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    元スレ咲「え? どの学年が一番強いかって??」

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    タグ : - 全国選抜学年対抗戦 + - + - 魔王分不足 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 = 1 :

     十巡目

    (あわわわ……ドラしか来ないよ……)タンッ

    美穂子(おかしい……おかしいわね……)タンッ

    (なんや……さっきまでと全然ちゃう……めっちゃツモ悪いやん……!)タンッ

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    美穂子(先ほどから……手がまったく進まない。確かに配牌はいいものではなかったけれど……いつもならそろそろイーシャンテンになってもおかしくはない……。
     加えて……鳴いて手を進めるチャンスもなかった……これだけなら……まあ偶然で済むのだけれど……どうやら松実さんや上重さんも……手が重たそうな感じなのよね……)タンッ

    美穂子(これと同じことを……私は見たことがある……県予選決勝大将戦……それから……今日の先鋒戦後半……華菜の言うところの……天江さんの一向聴地獄……まるであれを体験しているみたいだわ……)タンッ

    美穂子(確か……他人の力を模倣できる子もいると……四校合同合宿のときに上埜さんから聞いたような気がする……。
     もし同じことが宮永さんにもできるとしたら……これは……カンなんて狙っている場合ではないわ……この場は和了りを目指さずに……この状況を打破することに全力を注いだほうが良さそうね……)タンッ

     十五巡目

    美穂子(海の底が近い……松実さんも上重さんも異変に気付き始めたみたいだけど……もう手遅れかしら……)タンッ

    (なんやこれ……さっきから一つも手が進まへんで……! これ……宮永咲はこんな打ち方したことないはずや……何が起こっとん……!?)

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (全然……一向聴から手が進まないよ……ドラはもう固まってて……テンパイまであとちょっとなのに……いつカンされるかわからないから鳴きたくても鳴けないし……どうしよう……!?)タンッ

    52 = 1 :

    「ポン……」タンッ

    (ポ……ポンされた……!? じゃあ……次巡あたりに加槓が来る……!?)

    (ポンかいな……びっくりした……やけど……これって加槓で嶺上開花のパターンやんな……?)

    美穂子(違うわ……加槓狙いのポンではない……宮永さんのポン……残り一枚は私の手の中……狙いが嶺上開花なら……槓材の見える宮永さんがあんな鳴きをするはずがない……だとしたら……このポンの狙いは……!!)

     宮永咲、海底コース……ッ!!!

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    美穂子(まずいわね……これは……どうにかして止めないと……!!)

     海底目前ッ!!

    (ぎ……ぎりぎりテンパイできました……!!)タンッ

    美穂子(これを鳴いたら……役なし確定ね……けど……ここしかないわっ!!)

    美穂子「チー!」タンッ

    (この巡目でチー……? 形式テンパイ狙いか……?)タンッ

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (こ……これ……どうしよう……できることならテンパイを維持しておきたいけど……大丈夫……だよね……?)タンッ

    53 = 1 :

     玄、打、海底牌ッ!!

     直後ッ!!!

    「ロン……」

    (えっ……?)

    「河底撈魚……1500」

    (ホ……河底やと……!? なんやこいつ……打ち方変わり過ぎやろ……意味がわからんで……!!)

    (な……なにそれ……? 槓材どころか刻子がポンしたやつ一つだけって……? しかも河底以外役なし……? どういうことなの……!?)

    美穂子(理解に……苦しむわね。やっていることは天江さんに近いけれど……これじゃ劣化版もいいところ……火力が低過ぎる……これだけの場の支配力を発揮しておいてそれって……まるで……肩慣らしをしているみたいね……一体何を狙っているのやら……)

    「……一本場……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    咲:49500(-46500) 玄:81200(-17500) 美:110300(12300) 漫:159000(51700)

    54 = 40 :

    支援
    読むのにめっちゃ時間かかるぅ~

    55 = 1 :

    @二年選抜控え室

    すばら『ホ……河底撈魚!!! 本日二度目の河底撈魚が飛び出しましたああああ!!!! しかし……これは今までの宮永咲選手とはあまりにかけ離れた打ち方ですっ!! 何がどうなってるんでしょうか!!?』

    透華「衣……これはどういうことですの? 今の打ち方……まるで衣の猿真似のような……あなた、あの嶺上使いに自分の打ち方を教えたことでもあって?」

    「否……心当たりは皆無。しかし、あの県大会と……それに四校合同合宿のときも……咲と衣はよく卓を囲んだ。咲の力なら……見よう見まねの模倣くらいはできるかもしれない」

    「なあ……ウチはあの宮永咲って子、よう知らんのやけど……問題は河底を和了ったことなんかな?」

    「もし河底を狙って和了ったんなら、大問題やろな」

    「いや……浩ちゃん、たぶん憩ちゃんの言いたいことはそうやないで。河底やら海底やらは関係なく……なんであないな安い手で和了ったかってことやと思う……」

    尭深「……安手は……始まりに……過ぎない……」

    かおりん「あっ!!? まさか、そういうことなんですか!?」

    神代「あのお二人は姉妹です……そういうことがあっても……おかしくはないかと……」

    「いやいや……いくら姉妹かて……あないな化け物が二人も三人も……なあ?」

    全員「………………」

    (咲……何を考えている……!?)

