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『じゃあ、始めるわよ』
『うん』
『カウントは30』
『了解』
『さっさと、こんなところからはおさらばしたいわ』
『……』
『うん』
『カウントは30』
『了解』
『さっさと、こんなところからはおさらばしたいわ』
『……』
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| 〆ヽ/
| ヾ_ノ
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| 〆ヽ/
| ヾ_ノ
『ねぇ、アスカ』
『なによ?』
『海って、本当は青色なんだよね』
『はぁ? だから?』
『……』
『ちょっと』
『ごめん、アスカ。……さよなら』
『アンタ、何、言って―――』
『なによ?』
『海って、本当は青色なんだよね』
『はぁ? だから?』
『……』
『ちょっと』
『ごめん、アスカ。……さよなら』
『アンタ、何、言って―――』
人気のない校舎裏で、不良たちが、一人の男子生徒に暴行を加えていた。
被害にあっているのは……僕だ。
シンジ「げほっ!」
不良A「ねぇねぇ、碇君。さっさとお金、払ってくれないとさぁ……君だって痛いの、やだろ?」
シンジ「だ、ダメだよ」
不良B「なんでだよ?」
シンジ「……このお金で、今日の夕飯のおかず、買うんだ」
不良A「おかずぅ?」
不良B「ギャハハハハハハ」
不良C「つーか、俺らそんなんしらねーし!」
不良の蹴りが、腹部を貫く。
シンジ「がはっ!」
被害にあっているのは……僕だ。
シンジ「げほっ!」
不良A「ねぇねぇ、碇君。さっさとお金、払ってくれないとさぁ……君だって痛いの、やだろ?」
シンジ「だ、ダメだよ」
不良B「なんでだよ?」
シンジ「……このお金で、今日の夕飯のおかず、買うんだ」
不良A「おかずぅ?」
不良B「ギャハハハハハハ」
不良C「つーか、俺らそんなんしらねーし!」
不良の蹴りが、腹部を貫く。
シンジ「がはっ!」
シンジ「お願いだよ、今日だけは許してよ」
不良A「今日だけは許すのを許してくださーい」
不良B「いいから出せよ、ゲーセン行くんだから」
シンジ「そ、そんな」
不良A「そこまで嫌がられたらしょうがないなぁ」
不良B「無理やり、はぎ取っちゃいますか?」
不良C「それがいいな」
不良たちが、ジリジリと僕との距離を詰める。
その時、一つの声が届く。
『それくらいにしておきなよ』
シンジ「……!」
不良A「今日だけは許すのを許してくださーい」
不良B「いいから出せよ、ゲーセン行くんだから」
シンジ「そ、そんな」
不良A「そこまで嫌がられたらしょうがないなぁ」
不良B「無理やり、はぎ取っちゃいますか?」
不良C「それがいいな」
不良たちが、ジリジリと僕との距離を詰める。
その時、一つの声が届く。
『それくらいにしておきなよ』
シンジ「……!」
不良A「おっ」
不良B「渚君」
皆の視線の先には、渚カヲルがいた。
カヲル「やれやれ、キミたちは……またこんなことをしているのかい?」
不良A「いやー、だってさぁ。なぁ?」
不良B「金がねぇからさ。しょうがねぇんだ」
カヲル「……はぁ。お金って、いくら必要?」
不良A「え、またくれるのかよ?」
カヲル「ああ」
不良B「ひょー、さすが渚君、話が分かるぅ!」
カヲル「気にするなよ……友達、だろ?」
不良C「おう!」
不良B「渚君」
皆の視線の先には、渚カヲルがいた。
カヲル「やれやれ、キミたちは……またこんなことをしているのかい?」
不良A「いやー、だってさぁ。なぁ?」
