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元スレ杏子「そいつを、寄越せ!!」恭介「うわっ!?」
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杏子「どんくらい弾けるのさ?」
恭介「え?」
杏子「だーから!どんくらいヴァイオリン上手なのって聞いてんの!」
恭介「…ええと」
杏子「おう」
恭介「…まあ、そこそこ自信はあるよ」
杏子「本当にー?」
恭介「…どういう意味?」
杏子「いやー、べっつにー?」ニヤニヤ
恭介「…何が言いたいんだい?」ムッ
杏子(ククク。苛立ってる苛立ってる!)
恭介「え?」
杏子「だーから!どんくらいヴァイオリン上手なのって聞いてんの!」
恭介「…ええと」
杏子「おう」
恭介「…まあ、そこそこ自信はあるよ」
杏子「本当にー?」
恭介「…どういう意味?」
杏子「いやー、べっつにー?」ニヤニヤ
恭介「…何が言いたいんだい?」ムッ
杏子(ククク。苛立ってる苛立ってる!)
杏子「いやさー、恭介本人は自信あるっつってもー?他人から見てどうかってのは別だろ」
恭介「…はあ」
杏子「だからね。私が聞いて、お前がどんくらいの腕か判断してやろうかなーって」
恭介「…」ジトー…
杏子「あ、ほら!素人からの意見ってのも重要だろ?」
恭介「…まあ、別にいいけど」
杏子(よっしゃ!かかったな単純馬鹿め!)
恭介「言っておくけど、子守唄は弾いてあげないから」
杏子「」ガーン
恭介(…さやか以上のわかり易さだこの子)
恭介「…はあ」
杏子「だからね。私が聞いて、お前がどんくらいの腕か判断してやろうかなーって」
恭介「…」ジトー…
杏子「あ、ほら!素人からの意見ってのも重要だろ?」
恭介「…まあ、別にいいけど」
杏子(よっしゃ!かかったな単純馬鹿め!)
恭介「言っておくけど、子守唄は弾いてあげないから」
杏子「」ガーン
恭介(…さやか以上のわかり易さだこの子)
杏子「い、いや、えーっとなあ。けど、あのー、そのー…」アセアセ
恭介「ははは。君の考え方が少しずつ分かってきたぞ。そう簡単に乗せられてはあげられないな」
杏子「うーーーー…」
恭介「…で、どうする?」
杏子「…なるべく穏やかな曲を頼む」
恭介(意地でも眠るつもりか!)
恭介「だいたい、こんなところで子守唄を聞いたとして、君は路上で眠るつもりかい?」
杏子「ん?ああ。それ言われてみればそうだね。…それなら、さ…」
杏子「…教会の中、入ろうか」
恭介「ははは。君の考え方が少しずつ分かってきたぞ。そう簡単に乗せられてはあげられないな」
杏子「うーーーー…」
恭介「…で、どうする?」
杏子「…なるべく穏やかな曲を頼む」
恭介(意地でも眠るつもりか!)
恭介「だいたい、こんなところで子守唄を聞いたとして、君は路上で眠るつもりかい?」
杏子「ん?ああ。それ言われてみればそうだね。…それなら、さ…」
杏子「…教会の中、入ろうか」
道端の会話でテロ行為やりかけたさやかちゃんだ
この光景見たら何しでかすか
この光景見たら何しでかすか
教会の中
聖壇前
恭介「…良かったのかい?勝手に入って」
杏子「…どうせ唯の廃教会だ。誰も気にしないさ」
恭介「けど…」
杏子「いいんだよ」
恭介「それにここで眠るって、家には帰らないつもり?」
杏子「入ってくる奴なんか他に居ないから、寝るだけならここで十分さ。何も無いし、こんなとこ泥棒だってそっぽ向く」
恭介「…大きなステンドグラスだ。この教会、概観はボロボロだけど、こんなに立派だっただなんて」
杏子「…。さ!頼んだよ、恭介!」
恭介「…わかったよ。全く。眠る気満々の相手に弾くなんて、流石に初めてだ」
杏子「いいだろー!最近なんだか寝苦しくてさー。いくら寝ても全然寝た気がしねーんだよ」
恭介「…仕方ないなぁ。今日だけだよ?」
杏子「感謝感謝♪」
恭介「やれやれ…」
聖壇前
恭介「…良かったのかい?勝手に入って」
杏子「…どうせ唯の廃教会だ。誰も気にしないさ」
恭介「けど…」
杏子「いいんだよ」
恭介「それにここで眠るって、家には帰らないつもり?」
