私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。
元スレ恒一「赤沢さんが突然泣き喚き始めた」
SS スレッド一覧へ / SS とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ★★
レスフィルター : (試験中)
>>706
なにこいてるんだろうね?
なにこいてるんだろうね?
黄昏時の夜見山の街を、僕は血眼になって赤沢さんを探しながら駆けずり回った。
退行現象が収まりつつあったとはいえ、もし赤沢さんが外で……一人の状況で……誰の庇護もない状況で退行してしまっていたら……?
最悪のシナリオが頭の中を何度も掠めていき、僕は何度もそれを汗と一緒に振り払った。
僕が市街地で不自然な人だかりを見つけたのは、もう日がすっかり沈んで夏虫がサイレンのように鳴き喚く頃だった。
ザワザワ ガヤガヤ エーナニアレー キメェー ザワザワ
恒一「すみません!すみません、通してください!」
赤沢「うわぁぁぁぁぁああああああああん!!いないよおおおおおおぉぉぉぉおおおお。゚(゚´Д`゚)゚。」ビエーッ
赤沢「みさきさんがいないのおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!わたしやっぱりなにもできないよおおおおおおおおぉぉ。゚(゚´Д`゚)゚。」ワァァァァン
恒一「赤沢……さん……」
赤沢「こういぢぐん……ぶわあああぁぁぁぁぁあああああん。゚(゚´Д`゚)゚。」ひしっ
衆人環視の中、アスファルトに座って泣きじゃくっていたのは……耳慣れた泣き声を……この世の何よりも非力で頼りない声をあげていたのは、赤沢さんだった。
僕が育てて、手離した、あの……。
退行現象が収まりつつあったとはいえ、もし赤沢さんが外で……一人の状況で……誰の庇護もない状況で退行してしまっていたら……?
最悪のシナリオが頭の中を何度も掠めていき、僕は何度もそれを汗と一緒に振り払った。
僕が市街地で不自然な人だかりを見つけたのは、もう日がすっかり沈んで夏虫がサイレンのように鳴き喚く頃だった。
ザワザワ ガヤガヤ エーナニアレー キメェー ザワザワ
恒一「すみません!すみません、通してください!」
赤沢「うわぁぁぁぁぁああああああああん!!いないよおおおおおおぉぉぉぉおおおお。゚(゚´Д`゚)゚。」ビエーッ
赤沢「みさきさんがいないのおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!わたしやっぱりなにもできないよおおおおおおおおぉぉ。゚(゚´Д`゚)゚。」ワァァァァン
恒一「赤沢……さん……」
赤沢「こういぢぐん……ぶわあああぁぁぁぁぁあああああん。゚(゚´Д`゚)゚。」ひしっ
衆人環視の中、アスファルトに座って泣きじゃくっていたのは……耳慣れた泣き声を……この世の何よりも非力で頼りない声をあげていたのは、赤沢さんだった。
僕が育てて、手離した、あの……。
赤ちゃん沢についてはトイレのしつけから何からぜんぶ覚えさせたんだから育てたっつっても違和感はない
赤沢「ごべんなざぁぁぁぁぁああああい!!むのうでごめんなざいいいいいいいいいいい。゚(゚´Д`゚)゚。」ギャアアン
恒一「大丈夫だから。赤沢さんは無能なんかじゃないから……」
赤沢「うっ……う……ううううう……」ズビズビ
安心させようと抱き寄せると、汗と涙で彼女の服がずぶ濡れになっているのがわかった。
「強そう」
かつて僕は赤沢さんにそういうイメージを抱いていた。
でもそれは間違っていた。
彼女はとても一人じゃ生きられない。自分を保つ事すらできない。
非力な彼女を、彼女自身が刃となって責め立てる。
誰かが側にいてやらなくちゃいけないんだ。
いや、「誰か」じゃない。僕なんだ。彼女の手が求めているのは、他でもない僕なんだ。
恒一「頑張ったね赤沢さん」
赤沢「ひっく……えぐっ……う……あうううう……」グスグス
地べたにぺたんとついた赤沢さんの脚の数センチ先で、裏返しになった蝉の羽が少し震えて、そして動かなくなった。
ゾンビとなって蘇る事もなく、そのまま蝉の命は儚く終わった。
恒一「大丈夫だから。赤沢さんは無能なんかじゃないから……」
赤沢「うっ……う……ううううう……」ズビズビ
安心させようと抱き寄せると、汗と涙で彼女の服がずぶ濡れになっているのがわかった。
「強そう」
かつて僕は赤沢さんにそういうイメージを抱いていた。