不良B「金がねぇからさ。しょうがねぇんだ」
カヲル「……はぁ。お金って、いくら必要?」
不良A「え、またくれるのかよ?」
カヲル「ああ」
不良B「ひょー、さすが渚君、話が分かるぅ!」
カヲル「気にするなよ……友達、だろ?」
不良C「おう!」
カヲル「一枚で足りる?」
不良A「よゆー、よゆー」
カヲル「そう」
彼は財布から一万円札を取り出し、不良たちに手渡した。
不良B「俺たち、これからゲーセン行くんだけどよ、渚君もどう?」
カヲル「遠慮しとくよ。家庭教師が待ってるから」
不良A「ヒュー、家庭教師だってよ」
不良C「渚君は俺たちと違ってエリートだもんな」
カヲル「からかうなよ」
不良A「ひゃはは」
不良A「よゆー、よゆー」
カヲル「そう」
彼は財布から一万円札を取り出し、不良たちに手渡した。
不良B「俺たち、これからゲーセン行くんだけどよ、渚君もどう?」
カヲル「遠慮しとくよ。家庭教師が待ってるから」
不良A「ヒュー、家庭教師だってよ」
不良C「渚君は俺たちと違ってエリートだもんな」
カヲル「からかうなよ」
不良A「ひゃはは」
不良B「んじゃあな、渚君」
カヲル「うん、またね」
不良たちが去っていく。
後に残される二人。
シンジ「……」
カヲル「……」
無言のまま、時が流れる。
僕は、謝礼の言葉を伝えるため、口を開く。
シンジ「あの」
カヲル「……」
シンジ「助けてくれて、ありがとう」
カヲル「……」
カヲル「うん、またね」
不良たちが去っていく。
後に残される二人。
シンジ「……」
カヲル「……」
無言のまま、時が流れる。
僕は、謝礼の言葉を伝えるため、口を開く。
シンジ「あの」
カヲル「……」
シンジ「助けてくれて、ありがとう」
カヲル「……」
カヲル「勘違いするなよ」
しかし、彼は冷たく言い放つ。
カヲル「キミみたいなウジウジしてるやつ、大っ嫌いなんだ」
シンジ「……」
カヲル「助けた? ……冗談じゃない。僕の友達が、無駄な時間を過ごしているのが気に食わなかっただけだ」
シンジ「でも」
カヲル「―――うるさいなッ!」
シンジ「……っ!」
突き飛ばされる。
しかし、彼は冷たく言い放つ。
カヲル「キミみたいなウジウジしてるやつ、大っ嫌いなんだ」
シンジ「……」
カヲル「助けた? ……冗談じゃない。僕の友達が、無駄な時間を過ごしているのが気に食わなかっただけだ」
シンジ「でも」
カヲル「―――うるさいなッ!」
シンジ「……っ!」
突き飛ばされる。
カヲル「気安く僕に話しかけないでくれないか。虫唾が走る」
うんざりするような表情を浮かべたその顔を、じっと見つめる。
カヲル「なんだよ、その目は」
シンジ「……別に」
カヲル「言いたいことがあるなら、はっきり言えよ」
シンジ「ないよ、そんなこと」
カヲル「じゃあ、気持ち悪い目で、僕のことを見るな!!」
助走をつけた蹴り。
避けることなど叶わず、なすがまま、その蹴りを体に受ける。
シンジ「ぐあ゛っ!」
うんざりするような表情を浮かべたその顔を、じっと見つめる。
カヲル「なんだよ、その目は」
シンジ「……別に」
カヲル「言いたいことがあるなら、はっきり言えよ」
シンジ「ないよ、そんなこと」
カヲル「じゃあ、気持ち悪い目で、僕のことを見るな!!」
助走をつけた蹴り。
避けることなど叶わず、なすがまま、その蹴りを体に受ける。
シンジ「ぐあ゛っ!」
カヲル「はぁっ、はぁっ……」
直接的な暴力に慣れていないのか、彼の息は上がっていた。
カヲル「ここまでやられて、反撃しないのかよ」
僕はなにも答えない。
カヲル「なに考えてるんだよ、キミは」
僕はなにも応えない。