    56 :

    立ってたか
    遂に大将戦か

    57 = 1 :

    @対局室

    南一局一本場・親:咲

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (ま……また配牌から微妙な感じ……ドラがないところからスタートなんて……久しぶりかも……でも……これ……覚えがある……そうだ……天江さんと打ったとき……確かこんな風に……手が進まなかったような……!)

    美穂子(また天江さんの劣化コピー……? けれど……天江さんの一向聴地獄は……海底と出和了りによる揺さぶりがなければ……抜け道がゼロでない以上……なんとか対応できる……。
     もちろん宮永さんはいつカンをしてくるかわからないという強みがあるけれど……それを差し引いても……わざわざこんな力の無駄遣いのようなことをする意図がわからない……)タンッ

    (なんやー……また配牌五向聴かいな……どうなってんねん……!)

     八巡目

    「リーチ……」トッ

    (み……宮永さんがツモ切りリーチ……? まずリーチそのものが珍しいような気がするのに……ツモ切りってどういうこと……? というか……そのリー棒の立て方……どこかで……)タンッ

    美穂子(海底狙いでもダマで出和了り狙いでもない……? できることは天江さんの真似だけではないということ……?
     とても……とても嫌な予感がするわ……例によって鳴けるところは出てこないみたいね……けど……まあ……一応保険はかけておいて正解だったかしら……!)

    美穂子「カンッ!」パラララ

    58 = 1 :

    (暗槓……!? 親リー相手に……? あ……でもドラは私に来るから関係ないのか!? それにしても……福路さん……一体何を狙って……?)

    美穂子(ツモ順まではズラせなかったけれど……これで……とりあえず一発は消えたわ……)タンッ

    (もーわけわからんわー!!)タンッ

    「ツモ……リーチツモ……裏なし……1000は1100オール……」パラララ

     咲手牌:②③123456一二三白白:ツモ④:ドラ①・南・⑤・7

    (あっ……!! そうだ……あのリーチの仕草……まるで園城寺さんみたいな……!!! 福路さんの暗槓がなければ一発がついていた……って……まさか宮永さん……一巡先が見えるの……!!?)

    (げっ……二連荘……!? ま、まあ……安いしええよね……?)

    美穂子(劣化天江さんの次は……園城寺さんなのかしら……? まさか本当に能力を模倣できる能力を持っているというの……?
     無論……さっきの河底も今の一発もたまたまという可能性はあるけれど……そうではない可能性もある。もしかして宮永さん……このまま色々な人の能力を見よう見まねでコピーしていくつもり……? 一体……なんのために……?)

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    咲:52800(-43200) 玄:80100(-18600) 美:109200(11200) 漫:157900(50600)

    60 = 1 :

    @混成控え室

    すばら『ど……どうなっているんでしょうかああああ!!!? 宮永咲選手!! 河底の次はあわや一発ツモ……!!! まったくもって理解不能ですっ!!』

    竜華「と、怜……あれどないなっとんの?」

    「知らんがな……たまたまやないの?」

    かじゅ「しかし、あのリーチの仕草は、園城寺さんを意識したものだったような……」

    池田「いや……リーチ一発もそうだけど……ここ二局の他家の手の止まり具合のほうだって相当異常じゃないか? あれじゃまるで天江衣だし」

    小走「一人魔物パレードってことか……しかも……複数の能力を同時に発動させている。過去に、宮永咲はこういう打ち方をしたことはあるのか?」

    まこ「わしに聞かれてものう……そう言えば、入部したての頃は、嶺上開花以外にも、ダブリーとか平和とかで普通に和了っとったような」

    「もっと小さな頃は……どうだったんですか?」

    「……なんとも……言えない……」

    (咲……もしかして……荒れてる……? 大丈夫かな……?)

    61 = 1 :

    @対局室

    南一局二本場・親:咲

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (宮永さん……もしかして……さっきまでのあれは天江さんや園城寺さんを真似して打っていたの……? けど……あんなの……真似できるものなのかな……よくわからない……それに……今回は比較的普通な感じの配牌だし……何がなんやら……)タンッ

    美穂子(天江さん……園城寺さん……そしてこの配牌……お次はあの人かしら……)タンッ

    (っと、やっと普通の配牌になりよったか……いや……待て……普通か、これ……?)タンッ

     七巡目

    (あ……あれ……宮永さん……さっきから手出しで筒子しか切ってない……?
     って……まさか……神代さんのあれを真似してるんですか……!!!? あわわわ……あ……でも! 八筒がドラ……!! 今は三枚しかないけど……四枚目が宮永さんのところに行くなんてことは……ないはず……!)タンッ

