元スレ少女「私を雇ってください!!」 男「やだ」
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151 = 141 :
父「――そうか…」
男「守れなかった…妹も母さんも…俺が燃やしてきた」
父「辛い思いさせたな…すまない…」
父「…男…これを…母さんがいつかきっと必要になると言って研究を進めていた魔方陣だ」
男「母さんが?転送の魔方陣…?」
父「それも大規模のな。だが、まだ未完成だ」
男「なんで…それを俺に…?」
父「お前が完成させるんだ。そして、扱えるのは未知数の魔力を持った…」
男「父さんと母さんの間に生まれた…ハーフエルフの俺と…」
父「…妹…だった」
152 = 141 :
父「…一人で扱うには荷が重過ぎるかもしれないな…」
男「こんなの…こんなの作ったって母さんや妹は戻ってこない!!」
父「男…頼む。母さんの夢なんだ」
父「母さんはいつも言ってたよ…」
父「種族なんて関係の無い平和な時代がくるといいなって」
父「…いつしか父さんの夢にもなった」
男「無理だよ…こんなの…」
父「お前ならできる。ハーフエルフの天才だからなんかじゃない」
父「父さんと母さんの自慢の息子…妹の自慢のお兄ちゃんだからだ」
男「なんなんだよ!勝手すぎるだろ!」
153 = 141 :
父「すまないな……東の森でエルフの王と王妃が待ってる」
男「父さんは…?」
父「………王子君」
王子「…はい」
父「息子を…頼んだよ」
王子「…行こう、男」
男「放せ!くそ!どいつも!こいつも!!ちくしょう!…ちくしょう!!」
父「………やっぱり言われてしまったよ」
父「勝手だってさ…確かに最低な親だな…」
父「今行くよ…母さん、妹…」
154 = 141 :
エルフ王「来てくれたという事は…そうか……」
王妃「………」
エルフ王「恨んでいるかい?」
男「………」
王子「はい。あなた達エルフは僕達人間を殺した。しかし」
エルフ王「君達人間も私達エルフを殺した」
王子「…」
エルフ王「どちらかが0になるまで殺しあうなど馬鹿げている…」
王子「…でも父上は違った」
155 = 141 :
エルフ王「あぁ、交渉決裂」
王子「…」
エルフ王「来てくれたという事は君は違うのだろう?」
王子「…あれは父上じゃない。母上が亡くなってからおかしくなってしまった」
王子「何かに憑かれたかのように…」
エルフ王「拠り所がわからないのかもしれないな…私も妻を亡くしたら…」
王子「やめてください」
エルフ王「……しかしいいのかい?父を裏切る事になる」
王子「僕なりに考えたけじめです」
エルフ王「…そうか」
エルフ王「男君はどうかな?」
157 = 141 :
男「…わかりません」
王妃「…」
男「何をする気なのかは道中、王子から聞きました」
男「でも…」
男「本当に…本当にそれでいいのかよ!」
男「あんた達だって娘がいるんだろ!!」
158 = 141 :
王妃「娘達には申し訳ないと思っています…」
エルフ王「0になるまで殺しあうというのなら、どちらかが0になればいい」
エルフ王「どちらかが消えればいいんだ…なに、永遠というわけじゃない」
エルフ王「だが遅くなってしまったら完全に遮断され永遠に叶わぬ夢になってしまう」
エルフ王「…いや、遅いなんて事にはならないな。…その時が来るまでだ」
男「だからって…だからってあんた達が死ぬ事は…」
エルフ王「大勢の人間を殺し、大勢の仲間達が死に、私達だけが生き残る、というわけにはいかない」
エルフ王「けじめだ。しかし、君達の手を汚す事に…勝手な言い分で申し訳ない」
159 = 141 :
男「…」
エルフ王「時間だ、国の入り口まで案内しよう」
王妃「…男君」ギュ
男「…!」
王妃「申し訳ありません…何から何まであなた方に頼る事になってしまった」
男「(…母さんの匂いと似てる…)」
王妃「娘を一人こちらに残していきます…道標になってくれるでしょう」
エルフ王「それに、もう一人の娘が偶然にもこちら側へ来てしまった場合、感じ取る事ができる」
王妃「その時は守ってあげてください…誰かに似て泣き虫ですから」
エルフ王「ふふ…」
王妃「そしてこれは鍵です。これを使えば私達の国をこちら側に戻せます」
エルフ王「…頼む」
160 = 141 :
――いやぁ!父上!…母上!!