カヲル「―――もういい」
舌打ちを残し、彼が去っていく。
その背中を見送る。
直接的な暴力に慣れていないのか、彼の息は上がっていた。
カヲル「ここまでやられて、反撃しないのかよ」
僕はなにも答えない。
カヲル「なに考えてるんだよ、キミは」
僕はなにも応えない。
カヲル「―――もういい」
舌打ちを残し、彼が去っていく。
その背中を見送る。
静寂の中、つぶやく。
シンジ「行った、か」
すると、体の節々が痛んだ。
シンジ「いてて」
シンジ「今日は、こっぴどくやられたなぁ」
シンジ「顔にやられてないだけ、マシか」
シンジ「……」
シンジ「まぁ、僕に遠慮してってわけじゃなく」
シンジ「大事にしないためなんだろうけど」
シンジ「あはは……頭、いいなぁ」
シンジ「行った、か」
すると、体の節々が痛んだ。
シンジ「いてて」
シンジ「今日は、こっぴどくやられたなぁ」
シンジ「顔にやられてないだけ、マシか」
シンジ「……」
シンジ「まぁ、僕に遠慮してってわけじゃなく」
シンジ「大事にしないためなんだろうけど」
シンジ「あはは……頭、いいなぁ」
改めて、僕は彼のことを思い浮かべる。
シンジ(渚カヲル)
シンジ(僕とは違う学校に通っている)
シンジ(病院経営もしている医者夫婦の一人息子で)
シンジ(テストでは、常に学年一位)
シンジ(友人関係は広く、教師からの信望も厚い)
しかし。
シンジ(裏では不良との付き合いがある)
シンジ(お金を渡すことで、ボディガード扱いにしてるのかもしれない)
シンジ(タバコを吸っているところも、見かけたことがあったっけな)
シンジ「……」
シンジ「そろそろ、家に帰らないと」
シンジ(渚カヲル)
シンジ(僕とは違う学校に通っている)
シンジ(病院経営もしている医者夫婦の一人息子で)
シンジ(テストでは、常に学年一位)
シンジ(友人関係は広く、教師からの信望も厚い)
しかし。
シンジ(裏では不良との付き合いがある)
シンジ(お金を渡すことで、ボディガード扱いにしてるのかもしれない)
シンジ(タバコを吸っているところも、見かけたことがあったっけな)
シンジ「……」
シンジ「そろそろ、家に帰らないと」
シンジ「ただいま」
帰宅の挨拶を済ませる。
返事はない。
シンジ「おばあちゃん、どこ?」
唯一の同居人である、祖母の所在を確かめるため、家の中を彷徨う。
シンジ「……」
シンジ「……」
シンジ「おばあちゃん?」
帰宅の挨拶を済ませる。
返事はない。
シンジ「おばあちゃん、どこ?」
唯一の同居人である、祖母の所在を確かめるため、家の中を彷徨う。
シンジ「……」
シンジ「……」
シンジ「おばあちゃん?」
シンジ「あっ」
彼女は、台所にいた。
シンジ「ただいま、おばあちゃん」
祖母「……」
シンジ「なにやってんだよ、こんなところで」
僕の存在に気付き、振り向く。
祖母「……おお、シンジ。シンジじゃないか」
シンジ「そうだよ、僕だよ」
祖母「どこに行ってたんだい?」
シンジ「学校だよ。決まってるじゃないか」
祖母「そうかい、そうかい」
彼女は、台所にいた。
シンジ「ただいま、おばあちゃん」
祖母「……」
シンジ「なにやってんだよ、こんなところで」
僕の存在に気付き、振り向く。
祖母「……おお、シンジ。シンジじゃないか」
シンジ「そうだよ、僕だよ」
祖母「どこに行ってたんだい?」
シンジ「学校だよ。決まってるじゃないか」
祖母「そうかい、そうかい」
シンジ「今、ご飯作るからね」
祖母「……」
シンジ「どうしたの?」
もう一度、僕に気付いた彼女が尋ねる。
祖母「おや、シンジじゃないか。いつ帰ったんだい?」
シンジ「さっきだよ」
