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元スレP「安価でアイドルプロデュースしてIA優勝を目指す」
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とりあえず、このスレで一区切りの落ちはつけます
だからここから安価を少なくします。長くなって申し訳ない
だからここから安価を少なくします。長くなって申し訳ない
【21週目】
P(あの日から、約二ヶ月の時間が経った)
P(その間に、セカンドシングル『Do-Dai』が無事にリリースされ……)
P(それは爆発的な売り上げ、とまではいかなかったものの)
P(かつての竜宮小町がリリースしていた『SMOKY THRILL』の上に立つことができた)
P(……あのときのあずささんの顔は、忘れることができない。しかしそれも、また別の話だ)
『……過去は振り返りません。私は今、ロッソストラーダの一員なのですから』
P(……俺たちは営業もそこそこに、とにかくレッスンに励んでいた)
P(そして、ついにこの日が来た……!)
【21週目、765プロ事務所、朝コミュ】
P「よし……みんな、調子はどうだ?」
真美「いつでもバッチコイだよっ兄ちゃん! もうメラメラ全開☆100万倍パワーでドッカーン! ってカンジ!」
あずさ「私も、真美ちゃんと一緒です~。今日は、きっと……最高のステージにしてみせます」
P「……雪歩、お前は?」
雪歩「……」
P「……」
雪歩「緊張で、死にそうですぅ……」
雪歩「でも……早く、早くって……この胸が高鳴っているのがわかります」
雪歩「きっと……緊張と同じくらい、楽しみだな、って気持ちで……溢れているんだと思います」
P「……みんな、良い顔をしているよ。きっと、ユニットが絶好調な証拠だな!」
みんな「はい!」
P(今日の俺たちの活動は……中央エリアでの、フェスだ)
P(ユニットが結成されて、二回目のフェス。FUJISAN ROCK……)
P(……俺たちは、このときをずっと待っていた)
P(先週、社長からこのフェスの話を聞いたときは喜び上がってしまったものだ)
P(なんでも、とあるユニットが参加する予定であったフェスに、急遽欠員が続出したらしい)
P(そのユニットとの対決を避けて、という話だが……俺たちにとっては僥倖そのもの)
P(……その、ユニットの名前は……!)
雪歩「待ってて……真ちゃん……!」
P「勝つぞ……ゼノグラシアに、俺たちは変わったってことを、見せてやろう!」
みんな「はいっ!」
【フェス会場】
P「さて、と……みんな準備に行ったか」
春香「おはようございますっプロデューサーさん!」ヒョコ
P「わああ!!? は、春香……お前はいつも、急に出てくるな……」
春香「わっ、す、すみませんっ! 脅かすつもりはなかったんですけど……」
P「なんて卑怯なやつだ……こうやって、地道にいやがらせをする作戦なんだな?」
春香「ち、ちちちがいますっ! なんでそうなるんですか~……」
春香「ただ、今日はお願いしまーす、って挨拶に来ただけなのに……」
P「ははは、冗談だよ……そっちの準備は、もういいのか?」
春香「はい! もう美希も真も、めらめらーって燃えてますよっ!」
P「それは、こっちだって同じだ。決して、前回の繰り返しにはさせない!」
春香「……ふふっ、じゃあ、楽しみにしてますね!」
P「ふふ……」
春香「ふふふ……」
バチバチ…
真美「兄ちゃ~ん! ……って! はるるんもいるじゃんっ!」
春香「あっ、真美! えへへ、久しぶりだねっ!」
真美「うんっ! 真美だけじゃなくて、ゆきぴょんも、あずさお姉ちゃんもいるよ~」
雪歩「……春香ちゃん」
あずさ「ふふっ、こんにちわ~」
春香「う、うわあ……なんか私、完全アウェーって感じ?」
P「ふっふっふ、怖気づいたか?」
春香「……プロデューサーさんって、私たちのこと、なんだか悪の大王みたいに思っていませんか?」
真面目に進行しているが律子は今も急性いおりん中毒で入院中である
P「……雪歩、言ってやれ!」ポン
雪歩「……」
春香「雪歩……」
雪歩「……春香ちゃん……この前は、ごめんね」
春香「え? ご、ごめんって、何が……?」
雪歩「私たち、こないだのフェスでは……適当な気持ちで、ステージに立ってた」
春香「……」
雪歩「それってすっごく……、すっごくすっごく、失礼なことだと思うんだ」
雪歩「春香ちゃんたちは、あんなに全力で……やってくれたのに」
春香「……そう、だね。そういう意味では、ごめんね、で合ってるかも」
雪歩「でも、今日は違うよ。今日は……私たちだって、全力を出し切るからね」
春香「……あはは、望むとこだよっ! それじゃあ、お互いに、全力で楽し――
雪歩「楽しむ、だけじゃないよ! 私たちは……」
