元スレまどか「フードファイター?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
52 = 25 :
まどか「ん……甘い匂い」
さやか「うわ、何ここ? この壁クッキーでできてるよ」コンコン
マミ「ここのフードファイターの得意分野はお菓子ってことかしらね」
QB「マミの得意分野でもあるね」
マミ「そういうこと。ささっと片付けてあげるわ……あの子がそうかしら?」
シャルロッテ「……」
53 :
おい
54 = 25 :
まどか「なんだか小さい子ですね……大人しそうで」
さやか「あんまり食べなさそうだし、楽勝ですね!」
マミ「油断は禁物よ、二人とも」
シャルロッテ「……」トテトテ サッ
まどか「え、私が読むの? えっと、『ショートケーキ1ホール早食い勝負』ですって」
マミ「そう……受けて立つわ」
55 = 25 :
「ヴォーノ!」「ヴォーノ!」「ヴォーノ!」
さやか「運ばれてきたね……それにしても1ホールって多いけど、それでも今までのフードファイトの中だと少ないような」
QB「いい疑問だね、さやか。フードファイトには大食いと早食いの二種類があるんだ」
さやか「ん……どういうこと?」
QB「極端に制限時間が長かったり、量が多かったりするものが大食い。これはどれだけの量を食べられるか、どれだけ食べ続けていられるかが重要だ」
QB「今回みたいに規定の量を食べる早さを競ったり、短時間での勝負の場合は早食い。食べるスピードがものをいうね」
まどか「ってことは、今回は早食いの勝負なんだね」
QB「そう……そして大口径を持つマミは本来早食いの選手なのさ!」
56 = 25 :
「ヴォーノ!」スタート!
マミ「いただきます」カチャ
マミ「ん……生地もクリームも甘すぎず、ふんわりしてる。いいケーキだわ」
シャルロッテ「……」モグモグ…
マミ(相手のスピードもたいしたことない……それに、この量なら十分最後までもつわね)
カノン
マミ「悪いけど、一気に決めさせてもらうわ! 大口径……!」ガパア
マミ「ティロ・フィナーレ!」バクッ バクッ
57 = 25 :
まどか「わ! マミさんがもうティロ・フィナーレを!」
QB「先行逃げ切りだね。最後まで突き放してしまった方が早いと考えたんだろう」
さやか「早い! もう半分も残ってないよ!」
マミ(ふふ、二人ともはしゃいじゃって……)
マミ(胃袋が軽い……こんな気持ちで戦うの初めて)
マミ(もう何も恐くない! 一人ぼっちじゃないもの!)
シャルロッテ「……」
58 = 53 :
フラグ
59 = 25 :
まどか「あれ? 相手の子、イチゴだけ集めて……コップに?」
ギュイイイイ!! ゴクン
さやか「え!? ジュースにして飲んじゃった……!?」
まどか「あんなハンドミキサーみたいなの、どこから出したんだろ……」
マミ(箸休めに最適なイチゴを真っ先に……?)
マミ(何を考えてるか知らないけど、もう勝負はつくわ……!)バクッ バクッ
シャルロッテ「……」スゥ…
60 = 25 :
シャルロッテ「いつから、ウチのこと雑魚や思うとった?」
マミ「え……?」
メキメキメキメキ ゴパア…!
まどか「な、何あれ……あの子、いきなり大きく……!?」
さやか「それにあの口……ほとんど耳まで裂けてる! 大きすぎるよ!?」
61 = 25 :
マミ「……!」
マミ(差はまだある! もう三分の一も残ってないんだから、すぐに……!)
シャルロッテ「……」ムンズ
グシャグシャグシャ…!!