祖母「で、どこに行ってたんだい?」
シンジ「学校だよ」
祖母「ああー、学校!」
シンジ「うん」
祖母「いいねぇ、学校……懐かしいねぇ」
シンジ「そっか」
祖母「……」
シンジ「どうしたの?」
もう一度、僕に気付いた彼女が尋ねる。
祖母「おや、シンジじゃないか。いつ帰ったんだい?」
シンジ「さっきだよ」
祖母「で、どこに行ってたんだい?」
シンジ「学校だよ」
祖母「ああー、学校!」
シンジ「うん」
祖母「いいねぇ、学校……懐かしいねぇ」
シンジ「そっか」
シンジ「今からご飯、作るからね」
祖母「……」
また黙りこくってしまった。
普通の状態と、このような状態を、彼女は繰り返す。
シンジ「おばあちゃんは、居間で待っててね」
祖母「……」
聞き分け良く、居間へと向かった。
シンジ「ふぅ」
シンジ「じゃあ、さっさと作っちゃおうかな」
祖母「……」
また黙りこくってしまった。
普通の状態と、このような状態を、彼女は繰り返す。
シンジ「おばあちゃんは、居間で待っててね」
祖母「……」
聞き分け良く、居間へと向かった。
シンジ「ふぅ」
シンジ「じゃあ、さっさと作っちゃおうかな」
数十分後、出来た料理を居間へと運ぶ。
シンジ「ご飯出来たよ」
祖母「……」
返事はない。
シンジ「おばあちゃん」
もう一度語りかけると、彼女は僕に気付いた。
祖母「おや、シンジ。学校はもう終わったのかい?」
シンジ「うん」
祖母「それはよかった。学校なんて、懐かしい」
シンジ「そっか。ご飯、冷めない内に食べようね」
祖母「いつもすまないねぇ」
シンジ「気にしないで」
シンジ「ご飯出来たよ」
祖母「……」
返事はない。
シンジ「おばあちゃん」
もう一度語りかけると、彼女は僕に気付いた。
祖母「おや、シンジ。学校はもう終わったのかい?」
シンジ「うん」
祖母「それはよかった。学校なんて、懐かしい」
シンジ「そっか。ご飯、冷めない内に食べようね」
祖母「いつもすまないねぇ」
シンジ「気にしないで」
向かい合い、食卓に並んだ料理を黙々と口に運んでいく。
しばらくして、彼女が尋ねてくる。
祖母「今日はどこに行ってたんだい?」
シンジ「学校だよ」
祖母「そうかい、そうかい」
シンジ「お婆ちゃんはなにしてたの?」
しかし、その瞳は虚空を見つめていた。
シンジ「……まぁ、いっか。そんなこと」
祖母「……」
しばらくして、彼女が尋ねてくる。
祖母「今日はどこに行ってたんだい?」
シンジ「学校だよ」
祖母「そうかい、そうかい」
シンジ「お婆ちゃんはなにしてたの?」
しかし、その瞳は虚空を見つめていた。
シンジ「……まぁ、いっか。そんなこと」
祖母「……」
シンジ「ごちそうさまでした」
祖母「……」
シンジ「おばあちゃんも、もういいよね?」
返事はない。
シンジ「片付けるよ」
祖母「……」
シンジ「よいしょっと」
祖母「シンジ」
食器を運ぼうとすると、名前を呼ばれる。
シンジ「ん、なに?」
祖母「……」
シンジ「おばあちゃんも、もういいよね?」
返事はない。
シンジ「片付けるよ」
祖母「……」
シンジ「よいしょっと」
祖母「シンジ」
食器を運ぼうとすると、名前を呼ばれる。
シンジ「ん、なに?」
祖母「ご飯、美味しかったよ」
シンジ「……!」
料理の感想を言われたのは、初めてだった。
シンジ「そっか、ありがとう」
祖母「ええ、ええ」
シンジ「ふふっ」
彼女が嬉しそうで、僕も嬉しかった。
シンジ「~♪」
シンジ「……!」
料理の感想を言われたのは、初めてだった。
シンジ「そっか、ありがとう」
祖母「ええ、ええ」
シンジ「ふふっ」
彼女が嬉しそうで、僕も嬉しかった。
シンジ「~♪」
