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元スレ女僧侶「勇者様にプロポーズされました」
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男「……」テクテク
父「……」テクテク
父「幼、今日にも王へ報告に行くと言ってたぞ」テクテク
男「そっか」テクテク
父「……」
父「なあ、男。意地を張るのはやめたらどうだ」
男「意地なんて張ってないよ」
父「いいや。張ってる」
男「張ってないよ」
父「素直になれ」
男「うるさいな」
男「父さんが勝手に邪推してるだけだろ?」
父「……」テクテク
父「幼、今日にも王へ報告に行くと言ってたぞ」テクテク
男「そっか」テクテク
父「……」
父「なあ、男。意地を張るのはやめたらどうだ」
男「意地なんて張ってないよ」
父「いいや。張ってる」
男「張ってないよ」
父「素直になれ」
男「うるさいな」
男「父さんが勝手に邪推してるだけだろ?」
男「あいつは……妹で、姉で、幼なじみで」
男「……大切な人だよ」
父「……」
男「ああ、わかった。言うさ。好きさ。大好きだよ。いつからか知らないけど、大好きだ」
男「……ずっと一緒なのが当たり前だって思ってた。離れてたって、帰ってくると思ってた」
男「幼だって……そう思ってくれてると、思ってた」
男「……そうさ……そう」
父「……」
男「……大切な人だよ」
父「……」
男「ああ、わかった。言うさ。好きさ。大好きだよ。いつからか知らないけど、大好きだ」
男「……ずっと一緒なのが当たり前だって思ってた。離れてたって、帰ってくると思ってた」
男「幼だって……そう思ってくれてると、思ってた」
男「……そうさ……そう」
父「……」
男「でも今さらだ。あいつは勇者様と結婚を決めたみたいだ」
男「なら今さら伝えたって迷惑なだけだろ?
自惚れるつもりはないけど、万が一それであいつの心が揺れたら……」
男「相手は勇者様だ。俺なんかじゃ側にいる資格もないし」
男「国を相手すんのと同じさ。世界を相手にすんのと同じだよ」
男「あいつは世界を救った選ばれた人間で」
父「かぁぁぁぁぁつ!」
男「」
男「なら今さら伝えたって迷惑なだけだろ?
自惚れるつもりはないけど、万が一それであいつの心が揺れたら……」
男「相手は勇者様だ。俺なんかじゃ側にいる資格もないし」
男「国を相手すんのと同じさ。世界を相手にすんのと同じだよ」
男「あいつは世界を救った選ばれた人間で」
父「かぁぁぁぁぁつ!」
男「」
父「お前なんなの?グチグチグチグチ言い訳ばっかり並べやがって」
父「相手が勇者様だからとか世界を救った人間だからとか」
父「言い訳ばっかすんじゃねえぞ。お前、もし幼がただの女の子だったとしても」
父「断言してやる。お前は何も言わない」
父「伝える勇気がないだけだろうが」
男「っ」
父「ずっと、一緒にいると思ってた?」
父「じゃあ何か?幼のやつから『きみが好き』と言うのを待ってたってか?」
父「なめんな……人生なめんな!!あんないいコが一緒に住んでたこと自体が奇跡だろうが」
父「んな都合いいことばかりが人生でひょいひょいあると思うなよ!!」
父「相手が勇者様だからとか世界を救った人間だからとか」
父「言い訳ばっかすんじゃねえぞ。お前、もし幼がただの女の子だったとしても」
父「断言してやる。お前は何も言わない」
父「伝える勇気がないだけだろうが」
男「っ」
父「ずっと、一緒にいると思ってた?」
父「じゃあ何か?幼のやつから『きみが好き』と言うのを待ってたってか?」
父「なめんな……人生なめんな!!あんないいコが一緒に住んでたこと自体が奇跡だろうが」
父「んな都合いいことばかりが人生でひょいひょいあると思うなよ!!」
父「いいか?気持ちはな、言わなきゃ伝わんねえんだよ」
父「大抵の物事はな。自分から踏み出さねえと始まらねえんだよ」
男「……っ」
父「酸っぱいわ!むずがゆいわ!青春か!」
父「恋愛なんぞ当たって砕けろ。ダメで元々、くよくよすんな」