    美穂子(一見して神代さんの一色独占ね……私と上重さんに関しては絶一門状態のようだし……。
     けど……この場……字牌があまりに見えていない……神代さんの一色独占だとすると……私たちのところに字牌が来ないのは不自然……どちらかと言えば石戸さん寄りの一色独占なのかしら……)タンッ

    (これ……末原先輩が体験しとった絶一門……!!? 嘘やろ……しかも……宮永咲……捨て牌が全部筒子とか気持ち悪過ぎるわ……! けど……まあ八筒がドラなんやから……まさか九蓮ってことはあらへんよな……?)タンッ

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    62 = 1 :

    (ど……どうしよう……宮永さんが清一なら……これは通る……よね……?)タンッ

    「ポン……」タンッ

    (えっ……? あれ……清一じゃないの……どうなってるの……?)タンッ

    「ロン……南……混一……7700は8300」

    (しまっ……!?)

     咲手牌:①①②③④南南西西西/北北(北):ロン南:ドラ⑧

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    咲:61100(-34900) 玄:71800(-26900) 美:109200(11200) 漫:157900(50600)

    63 = 1 :

    @一年選抜控え室

    すばら『今度は混一ううううう!!!! 配牌からして清一に向かうと思いきや……字牌を固めて混一を和了りましたあああ!!! もう何がなんだかわかりません!!!』

    「あの……大星さん、あれって大星さんの能力とちゃいますか?」

    「あはっ、もしかしてあなたの目ってよくできたビー玉? 北は鳴いてるし最後は南で和了ってるでしょ。私の能力だったら、そもそも北・南が松実玄さんのところにはいかないよ」

    友香「というか、大星さんの能力だと、松実さん以外の二人が絶一門だったことに説明がつかないんでー」

    「絶一門っていうと……石戸霞か神代小蒔か。まあ、それも玄には通じなかったみたいだけど」

    穏乃「うおおおおお!!! なんかみんなの必殺技がいっぱいでてくる!! ラスボスみたい!!! さすが宮永さんっ!!!」

    南浦「というか……徐々に点数が上がってるのは……もしかしなくてもそういうことよね」

    モモ「となると……7700の次は最低でも8700。けど、嶺上さんのそれはチャンピオンのそれよりも……なんか荒い感じがするっす。さっきのチャンピオンみたいな刻み方はしてこないような……」

    優希「なんでもいいからぶちかますじぇー咲ちゃんっ!!!!」

    64 = 1 :

    @対局室

    南一局三本場・親:咲

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (ちょ……ちょっと待って……!! こんな……こんなことってありえるの……!!!? 宮永さんの……宮永さんの捨て牌が……!!!)タンッ

    美穂子(これは……まさか……東横さんのステルス……?
     でも……東横さんのあれは……能力とかそういうんじゃなくて……本人の性質だったような……否……今日の東横さんのステルスは……どこか技術的な面もあった……けど……あれを見ただけでここまで模倣ができるものなの……?)タンッ

    (な……なんや……捨て牌が見えへん……!!?)タンッ

    65 :

    魔王はおキレになっています。

    66 :

    これ読んでる途中でdat落ちした奴や・・・
    長すぎてレスする暇がなかった

    67 = 1 :

    @三年選抜控え室

    石戸「画面だとわかりにくいけれど……他家の反応からすると、どうやら宮永さん、消えてるみたいね」

    初美「ええっ!? 消えるっていうと、あの鶴賀の東横とかいう一年生のあれですよねー? でも……あれって真似できるものなんですかー?」

     ――――――

    『ポンッ!!』タンッ

     ――――――

    洋榎「役牌ポンかいな、しょーもなー!」

    姫子「あの……ようわからんとですが、鳴いたら鶴賀の人の消えるやつって使えなくなるんですよね……? なんで鳴いたとですか……?」

     ――――――

    『チーッ!!』タンッ

     ――――――

    シロ「え……ちょ……これ……」

    豊音「私の友引……!!!? わああああ真似してくれたんだあああちょー感動おおおお!!!」

    「鳴いとるのもそうやが……あの一年……さっきから赤い牌しか引いとらんぞ……」

    セーラ「赤い牌っちゅうと、阿知賀の松実姉のほうやんな……本当に……さっきからどないなってんねん……」

    68 = 1 :

    @対局室

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (も……もう何がなんだか……!!)タンッ

    美穂子(変化が目まぐるし過ぎるわ……最初は東横さん……次は姉帯さんで……よくよく見たら松実宥さんの真似までしている……でも……どれもこれも中途半場……結局鳴きも二副露で止まったし……どういうこと……?)タンッ

    (よ……ようわからんが……食らいついたる……!)