翌日、学校の教室。
教室の外にまで漏れている話し声。
ケンスケ「でな、そこで敵勢力の機体がグワーッっと!!」
トウジ「……」
ヒカリ「……」
ケンスケ「なんだよ、その無反応っぷり」
トウジ「そら、好きでもないロボットアニメのことを延々語られてもなぁ」
ヒカリ「正直、反応に困る……かな」
ケンスケ「なんでだよ! ロボは男のロマンだろぉ!?」
トウジ「いや、わからん」
ヒカリ「私、女だし」
ケンスケ「そんなぁ……」
教室の外にまで漏れている話し声。
ケンスケ「でな、そこで敵勢力の機体がグワーッっと!!」
トウジ「……」
ヒカリ「……」
ケンスケ「なんだよ、その無反応っぷり」
トウジ「そら、好きでもないロボットアニメのことを延々語られてもなぁ」
ヒカリ「正直、反応に困る……かな」
ケンスケ「なんでだよ! ロボは男のロマンだろぉ!?」
トウジ「いや、わからん」
ヒカリ「私、女だし」
ケンスケ「そんなぁ……」
賑やかな場所に入るのをためらうのは、いつものことだ。
扉を開く。
シンジ「……」
ヒカリ「碇君、おはよ」
すぐに、僕の姿を確認した洞木ヒカリが話しかけてくる。
シンジ「……おはよう」
ヒカリ「今日は、いつもより遅いね」
シンジ「普通だよ」
ヒカリ「そっか」
シンジ「もう、いいかな?」
ヒカリ「あ、うん」
シンジ「……」
話を打ち切るようにして、足早に自分の席へと向かった。
扉を開く。
シンジ「……」
ヒカリ「碇君、おはよ」
すぐに、僕の姿を確認した洞木ヒカリが話しかけてくる。
シンジ「……おはよう」
ヒカリ「今日は、いつもより遅いね」
シンジ「普通だよ」
ヒカリ「そっか」
シンジ「もう、いいかな?」
ヒカリ「あ、うん」
シンジ「……」
話を打ち切るようにして、足早に自分の席へと向かった。
小さな声。
しかし、どうにか聞こえてしまうほどの会話。
ケンスケ「なぁ、委員長」
ヒカリ「なに?」
ケンスケ「誰彼無しに挨拶するの、やめようよ」
ヒカリ「どうして?」
ケンスケ「どうしてって……」
ヒカリ「挨拶するのは、悪いことじゃないでしょ?」
ケンスケ「そうだけどさぁ」
ヒカリ「鈴原も、そう思うよね?」
トウジ「わ、ワシか? ワシは……」
ケンスケ「トウジは、それ以前に委員長が他の男と話すのが嫌だもんな」ボソッ
トウジ「ん、んなこと言っとらんやろ!」
ヒカリ「?」
しかし、どうにか聞こえてしまうほどの会話。
ケンスケ「なぁ、委員長」
ヒカリ「なに?」
ケンスケ「誰彼無しに挨拶するの、やめようよ」
ヒカリ「どうして?」
ケンスケ「どうしてって……」
ヒカリ「挨拶するのは、悪いことじゃないでしょ?」
ケンスケ「そうだけどさぁ」
ヒカリ「鈴原も、そう思うよね?」
トウジ「わ、ワシか? ワシは……」
ケンスケ「トウジは、それ以前に委員長が他の男と話すのが嫌だもんな」ボソッ
トウジ「ん、んなこと言っとらんやろ!」
ヒカリ「?」
ケンスケ「大体さぁ、碇って……あれじゃん?」
ヒカリ「あれって?」
ケンスケ「暗いっていうか、浮いてるっていうか」
ヒカリ「それは挨拶しちゃいけない理由にはならないわ」
ケンスケ「ただ暗いだけならな。でも、あいつって……自発的にそうしてるっていうか」
トウジ「なんやそれ」
ケンスケ「うまく説明できないけどさ、自分から浮くようにしてるように見えるんだよ」
トウジ「ふーん」
ケンスケ「話しかけるなオーラっていうのかな。そういうの、まとってるだろ」
トウジ「あー、ちょっと分かるわ」
ヒカリ「あれって?」
ケンスケ「暗いっていうか、浮いてるっていうか」
ヒカリ「それは挨拶しちゃいけない理由にはならないわ」
