元スレP「涼ちん♪」 涼「」

みんなの評価 : ★
201 = 138 :
ほ
202 = 99 :
日曜日
涼「今日は日曜日だ! ふふっ、何をしよっかな?」
涼「……と、言っても……もうすぐオーディションの二次審査があるから、あんまり遊んでばっかりもいられないよね」
涼「……」
涼(いつもだったら、愛ちゃんや絵理ちゃんのアイドル活動を見にいくところだけど……)
涼(なんか今は、そんな気も起きないなあ……は~あ……)
涼(……プロデューサーさんも、今日はしっかり体を休めるように、って言ってたし……)
涼(家にいようかな……)
携帯『スキスキ♪ ダイスキ♪ マルデ ジェットコースター ミータイネー♪』
涼「!」ガバッ
涼「こ、この着信音は……」
………………………………
着信:プロデューサーさん
………………………………
涼「ぷ、プロデューサーさん……!」
203 = 99 :
携帯『イツデモ ドキドキ ハッピー……
ピッ
涼「も、もしもし……プロデューサーさん?」
P『ああ、涼ちゃん。すまないな、わざわざ休みの日に電話して……』
涼「い、いえ……どうしたんですか?」
P『いや、実はな……ちょっと、頼みがあってさ』
涼「頼み……?」
P『うん。えーっと……』
涼「……」
P『今から俺と、デートしないか?』
涼「……ぇ……」
涼「うぇぇえええええぇええっ!!?」
204 = 138 :
着信音がもう・・・
205 = 99 :
涼「えっ、その、あのっ! ででで、デートって……!?」
P『ああ、ごめんごめん。言い方が悪かったな』
涼「……えーっと……」
P『新しい衣装を買おうと思うんだよ。懇意にしてるショップがあるから、そこでさ』
涼「……私の、ステージ衣装?」
P『ああ。いつもは、ファンの方からもらった衣装を着てるだろ? それ以外にも二、三着、もうそろそろ持っておかないと』
涼「……」
P『……と、思ったんだけど、ダメかな? あ、いや、用事があるなら無理にとは言わないんだけど』
涼「い、行きますっ! 用事なんて全然ないですからっ! 是非行かせてくださいっ!!」
P『おお、そうか! じゃあ、……時に、……に待ち合わせということで』
涼「は、はいっ! それじゃあ、またあとで……!」
ピッ
涼「……」
涼「…………」
涼(よ、喜んでなんかないよ。ただ、暇だった休日に、良い時間潰しが出来たから……、ただそれだけだから……)
206 = 102 :
涼ちんかわいい
208 = 99 :
ソワソワ
涼(ああどうしよう、何を着ていこう……!?)
涼(ああっ! ていうか、プロデューサーさんと会うんだから、女の子の格好していかないとダメだよねっ)
涼(となると、一回シャワーを浴びて、メイクもしないと……髪もボサボサだし……)
涼(に、ニオイも……なんか、汗っぽいし……)スンスン
涼「えーっと、と、とにかく! ま、まずは速攻でシャワーを……っと、うわわわ!?」
どんがらがっしゃーん!
涼「あいたたた……もうっ、なんでこんなところにサッカーボールが転がってるのっ!」
涼「まるで男の子の部屋みた……い……」
涼「ぎゃおおおおんん!!!!」
涼「ぼっ、ぼぼぼ僕は男の子だよっ!!!」
涼「そもそもなんでっ、こんなにナチュラルに、女の子のデートの準備が頭に浮かぶんだよぉっ!」
涼(うぅ……も、もう……なんなの……)
涼(どうしてプロデューサーさんのこととなると、僕はこんなに、落ち着いていられないの……!)
210 = 105 :
ヤバい可愛い
211 :
なんか目覚めそうだわ
212 = 99 :
―――
涼「はぁっ、はぁっ……! ぷ、ぷろでゅーさーさぁん……!」
P「……ん、おお、涼ちゃん!」
涼「すっ、すみません……おまたせ……うぅ……しました……」
P「いやいや、気にしないでくれ。随分急いで来たみたいだな……」
涼「はっ、はい……じゅ、準備は万端、だったはずなんですけど……」
ツツー……
P(涼ちんの汗)
涼「プロデューサーさんを……んっ……待たせてる、って思うと……はぁ、はぁ……」
涼「なんか、急がなきゃ急がなきゃって……思っちゃって……うぅ」
P「そんな、遅れるって連絡はちゃんとしてくれたんだから……ゆっくり来てくれれば良かったのに」
涼「でも……っ!」
涼(うう……も、もう……、ダメダメだよぉ……)
涼(アタフタしまくり……髪は結局ボサボサになっちゃったし……ヒールは、折れてないけど……)
涼(こ、こんなんじゃ、幻滅されちゃうかも……!)