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ()タンッ

    「ポンやっ!」タンッ

    (上重さん……宮永さんの連荘が始まってから静かになってたけど……また盛り返してきたの……?)タンッ

    美穂子(何か……無理をしてくるつもりね……? よくわからないけれど……それこそ宮永さんの思う壺のような気がするわ)タンッ

    70 :

    くろちゃ……

    71 = 1 :

    (何も……真似っこはあんただけの特技とちゃうで……! 今のうちなら……やろうと思えば……嶺上開花くらい……!!!)

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    「カン――! リ……!!」カンッ

    「ロン。槍槓混一一通中……12000は12900」

     咲手牌:一三八七九九九/(五)四六/中(中)中:ロン二:ドラ5

    (マ……マジかいな!!!?)

    (み……宮永さんの槍槓……!!!? 珍し過ぎるよ……!!!)

    美穂子(最後は……加治木さんを思わせる槍槓というわけね……しかも……前巡で松実さんを見逃しての槍槓……上重さんを削りたかったのか……。
     それとも……単に槍槓を和了ってみたかったのか……或いは場を引っ掻き回してみたかったのか……どういうことなのかしら……)

    「……四本場……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    咲:74000(-22000) 玄:71800(-26900) 美:109200(11200) 漫:145000(37700)

    72 :

    魔王様もっとやっちゃってください!

    73 = 1 :

    南一局四本場・親:咲

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (ド……ドラが一枚も配牌にない……! これは天江さんパワー再び……!?)タンッ

    美穂子(この感じ……三度目の天江さん劣化コピーね……本当に……暴れてくれるわ……!!)タンッ

    (うう……配牌がまたひどいことに……おっかしいでー……!!)タンッ

     八巡目

    美穂子(嶺上開花……海底……警戒しなければならないことが多過ぎて嫌になるわね。
     ただ……海底なら……宮永さん以外誰も鳴かなければ……自身をコースに乗せるために宮永さんが無理に鳴くことになる。そうすれば……リーチ一発ツモが消えるから……ドラが使えない現状……あまり高い点数にはならないはず……)タンッ

    「カン……」パラララ

    (き……来た……暗槓!!! 今度こそ嶺上……!!!)

    ()タンッ

    (じゃ……ない……? どういうこと……?)タンッ

    美穂子(や……やられたわ……!!)

     美穂子、冷や汗ッ!!

    74 = 40 :

    遂に人をお捨てになってしまったのか

    75 :

    照の真似はどこまでつづくん?

    76 :

    これは紛れも無いラスボスですわー
    前半戦でこれって後半戦はどーなってしまうんだ

    77 = 1 :

    美穂子(そうだった……宮永さんにはこれがある……誰も鳴かない状況で……門前を保ったまま自らを海底コースに乗せる唯一の鳴き……親の暗槓……!
     これで……本来の海底牌が王牌に取り込まれ……新しい海底牌をツモるのは宮永さん……このまま行けば……天江さんと同レベルの高火力で和了られる可能性がある……これは……なんとしてもズラさないと……)

    美穂子「チー……!」タンッ

    (ふ、福路さん……?)

    美穂子(よし……これでとりあえず海底コースはズラした……宮永さんの力は強大だけれど……決して天江さんと同じことができるわけじゃない……私の捨て身の鳴きなら……天江さんでもない限り立て直すことは難しいはず……)

     美穂子、抵抗ッ!!!

     がッ!!! しかしッ!!!!

     十三巡目 

    「……カン……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (に……二度目の暗槓……!!! ドラ……ドラが三種類になっちゃったよ……!!!)タンッ

    美穂子(そ……んな……これで宮永さんは再び海底コース……信じられないわ……二度も暗槓で海底コースに乗せるなんて……天江さんと宮永さんの力を混ぜたような無茶苦茶な場の支配……!? 否……それだけじゃない……!!? その二つの暗槓は……!!!)

     咲手牌:*******/東東東東/北北北北:ドラ西・⑦・③

    ()ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    美穂子(まさか……天江さんの海底だけじゃない……薄墨さんの鬼門までコピーしているというの……!?
     いや……東家で晒しても鬼門にはならないし……そもそもドラが西である以上四喜和はできないはずだけど……宮永さんの多重劣化コピー……まさか天江さんと宮永さんと薄墨さんの力を混ぜてくるなんて……一人で何人分の能力を使いこなす気なの……!?)

    78 = 1 :

    @特別観戦室

    「うわー……鬼門までやっちゃうかー。これはさすがの美穂子でも抑えるのは大変そうねー」

    「咲さん……さっきから打ち方がらしくないです……危なっかしくて見ていられません」

    「これだけごちゃごちゃ掻き回されても……ドラだけはしっかり手に入れるんだから……さすが玄」

    「……ん、鷺森さん、今、なんて?」

    「えっと……宮永さんがいくら暴れても、ドラだけは玄のところに集まり続けてるなって」

    「そんなオカルトありえません」

    「いや……そうか……なるほどね。そういうことなの……咲」

    「部長、どうかしましたか?」

    「ううん。ただ、ちょっと気付いたことがあるだけ」

    「咲さんの打ち方がおかしい理由がわかったんですか?」

    「大まかにはね。見ていなさい、和。たぶん、あの子、これから私みたいな打ち方するから」

    「………………何をわけのわからないこと言ってるですか」

    79 = 1 :

    @対局室

     海底目前ッ!!