ケンスケ「ただ暗いだけならな。でも、あいつって……自発的にそうしてるっていうか」
トウジ「なんやそれ」
ケンスケ「うまく説明できないけどさ、自分から浮くようにしてるように見えるんだよ」
トウジ「ふーん」
ケンスケ「話しかけるなオーラっていうのかな。そういうの、まとってるだろ」
トウジ「あー、ちょっと分かるわ」
ヒカリ「……じゃあ、私が挨拶するのって、間違い?」
ケンスケ「いや、あくまで俺が勝手にそう思ってるだけだからさ」
トウジ「ま、同じ根暗仲間として、気持ちが通じるってとこやろ」
ケンスケ「そうそう、本気出したら俺なんて一言もしゃべらない……って根暗じゃないからな!?」
ヒカリ「あはは」
シンジ「……」
ケンスケ「いや、あくまで俺が勝手にそう思ってるだけだからさ」
トウジ「ま、同じ根暗仲間として、気持ちが通じるってとこやろ」
ケンスケ「そうそう、本気出したら俺なんて一言もしゃべらない……って根暗じゃないからな!?」
ヒカリ「あはは」
シンジ「……」
三人の会話を聞いて、僕は思う。
シンジ(洞木ヒカリ)
シンジ(鈴原トウジ)
シンジ(相田ケンスケ)
シンジ(普通の学生)
シンジ(普通のクラスメイト)
シンジ(タイプの違う三人)
シンジ(でも、とても仲が良い三人)
シンジ(だから、彼らはクラスの中心として活動することが多い)
シンジ(だから、彼らはクラスのみんなと仲が良い)
シンジ(……僕を除いて)
シンジ「……」
シンジ(洞木ヒカリ)
シンジ(鈴原トウジ)
シンジ(相田ケンスケ)
シンジ(普通の学生)
シンジ(普通のクラスメイト)
シンジ(タイプの違う三人)
シンジ(でも、とても仲が良い三人)
シンジ(だから、彼らはクラスの中心として活動することが多い)
シンジ(だから、彼らはクラスのみんなと仲が良い)
シンジ(……僕を除いて)
シンジ「……」
昼休み、僕はお弁当を持って教室を出た。
シンジ(今日は、どこで食べようかな)
シンジ(教室は、ちょっとなぁ)
シンジ(……)
シンジ(屋上は、今日も開いてるかな)
シンジ(開いてたら、いいんだけど)
そして、一つの団体を見かける。
シンジ「……あ」
シンジ(今日は、どこで食べようかな)
シンジ(教室は、ちょっとなぁ)
シンジ(……)
シンジ(屋上は、今日も開いてるかな)
シンジ(開いてたら、いいんだけど)
そして、一つの団体を見かける。
シンジ「……あ」
なんかカオル君はイケメンすぎだぜひゃっはーって話多いけど
シンジも十分すぎるほどイケメンなんだよな
シンジも十分すぎるほどイケメンなんだよな
アスカ「あーもう! うっとおしい!」
女子A「そうよ、あんまりアスカに近づかないでよね」
団体の中央には惣流・アスカ・ラングレー。
それを女子が囲み、少し距離を置いて、男子達が取り巻いている。
取り巻きA「いやぁー、いいじゃないですか、一緒にお弁当くらい」
取り巻きB「そうそう、減るもんじゃないし」
取り巻きC「アスカ様―!」
アスカ「うえぇ……」
女子A「キモーイ!」
女子B「アスカ、いこいこ!」
女子A「そうよ、あんまりアスカに近づかないでよね」
団体の中央には惣流・アスカ・ラングレー。
それを女子が囲み、少し距離を置いて、男子達が取り巻いている。
取り巻きA「いやぁー、いいじゃないですか、一緒にお弁当くらい」
取り巻きB「そうそう、減るもんじゃないし」
取り巻きC「アスカ様―!」
アスカ「うえぇ……」
女子A「キモーイ!」
女子B「アスカ、いこいこ!」
>>44
クラスの女子「キャーいかりくーん」
クラスの女子「キャーいかりくーん」
>>46
ありゃエヴァのパイロットだからじゃねーの?