でもそれは間違っていた。
彼女はとても一人じゃ生きられない。自分を保つ事すらできない。
非力な彼女を、彼女自身が刃となって責め立てる。
誰かが側にいてやらなくちゃいけないんだ。
いや、「誰か」じゃない。僕なんだ。彼女の手が求めているのは、他でもない僕なんだ。
恒一「頑張ったね赤沢さん」
赤沢「ひっく……えぐっ……う……あうううう……」グスグス
地べたにぺたんとついた赤沢さんの脚の数センチ先で、裏返しになった蝉の羽が少し震えて、そして動かなくなった。
ゾンビとなって蘇る事もなく、そのまま蝉の命は儚く終わった。
いきなり蝉の話とか…(´・ω・`)
例えるにしてももうちょっと違うのを使えよ
例えるにしてももうちょっと違うのを使えよ
……
………
……………
あれから赤沢さんの退行現象は悪化する一方で、彼女が正気でいられるのは1日のうち二、三時間程度になっていた。
結局災厄のほうも止める事はできないまま時間が過ぎ、王子くん、猿田くん、それからクラスメイトの家族の数人が犠牲となって、僕達は夜見北中を卒業した。
赤沢「こういちくん、ごはんはー?」
恒一「もうすぐできるよ。イイ子にして待ってたらデザート多めに持ってあげるからね」
赤沢「やった!こういちくんだいすき!」
彼女が正気でいられるのは1日二、三時間って言ったけど、実際のところはどうなのか僕にもわからない。
彼女が退行している『フリ』をしている場合もあるからだ。
時々彼女はそういう素振りを見せたし、自分でそれを示唆する事すらあった。
「恒一くんが退行にかこつけて、私に変な事しないように見張ってるの」
赤沢さんはそう言って笑ったけど、変な事とやらが一体何を指しているのかわからない。
とっくに身体の関係は持っているのに、今更何を気にしてるんだろう。
僕と赤沢さんは、恋人とも夫婦とも親子ともつかない関係を続けている。
でも僕は何一つ後悔してないし、むしろ幸せだと思っている。
今年、僕達は三十二歳になりました。
おわり
………
……………
あれから赤沢さんの退行現象は悪化する一方で、彼女が正気でいられるのは1日のうち二、三時間程度になっていた。
結局災厄のほうも止める事はできないまま時間が過ぎ、王子くん、猿田くん、それからクラスメイトの家族の数人が犠牲となって、僕達は夜見北中を卒業した。
赤沢「こういちくん、ごはんはー?」
恒一「もうすぐできるよ。イイ子にして待ってたらデザート多めに持ってあげるからね」
赤沢「やった!こういちくんだいすき!」
彼女が正気でいられるのは1日二、三時間って言ったけど、実際のところはどうなのか僕にもわからない。
彼女が退行している『フリ』をしている場合もあるからだ。
時々彼女はそういう素振りを見せたし、自分でそれを示唆する事すらあった。
「恒一くんが退行にかこつけて、私に変な事しないように見張ってるの」
赤沢さんはそう言って笑ったけど、変な事とやらが一体何を指しているのかわからない。
とっくに身体の関係は持っているのに、今更何を気にしてるんだろう。
僕と赤沢さんは、恋人とも夫婦とも親子ともつかない関係を続けている。
でも僕は何一つ後悔してないし、むしろ幸せだと思っている。
今年、僕達は三十二歳になりました。
おわり
赤沢(32)「うええええええええええん!!おもらししぢゃっだよごういぢぐううううううううん!!!!!」
みんなの評価 : ★★
類似してるかもしれないスレッド
- 恒一「赤沢さんと図書室に閉じ込められた」 (811) - [59%] - 2012/4/4 18:00 ★★★×4
- 恒一「赤沢さんを無視したらどうなるか」 (377) - [58%] - 2012/2/23 9:15 ★★
- 恒一「赤沢さんが眼帯つけて登校してきた」 (116) - [57%] - 2012/4/1 5:30 ☆
- 恒一「綾野さんが幼女になる災厄!?」 (90) - [50%] - 2012/5/13 2:00 ○
- 恒一「小椋さんが捨てられてる…」 (154) - [49%] - 2012/9/2 2:00 ☆
- 恒一「赤沢さんって美人だよなー」鳴「・・・」 (121) - [46%] - 2012/2/24 17:00 ☆
- 恒一「小椋さんの家族にご挨拶に行く」 (180) - [46%] - 2012/6/2 7:30 ☆
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について