    (ドラ……ドラが溢れちゃうよ……)タンッ

    美穂子(まずいわね……劣化鬼門が発動している上に……海の底がもうすぐそこ……なのに……こちらはイーシャンテン……鳴くこともできない……)タンッ

    (なんかヤバそうやな……今更やけど……!!)タンッ

    「リーチ……」スチャ

    (海底直前リーチ……!! これは……本当に天江さんの……!!?)タンッ

    美穂子(宮永さん……その手で一萬切りって……まさか……天江さんの海底……薄墨さんの鬼門に続いて……そんなことまで……!)タンッ

    (だああああ一向聴っ!!!)タンッ

     咲、海底牌に手を伸ばすッ!!!

     直後、宙に舞う――海底牌ッ!!!!

    美穂子(う……上埜さん……!!!!)

     咲、投げ上げた牌を空中で掴み、そのまま卓に叩きつけるッ!!!!

    「ツモ……! リーチ一発ツモ……東南三暗刻……海底撈月……8000オールは……8400オール……!!」

     咲手牌:⑤一二三南南南/東東東東/北北北北:ツモ⑤
     ドラ:西・⑦・③・⑦・6・6

    80 = 1 :

    美穂子(な……なんてこと……その五筒……四枚中二枚ある赤五筒は手に入らないわけだから……実質地獄単騎……直前に一萬を切ってチャンタと混一と両面を同時に捨ててまで……敢えてその待ちを選ぶなんて……!!
     最後の最後で上埜さんの悪待ちをも劣化コピー……さらには……ここまで順調に打点が上がってることを考えれば……宮永照さんの連続和了までコピーしていることになるのね……!
     全国クラスの魔物の技を一度に複数人も再現してみせるなんて……本当に……これが人間のやること……!!?)

     美穂子、溜息。

    美穂子(いや……一度落ち着きましょう……上埜さんではないけれど……このことに……何か意味があると考えましょう……)

     美穂子、その両眼で、今一度場を見直す。

    美穂子(宮永さん……この五連荘……色々な人の真似をして場を荒らしてきた……特に最後は……天江さんと薄墨さんと上埜さんと宮永照さんと……考えたくもないような組み合わせで親倍をツモ……。
     この……一見無茶苦茶な宮永さんの行動に……何か……意図があるとしたら……?)

     美穂子、目に入ったのは、晒された六枚ものドラ表示牌。

    美穂子(ドラ表示牌……六枚四種類ね……そういえば、さっき宮永さんが連槓できなかったときも……ドラは四種類だった……ドラ……未だ……場に一枚も見えてこない……)

     そのとき、美穂子に電流走るッ!!!

    81 = 1 :

    美穂子(一枚も……見えてこない……? これだけ宮永さんが暴れて……場が掻き回されているのに……一枚も……? しかも……今の一局なんて……海底まで場が進んでいるのに……? 一体……松実さんの手はどうなっているのかしら……)

     玄手牌:③③[⑤]⑦⑦[五]666西西西西
     ドラ:西・⑦・③・⑦・6・6

    美穂子(そう……そういうことなの……なるほど……理解できたわ。宮永さん……驚異的な力で私たちを圧倒しているように思えた……この五連荘……一番追い詰められていたのは宮永さんのほうだったのね……!
     この暴風雨のような力の無駄遣いは……いわば……宮永さんの全力の抵抗……! 逃れられない支配の中でもがき苦しんでいたのは……他ならぬ宮永さん自身……!!)

     美穂子、慧眼ッ!!

    咲:99200(3200) 玄:63400(-35300) 美:100800(2800) 漫:136600(29300)

    82 = 39 :

    しえん

    84 = 1 :

    @実況室

    すばら「ド……ドラを場に引き出したかった……? 松実さんが自ら切る以外の方法で……?」

    末原「そうやないと説明つかへんやろ、あないな無茶苦茶な打ち方」

    「あんな無茶苦茶な打ち方に説明をつけようとするとは、末原さんは小走さん同様に解説の鑑ですね」

    「さすが、二度もあれと戦って二度ともボコボコにされた姫松の大将」

    末原「黙らんかいノッポ」

    初瀬「えっと……ドラを場に引き出したかった、という話ですよね?」

    末原「せや。まあ、半分はこじつけみたいなもんやけどな。まず、最初。天江衣の力をコピーしたときやな。あれは、きっと場を海底まで進めたかったんやと思うで。
     天江衣の場の支配力は宮永咲のそれよりも破格に広範囲やからな。一向聴地獄なんてアホみたいな状況に追い込まれてもなお、松実玄はドラを独占できるのか。それを確かめたかったんやろ」

