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元スレ梨穂子「……ごめんなさい、橘くん」
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愛歌「ずずっ…」
純一「常識的に、本当にそうだったとしても信用とか、そういったことじゃもう…」
夕月「……詳しいことはわからねえけどさ、ずずっ」
こと…
夕月「アイツってば、思うに。無理をし過ぎてたんだと思うんだよ」
純一「無理を…?」
夕月「ああ、そうさ。あの子はアイドルって肩書がとんでもなく重たすぎたんだって、あたしゃーそう思う」
純一「………」
夕月「言いかえれば頑張りすぎたんだよ。運が運を呼んで、とんでもない場所まで上り詰めちまったけど、
はたしてそれがあの子の器量でやりきることが出来るもんだったかと言えば、そうじゃねーんだろうさ」
夕月「今回のことを、考えれば」
純一「………」
夕月「橘も知ってるだろうけど、あの病気は…精神的なものからくる記憶障害……だったか?」
愛歌「ずずっ…通称、心因性記憶障害」
純一「常識的に、本当にそうだったとしても信用とか、そういったことじゃもう…」
夕月「……詳しいことはわからねえけどさ、ずずっ」
こと…
夕月「アイツってば、思うに。無理をし過ぎてたんだと思うんだよ」
純一「無理を…?」
夕月「ああ、そうさ。あの子はアイドルって肩書がとんでもなく重たすぎたんだって、あたしゃーそう思う」
純一「………」
夕月「言いかえれば頑張りすぎたんだよ。運が運を呼んで、とんでもない場所まで上り詰めちまったけど、
はたしてそれがあの子の器量でやりきることが出来るもんだったかと言えば、そうじゃねーんだろうさ」
夕月「今回のことを、考えれば」
純一「………」
夕月「橘も知ってるだろうけど、あの病気は…精神的なものからくる記憶障害……だったか?」
愛歌「ずずっ…通称、心因性記憶障害」
純一「………」
夕月「しん、いん…?」
愛歌「心因性記憶障害───……心因性記憶障害健忘」
愛歌「区分すると4つ、一定期間のことすべてを思い出せない限局性。
一定期間内のいくつかの事しか思い出せない選択性。
人生すべてを思い出せない全般性。
ある特定の時期から現在の事を思い出せない持続性健忘。
発症年齢は、青年や若い女性に多く見られ、高齢者には稀にアリ。
心理的・社会的ストレスによって引き起こされると言われる」
夕月「…愛歌はなんでも知ってんな、本当に」
愛歌「調べた」
純一「そ、それで…梨穂子は?」
愛歌「予想すると……選択性の心因性記憶障害」
夕月「とある期間内のことをおもいだせないって奴か?」
純一「っ……でも、僕のことは全く覚えてなかったですよ…!?」
愛歌「怒るな……だから、予想だと言っている」
純一「ぐっ……すみません…っ」
夕月「まあまあ、橘だって困ってんだ。そんなに冷たくすんな愛歌」
夕月「しん、いん…?」
愛歌「心因性記憶障害───……心因性記憶障害健忘」
愛歌「区分すると4つ、一定期間のことすべてを思い出せない限局性。
一定期間内のいくつかの事しか思い出せない選択性。
人生すべてを思い出せない全般性。
ある特定の時期から現在の事を思い出せない持続性健忘。
発症年齢は、青年や若い女性に多く見られ、高齢者には稀にアリ。
心理的・社会的ストレスによって引き起こされると言われる」
夕月「…愛歌はなんでも知ってんな、本当に」
愛歌「調べた」
純一「そ、それで…梨穂子は?」
愛歌「予想すると……選択性の心因性記憶障害」
夕月「とある期間内のことをおもいだせないって奴か?」
純一「っ……でも、僕のことは全く覚えてなかったですよ…!?」
愛歌「怒るな……だから、予想だと言っている」
純一「ぐっ……すみません…っ」
夕月「まあまあ、橘だって困ってんだ。そんなに冷たくすんな愛歌」