213 = 159 :
順調に乙女度進行中で何よりです
214 :
精神崩壊バッドエンドはまだですか
215 = 99 :
涼(……げげげ、幻滅ってなに!?)
涼(あわわわ……そんなのまるで、恋する女の子みたいじゃないかっ!)
涼「……と、とにかく……ごめんなさい、こんなボロボロで……」
P「あはは……涼ちゃん。いつもより、お洒落してきたんだな」
涼「そ、そうですか……? えへへ……こないだ、愛ちゃん達と買いにいったんです、この服……」
P「いつもはしないのに、今日はネイルもしてるじゃないか」
涼「……それは……プロデューサーさんと、会うから……」
涼(……本当は。それはただ……プロデューサーさんに、女の子じゃない、ってこと、バレたくなかっただけ……で……)
P「……可愛いよ。よく似合ってる」
涼「……っ」
涼(それだけ……のはず、なのに……)
P「でも、いつも通りの君でも……、俺は良かったんだよ。いつだって、どんな格好をしてたって、君は……可愛いから、さ」
ナデナデ
涼「……!!!」
216 = 102 :
いいよ
いいよ!
217 = 99 :
P「っと、すまない、また気安く頭を……」
涼「……――っと……」
P「え?」
涼「もっと……撫でてくれても、いいです……」
P「……」
涼「そうしてくれたら……私も、嬉しい……ですから……えへへ」
チラ
P「っ!」
P(こ、この場面で上目遣いとか卑怯だろ……危ない危ない、あやうく抱きしめるところだった)
P「あ、ああ……それじゃ、遠慮なく……」
ナデナデ……
涼「……ふふっ……なんだか、落ち着きます……」
P「そ、そうか……それはよかった……」
218 = 99 :
涼「……プロデューサーさん?」
P「ん? どうした?」
涼「今日、私、一日暇なんです。だから……その……」
P「……いやいや、だめだめ。もうすぐオーディションなんだから……この買い物が終わったら、家に帰って休むんだ」
涼「……はーい……」
P「ははは、そうふくれっ面になるなよ……」
涼(……なんか、よくわからなくなっちゃった)
涼(僕は、プロデューサーさんに、どう思われたくて……)
涼(どう、思われたくないのか……)
涼(……でも……)
涼「ふふっ、それじゃあ、行きましょっか♪」
P「う、うん……」
涼(今だけは……そういうの抜きにして、思いっきり楽しんでも……いいよね?)
219 = 99 :
その夜 涼ちんのお部屋
涼「……」
涼「…………」
涼「………………」
涼「ぎゃおおおおおおおん!!!」
ゴロゴロ
涼「ぼ、僕っ! ななな、なんてことを……言っちゃったの……!」
涼「僕は男の子なのにっ! 弱々しかった自分を変えたくて、アイドルになろうって思ったはずなのにっ!!」
涼「イケメンになって、男の人から告白されるような、女々しい自分から卒業したかったはずなのにぃ……!!」
ゴロゴロ……
涼「それなのにっ……あ、あれじゃあ、まるで……!」
涼「ま、まるで……、あれだけ、そう思われるのがイヤだった……」
涼「女の子そのものじゃないかぁっ! うあうあうあうあ~~!!!」
220 :
ニタニタ
221 = 99 :
ゴロゴロ
涼「……」ピタ
涼「……プロデューサーさんに、へんだって……思われなかったかな……」
涼「こんな……男とも女とも言えない、僕を目の前にして……プロデューサーさんは……」
涼(……可愛い、って……言ってくれたけど……)
涼(も、もしも……実は全部、見抜かれていたんだとしたら……?)