杏子「入ってくる奴なんか他に居ないから、寝るだけならここで十分さ。何も無いし、こんなとこ泥棒だってそっぽ向く」
恭介「…大きなステンドグラスだ。この教会、概観はボロボロだけど、こんなに立派だっただなんて」
杏子「…。さ!頼んだよ、恭介!」
恭介「…わかったよ。全く。眠る気満々の相手に弾くなんて、流石に初めてだ」
杏子「いいだろー!最近なんだか寝苦しくてさー。いくら寝ても全然寝た気がしねーんだよ」
恭介「…仕方ないなぁ。今日だけだよ?」
杏子「感謝感謝♪」
恭介「やれやれ…」
恭介(さて、何を弾こうかな…)
杏子「楽しみだな~♪」ウキウキ
恭介「…よし」スッ
恭介(…フォーレの子守唄…)
http://www.youtube.com/watch?v=JUha5FgP9kA&feature=related
杏子「…へぇ」
恭介<~♪>
杏子「楽しみだな~♪」ウキウキ
恭介「…よし」スッ
恭介(…フォーレの子守唄…)
http://www.youtube.com/watch?v=JUha5FgP9kA&feature=related
杏子「…へぇ」
恭介<~♪>
杏子「おおー!」パチパチパチ
恭介「…寝るんじゃなかったの?」
杏子「スゲーな、恭介!まさかここまでやるとは思わなかったぞ!」
恭介「…悪い気はしないけどね」
杏子「じゃあさ、じゃあさ!もう一曲!もう一曲何か弾いてよ!」
恭介「いいけど…なんて曲がいい?」
杏子「よくわかんねー!」
恭介「えー…」
杏子「」コロコロ
恭介「ちょっと。何舐めてるの。…もしかしてさっき僕があげたお菓子の、飴玉?」
杏子「もうこれしか残って無い」コロコロ
恭介「君って奴は、もう~…」ガックリ
この時間だとやっぱりそうなるねぇ
人少ないとSS投稿は難しいわ
人少ないとSS投稿は難しいわ
杏子「情けない声出すなよー。なら逆に、恭介は最近何練習してんのさ?」
恭介「最近?」
杏子「そ!アンタが最近一番練習してる曲が聞きたいな」
恭介「…わかったよ。じゃあ、いくね?」
杏子「あ!その前に!」
恭介「?」
杏子「…なんて曲?」
恭介「…シューベルト作曲。…歌曲集『湖上の美人』エレンの歌 第3番」
恭介「…通称『シューベルトのアヴェ・マリア』」
恭介「最近?」
杏子「そ!アンタが最近一番練習してる曲が聞きたいな」
恭介「…わかったよ。じゃあ、いくね?」
杏子「あ!その前に!」
恭介「?」
杏子「…なんて曲?」
恭介「…シューベルト作曲。…歌曲集『湖上の美人』エレンの歌 第3番」
恭介「…通称『シューベルトのアヴェ・マリア』」
http://www.youtube.com/watch?v=OY0-VNKgLaU
恭介<~♪>
少年が演奏を始めると、瞬間、優しい音楽が礼拝堂を満たした。美しい旋律に聴き入り、目を閉じてじっと耳を傾ける少女
陽はいよいよ地平線へ向かい、周囲が徐々に陰を増すこの時間。丁度ステンドグラスの上を横切る太陽が、本日最後の光を聖壇に届けてくれていた
逆光が二人をシルエットで覆い、世界が光に包まれる
目を閉じても優しいオレンジ色の陽光は瞼の裏をゆらゆらと踊る
バイオリンの旋律に同調するように降り注ぐ光はどこか寂しげで、けれど、そこには確かに全て包み込む暖かさが存在した
今日は風が強いのか、それとも寂しそうに佇む教会への贈り物のつもりなのか。控えめに、少し離れたところにある住宅街からだろう夕餉の匂いを運んでくる。暖かな匂い。優しい匂い。…人の匂い
コロン、と。口の中で小さな音を立てて、杏子の口の中の飴玉が転がった。…それで、最後。まるでこの至福の瞬間にもすぐに終わりが訪れるのだという暗示の様に、儚く溶けて消えた。砂糖と香料の淡い残り香を残して
恭介<~♪>
少年が演奏を始めると、瞬間、優しい音楽が礼拝堂を満たした。美しい旋律に聴き入り、目を閉じてじっと耳を傾ける少女
陽はいよいよ地平線へ向かい、周囲が徐々に陰を増すこの時間。丁度ステンドグラスの上を横切る太陽が、本日最後の光を聖壇に届けてくれていた
逆光が二人をシルエットで覆い、世界が光に包まれる
目を閉じても優しいオレンジ色の陽光は瞼の裏をゆらゆらと踊る