夕月「しん、いん…?」
愛歌「心因性記憶障害───……心因性記憶障害健忘」
愛歌「区分すると4つ、一定期間のことすべてを思い出せない限局性。
一定期間内のいくつかの事しか思い出せない選択性。
人生すべてを思い出せない全般性。
ある特定の時期から現在の事を思い出せない持続性健忘。
発症年齢は、青年や若い女性に多く見られ、高齢者には稀にアリ。
心理的・社会的ストレスによって引き起こされると言われる」
夕月「…愛歌はなんでも知ってんな、本当に」
愛歌「調べた」
純一「そ、それで…梨穂子は?」
愛歌「予想すると……選択性の心因性記憶障害」
夕月「とある期間内のことしか、しかも少しだけしか思いだせないって奴か?」
純一「っ……でも、僕のことは全く覚えてなかったですよ…!?」
愛歌「怒るな……だから、予想だと言っている」
純一「ぐっ……すみません…っ」
夕月「まあまあ、橘だって困ってんだ。そんなに冷たくすんな愛歌」
愛歌「心因性記憶障害───……心因性記憶障害健忘」
愛歌「区分すると4つ、一定期間のことすべてを思い出せない限局性。
一定期間内のいくつかの事しか思い出せない選択性。
人生すべてを思い出せない全般性。
ある特定の時期から現在の事を思い出せない持続性健忘。
発症年齢は、青年や若い女性に多く見られ、高齢者には稀にアリ。
心理的・社会的ストレスによって引き起こされると言われる」
夕月「…愛歌はなんでも知ってんな、本当に」
愛歌「調べた」
純一「そ、それで…梨穂子は?」
愛歌「予想すると……選択性の心因性記憶障害」
夕月「とある期間内のことしか、しかも少しだけしか思いだせないって奴か?」
純一「っ……でも、僕のことは全く覚えてなかったですよ…!?」
愛歌「怒るな……だから、予想だと言っている」
純一「ぐっ……すみません…っ」
夕月「まあまあ、橘だって困ってんだ。そんなに冷たくすんな愛歌」
愛歌「……すまない」
純一「いえ、僕の方こそ急に熱くなってしまって……」
純一「で、でも! それは決して良くならない病気ではないんですよね!?」
愛歌「…回復は可能、再発も滅多に皆無」
純一「っ……よかった…!」
夕月「じゃあどうやって治すんだ?」
愛歌「調べてない」
夕月「…調べろよ」
愛歌「知らぬ顔の半兵衛」
夕月「…あ? だったら───ああ、そういうことか」
夕月「まあ、いいよ。確かに治る病気ってんなら安心だな、橘」
純一「………」
夕月「ん? 橘? どうしたさっきから俯いて───」
純一「───だったら、治しましょうよ、病気…!」
純一「いえ、僕の方こそ急に熱くなってしまって……」
純一「で、でも! それは決して良くならない病気ではないんですよね!?」
愛歌「…回復は可能、再発も滅多に皆無」
純一「っ……よかった…!」
夕月「じゃあどうやって治すんだ?」
愛歌「調べてない」
夕月「…調べろよ」
愛歌「知らぬ顔の半兵衛」
夕月「…あ? だったら───ああ、そういうことか」
夕月「まあ、いいよ。確かに治る病気ってんなら安心だな、橘」
純一「………」
夕月「ん? 橘? どうしたさっきから俯いて───」
純一「───だったら、治しましょうよ、病気…!」
夕月&愛歌「……は?」
純一「治るんですよね…? ちゃんと治るんだったら、どうにかして…!」
純一「僕たちで治しましょうよ! 梨穂子の病気を!」
愛歌「…」
夕月「い、いやっ……治すってお前さん…やりかたわかるのかい?」
純一「いいえ、全くわかりません!」
夕月「おいおい! それじゃあ話になんねーじゃねえか!」
純一「だけど! ただ見てろって言うんですか!? あの梨穂子を!?」
夕月「……そりゃあ、あたしだって見たくはないけど」
純一「でしょう!? だから僕が、そして茶道部のみなさんで梨穂子を治してやるんです!」
純一「──梨穂子の記憶を、僕たちで治してやりましょうよ!」
夕月「…簡単に言うねえ、おいおい」