雪歩「ゼッタイぜーったい……、勝つんだからっ!!」
春香「……!」
春香(……今までの雪歩と、ちょっと違うみたい……)
春香「……うんっ! それじゃあ、私も――
真「『私も』、じゃないだろ? 春香、仲間はずれはイヤだな」
美希「『私たちも』、なの! みんなで頑張るんだからっ」
P「! 出たな……真、美希……!」
春香(なんでみんな、私の台詞をさえぎるんだろう……)
美希「あずさ……ミキ、ずーっとあずさに会えなくてさみしかったんだよ?」
あずさ「美希ちゃん……ふふっ、私もよ~」
美希「だから今日、ミキたちが勝ったら、一緒におでかけしようねっ♪」
あずさ「……あら、それは困ったわね~……私も、美希ちゃんと是非、一緒におでかけしたいんだけど」
あずさ「その条件だったら、難しいかもしれないわね? だって私たち……、負けないもの」
美希「え~! そんなのってないの!」
春香「ちょっと見ないうちに、真美、また背伸びた?」
真美「んっふっふ~! そうかも! 真美は今、大好評成長中だもんねっ!」
春香「こ、好評?」
真美「そだよっ。だからもう、はるるんたちにも負けないかんね! それに……」
春香「それに……」
真美「こうしている間にも、亜美工作員がステージのアンプに細工を……」
春香「ええっ!!? う、ウソっ!?」
真「……雪歩」
雪歩「真ちゃん……真ちゃんにも、謝らなきゃ」
雪歩「こないだは事務所で、ヒドイこと言ってごめんね」
真「! い、いやっ、そんなこと気にしないでくれよ! ボクはゼンゼン、気にしてないから……」
雪歩「……っ……ホント……?」
真「……ちょっと、ウソかも。あはは……」
雪歩「……今日は、真ちゃんに、新しい私を見てもらいたんだ」
真「……新しい雪歩?」
雪歩「うん。もう……私は、真ちゃんの後ろでコソコソしているだけの私じゃないの」
雪歩「私は……もう、ひとりでも立てるんだよ」
真「……」
雪歩「……ううん。それも、違う……本当は……!」
雪歩「……いつも笑顔で、私にいっぱい元気をくれる、真美ちゃん……」
真美「んっふっふ~♪」
雪歩「優しくて、それで暖かくて……とっても頼りになる、あずささん……!」
あずさ「……ふふっ」
雪歩「……それに……!」
P「……」
雪歩「いつだって、私たちの味方で……! 私たちを守ってくれる、プロデューサーがいるから!」
雪歩「だから私は負けないっ!」
雪歩「真ちゃんにすがって生きてた、あの頃の私は……!」
雪歩「ぜんぶ、ぜんぶぜんぶ……! その思い出ごと!」
スゥ……
雪歩「……穴掘って、埋めてやりますぅううううううううぅううううう!!!!!」
真「……」
雪歩「ひぃんっ! 反応がないですぅ! ぷ、プロデューサぁ~……」パタパタ
P「よく言ったぞ、雪歩! ほら見ろ、真の奴、恐怖で自分を喪失しているんだ」
雪歩「ほ、ホントですかぁ……?」
P「ああ! これで今日のフェス、勝ったようなもんだなっ!」
真「……く、くく……ぷぷぷ……!」
P「……お、おい、何がおかしいんだ?」
真「はぁ、はぁ……あ、いえいえ! おかしいんじゃなくて……」
真「なんて言えばいいんだろう……ほっとした、っていうか……」
P「ほっとした、だって? 今のやり取りに、そんな要素は……」
真「ありますよっ! へへっ……ありがとうございます、プゥロデューサァー!」
真「これで、今度こそ、ボクも……! 全力を出せますっ!」
―――
スタッフ「ロッソストラーダの皆さん! そろそろ出番ですので、準備をお願いします!」
みんな「はいっ!」
スタッフ「向こうのステージでは、ゼノグラシアが準備に入っています。あちらに負けないくらい、盛り上げていってくださいね!」
P「よし、みんな……準備はいいな?」
雪歩「ばっちりですぅ!」
真美「まっかしといてよ! もうドドーンって盛り上げてやるもんねっ!」
あずさ「私も……、精一杯、頑張らせてもらいますね~」
スゥ…
雪歩「……みんな! 行きましょう!」
真美・あずさ「「はいっ!」」
雪歩「今度こそ、ゼノグラシアに勝って、そして……私たちの目標へっ!」
真美「3!」
あずさ「2!」
雪歩「……1っ!」
「「「トップアイドルーっ!!!!!!」」」
【フェス (VS ゼノグラシア)】
ワー… ワー…
雪歩「……」スゥ
本日はみんなに
私の私のとっておきの
恋バナを聞かせてあげちゃうよ
雪歩(……Do-Dai)
雪歩(何をやってもダメダメで、それでも諦めないで……)
雪歩(さいごには、大好きなあの人に……いつものキミでもいい、って頭を撫でてもらって……)
何がダメで何が得意かって
本当は自分が一番知ってるんだよね
雪歩(……私も、この女の子と一緒……さいごのさいごに、あなたに頭を撫でてもらえるなら)
雪歩(……どんなことでも、頑張れます……!)