まどか「うわ、ケーキが……!」
さやか「ひどい……あんなクシャクシャに丸められて……あれじゃただの小麦ダンゴじゃない!」
62 = 25 :
マミ「う、あ……」
マミ「~~~~ッ!」バクッ モググッ
シャルロッテ「あー……」アーン…
パクン ムシャムシャ ゴクン
マミ「あ……」
決 着
●マミ(残り四分の一) シャルロッテ(完食)○
マミ「そんな、私……負け……」
パキイイイインッ…
63 :
え
64 = 25 :
まどか「そんな……マミさんのソウルジェムが……」
さやか「え、何これ……マミさん、どうなっちゃったの?」
QB「まどか! さやか! 僕と契約してフードファイターになるんだ! 生身じゃあいつには太刀打ちできない!」
マミ「……」
シャルロッテ「あらら、これくらいで壊れてしもて……情けない子ォやな」
シャルロッテ「ちょうど口直しが欲しかったトコや。肉ってのもええな……」ガパア
まどか「マミさん!? やめてえーーーーッ!!!」
QB「契約するんだ! 早く!」
???「それには及ばないわ!」
65 = 25 :
ガチンッ
シャルロッテ「……」ムグムグ
シャルロッテ「ん? 消え……?」
ほむら「間一髪……だけど」
まどか「ほむらちゃん! マミさん助けてくれたの!?」
さやか「よかった、食べられちゃったかと思った……!」
ほむら「いえ……間に合わなかったわ。巴マミは負けてしまった……」
マミ「……」
シャルロッテ「人のご馳走横取りしよってからに……マナー教えたらなアカンな」
???「席につけよ。あんたの相手はあたしだ」
シャルロッテ「うん……?」
67 = 25 :
まどか「あの子は……?」
ほむら「佐倉杏子……巴マミと面識のあるフードファイターよ」
ほむら「本当は、巴マミがファイトを始める前に到着するはずだったのに……!」
まどか「ほむらちゃん……?」
シャルロッテ「ふーん……同じルールでええんやろな?」
杏子「構わねーよ。さっさと始めな」
シャルロッテ「ま、ええわ。さっきの子はデザートにしたるさかい」
68 :
きたかジャイアント佐倉・・・
69 = 25 :
「ヴォーノ!」スタート!
ギュイイイイ!! ゴクゴクン…!
さやか「うわっ、今度は開始と同時に……!」
まどか「無理だよ! あんな早さで食べるのなんてできっこないよ!」
ほむら「いえ、佐倉杏子……彼女なら」
杏子「……」スッ… トントントン…
70 = 25 :
まどか「え? 何してるの、あれ……?」
ほむら「ケーキをナイフで切っている……それも、一口サイズに切り揃えているようね」
さやか「そんなことしてる場合じゃないでしょ!? だって相手は!」
ムンズ グシャグシャグシャ…!!
さやか「あああっ、もう小麦ダンゴができちゃった……!」
まどか「杏子ちゃんは……?」
ほむら「……丁寧にクリームを伸ばして、ケーキの断面に塗ってるわね」
71 = 25 :
シャルロッテ「ちまちま御苦労さんやなあ……さっきの子ォの方が歯応えあったで」
杏子「……」ニヤ
シャルロッテ「うん?」
杏子「あんたこそ、モタモタしててくれてありがとよ。おかげで準備完了だ」チャッ
さやか「両手にフォーク……!?」
72 = 25 :
杏子「うおおおっ!!!」ガガガガガガガッ!!!
まどか「早っ……! 全然止まらないよ!?」
QB「そうか……! 一口サイズにカットして周りをクリームでコーディングすれば喉の通りはよくなる!」
QB「パサつくスポンジのために水分を補給する必要がなくなるんだ!」
シャルロッテ「な、何をいまさら……」
シャルロッテ「このダンゴさえ食うてまえば、ウチの勝ちや!」ガポッ
73 :
何だこれは
74 = 25 :
まどか「早っ……! 全然止まらないよ!?」
QB「そうか……! 一口サイズにカットして周りをクリームでコーディングすれば喉の通りはよくなる!」
QB「パサつくスポンジのために水分を補給する必要がなくなるんだ!」
シャルロッテ「な、何をいまさら……」
シャルロッテ「このダンゴさえ食うてまえば、ウチの勝ちや!」ガポッ
シャルロッテ「……」ムグムグ
シャルロッテ「……! ……!」ムグッ ムグッ
75 = 25 :
QB「対してあのダンゴはいくら圧縮したとはいえ、イチゴすら入ってないスポンジ生地の固まり」
QB「あの量を一気に口に入れて飲み込むにはかなり時間がかかる……!」
シャルロッテ(くっ……水、水を……!)