愛歌「妄想主義者」
純一「治るんですよね…? ちゃんと治るんだったら、どうにかして…!」
純一「僕たちで治しましょうよ! 梨穂子の病気を!」
愛歌「…」
夕月「い、いやっ……治すってお前さん…やりかたわかるのかい?」
純一「いいえ、全くわかりません!」
夕月「おいおい! それじゃあ話になんねーじゃねえか!」
純一「だけど! ただ見てろって言うんですか!? あの梨穂子を!?」
夕月「……そりゃあ、あたしだって見たくはないけど」
純一「でしょう!? だから僕が、そして茶道部のみなさんで梨穂子を治してやるんです!」
純一「──梨穂子の記憶を、僕たちで治してやりましょうよ!」
夕月「…簡単に言うねえ、おいおい」
愛歌「妄想主義者」
純一「なんだっていってください! …そうだよ、そう言う手があった…!」
純一「これなら梨穂子とも話せる機会が増える、そしたらきちんとアイツと会話が出来ることも…!」
ぐっ…
純一「先輩! どうですか!? 僕と一緒にやってくれませんか!?」
夕月「やってくれませんかって、こういったことは大人しく見守っておくのが…」
純一「ダメですよ! それじゃあ! だって三週間しかないんですよ!?」
純一「そんな悠長なことを言ってたら、アイツはまたあの世界に…
しかも治らなければ、記憶が不安定のままに、またずーっと頑張り続けてしまう!」
純一「そしたらもうっ……アイツはっ…梨穂子は! どうなっちゃうか分からないでしょう!?」
夕月「……」
純一「どうにかするしかないんです! このことを知ってるのは…先輩と僕、この三人だけのはずです!」
純一「……お願いします、どうか、梨穂子の為だと思って……」
純一「──僕に協力をしてください、お願いします!」ぐっ
純一「これなら梨穂子とも話せる機会が増える、そしたらきちんとアイツと会話が出来ることも…!」
ぐっ…
純一「先輩! どうですか!? 僕と一緒にやってくれませんか!?」
夕月「やってくれませんかって、こういったことは大人しく見守っておくのが…」
純一「ダメですよ! それじゃあ! だって三週間しかないんですよ!?」
純一「そんな悠長なことを言ってたら、アイツはまたあの世界に…
しかも治らなければ、記憶が不安定のままに、またずーっと頑張り続けてしまう!」
純一「そしたらもうっ……アイツはっ…梨穂子は! どうなっちゃうか分からないでしょう!?」
夕月「……」
純一「どうにかするしかないんです! このことを知ってるのは…先輩と僕、この三人だけのはずです!」
純一「……お願いします、どうか、梨穂子の為だと思って……」
純一「──僕に協力をしてください、お願いします!」ぐっ
夕月「……」
純一「……」ぐぐッ…
夕月「はぁ……あのなぁ、橘───」
愛歌「───その心意気、乗った」
純一「ほ、本当ですかっ!?」
夕月「愛歌…?」
愛歌「乗ってやろう……橘純一」
愛歌「りほっちの治療……茶道部全部員で」
純一「やってくれるんですね!? 夕月先輩!?」
夕月「えっ? あ、お、おう……?」
純一「ありがとうございます! ありがとうございます!」
夕月「い、いや! 違う! そうじゃなくて───」
愛歌「──詳しい内容は後日」
純一「わかりました! 明日ですね!? そ、それなら僕も色々と徹夜で考えてきます…!」
純一「……」ぐぐッ…
夕月「はぁ……あのなぁ、橘───」
愛歌「───その心意気、乗った」
純一「ほ、本当ですかっ!?」
夕月「愛歌…?」
愛歌「乗ってやろう……橘純一」
愛歌「りほっちの治療……茶道部全部員で」
純一「やってくれるんですね!? 夕月先輩!?」
夕月「えっ? あ、お、おう……?」
純一「ありがとうございます! ありがとうございます!」
夕月「い、いや! 違う! そうじゃなくて───」
愛歌「──詳しい内容は後日」
純一「わかりました! 明日ですね!? そ、それなら僕も色々と徹夜で考えてきます…!」
