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    元スレ春香「プロデューサーさん、正統派ですよ、正統派!」

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    タグ : - アイドルマスター + - 天海春香 + - 如月千早 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    101 = 1 :

    P(さて、次は―――)

    P「貴音、次はお前のプロデュース方針を決めて行こう」

    貴音「……(来ましたか……!)はい、かしこまりました」

    102 = 1 :

    貴音(先ほどまでの千早、春香の方針についての話を聞いて、わかったことがあります)

    貴音(この方は、わたくしたちが今は見えない所、遥か先の方を見据えているということ…………)

    貴音(日常的な考えのその先。『理想』を追い求めているということ)

    貴音(……果たして、わたくしには彼の理想を実現できるだけの力が、あるというのでしょうか)

    103 = 1 :

    P「貴音……話してもいいか?」

    貴音「……はい、どうぞ」

    真美「えっとー、千早お姉ちゃんが『歌姫』で、はるるんが『正統派』だっけ」

    春香「貴音さんは……何ですか?」

    P「貴音はだな、『女優』だ」

    貴音「………………」ジョユウ……

    真美「…………」フムフム

    104 = 1 :

    春香「プロデューサーさん。一応確認なんですけど『アイドルのような女優さん』ってことですよね」

    P「……実はな、女優以外の選択肢もいくつかある」

    P「それこそ歌唱力に磨きをかけて『歌姫』を目指してもいいし『グラビアアイドル』も考えられる」

    P「スタイルの良さというのも、立派な武器の一つだぞ」

    春香(……千早ちゃんには聞かせられないな……)

    105 = 1 :

    P「貴音にはあらゆる可能性が眠っているんだが、俺がプロデュースしたいのは『女優・四条貴音』だ」

    貴音「それは……何故でしょうか」

    P「俺はな、初めてお前を見た時に『きれいな人だなあ』って思った」

    貴音「…………たいへん嬉しく思います」ペコリ

    P「それでな、同時に『不思議な人だなあ』とも思った。そして今でもそう思ってる」

    106 = 1 :

    真美(わからなくもないかな~)

    春香(確かに……)

    貴音「それはまた……どうして、その様に思われたのですか?」

    P「まずな、貴音には他の人以上の『オーラ』があるんだよ」

    貴音「…………おーら……?」

    P「……わかりにくいなら日本語で言い換えるか?…………『絶対的な存在感』だな」

    107 = 1 :

    P「……一人でいる時の貴音には、凛とした張りつめた空気が流れている、と俺は思った」

    P「だけど時折、とても暖かくて心地の良い表情を見せるお前がいた」

    P「そして……それは事務所のみんなと一緒にいる時も同じだった」

    P「貴音が厳しい声を発すると、みんなの心が引きしまる。優しく語りかけると、みんな穏やかな気持ちになる」


    108 = 1 :

    貴音(そう、だったのでしょうか……。……自分では、全く気が付いておりませんでした…………)

    P「お前が居ることで、そして発言することで空気が変わるんだ。つまり、貴音がその場を支配していると言っても過言ではない」

    P「何を考えているのかわからないのに、こちらの心は見透かされているような気もする、と感じた」

    109 = 1 :

    P「『四条貴音』という人物が、決定的な面では決して掴めない。……だから、不思議だ、と思ったんだ」

    真美(大げさ……でもない、かなあ…………)

    P「そしてお前の持ち味の一つでもあるが……人からどう思われているか、ということに頓着が無い」

    P「自分を客観視することも確かに重要なんだが……そこがまた、お前の不思議な世界観を作っているのだと思う」

    110 :

    貴音は可愛い

    111 = 1 :

    P「歌手活動もしてもらおうとは考えているが、そんな魅力を持った貴音には、そこで終わって欲しくない」

    P「貴音が最も映える場所、それが…………『女優の世界』だと思った」

    春香(………………)ゴクリ

    P「どうだ……貴音?」

    貴音「………………」

    貴音「あなた様は……先程、『まずは』と仰いました」

    112 = 1 :

    貴音「わたくしを女優の道へ進ませたい理由は、他にもあるのでしょう?」

    貴音「それを聞いてから判断するのも、遅くはないと思います」

    P「…………そう、だな」

    P「貴音の持っているもの。神秘的な雰囲気、安定した演技の表現力とか」

    P「……そういった所も、女優の資質としては十分なんだ。これだけでも根拠にはなる」

    113 = 1 :

    P「だけど、ここは敢えて言わせて欲しい。貴音の一番の武器は『美貌』だ」

    真美(うぇ!?)

    春香(んな!?)

    貴音「……美貌、ですか……?」キッ

    P「…………睨まないでくれ。ちゃんと理由も言うから」

    P「そりゃあな、『あなたは綺麗なのが取り柄です』なんて言われたら、真面目に取り組んでる方は怒りたくもなるよ」

    114 = 1 :

    P「でもな、実は……そこが一番重要なところなんだ」

    貴音「というと……」

    P「……『吉永小百合』って、知ってるか?」

    貴音「……はい。演技力の訓練の一環として、映画の鑑賞をしていました時に、何本か出演作を」

    P「吉永小百合ってのはな、そりゃあとんでもない女優なんだ」

    真美(……どうとんでもないんだろう?)