    「なるほど。次は、天江さんと園城寺さんですね」

    末原「あれはな、たぶん、一巡先にドラをツモれる未来を見たんとちゃうかな。
     いや……順番がちゃうな……ドラをツモれる未来が元からあったんを見たんやなくて……ドラをツモれる未来を見ることで未来をそういう風に捩じ曲げられるか試したっちゅうか……なんや言いたいことがよくわからんな……」

    初瀬「園城寺さんの能力は、『一巡先の未来』を『見ること』ですけど、宮永さんがあのときやっていたのは、『見たこと』を『一巡先の未来』にすることだった……ということですか?」

    「悪い、意味わからん」

    末原「まあ、わからんでもええわ。あと、あそこでリーチを掛けることで、カンのいい福路さんが暗槓を仕掛けてくることも、宮永咲はわかっとったやろな。そうすると、ドラは裏も含めて一気に四種類になる。
     ま、結局一枚たりとも場には出なかったわけやけどな」

    85 = 1 :

    すばら「三回目の和了は……石戸選手の一色独占と、大星選手の字牌占有でしたね」

    末原「あれは簡単やな。あのときはドラが八筒やった。やから、他家が萬子と索子の絶一門になるように、石戸の一色独占を発動させた」

    初瀬「大星選手の字牌占有能力を真似たのは?」

    末原「んー、なんやろね……大星のあれは、配牌時にある字牌に関しては、松実玄と同レベルの支配力を発揮するっちゅう感じやろ?
     どちらも、誰が鳴こうがどうツモろうが絶対にブレん……ちゅうことは、どこかで能力同士がかち合うこともあるかもしれん。そういう風に考えたんちゃうかな。
     例えば、途中で松実玄の手に北と南が入ったな。あれ……大星の能力が絶対やとすると不自然やないか?」

    「そうですね。基本的に、あいつの配牌時にあった字牌が他家の手に入ることは、他家がそれを配牌で持っているとき以外にありえません」

    末原「せやろ? それが、なぜか途中で松実玄の手に舞い込んだ。
     それを、宮永咲のコピーが完全やないからやって考えるのは簡単やけど、もし仮に、水面下で大星の能力と松実玄の能力がぶつかって、大星の能力が競り負けた……その影響が、あの北と南に現れているとしたら、面白いと思わへん?
     例えば、大星と松実玄が戦ったとき、ドラが字牌なら一体どうなると思う? まあ、普通に考えれば大星の配牌にドラが入らへんで終わるんやろが……それやって試してみないとわからへんやんな。
     たぶん、その模擬実験みたいなもんやったんやろ、あれは」

    86 :

    しえん

    87 = 1 :

    「次は四回目だな。これは多いぜ。松実宥、東横、姉帯、最後は加治木か」

    初瀬「松実宥選手をコピーしたのは簡単ですね。あのときのドラは五索……赤い牌です。それに、松実宥選手は赤ドラも引き付ける。しかも松実宥選手と松実玄選手は姉妹です。能力の強度が同じくらいである可能性は高い。
     特に赤ドラは互いの能力が完全に重なるところですからね、宥さんの能力を玄さんの能力にぶつければ、もしかすると赤が手に入るかもしれない」

    「姉帯選手の鳴きは……ツモ順を乱す狙いがあったのでしょうか。それに、姉帯選手の裸単騎は、手を高めるためか比較的赤ドラを含んで鳴くことが多い。場合によっては、赤を食えるかもしれないと考えたんですかね」

    すばら「えっと……となると、東横さんの消える力はドラと無関係なような……」

    末原「いや……東横の能力については、こうは考えられへんか? もし仮に……ドラが場に出ても……それが誰にも見えへんかったら? 最後の最後までドラが場に出たことに誰も気付かへんかったら?
     一見すれば松実玄の支配は崩れてないな。当の本人でさえ、他の誰かの手にドラが渡ったとは気付かずに終わる可能性がある。そんな抜け道があるかもわからんよな?」

    初瀬「じゃあ……最後の槍槓はなんだったんでしょうかね……」

    末原「んんん、それだけが結局わからへんかったんよ。ま、わからへんっちゅうことは、たぶん……あれはドラと関係ないな。単なる嫌がらせや」

    初瀬「えっ?」

    「ま、そこはなんと言っても天下の嶺上使いだからな。自分以外の人間が嶺上を和了ろうとするのは許せなかったんじゃねえか」

    「ありえますね。宮永咲選手の嶺上に対する想い入れはかなりのものがありますから」

    初瀬「そ……そんな理由で……わざわざ見逃しからの槍槓ですか……」

    末原「ま、それくらいわざとらしいほうが、他家も警戒するやろ。普通の槍槓やったら、たまたまかな、としか思わへん。けど、あの宮永咲が狙って槍槓したとなると、そら他家はカンを躊躇うようになるわな。
     県大会の決勝で加治木さんがやっとったことと同じや」

    88 = 1 :