愛歌「がんばれ」
純一「頑張ります! じゃ、じゃあこれで! いそいで帰って作戦を練らないと…!」だっ
純一「──お茶ありがとうございました! 失礼しました!」
がらりっ…ぴしゃっ
夕月「………」
愛歌「ずずっ…」
夕月「…おい、説明してくれるんだろうな」
愛歌「………」こと…
夕月「分かってんだろ? つぅうか、愛歌が分かって無いはずがないもんな」
愛歌「………」
夕月「──アイツ……橘だけど。ちょっとオカシイぞ、あれ」
愛歌「そうかもしれない」
夕月「そうかもじゃないだろ、必死すぎるっていうかよ、なんか周りが見えてないように感じる」
純一「頑張ります! じゃ、じゃあこれで! いそいで帰って作戦を練らないと…!」だっ
純一「──お茶ありがとうございました! 失礼しました!」
がらりっ…ぴしゃっ
夕月「………」
愛歌「ずずっ…」
夕月「…おい、説明してくれるんだろうな」
愛歌「………」こと…
夕月「分かってんだろ? つぅうか、愛歌が分かって無いはずがないもんな」
愛歌「………」
夕月「──アイツ……橘だけど。ちょっとオカシイぞ、あれ」
愛歌「そうかもしれない」
夕月「そうかもじゃないだろ、必死すぎるっていうかよ、なんか周りが見えてないように感じる」
愛歌「…」
夕月「急に治すとか言いだして、此処に来たときだって、変に思いつめた顔してやがって」
夕月「…今の橘は、ハッキリ言って〝危険〟だと思わねえのかい?」
愛歌「…」
夕月「冗談じゃねえよ、本気で言ってるんだ。あの馬鹿がとんでもねえ事しでかす前に……教えろ愛歌」
夕月「一体ぜんたい、何がしたいんだお前」
愛歌「…長いものには巻かれろ」
夕月「は?」
愛歌「そう言う本心……るっこもわかってるはず」
夕月「……。めんどくせーこと考えるのは苦手なんだよ、あたしゃ」
夕月「ま、とにかく約束しちまったことは守んねーとな」
夕月「はぁ~……どうなるんだろうねぇ、この三週間は」
愛歌「波乱の予感」
夕月「急に治すとか言いだして、此処に来たときだって、変に思いつめた顔してやがって」
夕月「…今の橘は、ハッキリ言って〝危険〟だと思わねえのかい?」
愛歌「…」
夕月「冗談じゃねえよ、本気で言ってるんだ。あの馬鹿がとんでもねえ事しでかす前に……教えろ愛歌」
夕月「一体ぜんたい、何がしたいんだお前」
愛歌「…長いものには巻かれろ」
夕月「は?」
愛歌「そう言う本心……るっこもわかってるはず」
夕月「……。めんどくせーこと考えるのは苦手なんだよ、あたしゃ」
夕月「ま、とにかく約束しちまったことは守んねーとな」
夕月「はぁ~……どうなるんだろうねぇ、この三週間は」
愛歌「波乱の予感」
~~~~
純一「はぁっ…はぁっ…! やってやる! やってやるぞ僕は!」たったった!
純一「家に帰って、色んな事を考えて…! 梨穂子の為に、色んな事を頑張ってやるんだ…!」
純一「僕は…! 大丈夫だ、絶対に梨穂子を治すことが出来るはず…!」
たったったった!
純一「───やってやるぞ! 梨穂子! 待ってろよ!」
次の日
純一「………」
純一(色々と夜なべして考えてきたけど、その内容を茶道部の先輩たちに言う前に…)
純一「…梨穂子に対しても、ちょっと了解を得ないといけないよな」
純一(僕と梨穂子は他のクラス。会えない可能性も格段と上がってしまう……それならどうすればいいか)
わいわい がやがや
純一(登校中の梨穂子を、話しかければいい)
純一(登校ルートはほぼ一緒だから、こうやって道を歩いていればじきに出会うはずだ……)
純一(もうちょっと待てばあいつは来るはず──来た…!)
純一「はぁっ…はぁっ…! やってやる! やってやるぞ僕は!」たったった!
純一「家に帰って、色んな事を考えて…! 梨穂子の為に、色んな事を頑張ってやるんだ…!」
純一「僕は…! 大丈夫だ、絶対に梨穂子を治すことが出来るはず…!」
たったったった!