杏子「へへ、ごちそうさん」カチャ
シャルロッテ「……ッ!!!」
決 着
○杏子(完食) シャルロッテ(飲み込めず)●
76 = 25 :
数日後・病院
まどか「マミさん、入りますね」
マミ「……」ボー…
まどか「マミさん、今日はほら! さやかちゃんのおすすめの和菓子を買ってきたんですよ!」
まどか「マミさんは洋菓子のほうが好きみたいでしたけど、たまには和菓子で緑茶かほうじ茶なんてのもいいかなって!」
まどか「ほら! パパに緑茶淹れてもらって、水筒に入れてきたんです! 熱々ですよ!」
まどか「あむ……」パク ズズ…
まどか「ふああ……日本人でよかったぁ」
マミ「……」
まどか「……ね、マミさんも一緒に……」
マミ「……」
まどか「マミさぁん……っ!」
77 = 53 :
我々と戦った犠牲は大きかったな
78 = 73 :
死ぬより酷いじゃない……
79 = 25 :
ほむら「もうやめなさい、まどか」
まどか「ほむらちゃ……っ」
ほむら「巴マミはWFFとのフードファイトに負け、ソウルジェムを砕かれた」
ほむら「巴マミはもう、物を食べることができない……」
ほむら「それどころか、心ももう……」
まどか「こんなのってないよ! あんまりだよ……!」
ほむら「……悲しいかもしれないけれど、これがフードファイター。負けるということは、こういうことなの」
ほむら「まどか、わかったでしょう? あなたはまだ引き返せる」
ほむら「フードファイターのことは忘れて、普通の生活に戻りなさい……」
まどか「……っ」
80 = 25 :
同刻・別の病室
さやか「恭介、入るよ?」
恭介「……さやかか」
さやか「うん、元気にしてた? あ……駄目じゃない、またこんなに残しちゃって」
恭介「……」
さやか「ほら、今日もお土産持ってきたよ! 恭介が好きだった和菓子屋さんの!」
さやか「まどかのお父さんにお茶も分けてもらったからさ、これでおやつに」
恭介「……っ」バシッ
さやか「あっ……!」
恭介「さやかは僕を苛めてるのかい?」
81 = 25 :
さやか「そんな……あたし、そんなつもりじゃ」
恭介「じゃあどういうつもりなんだよ!?」
恭介「いつもいつも食べ物ばかり持ってきて……! 僕はもう、味もわからないのに!」
恭介「もう食べ物なんて見たくもないんだ! やめてくれよ!」
さやか「恭介、ごめ……」
恭介「こんな、こんな舌なんか……!」
さやか「恭介……駄目ぇ!」
ガチッ!!
82 = 25 :
さやか「痛つ……っ」
恭介「む……ぷはっ」
恭介「あ……さやか、血が……」
さやか「平気、このくらい……駄目だよ、舌噛み切ろうなんてさ……死んじゃうよ?」
恭介「……ごめん」
恭介「でも……僕はもう死んでしまいたいんだ……」
83 :
なんでシャルって関西弁なの?
84 = 25 :
さやか「恭介、そんな……もう怪我は治りそうなんでしょ? また厨房に立てるって」
恭介「駄目なんだよッ!」ガンッ!!