『あの子達なら叶えてくれるだろうな』
『えぇ、種族の違いなんか関係なく暮らせる時代…』
161 = 141 :
城
王「…ハハハ!そうか!自らの国を自らの手で消したか!」
男「…」ギリッ
兵士「くく…クヒヒ…」
王「して、あやつらの首は?」
男「燃やしたので残っておりません」
王「証明するものがない、とな?」
王子「…私も切りました」
王「ほう…息子のお前が言うのだから本当なのだろうな」
王「よいよい、国は消えたのだ。あやつらだって生きてはいけまい。ハハハ!」
男「……くっ…」
162 :
私怨
163 = 141 :
男宅
男「これで全てだ」
男「あいつの言っていた通り…お前の母親と父親を殺したのは紛れも無く…」
少女「…やめてください!」
少女「……男さんずるいです」
男「…」
少女「パパもママも…お姉ちゃんも…みんなずるいです…」
少女「……あの時は…ごめんなさい…私…人殺しなんて言って……」
少女「妹ちゃんの事も…」
男「…俺が妹にやった事…見てたんだな」
少女「…はい。でも、声も聞こえなかったし、男さんだって事もぼんやりとしか分かりませんでした…」
男「だが炎は見えた。そして…あの野郎の所で確信を得た」
165 = 141 :
少女「妹ちゃん…楽になれたんですよね…?」
男「…ああ」
少女「…パパと…ママは…?」ポロッ
男「立派な人達だったよ。最後まで国を…俺達を心配し、そして…お前達娘を愛してた」
少女「それは男さんのパパとママ…妹ちゃんも…ですよぉ…!」ポロポロ
男「………」ポロ
男「……ありがとう」ポロポロ
少女「ヒック…うわぁああん!」
男「ほんと…グス…泣き虫だな…お前は…」
少女「ヒッグ…それは…おど…おどござんもでずぅ!!」
166 = 141 :
数分後――
男「…落ち着いたか?」
少女「はい…えへへ…なんだか嬉しいです」
男「なんでだ?」
少女「知らなかった事がたくさん聞けて…それに男さんの泣き顔も見れましたし!」
男「う、うるさいな…酒を持ってくる」
少女「お酒って…毎日呑んでるんですか?」
男「…いや、何か嬉しい事があった日にしか呑まない」
男「父さんがこういう呑み方してたんだ…まぁ、真似…かな」
少女「それじゃあ今日は嬉しい日なんですね!」
男「まぁ…うん、そうだな…」
167 = 141 :
少女「………そういえば私が初めてここに来た日も呑んでましたよね…」
男「………あ、あれは…」
少女「私に会えて嬉しかったとかですか?それとも…」
男「……………」
少女「…」
男「…」
少女「…」ジロリ
男「ち、違う!絶対違う!」
少女「何も言ってないですよ?ほんっと男の人ってスケベあああああああ!!!」
168 = 141 :
男「な、な、なんだよ急に…」
少女「見てください!お庭!芽が出てる!!」
男「あ…本当だ…」
少女「こっちも!…あっちも!どんなの花が咲くんですかね…早く見たいなぁ」
男「…」
男「そういえば…その種はどこで貰ったんだ?」
少女「あ、花の種は宝石店の人に貰いました!何か育てたいってお話したら、これあげるって!」
男「あの店主にか…」
少女「あ!そうだ!これ…!」ゴソゴソ
170 = 141 :
少女「プレゼント…です!」
男「ネックレス…?あ…それはあの時の…」
少女「頑張って貯めて、宝石店で買ったんです!」
少女「綺麗な石だったからネックレスにしてもらったんです!」
男「お、俺なんかに…いいのか?」
少女「何遠慮してるんですか!プレゼントですよ!プレゼント!いらないって言っても無理矢理付けるんだから!」ガバッ
男「ちょ、ちょ、待て!」ドキドキ