―――
ワァァアアア!!!
雪歩「……ハァ、ハァ……っ……」
……―― ほ!
雪歩「え……?」
雪歩(だ、だれ……?)
―― ゆき――……
……―― きほ!
雪歩(汗で、目が滲んで……なんにも見えない)
雪歩(それに、お客さんの歓声で、音が全部かき消されて……なんにも聞こえない)
雪歩(……あなたは、だれ……?)
―――
P「雪歩っ!!」
雪歩「……っ……! げほっ、ごほっ!」
P「お、おい、大丈夫か!?」
雪歩「……はぁ、はぁ……ぷ、プロデューサー……?」
P「良かった、良かった……目を覚ましたんだな……!」
雪歩「……目を? 私、寝てたんですかぁ……?」
P「……ああ。気を失っていたんだ」
雪歩「そ、そうだったんですか……道理で、体が重いって……」
雪歩「……」
雪歩「!!!」ガバッ
雪歩「ゴホッ、ゲホ!」
P「無理するんじゃない、横になっててくれ、頼むから……」
雪歩「プロデューサーっ! こっ、ここは!? ここはどこですかっ!?」
雪歩「す、ステージは……!?」
P「……ここは、医務用のテントだよ。まわりにも、熱中症になったお客さんが寝てるだろう?」
雪歩「……医務、テント……? 気を失って、倒れた、って……」
ポテン
雪歩「……」
雪歩「…………う」
雪歩「……う、うぅ……! あ゛っ、あぁあ……!」
ポロポロ…
P「……泣くなよ……」
雪歩「わっ、わだし……また……また、やっちゃった……!」
雪歩「わだじのせいで……! また……!」
ポロポロ……
P「……よくやったな、雪歩」
ポンポン
雪歩「……っ! あ、頭を撫でないでくださいぃっ! やだ、やだやだ……!」
P「す、すまん……勝手に髪さわられたら、そりゃいやだよな」
雪歩「イヤじゃない、イヤじゃないですぅ! わ、私は……ずっと、ずっと……」
雪歩「プロデューサーに、こうやって褒めてもらいたくて、撫でてもらいたくてっ……!」
雪歩「で、でもそれは……頑張った女の子だけがもらえる……ご褒美なんですぅっ!」
P「……ご褒美?」
雪歩「そうですぅ! だから、私はぁ……ステージの途中で、倒れちゃうような、ダメダメな私は……」
雪歩「そんなの、もらえませぇん……! うわああぁあああん……!!」
P「……」
1 それでも、撫でる
2 雪歩の元を立ち去る
>>949
P「……なでなでしてくれ~たよ~、ってか」
ナデナデ…
雪歩「! だ、だからっ、私なんかに、そんな……」
P「雪歩の言い分が正しいなら……、雪歩には、尚更そのご褒美ってのをもらう権利があるじゃないか」
雪歩「……頑張れなかったのに、ですか……?」
P「違う。雪歩は、誰よりも頑張ったからだよ」
ワシャワシャ
雪歩「……う、うう……」
P「……」
P「きっと……、雪歩は、勘違いしているんだと思う」
雪歩「……え……?」
P「俺がいつ、『ステージの途中』で倒れた、って言ったんだよ」
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