    115 = 1 :

    P「50代以上の男性、それこそうちの社長もだ。その人たちにとって『好きな女優』を聞けば、『吉永小百合』と答えるだろう」

    貴音「それはそれは…………しかし、それがどう関係あるのでしょうか」

    P「これは彼女の人気が、彼女が活躍した当時の世代の人たちから、変わらずに高いということだな」

    P「これには、当時の吉永小百合の人気についても話す必要がある」

    116 = 1 :

    春香(……そう言えば、お父さんが昔ファンだったって言ってたなあ……)

    P「俺自身も、もちろん当時のことはわからない。生まれてないし。だからここからは、社長から聞いたことだ」



    ……

    社長「彼女は、とにかく美しかった」

    社長「そして上品で、健気だった。……彼女の演技力には、他の女優にはない目を見張るものがあったよ」

    117 = 1 :

    社長「……しかし、思い焦がれながらも、彼女と結婚したい……とは、実は思うことが出来なかったんだよ」

    社長「なんだかねえ、『そのままであって欲しい』と思ってしまうんだ」

    社長「自分なんかが彼女の世界に入って、彼女を汚してしまいたくなかったんだ。恥ずかしい話だがね」

    社長「…………そうだな、『アイドル』とは少し違うのかもしれないな」

    118 = 110 :

    P「AV女優だ!」

    119 = 1 :

    社長「『マドンナ』……格好をつけて言ってしまえるのなら、『女神』……少なくとも私には、そんな存在だったよ」

    社長「この間の映画も素晴らしかった。あれだけの年月が経ても変わらずに綺麗でいて……当時を思い出して浸ってしまったよ」

    ……

    P「と、社長から聞いた」

    P「社長の話からわかったこと……それは、吉永小百合は『清純派』だったということ」

    120 = 1 :

    春香「正統派、とは違うんですか?」

    P「違う……だろうな。……社長の話にもあったように、憧れの対象ではあるんだが『理想の存在』とはまた違う」

    P「『誰のものでもない』『穢れていない』という不可侵性……か」

    P「正統派が『こうなりたい』と思う『理想』であるのに対して、清純派は『彼女が変わらず、いつまでも思い続けていたい』と思わせる一種の『不変性』がある」

    122 = 1 :

    P「そして清純派アイドルこそ今でも存在するが、吉永小百合が今でもなお人気が衰えない理由が、ここにある」

    真美「それって社長が言ってた……」

    貴音「『変わらずに綺麗でいて』……そういうことですね、あなた様」

    P「……そうだ。吉永小百合は、今でもなおその美貌を保ち続けている。そして『変わらずに』という言葉には現在と過去の両方が含まれる」

    123 = 1 :

    P「一線を退くまで大きなスキャンダルも無く、『憧れのマドンナ』であり続けた過去」

    P「そして年齢を重ねても美しさが変わらない現在」

    『今でも変わらずにいる彼女を、自分も変わらずに好きで居続けたい』

    P「……そう思う人たちがいるからこそ、今でも人気が衰えない」

    貴音「………………」

    124 = 1 :

    P「ちょっと脱線しかかったな。俺は貴音を清純派として売り出したいわけじゃないし、それだけの長い期間活動しろ、と言いたいわけでもない」

    P「俺が言いたかったのは

    貴音「もう、結構です。あなた様」

    春香(……貴音、さん……?)

    P「…………言ってくれ」

    貴音「わたくしに求めるもの。それは容姿端麗な女優、というだけではないのですね」

    125 = 1 :

    貴音「きっとあなた様はこう仰るはずだったのでしょう……『貴音にも同様に、変わらないと思わせる不変性があるのだ』と」

    貴音「……わたくし自身、これから先どうなって行くかなど、知る由もありません。もちろん自分にそんなものがあるのかどうかも」

    貴音「しかし、それでも『わたくし自信』は決して変わらずにありたい、と。確かにそう思っていました」

    127 = 1 :

    貴音「……わたくし自身が、決して流されずにありのままの『四条貴音』で居続ける」

    貴音「あなた様のお言葉を借りるなら……そんな『不思議な人』であることが、吉永殿のような不変性に繋がるのでしょう」

    真美(お姫ちん……)

    P「……続けて」

    貴音「あなた様が仰っていた『美貌』。初めはどういう事かと憤慨しそうになりましたが、ようやく理解できました」

    128 = 1 :

    貴音「綺麗である、それ自体は天賦の才。しかしそれを維持することは、その者の努力が無ければ達成し得ないこと」

    貴音「美貌を維持することもまた才能の一種であり、変わらずに人気が続くことの難しさを表している」

    貴音「そしてわたくしにはそれが可能である…………と、あなた様は思っている」

    129 = 1 :

    貴音「この『変わらないであろう美貌』と『絶対的な存在感』を最大限に活かす場所が、『女優』である」

    貴音「そういうことを言いたいのだと、わたくしは思いました。…………わたくしの話は、これで以上です」

    春香「…………プロデューサーさん、貴音さんの話、どうなんですか?」

    P「いや…………驚いたな。ほとんど俺の考えていたことと同じ。ほぼ正解」

    130 = 1 :

    真美(お、お姫ちんSUGEEEE!)