涼(そうじゃなくても……僕が本当は男の子だ、ってバレちゃったら……そのときプロデューサーさんは、僕のことを……)
涼(き、キライに……? なるよね、当然、だよね……)
涼「うぅうぅううう……!」ジワ
ポロポロ……
涼「うぇええん……!」
222 = 99 :
ポロポロ……
涼「うう……ひっく、えぐ……」
涼(もしも、もしも……って)
涼(そんな、まだ何もわからない未来のことを想像したら……なんだか、泣けてきちゃった……)
涼(どう思われたって、構わない。だって、僕はアイドルで、あの人はただのプロデューサーで……)
涼(本当は、そのはずなのに……)
涼「き、嫌われるのだけは……っ……イヤ、だよぉ……!」
涼「うわぁあああん!!!!」
223 = 138 :
うむ
224 = 99 :
涼(……デートは、とっても楽しかった)
涼(でも……楽しかった分、ひとりになったとき、こんな気持ちになるなんて)
涼(……今まで、知らなかった……)
涼「う、うぅ……」
ガサゴソ
涼「……ぁ、あった……。今日買ってもらった……新しい、ステージ衣装……」
涼「えへへ……これも可愛いって、言ってくれたっけ……」
涼「僕ったら、そんなこと言われて、つい舞い上がっちゃって……」
ぎゅっ……
涼「……プロデューサーさん……」
涼(もう……今なら……少しだけ、あのクラスメイトの気持ち、わかるかもしれない……)
『お、男でも関係ない! 俺は、秋月のことが、好きなんだよぉ! ハァハァ』
涼(……彼については、僕自身、なんとも思っていないけど……)
涼(その、熱くなってしまった気持ちは……今なら、少しだけ……)
225 = 171 :
俺がいた
226 = 99 :
涼「……」
涼「そうだよ……僕は……もう……」
涼「気が付けば、僕のこの気持ちは、もう……、こんなに、大きくなっちゃってたんだ」
涼「……僕は……」
涼「プロデューサーさんのことが……」
涼「……すきなんだ……!」
涼(……もう、自分の気持ちに嘘はつかない。いや……つけない)
涼(僕が男だとか……プロデューサーさんが男だとか……そんなことはもう、関係ないんだ)
涼(もちろん、僕が男色家というわけでもない……ただ、たまたま……そう、たまたま、なんだ)
涼(たまたま、好きになった人が……男の人だった。……ただ、それだけなんだ)
涼(この気持ちを持つこと……この気持ちで、熱く心臓を高鳴らせること)
涼(男とも女とも言えない、こんな中途半端な僕だけど……それだけは、決して、間違ったことじゃないんだ……!)
227 = 99 :
30分ほど休憩します
229 = 105 :
ちん……
230 = 105 :
231 = 99 :
月曜日 876プロダクション前
涼(……もう、昨日までの僕じゃない)
涼(僕は……生まれ変わったんだ! ううん、なんて素晴らしい朝の空気なんだろう!)
愛「あっ、涼さーんっ!」トテテ
涼「おはよ、愛ちゃん!」
愛「おっはよーございまーっす!! えへへ……」
涼「ふふっ、随分ご機嫌だね。何か良いことでもあったの?」
愛「はいっ! 今日のご飯は大好きなハンバーグだって、ママが約束してくれたんですっ!」
涼「そっか~……ふふ、うふふっ♪ それは楽しみだね♪」
愛「涼さんも、ずっと笑顔でニコニコしてますね! 何か良いこと、あったんですか?」
涼「そう見える? でもでも~……、内緒だよ!」
愛「え~ずっるーい! 教えてくださいよ~っ!」
涼(自分の気持ちを、素直に認める……開き直る、とも言うかもしれないけど)
涼(それだけで、世界はこんなにも……美しくなるんだ……!)