バイオリンの旋律に同調するように降り注ぐ光はどこか寂しげで、けれど、そこには確かに全て包み込む暖かさが存在した
今日は風が強いのか、それとも寂しそうに佇む教会への贈り物のつもりなのか。控えめに、少し離れたところにある住宅街からだろう夕餉の匂いを運んでくる。暖かな匂い。優しい匂い。…人の匂い
コロン、と。口の中で小さな音を立てて、杏子の口の中の飴玉が転がった。…それで、最後。まるでこの至福の瞬間にもすぐに終わりが訪れるのだという暗示の様に、儚く溶けて消えた。砂糖と香料の淡い残り香を残して
杏子(…ああ。この曲は…)
瞬間、佐倉杏子は思い出す。この曲は、昔父親が良く演奏していた曲だ
ボロッちい教会の、これまたボロッちいオルガンによる演奏で、この演奏に比べれば随分と下手くそな演奏だったが…それでも、幼い自分と妹には、天上からの福音に聞えたものだ
こんなにも美しい旋律を奏でる父親はきっと凄い人物に違いないと、誇り高い気分になってたのをくすぐったい気持ちで…思い出す。そして…
そして、杏子が過去を振り返っているわずかな間、同時に、上条恭介も過去を振り返っていた。それもついさっき、扉を開け、本堂に入った瞬間の事を
瞬間、佐倉杏子は思い出す。この曲は、昔父親が良く演奏していた曲だ
ボロッちい教会の、これまたボロッちいオルガンによる演奏で、この演奏に比べれば随分と下手くそな演奏だったが…それでも、幼い自分と妹には、天上からの福音に聞えたものだ
こんなにも美しい旋律を奏でる父親はきっと凄い人物に違いないと、誇り高い気分になってたのをくすぐったい気持ちで…思い出す。そして…
そして、杏子が過去を振り返っているわずかな間、同時に、上条恭介も過去を振り返っていた。それもついさっき、扉を開け、本堂に入った瞬間の事を
とても廃墟とは思えない神聖な雰囲気に息を呑んだ。人気の無い静謐な本堂を二人の歩くコツコツという硬質な音を、埃塗れの床が和げているのが、足の裏の感触でわかる
歩いても埃が舞い上がらないのは、この厳かな空気が埃を押し潰しているからなのかもしれないなどとくだらない事を考え、苦笑が浮かんだ
不思議そうに振り返り訳を尋ねる杏子に謝罪しながら、結局理由は教えなかった。…言えば、また馬鹿にされるに決まってる
迷う事無く、まっすぐ聖壇の前まで歩いてゆく杏子
跪き、十字架に祈りを奉げるその姿は実に堂に入っており…
恭介(…まるで、修道女みたいだった)
既に傾きかけてきていた夕日の光は、祈る少女の赤毛を一層紅く染め、一種の神聖さと…血の色を連想させた。
恭介(…まるでキリストの流す血のように…なんて言ったらやっぱり馬鹿にされるんだろうなぁ)
演奏の最中にここまで余計な事を考えるのも珍しい。しかし、悪くない感じだ。雑念が雑念で無い感じとでもいうのだろうか、すこぶる調子は良い
そして、頭を疑問…というか、ある種の確信が過ぎる
…こっちは、あまり気分の良いものでは無かった
恭介(…杏子。君の家族は、やっぱり…)
杏子「…」コツ…
恭介「?」
しかし徐に一歩前に踏み出した杏子にその疑問は蔭を顰める事になる。
恭介(どうしたんだ?杏子…)
杏子「すぅー…」
歩いても埃が舞い上がらないのは、この厳かな空気が埃を押し潰しているからなのかもしれないなどとくだらない事を考え、苦笑が浮かんだ
不思議そうに振り返り訳を尋ねる杏子に謝罪しながら、結局理由は教えなかった。…言えば、また馬鹿にされるに決まってる
迷う事無く、まっすぐ聖壇の前まで歩いてゆく杏子
跪き、十字架に祈りを奉げるその姿は実に堂に入っており…
恭介(…まるで、修道女みたいだった)
既に傾きかけてきていた夕日の光は、祈る少女の赤毛を一層紅く染め、一種の神聖さと…血の色を連想させた。
恭介(…まるでキリストの流す血のように…なんて言ったらやっぱり馬鹿にされるんだろうなぁ)
演奏の最中にここまで余計な事を考えるのも珍しい。しかし、悪くない感じだ。雑念が雑念で無い感じとでもいうのだろうか、すこぶる調子は良い
そして、頭を疑問…というか、ある種の確信が過ぎる
…こっちは、あまり気分の良いものでは無かった
恭介(…杏子。君の家族は、やっぱり…)
杏子「…」コツ…