    すばら「話が横道に逸れましたが、最後の五連荘目は、どういうことだったのでしょう」

    末原「まずは、天江衣パートスリーやな。あれは、やっぱり場を最後まで進めたかったんやと思うで。あくまでベースやな。そこに、宮永照の連続和了というブーストが加わる。支配力の底上げやな」

    初瀬「天江選手と宮永照選手二人分の力によって支配された場……そこに、他の要素をできる限り詰め込んだんですね。まずは、宮永咲選手自身が得意とする暗槓ですか」

    「二度も暗槓しましたね、あれでドラが一気に三種類に膨れ上がりました」

    末原「しかも、その暗槓で、同時に薄墨初美の鬼門を再現しよった。あのとき、ドラは西やったから、薄墨初美の能力が松実玄を上回れば、ドラの西が手に入る可能性がある」

    「だが、それも上手くいかず、最後に清澄・竹井の悪待ちリーチだな」

    末原「せや。竹井久の悪待ち……ちょいちょい手役を捨ててリーチすることがあるな。やけど……それでもあの竹井久の火力が下がらんのは、竹井が高確率で裏ドラを乗せてくるからや。
     あんときはカンドラが二枚増えとったから、同じ状況で松実玄がおらんかったら、きっと竹井は派手にドラ爆かまして和了っとったと思うで。ツモってくるんも赤五筒の可能性が高い。やけど……それも結局は、ただの五筒、しかも裏なしや」

    初瀬「松実玄さんの手がとんでもないことになっていましたよね……手牌が全部ドラって……」

    「さらに恐ろしいのは、残りのドラが全て王牌に取り込まれていたことです。本当に、裏ドラもカンドラも、一枚たりとも他家の手には入らなかった」

    89 = 1 :

    末原「松実玄のドラ独占はホンマもんの絶対やで。さっきの局、松実玄は、天江衣、宮永照、薄墨初美、竹井久っちゅう……全国でも最強クラスの支配力を持つ四人分の力を受けて……その全てに打ち勝った。
     まあ、もちろん宮永咲のコピーやから、実質はただ松実玄の能力が宮永咲の支配より強度が高いっちゅう……それだけのことなんやけどな。やけど……それこそとんでもないことやろ?
     宮永咲の化け物レベルは世界的に見ても突き抜けてる。その宮永咲があの手この手を尽くしても……松実玄のドラ独占は崩れん。これは……ホンマにすごいことやで……」

    初瀬「しかし……点数状況を見れば、宮永咲選手は完全に息を吹き返しました。逆に、松実玄選手は沈んでいます。
     これは能力バトルではなく、あくまで麻雀なので……支配力がどうとか……そういうオカルトに拘らなくても、宮永咲選手はこの調子で普通に和了っていけばいいのでは……?」

    「それはちょっと違うな、初瀬ちゃん。オカルトってのは、理由のねえ異常現象じゃねえんだよ。そのベースには、本人が積み上げた想いと、貫きたい信念が必ずある。オレらがオカルトに拘るのと、初瀬ちゃんが技術を磨くのとには、なんの違いもねえ。
     オレらにとっての能力ってのは……侍にとっての刀みてえなもんだ。いくら戦いに勝っても、刀を折られたままじゃ、そりゃ負けたようなもんなんだよ」

    「まあ……色々な戦い方があるでしょうね。初瀬さんの言い分も、井上さんの言い分も、もっともだと思います」

    末原「せやけど……ま、結局は勝ったもん勝ちやんな! まだまだトップは漫ちゃんやでっ!! 宮永咲やか松実玄やか知らんけど、何度でも言うわ! トップはうちの漫ちゃんやでっ!!!」

    すばら「それはさておき実況を再開しましょうっ!!! 宮永咲選手の五連荘でまだまだ勝負はわからなくなりましたっ!!! 南一局はとうとう五本場に突入ですっ!!!!」

    90 = 86 :

    見逃しからのチャンカンって出来る?
    待ち変えたのか…?

    91 = 1 :

    @対局室

    南一局五本場・親:咲

    (どどどどどどどうしよう!! また焼き鳥だよっ!! これじゃチャンピオンと戦ったときと同じ!!! 私ただのドラ置き場っ!! それだけは……なんとかして……この状況を打開しないと……!)