父「だけどな、これだけは言える」
父「伝えずに終わった気持ちはな……伝えて終わった気持ちより」
父「何倍とつらいぞ」
男「う……」
父「大抵の物事はな。自分から踏み出さねえと始まらねえんだよ」
男「……っ」
父「酸っぱいわ!むずがゆいわ!青春か!」
父「恋愛なんぞ当たって砕けろ。ダメで元々、くよくよすんな」
父「だけどな、これだけは言える」
父「伝えずに終わった気持ちはな……伝えて終わった気持ちより」
父「何倍とつらいぞ」
男「う……」
父「……幼がお前のことをどう思ってるかは別にしてもだな」
父「言い訳せずに、言ってこい」
父「いいじゃねえか平民風情」
父「主人公か!!?」
父「走れや!」
父「行ってこい!!」
男「――」
父「相手は勇者様だ!気合いいれてけよ!!」
父「言い訳せずに、言ってこい」
父「いいじゃねえか平民風情」
父「主人公か!!?」
父「走れや!」
父「行ってこい!!」
男「――」
父「相手は勇者様だ!気合いいれてけよ!!」
気づくと、彼は駆け出していた。
心臓が痛いほど高鳴っている。
思えばこの十数年、こんな気持ちになったことはなかった
――大抵の物事はな
――自分から踏み出さなきゃ始まらないんだ
父の言葉が、痛かった
心臓が痛いほど高鳴っている。
思えばこの十数年、こんな気持ちになったことはなかった
――大抵の物事はな
――自分から踏み出さなきゃ始まらないんだ
父の言葉が、痛かった
男「はぁっ、はぁっ」
すでに夕刻。
あるいは勇者たちは報告を終え、家路についた可能性もある。
だが不思議な確信があった――『間に合った』
男「城は……あっちか!」
男「っ!」
走る。走る。
城門へ。
そして――
兵士A「止まれ!!」
兵士B「何者だ!!」
門番が立ちふさがる。
勇者以外には易々と通ること叶わぬイベント――
男「どいてくれ!」
兵士A「馬鹿なことを言うな!!」
兵士B「ここは城だ!平民がおいそれと立ち入ってよい場所ではない!」
兵士A「まして今は『勇者様たちが来ておられる』のだぞ!」
すでに夕刻。
あるいは勇者たちは報告を終え、家路についた可能性もある。
だが不思議な確信があった――『間に合った』
男「城は……あっちか!」
男「っ!」
走る。走る。
城門へ。
そして――
兵士A「止まれ!!」
兵士B「何者だ!!」
門番が立ちふさがる。
勇者以外には易々と通ること叶わぬイベント――
男「どいてくれ!」
兵士A「馬鹿なことを言うな!!」
兵士B「ここは城だ!平民がおいそれと立ち入ってよい場所ではない!」
兵士A「まして今は『勇者様たちが来ておられる』のだぞ!」
男「っ!」
腰にある鞘から、剣を引き抜く。
兵士A「キサマ…この神聖なる王の御前にて!逆賊めが!」
兵士B「切り捨ててくれる!」
男「どけよ!!」
「何の騒ぎだ」
剥き出しの殺気が、一瞬にして鎮まった。
城門より出てくる影がふたつ……
武道家「まったく騒がしいな。このめでたい日に」
女戦士「なんの騒ぎだ?おい」
腰にある鞘から、剣を引き抜く。
兵士A「キサマ…この神聖なる王の御前にて!逆賊めが!」
兵士B「切り捨ててくれる!」
男「どけよ!!」
「何の騒ぎだ」
剥き出しの殺気が、一瞬にして鎮まった。
城門より出てくる影がふたつ……
武道家「まったく騒がしいな。このめでたい日に」
女戦士「なんの騒ぎだ?おい」
兵士「は!この者が、城へ侵入しようと暴れた次第でして」
女戦士「へえ」
男「……!!」
ゆらり、と。
こちらを向いた女戦士の笑顔は、かつて感じたことのない圧力を孕んでいた
それもそのはずだ。
彼女が背負った得物は、身の丈を遥かにこす特大長剣――
目を疑う。
あれを扱う人間がこの世にいる、それが信じられなかった
選ばれし者たち。
そんな一言が頭をよぎった
女戦士「……おい、お前」
男「……う……」
女戦士「へえ」
男「……!!」
ゆらり、と。
こちらを向いた女戦士の笑顔は、かつて感じたことのない圧力を孕んでいた
それもそのはずだ。
彼女が背負った得物は、身の丈を遥かにこす特大長剣――