恭介「?」
しかし徐に一歩前に踏み出した杏子にその疑問は蔭を顰める事になる。
恭介(どうしたんだ?杏子…)
杏子「すぅー…」
杏子「♪Ave Maria Jungfrau mild (アヴェマリア、慈悲深き乙女よ)」
恭介「!?」
恭介「!?」
恭介の脳内だとこんな風になるのかwww
驚きのあまり思わず演奏の手を止めた恭介を、抗議の目で睨む杏子
杏子「…止めんなよ」
恭介「あ、ああ。すまない」
杏子「…さっきの続きからな」
恭介「わ、わかった…」
恭介「…」
恭介<~♪>
杏子「♪Erhore einer Jungfrau Flehen (おお 聞き給え 乙女の祈り)」
杏子「…止めんなよ」
恭介「あ、ああ。すまない」
杏子「…さっきの続きからな」
恭介「わ、わかった…」
恭介「…」
恭介<~♪>
杏子「♪Erhore einer Jungfrau Flehen (おお 聞き給え 乙女の祈り)」
安心しろ
クラシックなんて間違ってても指摘出来ない知識量だ
杏子「♪Aus diesem Felsen starr und wild (荒んだ者にも汝は耳を傾け)」
杏子(懐かしいな…)
杏子(あの頃は貧乏だったけど、楽しかった…)
杏子(親父が居て、お袋が居て、モモが居て、さ…)
杏子(あたしも魔法少女になったばっかりで、困ってる人を助けたいとかなんとか、甘っちょろい事本気で考えてて、さ…)
杏子「…」
杏子(本当に、馬鹿で間抜けな餓鬼だったよ…)
杏子(…何であんな事を願っちまったかなぁ)
杏子(あーーーーあ…)クスッ
恭介(…杏子?)
杏子「♪Soll mein Gebet zu dir hinwehen. (絶望の底からも救い給う) 」
杏子(懐かしいな…)
杏子(あの頃は貧乏だったけど、楽しかった…)
杏子(親父が居て、お袋が居て、モモが居て、さ…)
杏子(あたしも魔法少女になったばっかりで、困ってる人を助けたいとかなんとか、甘っちょろい事本気で考えてて、さ…)
杏子「…」
杏子(本当に、馬鹿で間抜けな餓鬼だったよ…)
杏子(…何であんな事を願っちまったかなぁ)
杏子(あーーーーあ…)クスッ
恭介(…杏子?)
杏子「♪Soll mein Gebet zu dir hinwehen. (絶望の底からも救い給う) 」
シューベルト作曲
歌曲集『湖上の美人』エレンの歌 第3番
通称『シューベルトの子守唄』
三大アヴェ・マリアに数えられるこの名曲は、ウォルター・スコットの名高い叙事詩『湖上の麗人』のドイツ語訳に曲付けされたものであり、
したがってシューベルトの《歌曲集『湖上の美人』》の一部を成しているに過ぎない
そのため、一般に世間に知られる『シューベルトが《アヴェ・マリア》という宗教曲を作曲したのだ』という考えは実は誤解であり、
作曲者の死後から2世紀近い現在、いくつもの解釈を受けた果てに起こった誤解の一つともされている
それは万人に愛され、長く歌われてきた名曲の宿命でもあるのだろう。だが、それが何だというのか。この曲は…
杏子(この歌は…私の歌だ)
杏子「Wir schlafen sicher bis zum Morgen (汝の慈悲の下で安らかに眠らん)」
歌詞の意味など、解らない。考えた事も無い。そもそも何語なのかすら、知らない。歌えるのは、何度も聴いているうちに音で覚えただけだ
杏子「Ob Menschen noch so grausam sind. (世間から見捨てられ罵られようとも)」
しかし、杏子は知っている。この歌の持つ意味を。想いを。否。自分で独自の解釈をしただけだ。自分の都合の良いように。勝手に
それでいい。この歌詞どんな意味が込められているのか?例え本来の意味は知らずとも、少なくとも杏子の中で、彼女の歌う『歌』の意味は、そういう意味を込められて歌われるものなのだから
即ち
誰かの為に、祈る事
歌曲集『湖上の美人』エレンの歌 第3番
通称『シューベルトの子守唄』
三大アヴェ・マリアに数えられるこの名曲は、ウォルター・スコットの名高い叙事詩『湖上の麗人』のドイツ語訳に曲付けされたものであり、