純一「───やってやるぞ! 梨穂子! 待ってろよ!」
次の日
純一「………」
純一(色々と夜なべして考えてきたけど、その内容を茶道部の先輩たちに言う前に…)
純一「…梨穂子に対しても、ちょっと了解を得ないといけないよな」
純一(僕と梨穂子は他のクラス。会えない可能性も格段と上がってしまう……それならどうすればいいか)
わいわい がやがや
純一(登校中の梨穂子を、話しかければいい)
純一(登校ルートはほぼ一緒だから、こうやって道を歩いていればじきに出会うはずだ……)
純一(もうちょっと待てばあいつは来るはず──来た…!)
>>71
梨穂子ってロングスカート似合うなと今更ながらに確信した
梨穂子ってロングスカート似合うなと今更ながらに確信した
ダイエットしてるから甘いものをくれる橘さんを遠ざける話かと思ったら予想以上に重かった
支援
支援
>>82
お疲れさん
お疲れさん
純一「梨穂子!好きだっ!大好きだ!!!!」
梨穂子「うれしい・・・やっと言ってくれた(涙)」
(そして僕たちは・・・キスをした)
伊藤邸(香苗の部屋)
梨穂子の背中のチャックが開く
香苗「ふぅ、暑い・・・・まったく世話が焼けるなぁ、あのふたり」
梨穂子「うれしい・・・やっと言ってくれた(涙)」
(そして僕たちは・・・キスをした)
伊藤邸(香苗の部屋)
梨穂子の背中のチャックが開く
香苗「ふぅ、暑い・・・・まったく世話が焼けるなぁ、あのふたり」
梨穂子「………」すたすた…
純一(…梨穂子だ、前方から坂を上ってきてる。俯いて歩いてるようだから、
まだこちらには気付いてない……よし、近づくまで待ってよう)
純一「…」
梨穂子「……」すたすた…
純一「…」
梨穂子「……」すたすたすた…
純一(今だ!)
純一「りほ──」
伊藤「──やっほ、桜井ー」
梨穂子「っ……」
伊藤「おっはよーさん!」
梨穂子「……───」
梨穂子「──おはよう、香苗ちゃん~」
純一「え……?」
純一(…梨穂子だ、前方から坂を上ってきてる。俯いて歩いてるようだから、
まだこちらには気付いてない……よし、近づくまで待ってよう)
純一「…」
梨穂子「……」すたすた…
純一「…」
梨穂子「……」すたすたすた…
純一(今だ!)
純一「りほ──」
伊藤「──やっほ、桜井ー」
梨穂子「っ……」
伊藤「おっはよーさん!」
梨穂子「……───」
梨穂子「──おはよう、香苗ちゃん~」
純一「え……?」
伊藤「うい、おはようさん~」
梨穂子「えへへ、今日も元気だね香苗ちゃんは」
伊藤「あったりまえ、あたしだは元気が取り柄だからさ」
梨穂子「くすくす」
伊藤「そういう桜井だって、アイドルだからって全然元気じゃん」
梨穂子「え~? だから言ってるでしょ香苗ちゃん、アイドルアイドルって言わないでよって~」
伊藤「言わないでって言われても、あんだけゆうめいになっちゃったらイヤでも思っちゃうでしょうが」
梨穂子「…そうなの? うーん、でもなぁ」
伊藤「あんまそう思ってほしくないなら、あたしも言わないでおくけど?」
梨穂子「……」
梨穂子「…ううん、全然いいよ。だってアイドルってことは本当のことだし…」
梨穂子「──それに、私がなによりも大好きな事だから」
純一「っ……」
梨穂子「えへへ、今日も元気だね香苗ちゃんは」
伊藤「あったりまえ、あたしだは元気が取り柄だからさ」
梨穂子「くすくす」
伊藤「そういう桜井だって、アイドルだからって全然元気じゃん」
梨穂子「え~? だから言ってるでしょ香苗ちゃん、アイドルアイドルって言わないでよって~」
伊藤「言わないでって言われても、あんだけゆうめいになっちゃったらイヤでも思っちゃうでしょうが」
梨穂子「…そうなの? うーん、でもなぁ」
伊藤「あんまそう思ってほしくないなら、あたしも言わないでおくけど?」
梨穂子「……」
梨穂子「…ううん、全然いいよ。だってアイドルってことは本当のことだし…」
梨穂子「──それに、私がなによりも大好きな事だから」
純一「っ……」