     一巡目:玄手牌:11333[5]③[⑤]五[五]八北南:ツモ五:ドラ1

    (ドラは一索……ヤオ九牌か……断ヤオは狙えない……対々に持っていければいいけど……これ……どうしようかな……)タンッ

     二巡目:玄手牌:11333[5]③[⑤]五五[五]八南:ツモ5:ドラ1

    (なんだか……インターハイを思い出すなぁ……あのときも……こうやって追い詰められて……チャンピオンは……止まりそうになくて……私は何もできなくて……他の人が頑張ってるのに乗っかってどうにかしただけ……)タンッ

     三巡目:玄手牌:11333[5]5③[⑤]五五[五]八:ツモ3:ドラ1

    (今日も……どんどん削られて……あっという間にマイナス三万……宮永さんは……チャンピオンと違って打点制限があるわけじゃないから……ここであっさり安手を和了ったりするかもしれない……何より……いつ嶺上開花を和了ってくるか……わからない)タンッ

     四巡目:玄手牌:113333[5]5③[⑤]五五[五]:ツモ1:ドラ1

    (今日は……いっぱいカンされちゃったな……ドラが溢れそうで溢れそうで……ずっと恐かった……また……同じことされるのかな……。
     どうしよう……普通に打てればまだいいけど……カンされちゃうと……それだけで何もできなくなっちゃう……手が……ドラだけになっちゃう……私……どうしたらいいのかな……どうしたら……この人たちに……勝てるのかな……)タンッ

    92 = 1 :

     一方、咲ッ!!

    (つ……疲れた……こんな風に力を使うのは……本当に……何年ぶりだろう……小さい頃のお姉ちゃんもかなり力の扱いが荒かったけど……きっと今の私はもっと荒いだろうな……)タンッ

     一巡目:咲手牌:①⑤⑥⑦78一三三八九西西:ツモ西:ドラ1

    (お姉ちゃんの連続和了も……私の嶺上開花も……なんていうか……ある種の制限なんだよね……力が強過ぎて……そのまま吐き出しても場が荒れるだけ……。
     だから……力の使い方を磨かないといけない……宝石の原石を綺麗にカットしていくみたいに……感覚を研ぎ澄ませていかないといけない……それができてなかった小さな頃は……力に振り回されて……苦労したなぁ……)タンッ

     二巡目:咲手牌:①⑤⑥⑦78三三八九西西西:ツモ6:ドラ1

    (今は……力を全力解放するにしても……無制限には開放しなくなった……場の荒らし方だって……見たことある人の感じを真似ることで……けっこう思い通りに引っ掻き回せた……。
     こんなやり方は……今だからできること……インターハイで……いろんな人の打ち方を見て……できるようになったこと……もしかすると……見てるお姉ちゃんをハラハラさせたかもしれないけど……私だって……ちゃんと成長してるんだから……大丈夫だよ……)タンッ

     三巡目:咲手牌:⑤⑥⑦678三三八九西西西:ツモ⑤:ドラ1

    93 :

    さらっと三暗刻ドラ6のクロチャー

    94 = 1 :

    (でも……色々やってみたけど……どれもしっくりこなかった……お姉ちゃんの連続和了でも……なんだかすっきりしない……私の打ち方じゃないから……合わないことはわかってたんだけど……。
     でも……私の打ち方じゃ……松実さんのドラ独占を止められなくて……だったら他の人のやり方で崩せるかなって思ったけど……やっぱりうまくいかなかったよ……)タンッ

     四巡目:咲手牌:⑤⑥⑦678三三八九西西西:ツモ七:ドラ1

    (やっぱり……私は嶺上開花じゃないとダメなんだ……! 松実さんに……松実さんの力に敵わないからって……諦めちゃダメだ……!! 嶺上開花は……お姉ちゃんに教えてもらった役……私の……大切な……思い出……!
     このまま一度も和了れずに……終わるわけにはいかない……!!)

     五巡目:咲手牌:⑤⑥⑦678三三七八西西西:ツモ六:ドラ1

    (よし……これで……準備は整った……!!!)

     咲に見えるのは、次巡の西ツモ、そして――嶺上の五萬ッ!!!

     嶺上開花ツモ――60符2飜は、2000オールッ!!

     二度の和了り拒否……フリテン承知の、八萬切りッ!!

    (嶺上開花……今度こそ……和了ってみせる……!!! 見ててね……お姉ちゃん……!!!)タンッ

    96 = 1 :

     一方、玄ッ!!!

    (ど……どうしよう……またドラが固まっちゃった……)
     
     五巡目:玄手牌:1113333[5]5[⑤]五五[五]:ツモ1:ドラ1

    (あとから赤五筒が来てくれるはずだから……このまま行くなら……三筒を捨てて……五索・五筒待ちのツモり四暗刻を目指す……。
     このうち場に出ているのは……宮永さんが三巡目に捨てた五筒だけ……残り三枚……和了れるかもしれないし……和了れないかもしれない……けど……それ以前に……)

     玄、ツモってきた一索を、見つめる。

    (四暗刻をテンパイするためには……ドラを捨てなきゃいけない……いや……もちろん……暗槓すればいいのはわかってる……でも……カンしたら……またドラが増えて……結局……またドラを手放すかどうか……迷うことになる……。
     場合によっては……さっきみたいに手がドラだけになっちゃって……どうやっても切るしかなくなっちゃったりとか……そういう感じになっちゃう……)

    97 = 65 :

    きゃっぷのお仕置きの時間です

    98 :

    咲の魔王っぷりがイマイチ
    このメンツで全員に見せ場っつったらまあ咲弱くするしかないよなあ

    100 = 40 :


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