したがってシューベルトの《歌曲集『湖上の美人』》の一部を成しているに過ぎない
そのため、一般に世間に知られる『シューベルトが《アヴェ・マリア》という宗教曲を作曲したのだ』という考えは実は誤解であり、
作曲者の死後から2世紀近い現在、いくつもの解釈を受けた果てに起こった誤解の一つともされている
それは万人に愛され、長く歌われてきた名曲の宿命でもあるのだろう。だが、それが何だというのか。この曲は…
杏子(この歌は…私の歌だ)
杏子「Wir schlafen sicher bis zum Morgen (汝の慈悲の下で安らかに眠らん)」
歌詞の意味など、解らない。考えた事も無い。そもそも何語なのかすら、知らない。歌えるのは、何度も聴いているうちに音で覚えただけだ
杏子「Ob Menschen noch so grausam sind. (世間から見捨てられ罵られようとも)」
しかし、杏子は知っている。この歌の持つ意味を。想いを。否。自分で独自の解釈をしただけだ。自分の都合の良いように。勝手に
それでいい。この歌詞どんな意味が込められているのか?例え本来の意味は知らずとも、少なくとも杏子の中で、彼女の歌う『歌』の意味は、そういう意味を込められて歌われるものなのだから
即ち
誰かの為に、祈る事
与える事
与えられる事
この曲を初めて聴いた時から、きっとこの曲はその為に創られたのだと、確信していた。深い理由など無いが
杏子「O Jungfrau, sieh der Jungfrau Sorgen (おお 聞き給え 乙女の祈り)」
…それはかつて捨てたはずの想いでもあるが
その想いを、暖かい気持ちと…若干の鈍い痛みを伴って…思い出す
美しい旋律と、若干調子はずれの、しかしそれでもそれを補って余りある程に心地良い楽しげな歌声は、すっかり帳を下ろした、夜の優しい闇の中に溶け込んでいった
尚も不思議な演奏会は、続く
恭介<~♪>
杏子「O Mutter, hor ein bittend Kind Ave Maria… (おお 母よ聞き給え 懇願する子らを…)」
与えられる事
この曲を初めて聴いた時から、きっとこの曲はその為に創られたのだと、確信していた。深い理由など無いが
杏子「O Jungfrau, sieh der Jungfrau Sorgen (おお 聞き給え 乙女の祈り)」
…それはかつて捨てたはずの想いでもあるが
その想いを、暖かい気持ちと…若干の鈍い痛みを伴って…思い出す
美しい旋律と、若干調子はずれの、しかしそれでもそれを補って余りある程に心地良い楽しげな歌声は、すっかり帳を下ろした、夜の優しい闇の中に溶け込んでいった
尚も不思議な演奏会は、続く
恭介<~♪>
杏子「O Mutter, hor ein bittend Kind Ave Maria… (おお 母よ聞き給え 懇願する子らを…)」
恭介「…終わり」スッ
杏子「…ふぅ」
恭介「…驚いたよ。心底驚いた」
杏子「へへ。大したもんだろ?」
恭介「ああ。…でも、どうして?」
杏子「…ま、そんなのはどうでもいいじゃん!それより次!次!」
恭介「…わかった。次は何を弾こうか?」
杏子「んー…!じゃあさ!じゃあさ!次は聞いてて楽しくなるような、アゲアゲな奴頼むよ!で、その次は格好いい奴!」
恭介「アゲアゲって…クラシックだよ?」
杏子「そこをなんとか!」
恭介「うーーん。ヴァイオリンだけでって…難しいなぁ。じゃあ、エルガーの…」
杏子「わくわく!」
杏子「…ふぅ」
恭介「…驚いたよ。心底驚いた」
杏子「へへ。大したもんだろ?」
恭介「ああ。…でも、どうして?」
杏子「…ま、そんなのはどうでもいいじゃん!それより次!次!」
恭介「…わかった。次は何を弾こうか?」
杏子「んー…!じゃあさ!じゃあさ!次は聞いてて楽しくなるような、アゲアゲな奴頼むよ!で、その次は格好いい奴!」
恭介「アゲアゲって…クラシックだよ?」
杏子「そこをなんとか!」
恭介「うーーん。ヴァイオリンだけでって…難しいなぁ。じゃあ、エルガーの…」
杏子「わくわく!」
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