伊藤「お、流石は現役女子高生でありながら人気のKBTアイドル!」
梨穂子「ちょ、ちょっと…! そんなこと大きな声で言わないで…ね?」
伊藤「あはは、んな恥ずかしがらなくてもいいじゃん───って、あれ?」
伊藤「橘くん?」
純一「…あっ……」
伊藤「橘くんじゃん、おはようー」
純一「お、おはよう……」
伊藤「ん? えらく元気ないけど、どかした?」
純一「あ、うん……えっと、その…」
梨穂子「………」
純一「………」
伊藤「…はは~ん、なるほどねぇ。あたしはお邪魔虫って訳ですかぁ」
梨穂子「も、もうっ! 香苗ちゃんっ……?」
梨穂子「ちょ、ちょっと…! そんなこと大きな声で言わないで…ね?」
伊藤「あはは、んな恥ずかしがらなくてもいいじゃん───って、あれ?」
伊藤「橘くん?」
純一「…あっ……」
伊藤「橘くんじゃん、おはようー」
純一「お、おはよう……」
伊藤「ん? えらく元気ないけど、どかした?」
純一「あ、うん……えっと、その…」
梨穂子「………」
純一「………」
伊藤「…はは~ん、なるほどねぇ。あたしはお邪魔虫って訳ですかぁ」
梨穂子「も、もうっ! 香苗ちゃんっ……?」
伊藤「はは、いいじゃん。こういったからかいも久しぶりで───」
純一「───香苗さん、ちょっと僕と梨穂子の二人だけにしてもらってもいいかな」
伊藤「…え?」
純一「いいかな、させてもらっても」
伊藤「あ、う、うん……いいけど…どしたの急に?」
純一「…ごめん、詳しくは言えない」
伊藤「………」
純一「………」
伊藤「…わかった、よくわかってないけど」
純一「っ……ありがとう、今度なにかお礼するよ」
伊藤「いいっていいって、それよりも……」すたすた…
伊藤「……あんまり桜井を困らせたことさせたら、怒るよ」ぼそっ
純一「………」
伊藤「んじゃ、桜井ぃ。教室でねー」
純一「───香苗さん、ちょっと僕と梨穂子の二人だけにしてもらってもいいかな」
伊藤「…え?」
純一「いいかな、させてもらっても」
伊藤「あ、う、うん……いいけど…どしたの急に?」
純一「…ごめん、詳しくは言えない」
伊藤「………」
純一「………」
伊藤「…わかった、よくわかってないけど」
純一「っ……ありがとう、今度なにかお礼するよ」
伊藤「いいっていいって、それよりも……」すたすた…
伊藤「……あんまり桜井を困らせたことさせたら、怒るよ」ぼそっ
純一「………」
伊藤「んじゃ、桜井ぃ。教室でねー」
梨穂子「あ、うん! またね~」ふりふり
伊藤「うぃー」すたすた
梨穂子「………」ふりふり…
梨穂子「………」ふり…
すっ…
梨穂子「………」
純一「っ……梨穂子…」
梨穂子「…私に近づかないで」
純一「そ、それは……昨日聞いた」
梨穂子「…じゃあ今日も近づかないで。明日も明後日も、この三週間ずっと」
梨穂子「───私の視界に一切、映らないようにしてください」
純一「ぐッ…どうして、そんなこと言うんだよっ」
梨穂子「………」
純一「僕はっ……知ってるんだぞ、お前の…その〝病気〟のこと…!」
梨穂子「っ…」
伊藤「うぃー」すたすた
梨穂子「………」ふりふり…
梨穂子「………」ふり…
すっ…
梨穂子「………」
純一「っ……梨穂子…」
梨穂子「…私に近づかないで」
純一「そ、それは……昨日聞いた」
梨穂子「…じゃあ今日も近づかないで。明日も明後日も、この三週間ずっと」
梨穂子「───私の視界に一切、映らないようにしてください」
純一「ぐッ…どうして、そんなこと言うんだよっ」
梨穂子「………」
純一「僕はっ……知ってるんだぞ、お前の…その〝病気〟のこと…!」
梨穂子「っ…」
純一「記憶が……ないんだろ?」
梨穂子「………」
純一「憶えていたことが全く憶えて…なくて。
だから今はアイドルを休業してまで…学校に来てる」
梨穂子「………」
純一「憶えてる部分がどんな所かは知らないけ…だけど、僕に対する対応でなんとなく理解できるよ」
純一「…梨穂子、僕のことを忘れてるんじゃないかって」
梨穂子「………」
純一「だからあんな風に、僕に冷たい対応をしたんだろ?