目を疑う。
あれを扱う人間がこの世にいる、それが信じられなかった
選ばれし者たち。
そんな一言が頭をよぎった
女戦士「……おい、お前」
男「……う……」
女戦士「名前は何だ」
男「……男……です」
女戦士「男……何の用事か知らねえけどよ」
女戦士「剣を持って乗り込んでくるからには、ちったあ腕に自信があるんだろうな、ええ?」
片腕が背中に伸びる。
またぞろ信じ難いことに、彼女は背中の大剣を、右手一本で軽々と振り扱った
まるで曲技のように、長大なそれが小枝のごとき軽さで虚空に軌跡を描く
女戦士「ちょうど退屈してたんだ……楽しませろ」
男(……)ゴクリ
男(これ…殺される……)
男「……男……です」
女戦士「男……何の用事か知らねえけどよ」
女戦士「剣を持って乗り込んでくるからには、ちったあ腕に自信があるんだろうな、ええ?」
片腕が背中に伸びる。
またぞろ信じ難いことに、彼女は背中の大剣を、右手一本で軽々と振り扱った
まるで曲技のように、長大なそれが小枝のごとき軽さで虚空に軌跡を描く
女戦士「ちょうど退屈してたんだ……楽しませろ」
男(……)ゴクリ
男(これ…殺される……)
>>179
死ねゆとり新参
死ねゆとり新参
マトモに立ち向かえば、おそらくかすり傷ひとつ負わせることができない。
圧倒的な存在感と迫力で、身体中の毛が逆立つ。
動けなかった。
――「カッ!」
そんな状況を破ったのは、小気味よい笑い声だ。
武道家「くくく……」
女戦士「……なんで笑ってんだ?」
圧倒的な存在感と迫力で、身体中の毛が逆立つ。
動けなかった。
――「カッ!」
そんな状況を破ったのは、小気味よい笑い声だ。
武道家「くくく……」
女戦士「……なんで笑ってんだ?」
武道家「いやいや。なあ……ああ、男だったか」
男「……はい」
女戦士とはまた違う、静かな殺気だった。
彼女を剣そのものに例えるなら、彼は毒針だった。
一見頼りないが、その実は必殺の技を備えている。
そんな人間だった。
武道家「お前、なんの用事でここに来た?」
女戦士「なあ、もういいからやらせろよ」
武道家「まあ落ち着け」
武道家「……で、なぜだ?」
男「……はい」
女戦士とはまた違う、静かな殺気だった。
彼女を剣そのものに例えるなら、彼は毒針だった。
一見頼りないが、その実は必殺の技を備えている。
そんな人間だった。
武道家「お前、なんの用事でここに来た?」
女戦士「なあ、もういいからやらせろよ」
武道家「まあ落ち着け」
武道家「……で、なぜだ?」
男「……幼なじみに会いにきた」
武道家「うん?」
男「本当に今さらだけど……後悔するから」
男「…女僧侶を……幼馴染に、伝えに来たんだ」
兵士「……」
平民「……」
どっ、と笑いが起きた。
何を戯れ言を、と嘲り笑う民衆がいた。
なんと愚かなと呆れる兵士がいた。
兵士A「おい。そんな訳のわからんことで命を落とすこたないぞ」
兵士B「そうだな。さすがにくだらん
悪いことは言わん。死なないうちに去れ」
笑いが大きくなる。耳鳴りのように響く。
武道家「うん?」
男「本当に今さらだけど……後悔するから」
男「…女僧侶を……幼馴染に、伝えに来たんだ」
兵士「……」
平民「……」
どっ、と笑いが起きた。
何を戯れ言を、と嘲り笑う民衆がいた。
なんと愚かなと呆れる兵士がいた。
兵士A「おい。そんな訳のわからんことで命を落とすこたないぞ」
兵士B「そうだな。さすがにくだらん
悪いことは言わん。死なないうちに去れ」
笑いが大きくなる。耳鳴りのように響く。
武道家「うむ」
武道家「変わってないな、ガキンチョ」
その瞬間。
彼の隣にいた女戦士がぶっ飛んだ。
兵士「」
男「」
派手な音とともに真横の城壁に叩きつけられ、石細工が見事に瓦解した。
しかし彼女はすぐに這い出てくると、狂気の目を武道家へと向けた。
女戦士「てめぇ……おい、武道家、なんの真似だ」
武道家「おいガキンチョ」
男「えっ」
女戦士「無視してんじゃねえぞ!」
武道家「変わってないな、ガキンチョ」
その瞬間。