少女「んしょ…うん!似合ってます!さすが私!」フンス
少女「それに…」
171 = 141 :
少女「お揃いです」ニコ
男「…っ!」ドキッ
男「(何ドキドキしてるんだ…相手はまだ子供じゃないか!)」
男「ね…」
少女「ね?」
男「寝る!お前も寝ろ!おやすみ!」ドタバタ
少女「あーん!待ってくださいよー!!」
172 :
面白いけど
回想の部分がちゃんと理解できない
173 :
全体的に理解出来てない
174 :
置いてけぼり感
175 = 141 :
少女部屋
少女「…」カキカキ
少女「…これでよし、と…」
男部屋
男「……父さん母さん…妹…そして…おじさんおばさん…」
コンコンッ
男「!」
男「な、なんだ?」
ギィ…
少女「あの」
男「まだ寝てなかったのか…明日は…」
少女「…わかってます……でも眠れなくて…」
少女「今日だけ…一緒に寝てもいいですか?」
176 = 141 :
男「や…」
少女「やだって言っても一緒に寝まーす!!」ガバッ
男「う、うわぁ!く、くっつくなぁ!!」
少女「えへへ……これ…妹ちゃんのぬいぐるみですよね?」
男「……あぁ…」
少女「なんで私にくれたんですか?」
男「…お前と妹を重ねたのかもな」
少女「そっか…」
男「それに…妹もお前に使ってもらった方が喜ぶ」
少女「…」グス
男「寝ろ。おやすみ」
少女「…おやすみ…なさい」
177 :
パンツ消えた
178 = 141 :
翌日――
東の森
男「ここか…」
女「えぇ」
王子「満月の日にエルフの案内じゃないと辿り着けない、か…」
女「その為の私でしょ」
少女「…お姉ちゃん」
女「よく頑張ったわね…」ナデ
少女「…」キュッ
男「…やるぞ」
179 :
前に奴隷エルフと水の魔法使う男の話し書いてた人?
180 = 141 :
…ギュオッ
王子「うぁっ!……眩し…!!」
男「くっ………はっ!み、見ろ!!」
少女「……わぁ…!」
女「……城下町…あの城の形……父上…母上…ただいま戻りました…」ポロポロ
なんだ… 光ったと思ったら… おい…あそこにいるの…
に、人間!? 殺され… 待て!落ち着け…様子が変だ…
あそこの女性…王妃様に似てる… あの人は…まさか……
だとしたら…ここは…
181 = 141 :
文才なくて申し訳ない
>>179
NO
182 :
黙ってかけハゲ
183 = 141 :
少女「お姉ちゃん!すごい!すごぉい!」
女「えぇ……」
男「…」
王子「男」
男「あぁ…次だ」
少女「………」
女「少女ちゃん…」
少女「えへへ…なんとなくだけど…分かってた」
184 = 141 :
男「父さんが発見したここから遥か遠くにある島に城…町、お前達ごと転送する」
少女「………」
女「…」
王子「…」
男「戦争をしていた相手がいきなり現れたんだ。はい、仲直りしましょう、なんてできやしない」
王子「未だにエルフの事を良く思っていない国民の方が圧倒的」
女「それは私達エルフにも言える事」
185 = 141 :
男「…離れて暮らした方がいい…そう考えて魔方陣を作りだしたんだよ。おじさんとおばさん、そして俺の母さんがな」
男「でも完成には間に合わなかった。戦争は日に日に激化していくばかり」
男「そこで、エルフの国をこの世界から別の空間へ退避させる事にした」
男「だが一時的だ。こちら側に戻すのが遅れてしまうとエルフの国が消滅してしまう」
女「そうさせないように父上と母上…そして叔母様達は男達に託したのよ」
186 :
しえん
187 :
まとめると
エルフと人間が戦争
↓
一方がいなくなることで戦争が終わると思ったエルフ王が自分たちの国を何かしらの方法で封印?