    貴音「……しかしあなた様、あなた様は少々わたくしを買い被り過ぎています」

    貴音「わたくしは変わらぬ美貌など持っているとは思えませんし、絶対的な存在感を出しているとも思っていません」

    貴音「もちろん中途半端な所で芸能界を去るつもりはありませんが、そのような存在になれるかどうかは……」

    P「なんだ、随分弱気だな」

    131 = 110 :

    弱気やな

    132 = 126 :

    さるよけ

    133 = 1 :

    P「ていうか……気づいてなかったのか?」

    貴音「……?何がでしょうか」

    P「俺と貴音がしゃべっているとき、今もそうだ。春香と真美……二人とも、息を呑んで貴音の発言を待っている」

    貴音「え…………?」

    春香(え……あ……)

    真美(あ、そう言えば……)

    134 = 1 :

    P「二人ともよくしゃべる方なのに、自分の意見のほとんどを心に押しとどめて、貴音が何を言うかに注目していた」

    P「これが場を支配していないんなら、何だって言うんだ」

    貴音「なんと……」

    P「……気づいてないだけで、お前には眠っている才能がまだまだある」

    P「でもお前自身も言っていたように、『それを維持する』のは生まれつきの才能だけでは賄えない」

    135 = 1 :

    P「それには普段の貴音のように、『変わらないでいる』ことの大事さをわかっていないとな」

    貴音「……ふ、ふふ………」

    真美「お姫ちん?」

    貴音「あなた様。おーら、もそうですが……永遠の美貌など、やはりわたくしには保証できませんよ?」

    貴音「それでも構わないと言うのなら……せめて『永遠の美貌を追い求める女優』くらいならば、目指せるかもしれません」

    136 = 1 :

    春香「貴音さん、じゃあ……!」

    P「貴音の方針は女優活動…………で、いいんだな?」

    貴音「ええ、……望むところです!」シジョッ

    真美「おーおー、お姫ちんが急に元気になった~!!」ヤッター

    P「ふふ……何事も、小さなことからコツコツと……だ。焦ってはいけない」

    137 = 1 :

    P「最初は貴音の表現力に負担の掛からない役柄を想定して、オーディションを受けた方がいいな」

    P「ミステリアスな孤高の女性。たとえば女王様的な……それこそ悪役の仕事でも、積極的に取って行こう」

    P「一度でも貴音の演技力とスタイルを見たら、すぐに色んな所から主演のオファーが来るだろうしな」

    138 = 1 :

    貴音「わかりました、あなた様。……大きな目標が出来た今、多少の回り道は覚悟の上です」

    P「任せとけ。ラーメンを死ぬほど食えるような、お金持ちの大女優にしてやるよ」

    春香(……流石にラーメンを死ぬほど食べるような女優は美しくないんじゃないかなあ……)フアンダワ




    貴音編 おわり

    139 :

    いいねえ

    140 = 97 :

    真や響が気になる

    141 :

    なるほど…
    アイドルに「キャラクター」を与えて、個性や人間性を殺してでも、
    「キャラクター」に沿った方針を当てがうことで売り込むのか。
    たしかに昭和、アイドル創生期の頃だと『正統派』な考えを持ってきてるPだな。
    「アイドルはトイレにいきません」みたいな。

    他にも961プロとかってそんな売り込み方じゃなかったけか

    142 = 1 :

    流石に夜通し書いてたから疲れたよ……今日はひとまず寝るよ
    起きたらさっさと続き書いて、早く新作投下するように頑張るよ
    残ってたらここに載せるし、なけりゃ作るしね。
    他人の書いた作品も参考になるから、乗っ取りも好きにやってもらって結構だよ

    ……あと、貴音の口調って難しいね。

    >>141
    コンセプトが>>81なんで、理屈っぽくなっちゃうのは否定できません
    その分説得力を持てるように、頑張ります
    各キャラにとって無理のない活動を考えてるつもりです……

    143 :

    朝からとんでもないスレ開いちまった

    支援

    144 = 79 :

    ひとまずおつかれ。
    納得できるし面白い。

    145 = 141 :

    >>142なんか偉そうで気を害したらごめんなさい

    おつおつ

    146 :

    効を労うのも紳士の勤め

    147 :

    これはあずささんの登場が待ち望まれる
    が、竜宮小町のメンバーはやはり無理なのか?

    149 :

    ほす


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