232 = 99 :
ガチャ
涼・愛「「おはようございまーっす!!」」
P「……おはよう、ふたりとも」
涼「おはようございます、プロデューサーさん♪」
P「……」
涼「って、あれ……? なんか、元気ないですね?」
P「あ、いや、そんなことは……気にしないでく
愛「プロデューサーさん! 今日は月曜日ですよ、月曜日!!」
愛「一週間の始まりですっ! なんだか元気が出ますよねっ!!」
P「う、うん、そうだな! わかったから、耳元で叫ぶのは――
愛「あ……あうう、あたしったら、また……」
P「というのは嘘で、どんどん大声出してくれていいぞっ! 愛ちゃんの声は元気が出るからさ!」
愛「!」ピョコン
P「俺だって負けないからな! あーっはっはっは!」
愛「あは! それじゃあ、一緒にさけびましょーっ!!」
233 = 99 :
―――
P「……ふぅ。愛ちゃんは去ったか……」
涼「プロデューサーさん……。どこか、無理してるんじゃないですか……?」
P「……」
涼「あの……私でよかったら……」
P「い、いや……大丈夫大丈夫。涼ちゃんは気にしないでくれ」
涼「でも……」
P「……今日は、オーディションの二次審査だ。俺のことより、自分のこと。そうだろ?」
涼「……」
P「……心配かけてすまないな。でも、今すぐってわけじゃないから、さ」
涼「え?」
P「ああ、いや、なんでもないなんでもない!」
235 = 99 :
―――
石川「……涼は?」
P「衣装合わせと……振付パネルのセットに行きました」
石川「そう……」
P「……」
石川「……重ねて言うけど、本当にごめんなさい。私達、あなたのことを好き勝手に振り回してしまって……」
P「……いえ、いいんです。これは876プロのせい、というより……身内の問題ですから」
石川「……あなたのこと、誤解していたわ」
P「あはは……知り合って間も無く『何から何まで信頼しろ』と言うのも……、なかなか難しいですよ」
石川「……」
P「あと、残り一週間……。全力で、あの子のプロデュース……、やらせていただきます」
236 = 99 :
今より少し前……
P「……帰還命令、ですか」
石川「……ええ。昨晩、私のほうに連絡があってね」
P「……理由を、教えていただけますか? 何か、俺に落ち度でも……」
石川「いいえ、そういうわけじゃないのよ。……あなたが担当していたアイドルの中に、如月千早という子がいたわよね?」
P「っ! ち、千早に何かあったんですか……!?」
石川「何かあった、というより……これから何かが起こる、という方が正しいわね」
P「……れ、連絡を……!」
石川「とにかく、落ち着いて頂戴。何も、悪いことが起きる、ってわけじゃない。むしろ……良いこと、らしいわよ」
P「良いこと?」
石川「詳しくはそちらの話だから私も把握していないけれど……はい、携帯」スッ
P「……」
石川「……直接、高木社長に聞いてみなさい」
238 = 105 :
ちーちゃん爆弾やったんか……
239 = 99 :
P「……はい、はい……。了解しました。では、あと一週間でそちらに……はい、失礼します」
ピッ
石川「……」
P「……千早が、ロスにあるスタジオでレコーディングすることになったんです」
石川「私に話してもいいの?」
P「ええ……これくらいなら。結構前から、この話はあったんですけど……急遽、決定されたらしくて」
石川「それで、あなたもそれに付き添う……というわけね?」
P「はい。さすがに、千早ひとりで行かせるわけにはいかない、ということで」
石川「……ごめんなさい。私達の都合で、あっちに来たりこっちに来たりさせて」ペコリ
P「い、いいえ! 社長たるものが、そう簡単に謝らないでください!」
石川「でも……ようやく、涼とも仲良くなってきた、ってところだったのに」
P「……これは、喜ばなきゃいけないことなんです。俺が育てた千早が、こんなに大きくなってくれたんですから」
P「だから……、俺は、大丈夫です。たとえ、残された時間があとわずかでも……」
P「最後まで、俺は……彼女だけのプロデューサーでいますから」
240 = 99 :
時間は現在に戻って……
P「……」
P(あと、一週間……ちょうど、今臨んでいるオーディションの日程と重なるな)
涼「プロデューサーさん! おまたせしましたっ!」
P「……おお、やっぱり似合ってるじゃないか! 流行にもばっちり合ってるぞ!」
涼「! えへへ……ありがとうございます……!」
P「うん、これなら今日のオーディションも楽勝だな!」
涼「……っ」
涼(プロデューサーさん、元気になったのかな……?)
P「……よし、それじゃあさっそく、会場へ行こうか!」
涼「……はいっ!」
P(……さっきは、少し油断してしまっていた)
P(俺が彼女に出来ること……いいや違う。彼女にしてやりたいこと。それは……)
P(最後まで、笑顔で……心から楽しんで、アイドルをさせる。それだけなんだから……)
241 = 99 :
すみません、もう眠気で頭が
起きた時に残ってたら最後まで書きます おやすみ…
242 = 198 :
眠いならちかたない
243 = 123 :
乙ちんちん
244 :
ほ
246 = 179 :
保守せざるをえない
249 :
昨日の夜からずっと書いてたんだな、すごいわ
しえんぬ
250 = 244 :
ほ
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