男と女は人間の街に残る
↓
時間が経ち男は街を移転させる魔法を完成
街の封印を解いた上で、その街を遠い何処かに移転させるよ!って感じ?
189 :
おふおふ
190 = 141 :
少女「…ヒック…ぅ…」ポロッ
男「なあに、永遠にお別れってわけじゃない。同じ世界で生きてるんだ…いつか会える」
男「そりゃまぁ…今は海を渡る手段はないのかもしれないけど」
男「これから何年…何十年先かわからないが、エルフと人間が仲良く暮らせる時代がきっとくる」
男「お前の父さんや母さんはそこまで計算…いや、俺達を信頼して託したんだ」
男「もちろん、お前にも」
男「だから…そんな悲しい顔するなよ、少女」
191 = 141 :
少女「グス……えへへ…やっと少女って呼んでくれた」
男「あれ…はは…そうだっけ」
少女「そうですよ、ご主人様」
男「…はは…ご主人様か…またそう呼んでくれるのか?」
少女「もちろん…ご主人様はご主人様です!」
男「ありがとう…少女」
193 = 141 :
王子「男、そろそろ」
男「あぁ…」
男「女、そっちは任せたぞ」
女「…ふふ…誰に言ってるのよ…」
女「…男」
男「ん?」
女「…ありがとう、大好きよ」チュ
194 = 141 :
男「んなっ!?」
少女「あぅ…あぅ…」パクパク
女「あら、返事は?」
男「……嫌いだよ!」
女「大嫌いじゃないんだ?まだチャンスはあるみたいね」クスクス
少女「お、お、お、お姉ちゃん!!」
女「女ちゃん…こういうのは早い者勝ちよ」
女「恥かしがってると取られちゃうんだから」
少女「……負けないもん」
王子「…あの」
男「わ、わかってるよ」
196 = 189 :
ほむほむ
197 = 141 :
男「それじゃ…魔方陣を展開させる」
ゴゴゴゴゴ…
男「ぐ…っ」
少女「(ご主人様…)」
女「(男…)」
王子「(頑張れ…)」
男「(クッソ…一人だと…こんなにっ…厳しいのか……っ)」
ひとりじゃないよ――
198 = 141 :
『ひとりじゃないよ お兄ちゃん』
男「(はは…そうか…)」
『ひとりじゃないわよ 男』
男「(ずっと側に…)」
『ひとりじゃないぞ 男』
男「(いてくれたのか…)」
『ありがとう』
『本当にありがとう』
女「男!!王子!!ありが――」
少女「ご主人様!いつか!絶対!!会いに――」
199 = 141 :
ねぇねぇ!これ知ってる?あたしね、この白い花大好き!
もちろん知ってるわよ…私も大好きだもの
な、なら僕だって好きな花だ!
ははは!妬いてるのか?
200 = 141 :
男「う…………」
王子「…気が付いたか?」
男「ここは………」
王子「僕の城だよ。あれから君は気を失って…」
男「成功…したのか?」
王子「その筈だよ…確認する術はないけど」
男「…いや…きっと成功したはずだ…皆がいたから…」
王子「…そうか…明日は王位継承式だ。見に来てくれるよね?」
男「長ったらしいスピーチとかするんだろ?そういうのはパス」
王子「つれないね、君も」
男「信頼してるからこそだろ?ま、次はお前の番…良い国にしてくれよ」
王子「あぁ、任せたまえ」
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