可能……!
     けど……今の宮永さんなら……もしかすると……!!)

    (ドラが……溢れちゃう……!! もう……これ以上は無理……!! 私は……ドラを手放したくないの……!! お願いだから……止まって…………!!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (来て……私に……カンをさせて…………!!!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

     凛として花は咲き、号として龍は咆えるッ!!

     その――結末は……!!!

    127 = 1 :

    (は…………ははは………………!!!)

     咲手牌:④④④⑤/③③③③/②②②②/(①)①①①:嶺上ツモ⑦
     ドラ:東・9・中・西

    (ごめん……和ちゃん……和ちゃんの昔の友達……強過ぎるよ……)クラッ

     咲、打、七筒ッ!!

     嶺上の花、散る……ッ!!!

    (あ……危なかった……死ぬかと思ったで……)

    (宮永さんの連槓……四つ目がなくて本当によかったけど……これもう……次巡でドラが来たらドラ切るしかなくなっちゃうよ……)タンッ

    美穂子(ふう……さすがに……疲れたわね……)

    128 = 1 :

     花舞いッ! 龍躍るッ!!

     その姿を目に焼き付けた美穂子、小さく息を吐いて、両眼を閉じるッ!!

     同時に開かれる、手牌ッ!!

    美穂子「ツモです。断ヤオ一盃口ツモ……1000・2000」

    (は……なんやそれ……? 宮永咲の七筒を見逃し……いや……違う……前巡にツモ和了り拒否しとるから……フリテンやと……?)

    (フリテン直後に同じ牌でツモ……? でも……別に手を高めるためのフリテンでもないみたいだし……どういうこと……?)

    (福路さん……それ……リー棒が出るのを待ったってことだよね……うわ……参ったな……まさか……最初からそのつもりで打ってたんだ……この荒れ場で……私のカンを封じるだけじゃなく……そんなことまで狙ってたんだ……信じられないよ…………)

     咲、消沈ッ!!

    (力では……松実さんに負けた……得点では……上重さんに負けた……その上……場の支配で……福路さんに負けた……こんなに負けたのは……初めてだよ……)

     大将戦前半――決着ッ!!!

    129 :

    魔王堕つ
    いい勝負でした

    130 = 1 :

    「ほな……お疲れさまでしたっ!!」

     意気揚々と対局室をあとにする、トップ、上重漫……プラス20600点ッ!!

    「お疲れ様です」ペコ

     涙を浮かべながらも胸を張って帰る、三位、松実玄……マイナス4800点ッ!!

    「お疲れ様……です……」

     残ったのは、立ち上がれないラス、宮永咲……マイナス21100点ッッ!!

    美穂子「お疲れ様……」

     そして、咲を見守る二位、福路美穂子……プラス5300点ッ!!

     その成績……25000点持ち30000万点返しの勝負なら、プラマイゼロッ!!!

    131 = 1 :

    美穂子「ふふ……どうかしら、宮永さん。少しは凹んでくれた?」

    「凹みましたよ……ただでさえ……点棒いっぱい取られて……嶺上開花も和了れなかったのに……最後の最後ので……福路さんがあんなことをするんですもん……本当にひどいです……」

    美穂子「一年生にできることは三年生にもできる――ってところかしら。ま、本当にできるとは思ってなかったけれどね。運がよかったわ」

    「よく言いますよ……完敗です。でも…………次は勝ちます」

    美穂子「まだそんなことを言う元気があるのね。大した一年生だわ。けれど……負けた気になるのも……次のことを考えるのも……まだ早いんじゃないかしら?」

     美穂子、微笑を残して、去るッ! 

    「え……ちょっと……福路さん……? どういう……ことですか……?」

     美穂子を追おうとした咲、目に入ったのは、入れ違いに現れた――天使ッ!!

    132 = 1 :

    「咲さん……!!!」

    「の……! 和……ちゃん……!」

    「咲さん……大丈夫ですか……? とても疲れているようですが……」

    「う……うん……疲れたよ……嶺上開花も和了れなかったし……断ラスだし……福路さんにはプラマイゼロをやられちゃうし……」

    「普通、嶺上開花なんて狙って和了れません。あと、この勝負は十万点持ちなのでプラマイゼロとか関係ありません」

    「でも……負けちゃったことに変わりはない……よね」

    「どんなに強い人でも負けることはあります」

    「で……でも……! 私の負けは……みんなの……!!」

    「みんなの……なんですか?」

    「みんなの……負けになっちゃうから……」

    「もう……何を言ってるんですか、咲さんっ!」ガバッ

     和、抱きつくッ!!