さやか「ひっ……」ビクッ
恭介「先生に言われたんだ……僕の舌はもう治らないって。もう味覚が戻ることはないって……!」
恭介「こんなんじゃ、もう料理なんて作れない……!」
恭介「こんな僕は! もう!」
さやか「やめてよ恭介! 落ち着いて!」ガバッ
85 = 25 :
恭介「うう……っ」
恭介「ごめん、ごめんよ……さやか……」
恭介「もう……さやかが美味しいって言ってくれた料理も、何も作れない」
恭介「奇跡か、魔法でもない限り……もう……」
さやか「……あるよ」
恭介「……え?」
さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
86 = 25 :
まどか「あ……さやかちゃん」
さやか「まどか……マミさん、どうだった?」
まどか「……」フルフル
さやか「そっか」
まどか「どうして、こんなことになっちゃったのかな……?」
まどか「私はただ……綺麗に、一生懸命ご飯食べてるマミさんがかっこよくて」
まどか「いつか、私もマミさんの横で食べれたら嬉しいなって……それだけだったのに……」グスッ
さやか「うん……わかる、わかるよ」ギュッ
87 = 25 :
まどか「ほむらちゃんは、もうフードファイターに関っちゃ駄目って。あんなふうになっちゃ駄目って」
まどか「私……私、そう言われた時、凄く悲しかったけど……でもほっとしたの」
まどか「マミさんみたいにならなくていい……そう思っちゃった……!」
まどか「私……わたしっ……!」
さやか「いいんだよ、まどか。それで……」
さやか「マミさんは、まどかがフードファイターにならなくても怒らないから……大丈夫だから……」
まどか「……」グスッ ヒック…
さやか「いいんだよ、まどか。戻ろう。普通の生活に」
まどか「さやかちゃん……」
88 = 25 :
まどか「……」
まどか(あれからもう一週間か……)
まどか(本当に元に戻っちゃったな。マミさんにも、恐くて会いにいってないし)
まどか(私、ひどい子だな……)
まどか「……ん? あそこにいるのって」
仁美「……」フラフラ
90 = 25 :
まどか「仁美ちゃん? どうしたの、こんな時間に……いつもだったら習い事のはずじゃ」
仁美「カネシ……カネシが欲しいんですの……」フラフラ
まどか「え、ちょっ……仁美ちゃ……!?」
まどか(仁美ちゃんの首筋の模様……あれって確か、マミさんが教えてくれたWFFの口付け……!)
まどか「ひ、仁美ちゃん駄目だよ! おうちに帰ろう!」ギュッ
仁美「あら……まどかさん、ご一緒しましょう……この世の楽園にお連れしますわぁ」グイグイ
まどか「あう、う……凄い力……!」ズルズル…
91 :
ほ
92 = 25 :
仁美「さ、着きましたわよぉ」
まどか「う……ここ、結界……?」
まどか(何ここ……すっごい獣臭いし、暑い……!)
「マシマシ!」「マシマシ!」「マシマシ!」
エリー「引きこもって二郎が楽しめる幸せ……あれ、ご新規様?」ゴロゴロ…
まどか「……!?」
まどか(何あれ、ラーメン……?)
93 = 25 :
エリー「あっちゃー、口付けもついてないの運んできちゃったんだ……めんどくさいなあ」
エリー「そこの子、挑戦したいなら受けるけどどーする?」
エリー「無理そうならスープのダシになってもらうけどね」
まどか「やっ、やります! やります!」
エリー「ふーん……そう。やめといた方がいいと思うけどね」ムクッ
エリー「ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ、先に完食した方が勝ちね」
94 :
カネシってなんだ
95 = 25 :
「マシマシ!」「マシマシ!」「マシマシ!」
まどか「何……これ……」
まどか(脂と醤油の匂いが凄い……ドンブリの上に脂まみれの野菜が山になってる……麺が見えない)
仁美「はあぁ……カネシのかぐわしい香り、たまりませんわぁ……!」
エリー「準備いい? じゃあよーい、スタート」ズズーズルズル モグモグ
まどか「む……」
まどか「無理! 無理だよこんなの! 食べられっこないよ! こんなの絶対おかしいよ!」
エリー「無理……?」ピクッ
96 = 94 :
ああ…
97 :
当然の二郎www
99 = 25 :
エリー「それっておかしいよね? 私、やめた方がいいって忠告したし」
エリー「自分で挑戦するって言っておいて、せっかく出てきた二郎に箸もつけないなんて……」
エリー「そ れ っ て ど う な の ?」
まどか「え……?」
仁美「……ギルティですわ」
「ギルティ!」「ギルティ!」「ギルティ!」
まどか「う、あ……」
まどか(ああ、私……ばちが当たったんだ。マミさんがあんなふうになったのに、見て見ぬふりして自分だけ普通の生活に戻ろうなんてするから……)
???「ノットギルティー!!!」
100 = 25 :
エリー「……今度は何?」
さやか「その二郎はあたしが食べる! 挑戦を引き継ぐよ!」
まどか「さやかちゃん……?」
さやか「まどか、間に合ってよかった……本当に」
エリー「へー、少しはわかってる子なのかな? 熱いロットバトルにしてよね」
エリー「じゃないと……ブタにしちゃうから」
さやか「望むところ……フードファイターさやかちゃんが受けて立つ!」
まどか「さやかちゃん!? それ、ソウルジェム……!」
みんなの評価 : ★
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