ありゃエヴァのパイロットだからじゃねーの?
一風変わった光景を目にしながら、僕は思う。
碇(惣流・アスカ・ラングレー)
碇(アメリカの大学を卒業してるんだっけ)
碇(でも、親が日本へ越してくると同時に、この中学へ転入)
碇(早く日本に馴染むため……だとか)
碇(性格以外は完璧だから、男子にカルト的人気がある)
碇(……いや、その性格がむしろ人気の秘訣なのかもしれない)
碇(そういった要素を除けば、ごくごく普通の女子生徒だ)
碇(実はマザコンって噂を聞くけど)
碇(……)
碇(惣流・アスカ・ラングレー)
碇(アメリカの大学を卒業してるんだっけ)
碇(でも、親が日本へ越してくると同時に、この中学へ転入)
碇(早く日本に馴染むため……だとか)
碇(性格以外は完璧だから、男子にカルト的人気がある)
碇(……いや、その性格がむしろ人気の秘訣なのかもしれない)
碇(そういった要素を除けば、ごくごく普通の女子生徒だ)
碇(実はマザコンって噂を聞くけど)
碇(……)
アスカ「―――ちょっと」
ふと気付くと、目の前に顔があった。
アスカ「私のこと、じっと見てんじゃないわよ」
シンジ「み、見てないよ」
慌てて否定する。
彼女は納得しない。
アスカ「ウソ言わないで」
シンジ「嘘じゃないよ」
アスカ「ホントにぃ?」
シンジ「ほんとだよ」
ふと気付くと、目の前に顔があった。
アスカ「私のこと、じっと見てんじゃないわよ」
シンジ「み、見てないよ」
慌てて否定する。
彼女は納得しない。
アスカ「ウソ言わないで」
シンジ「嘘じゃないよ」
アスカ「ホントにぃ?」
シンジ「ほんとだよ」
彼女は僕の顔をジロジロと見つめる。
嘘は慣れている。特におかしな振る舞いをしたつもりはないのだけれど。
そして、彼女が言う。
アスカ「アンタ、どっかで会ったことある?」
シンジ「……!」
僕は驚愕した。
しかし、動揺を表に出してはならない。
シンジ「……いや、話したのは初めてだよ」
アスカ「また、ウソ言ってない?」
シンジ「同じ学校の生徒だし、勘違いすることもあるよ」
アスカ「……」
嘘は慣れている。特におかしな振る舞いをしたつもりはないのだけれど。
そして、彼女が言う。
アスカ「アンタ、どっかで会ったことある?」
シンジ「……!」
僕は驚愕した。
しかし、動揺を表に出してはならない。
シンジ「……いや、話したのは初めてだよ」
アスカ「また、ウソ言ってない?」
シンジ「同じ学校の生徒だし、勘違いすることもあるよ」
アスカ「……」
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