彼の隣にいた女戦士がぶっ飛んだ。
兵士「」
男「」
派手な音とともに真横の城壁に叩きつけられ、石細工が見事に瓦解した。
しかし彼女はすぐに這い出てくると、狂気の目を武道家へと向けた。
女戦士「てめぇ……おい、武道家、なんの真似だ」
武道家「おいガキンチョ」
男「えっ」
女戦士「無視してんじゃねえぞ!」
武道家「5年前、お前が俺に示した道……なるほど、確かあのとき俺はこう言ったなあ」
男「え?え?」
武道家「『我が拳が完成した曉には、お前の目の前で披露しよう』」
男「……」
男「え……あ、あのときのおっちゃん!?」
武道家「はっはっ!まあ、お前は運がいい!!」
武道家「行くがいい。今度はお前の道、俺が示してやる……おい」
兵士A「は、はい?」
武道家「そいつを通してやれ。なに、責任は全て俺と勇者が取る」
兵士A「し、しかし」
武道家「ただし勇者は強いぞお……我々よりはるかに強い。行くならば心せよ」
男「……おっちゃん」
兵士A(聞いてない)
男「え?え?」
武道家「『我が拳が完成した曉には、お前の目の前で披露しよう』」
男「……」
男「え……あ、あのときのおっちゃん!?」
武道家「はっはっ!まあ、お前は運がいい!!」
武道家「行くがいい。今度はお前の道、俺が示してやる……おい」
兵士A「は、はい?」
武道家「そいつを通してやれ。なに、責任は全て俺と勇者が取る」
兵士A「し、しかし」
武道家「ただし勇者は強いぞお……我々よりはるかに強い。行くならば心せよ」
男「……おっちゃん」
兵士A(聞いてない)
武道家「女戦士」
女戦士「いやいや、わかってるぜクソ野郎」
女戦士「てめえ面白がってるな。くくく、いいね」
女戦士「実を言うと、お前とは一回戦ってみたかったんだよ……なあ……」
真っ黒な狂気に濡れた目が見開かれる。
大剣を振りかざすと、巻き込むように風が吹き荒れ、周囲の壁が弾け飛ぶ。
同時に飛び上がった女戦士は、勢いそのまま剣を武道家に叩きつけた
――しかし。
信じがたいことに、武道家はまたその一撃を、左腕で『受け止めていた』。
武道家「くっくっ……」
女戦士「へへへ……」
武道家「はっはっは!!」
女戦士「ははははは!!」
二人「「――殺す!!」」
女戦士「いやいや、わかってるぜクソ野郎」
女戦士「てめえ面白がってるな。くくく、いいね」
女戦士「実を言うと、お前とは一回戦ってみたかったんだよ……なあ……」
真っ黒な狂気に濡れた目が見開かれる。
大剣を振りかざすと、巻き込むように風が吹き荒れ、周囲の壁が弾け飛ぶ。
同時に飛び上がった女戦士は、勢いそのまま剣を武道家に叩きつけた
――しかし。
信じがたいことに、武道家はまたその一撃を、左腕で『受け止めていた』。
武道家「くっくっ……」
女戦士「へへへ……」
武道家「はっはっは!!」
女戦士「ははははは!!」
二人「「――殺す!!」」
心なしか、二人は嬉しそうで。
兵士A「た、退避!!退避いいい!周辺の民衆を避難させろ!死人が出るぞ!」
男(そこまで!?)
女戦士が大剣を振るう度に空気が唸り、
武道家が踏み込むほどに大地が震える。
肌が焦げるほどの熱気が辺りに爆砕し、息をつくことすら躊躇われた。
およそ考えられる限りにある人間の戦いではない。
平民として生きてきた自分に口出しできるものでもなかった。
武道家いわく、勇者は彼らより強いらしい。
兵士A「た、退避!!退避いいい!周辺の民衆を避難させろ!死人が出るぞ!」
男(そこまで!?)
女戦士が大剣を振るう度に空気が唸り、
武道家が踏み込むほどに大地が震える。
肌が焦げるほどの熱気が辺りに爆砕し、息をつくことすら躊躇われた。
およそ考えられる限りにある人間の戦いではない。
平民として生きてきた自分に口出しできるものでもなかった。
武道家いわく、勇者は彼らより強いらしい。
今のところ全面的に男が悪いよね
当事者からしたらただのキチガイ
当事者からしたらただのキチガイ
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