今だってそうだよ、こんなの、全然梨穂子らしくない」
純一「…お願いだ、梨穂子。正直に話してくれよ」
梨穂子「………」
純一「辛いのかもしれないけど、言いたくないのかもしれないけど……忘れてしまってるんだろうけど」
純一「僕とお前は、幼馴染なんだ。正直に言ってくれ…」
梨穂子「………」
純一「憶えていたことが全く憶えて…なくて。
だから今はアイドルを休業してまで…学校に来てる」
梨穂子「………」
純一「憶えてる部分がどんな所かは知らないけ…だけど、僕に対する対応でなんとなく理解できるよ」
純一「…梨穂子、僕のことを忘れてるんじゃないかって」
梨穂子「………」
純一「だからあんな風に、僕に冷たい対応をしたんだろ?
今だってそうだよ、こんなの、全然梨穂子らしくない」
純一「…お願いだ、梨穂子。正直に話してくれよ」
梨穂子「………」
純一「辛いのかもしれないけど、言いたくないのかもしれないけど……忘れてしまってるんだろうけど」
純一「僕とお前は、幼馴染なんだ。正直に言ってくれ…」
梨穂子「………」
梨穂子「………橘くん」
純一「っ…な、なんだ?」
梨穂子「……っはぁ~、あのねちょっといいかな」
梨穂子「──リホは別に、病気でもなんでもないよ?」
純一「えっ…?」
梨穂子「もう一回言ってあげようか? 橘くん、これは病気じゃないんだよ」
梨穂子「一般的に公表されてる通り、ただの休暇期間……ただのオヤスミってだけで」
梨穂子「周りが噂してるような、病気だとか記憶喪失とかじゃなくて───」
梨穂子「──このリホがまねーじゃーさんに我儘を言って休ませてもらってるだけ」
純一「……う、嘘だよ…だって! 高橋先生が…!」
梨穂子「高橋先生? …ふーん、そっか~」
梨穂子「信用しちゃったんだ~? くすくす、橘君って……本当にお豆腐みたいな脳みそなんだね~」
梨穂子「………橘くん」
純一「っ…な、なんだ?」
梨穂子「……っはぁ~、あのねちょっといいかな」
梨穂子「──リホは別に、病気でもなんでもないよ?」
純一「えっ…?」
梨穂子「もう一回言ってあげようか? 橘くん、これは病気じゃないんだよ」
梨穂子「一般的に公表されてる通り、ただの休暇期間……ただのオヤスミってだけで」
梨穂子「周りが噂してるような、病気だとか記憶喪失とかじゃなくて───」
梨穂子「──このリホがまねーじゃーさんに我儘を言って休ませてもらってるだけ」
純一「……う、嘘だよ…だって! 高橋先生が…!」
梨穂子「高橋先生? …ふーん、そっか~」
梨穂子「信用しちゃったんだ~? くすくす、橘君って……本当にお豆腐みたいな脳みそなんだね~」
純一「っ……!」
梨穂子「アレは単に、同情をさせて不登校気味だったものを緩和させる為に言っただけなんだー」
梨穂子「…他の子もやってることだって、まねーじゃーさんに教えてもらったんだよ」
純一「そ、そんなことっ…だって、茶道部の先輩たちも…! それに、僕に対しても…!