    133 = 1 :

    「咲さん……咲さんが……全部背負うことなんてないんです! たまには……負けてください! 負けて……みんなを頼ってくださいっ!!
     私……嬉しいんです……咲さんのあとに打てることが……咲さんから後を任されることが……嬉しいんです……! だから……お願いです。今日は……咲さんの負け分を……私に取り返させてください!!」

    「ううう……和ちゃん……ごめん……!! 私……負けちゃったよ……!! ごめん…………!!」ポロポロ

    「知ってますよ、見てましたから。それで……負けた咲さんは……私にどうしてほしいんですか……?」

    「和ちゃん……勝って……!! 私の負けた分……取り返して……!!」ポロポロ

    「はい……任せてください!」

    「和……ちゃん……!?」

    「いつもならこんな約束はしません。けど……他ならぬ咲さんの頼み……断れるはずがありませんっ!」

    「う……うん……!!」

    「絶対に……勝ってみせますっ……!!」

     咲、和、約束ッ!!!

    134 = 1 :

    「あらあら……見せ付けてくれるわねぇ……二人とも」

    「ぶ……部長、いつからっ!!?」

    「んー、和が咲に抱きついたあたりから」

    「悪趣味にもほどがあります」

    「いいじゃないの。可愛い後輩の強い絆を確認するのも、部長の務めだわ。けれど……いいの、和?」

    「何がですか」

    「絶対に勝つって……相手はこの私よ?」

    「知ってます。部内の成績で言えば、私は部長に負け越しですよね。けど、総合収支では私のほうが上です」

    「ま、そう言うと思ったわ。けど、今日は私だけじゃなくて、鷺森さんもいる。インターハイの決勝で……あなたを削ぎ落した……鷺森さんが」

    「もちろんわかってます。インターハイでは、その負け分を咲さんが穏乃から取り返してくれました。今日は……そのことも含めて、私は咲さんのために勝つつもりです」

    「咲には恩返しで、鷺森さんには意趣返しってわけね」

    「どういう風にとってもらっても構いません」

    (こ……こんな燃えてる和ちゃん初めて見るよ……!)

     火花を散らす、和、久ッ!!

     少し遅れて、残りの役者も、揃うッ!!

    135 = 1 :

    鷺森「どうも……」

    末原「ほな……場決めしましょかー」

    すばら『間もなく……大将戦後半を始めますっ!! 対局者は席に着いて、それ以外の方は控え室にお戻りください!!!』 

    「咲さん……私なら、大丈夫です。みんなのところに戻ってください」

    「和ちゃん……本当に、緊張とか……してない? 大将戦だし……相手は部長と鷺森さんと末原さんだし……」

    「もちろん多少は緊張してますが、大丈夫です。相手が誰だろうと、どんな状況だろうと、そんなこと、関係ありません」

    (あ……和ちゃん……もう顔が赤くなって……羽が……!!)

    「勝つのは……私ですッ!!」

     天使、赤面、羽化ッ!!!

    136 = 1 :

    <大将戦前半結果>
    一位:上重漫+20600(127900)
    二位:福路美穂子+5300(103300)
    三位:松実玄-4800(93900)
    四位:宮永咲-21100(74900)

    137 :

    追いついたけど>>106
    (ツ……ツモなんて……させない……! 松実さんがツモるより前に私が西カンすれば……今回のルールでは……その瞬間に場が流れる……!! それで……次局こそ……次こそ私が嶺上開花を和了るんだ……!!!)
    四暗刻四槓子で他家が五回目の槓ってできたっけ?

    138 :

    なんか咲さんぽくない

    139 :

    咲以外を強くしすぎ
    咲弱くしすぎ
    一気にさめた

    140 = 120 :

    咲の支配超える奴はインハイレベルじゃいねえよ
    話の展開に合わせて設定改変するのはSSとしてどうか

    142 :

    (文句があるなら見るなよ・・・)

    143 = 65 :

    四槓子後の他家の槓を認めるかどうかはその大会で規定しているルール次第。
    絶対にダメなわけではないとおもわれ。
    このお話では認めるルールなんでしょ。

    144 :

    今のところマイナスのトップは咲さん?かおりん?

    145 :

    設定云々は最初の方で言ってた気するんだがな
    咲さんTUEEEEEEEEEEEが咲の魅力の1つなのは分かるけどそんなん他でも散々やってるんだし別にこーゆーのがあってもいいだろ

    146 = 70 :

    >>140
    そんなのお前の脳内設定じゃ

    147 :

    スーカンツ確定状態で5回目のカンした瞬間流れるのはローカルの中でもわりと有名だろ

    というかそれくらいググれ
    わざわざここで聞くな

    148 = 120 :

    詳細不明な能力は勝手に補完するって元スレ>>2で言ってたけどね
    メアリースー出すのは二次創作の最底辺

    149 = 137 :

    なにはともあれ最終大将戦後半までたどり着いたか

    150 = 93 :

    末原さんはよ


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