だったらどうして僕のこと橘って呼ぶんだよ!? 記憶が無いとしか理由がないだろ…!?」
梨穂子「あはは、違うよー…もう!」
梨穂子「じゃあ呼んでほしいなら呼んであげるよ、ねえねえ───」
梨穂子「───純一ぃ、おはよう~」
純一「っ……や、やめろ…!」
梨穂子「えー? どうして? だって純一が呼んでって言ったんでしょお?」
梨穂子「だからわざわざ呼んであげたのにぃ…ひどいよ、そういうのって」
純一「ち、違う…! そんなの、梨穂子じゃ…!」
梨穂子「…何が違うっていうの? あはは、だってみてたでしょ?」
梨穂子「香苗ちゃんだってリホのこと、まったく心配してる風じゃ無かったよね?」
梨穂子「昨日、クラスで一日中過ごしたのに。まったくリホのこと気にかけてる様子はなかったよね?」
梨穂子「アレは単に、同情をさせて不登校気味だったものを緩和させる為に言っただけなんだー」
梨穂子「…他の子もやってることだって、まねーじゃーさんに教えてもらったんだよ」
純一「そ、そんなことっ…だって、茶道部の先輩たちも…! それに、僕に対しても…!
だったらどうして僕のこと橘って呼ぶんだよ!? 記憶が無いとしか理由がないだろ…!?」
梨穂子「あはは、違うよー…もう!」
梨穂子「じゃあ呼んでほしいなら呼んであげるよ、ねえねえ───」
梨穂子「───純一ぃ、おはよう~」
純一「っ……や、やめろ…!」
梨穂子「えー? どうして? だって純一が呼んでって言ったんでしょお?」
梨穂子「だからわざわざ呼んであげたのにぃ…ひどいよ、そういうのって」
純一「ち、違う…! そんなの、梨穂子じゃ…!」
梨穂子「…何が違うっていうの? あはは、だってみてたでしょ?」
梨穂子「香苗ちゃんだってリホのこと、まったく心配してる風じゃ無かったよね?」
梨穂子「昨日、クラスで一日中過ごしたのに。まったくリホのこと気にかけてる様子はなかったよね?」
梨穂子「記憶喪失だとか、お仕事がきつくて休んだとか……そういったことは全部、嘘」
梨穂子「リホはリホで、三週間の学校生活を楽しみたいってだけで、別にそんな大した理由があるわけじゃないんだよ」
梨穂子「……桜井梨穂子は、ただのお仕事のずる休み中。なんだよ?」
純一「ち、違う!」
梨穂子「違わないよ、本当のことだから」
純一「っ…じゃあ、どうして僕にそんな態度なんだよ!? 梨穂子、そんなお前らしくないだろ…!?」
梨穂子「…さっきからその〝らしくない〟って、何なのかな」
純一「だってそうじゃないかっ! そんなっ…そんなっ…人を小馬鹿にしたような喋り方っ…梨穂子らしく───」
梨穂子「──らしくない、とか言わないでよ」
純一「っ……」
梨穂子「じゃあ言ってあげる、純一。あのね、わかってないようだから言ってあげるけど」
梨穂子「……これが今の〝私〟なんだよ。これがアイドルの桜井リホなんだよ」
梨穂子「いつまで自分が知ってる幼馴染の〝桜井梨穂子〟だって思ってるの?」
梨穂子「…やめてよ、もうそんな私なんて居ないんだから」
梨穂子「リホはリホで、三週間の学校生活を楽しみたいってだけで、別にそんな大した理由があるわけじゃないんだよ」
梨穂子「……桜井梨穂子は、ただのお仕事のずる休み中。なんだよ?」
純一「ち、違う!」
梨穂子「違わないよ、本当のことだから」
純一「っ…じゃあ、どうして僕にそんな態度なんだよ!? 梨穂子、そんなお前らしくないだろ…!?」
梨穂子「…さっきからその〝らしくない〟って、何なのかな」
純一「だってそうじゃないかっ! そんなっ…そんなっ…人を小馬鹿にしたような喋り方っ…梨穂子らしく───」
梨穂子「──らしくない、とか言わないでよ」
純一「っ……」
梨穂子「じゃあ言ってあげる、純一。あのね、わかってないようだから言ってあげるけど」
梨穂子「……これが今の〝私〟なんだよ。これがアイドルの桜井リホなんだよ」
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